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特開2024-8943特発性ポリープ状脈絡膜血管症(IPCV)の処置方法又は予防方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008943
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】特発性ポリープ状脈絡膜血管症(IPCV)の処置方法又は予防方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/06 20060101AFI20240112BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240112BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20240112BHJP
   C12N 15/115 20100101ALI20240112BHJP
   C07K 16/22 20060101ALI20240112BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240112BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20240112BHJP
   C07K 14/71 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P27/02
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/7088
A61K39/395 N
A61K31/675
A61K31/4709
A61K38/16
C12N15/115 Z ZNA
C07K16/22
C07K19/00
C07K16/00
C07K14/71
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023180279
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2020545042の分割
【原出願日】2018-11-16
(31)【優先権主張番号】62/587,126
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520169535
【氏名又は名称】イヴェリック・バイオ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】コウロウス・レザエイ
(57)【要約】
【課題】眼科疾患又は障害、すなわち特発性ポリープ状脈絡膜血管症(ICPV)の処置又は予防に有用な方法及び組成物を提供する。
【解決手段】Zimura(商標)(又は別の抗C5剤)及びEylea(登録商標)(又は別のVEGFアンタゴニスト)の硝子体内注射を含む、特発性ポリープ状脈絡膜血管症を処置又は予防するための方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特発性ポリープ状脈絡膜血管症(IPCV)を処置又は予防する方法であって、それを必要とする対象に、
(a)抗C5剤及び(b)VEGFアンタゴニスト
を投与する工程を含み、
(a)及び(b)は、IPCVを処置又は予防するのに有効である量で投与され、
投与する工程は、第1の投与期間の誘導期と、それに続く第2の投与期間の維持期に行われ、維持期の間は抗C5剤のみが毎月投与される、方法。
【請求項2】
投与する工程は、少なくとも連続3カ月の第1の投与期間、月毎に1回、±約7日で行われ、前記第1の投与期間は、(a)及び(b)の同日の投与と、それに続いて、約14日後の(a)の後続用量の投与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)及び(b)が、前記第1の投与期間の完了後に第2の投与期間に投与され、(a)は、前記第2の投与期間中に月毎に少なくとも1回投与され、(b)は、前記第2の投与期間中に1カ月おきに1回、(a)の投与と一緒に投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(a)は、前記第1の投与期間中に(b)の後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(a)の追加用量が、(a)及び(b)の両方が投与される月に、前記第2の投与期間中に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
(a)の前記追加用量は、(a)及び(b)を同日に投与する約48時間前に投与される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(a)及び(b)は、第2の投与期間中の同日に投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
抗C5剤は、アバシンカプタドペゴル又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
アバシンカプタドペゴル又はその別の薬学的に許容される塩を投与する工程は、硝子体内であり、約2.0mg/眼の量である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アバシンカプタドペゴルは、(b)が投与されない月毎に1回、4.0mg/眼の量で硝子体内投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
第2の投与期間は、第1の投与期間の最終月の日の約1カ月後に開始する、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
抗C5剤は、アバシンカプタドペゴル又はその薬学的に許容される塩である、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
アバシンカプタドペゴル又はその別の薬学的に許容される塩を投与する工程は、硝子体内であり、約2.0mg/眼の量である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
VEGFアンタゴニストは、ラニビズマブ、ベバシズマブ、ペガプタニブナトリウム、チボザニブ、ESBA1008又はアフリベルセプトである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
VEGFアンタゴニストを投与する工程は硝子体内である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
VEGFアンタゴニストは、アフリベルセプトであり約2mg/眼の量で投与され、ベバシズマブであり約1.25mg/眼の量で投与され、又はラニビズマブであり約0.5mg/眼の量で投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
VEGFアンタゴニストは、アフリベルセプトであり約2mg/眼の量で投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
アバシンカプタドペゴルは、(b)が投与されない月毎に1回、4.0mg/眼の量で硝子体内投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
アバシンカプタドペゴルは、前記第1の投与期間中、アフリベルセプトの後に投与される、請求項17に記載の方法.
【請求項20】
アバシンカプタドペゴルの追加用量が、前記第2の投与期間中、アバシンカプタドペゴル及びアフリベルセプトの両方が投与される月に投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
抗C5剤は、下記の構造:
【化1】
を有する化合物、又はその薬学的に許容される塩
(式中、アプタマー=fCmGfCfCGfCmGmGfUfCfUfCmAmGmGfCGfCfUmGmAmGfUfCfUmGmAmGfUfUfUAfCfCfUmGfCmG-3T(配列番号1)であり、fC及びfU=2'-フルオロヌクレオチドであり、mG及びmA=2'-OMeヌクレオチドであり、他の全てのヌクレオチドは2'-OHであり、3Tは逆位デオキシチミジンを示す)
を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出している配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2017年11月16日に作成された前記ASCIIのコピーは、A112_37_SL.txtと命名され、1,951バイトのサイズである。
【0002】
技術分野
本発明は、眼科疾患又は障害、すなわち特発性ポリープ状脈絡膜血管症(ICPV)の処置又は予防に有用な方法及び組成物に関し、VEGFアンタゴニスト(例えばAvastin(登録商標)、Eylea(登録商標)、又はLucentis(登録商標))との組合せで、
Zimura(商標)(又は別の抗C5剤)の有効量の投与を含む。
【背景技術】
【0003】
特発性ポリープ状脈絡膜血管症(IPCV)は、中心視覚の重度の喪失を引き起こす恐れがある脈絡膜の疾患である。これは、関連する血管網の有無にかかわらずポリープ状血管病変の存在を特徴とする(Yannuzziら、1990)。IPCVの臨床的特徴には、色素上皮剥離(PED)を引き起こす網膜色素上皮(RPE)の下での漏出、網膜下腔への漏出、再発性網膜下出血及び漿液性網膜剥離(Yannuzziら、1990)がある。黄斑部での漏出又は出血が発生する場合、中心視覚喪失が後から起こる。
【0004】
この疾患は通常、インドシアニングリーン血管造影法(ICGA)で診断され、血管拡張の存在が認められる(Spaideら、1995)。こういった拡張は、フルオレセイン血管造影法(FA)では見られない場合もあり、このFAでは、境界不明瞭の脈絡膜新生血管(CNV)からの漏出を明らかにすることができるだけである。疫学的見地から、IPCVは有色個体でより多く、アジア系の患者において推定新生血管加齢黄斑変性症(NVAMD)の23%を占める(Shoら、2003)。
【0005】
IPCVのフルオレセイン血管造影(FA)所見は通常、NVAMDの境界不明瞭のCNVによく似ており、結果として、ICGAを用いて異常なポリープ状病変を可視化することは、NVAMDにおいてIPAMVをCNVから区別するのに必要である(Spaideら、1995)。
【0006】
IPCVは、関連する分枝血管網の有無にかかわらず、ICGの注射後最初の6分以内に脈絡膜循環から生じる過蛍光の単一又は複数の焦点領域の存在によって明らかになるであろう(Spaideら、1995)。ICGAにおいて相応する過蛍光を有する橙赤色の網膜下結節の存在は、IPCVに関して特徴的であり、存在するはずである。スペクトラルドメイン光干渉断層撮影(SD-OCT)イメージングは、RPEラインの下に低~中度の反射率の領域を有する、高反射率のRPE層のドーム型の前部隆起としてのポリープ状病変を視覚化するのに助けとなる可能性がある。SD-OCTはまた、IPCVの活性を反映し得る網膜下液及びPEDの検出においても助けとなる可能性があり、処置に対する応答をモニタリングする際に有用であろう。
【0007】
現在、単独で又は光線力学療法(PDT)との組み合わせで、抗VEGF剤(Lucentis(登録商標)、Avastin(登録商標)又はEylea(登録商標))の硝子体内投与は、IPCVの標準治療である。VEGFは、生物システムにおける透過性に関する最も強力なインデューサーである(ヒスタミンよりも50,000倍大きい)(Dvorakら、1995)。抗VEGF投与による視覚的効果は、主として抗透過性又は漏出へのその影響から生じるものである(Kangら、2014)。
【0008】
抗VEGF単独療法によって多くの症例において強力な抗透過性効果、視覚の安定化、及び一時的な新生血管の静止が可能となる、通常のNVAMD眼と異なり、複数の研究によって、抗VEGF療法はIPCVでは効果的ではない場合があることが実証されている。網膜下滲出は視覚の安定化を伴って抗VEGF療法に応答する場合があるが、一方、ICGA上では脈絡膜血管の変化がVEGF阻害にもかかわらず残存する場合がある(Gomiら、2008; Hikichiら、2013; Kokameら、2010; Laiら、2008; Marcusら、2013)。抗VEGF療法との組合せで光線力学的療法(PDT)は、視覚の改善及びポリープ退縮の誘導に効果的であることが示されてきたが、再発率が高いこと及び再発性PDT投与の既知の合併症により、PDT単独療法及び抗VEGF剤とのPDTの組合せは両方とも魅力的ではない。(Gomiら、2010; Laiら、2008; Ruamviboonsukら、2010; Saitoら、2013)。頑固な血管病変と潜在的に次善である治療応答とのこういった組合わせでは、IPCVにおいては極めて大きな満たされていないニーズが残されている。
【0009】
IPCVの眼における抗VEGF耐性の背後にあるメカニズムは明らかではないが、補体系の遺伝的異常がIPCVの発病に関連している可能性があることを示唆する発展的文献が存在する。包括的なメタ分析により、ARMS2/HTRA1(rsl0490924、OR=2.27、p<0.00001; rsl 1200638、OR=2.72、p<0.00001)、CFH(rsl061170、OR=1.72、p<0.00001; rs800292、OR=2.10、p<0.00001)又は補体経路(C2; rs547l54、OR=0.56、p=0.0l)でのバリアントがIPCVと有意に関連していることがわかったが、高いオッズ比がARMS2/HTRA1のバリアントで観察された(Chenら、2012)。加えて、I62VとIPCV及び/又はNVAMDとの間の関連性についての最近のメタ分析が、5,062人の対象が関与する8つの試験により実施された。I62V多型はIPCVに有意な関連性を示した。
【0010】
公表された13件の試験のメタ分析によって、補体因子H(CFH)多型Y402Hがホモ接合である患者は、抗VEGF処置に対する応答が低下していると、提案された(Chenら、2015)。VEGFはCFH発現を上方制御し、VEGF阻害はRPE細胞におけるCFH発現の減少につながるという、VEGFとCFHの間の直接的な関係が最近実証された(Keirら、2017)。抗マウスVEGF処置を受けたマウスは、VEGF及びCFHの有意な減少を示した。このことにより、網膜C3 RNAが200倍に増加し、C5b-9発現が高まるという結果につながり、VEGF阻害が補体活性化の一因であるかもしれないことが示唆された(Keirら、2017)。更に、ベバシズマブの硝子体内注射の48時間後に収集された房水サンプルによって、VEGFレベルは減少するがC3a、C4a及びC5aの各レベルは上昇することが実証された(Keirら、2017)。
【0011】
まとめると、これらの知見によって、VEGF阻害は、強力な抗透過性の特性を有するがまた、CFH発現を低減することによって補体活性化の一因でもあり得、したがってIPCV患者の視覚の改善においてその完全な治療能力を制限してしまうことが、潜在的に示されている可能性がある。抗VEGF療法と共同してZimura(商標)(又は別の抗C5剤)で補体系を阻害することにより、複合薬の活性の新規バイオマーカー及び優れた機能的帰結を達成する可能性がある。
【0012】
PEG化RNAアプタマーであるZimura(商標)は、補体活性化の阻害剤である。それは、先天性免疫及び炎症性疾患において多重の役割を演じる、補体カスケードの中心的な成分であるC5を阻害する。C5レベルでの補体カスケードにおけるこのキーとなるステップを阻害することによって、どの経路(代替の、古典的、又はレクチン)がその生成を誘導したかにかかわらず、キーとなる末端断片(C5a及びC5b-9)の形成が防止される。C5a断片は、血管透過性、食細胞の動員及び活性化を誘導する重要な炎症性活性化因子である。C5bは、細胞溶解を開始するMAC:C5b-9の形成に関与している。これらのC5媒介性炎症及びMAC活性を阻害することにより、IPCVにおいて治療効果が得られる可能性がある。
【0013】
フェーズ1用量漸増並行群間治験において、Lucentis(登録商標)0.5mgとの組合わせで、Zimura(商標)の反復硝子体内注射の安全性、忍容性、及び薬物動態プロファイルを新生血管AMDの対象で評価した。
【0014】
Zimura(商標)は忍容性が良好であり、特に安全性への懸念は確認されなかった。眼内炎症、網膜血管炎、又は脈絡膜血管症の有意な証拠は明らかではなかった。一人の患者が軽度の白内障を発病したことが認められ、これは、治験責任当医師によって治験薬と関連しているとみなされた;この事象にもかかわらず、試験の間、本患者において視力は改善した。
【0015】
視力(VA)評価は第1に、硝子体内注射に伴う視覚のあらゆる低下を検出する安全性評価とした。VAの測定を通して特定された安全性の問題はなかった。VAの評価については、0.3mg、1mg、又は2mgの用量で6回の注射を受けた43人の患者からなる処置未経験(TN)患者のサブグループに焦点を合わせた。6回の注射を受けたTNサブグループにおいて0.3、1、2mg用量群の患者について全ての時点で、ベースラインからのVA(ETDRS文字の数)の平均上昇があった。24週目に、0.3mg用量群についてETDRS文字13.6、1mg用量群についてETDRS文字11.7、2mg用量群についてETDRS文字15.3という、ベースラインからの平均VAの改善があった。
【0016】
TNサブグループの患者(n=43人の患者)のうち51パーセント(51%)が、24週目にETDRS文字≧15を獲得した。これには、VAに関してETDRS文字≧15を獲得している、0.3mg用量群の6人の患者(46%)、1mg用量群の7人の患者(47%)、及び2mg用量群の9人の患者(60%)が含まれていた。
【0017】
別のフェーズ1試験も、地図状萎縮(GA)と診断された対象において実施した。本試験では、0.3mg用量群(n=24)及び1mg用量群(n=23)で、合計47人の対象が参加した。対象は、Zimura(商標)0.3mg/眼又は1mg/眼の3回の最初の硝子体内注射による処置を受け、0日目、4週目、8週目に投与されたが、16週目に再診のため来院した。対象は、24週目と36週目に後続する2回の注射を受け、これに続いて48週目に最終再診のため来院した。標準的な安全性評価は、有害事象(AE)、バイタルサイン、及び検査室変数と一緒に、VA、IOP、眼科検査、眼底自発蛍光(FAF)、蛍光眼底血管撮影(FA)、及び光干渉断層撮影(SD-OCT)を含めた眼科的変数について行った。
【0018】
Zimura(商標)は忍容性が良好であり、Zimura(商標)に関連すると考えられるAEはなかった。15人の対象(32%)にAEがあり、主として試験眼の眼障害AEであるが、注射手技に関連すると評価された。最も高い頻度で報告のあったAEは、結膜出血(4人の対象、9%)、角膜浮腫(4人の対象、9%)、及びドライアイ(3人の対象、6%)であった。2人を超える対象から報告されたその他の試験眼AEはなかった。AEの大部分は重症度が軽度又は中度であった。重度のAE:胃腸炎及び鼻咽頭炎の2人の対象があった。
【0019】
バイタルサイン及び検査室評価によれば、臨床的に重大な特定のパターン又は変化は示されなかった。試験眼の眼科検査によれば、予期しない臨床所見は指摘されなかった。注射後(結膜/強膜及び角膜)の一時的な一部の所見があったが、これは、次の注射の前に解決した。硝子体混濁も少数の対象について報告された。眼内圧(IOP)については、注射に続いてわずかな平均上昇を示したが、なんら累積的な上昇の兆候はなかった。
【0020】
VA評価では、いかなる安全性のシグナルも示されなかった。ベースラインから第24週までの薬物曝露の頻度が増加した期間(すなわち、3か月間の毎月投薬)中の薬物曝露及びGA成長の速度の用量依存性の減速が示唆され、弱光条件下でのVAを含めて安定化したVAが示唆された。このようなデータによって、大規模な治験においてZimura(商標)を更に調査することが支持された。
【0021】
別の試験では、VEGF療法と組合わせでZimura(商標)硝子体内注射の安全性及び忍容性について、特発性ポリープ状脈絡膜血管症(IPCV)の対象で評価した。試験に含まれた対象は、IPCVと診断された、男女を問わず50歳以上の処置経験(過去12か月で≧8回の注射からなる抗VEGF単独療法での前処置)のものとした。対象は、抗VEGF剤(Avastin(登録商標)は1.25mg/眼又はLucentis(登録商標)は0.5mg/眼又はEylea(登録商標)は2mg/眼)の硝子体内注射との組合わせで、Zimura(商標)(1mg/眼)の月3回の硝子体内注射を受けた。
【0022】
この治験には合計4人の対象が参加し、全ての対象が試験を完了した。3か月目にETDRS文字15を超えるVA喪失の対象者はいなかった。試験中に死亡はなかった。1人の対象において眼内炎のSAE 1例が報告された。SAEは解決し、注射手技に関連していると評価された。Zimura(商標)又は抗VEGF処置に関連すると評価された眼のAEはなかった。IPCVの患者において、抗VEGF剤(Avastin(登録商標)、Eylea(登録商標)、又はLucentis(登録商標))との組合わせでのZimura(商標)硝子体内投与は、全体的に忍容性が良好であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第7,060,269号
【特許文献2】米国特許第6,054,29号
【特許文献3】米国特許第6,821,987号
【特許文献4】米国特許第7,538,211号
【特許文献5】米国特許第6,355,245号
【特許文献6】米国特許出願第2010/0034809号
【特許文献7】WO2016/025313
【非特許文献】
【0024】
【非特許文献1】Doら(2009)Br J Ophthalmol. 93: 144~9頁
【非特許文献2】Kerntら(2008)Acta Ophthalmol. 86:456~8頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、眼科疾患又は障害、特にIPCVの処置又は予防に有用な方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、IPCVを処置又は予防するための方法であって、それを必要とする対象に、(a)Zimura(商標)(又は別の抗C5剤)及び(b)Eylea(登録商標)(又は、Avastin(登録商標)又はLucentis(登録商標)等の別のVEGFアンタゴニスト)を投与する工程を含み、Zimura(商標)及びEylea(登録商標)はIPCVを処置又は予防するのに有効である量で投与される、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
「VEGF」という用語は、血管形成又は血管形成プロセスを誘導する血管内皮成長因子を指す。本明細書で使用する場合、「VEGF」という用語は、例えば、VEGF121、VEGF165、及びVEGF189を含めて、例えば、VEGF-A/VPF遺伝子の選択的スプライシングによって発生する、VEGFの種々のサブタイプを含む(血管透過性因子(VPF)及びVEGF-Aとしても既知である)(図2(A)及び図2(B)を参照されたい)。更に、本明細書で使用する場合、「VEGF」という用語は、PIGF(胎盤成長因子)、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、及びVEGF-E等のVEGF関連血管形成因子を含み、これらは、同起源VEFG受容体(すなわち、VEGFR)を通して作用して、血管形成又は血管形成プロセスを誘導する。「VEGF」という用語は、VEGFR-1(Flt-1)、VEGFR-2(KDR/Flk-1)、又はVEGFR-3(FLT-4)等の、VEGF受容体に結合する成長因子のクラスの任意のメンバーを含む。「VEGF」という用語を使用して、「VEGF」ポリペプチド又は「VEGF」コード化遺伝子若しくは核酸を指すことができる。
【0028】
「有効量」という用語は、IPCVの眼科疾患と関連付けて使用される場合、IPCVの処置又は予防に有用なZimura(商標)(又は別の抗C5剤)及びEylea(登録商標)(又は別のVEGFアンタゴニスト)含む本発明の組成物の量を指す。「有効量」は、投与の方式、眼科疾患の特定座位、哺乳動物の年齢、体重、及び健康全般によって異なることができる。
【0029】
特に明記しない限り、全ての百分率及び比率は、組成物の総質量に対して質量で計算される。
【0030】
Zimura(商標)とは、5'末端でおよそ43kDaの分岐ポリエチレングリコール(PEG)部分にコンジュゲートしている13kDaの修飾RNAアプタマーからなるPEG化RNAアプタマーである。Zimura(商標)のアプタマー部分は長さが39個のヌクレオチドであり、続いて行う部位特異的コンジュゲーション(「PEG化」)のための反応部位を提供するように、5'末端で第1級アミンによって修飾されている。ヌクレオチド組成は、2'ヒドロキシルプリン及び修飾2'フルオロピリミジン及び2'メトキシプリンからなる。修飾ヌクレオチドはエンドヌクレアーゼ消化を最小限に抑え、活性に寄与する。3'末端は、デオキシチミジンヌクレオチド(idT)への「逆位」3'-3'ホスホジエステル結合によるキャップ構造であり、その結果、3'エキソヌクレアーゼ分解を最小限に抑える。PEG化は、親和性又は活性を低下させることなく、in vivoでクリアランスの遅延を与えるので、用いられる。Zimura(商標)に関する全ての濃度及び用量(1μM=13μg/mL)は、PEG質量を入れないで、アプタマーの質量に基づいている。
【0031】
Eylea(登録商標)(アフリベルセプト)は、硝子体内投与向けの等張溶液として製剤化されたヒトIgG1のFc部分に融合された、ヒトVEGF受容体1及び2の細胞外ドメインの一部からなる組換え融合タンパク質である。アフリベルセプトは、タンパク質の分子量が97キロダルトン(kDa)である二量体糖タンパク質であり、総分子質量のうちの別途の15%からなる、グリコシル化を含有し、その結果、総分子量は115kDaとなる。アフリベルセプトは組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生される。
【0032】
VEGFアンタゴニスト
一実施形態では、VEGFアンタゴニストとは、抗体ラニビズマブ又はその薬学的に許容される塩(重鎖及び軽鎖の可変領域配列については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,060,269号(図1)を参照されたい)である。ラニビズマブは商標Lucentisで市販されている。
【0033】
別の実施形態では、VEGFアンタゴニストは、抗体ベバシズマブ又はその薬学的に許容される塩(重鎖及び軽鎖の可変領域配列については、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,054,29号を参照されたい)である。ベバシズマブは商標Avastinで市販されている。
【0034】
別の実施形態では、VEGFアンタゴニストは、アフリベルセプト又はその薬学的に許容される塩(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Doら(2009)Br J Ophthalmol. 93: 144~9頁)である。アフリベルセプトは商標Eyleaで市販されている。
【0035】
一実施形態では、VEGFアンタゴニストは、チボザニブ又はその薬学的に許容される塩(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,821,987号)である。
【0036】
一実施形態では、VEGFアンタゴニストは、ペガプタニブ又はその薬学的に許容される塩(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,051,698号(図1))である。ペガプタニブを含む組成物は商標Macugenで市販されている。
【0037】
別の実施形態では、VEGFアンタゴニストは、ソラフェニブ又はその薬学的に許容される塩(その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Kerntら(2008)Acta Ophthalmol. 86:456~8頁)である。ソラフェニブを含む組成物は商標Nexavarで市販されている。
【0038】
抗C5剤
一実施形態では、抗C5剤は、ARC1905としても知られるZimura(商標)(アバシンカプタドペゴル)である。ARC1905とは、5'末端でおよそ43kDaの分岐ポリエチレングリコール(PEG)部分にコンジュゲートしている13kDaの修飾RNAアプタマーからなるPEG化RNAアプタマーである。ARC1905のアプタマー部分は長さが39個のヌクレオチドであり、続いて行う部位特異的コンジュゲーション(「PEG化」)のための反応部位を提供するように、5'末端で第1級アミンによって修飾されている。ヌクレオチド組成は、2'ヒドロキシルプリン及び修飾2'フルオロピリミジン及び2'メトキシプリンからなる。修飾ヌクレオチドはエンドヌクレアーゼ消化を最小限に抑え、活性に寄与する。3'末端は、デオキシチミジンヌクレオチド(idT)への「逆位」3'-3'ホスホジエステル結合によるキャップ構造であり、その結果、3'エキソヌクレアーゼ分解を最小限に抑える。PEG化は、親和性又は活性を低下させることなく、in vivoでクリアランスの遅延を与えるので、用いられる。ARC1905に関する全ての濃度及び用量(1μM=13μg/mL)は、PEG質量を入れないで、アプタマーの質量に基づいている。
【0039】
ARC1905の構造は、下記の構造:
【0040】
【化1】
【0041】
又は、その薬学的に許容される塩(式中、アプタマー=fCmGfCfCGfCmGmGfUfCfUfCmAmGmGfCGfCfUmGmAmGfUfCfUmGmAmGfUfUfUAfCfCfUmGfCmG-3T(配列番号1)であり、fC及びfU=2'-フルオロヌクレオチドであり、mG及びmA=2'-OMeヌクレオチドであり、他の全てのヌクレオチドは2'-OHであり、3Tは逆位デオキシチミジンを示す(その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,538,211号))を有する。一部の実施形態では、上の構造の20kDaのmPEGそれぞれは約20kDaの分子量を有する。
【0042】
ARC1905製剤は、滅菌水性溶液としてpH6.8~7.8のリン酸緩衝生理食塩水中20mg/mL(オリゴヌクレオチド質量)の濃度で製剤化されている。pH調整のために水酸化ナトリウム又は塩酸が添加されていてもよい。ARC1905製剤は、fluorotecでコーティングされたハロブチルゴムストッパーとアルミニウムクリンプシールとで密封された、0.5mLのV字型ウェルを中に持っているUSPタイプI高回収ガラスバイアルで提示される。上記製剤は使い捨てバイアルで供給され、防腐剤を含まず、硝子体内注射のみが意図されている。濁っている場合や粒子が存在する場合は、上記製剤は使用すべきではない。ARC1905の各投与の注射容量は0.1mL(100μL)で、用量2mg/眼が提供される。
【0043】
他の実施形態では、抗C5剤は、Soliris(登録商標)(エクルジマブ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,355,245号)又はLFG-316(ノバルティス;その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2010/0034809号)又はA217(Quidel Corp社、San Diego、CA)である。
【0044】
IPCVを処置又は予防する方法
本発明は、IPCVを処置及び予防するための新規でかつ改善された方法及び組成物を提供する。
【0045】
一実施形態では、Eylea(登録商標)(又はラニビズマブ、ベバシズマブ、ペガプタニブナトリウム、チボザニブ、アバシパルペゴル(abicipar pegol)又はESBA1008等の別のVEGFアンタゴニスト)との組合わせで、Zimura(商標)(又は別の抗C5剤)が投与される。本発明は、Zimura(商標)(又は別の抗C5剤)及びEylea(登録商標)(又は別のVEGFアンタゴニスト)の同時投与に関連した、処置レジメン及び投薬レジメンを含めて、処置レジメンを提供する。
【0046】
Zimura(商標)製剤は、滅菌水性溶液としてpH6.8~7.8のリン酸緩衝生理食塩水中20mg/mL(オリゴヌクレオチド質量)の濃度で製剤化されている。pH調整のために水酸化ナトリウム又は塩酸が添加されてあってもよい。Zimura(商標)製剤は、fluorotecでコーティングされたハロブチルゴムストッパーと赤色のアルミニウムクリンプシールとで密封された、0.5mLのV字型ウェルを中に持っているUSPタイプI高回収ガラスバイアルで提示される。上記製剤は、防腐剤を含まず、硝子体内注射のみが意図されている。濁っている場合や粒子が存在する場合は、上記製剤は使用すべきではない。
【0047】
Zimura(商標)は、硝子体内注射向けに使い捨てバイアルで供給されることになる。
【0048】
Zimura(商標)の各投与の注射容量は0.1mL(100μL)であり、用量2mg/眼が提供される。
【0049】
一部の実施形態では、Zimura(商標)(又は別の抗CF剤)及びEylea(登録商標)(又は別のVEGFアンタゴニスト)は、互いに24時間以内に投与される。一部の実施形態では、Zimura(商標)及びEylea(登録商標)は、同日に投与される。一部の実施形態では、Zimura(商標)及びEylea(登録商標)は、同時に又は順次投与される。一部の実施形態では、Zimura(商標)は、Eylea(登録商標)の投与の、約1分、約2分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約40分、約50分、約60分、約90分、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約12時間、約24時間又は約48時間以内に投与される。一部の実施形態では、Eylea(登録商標)はZimura(商標)の投与前に投与される。他の実施形態では、Zimura(商標)は、Eylea(登録商標)の投与前に投与される。一部の実施形態では、Zimura(商標)は、Eylea(登録商標)の投与の、少なくとも、約1分、約2分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約40分、約50分、約60分、約90分、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約12時間、約24時間又は約48時間後に投与される。一部の実施形態では、Zimura(商標)及びEylea(登録商標)は、同じ医薬組成物中に存在し、合剤として投与される。
【0050】
一態様では、
IPCVを処置又は予防するための方法であって、それを必要とする対象に、(a)ペグ化又は非ペグ化アプタマーであるZimura(商標)の治療有効量、及び(b)Eylea(登録商標)を投与する工程を含み、(a)及び(b)は、IPCVを処置又は予防するのに有効である量で投与され、投与工程は、Eylea(登録商標)を投与すること、それに続いて、Eylea(登録商標)の投与のおよそ48時間後にZimura(商標)約2.0mgを投与することを含む、方法が提供される。
【0051】
別の態様では、処置経験のある対象においてIPCVを処置又は予防するための方法が提供される。処置経験ありとは、Eylea(登録商標)処置の開始からスネレン視標(ETDRS視標ではない)上の視覚改善<1ラインの状態で、先の四(4)カ月以内に3回の順次Eylea(登録商標)(又は他の抗VEGF剤)注射と定義される。
【0052】
本発明の別の態様では、
IPCVを処置又は予防するための方法であって、それを必要とする対象に、(a)C5補体に結合しているペグ化又は非ペグ化アプタマーであるZimura(商標)の治療有効量、及び(b)Eylea(登録商標)を投与する工程を含み、(a)及び(b)は、IPCVを処置又は予防するのに有効である量で投与され、投与工程は、
誘導期の投与期間であって、Zimura(商標)及びEylea(登録商標)が、以下の順序で1日目、1カ月目、及び2カ月目に、±約7日で投与され、すなわち、前記誘導期の投与期間の間はEylea(登録商標)の第1の用量が投与され、それに続いて、同日にZimura(商標)が投与され、約14日後にZimura(商標)の第2の用量が投与される、誘導期の投与期間と
誘導期の投与期間の後に行う維持期の投与期間であって、Zimura(商標)が、±約7日で、3カ月目、5カ月目及び7カ月目に月1回投与され、4カ月目、6カ月目及び8カ月目に月毎に1回投与され、ここで、Eylea(登録商標)の単回用量が投与され、それに続いて、同日にZimura(商標)の単回用量が投与される、維持期の投与期間と
を含む、方法が提供される。
別の実施形態では、Zimura(商標)の追加用量が、Eylea及びZimuraの同日の投与の前に、4カ月目、6カ月目、及び8カ月目に投与される。
【実施例0053】
薬物の供給
Zimura(商標)
有効成分:
Zimura(商標)は、注射用に20mg/mL溶液として製剤化されている
賦形剤:塩化ナトリウム、USP
リン酸ナトリウム一塩基、一水和物、USP
リン酸ナトリウム二塩基、七水和物、USP
窒素、NF
水酸化ナトリウム、NF(必要に応じて)
塩酸、NF(必要に応じて)
注射用水、USP
【0054】
用量及び投与
Zimura(商標)は、上記の通り、使い捨てガラスバイアルで供給される。
Zimura(商標)及びEylea(登録商標)は希釈せずに注射されることになる。
Zimura(商標)は使い捨てガラスバイアルで供給される。Zimura(商標)の注射の準備をするために、19ゲージのフィルター針(付属品)及び新しい1mL滅菌シリンジを使用して、滅菌的手技を使用してガラスバイアルからZimura(商標)約0.2mLを吸引する。フィルター針を取り外し、滅菌30ゲージの注射針(付属品)と交換する。気泡を抜き、注射容量を0.1mL(100μL)に調整する。
【0055】
Eylea(登録商標)は、滅菌された、透明、かつ無色の淡黄色溶液である。Eylea(登録商標)は、使い捨てのガラスバイアル中に防腐剤不使用の滅菌水性溶液として供給され、この水性溶液は、Eylea(登録商標)2mg(10mMリン酸ナトリウム、40mM塩化ナトリウム、0.03%ポリソルベート20、及び5%スクロース、pH 6.2に含まれる40mg/mL)である0.05mL(50マイクロリットル)を送達するように設計されている。Eylea(登録商標)は総注射容量0.05mL(50μL)で投与されることになる。硝子体内注射は、以下のレジメンに従って投与される:
導入期:Zimura(商標)及びEylea(登録商標)は、14日離れて、1日目に、1か月目に、及び2カ月目に投与される:
・1日目: Eylea(登録商標)2mg/眼、これに続いて同日にZimura(商標)2mg/眼
・14日目: Zimura(商標)2mg/眼
維持期:
・Zimura(商標)2mg/眼が、3、5、及び7か月目に投与される
・4カ月、6カ月、及び8カ月目に、Eylea(登録商標)2mg/眼が投与され、これに続いてZimura(商標)2mg/眼が同日に投与される
【実施例0056】
Zimura(商標)及びEylea(登録商標)は、実施例1に記載の通りに供給される。これらは、以下のレジメンに従って投与される:
導入期:Zimura(商標)及びEylea(登録商標)14日間隔で、14日離れて、1日目に、1か月目に、及び2カ月目に投与される:
・1日目: Eylea(登録商標)2mg/眼、これに続いて同日にZimura(商標)2mg/眼
・14日目: Zimura(商標)2mg/眼
維持期:
・Zimura(商標)4mg/眼(Zimura(商標)2mg/眼の2回の注射として投与される)が、3、5、及び7か月目に投与される
・4カ月、6カ月、及び8カ月目に、Zimura(商標)2mg/眼が投与され、これに続いて、2日後に、Eylea(登録商標)2mg/眼が投与され、これに続いて、Zimura(商標)2mg/眼が同日に投与される。
【実施例0057】
視力検査については、WO2016/025313(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の実施例2に記載の手順を使用して、各来院時に行う。
【0058】
参照による組込み
本明細書に開示の全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願それぞれが具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示された場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【配列表】
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【外国語明細書】