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特開2024-89573液化ガス荷役システムの情報共有方法、情報共有システムの遠隔情報共有装置、及びそれを備える情報共有システム
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  • 特開-液化ガス荷役システムの情報共有方法、情報共有システムの遠隔情報共有装置、及びそれを備える情報共有システム 図1
  • 特開-液化ガス荷役システムの情報共有方法、情報共有システムの遠隔情報共有装置、及びそれを備える情報共有システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089573
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】液化ガス荷役システムの情報共有方法、情報共有システムの遠隔情報共有装置、及びそれを備える情報共有システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 9/00 20100101AFI20240626BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20240626BHJP
   B63B 25/08 20060101ALI20240626BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20240626BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20240626BHJP
   B63B 27/00 20060101ALI20240626BHJP
   B63B 79/10 20200101ALI20240626BHJP
【FI】
B67D9/00 Z
B63B25/16 A
B63B25/08 B
F17C13/00 301Z
G06Q10/083
B63B27/00 E
B63B79/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204988
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】前田 晴義
(72)【発明者】
【氏名】吉松 雄太
(72)【発明者】
【氏名】神谷 紀代乃
(72)【発明者】
【氏名】小山 優
(72)【発明者】
【氏名】中島 隆博
(72)【発明者】
【氏名】能瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】池田 猛
(72)【発明者】
【氏名】土屋 隼人
【テーマコード(参考)】
3E083
3E172
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3E083BB20
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB05
3E172BA06
3E172BD01
3E172BD05
3E172EA03
3E172EA51
3E172EB03
3E172EB08
3E172EB10
3E172HA04
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】荷役作業に関する情報を着船する前に、船と貯蔵設備との間で互いに共有することができる液化ガス荷役システムの情報共有方法を提供する。
【解決手段】液化ガス荷役システムの情報共有方法は、液化ガスを搬送する船における荷役作業に関する情報である船側情報及び船との間で液化ガスを荷役する貯蔵設備の荷役作業に関する情報である設備側情報を船及び貯蔵設備において互いに共有する液化ガス荷役システムの情報共有方法であって、船において取得される船側情報を船から無線通信によって遠隔情報共有装置に送信する船側情報送信工程と、貯蔵設備において取得される設備側情報が貯蔵設備から遠隔情報共有装置に設備側情報を送信する設備側情報送信工程と、船及び貯蔵設備の一方から情報開示要求に応じて、遠隔情報共有装置が船に設備側情報を送信し且つ貯蔵設備に船側情報を送信する情報開示工程とを、備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを搬送する船における荷役作業に関する情報である船側情報及び前記船との間で液化ガスを荷役する貯蔵設備の荷役作業に関する情報である設備側情報を前記船及び前記貯蔵設備において互いに共有する液化ガス荷役システムの情報共有方法であって、
前記船において取得される船側情報を前記船から無線通信によって遠隔情報共有装置に送信する船側情報送信工程と、
前記貯蔵設備において取得される設備側情報が前記貯蔵設備から前記遠隔情報共有装置に設備側情報を送信する設備側情報送信工程と、
前記船及び前記貯蔵設備の一方から情報開示要求に応じて、前記遠隔情報共有装置が前記船に設備側情報を送信し且つ前記貯蔵設備に船側情報を送信する情報開示工程とを、備える、液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項2】
前記船は、船側タンクに貯蔵する液化ガスの状態量を検出する船側センサを含み、
前記貯蔵設備は、設備側タンクに貯蔵する液化ガスの状態量を検出する設備側センサを含み、
船側情報は、前記船側センサによって検出される状態量を含み、
前記貯蔵設備は、前記設備側センサによって検出される状態量を含む、請求項1に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項3】
前記船及び前記貯蔵設備の各々における固有情報が前記遠隔情報共有装置に夫々登録される固有情報登録工程を更に備え、
前記情報開示工程では、前記船及び前記貯蔵設備の一方からの情報開示要求に対して前記遠隔情報共有装置が前記船及び前記貯蔵設備の一方から固有情報を取得し、取得した固有情報が登録されている場合において相手方の荷役作業に関する情報を送信する、請求項1に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項4】
前記船及び前記貯蔵設備は、各々において固有の装置である固有装置を夫々含み、
前記固有情報登録工程では、前記固有装置の固有情報が前記船及び前記貯蔵設備の各々の固有情報として前記遠隔情報共有装置に登録される、請求項3に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項5】
前記情報開示工程では、前記船及び前記貯蔵設備の一方からの情報開示要求に対して他方が受入れた際に相手方の荷役作業に関する情報を送信する、請求項1に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項6】
前記情報開示工程では、前記船が前記貯蔵設備の周りの所定領域内に到達した際に前記遠隔情報共有装置が相手方の荷役作業に関する情報を送信する、請求項1に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項7】
前記遠隔情報共有装置は、前記船及び前記貯蔵設備から離れたクラウドコンピュータである、請求項1に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項8】
前記船及び前記貯蔵設備の各々で行われる荷役作業に関する船側作業情報及び設備側作業情報に基づいて、荷役作業において前記船及び前記貯蔵設備の各々で行われる全ての作業工程が完了するのに要する作業全所要時間が所定の想定完了時間以下となるように前記作業工程の各々を開始するタイミングを調整して作業フローを作成する作業フロー作成工程を更に備え、
船側作業情報は、船側情報に含まれ、且つ前記船で行われる荷役作業の各作業工程における作業時間を含み、
設備側作業情報は、設備側情報に含まれ、且つ前記貯蔵設備で行われる荷役作業の各作業工程における作業時間を含み、
前記情報開示工程では、相手方の荷役作業に関する情報として作業フローを前記船及び前記貯蔵設備の各々に送信する、請求項1に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項9】
前記作業フロー作成工程では、船側作業情報及び設備側作業情報に基づいて、各作業工程における作業費用を算出すると共に船側情報及び設備側情報に基づいて前記船及び前記貯蔵設備において作業全所要時間内に発生するボイルオフガスによる損失費用を算出し、各作業工程における作業費用とボイルオフガスによる損失費用とを含むフロー評価に基づいて各作業工程を開始するタイミングを調整して作業フローを作成する、請求項8に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項10】
前記船及び前記貯蔵設備の一方から他方に液化ガスを送る荷役ポンプの制御値と、前記船及び前記貯蔵設備の一方のタンク内のボイルオフガスを増加させるボイルオフガス増加装置の制御値とを設定する払出制御値設定工程を更に備え、
前記払出制御値設定工程では、前記船及び前記貯蔵設備のモデルに基づいて、前記船と前記貯蔵設備との間における荷役が完了するのに要する荷役所要時間及び荷役所要時間内に発生するボイルオフガス量を算出し、荷役所要時間が所定の想定荷役完了時間以下となり、且つボイルオフガス量が所定量以下となるように、前記荷役ポンプの制御値及び前記ボイルオフガス増加装置の制御値が設定される、請求項1に記載の液化ガス荷役システムの情報共有方法。
【請求項11】
液化ガスを搬送する船における荷役作業に関する情報である船側情報及び前記船との間で液化ガスを荷役する貯蔵設備の荷役作業に関する情報である設備側情報を前記船及び前記貯蔵設備に共有させる情報共有システムに備わる遠隔情報共有装置であって、
前記船から無線通信にて送信される船側情報と前記貯蔵設備から送信される設備側情報を夫々受信すると共に、前記船及び前記貯蔵設備から情報開示要求を受信する装置側受信機と、
前記船及び前記貯蔵設備の各々の荷役作業に関する情報を送信する装置側送信機と、
前記船及び前記貯蔵設備の一方から情報開示要求に応じて相手方の荷役作業に関する情報を前記装置側送信機を介して送信する情報管理機器とを備える、情報共有システムの遠隔情報共有装置。
【請求項12】
請求項11に記載の前記遠隔情報共有装置と、
前記船において船側情報を収集する船側情報収集装置と、該船側情報収集装置で収集される船側情報及び情報開示要求を無線通信によって前記遠隔情報共有装置に送信する船側送信機と、前記遠隔情報共有装置から送信される設備側情報を受信する船側受信機とを含む船側ユニットと、
前記貯蔵設備において設備側情報を収集する設備側情報収集装置と、該設備側情報収集装置で収集される設備側情報及び情報開示要求を前記遠隔情報共有装置に送信する設備側送信機と、前記遠隔情報共有装置から送信される船側情報を受信する設備側受信機とを含む設備側ユニットと、を備える情報共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液化ガスの荷役作業に関する情報を船と貯蔵設備とで共有する液化ガス荷役システムの情報共有方法、遠隔情報記憶装置、及びそれを備える情報共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
液化ガス貯蔵設備は、運搬船との間において液化ガスを荷役する。液化ガス貯蔵設備としては、例えば特許文献1の液化ガス貯蔵設備が知られている。特許文献1のような液化ガス貯蔵設備では、運搬船と異なる会社によって運営が行われている。それ故、液化ガス貯蔵設備と運搬船とで互いに情報を共有することが難しい。他方、液化ガス貯蔵設備は、荷役作業に関する情報を運搬船と共有することによって運搬船との間の荷役作業を円滑に進めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5583820号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような液化ガス貯蔵設備と船とで情報を共有すべく、例えば以下のような方法で情報が共有される。即ち、液化ガス貯蔵設備では、船と有線で接続される。そして、液化ガス貯蔵設備は、有線を介して運搬船から荷役作業に関する情報を受け取る。他方、液化ガス貯蔵設備では、運搬船等が停泊できる時間に制約があるので、着船して直ぐに荷役を開始できることが望まれている。しかし、液化ガス貯蔵設備は、有線によって運搬船と情報を共有する場合、情報共有が着船後になる。そうすると、荷役作業は、着船以降で且つ情報共有した後の開始となる。それ故、着船して直ぐに荷役を開始できることができない。
【0005】
そこで、本開示の目的は、荷役作業に関する情報を着船する前に、船と貯蔵設備との間で互いに共有することができる液化ガス荷役システムの情報共有方法、遠隔情報共有装置、及びそれを備える情報共有システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の液化ガス荷役システムの情報共有方法は、液化ガスを搬送する船における荷役作業に関する情報である船側情報及び前記船との間で液化ガスを荷役する貯蔵設備の荷役作業に関する情報である設備側情報を前記船及び前記貯蔵設備において互いに共有する液化ガス荷役システムの情報共有方法であって、前記船において取得される船側情報を前記船から無線通信によって遠隔情報共有装置に送信する船側情報送信工程と、前記貯蔵設備において取得される設備側情報が前記貯蔵設備から前記遠隔情報共有装置に設備側情報を送信する設備側情報送信工程と、前記船及び前記貯蔵設備の一方から情報開示要求に応じて、前記遠隔情報共有装置が前記船に設備側情報を送信し且つ前記貯蔵設備に船側情報を送信する情報開示工程とを、備える方法である。
【0007】
本開示の液化ガス荷役システムの情報共有方法に従えば、船及び貯蔵設備の各々から遠隔情報共有装置に荷役作業に関する情報が無線で夫々送信され。そして、船及び貯蔵設備の一方の情報開示要求に応じて遠隔情報共有装置が相手方の荷役作業に関する情報を送信する。それ故、船及び貯蔵設備は、船が貯蔵設備に着船する前であっても相手方の荷役に関する情報を取得することができる。即ち、船及び貯蔵設備は、荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【0008】
本開示の液化ガス荷役システムの情報共有システムの遠隔情報共有装置は、液化ガスを搬送する船における荷役作業に関する情報である船側情報及び前記船との間で液化ガスを荷役する貯蔵設備の荷役作業に関する情報である設備側情報を前記船及び前記貯蔵設備に共有させる情報共有システムに備わる遠隔情報共有装置であって、前記船から無線通信にて送信される船側情報と前記貯蔵設備から送信される設備側情報を夫々受信すると共に、前記船及び前記貯蔵設備から情報開示要求を受信する装置側受信機と、前記船及び前記貯蔵設備の各々の荷役作業に関する情報を送信する装置側送信機と、前記船及び前記貯蔵設備の一方から情報開示要求に応じて相手方の荷役作業に関する情報を前記装置側送信機を介して送信する情報管理機器とを備えるものである。
【0009】
本開示の情報共有システムの遠隔情報共有装置に従えば、船から無線通信で送信される船側情報と貯蔵設備から送信される設備側情報を装置側受信機によって受信する。そして、情報管理機器は、船及び貯蔵設備の一方の情報開示要求に応じて装置側送信機を介して相手方の荷役作業に関する情報を送信する。それ故、船が貯蔵設備に着船する前であっても、船及び貯蔵設備に対して相手方の荷役に関する情報を共有させることができる。従って、船及び貯蔵設備は、相手方の荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【0010】
本開示の情報共有システムは、前述する前記遠隔情報共有装置と、前記船において船側情報を収集する船側情報収集装置と、該船側情報収集装置で収集される船側情報及び情報開示要求を無線通信によって前記遠隔情報共有装置に送信する船側送信機と、前記遠隔情報共有装置から送信される設備側情報を受信する船側受信機とを含む船側ユニットと、前記貯蔵設備において設備側情報を収集する設備側情報収集装置と、該設備側情報収集装置で収集される設備側情報及び情報開示要求を前記遠隔情報共有装置に送信する設備側送信機と、前記遠隔情報共有装置から送信される船側情報を受信する設備側受信機とを含む設備側ユニットと、を備えるものである。
【0011】
本開示の情報共有システムに従えば、船側ユニットが遠隔情報共有装置に船側情報及び情報開示要求を送信する。これにより、船が船側情報を遠隔情報共有装置にアップロードしたり、また船が設備側情報を受信する。また、設備側ユニットが遠隔情報共有装置に設備側情報及び情報開示要求を送信する。これにより、貯蔵設備が設備側情報を遠隔情報共有装置にアップロードしたり、また貯蔵設備が船側情報を受信する。それ故、船及び貯蔵設備は、船が貯蔵設備に着船する前であっても相手方の荷役に関する情報を取得することができる。従って、船及び貯蔵設備は、荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、荷役作業に関する情報を着船する前に、船と貯蔵設備との間で互いに共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の遠隔情報共有装置が船及び貯蔵設備と通信している状態を示す図である。
図2図1に示す船と貯蔵設備とが荷役作業を行うべく接続されている状態を示す図である。
図3図1に示す情報共有装置、船、及び貯蔵設備の各々の構成を示すブロック図である。
図4】船が貯蔵設備に向かって航行する状態を示す図である。
図5】本実施形態の情報共有方法の流れを示すフローチャートである。
図6図5に示す情報共有方法の情報開示処理の流れを示すフローチャートである。
図7】荷役作業に関する情報に含まれる各情報を作成する情報作成方法の流れを示すフローチャートである。
図8】作業フロー作成工程で作成される作業フローの一例を示す図である。
図9】船側タンクの液位の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係る実施形態の情報共有システム1、遠隔情報共有装置(以下、「情報共有装置」という)2、及び液化ガス荷役システム5の情報共有方法について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する情報共有システム1、情報共有装置2、及び液化ガス荷役システム5の情報共有方法は、本開示の一実施形態に過ぎない。従って、本開示は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0015】
<情報共有システム>
天然ガス、窒素、及び水素等のガスは、生成された後、液体の状態、即ち液化ガスとして図1に示すような船3によって搬送される。また、運ばれた先には、液化ガスを貯蔵する貯蔵設備4がある。船3は、貯蔵設備4と液化ガス荷役システム5を構成する。そして、液化ガス荷役システム5において、船3と貯蔵設備4とは互いに接続することによって船3と貯蔵設備4との間で液化ガスの荷役を行う。情報共有システム1は、このように荷役を行う船3と貯蔵設備4との間で各々の情報を共有させる。情報共有システム1は、情報共有装置2と共に船側ユニット15及び設備側ユニット29を備えている。以下では、まず船側ユニット15を含む船3、及び設備側ユニット29を含む貯蔵設備4の各々の構成について説明する。
【0016】
<船>
船3は、いわゆる運搬船であって、液化ガスを運搬する。船3は、港等の陸上基地にある貯蔵設備4に着船する。そして、船3は、貯蔵設備4との間で液化ガスを荷役する。船3は、図2に示されるように例えば船側タンク11と、船側配管12と、荷役ポンプ13と、気化器14と、船側ユニット15(図1参照)とを含んでいる。船側タンク11は、液化ガスを貯蔵する。船側配管12は、船側液化ガス用配管12aと、船側リターンガス用配管12bを有している。2つの船側配管12a,12bは、船側タンク11に夫々接続されている。そして、船側液化ガス用配管12aには、液化ガスが流される。船側リターンガス用配管12bには、ボイルオフガス(以下、「BOG」という)が流される。また、2つの船側配管12a,12bは、貯蔵設備4(より詳細に説明すると、後述する接続装置27)に接続することができる。それ故、2つの船側配管12a,12bの各々が船側タンク11と貯蔵設備4とを互いに接続する。
【0017】
荷役ポンプ13は、船側液化ガス用配管12aに設けられている。荷役ポンプ13は、液化ガスを貯蔵設備4から船側タンク11に圧送する。これにより、船側タンク11から貯蔵設備4(より詳細に説明すると、後述する設備側タンク25)に液化ガスを払出すことができる。気化器14は、液化ガスを気化させる。気化器14は、気化させた液化ガスを船側タンク11に戻すことによって、船側タンク11の内圧、即ちタンク圧を大きくする。
【0018】
図3に示す船側ユニット15は、船3における荷役作業に関する情報である船側情報を収集する。また、船側ユニット15は、船側情報を無線通信で送信する。船側ユニット15は、例えば無線通信を介してインターネット回線に接続されている。また、船側情報は、例えば船3の現在位置、船側配管12a,12bの温度、並びに、船側タンク11のタンク圧及び液位(即ち、積載量)を含む。船側ユニット15は、図3に示すようにGPS受信機16、各種船側センサ17~19、船側集中監視装置20、船側情報管理装置21、船側ユーザーインターフェース(以下、「船側UI」という)22、及び船側送受信機23を含んでいる。
【0019】
GPS受信機16は、GPS衛星(図示せず)からの信号を受信することによって、船3の現在位置を取得する。各種船側センサ17~19は、船側タンク11に貯蔵される液化ガスの状態量を検出する。本実施形態において、各種船側センサ17~19には、船側温度センサ17、船側圧力センサ18、及び船側液位センサ19が含まれる。船側温度センサ17は、船側タンク11から船側配管12に流れる液化ガスの温度(即ち、船側液化ガス温度)を検出する。船側圧力センサ18は、船側タンク11のタンク圧を検出する。船側液位センサ19は、船側タンク11に貯蔵される液化ガスの液位を検出する。これにより、船側液位センサ19によって船3に積載される液化ガスの積載量が検出される。
【0020】
固有装置の一例である船側集中監視装置20は、船3毎に異なる固有の装置である。例えば、船側集中監視装置20では、モデル番号及び製造番号、並び各船側センサ17~19の接続状態及びモデル番号等(即ち、船側集中監視装置20に接続される各船側センサ17~18に関する情報)が船3毎に異なっている。従って、船側集中監視装置20は、船3毎に異なる固有の装置となっている。このような船側集中監視装置20は、各種船側センサ17~19と通信可能に接続されている。なお、船側集中監視装置20は、前述する構成16~19と有線通信及び無線通信の何れかが可能になっている。また、船側集中監視装置20は、各種船側センサ17~19の検出値、即ち船側液化ガス温度、タンク圧、及び液位(即ち積載量)を取得する。更に、船側集中監視装置20は、荷役ポンプ13及び気化器14と接続されている。そして、船側集中監視装置20は、荷役ポンプ13及び気化器14の動作を制御する。
【0021】
船側情報収集装置の一例である船側情報管理装置21は、船側情報を収集する。より詳細に説明すると、船側情報管理装置21は、船側集中監視装置20から各種情報を取得することによって船側情報を収集する。本実施形態において、船側情報は、各種船側センサ17~19の検出値(即ち、船側液化ガス温度、タンク圧、及び積載量)、並びに後述する船3の現在位置に関する情報及び船側作業情報等を含む。また、船側情報管理装置21は、GPS受信機16と通信可能に接続されている。なお、船側情報管理装置21は、GPS受信機16と有線通信及び無線通信の何れかが可能になっている。そして、船側情報管理装置21は、GPS受信機16から現在位置に関する情報を取得する。
【0022】
なお、船側情報管理装置21は、例えばコンピュータであって、船側メモリと船側プロセッサーとを有している。船側メモリは、船側情報、及び後述する船側固有情報を記憶する。また、船側メモリは、各種プログラムを予め記憶している。船側プロセッサーは、船側メモリに記憶されるプログラムを実行することによって、後述する情報共有方法を実施する。
【0023】
船側UI22は、船3における固有情報である船側固有情報を入力することができる。本実施形態において船側固有情報には、船側集中監視装置20の固有情報が含まれる。船側集中監視装置20の固有情報は、例えば、船3の名称、船側集中監視装置20のモデル番号及び製造番号、並びに各船側センサ17~19の接続状態及びモデル番号等(即ち、船側集中監視装置20に接続される各船側センサ17~18に関する情報)が含まれる。本実施形態において、船3の固有情報は、名称、船側集中監視装置20のモデル番号及び製造番号である。なお、船側固有情報は、船側集中監視装置20の固有情報に限定されず、船3に備わる構成に関する固有の情報であればよい。
【0024】
また、船側UI22は、各種の要求(例えば、後述する情報開示要求)を入力することができる。更に、船側UI22は、船3で行われる荷役作業に関する船側作業情報を入力することができる。船3で行われる荷役作業には、例えば船側配管12の冷却工程、酸素チェック工程、安全確認工程、エアパージ工程、ボイルオフガス発生工程、及び液化ガス圧送工程等の様々な工程が含まれる。そして、船側作業情報は、船3における荷役作業に含まれる各作業工程に夫々要する所要時間及び作業人員数、各作業工程の並列実施の可否、船3における作業人員一人当たりの費用、並びに船3で単位時間あたりに発生するボイルオフガス量(以下、「BOG量」という)を含む。そして、船側UI22から入力される船側作業情報は、例えば予め入力されて船側情報管理装置21(より詳細に説明すると、船側メモリ)に船側情報として記憶される。
【0025】
船側送信機及び船側受信機の一例である船側送受信機23は、衛星電話及びWiFiルータ等の無線通信機である。船側送受信機23は、船側情報管理装置21に記憶される船側情報(本実施形態において、GPS受信機16から取得した現在位置、各船側センサ17~19で夫々取得した検出値、及び船側作業情報等を含む)及び船側固有情報、並びに船側UI22から入力される要求等を無線通信で送信する。本実施形態において、船側送受信機23は、例えば無線通信を介してインターネット回線に接続される。更に、船側送受信機23は、インターネット回線を介して後述する情報共有装置2に接続されている。船側送受信機23は、情報共有装置2に船側情報及び船側固有情報を送信する。また、船側送受信機23は、情報共有装置2から種々の情報を受信する。なお、船側送受信機23が接続される回線については、インターネット回線に代えてWAN等の専用回線が用いられてもよい。
【0026】
<貯蔵設備>
図1に示す貯蔵設備4は、前述の通り陸上基地に設置される設備であって、液化ガスを貯蔵する。また、貯蔵設備4は、船3と接続することによって液化ガスの荷役を行う。貯蔵設備4は、図2に示されるように例えば設備側タンク25と、設備側配管26と、接続装置27と、リターンガスブロア(以下、単に「RGB」という)28と、設備側ユニット29(図1参照)とを含んでいる。設備側タンク25は、例えば陸上に設置されている。設備側タンク25は、液化ガスを貯蔵する。設備側配管26は、設備側液化ガス用配管26aと、設備側リターンガス用配管26bとを有している。2つの設備側配管26a,26bは、設備側タンク25に夫々接続されている。また、設備側配管26は、接続装置27に接続されている。接続装置27は、船3と接続することができる。本実施形態において、接続装置27は、ローディングアームであって、接続装置27は、船側配管12に接続することができる。そして、設備側液化ガス用配管26aは、接続装置27を介して船側液化ガス用配管12aに接続される。それ故、設備側タンク25は、2つの液化ガス用配管12a,26aを介して船側タンク11に接続される。また、設備側液化ガス用配管26aは、液化ガスが流される。従って、荷役ポンプ13を駆動させると、2つの液化ガス用配管12a,26aを介して船側タンク11から設備側タンク25に液化ガスを払出すことができる。また、設備側リターンガス用配管26bは、接続装置27を介して2つの配管12,26を接続することによって船側リターンガス用配管12bに接続される。設備側リターンガス用配管26bは、BOGが流れるようなっている。それ故、設備側タンク25は、2つのリターンガス用配管12b,26bを介して船側タンク11に接続される。
【0027】
ボイルオフガス増加装置の一例であるRGB28は、設備側リターンガス用配管26bに設けられている。そして、RGB28は、BOGを船側タンク11と貯蔵設備4との間において液化ガスが流れる方向と反対方向、即ち設備側タンク25から船側タンク11にBOGを送ることができる。より詳細に説明すると、RGB28は、2つの液化ガス用配管12a,26aが互いに接続されている状態において、設備側タンク25から船側タンク11にBOGを流す。
【0028】
図3に示す設備側ユニット29は、貯蔵設備4における荷役作業に関する情報である船側情報を収集する。また、設備側ユニット29は、収集した設備側情報を送信する。本実施形態において、設備側ユニット29は、有線通信及び無線通信の何れかを介してインターネット回線に接続されている。設備側情報は、有線通信及び無線通信の何れかで送信される。また、設備側情報は、例えば、設備側配管26a,26bの温度、並びに設備側タンク25のタンク圧及び液位(即ち、貯蔵量)を含む。また、設備側ユニット29は、図2に示すように各種設備側センサ30~32、設備側集中監視装置33、設備側情報管理装置34、設備側ユーザーインターフェース(以下、「設備側UI」という)35、及び設備側送受信機36を含んでいる。
【0029】
各種設備側センサ30~32は、設備側タンク25に貯蔵される液化ガスの状態量を検出する。本実施形態において、各種設備側センサ30~32には、設備側温度センサ30、設備側圧力センサ31、及び設備側液位センサ32が含まれる。設備側温度センサ30は、設備側配管26を流れる液化ガスの温度(即ち、設備側液化ガス温度)を検出する。設備側圧力センサ31は、設備側タンク25のタンク圧を検出する。設備側液位センサ32は、設備側タンク25に貯蔵される液化ガスの液位を検出する。即ち、設備側液位センサ32によって設備側タンク25に貯蔵される液化ガスの貯蔵量が検出される。
【0030】
設備側集中監視装置33は、貯蔵設備4毎に異なる固有の装置である。例えば、設備側集中監視装置33では、モデル番号及び製造番号、並び各設備側センサ30~32の接続状態及びモデル番号等(即ち、設備側集中監視装置33に接続される各設備側センサ30~32に関する情報)が貯蔵設備4毎に異なっている。従って、設備側集中監視装置33は、貯蔵設備4毎に異なる固有の装置となっている。このような設備側集中監視装置33は、設備側温度センサ30、及び設備側圧力センサ31と通信可能に接続されている。なお、設備側集中監視装置33は、前述する設備側センサ30~32と有線通信及び無線通信の何れかが可能になっている。設備側集中監視装置33は、各種設備側センサ30~32の検出値、即ち設備側液化ガス温度、タンク圧及び液位(即ち貯蔵量)を取得する。また、設備側集中監視装置33は、RGB28と接続されている。そして、設備側集中監視装置33は、RGB28の動作を制御する。
【0031】
設備側情報収集装置の一例である設備側情報管理装置34は、設備側情報を収集する。より詳細に説明すると、設備側情報管理装置34は、設備側集中監視装置33が取得する各種情報を取得することによって、設備側情報を収集する。本実施形態において、設備側情報は、各種設備側センサ30~32の検出値(即ち設備側液化ガス温度、タンク圧、及び貯蔵量)、及び後述する設備側作業情報等を含む。
【0032】
なお、設備側情報管理装置34は、例えばコンピュータであって、設備側メモリと、設備側プロセッサーとを有している。設備側メモリは、設備側情報、及び後述する設備側固有情報を記憶する。また、設備側メモリは、各種プログラムを予め記憶している。設備側プロセッサーは、設備側メモリに記憶されるプログラムを実行することによって、後述する情報共有方法を実施する。
【0033】
設備側UI35は、貯蔵設備4における固有情報である設備側固有情報を入力することができる。本実施形態には、設備側固有情報には、設備側集中監視装置33の固有情報が含まれる。設備側集中監視装置33の固有情報は、例えば貯蔵設備4の名称、設備側集中監視装置33のモデル番号及び製造番号、並びに各設備側センサ30~32の接続状態及びモデル番号等(即ち、設備側集中監視装置33に接続される各種設備側センサ30~32に関する情報)が含まれる。本実施形態において、貯蔵設備4の固有情報は、貯蔵設備4の名称、並びに設備側集中監視装置33のモデル番号及び製造番号である。
また、設備側UI35は、各種の要求(例えば、後述する情報開示要求)を入力することができる。更に、設備側UI35は、貯蔵設備4で行われる荷役作業に関する設備側作業情報を入力することができる。貯蔵設備4で行われる荷役作業には、例えば設備側配管26の冷却工程、接続装置27の接続工程、酸素チェック工程、安全確認工程、エアパージ工程、及びオイルオフガス送り工程等の様々な工程が含まれる。そして、設備側作業情報は、貯蔵設備4における荷役作業に含まれる各作業工程に夫々要する所要時間及び作業人員数、各作業の並列実施の可否、貯蔵設備4における作業人員一人当たりの費用、並びに貯蔵設備4で単位時間あたりに発生するBOG量を含む。そして、設備側UI35から入力される設備側作業情報は、例えば予め入力されて設備側情報管理装置34(より詳細に説明すると、設備側メモリ)に記憶される。
【0034】
設備側送信機及び設備側受信機の一例である設備側送受信機36は、設備側情報管理装置34に記憶される設備側情報(本実施形態において、各センサ30~32から夫々取得した検出値、及び設備側作業情報等を含む)及び設備側固有情報、並びに設備側UI35から入力される要求等を送信する。本実施形態において、設備側送受信機36は、例えば有線通信又は無線通信を介してインターネット回線に接続されている。更に、設備側送受信機36は、インターネット回線を介して後述する情報共有装置2に接続されている。設備側送受信機36は、情報共有装置2に設備側情報及び設備側固有情報を送信する。また、設備側送受信機36は、情報共有装置2から種々の情報を受信する。なお、設備側送受信機36が接続される回線については、インターネット回線に代えてWAN等の専用回線が用いられてもよい。
【0035】
<情報共有装置>
遠隔情報共有装置の一例である情報共有装置2は、図3に示すように船側ユニット15と設備側ユニット29と共に情報共有システム1に備わっている。そして、情報共有装置2は、船側ユニット15及び設備側ユニット29と協働することによって、船側情報及び設備側情報を船3及び前記貯蔵設備4に共有させる。情報共有装置2は、例えば船3及び貯蔵設備4から離れたクラウドコンピュータである。情報共有装置2は、船3から無線通信で送信される船側情報、及び船3の固有情報を取得する。情報共有装置2は、同様に貯蔵設備4から送信される設備側情報、及び貯蔵設備4の固有情報を取得する。また、情報共有装置2は、船3及び貯蔵設備4の少なくとも一方から情報開示要求に応じて相手方の荷役作業に関する情報を送信する。例えば、情報開示要求は、情報を開示してほしい相手方(即ち、船3であれば貯蔵設備4の名称、また貯蔵設備4であれば船3の名称)が示されている。それ故、情報共有装置2は、船3から情報開示要求が送信されると、情報開示要求に示される貯蔵設備4の設備側情報を船3に送信する。同様に、情報共有装置2は、貯蔵設備4から情報開示要求が送信されると、情報開示要求に示される船3の船側情報を貯蔵設備4に送信する。更に、情報共有装置2は、図4に示すように船3が貯蔵設備4から所定の領域内(例えば、貯蔵設備4から所定距離L0離れた領域境界線50より内側の領域)に到達した際に、前述する情報開示要求に応じて相手方の荷役作業に関する情報を送信する。
【0036】
更に、情報共有装置2は、作業工程の各々の流れを示す作業フローを作成する。より詳細に説明すると、情報共有装置2は、作業全所要時間が所定の想定完了時間以下となるように作業工程の各々を開始するタイミングを調整することによって作業フローを作成する。作業全所要時間は、荷役作業において船3及び貯蔵設備4の各々で行われる全ての作業工程が完了するのに要する時間である。そして、情報共有装置2は、取得する船側作業情報及び設備側作業情報に基づいて、作業全所要時間が所定の想定完了時間以下となるように作業工程の各々を開始するタイミングを調整する。更に詳細に説明すると、情報共有装置2は、船側作業情報及び設備側作業情報に基づいて各作業工程における作業費用を算出すると共に、船側情報及び設備側情報に基づいて船3及び貯蔵設備4において作業所全要時間内に発生するBOGによる損失費用を算出する。その後、情報共有装置2は、後で詳述するが、各作業工程における作業費用とBOGによる損失費用とを含むフロー評価に基づいて各作業工程を開始するタイミングを調整する。そして、情報共有装置2は、その調整結果である作業フローを作成する。更に、情報共有装置2は、作業フローを船側情報及び設備側情報とし船3及び貯蔵設備4に送信する。
【0037】
更に、情報共有装置2は、荷役ポンプ13の払出制御値と、RGB28の払出制御値とを設定する。より詳細に説明すると、情報共有装置2は、船3及び貯蔵設備4のモデル(例えば、プロセスモデル及び数理モデル等)に基づいて、荷役所要時間及びBOG量を算出する。荷役所要時間は、船3と貯蔵設備4との間における荷役が完了するのに要する時間である。また、BOG量は、船3及び貯蔵設備4において荷役所要時間に発生するBOGの量である。そして、情報共有装置2は、荷役所要時間が所定の想定荷役完了時間以下となり、且つBOG量が所定量以下となるように、荷役ポンプ13の払出制御値及びRGB28の払出制御値を設定する。
【0038】
このように構成されている情報共有装置2は、本実施形態において、装置側送受信機41と、情報管理機器42とを備えている。装置側受信機及び装置側送信機の一例である装置側送受信機41は、インターネット回線を介して船3及び貯蔵設備4と通信可能に接続される。装置側送受信機41は、船3及び貯蔵設備4と種々の情報を送受信する。本実施形態において、装置側送受信機41は、船3から無線通信で送信される船側情報、船3の固有情報、及び情報開示要求を受信する。装置側送受信機41は、同様に貯蔵設備4から送信される設備側情報、貯蔵設備4の固有情報、及び情報開示要求を受信する。
【0039】
情報管理機器42は、装置側送受信機41が受信する各種情報を記憶する。そして、情報管理機器42は、船3から情報開示要求に応じて、装置側送受信機41を介して相手方、即ち貯蔵設備4の設備側情報を船3に送信する。また、情報管理機器42は、貯蔵設備4からの情報開示要求に応じて、装置側送受信機41を介して相手方、即ち船3の船側情報を貯蔵設備4に送信する。また、情報管理機器42は、前述するフローの作成、荷役ポンプ13の払出制御値、及びRGB28の払出制御値の設定を実施する。
【0040】
なお、情報管理機器42は、装置側メモリと、装置側プロセッサーとを有している。装置側メモリは、装置側送受信機41で受信する各種情報を記憶する。また、装置側メモリは、情報共有プログラム、情報作成プログラム等の各種プログラムを記憶している。装置側プロセッサーは、情報共有プログラムを実行する。そうすると、後述する情報共有方法が実施される。また、装置側プロセッサーは、情報作成プログラムを実行する。そうすると、実後述する情報作成方法が実施される。
【0041】
<情報共有方法>
情報共有システム1では、以下で説明する情報共有方法によって、船側情報及び設備側情報が船3及び貯蔵設備4において互いに共有される。より詳細に説明すると、情報共有システム1では、船3から船側情報が情報共有装置2に無線通信によって予め送信され、また貯蔵設備4から設備側情報が情報共有装置2に予め送信される。そして、情報共有装置2は、船3及び貯蔵設備4の各々からの情報開示要求に応じて相手方の荷役作業に関する情報を送信する。以下では、情報共有方法が図5を参照しながら説明される。情報共有方法が実施されると、ステップS11及びS21に夫々移行する。
【0042】
船側固有情報登録工程であるステップS11では、船側固有情報が情報共有装置2に夫々登録される。より詳細に説明すると、船3では、船側UI22によって船側固有情報(本実施形態において船側集中監視装置20のモデル番号及び製造番号)が入力される。入力された船側固有情報は、船側送受信機23から送信され、装置側送受信機41で受信される。そして、情報共有装置2の情報管理機器42において各船3の船側固有情報が記憶される。船側固有情報が登録されると、ステップS12に移行する。
【0043】
船側情報取得工程であるステップS12では、船3において船側情報が取得される。より詳細に説明すると、船側情報管理装置21は、船側タンク11に貯蔵する液化ガスの状態量を船側集中監視装置20を介して取得する。本実施形態において、船側情報管理装置21は、各種船側センサ17~19の検出値である船3における船側液化ガス温度、タンク圧、及び積載量を船側情報として取得する。また、船側情報管理装置21は、GPS受信機16が受信する信号に基づいて船3の現在位置を船側情報として取得する。更に、船側情報管理装置21は、船側UI22によって入力される船側作業情報も船側情報として取得する。各種情報が取得されると、ステップS13に移行する。
【0044】
船側情報送信工程であるステップS13では、船3において取得される船側情報が船3から無線通信によって情報共有装置2に送信される。より詳細に説明すると、船3において、船側情報取得工程で取得した船側情報を船側情報管理装置21が船側送受信機23を介して情報共有装置2に送信する。船側情報が送信されると、ステップS4に移行する。
【0045】
設備側固有情報登録工程であるステップS21では、設備側固有情報が情報共有装置2に夫々登録される。より詳細に説明すると、貯蔵設備4では、設備側UI35によって設備側固有情報(本実施形態において設備側集中監視装置33のモデル番号及び製造番号)が入力される。入力された設備側固有情報は、設備側送受信機36から送信され、装置側送受信機41で受信される。そして、情報共有装置2の情報管理機器42にて、各貯蔵設備4の設備側固有情報が記憶される。このようにして設備側固有情報が登録されると、ステップS22に移行する。
【0046】
設備側情報取得工程であるステップS22では、貯蔵設備4において設備側情報が取得される。より詳細に説明すると、貯蔵設備4において、設備側情報管理装置34が各種設備側センサ30~32によって検出される設備側タンク25に貯蔵する液化ガスの状態量を設備側集中監視装置33を介して取得する。本実施形態において、設備側情報管理装置34は、各種設備側センサ30~32の検出値である設備側液化ガス温度、タンク圧、及び積載量を設備側情報として取得する。更に、設備側情報管理装置34は、設備側UI35によって入力される設備側作業情報も設備側情報として取得する。各種情報が取得されると、ステップS23に移行する。
【0047】
設備側情報送信工程であるステップS23では、貯蔵設備4において取得される設備側情報が貯蔵設備4から情報共有装置2に送信される。より詳細に説明すると、貯蔵設備4において、設備側情報取得工程で取得した設備側情報を設備側情報管理装置34が設備側送受信機36を介して情報共有装置2に送信する。設備側情報が送信されるとステップS4に移行する。
【0048】
情報開示要求送信判定工程であるステップS4では、船3及び貯蔵設備4の何れかにおいて情報開示要求を送信する操作があったか否かが判定される。例えば、船3及び貯蔵設備4の何れのオペレータもUI22,35が操作されない場合、ステップS12,S22に戻る。そして、荷役作業に関する情報の取得及び送信が繰り返えされる。他方、船3及び貯蔵設備4の何れかのUI22,35をオペレータが操作して情報開示要求が送受信機23,36を介して情報共有装置2に送信されると、ステップS5に移行する。
【0049】
情報開示工程の一例である情報開示処理工程であるステップS5では、送信される情報開示要求に応じて、情報共有装置2が情報開示要求を送信した船3又は貯蔵設備4に相手方の荷役作業に関する情報を送信する。情報開示処理工程では、情報共有装置2が情報開示処理を実行する。本実施形態では、情報共有装置2の情報管理機器42が情報開示プログラムを実行する。そうすると、図6に示す情報開示処理フローのステップS31に移行する。
【0050】
情報開示要求送信工程であるステップS31では、情報開示要求を送信すべく船3及び貯蔵設備4の一方(以下、「開示要求側」という)のUI22,35が操作されると、開示要求側の情報管理装置21,34が送受信機23,36を介して情報共有装置2に情報開示要求を送信する。例えば、船3においてオペレータが船側UI22を操作することによって情報開示要求を送信する。そうすると、船側情報管理装置21が船側送受信機23を介して情報共有装置2に情報開示要求を送信する。なお、貯蔵設備4においてオペレータが設備側UI35を操作した場合も同様である。情報開示要求が送信されると、ステップS32に移行する。
【0051】
固有情報登録有無判定工程であるステップS32では、情報開示要求を送信する開示要求側の固有情報が登録されているか否かが判定される。例えば、船3から情報開示要求が送信されると、情報共有装置2は船3から船側固有情報を送信させる。なお、貯蔵設備4から情報開示要求が送信される場合も同様に、貯蔵設備4から設備側登録情報を送信させる。そして、情報共有装置2は、送信される固有情報と登録されている複数の固有情報とを照合する。そして、送信される固有情報が登録されていない場合、情報開示処理が終了する。そして、情報開示方法が終了する。他方、送信される固有情報が登録されている場合、ステップS33に移行する。
【0052】
相手方有無判定工程であるステップS33では、相手方(即ち、情報開示要求に示される船3又は貯蔵設備4)の固有情報が登録されているか否かが判定される。例えば、船3及び貯蔵設備4は、事前に互いに荷役作業を行う相手方が決められる。そして、船3及び貯蔵設備4の各々に相手方が伝えられる。情報開示要求には、荷役作業を行う相手方の情報(例えば、相手方の名称、即ち船の名称又は設備名称等)が含まれている。情報共有装置2は、情報開示要求含まれる相手方の情報に基づいて、相手方の固有情報が登録されているか否かを判定する。登録されていない場合、ステップS34に移行する。ステップS34では、開示要求側に相手方が登録されていない旨を通知する。そして、情報開示処理が終了する。更に、情報開示方法が終了する。他方、登録されている場合、ステップS35に移行する。
【0053】
相手方開示要求判定工程であるステップS35では、相手方から情報開示要求が送信されているか否かが判定される。より詳細に説明すると、情報共有装置2は、船3及び貯蔵設備4から情報開示要求が送信された場合、送信される情報開示要求を送信した船3又は貯蔵設備4と関連付けて記憶する。情報共有装置2は、開示要求側から情報開示要求が送信された場合、記憶する情報開示要求に相手方からの情報開示要求が含まれているか否かを判定する。含まれている場合、後述するステップS39に移行する。他方、含まれていない場合、ステップS36に移行する。
【0054】
情報開示要求通知工程であるステップS36では、開示要求側から情報開示要求が送信されたことが相手方に通知される。より詳細に説明すると、情報共有装置2は、装置側送受信機41を介して相手方に開示要求側から情報開示の要求があった旨を通知する。本実施形態において、情報共有装置2は、装置側送受信機41を介して相手方に情報開示の要求があった旨及び開示要求側の名称を通知する。通知がされると、ステップS37に移行する。
【0055】
受入可否送信工程であるステップS37では、相手方から開示要求を受入可否が送信される。より詳細に説明すると、相手方では、UI22,35によって受入の可否が入力される。そして、受入の可否が送受信機23,36から情報共有装置2に送信される。受入の可否が送信されると、ステップS38に移行する。
【0056】
受入可否判定工程であるステップS38では、受入可否送信工程で送信される受入の可否に基づいて情報開示要求の受入れの可否が判定される。情報共有装置2は、相手方から受入拒否が送信されると、情報開示処理を終了する。そして、情報開示方法が終了する。他方、受入が送信されると、情報共有装置2は情報開示処理を続ける。そして、ステップS39に移行する。
【0057】
相手方承認通知工程であるステップS39では、相手方が情報開示要求を受入れた旨が通知される。より詳細に説明すると、情報共有装置2は、相手方から事前に情報開示要求が送信されていた場合、及び開示要求側からの情報開示要求を受入れた場合に相手方が受入れた旨を開示要求側に通知する。受入れた旨が通知されると、ステップS40に移行する。
【0058】
所定領域内判定工程であるステップS40では、船3が貯蔵設備4の周りの所定領域内に到達したか否かが判定される。より詳細に説明すると、情報共有装置2は、取得した船3の現在位置及び貯蔵設備4の位置に基づいて貯蔵設備4から船3までの距離をL算出する(図4参照)。そして、情報共有装置2は、算出された距離に基づいて船3の現在位置が所定領域内にあるか否かを判定する。例えば図4の実線の船3のように所定領域内にない(即ち、領域境界線50の外側にいる)場合、情報共有装置2は、所定領域内に到達していないと判定する。そして、情報共有装置2は、所定領域内に到達するまで情報開示ができない旨を通知する。そして、図4の二点鎖線の船3のように所定領域内にある(即ち、領域境界線50の内側にいる)場合、情報共有装置2は、所定領域内に到達していると判定する。そして、ステップS41に移行する。
【0059】
情報共有工程であるステップS41では、相手方の荷役作業に関する情報が開示要求側に共有されると共に、開示要求側の荷役作業に関する情報が相手方に共有される。より詳細に説明すると、情報共有装置2は、船3(より詳細に説明すると、船側情報管理装置21)に設備側情報を送信し、また貯蔵設備4(より詳細に説明すると、設備側情報管理装置34)に船側情報を送信する。ここで、送信される船側情報には、船3から送信される各種船側センサ17~19の検出値、船3の現在位置、及び船側作業情報の他、後で詳述する作業フロー及び払出制御値が含まれる。同様に、送信される設備側情報には、貯蔵設備4から送信される各種設備側センサ30~32の検出値、及び設備側作業情報の他、後で演算方法を詳述する作業フロー及び払出制御値が含まれる。船側情報及び設備側情報が送信されると、情報開示処理が終了する。そして、情報開示方法が終了する。
【0060】
<情報作成方法>
図7示す情報作成方法では、船3及び貯蔵設備4から送信される船側情報及び設備側情報に基づいて種々の情報が作成される。そして、情報作成方法で作成された種々の情報は、船3及び貯蔵設備4に送信される。本実施形態において、情報作成方法では、作業フローの作成、荷役ポンプ13の払出制御値、及びBOG28の払出制御値の設定が行われる。なお、情報作成方法における、作業フローの作成、及び払出制御値の設定の順番は、以下に示す順番に限定されない。情報作成方法は、情報共有装置2が船側情報及び設備側情報を受信すると開始される。そして、開始されるとステップS51に移行する。
【0061】
作業フロー作成工程であるステップS51では、作業全所要時間が所定の想定完了時間以下となるように作業工程の各々を開始するタイミングを調整し、作業フローが作成される。より詳細に説明すると、情報共有装置2では、情報管理機器42の装置側メモリに作業フロー作成プログラムが記憶されている。情報管理機器42の装置側プロセッサーは、作業フロー作成プログラムを実行する。そうすると、情報共有装置2は、船側作業情報及び設備側作業情報に基づいて、各作業工程における作業費用を算出する。更に、情報共有装置2は、船側情報及び設備側情報に基づいて船3及び貯蔵設備4において作業全所要時間内に発生するBOGによる損失費用を算出する。次に、情報共有装置2は、各作業工程における作業費用とBOGによる損失費用とを含むフロー評価V2に基づいて各作業工程を開始するタイミングを調整し、作業フローを作成する。本実施形態において、フロー評価V2は、荷役作業において生じる概算費用であって、以下の式(1)のように定義される。
【0062】
V2 = N_shi×C_shi + N_shu×C_shu + max(tall_shi, tall_shu)×dG×α …(1)
ここで、tall_shiは運搬船側の全作業所要時間であり、tall_shuは基地設備側の全作業所要時間である。また、N_shiは船3において荷役作業に同時に携わった最大の作業人員数であり、N_shuは貯蔵設備4において荷役作業に同時に携わった最大の作業人員数である。C_shiは船3における作業人員1人当たりの費用であり、C_shuは貯蔵設備4における作業人員1人当たりの費用である。dGは船3及び貯蔵設備4で単位時間当たりに発生するBOG量であり、αはBOG発生に伴う損益係数である。情報共有装置2は、各作業工程の並列実施の可否を参照しつつ、以下の式(2)の制約条件を満たし且つフロー評価V2が最小となるように各作業工程の開始タイミングを調整することによって、例えば図8に示すような作業フローを作成する。
【0063】
max(tall_shi, tall_shu) < Ttgt …(2)
なお、Ttgtは想定作業完了時間である。そして、作業フロー作成プログラムが実行された後又は作業フロー作成プログラムに並行してステップS52が開始される。
【0064】
払出制御値設定工程であるステップS52では、荷役ポンプ13の制御値と、RGB28の制御値とが設定される。より詳細に説明すると、情報共有装置2では、情報管理機器42の装置側メモリに払出制御値設定プログラムが記憶されている。そして、情報管理機器42の装置側プロセッサーが払出制御値設定プログラムを実行する。そうすると、情報共有装置2は、船3及び貯蔵設備4のモデル(例えば、プロセスモデル及び数値モデル)に基づいて荷役所要時間及び荷役所要時間内に発生するBOG量(荷役に起因するBOG量)を算出する。そして、情報共有装置2は、荷役所要時間が所定の想定荷役完了時間以下となり、且つ荷役所要時間内に発生するBOG量が所定量以下となるように、荷役ポンプ13の制御値及びRGB28の制御値を設定する。ここで、荷役所要時間は、船3と貯蔵設備4との間における荷役が完了するのに要する時間である。
【0065】
更に詳細に説明すると、単位インデックスをiとして、現時点での荷役完了時間の予測値であるTilast、及び荷役起因するBOG量の予測値であるGilastが以下に示す(3)及び(4)によって算出される。
【0066】
Tilast = f(q, vp_shi, b, G, Vi_shi, Pi_shi, Ki_shi, Pi_shu ,Ki_shu) …(3)
Gilast = h(q, vp_shi, b, G, Vi_shi, Pi_shi, Ki_shi, Pi_shu ,Ki_shu) …(4)
なお、qは荷役中における荷役ポンプ13の制御値であり、vp_shiは気化器14によるBOG発生量である。Vi_shiは船3における液化ガスの積載量であり、Pi_shiは船側タンク11のタンク圧であり、Ki_shiは船3における液化ガスの温度である。bはRGB28の制御値であり、 Pi_shuは設備側タンク25のタンク圧力であり、Ki_shuは貯蔵設備4における液化ガスの温度である。Gは設備側タンク25からの払出されるBOG量の予測値である。
【0067】
そして、情報共有装置2は、現在からの荷役完了時間の予測値であるTilastが以下に示す式(5)の制約条件を満たしつつ荷役起因するBOG量の予測値であるGilastが所定値以下(本実施形態において最小)となるような荷役ポンプ13の制御値及びRGB28の制御値を算出する。なお、式(5)におけるTiallは、現在からの荷役完了予定時間である。
【0068】
Tilast > Tiall …(5)
このようにして荷役ポンプ13の制御値及びRGB28の制御値が算出されることによって、例えば図9のグラフの船側タンク11の液位に示さるように液化ガスが払出される。そうすることで、現在から荷役完了予定時間までに液化ガスの荷役を完了し、且つ荷役に起因するBOG量を最小にすることができる。そして、作業フロー作成プログラム及び払出制御値設定プログラムが終了すると、情報作成方法が終了する。
【0069】
本実施形態の情報共有方法では、船3及び貯蔵設備4の各々から情報共有装置2に荷役作業に関する情報が無線で夫々送信される。そして、船3及び貯蔵設備4の一方の情報開示要求に応じて情報共有装置2が相手方の荷役作業に関する情報を送信する。それ故、船3及び貯蔵設備4は、船3が貯蔵設備4に着船する前であっても相手方の荷役に関する情報を取得することができる。即ち、船3及び貯蔵設備4は、荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【0070】
また、本実施形態の情報共有方法では、船側情報が船側センサ17~19によって検出される状態量、即ち船側タンク11内の液化ガスの状態量を含む。また、設備側情報が設備側センサ30~32によって検出される状態量、即ち設備側タンク25内の液化ガスの状態量を含む。それ故、船3及び貯蔵設備4は、荷役作業を行うにあたって互いのタンク11,25内における液化ガスの状態を知ることができる。これにより、荷役作業に関して事前に準備作業を行うことができるので、停泊中における荷役作業の作業時間を短縮することができる。
【0071】
更に、本実施形態の情報共有方法では、船3及び貯蔵設備4の一方から開示要求があった場合、一方から取得する固有情報が登録されている場合に相手方の荷役作業に関する情報を遠隔情報共有装置が送信する。それ故、固有情報有が登録されている船3及び貯蔵設備4にのみ相手方の荷役作業に関する情報が送信される。従って、情報漏洩に関するセキュリティーを向上させることができる。
【0072】
更に、本実施形態の情報共有方法では、船3及び貯蔵設備4が備える集中監視装置20,33の固有情報が船3及び貯蔵設備4の固有情報として情報共有装置2に登録される。集中監視装置20,33の各々は、船3及び貯蔵設備4が備える固有の機器である。それ故、船3及び貯蔵設備4の各々のなりすましを抑制することができる。従って、情報漏洩に関するセキュリティーを更に向上させることができる。
【0073】
更に、本実施形態の情報共有方法では、船3及び貯蔵設備4の一方からの情報開示要求に対して他方が受け入れた際に相手方の荷役作業に関する情報が送信される。それ故、開示を意図しない船3又は貯蔵設備4からの情報開示要求を受け入れない、即ち拒否することによって、情報が不正に取得されることが抑制される。これにより、情報漏洩に関するセキュリティーを更に向上させることができる。
【0074】
更に、本実施形態の情報共有方法では、船3が貯蔵設備4の周りの所定領域内に到達した際に情報共有装置2が相手方の荷役作業に関する情報を送信する。これにより、不要に情報が拡散されることを抑制できる。例えば、事前に情報が送信された後、船3の向かう貯蔵設備4が変更になった場合において、不要に情報が拡散されることになる。このような状況を抑制できるので、情報漏洩に関するセキュリティーを更に向上させることができる。
【0075】
更に、本実施形態の情報共有方法では、情報共有装置2が船3及び貯蔵設備4から離れたクラウドコンピュータである。従って、情報共有を行う際に、船3及び貯蔵設備4に関する情報を柔軟に変更することができる。
【0076】
更に、本実施形態の情報共有方法では、作業情報に基づいて算出される作業全所要時間が想定完了時間以下となるように作業工程の各々を開始するタイミングを調整して作業フローが作成される。そして、各作業情報が各作業工程の作業時間を含んでいる。それ故、精度良く作業時間を見積もることができ、想定完了時間内に全ての作業を終了するような作業フローを作成することができる。
【0077】
更に、本実施形態の情報共有方法では、各作業工程における作業費用とBOGによる損失費用とを含むフロー評価V2に基づいて作業工程の各々を開始するタイミングを調整することによって作業フローが作成される。それ故、船3と貯蔵設備4との間における荷役で発生する費用が抑えられる。
【0078】
更に、本実施形態の情報共有方法では、荷役所要時間が所定の想定荷役完了時間以下となり、且つBOGが所定量以下となるように、荷役ポンプ13の制御値及びRGB28の制御値が設定される。それ故、BOGの発生を抑えつつ、荷役所要時間内に荷役を行うことができる。
【0079】
本実施形態の情報共有システム1の情報共有装置2では、船3から無線通信で送信される船側情報と貯蔵設備4から送信される設備側情報とが装置側送受信機41によって受信する。そして、情報管理機器42は、船3及び貯蔵設備4の一方の情報開示要求に応じて装置側送受信機41を介して相手方の荷役作業に関する情報を送信する。それ故、船3が貯蔵設備4に着船する前であっても、船3及び貯蔵設備4に対して相手方の荷役に関する情報を共有させることができる。従って、船3及び貯蔵設備4は、相手方の荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【0080】
本実施形態の情報共有システム1では、船側ユニット15が情報共有装置2に船側情報及び情報開示要求を送信する。これにより、船3が船側情報を情報共有装置2にアップロードしたり、また船3が設備側情報を受信する。また、設備側ユニット29が情報共有装置2に設備側情報及び情報開示要求を送信する。これにより、貯蔵設備4が設備側情報を情報共有装置2にアップロードしたり、また貯蔵設備4が船側情報を受信する。それ故、船3及び貯蔵設備4は、船3が貯蔵設備4に着船する前であっても相手方の荷役に関する情報を取得することができる。従って、船3及び貯蔵設備4は、荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【0081】
<その他の実施形態>
本実施形態の情報共有方法では、情報共有処理において種々の工程を経て船3及び貯蔵設備4に相手方における荷役に関する情報が送信されているが、必ずしも全ての工程を経る必要はない。例えば、必ずしも受入可否が必要ではなく、情報開示要求があった場合の全てにおいて、相手方の荷役作業に関する情報が送信されてもよい。
【0082】
また、本実施形態の情報共有方法において、船側センサ及び設備側センサは、必ずしも液化ガスの状態量を直接検出するものに限定されず、液化ガスの状態量を間接的に検出するもの(例えば、配管12a,26aの温度センサ)であってもよい。船側センサ及び設備側センサは、更に、船3及び貯蔵設備4に備わる構成の状態量を検出するものであってもよい。更に、情報漏洩を防ぐべく固有情報が用いられているが、ID及びパスワードのような識別情報が用いられてもよい。また、情報開示処理において、船3が所定領域内に到達する前に情報共有装置2が相手方の荷役作業に関する情報を送信してもよい。
【0083】
更に、本実施形態の情報共有方法において、必ずしも作業フローが作成されたり、払出制御値が設定されたりする必要はない。また、作業フロー作成方法、及び払出制御値設定方法も前述する方法に限定されない。
【0084】
本実施形態の情報共有システム1において、RGB28によって設備側タンク25のBOGを船側タンク11に払出しているが、貯蔵設備4にRGB28が備わっていない場合、気化器14で設備側タンク25のBOGの量が制御される。この場合、情報共有装置2は、荷役所要時間が所定の想定荷役完了時間以下となり、且つBOG量が所定量以下となるように、荷役ポンプ13の払出制御値と共に気化器14の制御値を設定する。その他、情報共有システム1において、情報共有装置2、船3、及び貯蔵設備4に備わる構成は、前述するようなものに限定されない。また、情報共有システム1では、船3から貯蔵設備4に液化ガスが払出されているが、貯蔵設備4から船3に液化ガスが払出されてもよい。この場合、貯蔵設備4に備わる図示しない荷役ポンプによって貯蔵設備4から船3に液化ガスが払出される。更に、情報共有システム1では、集中監視装置20,33と情報管理装置21,34とが別体であるが、情報管理装置21,34が一体的に構成されてもよい。また、船3側及び貯蔵設備4の各々における固有装置は、集中監視装置20,33に限定されず、情報管理装置21,34であってもよい。
【0085】
<例示的な実施形態>
第1の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法は、液化ガスを搬送する船における荷役作業に関する情報である船側情報及び前記船との間で液化ガスを荷役する貯蔵設備の荷役作業に関する情報である設備側情報を前記船及び前記貯蔵設備において互いに共有する液化ガス荷役システムの情報共有方法であって、前記船において取得される船側情報を前記船から無線通信によって遠隔情報共有装置に送信する船側情報送信工程と、前記貯蔵設備において取得される設備側情報が前記貯蔵設備から前記遠隔情報共有装置に設備側情報を送信する設備側情報送信工程と、前記船及び前記貯蔵設備の一方から情報開示要求に応じて、前記遠隔情報共有装置が前記船に設備側情報を送信し且つ前記貯蔵設備に船側情報を送信する情報開示工程とを、備える方法である。
【0086】
上記局面に従えば、船及び貯蔵設備の各々から遠隔情報共有装置に荷役作業に関する情報が無線で夫々送信され。そして、船及び貯蔵設備の一方の情報開示要求に応じて遠隔情報共有装置が相手方の荷役作業に関する情報を送信する。それ故、船及び貯蔵設備は、船が貯蔵設備に着船する前であっても相手方の荷役に関する情報を取得することができる。即ち、船及び貯蔵設備は、荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【0087】
第2の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法では、第1の局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記船は、船側タンクに貯蔵する液化ガスの状態量を検出する船側センサを含み、前記貯蔵設備は、設備側タンクに貯蔵する液化ガスの状態量を検出する設備側センサを含み、船側情報は、前記船側センサによって検出される状態量を含み、前記貯蔵設備は、前記設備側センサによって検出される状態量を含む。
【0088】
上記局面に従えば、船側情報が船側センサによって検出される状態量、即ち船側タンク内の液化ガスの状態量を含む。また、設備側情報が設備側センサによって検出される状態量、即ち設備側タンク内の液化ガスの状態量を含む。それ故、船及び貯蔵設備は、荷役作業を行うにあたって互いのタンク内における液化ガスの状態を知ることができる。これにより、荷役作業に関して事前に準備作業を行うことができるので、停泊中における荷役作業の作業時間を短縮することができる。
【0089】
第3の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法は、第1又は2の局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記船及び前記貯蔵設備の各々における固有情報が前記遠隔情報共有装置に夫々登録される固有情報登録工程を更に備え、前記情報開示工程では、前記船及び前記貯蔵設備の一方からの情報開示要求に対して前記遠隔情報共有装置が前記船及び前記貯蔵設備の一方から固有情報を取得し、取得した固有情報が登録されている場合において相手方の荷役作業に関する情報を送信する。
【0090】
上記局面に従えば、船及び貯蔵設備の一方から開示要求があった場合、一方の固有情報が登録されている場合において相手方の荷役作業に関する情報を遠隔情報共有装置が送信する。それ故、固有情報が登録されている船及び貯蔵設備にのみ相手方の荷役作業に関する情報が送信される。従って、情報漏洩に関するセキュリティーを向上させることができる。
【0091】
第4の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法では、第1乃至3の何れかの局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記船及び前記貯蔵設備は、各々において固有の装置である固有装置を夫々含み、前記固有情報登録工程では、前記固有装置の固有情報が前記船及び前記貯蔵設備の各々の固有情報として前記遠隔情報共有装置に登録される。
【0092】
上記局面に従えば、船及び貯蔵設備が備える固有装置の固有情報を船及び貯蔵設備の固有情報として遠隔情報共有装置に登録される。情報収集装置の各々は、船及び貯蔵設備が備える固有の機器である。それ故、船及び貯蔵設備の各々のなりすましを抑制することができる。従って、情報漏洩に関するセキュリティーを更に向上させることができる。
【0093】
第5の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法では、第1乃至4の何れかの局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記情報開示工程では、前記船及び前記貯蔵設備の一方からの情報開示要求に対して他方が受入れた際に相手方の荷役作業に関する情報を送信する。
【0094】
上記局面に従えば、船及び貯蔵設備の一方からの情報開示要求に対して他方が受け入れた際に相手方の荷役作業に関する情報が送信される。それ故、開示を意図しない船又は設備からの情報開示要求を受け入れない、即ち拒否することによって、情報が不正に取得されることが抑制される。これにより、情報漏洩に関するセキュリティーを更に向上させることができる。
【0095】
第6の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法では、第1乃至5の何れかの局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記情報開示工程では、前記船が前記貯蔵設備の周りの所定領域内に到達した際に前記遠隔情報共有装置が相手方の荷役作業に関する情報を送信する。
【0096】
上記局面に従えば、船が貯蔵設備の周りの所定領域内に到達した際に遠隔情報共有装置が相手方の荷役作業に関する情報を送信する。これにより、不要に情報が拡散されることを抑制できる。例えば、事前に情報が送信された後、船の向かう貯蔵設備が変更になった場合において、不要に情報が拡散されることになる。このような状況を抑制できるので、情報漏洩に関するセキュリティーを更に向上させることができる。
【0097】
第7の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法では、第1乃至6の何れかの局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記遠隔情報共有装置は、前記船及び前記貯蔵設備から離れたクラウドコンピュータである。
【0098】
上記局面に従えば、遠隔情報共有装置が船及び貯蔵設備から離れたクラウドコンピュータである。従って、情報共有を行う際に、船及び貯蔵設備に関する情報を柔軟に変更することができる。
【0099】
第8の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法は、第1乃至7の何れかの局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記船及び前記貯蔵設備の各々で行われる荷役作業に関する船側作業情報及び設備側作業情報に基づいて、荷役作業において前記船及び前記貯蔵設備の各々で行われる全ての作業工程が完了するのに要する作業全所要時間が所定の想定完了時間以下となるように前記作業工程の各々を開始するタイミングを調整して作業フローを作成する作業フロー作成工程を更に備え、船側作業情報は、船側情報に含まれ、且つ前記船で行われる荷役作業の各作業工程における作業時間を含み、設備側作業情報は、設備側情報に含まれ、且つ前記貯蔵設備で行われる荷役作業の各作業工程における作業時間を含み、前記情報開示工程では、相手方の荷役作業に関する情報として作業フローを前記船及び前記貯蔵設備の各々に送信する。
【0100】
上記局面に従えば、作業情報に基づいて算出される作業全所要時間が想定完了時間以下となるように作業工程の各々を開始するタイミングを調整して作業フローが作成される。そして、各作業情報が各作業工程の作業時間を含んでいる。それ故、精度良く作業時間を見積もることができ、想定完了時間内に全ての作業を終了するような作業フローを作成することができる。
【0101】
第9の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法では、第1乃至8の何れかの局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記作業フロー作成工程では、船側作業情報及び設備側作業情報に基づいて、各作業工程における作業費用を算出すると共に船側情報及び設備側情報に基づいて前記船及び前記貯蔵設備において作業全所要時間内に発生するボイルオフガスによる損失費用を算出し、各作業工程における作業費用とボイルオフガスによる損失費用とを含むフロー評価に基づいて各作業工程を開始するタイミングを調整して作業フローを作成する。
【0102】
上記局面に従えば、各作業工程における作業費用とボイルオフガスによる損失費用とを含むフロー評価に基づいて作業工程の各々を開始するタイミングを調整することによって作業フローが作成される。それ故、船と貯蔵設備との間における荷役で発生する費用が抑えられる。
【0103】
第10の局面における液化ガス荷役システムの情報共有方法は、第1乃至9の何れかの局面の液化ガス荷役システムの情報共有方法において、前記船及び前記貯蔵設備の一方から他方に液化ガスを送る荷役ポンプの制御値と、前記船及び前記貯蔵設備の一方のタンク内のボイルオフガスを増加させるボイルオフガス増加装置の制御値とを設定する払出制御値設定工程を更に備え、前記払出制御値設定工程では、前記船及び前記貯蔵設備のモデルに基づいて、前記船と前記貯蔵設備との間における荷役が完了するのに要する荷役所要時間及び荷役所要時間内に発生するボイルオフガス量を算出し、荷役所要時間が所定の想定荷役完了時間以下となり、且つボイルオフガス量が所定量以下となるように、前記荷役ポンプの制御値及び前記ボイルオフガス増加装置の制御値が設定される。
【0104】
上記局面に従えば、荷役所要時間が所定の想定荷役完了時間以下となり、且つボイルオフガス量が所定量以下となるように、荷役ポンプの制御値及びボイルオフガス増加装置の制御値が設定される。それ故、ボイルオフガスの発生を抑えつつ、荷役所要時間内に荷役を行うことができる。
【0105】
第11の局面における情報共有システムの遠隔情報共有装置は、液化ガスを搬送する船における荷役作業に関する情報である船側情報及び前記船との間で液化ガスを荷役する貯蔵設備の荷役作業に関する情報である設備側情報を前記船及び前記貯蔵設備に共有させる情報共有システムに備わる遠隔情報共有装置であって、前記船から無線通信にて送信される船側情報と前記貯蔵設備から送信される設備側情報を夫々受信すると共に、前記船及び前記貯蔵設備から情報開示要求を受信する装置側受信機と、前記船及び前記貯蔵設備の各々の荷役作業に関する情報を送信する装置側送信機と、前記船及び前記貯蔵設備の一方から情報開示要求に応じて相手方の荷役作業に関する情報を前記装置側送信機を介して送信する情報管理機器とを備えるものである。
【0106】
上記局面に従えば、船から無線通信で送信される船側情報と貯蔵設備から送信される設備側情報を装置側受信機によって受信する。そして、情報管理機器は、船及び貯蔵設備の一方の情報開示要求に応じて装置側送信機を介して相手方の荷役作業に関する情報を送信する。それ故、船が貯蔵設備に着船する前であっても、船及び貯蔵設備に対して相手方の荷役に関する情報を共有させることができる。従って、船及び貯蔵設備は、相手方の荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【0107】
第12の局面における情報共有システムは、第11の局面の前記遠隔情報共有装置と、前記船において船側情報を収集する船側情報収集装置と、該船側情報収集装置で収集される船側情報及び情報開示要求を無線通信によって前記遠隔情報共有装置に送信する船側送信機と、前記遠隔情報共有装置から送信される設備側情報を受信する船側受信機とを含む船側ユニットと、前記貯蔵設備において設備側情報を収集する設備側情報収集装置と、該設備側情報収集装置で収集される設備側情報及び情報開示要求を前記遠隔情報共有装置に送信する設備側送信機と、前記遠隔情報共有装置から送信される船側情報を受信する設備側受信機とを含む設備側ユニットと、を備えるものである。
【0108】
上記局面に従えば、船側ユニットが遠隔情報共有装置に船側情報及び情報開示要求を送信する。これにより、船が船側情報を遠隔情報共有装置にアップロードしたり、また船が設備側情報を受信する。また、設備側ユニットが遠隔情報共有装置に設備側情報及び情報開示要求を送信する。これにより、貯蔵設備が設備側情報を遠隔情報共有装置にアップロードしたり、また貯蔵設備が船側情報を受信する。それ故、船及び貯蔵設備は、船が貯蔵設備に着船する前であっても相手方の荷役に関する情報を取得することができる。従って、船及び貯蔵設備は、荷役作業に関する情報を着船する前に共有することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 情報共有システム
2 遠隔情報共有装置
3 船
4 貯蔵設備
5 液化ガス荷役システム
11 船側タンク
13 荷役ポンプ
15 船側ユニット
17 船側温度センサ(船側センサ)
18 船側圧力センサ(船側センサ)
19 船側液位センサ(船側センサ)
20 船側集中監視装置(固有装置)
21 船側情報管理装置(船側情報収集装置)
23 船側送受信機(船側送信機、船側受信機)
25 設備側タンク
28 RGB(ボイルオフガス増加装置)
29 設備側ユニット
30 設備側温度センサ(設備側センサ)
31 設備側圧力センサ(設備側センサ)
32 設備側液位センサ(設備側センサ)
33 設備側集中監視装置(固有装置)
34 設備側情報管理装置(設備側情報収集装置)
36 設備側送受信機(設備側送信機、設備側受信機)
41 装置側送受信機(装置側送信機、装置側受信機)
42 情報管理機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9