(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089574
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】股間用タオル
(51)【国際特許分類】
A47K 10/02 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
A47K10/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204989
(22)【出願日】2022-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】508122998
【氏名又は名称】匠ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177231
【弁理士】
【氏名又は名称】鴨志田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】只野 優子
(57)【要約】
【課題】本発明は、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取る際に利便性のよい股間用タオルの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の股間用タオル100は、股間に当てられる第1シート10と、第1シート10に重ねられて配置されている第2シート20と、第2シート20を挟んで第1シート10の反対側に第2シート20に重ねられて配置され、第2シート20とで片手が入るポケットを構成する第3シート30と、第1シート10と第2シート20とに挟まれて配置されている積層シート40であって、(1)弾性変形が可能で第1シート10及び第2シート20よりも引張伸びが大きく、かつ、(2)繊維層42及び繊維層42の両面のうち第1シート10に向く面を被覆して第1シート10を透過した血液を弾く被覆層44で構成されている積層シート40と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取るために使用される股間用タオルにおいて、
布製で、股間に当てられる第1シートと、
布製で、前記第1シートに重ねられて配置されている第2シートと、
前記第2シートを挟んで前記第1シートの反対側に前記第2シートに重ねられて配置され、前記第2シートとで片手が入るポケットを構成する第3シートと、
前記第1シートと前記第2シートとに挟まれて配置されている積層シートであって、(1)弾性変形が可能で前記第1シート及び前記第2シートよりも引張伸びが大きく、かつ、(2)繊維層及び当該繊維層の両面のうち前記第1シートに向く面を被覆して前記第1シートを透過した血液を弾く被覆層で構成されている積層シートと、
を備える股間用タオル。
【請求項2】
さらに、
前記第3シートにおける前記第2シートに向く面と反対側の面に取り付けられている無端状ゴムであって、前記第1シートにおける股間に当てられる面が内側となるように折り畳まれた前記第1シート並びに前記第1シートとともに折り畳まれた前記積層シート、前記第2シート及び前記第3シートを加圧しながら貫通させる無端状ゴム、
を備える請求項1に記載の股間用タオル。
【請求項3】
生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取るために使用される股間用タオルにおいて、
布製で、股間に当てられる第1シートと、
布製で、前記第1シートに重ねられて配置されている第2シートと、
前記第2シートを挟んで前記第1シートの反対側に前記第2シートに重ねられて配置され、前記第2シートとで1本以上の指が入る少なくとも1つ以上のポケット又はベルトを構成する第3シートと、
前記第1シートと前記第2シートとに挟まれて配置されている積層シートであって、(1)弾性変形が可能で前記第1シート及び前記第2シートよりも引張伸びが大きく、かつ、(2)繊維層及び当該繊維層の両面のうち前記第1シートに向く面を被覆して前記第1シートを透過した血液を弾く被覆層で構成されている積層シートと、
を備える股間用タオル。
【請求項4】
さらに、
前記第3シートにおける前記第2シートに向く面と反対側の面に取り付けられている無端状ゴムであって、前記第1シートにおける股間に当てられる面が内側となるように折り畳まれた前記第1シート並びに前記第1シートとともに折り畳まれた前記積層シート、前記第2シート及び前記第3シートを加圧しながら貫通させる無端状ゴム、
を備える請求項3に記載の股間用タオル。
【請求項5】
前記第1シートは、中央部と、前記中央部をその全周に亘って囲む囲み部とで構成されており、
前記中央部は、前記囲み部に着脱可能とされている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の股間用タオル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、股間用タオルに関する。本発明は、一例として、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取るために使用される。
【背景技術】
【0002】
入浴直後(風呂あがり時)にバスタオルに血がつかないようにすることは、生理中の女性にとってとても厄介な問題である。非特許文献1には、「生理中のお風呂あがり、バスタオルに血がつかないように体を拭くコツ」と題して、複数の女性にそれぞれのコツをインタビューした結果が開示されている。
【0003】
このインタビュー結果は、例えば、以下のとおりである。
(1)あがる前にシャワーでしっかり洗い流し、すぐに拭いてすぐにパンツをはく」(25歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
(2)「シャワーで血を落としてから体を拭く」(27歳/アパレル・繊維/秘書・アシスタント職)
(3)「風呂をあがる前にシャワーでひたすら洗い流す」(29歳/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)
(4)「一番初めに、ティッシュを用意しておいて、股などに挟む」(29歳/学校・教育関連/専門職)
(5)「下半身はタオルで拭かない。足はクリームをなじませるので濡れたまま、陰部はティッシュで」(34歳/情報・IT/技術職)
(6)「すぐにナプキンをあてます。体を拭く前につけます」(27歳/建設・土木/技術職)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】livedoor(登録商標) NEWS, 題名:股にティッシュ!? 生理中のお風呂あがり、バスタオルに血がつかないように体を拭くコツ3つ, [online],[令和4年12月11日検索],インターネット<URL:https://news.livedoor.com/article/detail/11842316/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記(1)~(3)は、いずれも体を拭くバスタオルを用いて股間を拭くと解釈すると、当該バスタオルに血液が付着する虞がある。
上記(4)及び(5)は、ティッシュを用いて股間を拭くため、予めバスタオル等でティッシュを持つ手を拭いてからティッシュを保持する必要がある。そのため、手から水分を除去する動作が必要な点で煩わしい。
上記(6)は、バスタオルに血液がつくことはないが、水分が付着したままの股間をナプキンで覆うことになる。そのため、股間が蒸れる虞がある。
【0006】
本発明は、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取る際に利便性のよい股間用タオルの提供を目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様の股間用タオルは、
生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取るために使用される股間用タオルにおいて、
布製で、股間に当てられる第1シートと、
布製で、前記第1シートに重ねられて配置されている第2シートと、
前記第2シートを挟んで前記第1シートの反対側に前記第2シートに重ねられて配置され、前記第2シートとで片手が入るポケットを構成する第3シートと、
前記第1シートと前記第2シートとに挟まれて配置されている積層シートであって、(1)弾性変形が可能で前記第1シート及び前記第2シートよりも引張伸びが大きく、かつ、(2)繊維層及び当該繊維層の両面のうち前記第1シートに向く面を被覆して前記第1シートを透過した血液を弾く被覆層で構成されている積層シートと、
を備える。
【0008】
第2態様の股間用タオルは、
第1態様の股間用タオルにおいて、
さらに、
前記第3シートにおける前記第2シートに向く面と反対側の面に取り付けられている無端状ゴムであって、前記第1シートにおける股間に当てられる面が内側となるように折り畳まれた前記第1シート並びに前記第1シートとともに折り畳まれた前記積層シート、前記第2シート及び前記第3シートを加圧しながら貫通させる無端状ゴム、
を備える。
【0009】
第3態様の股間用タオルは、
生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取るために使用される股間用タオルにおいて、
布製で、股間に当てられる第1シートと、
布製で、前記第1シートに重ねられて配置されている第2シートと、
前記第2シートを挟んで前記第1シートの反対側に前記第2シートに重ねられて配置され、前記第2シートとで1本以上の指が入る少なくとも1つ以上のポケット又はベルトを構成する第3シートと、
前記第1シートと前記第2シートとに挟まれて配置されている積層シートであって、(1)弾性変形が可能で前記第1シート及び前記第2シートよりも引張伸びが大きく、かつ、(2)繊維層及び当該繊維層の両面のうち前記第1シートに向く面を被覆して前記第1シートを透過した血液を弾く被覆層で構成されている積層シートと、
を備える。
【0010】
第4態様の股間用タオルは、
第3態様の股間用タオルにおいて、
さらに、
前記第3シートにおける前記第2シートに向く面と反対側の面に取り付けられている無端状ゴムであって、前記第1シートにおける股間に当てられる面が内側となるように折り畳まれた前記第1シート並びに前記第1シートとともに折り畳まれた前記積層シート、前記第2シート及び前記第3シートを加圧しながら貫通させる無端状ゴム、
を備える。
【0011】
第5態様の股間用タオルは、
第1態様~第4態様のいずれか一態様の股間用タオルにおいて、
前記第1シートは、中央部と、前記中央部をその全周に亘って囲む囲み部とで構成されており、
前記中央部は、前記囲み部に着脱可能とされている。
【発明の効果】
【0012】
第1態様の股間用タオルは、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取る際に利便性のよい。
【0013】
第2態様の股間用タオルは、簡単な構成で、血液が付着した部分を隠した姿勢に変形できる。
【0014】
第3態様の股間用タオルは、第1態様の股間用タオルに比べて、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取る際に利便性のよい。
【0015】
第4態様の股間用タオルは、簡単な構成で、血液が付着した部分を隠した姿勢に変形できる。
【0016】
第5態様の股間用タオルは、血液が付着する又は付着しやすい中央部を交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】本実施形態の股間用タオルの右側面図である。
【
図4】
図1のIV-IV切断線で切断された、股間用タオルの断面図である。
【
図5】本実施形態の股間用タオルの使用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
≪概要≫
以下、本実施形態の股間用タオル100(
図1~
図5参照)について説明する。次いで、股間用タオル100A(
図6参照)等を含む複数の変形例について説明する。本明細書では、後述する複数の変形例で参照する各図面において、同じような機能を有する構成要素に対して同じ符号又は同じような符号を付している点に留意されたい。
【0019】
≪本実施形態≫
まず、本実施形態の股間用タオル100(
図1、
図2、
図3等参照)の機能及び構成について説明し、次いで効果について説明する。
【0020】
<本実施形態の股間用タオルの機能及び構成>
本実施形態の股間用タオル100は、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取るために使用されるものである(
図5参照)。
股間用タオル100は、第1シート10と、第2シート20と、第3シート30と、積層シート40と、無端状ゴム50と、縫い糸STとを備えている。
【0021】
(第1シート)
第1シート10は、
図2に示されるように、一例として、布製で、各角がR面取りされたように丸みを帯びた四つ角を有する矩形状のシートである。第1シート10は、一例として、綿(ガーゼ)で形成されている。また、第1シート10は、
図4に示されるように、ガーゼを2つ折りにした構成とされている。
第1シート10は、女性の股間に当てられて、股間から排出される血液BL(
図5参照)を吸収する機能を有する。
なお、第1シート10は、
図1及び
図2に示されるように、一例として、長方形状(長尺状)に形成されている。本明細書では、第1シート10の長手方向先端側を+LD、基端側を-LDとし、短手方向一端側を+SD、他端側を-SDとする。なお、
図1における一点鎖線CLは、短手方向の中心を示す中心線である。
【0022】
(第2シート)
第2シート20は、布製で、第1シート10に重ねられて配置されている(
図1、
図3及び
図4参照)。第2シート20は、一例として、第1シート10と同じ素材で同じ形状に構成されている。また、第2シート20は、
図4に示されるように、ガーゼを2つ折りにした構成とされている。
第2シート20は、風呂あがりの女性の片手(のひら)に付着している水分を吸収する機能を有する。
【0023】
(第3シート)
第3シート30は、
図3及び
図4に示されるように、第2シート20を挟んで第1シート10の反対側に第2シート20に重ねられて配置されている。そして、第3シート30は、第2シート20とで風呂あがりの女性の片手が入るポケットPTを構成する。第3シート30は、一例として、第1シート10及び第2シート20と同じ素材で構成されているが形状は異なる。具体的には、その長手方向における長さは、第1シート10及び第2シート20よりも短く設定されている。そして、長手方向先端側の端部が第1シート10及び第2シート20の長手方向先端側の端部に揃えられて配置されている。さらに、第3シート30は、
図4に示されるように、ガーゼを2つ折りにした構成とされている。
第3シート30は、前述のとおり、第2シート20とでポケットPTを構成する機能と、風呂あがりの女性の片手(の甲)に付着している水分を吸収する機能とを有する。
【0024】
(積層シート)
積層シート40は、
図4に示されるように、第1シート10と第2シート20とに挟まれて配置されている。積層シート40は、一例として、第1シート10及び第2シート20と同じ形状に構成されている。積層シート40が
図1~
図3に図示されていないのは、これらの理由による。
積層シート40は、
図4に示されるように、合成繊維層42(繊維層の一例)と、樹脂フィルム層44(被覆層の一例)とで構成されている。
合成繊維層42は、一例としてポリエステルその他の合成繊維を編み込んで形成されている。そのため、合成繊維層42は、綿製の第1シート10及び第2シート20に比べて、網目が細かく、ばね性を有し、水分を弾き易い性質を有する。
樹脂フィルム層44は、
図4に示されるように、合成繊維層42の両面のうち第1シート10に向く面を被覆(ラミネート)している。樹脂フィルム層44は、合成繊維層42上でフィルム化された樹脂であるため、そもそも合成繊維層42とは異なり網目を有していない。そのため、樹脂フィルム層44は、合成繊維層42に比べて、水分を弾き易い性質を有する。なお、本実施形態の樹脂フィルム層44は、合成繊維層42と同等のばね性を有している。
以上の構成により、積層シート40は、弾性変形が可能で、第1シート10及び第2シート20に比べて引張伸びが大きい特徴を有する。
【0025】
(無端状ゴム)
無端状ゴム50は、
図1及び
図3に示されるように、第3シート30における第2シート20に向く面と反対側の面に取り付けられている。具体的には、無端状ゴム50は、当該反対側の面における長手方向先端側の端部に、一本のゴムの両端が縫い糸STにより第3シート30に取り付けられて無端状に構成されている。
そして、無端状ゴム50は、股間用タオル100を使用する女性によって、股間に当てられる面が内側となるように折り畳まれた第1シート10並びに第1シート10とともに折り畳まれた積層シート40、第2シート20及び第3シート30を加圧しながら貫通させる(束ねる)機能を有する。
【0026】
(縫い糸)
縫い糸STは、第1シート10、第2シート20、第3シート30、積層シート40及び結果的に無端状ゴム50になる1本のゴムを一体化させる機能を有する(
図1及び
図2参照)。縫い糸STは、第1シート10、第2シート20及び積層シート40をそれぞれの全周縁に亘って縫い合わせている。また、第3シート30の全周縁の一部及び当該一本のゴムの両端も、第1シート10、第2シート20及び積層シート40をそれぞれの全周縁の一部に配置されて縫い糸STによりこれらとともに縫い合わせされている。
【0027】
以上が、本実施形態の股間用タオル100の機能及び構成について説明である。
【0028】
<本実施形態の股間用タオルの効果>
次に、本実施形態の股間用タオル100の効果について図面(特に
図5)を参照しながら説明する。
【0029】
(第1の効果)
前述のとおり、本実施形態の股間用タオル100は、互いに縫い糸STで縫い合わされた、第1シート10と、第2シート20と、第3シート30と、積層シート40とを備えている(
図1~
図4参照)。
生理中の女性は、
図5に示されるように、風呂あがり時に、水分で濡れたままの片手を股間用タオル100のポケットPTに入れて、股間に手のひらが向いた姿勢で第1シート10を股間に当てる。
そうすると、血液BLは、第1シート10に吸収される。また、血液BLが第1シート10を透過して積層シート40の樹脂フィルム層44に到達する可能性もあるが、仮に到達しても、血液BLは、樹脂フィルム層44に弾かれる。一方で、ポケットPTに入れられ、水分で濡れた状態の片手はポケットPTを構成する第2シート20及び第3シート30により吸収される。そして、第2シート20に吸収された水分が仮に積層シート40に到達しても合成繊維層42を透過し難い(仮に浸透しても樹脂フィルム層44は更に透過し難い)。
以上の構成及び作用により、本実施形態の股間用タオル100を用いれば、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液BLを拭き取る際に利便性のよい。
なお、その後、すぐに第1シート10に吸収された血液BLを洗い流せば、股間用タオル100は再利用可能である点も有効である。
また、前述のとおり、合成繊維層42には第1シート10等の綿に比べると格段に水分を浸透させ難いが、前述のとおり網目を有するため網目が大きくなれば水分が浸透させやすくなる。そこで、例えば、股間用タオル100を使用する女性が股間用タオル100を股間に強く押し付けるほど第2シート20に吸収されて第2シート20を透過した水分が合成繊維層42に浸透し易くなる。第2シート20に吸収される水分がその吸収能力を超えたとしても、第2シート20と合成繊維層42との間に水分が溜まり難くなる。その結果、股間用タオル100が股間に押し付けられている際に、ポケットPTの中の手が第2シート20とともに合成繊維層42に対して滑り難くなる点でも有効である。
【0030】
(第2の効果)
前述のとおり、本実施形態の股間用タオル100は、前述の第1の効果を奏するための構成要素とともに、無端状ゴム50を備えている(
図1及び
図3参照)。
そのため、
図5に示されるように、女性が風呂あがりに股間用タオル100を用いて股間の血液を拭き取った後に、女性が第1シート10における股間に当てられる面が内側となるように第1シート10、積層シート40、第2シート20及び第3シート30(股間用タオル100における無端状ゴム50以外の構成要素)を折り畳んで束ねることができる。すなわち、本実施形態の股間用タオル100を用いれば、簡単な構成で、血液BLが付着した部分(第1シート10の股間に当てられる面)を隠した姿勢に変形することができる。
【0031】
以上が本実施形態の股間用タオル100の効果について説明である。また、以上が本実施形態についての説明である。
【0032】
≪変形例≫
以上のとおり、本発明の一例として前述の実施形態の股間用タオル100を用いて説明したが、本発明の技術的範囲に含まれる形態は前述の股間用タオル100に限定されるものではない。例えば、本発明の技術的範囲には以下のような複数の変形例も含まれる。
【0033】
例えば、本実施形態では、繊維層の一例を合成繊維層42として説明した。しかしながら、繊維層を構成する繊維は、第1シート10及び第2シート20に比べて、網目が細かく、ばね性を有し、水分を弾き易い性質を有すれば、合成繊維でなくてもよい。例えば、繊維層を構成する繊維は、綿製の繊維であってもよく、綿製の繊維と合成繊維とを縫い合わせた混合型の繊維であってもよい。
【0034】
また、例えば、本実施形態では、被覆層の一例を樹脂フィルム層44として説明した。しかしながら、被覆層の一例は、繊維層に比べて、水分(血液BLを含む。)を弾き易い性質を有するとともに繊維層と同等のばね性を有していれば、樹脂フィルム層44でなくてもよい。例えば、被覆層は、合成ゴム、天然ゴム、金属、非金属その他非繊維材であってもよく、複数種の非繊維材を組み合わせた混合材であってもよく、更に、一種又は複数種の非繊維材と繊維材との混合繊維材であってもよい。
【0035】
また、例えば、第1シート10、第2シート20及び第3シート30は、布を2つ折りにして構成されているとしたが、これらの1つ以上が単層で構成されていてもよく、また、これらの1つ以上が3枚以上に重ね折りして構成されていてもよい。
【0036】
また、例えば、前述の実施形態の股間用タオル100は全体的に長尺状(矩形状)であるとして説明したが、片手を入れるポケットPTを有し、股間に当てることができれば、例えば、正方形状、楕円状その他の形状であってもよい。
【0037】
また、前述の実施形態の股間用タオル100は第1シート10が第2シート20とともに縫い合わされているとして説明したが、例えば、
図7の第1変形例の股間用タオル100Aのように、第1シート10Aの一部を交換可能にしてもよい。具体的には、第1シート10Aは、中央部10A1と、中央部10A1をその全周に亘って囲む囲み部10A2とで構成されており、中央部10A1は、例えば複数のボタンBNと複数のスリットSLとを利用して、囲み部10A2に着脱可能とされている。
本変形例の股間用タオル100Aを用いれば、血液BLが付着する又は付着しやすい中央部10A1を交換することができる。
【0038】
また、前述の実施形態の股間用タオル100は第3シート30が第2シート20とともに女性の片手が入るポケットPTを構成するとして説明したが、例えば、
図8の第2変形例の股間用タオル100Bのように、第3シート30の中央部分の1箇所又は2箇所以上の部分を第2シート20に線状に縫い合わせて1本又は2本以上の分離線DLを形成して5本の指を2組以上に分けて収容するようにポケットPTを分離してもよい。また、この変形例の更なる変形例として、例えば、
図9の第3変形例の股間用タオル100Cのように、第3シート30をポケットPTに換えてベルトBT(長手方向の先端側も開口している形態)としてもよい。
前述の実施形態の場合、ポケットPT内の5本の指は自由に動くことが可能に入れられるため指の動きに対応して第1シート10を変形させることが難しいが、これらの変形例の場合。第1シート10は指の動きに対して変形し易くなる点で有効である。
【0039】
また、前述の実施形態の股間用タオル100は、一例として、生理中の女性が入浴直後に股間に当てて血液を拭き取るために使用されるとしたが、例えば、介護用や医療用として、尿や血液を拭き取るために使用されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 第1シート
20 第2シート
30 第3シート
10A1 中央部
10A2 囲み部
40 積層シート
42 合成繊維層(繊維層の一例)
44 樹脂フィルム層(被覆層の一例)
50 無端状ゴム
100 股間用タオル
100A 股間用タオル
100B 股間用タオル
100C 股間用タオル
BL 血液
BN ボタン
BT ベルト
CL 一点鎖線(中心線)
DL 分離線
PT ポケット
SL スリット
ST 縫い糸
LD 長手方向
SD 短手方向