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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089446
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】洗浄料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20240626BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240626BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240626BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20240626BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/34
A61K8/81
A61K8/891
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204812
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 愛
(72)【発明者】
【氏名】目野 高嗣
(72)【発明者】
【氏名】中野 新一郎
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD151
4C083AD152
4C083BB01
4C083CC23
4C083CC24
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】使用時における多くの特性が同時に改善された洗浄料の提供。
【解決手段】(A)1価アルコールと、(B)アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、(C)シリコーン油、および/または、(D)高重合ポリエチレングリコールと、(E)水とを含む洗浄料であって、前記(A)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、20質量%以上50質量%以下である洗浄料を用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)1価アルコールと、
(B)アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、
(C)シリコーン油、および/または、(D)高重合ポリエチレングリコールと、
(E)水と、
を含む、洗浄料であって、
前記(A)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、20質量%以上50質量%以下である、
洗浄料。
【請求項2】
前記(A)成分が、炭素数2~5のアルコールである、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項3】
前記(B)成分が、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーである、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項4】
前記(C)成分が、揮発性シリコーン油および不揮発性シリコーン油を含む、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項5】
前記(D)成分が、重量平均分子量が20000以上のポリエチレングリコールである、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項6】
前記(B)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、0.01質量%以上1質量%以下である、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項7】
前記(C)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、1質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項8】
前記(D)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、0.001質量%以上0.1質量%以下である、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項9】
(F)界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項10】
(G)保湿剤をさらに含む、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項11】
皮膚洗浄料である、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄料。
【請求項12】
拭き取り洗浄料である、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄料に関するものであり、特に皮膚洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚に用いられるに用いられる洗浄料には、洗浄力に加えて、使用時における様々な特性が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、メイク汚れに素早くなじみ、メイク落とし効果が高く、安定性にも優れる水中油型クレンジング化粧料(洗浄料)を提供するために、(A)50℃で液状のカルボン酸変性シリコーン、(B)油剤を化粧料の全質量に対して3~80質量%、(C)水、及び、(D)塩基性化合物を含み、(A)成分以外のイオン性界面活性剤の含有量が10質量%以下であるものが提案されている。このような洗浄料について、使用者はより優れた使用感を有することを求めており、さらなる使用感の改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/208838号
【発明の概要】
【0005】
一般的に、洗浄料には用途に応じて目的とする特性を改善すると、その他の特性とのバランスが取りにくくなり、すべての特性を同時に満足することが難しい。そのため、依然として、そのようなバランスをとりながら、多くの特性を同時に改善した洗浄料が望まれている。特に、コットンを用いる拭き取り洗浄料においては、コットンの滑りや洗浄感が良好で、かつポンプ吐出でも垂れ落ちない特性が求められている。
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、洗浄料において1価アルコールと、アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、シリコーン油および/または高重合ポリエチレングリコールとを配合することで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] (A)1価アルコールと、
(B)アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、
(C)シリコーン油、および/または、(D)高重合ポリエチレングリコールと、
(E)水と、
を含む、洗浄料であって、
前記(A)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、20質量%以上50質量%以下である、
洗浄料。
[2] 前記(A)成分が、炭素数2~5のアルコールである、[1]に記載の洗浄料。
[3] 前記(B)成分が、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーである、[1]または[2]に記載の洗浄料。
[4] 前記(C)成分が、揮発性シリコーン油および不揮発性シリコーン油を含む[1]~[3]のいずれかに記載の洗浄料。
[5] 前記(D)成分が、重量平均分子量が20000以上のポリエチレングリコールである、[1]~[4]のいずれかに記載の洗浄料。
[6] 前記(B)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、0.01質量%以上1質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の洗浄料。
[7] 前記(C)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、1質量%以上20質量%以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の洗浄料。
[8] 前記(D)成分の含有量が、前記洗浄料の総質量に対して、0.001質量%以上0.1質量%以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の洗浄料。
[9] (F)界面活性剤をさらに含む、[1]~[8]のいずれかに記載の洗浄料。
[10] (G)保湿剤をさらに含む、[1]~[9]のいずれかに記載の洗浄料。
[11] 皮膚洗浄料である、[1]~[10]のいずれかに記載の洗浄料。
[12] 拭き取り洗浄料である、[1]~[10]のいずれかに記載の洗浄料。
【0008】
本発明によれば、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性に優れた洗浄料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[洗浄料]
本発明による洗浄料は、(A)1価アルコールと、(B)アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、(C)シリコーン油および/または(D)高重合ポリエチレングリコールと、(E)水とを含むものである。さらに、本発明による洗浄料は、目的に応じて、(F)界面活性剤、(G)保湿剤、および他の成分をさらに含んでもよい。本発明による洗浄料は、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性に優れるものである。以下、本発明による洗浄料に含まれる各成分について詳細に説明する。
【0010】
((A)1価アルコール)
(A)1価アルコールは、好ましくは炭素数2~5のアルコールであり、より好ましくはエタノールおよびイソプロパノールである。1価アルコールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】
(A)1価アルコールの含有量は、洗浄料の総質量に対して、20質量%以上50質量%以下であり、好ましくは22質量%以上45質量%以下であり、より好ましくは25質量%以上40質量%以下である。1価アルコールの含有量が上記数値範囲内であれば、洗浄料を使用時における多くの特性(特に、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性)が良好となる。
【0012】
((B)アルキル変性カルボキシビニルポリマー)
(B)アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体であり、アクリル酸またはメタクリル酸を主鎖とするポリマーのカルボキシル基の少なくとも一部がアルキル基によってエステル化されたポリマーである。エステル結合によって結合しているアルキル基は、直鎖または分岐であってよく、その炭素数は、10~30であることが好ましい。(B)成分は、好ましくは、アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルを重合単位に含むポリマーまたはコポリマーが相互に架橋されたクロスポリマーである。(B)成分としては、例えば、アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーが挙げられる。アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
(B)アルキル変性カルボキシビニルポリマーの含有量は、洗浄料の総質量に対して、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以上0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.03質量%以上0.1質量%以下である。アルキル変性カルボキシビニルポリマーの含有量が上記数値範囲内であれば、洗浄料を使用時における多くの特性(特に、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性)が良好となる。
【0014】
((C)シリコーン油)
(C)シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシクロシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等が挙げられる。シリコーン油は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
シリコーン油の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは2以上100,000以下であり、より好ましくは2以上10,000以下である。
【0016】
シリコーン油としては、大気圧下、25℃において、揮発性のあるシリコーン油(以下、揮発性シリコーン油)および揮発性のないシリコーン油(以下、不揮発性シリコーン油)のいずれも用いることができる。本発明においては、使用感触のために、揮発性シリコーン油と不揮発性シリコーン油を組み合わせて用いることが好ましい。
【0017】
(C)シリコーン油の含有量は、洗浄料の総質量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上17質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上15質量%以下である。シリコーン油の含有量が上記数値範囲内であれば、洗浄料を使用時における多くの特性(特に、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性)が良好となる。
【0018】
((D)高重合ポリエチレングリコール)
(D)高重合ポリエチレングリコールとしては、洗浄料用として従来公知の高重合ポリエチレングリコールを用いることができる。高重合ポリエチレングリコールの重量平均分子量は好ましくは20,000以上であり、より好ましくは100,000以上10,000,000以下であり、さらに好ましくは1,000,000以上9,000,000以下であり、さらにより好ましくは2,000,000以上8,000,000以下であり、最も好ましくは3,000,000以上5,000,000以下である。高重合ポリエチレングリコールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
(D)ポリエチレングリコールの含有量は、洗浄料の総質量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.1質量%以下であり、より好ましくは0.002質量%以上0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.003質量%以上0.02質量%以下である。ポリエチレングリコールの含有量が上記数値範囲内であれば、洗浄料を使用時における多くの特性(特に、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性)が良好となる。
【0020】
((E)水)
(E)水としては、洗浄料に通常使用される水を使用することができ、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができる。
【0021】
(E)水の含有量は、他の成分の含有量に応じて適宜調節することができ、例えば、洗浄料の総質量に対して、好ましくは20質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは25質量%以上75質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以上70質量%以下である。
【0022】
((F)界面活性剤)
(F)界面活性剤としては、特に限定されず、洗浄料の材料として一般的に用いられている界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンステアリン酸グリセリル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキレンオキシド誘導体等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジステアリン酸PEG-6、ステアリン酸PEG-20が挙げられる。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ジイソステアリン酸PEG-8、ジイソステアリン酸PEG-12が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ステアレス-4、オレス-5が挙げられる。
ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルが挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、例えば、PEG-20水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油が挙げられる。
ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルとしては、オクチルドデセス-16、オクチルドデセス-20が挙げられる。
アルキルリン酸エステルとしては、トリ(C12-15)パレス-10リン酸が挙げられる。
ポリオキシエチレンステアリン酸グリセリルとしては、例えば、ステアリン酸PEG-5グリセリルが挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリソルベート60が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-5、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2が挙げられる。
アルキレンオキシド誘導体としては、例えば、PEG/ポリ-1,2-ブタンジオール-52/32ジメチルエーテルが挙げられる。
【0024】
(F)界面活性剤の含有量は、洗浄料の総質量に対して、好ましくは0.01質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以上0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.03質量%以上0.3質量%以下である。界面活性剤の含有量が上記数値範囲内であれば、洗浄料を使用時における多くの特性(特に、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性)が良好となる。
【0025】
((G)保湿剤)
(G)保湿剤としては、特に限定されず、洗浄料の材料として一般的に用いられている保湿剤を用いることができる。保湿剤としては、例えば、多価アルコールやグリコールエーテル、より具体的には、グリセリン、プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリン(EO)PO付加物等が挙げられる。保湿剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
(G)保湿剤の含有量は、洗浄料の総質量に対して、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上9質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上8質量%以下である。保湿剤の含有量が上記数値範囲内であれば、洗浄料を使用時における多くの特性(特に、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性)が良好となる。
【0027】
(他の成分)
本発明による洗浄料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の(A)~(G)成分以外にも、洗浄料に配合可能な他の成分を含むことができる。そのような他の成分としては、中和剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、安定化剤、色剤、香料等が挙げられる。これらの成分は、適宜組み合わせて、任意の量で配合することができる。
【0028】
中和剤としては、例えば、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調製剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロ亜硫酸ナトリウム、没食子酸エステル類等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0029】
本発明の化粧料は、乳化の方法は特に限定されるものではなく、常法に従って製造することができる。
【0030】
(用途)
本発明による洗浄料は、従来公知の洗浄用途に用いることができ、特に皮膚洗浄料として好適に用いることができる。特に、洗い流し不要の拭き取り洗浄料として好適に用いることができる。また、従来公知の洗浄料用のポンプ容器に充填された形態で用いることができる。
【実施例0031】
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。含有量は特記しない限り、質量%で示す。
【0032】
[実施例1~16、比較例1~7]
<洗浄料の調製>
表1~3に示される配合で、各実施例および比較例の洗浄料を調製した。なお、表1~3中、各成分の配合率は質量%である。
【0033】
<洗浄料の性能評価>
上記で調製した各洗浄料の使用性について評価を行った。具体的には、20代~40代の女性で官能評価の訓練を受け、一定の基準で評価が可能な専門パネルを10名選定した。具体的には、各専門パネルが、コットンにポンプ容器から吐出した洗浄料4mlをコットンに含ませ、そのコットンで手の甲を拭き取った。コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性の各項目について、下記の基準で評価した。評価結果を表1~3に示す。
【0034】
[すっきり感]
A:とても感じた。
B:少し感じた。
C:基準(control)と同等であった。
D:基準(control)より少し感じなかった。
E:全く感じなかった。
[肌の柔らかさ]
A:とても感じた。
B:少し感じた。
C:基準(control)と同等であった。
D:基準(control)より少し感じなかった。
E:全く感じなかった。
[ぬるつきのなさ]
A:とても感じた。
B:少し感じた。
C:基準(control)と同等であった。
D:基準(control)より少し感じなかった。
E:全く感じなかった。
[コットンの滑りや洗浄感]
A:とても感じた。
B:少し感じた。
C:基準(control)と同等であった。
D:基準(control)より少し感じなかった。
E:全く感じなかった。
[ポンプ吐出性]
A:ポンプ吐出時に垂れ落ちずに、問題無く吐出できた。
B:ポンプ吐出時に垂れ落ちた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
※:「ctl」は、基準(control)を表す。
【0038】
シリコーン油1:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、信越化学工業株式会社製、商品名:KF56A
シリコーン油2:ジメチコン、信越化学工業株式会社製、商品名:KF-96A-6T
シリコーン油3:ジメチコン、信越化学工業株式会社製、商品名:KF-96L-1.5CS
シリコーン油4:ジメチコン(20質量%)、水添イソブテン(80質量%)、東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:シリコーンG-20-IP
高重合ポリエチレングリコール:重量平均分子量4000000程度、住友精化株式会社製、商品名:PEO-15P
【0039】
上記の結果から、本発明による洗浄料はいずれも、コットンでの拭き取り時におけるすっきり感、肌の柔らかさ、ぬるつきのなさ、およびコットンの滑りや洗浄感、並びに洗浄料のポンプ吐出性に優れたものであることがわかる。また、比較例の結果を併せて考えると、本発明による洗浄料においては、1価アルコールと、アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、シリコーン油および/または高重合ポリエチレングリコールと、水とを配合することで優れた効果を達成していることがわかる。