(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089577
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】現金取扱機管理システム、現金取扱機及び現金取扱機制御方法
(51)【国際特許分類】
G07D 11/60 20190101AFI20240626BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240626BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20240626BHJP
G06Q 20/18 20120101ALI20240626BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20240626BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20240626BHJP
【FI】
G07D11/60
E05B49/00 Z
E05B49/00 K
G06F21/31
G06Q20/18
G06Q20/32 300
G06Q20/38 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204993
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楳沢 秀憲
(72)【発明者】
【氏名】前田 達矢
【テーマコード(参考)】
2E250
3E141
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
2E250AA14
2E250BB08
2E250BB15
2E250BB47
2E250CC11
2E250DD01
2E250DD07
2E250EE03
2E250FF11
3E141BA07
3E141CA07
3E141DA01
3E141FL04
5L020AA39
5L020AA64
5L020AA72
5L055AA39
5L055AA64
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】現金取扱機の管理を容易にする現金取扱機管理システム、現金取扱機及び現金取扱機制御方法を提供する。
【解決手段】ATM10は、前扉及び内部機構を施錠する電磁ロック12と、筐体外部に記載されたQRコード13と、解錠依頼を本人認証システム32から受信して電磁ロック12を解錠し、作業の終了操作を受けて電磁ロック12を施錠する制御部15とを備える。警備員端末装置20は、QRコード13を読み取り且つ作業員の作業員識別情報を取得して本人認証システム32へ送信する。本人認証システム32は、警備員端末装置20から受信したQRコード13及び作業員識別情報を基に、作業員の認証を行い、認証が成功した場合に解錠依頼をATM10へ送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金取扱機、本人認証システム及び端末装置を有する現金取扱機管理システムであって、
前記現金取扱機は、
前扉及び内部機構を施錠する電子鍵と、
筐体外部に記載された装置識別情報と、
解錠依頼を前記本人認証システムから受信して前記電子鍵を解錠し、作業の終了操作を受けて前記電子鍵を施錠する制御部とを備え、
前記端末装置は、
前記装置識別情報を読み取り且つ前記作業を行う作業員の作業員識別情報を取得して、前記装置識別情報及び前記作業員識別情報を前記本人認証システムへ送信し、
前記本人認証システムは、
前記端末装置から受信した前記装置識別情報及び前記作業員識別情報を基に、前記作業員の認証を行い、認証が成功した場合に前記解錠依頼を前記現金取扱機へ送信する
ことを特徴とする現金取扱機管理システム。
【請求項2】
前記現金取扱機は、
操作画面を表示する表示部と、
前記電子鍵が解錠されると、前記表示部に前記作業員が作業に用いる操作画面を表示させる画面制御部とを
さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の現金取扱機管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記前扉の開閉を監視し、前記前扉が閉められ且つ前記操作画面を用いた作業終了の情報の入力操作を受けると、前記電子鍵を施錠することを特徴とする請求項2に記載の現金取扱機管理システム。
【請求項4】
前記装置識別情報は、QRコードであることを特徴とする請求項1に記載の現金取扱機管理システム。
【請求項5】
前扉及び内部機構を施錠する電子鍵と、
筐体外部に記載された装置識別情報と、
端末装置により読み取られた前記装置識別情報及び作業を行う作業員の作業員識別情報を基に前記作業員の認証を行う本人認証システムによる認証が成功した場合に、解錠依頼を前記本人認証システムから受信して前記電子鍵を解錠し、作業の終了操作を受けて前記電子鍵を施錠する制御部と
を備えたことを特徴とする現金取扱機。
【請求項6】
前扉及び内部機構を施錠する電子鍵と、筐体外部に記載された装置識別情報とを備えた現金取扱機、本人認証システム及び端末装置を有する現金取扱機管理システムにおける現金取扱機制御方法であって、
前記端末装置に、前記装置識別情報を読み取らせ且つ前記現金取扱機に対する作業を行う作業員の作業員識別情報を取得させて、前記装置識別情報及び前記作業員識別情報を前記本人認証システムへ送信させ、
前記本人認証システムに、前記端末装置から受信した前記装置識別情報及び前記作業員識別情報を基に、前記作業員の認証を行わせ、認証が成功した場合に解錠依頼を前記現金取扱機へ送信させ、
前記現金取扱機に、前記解錠依頼を前記本人認証システムから受信した場合に前記電子鍵を解錠させ、作業の終了操作を受けて前記電子鍵を施錠させる
ことを特徴とする現金取扱機制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金取扱機管理システム、現金取扱機及び現金取扱機制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関では、自動現金預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に対する貨幣の装填及び回収やATMで発生したエラー解除といった様々な業務を警備会社に委託することが多い。その場合、ATMの鍵は、ATMの保守等を行う警備会社及びATMへの現金装填等を行う警送会社にて厳重に管理されており、警備員や警送員の出勤に合わせて貸し出される。
【0003】
警備会社は、1台のATMに対して4種類2セットの計8本のATMの鍵を保管及び管理する。4種類のATMの鍵は、具体的には、ATMの扉を開けるための扉キー、ATMの表示画面を保守画面に切り替えるための係員キー、還流庫を封止するための還流庫キー及び収納スペースを開閉するためのポップキーである。その他に、ATMの鍵には、現金を入れるカセットの開閉のための現金キーが存在するが、警備会社には現金キーは貸与されていない。警備会社の警備員は、ATMの障害や保守対応時に、警備会社に保管され管理されているATMの鍵を警備会社から借り受け、ATMの設置場所に持参して作業を行う。
【0004】
警送会社は、1台のATMに対して3種類2セットの計6本のATMの鍵を保管及び管理する。3種類のATMの鍵とは、扉キー、係員キー及びポップキーである。警送会社の警送員は、ATMへの現金装填の際に、警送会社に保管されているATMの鍵を警送会社から借り受け、ATMの設置場所に持参して作業を行う。その他に、警送会社は、現金キーを警送拠点で保管及び管理しているが、警送員は、現金キーの貸与は受けない。
【0005】
ATMの鍵の管理としては、警備会社の監査及び委託元の監査が実施され、システムリスク対策が維持されている。
【0006】
なお、ATMの管理技術として、管理センタのコンピュータが、ATMの鍵を管理する施錠ユニットからの開錠要求を受けて、作業者の生体情報を送信して、生体情報が一致した場合にATMを開錠させる技術が提案されている。また、監視サーバが、ATMで受け付けられた作業員のカードID(Identifier)を読み取り且つパスワードの入力をATM識別情報とともに受信して認証を行い、作業点検の許可をATMへ通知する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-305332号公報
【特許文献2】特開2008-197806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、警備員や警送員がATMの鍵を持参する従来のオペレーションでは、以下のような様々な問題が発生する。例えば、警備員や警送員がATMの鍵を紛失するリスクが存在する。また、警備会社や警送会社によるATMの鍵の保管及び管理の負担が大きい。たとえば、警備会社や警送会社は、ATMの鍵の保管及び管理として、ATMの鍵の持ち出し及び返却の管理、定期的な棚卸、並びに、それらの管理に対するエビデンスの保持等を行わなければならない。また、警備員が出勤していた場合、警備員はその警備拠点へATMの鍵を取りに戻らねばならず、緊急時のATMの取り扱いの柔軟性に欠けるといえる。このように、従来の技術では、ATM等の現金取扱機の管理が難しい。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、現金取扱機の管理を容易にする現金取扱機管理システム、現金取扱機及び現金取扱機制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する現金取扱機管理システム、現金取扱機及び現金取扱機制御方法の一つの態様において、現金取扱機管理システムは、現金取扱機、本人認証システム及び端末装置を有する。前記現金取扱機は、前扉及び内部機構を施錠する電子鍵と、筐体外部に記載された装置識別情報と、解錠依頼を前記本人認証システムから受信して前記電子鍵を解錠し、作業の終了操作を受けて前記電子鍵を施錠する制御部とを備える。前記端末装置は、前記装置識別情報を読み取り且つ前記作業を行う作業員の作業員識別情報を取得して、前記装置識別情報及び前記作業員識別情報を前記本人認証システムへ送信する。前記本人認証システムは、前記端末装置から受信した前記装置識別情報及び前記作業員識別情報を基に、前記作業員の認証を行い、認証が成功した場合に前記解錠依頼を前記現金取扱機へ送信する。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、本発明は、現金取扱機の管理を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施例に係る現金取扱機管理システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、QRコードシールの一例の図である。
【
図3】
図3は、警備会社に配置された本人認証システムの機能を示す図である。
【
図5】
図5は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおけるATMの電磁ロック解錠処理の概要を示す図である。
【
図6】
図6は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおけるATMの電磁ロック施錠処理の概要を示す図である。
【
図7】
図7は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける解錠を伴う障害対応処理の流れを示す図である。
【
図8】
図8は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける解錠を伴わない障害対応処理の流れを示す図である。
【
図9】
図9は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける発報対応処理の流れを示す図である。
【
図10】
図10は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける警送対応処理の流れを示す図である。
【
図11】
図11は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける電磁ロックの解錠及び施錠処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する現金取扱機管理システム、現金取扱機及び現金取扱機制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する現金取扱機管理システム、現金取扱機及び現金取扱機制御方法が限定されるものではない。
【実施例0014】
図1は、実施例に係る現金取扱機管理システムのシステム構成図である。現金取扱機管理システム1は、現金取扱機であるATM(自動現金預払機)10、警備員端末装置20、警備会社30に配置された警備システム31及び本人認証システム32、統合管理システム40に含まれる監視系サーバ41及び警備ゲートウェイサーバ42を含む。さらに、現金取扱機管理システム1は、ヘルプデスク/監視システム50を含む。
【0015】
ATM10と統合管理システム40とは、専用回線であるATM回線61で接続される。また、統合管理システム40と警備会社30の各システムとは、専用回線である警備会社向回線62で接続される。さらに、警備員端末装置20と警部会社30に配置される本人認証システム32とは、イントラネット63で接続される。
【0016】
ATM10は、コンビニエンスストア等のATMコーナーといった場所に配置され、利用者に対して現金の預け払いや通帳の記帳等を行う。ATM10は、警備監視端末装置100を搭載する。警備監視端末装置100は、ATM10のドアの開閉、振動、傾きといった各種状態を監視する。そして、警備監視端末装置100は、監視により得られた情報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する。
【0017】
また、ATM10は、現金の預払等の各種処理に関する操作画面を表示する表示部11を有する。また、ATM10は、内部に自動施錠機構である電磁ロック12を有する。さらに、ATM10は、筐体の外側にQRコード(登録商標)13が貼り付けられる。QRコード13には、ATM10が設置された施設の店番である店舗ID等の情報が登録される。
【0018】
図2は、QRコードシールの一例の図である。QRコードシール130は、QRコード13をATM10の筐体に張り付けるためのシールである。QRコードシール130には、QRコード13の他に、そのQRコードシール130が張り付けられたATM10を管理する金融機関名等が記載されてもよい。QRコード13は、汚濁やいたずらを考慮して、ATM10の筐体の複数個所に貼り付けられることが好ましい。ATM10の動作については、後で詳細に説明する。
【0019】
図1に戻って説明を続ける。警備員端末装置20は、警備会社30に所属する警備員Pが所持する情報処理端末である。警備員端末装置20は、QRコード13の画像を取得するカメラ等を有し、さらに、QRコード13を読み取るための専用アプリケーションがインストールされる。警備員端末装置20は、例えば、スマートフォンである。
【0020】
警備員Pは、ATM10の保守や点検等の作業開始時に、QRコード13に警備員端末装置20のカメラをかざして、警備員端末装置20の専用アプリケーションでQRコード13を読み取る。また、警備員Pは、自己の識別情報であるIDを警備員端末装置20に入力する。例えば、警備員Pは、入力キーを使って自己のIDを警備員端末装置20に入力しても良いし、社員証等を警備員端末装置20に読み取らせて自己のIDを入力してもよい。また、警備員端末装置20が警備員Pに専用に割り当てられた端末であれば、警備員端末装置20が、警備員Pの情報を予め保持してもよい。
【0021】
作業の開始にあたって、電磁ロック12の解錠が伴う作業を警備員Pが行う場合、警備員端末装置20は、電磁ロック12の解錠が伴う作業を実施する旨の情報の入力を警備員Pから受ける。そして、警備員端末装置20は、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を警備会社30の警備システム31へイントラネット63を介して送信する。
【0022】
これに対して、解錠せずに作業を行える場合、警備員端末装置20は、電磁ロック12の解錠が伴わない作業を実施する旨の情報の入力を警備員Pから受ける。そして、警備員端末装置20は、警備員PのID及びQRコード13を含む係員処理要求を警備会社30の警備システム31へイントラネット63を介して送信する。
【0023】
警備会社30は、警備員Pが所属する会社であり、ATM10の保守業務や監視業務等を請け負う。警備会社30は、例えば、ATM10に障害が発生した場合に警備員PをATM10の設置場所に派遣して、警備員Pに保守作業を行わせる。
【0024】
警備システム31は、ATM10の設備や稼働状態を制御及び監視するためのシステムである。警備システム31は、ATM10の電磁ロック12が解錠された場合に、警戒解除発報を統合管理システム40の警備ゲートウェイサーバ42から警備会社向回線62を介して受ける。警備会社30におけるATM10の監視等を担当する作業者は、警戒解除発報を受けてATM10の電磁ロック12が開錠されて警戒が解除された状態であることを確認できる。また、警備システム31は、ATM10の電磁ロック12が施錠された場合に、警戒開始発報を統合管理システム40の警備ゲートウェイサーバ42から警備会社向回線62を介して受ける。警備会社30における作業者は、警戒開始発報を受けてATM10の電磁ロック12が施錠され警戒が開始され安全な状態であることを確認できる。
【0025】
本人認証システム32は、ATM10に対して作業を行う警備員Pが、正当な権限が与えられた本人であるかの認証を行うシステムである。
図3は、警備会社に配置された本人認証システムの機能を示す図である。
図3に示すように、本実施例では、本人認証システム32は、警備会社30に属する警備員Pに加えて、警送会社70に属する警送員P’の認証も行う。警送員P’は、警備員Pと同様に、警送作業時に警送員端末装置21を所持する。
【0026】
本人認証システム32は、警備会社30に属する警備員PのID等を含む警備員情報及び警備員Pが担当するATM10の情報を関連付けて保持する。また、本人認証システム32は、警送会社70に属する警送員P’のID等を含む警送員情報及び警送員P’が担当するATM10の情報を関連付けて保持する。さらに、本人認証システム32は、警備会社30の認証システム33と連携して動作し、認証システム33と同期するなどして認証システム33と同等のセキュリティを確保する。同様に、本人認証システム32は、警送会社70の認証システム71と連携して動作し、認証システム71と同期するなどして認証システム71と同等のセキュリティを確保する。本人認証システム32は、警備員P及び警送員P’の認証を行うための認証情報321を保持する。
【0027】
本人認証システム32は、イントラネット63を介して、警備員PのID及びATM10のQRコード13を含むATM10の解錠要求又は係員処理要求を警備員端末装置20から受ける。そして、本人認証システム32は、認証情報321を用いてATM10に対する警備員Pの認証を行い、認証が成功するとATM10に対する警備員Pによる作業を承認する。そして、本人認証システム32は、解錠依頼を統合管理システム40の警備ゲートウェイサーバ42へ送信する。また、本人認証システム32は、イントラネット63を介して、警送員P’のID及びATM10のQRコード13を含むATM10の解錠要求又は係員処理要求を警送員端末装置21から受ける。そして、本人認証システム32は、認証情報321を用いてATM10に対する警送員P’の認証を行い、認証が成功するとATM10に対する警送員P’による作業を承認する。そして、本人認証システム32は、解錠依頼を統合管理システム40の警備ゲートウェイサーバ42へ送信する。
【0028】
本人認証システム32は、解錠要求等を基に、誰がいつATM10の解錠を行ったか等の情報を含む履歴情報322を作成して保持する。本人認証システム32は、履歴情報322を保持することで、ATM10を誰がいつ開けたか等の調査に寄与でき監査等に対応することも可能となる。
【0029】
このように、本実施例では、本人認証システム32は、警備会社30に属する警備員Pの警備員情報及び警送会社70に属する警送員P’の警送員情報を認証情報321としてまとめて管理して、ATM10に対する作業に関する認証を一元的に行う。これにより、ATM10のセキュリティシステムが、本人認証システム32に集約され、安全性が高まるとともに、回線増設の負担を軽減することができる。
【0030】
図1に戻って説明を続ける。統合管理システム40の監視系サーバ41は、ATM10が設置された施設への警備員Pや警送員P’の出入店や実施される作業の管理等を実行する。ここでは、警備員Pを例に説明する。
【0031】
監視系サーバ41は、ATM10の表示部11に係員画面が表示されると、警備員Pの入店連絡の情報をATM10から受信する。また、監視系サーバ41は、警送作業時に、ATM10の前扉の開閉の情報や行われた作業の情報等を受信する。また、監視系サーバ41は、ヘルプデスク/監視システム50において担当者P1により入力された警備内容を端末装置51から受信する。そして、監視系サーバ41は、警備員Pの作業時に、ATM10の表示部11に表示された係員画面に作業内容等を表示させる。また、監視系サーバ41は、警備員Pの作業終了時に、ATM10の表示部11に表示された係員画面において処理終了の情報等が入力されると、警備員Pの退店連絡の情報をATM10から受信する。
【0032】
統合管理システム40の警備ゲートウェイサーバ42は、警備会社30の警備システム31及び本人認証システム32とATM10との間の通信を中継する。例えば、警備ゲートウェイサーバ42は、本人認証システム32から解錠依頼を受信すると、電磁ロック12を解錠する解錠電文を生成してATM10へ送信する。また、警備ゲートウェイサーバ42は、本人認証システム32から係員処理依頼を受信すると、作業を許可する係員処理表示電文を生成してATM10へ送信する。また、警備ゲートウェイサーバ42は、本人認証システム32から受信した警戒解除発報及び警戒開始発報をATM10へ送信する。
【0033】
ヘルプデスク/監視システム50は、端末装置51を備え、ATM10の障害発生時の担当者P1による窓口対応や警備作業及び警送作業の管理等に用いられる。例えば、担当者P1は、ATM10の障害を通知する障害コールを電話で受け付ける。そして、担当者P1は、電話やメール等で警備会社30に出動依頼を通知する。この際、端末装置51は、担当者P1から入力された警備内容の情報を監視系サーバ41へ送信する。また、担当者P1は、電話やメール等で発報対応時の警備員Pの出勤連絡を警備会社30から受ける。また、担当者P1は、予め作成された警送作業の計画に基づいて、電話やメール等で警備会社30及び警送会社70に出動依頼を通知する。この際、端末装置51は、担当者P1から入力された警送内容の情報を監視系サーバ41へ送信する。
【0034】
図4は、ATMのブロック図である。ATM10は、
図4に示すように、表示部11、電磁ロック12、QRコード13、画面制御部14、制御部15、警備監視部16及びセンサ17を有する。
【0035】
表示部11は、通常は現金の預け払いや通帳の記帳を行うための顧客画面を表示する。また、表示部11は、電磁ロック12が解錠された場合、画面制御部14の制御を受けて係員画面を表示する。
【0036】
電磁ロック12は、電子鍵である。電磁ロック12は、前扉及び還流庫を施錠するための鍵である。電磁ロック12は、制御部15からの制御を受けて、前扉及び還流庫の解錠又は施錠を行う。
【0037】
QRコード13は、店舗ID等のATM10を識別するための情報が格納される。QRコード13は、作業時に警備員Pが操作する警備員端末装置20により読み取られる。ここで、本実施例では、QRコード13を用いたが、警備員端末装置20によりATM10の識別情報を読み取ることが可能であれば、バーコード等の他の物が用いられてもよい。
【0038】
制御部15は、ATM10で動作するアプリケーションプログラムによりその機能が実現される。制御部15は、解錠電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、電磁ロック12を解錠する。また、制御部15は、電磁ロック12の解錠を警備監視部16に通知する。さらに、制御部15は、表示部11が表示する操作画面の係員画面への切り替えを画面制御部14に指示する。その後、制御部15は、警備員Pの入店連絡の通知を監視系サーバ41へ送信する。
【0039】
また、制御部15は、ATM10の前扉の開閉を監視し、前扉が開閉されるとその情報を監視系サーバ41に送信する。また、制御部15は、作業終了時に、ATM10の前扉が閉められて且つ表示部11に表示された係員画面において係員処理終了の情報が入力されると電磁ロック12を施錠する。さらに、制御部15は、電磁ロック12の施錠を警備監視部16に通知する。
【0040】
また、制御部15は、係員処理表示電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、表示部11が表示する操作画面の係員画面への切り替えを画面制御部14に指示する。
【0041】
画面制御部14は、通常は顧客画面を表示部11に表示させる。より具体的には、画面制御部14は、顧客が操作を開始するまでは、顧客待ち画面を表示部11に表示させ、顧客が操作を開始すると操作を受け付ける顧客操作画面を表示部11に表示させる。
【0042】
また、画面制御部14は、表示部11が表示する操作画面の顧客画面から係員画面への切り替えの指示を制御部15から受ける。そして、画面制御部14は、表示部11に表示させる操作画面を顧客画面から係員画面に切り替える。さらに、画面制御部14は、監視系サーバ41から受信した警備内容を係員画面上に表示部11に表示させる。そして、画面制御部14は、表示部11に表示された係員画面を用いて警備員Pにより入力された情報を受信する。画面制御部14は、入力に合わせ表示部11が表示する係員画面の表示を変更させる。さらに、画面制御部14は、表示部11に表示された係員画面を用いて係員処理終了の情報の入力が行われると、係員処理の終了を示す信号を制御部15へ出力する。
【0043】
センサ17は、ATM10の傾きや振動を検知するセンサである。センサ17は、検知結果を警備監視部16へ出力する。
【0044】
警備監視部16は、ATM10のセキュリティの管理を統括して行う機能を有する。警備監視部16は、
図1における警備監視端末装置100が有する機能の一例にあたる。
【0045】
警備監視部16は、センサ17の検知結果を取得する。そして、警備監視部16は、ATM10に加えられた振動やATM10の傾きから、ATM10の異常を検知する。異常を検知した場合、警備監視部16は、出動依頼を警備会社30に送信する。出動依頼には、店舗IDや出勤の用件等が含まれる。警備会社30は、警備監視部16からの出動依頼に対して、警備員PをATM10の設置場所に派遣するとともに、出動連絡をヘルプデスク/監視システム50の担当者P1に通知する。
【0046】
また、警備監視部16は、電磁ロック12の解錠の通知を制御部15から受ける。そして警備監視部16は、警戒解除発報を統合管理システム40の警備ゲートウェイサーバ42へ送信する。
【0047】
また、警備監視部16は、電磁ロック12の施錠の通知を制御部15から受ける。次に、警備監視部16は、警戒開始発報を統合管理システム40の警備ゲートウェイサーバ42へ送信する。
【0048】
図5は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおけるATMの電磁ロック解錠処理の概要を示す図である。次に、
図5を参照して、実施例に係る現金取扱機管理システム1におけるATM19の電磁ロック12の解錠処理の流れを説明する。
【0049】
警備員Pは、警備員端末装置20のカメラをATM10に貼り付けられたQRコード13にかざして、QRコード13を警備員端末装置20の専用アプリケーションで読み込む(ステップS1)。
【0050】
警備員端末装置20は、警備員PのIDの入力を受ける。そして、警備員端末装置20は、警備員Pから電磁ロック12の解錠を含む作業を実施する旨の入力を受けて、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を本人認証システム32へ送信する(ステップS2)。
【0051】
警備システム31は、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を警備員端末装置20から受信する。そして、本人認証システム32は、QRコード13に登録された情報を取得して、取得した情報及び警備員PのIDと予め保持する認証情報321を用いて警備員PがATM10に対する作業を行う権利を有するか否かの認証を行う。認証が成功すると、警備システム31は、警備員PによるATM10に対する作業を承認する(ステップS3)。
【0052】
次に、警備システム31は、ATM10の解錠依頼を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS4)。警備システム31は、ATM10の解錠依頼に、QRコード13から取得した店舗IDを含ませる。
【0053】
警備ゲートウェイサーバ42は、解錠依頼を警備システム31から受信して、店舗IDを含む解錠電文を生成して、ATM10へ送信する(ステップS5)。
【0054】
ATM10の制御部15は、解錠電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、電磁ロック12を解錠する(ステップS6)。
【0055】
また、制御部15は、電磁ロック12の解錠を警備監視端末装置100に通知する。警備監視端末装置100は、警戒解除発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS7)。
【0056】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒解除発報を警備システム31へ送信する(ステップS8)。
【0057】
また、制御部15は、電磁ロック12の解錠を画面制御部14に通知する。画面制御部14は、表示部11に係員画面を表示させる(ステップS9)。
【0058】
さらに、制御部15は、警備員Pの入店連絡の通知を監視系サーバ41へ送信する(ステップS10)。
【0059】
図6は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおけるATMの電磁ロック施錠処理の概要を示す図である。次に、
図6を参照して、実施例に係る現金取扱機管理システム1におけるATM19の電磁ロック12の施錠処理の流れを説明する。
【0060】
警備員Pは、作業後に前扉を閉める(ステップS11)。
【0061】
次に、警備員Pは、表示部11に表示された係員画面を操作して、係員処理終了の情報を入力する(ステップS12)。
【0062】
制御部15は、前扉が閉められ、且つ、係員処理終了の情報の入力を画面制御部14から受けると、電磁ロック12を施錠する(ステップS13)。
【0063】
次に、制御部15は、退店連絡を監視系サーバ41へ送信する(ステップS14)。
【0064】
さらに、制御部15は、電磁ロック12の施錠を警備監視端末装置100へ通知する。警備監視端末装置100は、電磁ロック12の施錠の通知を受けて、警戒開始発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS15)。
【0065】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒開始発報を警備システム31へ送信する(ステップS16)。
【0066】
図7は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける解錠を伴う障害対応処理の流れを示す図である。次に、
図7を参照して、実施例に係る現金取扱機管理システム1における解錠を伴う障害対応処理の流れを説明する。
【0067】
ATM10が配置された店舗の従業員P2が、ヘルプデスク/監視システム50の担当者P1に電話で障害コールを行う(ステップS101)。
【0068】
担当者P1は、電話やメール等で警備会社30に出動依頼を通知する(ステップS102)。この際、担当者P1は、ATM10が設置された施設の店舗ID等を警備会社30に伝える。
【0069】
また、担当者P1は、端末装置51に警備作業内容を登録する(ステップS103)。端末装置51は、登録された警備作業内容を監視系サーバ41へ送信する(ステップS104)。
【0070】
警備会社30は、出動依頼を受けて、店舗IDにより示される施設に警備員Pを派遣する。警備員Pは、派遣命令を受けて、ATM10の設置場所に到着する(ステップS105)。
【0071】
次に、警備員Pは、警備員端末装置20のカメラをATM10に貼り付けられたQRコード13にかざして、QRコード13を警備員端末装置20の専用アプリケーションで読み込む(ステップS106)。
【0072】
警備員端末装置20は、警備員PのIDの入力を受ける。そして、警備員端末装置20は、警備員Pから電磁ロック12の解錠を伴う障害対応処理の作業を実施する旨の入力を受けて、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を本人認証システム32へ送信する(ステップS107)。
【0073】
警備システム31は、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を警備員端末装置20から受信する。そして、本人認証システム32は、QRコード13に登録された情報を取得して、取得した情報及び警備員PのIDと予め保持する認証情報321を用いて警備員PがATM10に対する作業を行う権利を有するか否かの認証を行う。認証が成功すると、警備システム31は、店舗IDを含むATM10の解錠依頼を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS108)。
【0074】
警備ゲートウェイサーバ42は、解錠依頼を警備システム31から受信して、店舗IDを含む解錠電文を生成して、ATM10へ送信する(ステップS109)。
【0075】
ATM10の制御部15は、解錠電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、電磁ロック12を解錠する(ステップS110)。
図7では、解錠状態と施錠状態とを表すため2つの状態をまとめて電磁ロック12として表した。
【0076】
また、制御部15は、電磁ロック12の解錠を警備監視端末装置100に通知する。警備監視端末装置100は、警戒解除発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS111)。
【0077】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒解除発報を警備システム31へ送信する(ステップS112)。
【0078】
また、制御部15は、表示部11に表示された操作画面の切り替えを画面制御部14に指示する。画面制御部14は、表示部11に係員画面を表示させる(ステップS113)。
【0079】
その後、警備員Pは、表示部11に表示された係員画面を用いて障害対応作業を実施する(ステップS114)。障害対応作業では、例えば、警備員Pは、前扉を開く操作、係員画面操作、内部ユニット(不図示)を開ける操作及び紙幣取り出し等の障害対応を行う。
【0080】
そして、警備員Pは、ATM10の前扉を閉め、表示部11に表示された係員画面から係員処理終了の情報を入力する。制御部15は、前扉が閉められ、且つ、係員処理終了の情報の入力を画面制御部14から受けると、電磁ロック12を施錠する(ステップS115)。
【0081】
ここで、ステップS113~S115の間に、ATM10と監視系サーバ41とは、警備員Pの入店連絡の通知の送受信、警備作業内容の送受信及び警備員Pの退店連絡の送受信等を行う(ステップS116)。
【0082】
さらに、制御部15は、電磁ロック12の施錠を警備監視端末装置100へ通知する。警備監視端末装置100は、電磁ロック12の施錠の通知を受けて、警戒開始発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS117)。
【0083】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒開始発報を警備システム31へ送信する(ステップS118)。
【0084】
図8は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける解錠を伴わない障害対応処理の流れを示す図である。次に、
図8を参照して、実施例に係る現金取扱機管理システム1における解錠を伴わない障害対応処理の流れを説明する。
【0085】
ATM10が配置された店舗の従業員P2が、ヘルプデスク/監視システム50の担当者P1に電話で障害コールを行う(ステップS201)。
【0086】
担当者P1は、電話やメール等で警備会社30に出動依頼を通知する(ステップS202)。この際、担当者P1は、ATM10が設置された施設の店舗ID等を警備会社30に伝える。
【0087】
また、担当者P1は、端末装置51に警備作業内容を登録する(ステップS203)。端末装置51は、登録された警備作業内容を監視系サーバ41へ送信する(ステップS204)。
【0088】
警備会社30は、出動依頼を受けて、店舗IDにより示される施設に警備員Pを派遣する。警備員Pは、派遣命令を受けて、ATM10の設置場所に到着する(ステップS205)。
【0089】
次に、警備員Pは、警備員端末装置20のカメラをATM10に貼り付けられたQRコード13にかざして、QRコード13を警備員端末装置20の専用アプリケーションで読み込む(ステップS206)。
【0090】
警備員端末装置20は、警備員PのIDの入力を受ける。そして、警備員端末装置20は、警備員Pから電磁ロック12の解錠を伴わない障害対応処理の作業を実施する旨の入力を受けて、警備員PのID及びQRコード13を含む係員処理要求を本人認証システム32へ送信する(ステップS207)。
【0091】
警備システム31は、警備員PのID及びQRコード13を含む係員処理要求を警備員端末装置20から受信する。そして、本人認証システム32は、QRコード13に登録された情報を取得して、取得した情報及び警備員PのIDと予め保持する認証情報321を用いて警備員PがATM10に対する作業を行う権利を有するか否かの認証を行う。認証が成功すると、警備システム31は、店舗IDを含むATM10の係員処理依頼を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS208)。
【0092】
警備ゲートウェイサーバ42は、係員処理依頼を警備システム31から受信して、店舗IDを含む係員処理表示電文を生成して、ATM10へ送信する(ステップS209)。
【0093】
ATM10の制御部15は、係員処理表示電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、表示部11に表示された操作画面の切り替えを画面制御部14に指示する。画面制御部14は、表示部11に係員画面を表示させる(ステップS210)。
【0094】
その後、警備員Pは、表示部11に表示された係員画面を用いて障害対応作業を実施する(ステップS211)。障害対応作業では、警備員Pは、例えば、係員画面操作や顧客対応等の処理を行う。
【0095】
ここで、ステップS210~S211の間に、ATM10と監視系サーバ41とは、警備員Pの入店連絡の通知の送受信、警送作業内容の送受信及び警備員Pの退店連絡の送受信等を行う(ステップS212)。
【0096】
図9は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける発報対応処理の流れを示す図である。次に、
図9を参照して、実施例に係る現金取扱機管理システム1における発報対応処理の流れを説明する。
【0097】
警備監視端末装置100は、センサ17から取得した情報から、ATM10の異常の検知を行う。ATM10の異常を検知した場合、警備監視端末装置100は、警備会社30に出動依頼を通知する(ステップS301)。この際、警備監視端末装置100は、ATM10が設置された施設の店舗ID等を警備会社30に伝える。
【0098】
警備会社30は、出動依頼を受けて、ヘルプデスク/監視システム50の担当者P1等に出勤連絡を行う(ステップS302)。
【0099】
また、警備会社30は、出動依頼を受けて、店舗IDにより示される施設に警備員Pを派遣する。警備員Pは、派遣命令を受けて、ATM10の設置場所に到着する(ステップS303)。
【0100】
次に、警備員Pは、警備員端末装置20のカメラをATM10に貼り付けられたQRコード13にかざして、QRコード13を警備員端末装置20の専用アプリケーションで読み込む(ステップS304)。
【0101】
警備員端末装置20は、警備員PのIDの入力を受ける。そして、警備員端末装置20は、警備員Pから電磁ロック12の解錠を伴う障害対応処理の作業を実施する旨の入力を受けて、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を本人認証システム32へ送信する(ステップS305)。
【0102】
警備システム31は、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を警備員端末装置20から受信する。そして、本人認証システム32は、QRコード13に登録された情報を取得して、取得した情報及び警備員PのIDと予め保持する認証情報321を用いて警備員PがATM10に対する作業を行う権利を有するか否かの認証を行う。認証が成功すると、警備システム31は、店舗IDを含むATM10の解錠依頼を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS306)。
【0103】
警備ゲートウェイサーバ42は、解錠依頼を警備システム31から受信して、店舗IDを含む解錠電文を生成して、ATM10へ送信する(ステップS307)。
【0104】
ATM10の制御部15は、解錠電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、電磁ロック12を解錠する(ステップS308)。
【0105】
また、制御部15は、電磁ロック12の解錠を警備監視端末装置100に通知する。警備監視端末装置100は、警戒解除発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS309)。
【0106】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒解除発報を警備システム31へ送信する(ステップS310)。
【0107】
また、制御部15は、制御部15は、表示部11に表示された操作画面の切り替えを画面制御部14に指示する。画面制御部14は、表示部11に係員画面を表示させる(ステップS311)。
【0108】
その後、警備員Pは、表示部11に表示された係員画面を用いて障害対応作業を実施する(ステップS312)。障害対応作業では、例えば、警備員Pは、前扉を開く操作、係員画面操作、内部ユニット(不図示)を開ける操作及び紙幣取り出し等の障害対応等を行う。
【0109】
そして、警備員Pは、ATM10の前扉を閉め、表示部11に表示された係員画面から係員処理終了の情報を入力する。制御部15は、前扉が閉められ、且つ、係員処理終了の情報の入力を画面制御部14から受けると、電磁ロック12を施錠する(ステップS313)。
【0110】
ここで、ステップS113~S115の間に、ATM10と監視系サーバ41とは、警備員Pの入店連絡の通知の送受信、警送作業内容の送受信及び警備員Pの退店連絡の送受信等を行う(ステップS314)。
【0111】
さらに、制御部15は、電磁ロック12の施錠を警備監視端末装置100へ通知する。警備監視端末装置100は、電磁ロック12の施錠の通知を受けて、警戒開始発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS315)。
【0112】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒開始発報を警備システム31へ送信する(ステップS316)。
【0113】
図10は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける警送対応処理の流れを示す図である。次に、
図10を参照して、実施例に係る現金取扱機管理システム1における警送対応処理の流れを説明する。
【0114】
ヘルプデスク/監視システム50の担当者P1は、予め作成された計画にしたがい、電話やメール等で警送会社70に警送作業についての出動依頼を通知する(ステップS401)。この際、担当者P1は、ATM10が設置された施設の店舗ID等を警送会社70に伝える。
【0115】
また、担当者P1は、端末装置51に警送作業内容を登録する(ステップS402)。端末装置51は、登録された警送作業内容を監視系サーバ41へ送信する(ステップS403)。
【0116】
警送会社70は、出動依頼を受けて、店舗IDにより示される施設に警送員P’を派遣する。警送員P’は、派遣命令を受けて、ATM10の設置場所に到着する(ステップS404)。
【0117】
次に、警送員P’は、警送員端末装置21のカメラをATM10に貼り付けられたQRコード13にかざして、QRコード13を警送員端末装置21の専用アプリケーションで読み込む(ステップS405)。
【0118】
警送員端末装置21は、警送員P’のIDの入力を受ける。そして、警送員端末装置21は、警送員P’から電磁ロック12の警送対応処理の作業を実施する旨の入力を受けて、警送員P’のID及びQRコード13を含む解錠要求を本人認証システム32へ送信する(ステップS406)。
【0119】
警備システム31は、警送員P’のID及びQRコード13を含む解錠要求を警送員端末装置21から受信する。そして、本人認証システム32は、QRコード13に登録された情報を取得して、取得した情報及び警送員P’のIDと予め保持する認証情報321を用いて警送員P’がATM10に対する警送作業を行う権利を有するか否かの認証を行う。認証が成功すると、警備システム31は、店舗IDを含むATM10の解錠依頼を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS407)。
【0120】
警備ゲートウェイサーバ42は、解錠依頼を警備システム31から受信して、店舗IDを含む解錠電文を生成して、ATM10へ送信する(ステップS408)。
【0121】
ATM10の制御部15は、解錠電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、電磁ロック12を解錠する(ステップS409)。
【0122】
また、制御部15は、電磁ロック12の解錠を警備監視端末装置100に通知する。警備監視端末装置100は、警戒解除発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS410)。
【0123】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒解除発報を警備システム31へ送信する(ステップS411)。
【0124】
また、制御部15は、制御部15は、表示部11に表示された操作画面の切り替えを画面制御部14に指示する。画面制御部14は、表示部11に係員画面を表示させる(ステップS412)。
【0125】
その後、警送員P’は、表示部11に表示された係員画面を用いて障害対応作業を実施する(ステップS413)。障害対応作業では、例えば、警備員Pは、前扉を開く操作、係員画面操作、内部ユニット(不図示)を開ける操作及びカセット交換等の警送対応を行う。
【0126】
そして、警送員P’は、ATM10の前扉を閉め、表示部11に表示された係員画面から係員処理終了の情報を入力する。制御部15は、前扉が閉められ、且つ、係員処理終了の情報の入力を画面制御部14から受けると、電磁ロック12を施錠する(ステップS414)。
【0127】
ここで、ステップS113~S115の間に、ATM10と監視系サーバ41とは、警送員P’の入店連絡の通知の送受信、警送作業内容の送受信及び警備員Pの退店連絡の送受信等を行う(ステップS415)。
【0128】
さらに、制御部15は、電磁ロック12の施錠を警備監視端末装置100へ通知する。警備監視端末装置100は、電磁ロック12の施錠の通知を受けて、警戒開始発報を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS416)。
【0129】
警備ゲートウェイサーバ42は、警備監視端末装置100から受信した警戒開始発報を警備システム31へ送信する(ステップS417)。
【0130】
図11は、実施例に係る現金取扱機管理システムにおける電磁ロックの解錠及び施錠処理のフローチャートである。次に、
図11を参照して実施例に係る現金取扱機管理システムにおける電磁ロック12の解錠及び施錠処理の流れを説明する。
【0131】
警備員Pは、警備員端末装置20のカメラをATM10に貼り付けられたQRコード13にかざす。警備員端末装置20は、QRコード13を警備員端末装置20の専用アプリケーションで読み込む(ステップS501)。
【0132】
警備員端末装置20は、警備員PのIDの入力を受ける。そして、警備員端末装置20は、警備員Pから電磁ロック12の解錠を含む作業を実施する旨の入力を受けて、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を本人認証システム32へ送信する(ステップS502)。
【0133】
警備システム31は、警備員PのID及びQRコード13を含む解錠要求を警備員端末装置20から受信する。そして、本人認証システム32は、QRコード13に登録された情報を取得して、取得した情報及び警備員PのIDと予め保持する認証情報321を用いて警備員PがATM10に対する作業を行う権利を有するか否かの認証を行い、認証が成功したか否かを判定する(ステップS503)。
【0134】
認証に失敗した場合(ステップS503:否定)、警備システム31は、エラー通知を警備員端末装置20へ送信する(ステップS504)。そして、電磁ロック12の解錠及び施錠処理は終了する。
【0135】
これに対して、認証に成功した場合(ステップS503:肯定)、警備システム31は、ATM10の解錠依頼を警備ゲートウェイサーバ42へ送信する(ステップS505)。
【0136】
警備ゲートウェイサーバ42は、解錠依頼を警備システム31から受信して、店舗IDを含む解錠電文を生成して、ATM10へ送信する(ステップS506)。
【0137】
ATM10の制御部15は、解錠電文を警備ゲートウェイサーバ42から受信する。そして、制御部15は、電磁ロック12を解錠する(ステップS507)。
【0138】
その後、警備員Pは、故障対応等の作業を実施する(ステップS508)。
【0139】
作業後、警備員Pは、前扉を閉める。次に、警備員Pは、表示部11に表示された係員画面を操作して、係員処理終了の情報を入力する。制御部15は、前扉が閉められたことを確認し、且つ、係員処理終了の情報の入力を画面制御部14から受信する(ステップS509)。
【0140】
そして、制御部15は、電磁ロック12を施錠する(ステップS510)。
【0141】
以上に説明したように、本実施例に係るATMは、筐体にQRコードが貼り付けられる。そして、警備員は、作業時に所持する警備員端末装置にQRコードを読み取らせて、QRコード及び警備員のIDを用いて本人認証システムに作業を行う権利の有無の認証を行わせる。そして、認証されると、本人認証システムから解錠要求が送られ、ATMは、電磁ロックを解錠する。さらに、作業終了後に前扉が閉められ、且つ、作業終了の情報が入力されることで、ATMは、電磁ロックを施錠する。
【0142】
これにより、警備員は、警備会社からATMの鍵を借り受けずに、ATMの鍵を解錠して作業に取り掛かることができる。したがって、警備員によるATMの鍵の紛失のリスクを軽減でき、警備員の鍵管理の負担を軽減することができる。また、警備員がATMの鍵を借り受けに警備会社に向かう手間を省くことができ、緊急時等にもATM作業を柔軟に行うことができる。さらに、警備会社による物理的なATMの鍵の管理負担を軽減することができる。したがって、現金取扱機の管理を容易にすることが可能となる。さらに、警備会社と警送会社とのそれぞれの作業員の本人認証を、警備会社で一括管理することで、セキュリティを向上させ且つ管理を容易にすることができる。
【0143】
図12は、ATMのハードウェア構成図である。
図12に示すように、ATM10は、CPU(Central Processing Unit)901、メモリ902、表示装置903、ハードディスク904、IOインタフェース905、ネットワークインタフェース906及び警備監視端末装置100及びセンサ17を有する。また、ATM10は、施錠ユニット907、紙幣処理ユニット908、硬貨処理ユニット909、通帳処理ユニット910及びカード/レシート処理ユニット911を有する。
【0144】
CPU901は、メモリ902、表示装置903、ハードディスク904、IOインタフェース905、ネットワークインタフェース906及び警備監視端末装置100とバスで接続される。
【0145】
表示装置903は、タッチパネル等である。表示装置903は、表示部11の機能を実現する。
【0146】
IOインタフェース905は、施錠ユニット907、紙幣処理ユニット908、硬貨処理ユニット909、通帳処理ユニット910及びカード/レシート処理ユニット911に接続される。そして、CPU901は、IOインタフェース905を介して、施錠ユニット907、紙幣処理ユニット908、硬貨処理ユニット909、通帳処理ユニット910及びカード/レシート処理ユニット911を制御する。
【0147】
施錠ユニット907は、電磁ロック12を有する。施錠ユニット907は、CPU901からの制御を受けて、電磁ロック12の施錠又は解錠を行う。
【0148】
紙幣処理ユニット908は、CPU901からの制御を受けて、紙幣入出金口を用いて紙幣の入金や支払いの処理を行う。硬貨処理ユニット909は、CPU901からの制御を受けて、硬貨入出金口を用いて硬貨の入金や支払いの処理を行う。
【0149】
通帳処理ユニット910は、CPU901からの制御を受けて、通帳挿入/排出口を用いて通帳の受け取りや返却を行う。また、通帳処理ユニット910は、CPU901からの制御を受けて、通帳に対する記帳を行う。
【0150】
カード/レシート処理ユニット911は、CPU901からの制御を受けて、カード挿入/排出口を用いてカードの受け取りや返却を行う。また、カード/レシート処理ユニット911は、CPU901からの制御を受けて、レシートの作成及びカード挿入/排出口からの発行を行う。
【0151】
ネットワークインタフェース906は、ATM10と外部装置との間の通信インタフェースである。ネットワークインタフェース906は、例えば、
図1に例示した監視系サーバ41及び警備ゲートウェイサーバ42とCPU901との間の通信を中継する。
【0152】
ハードディスク904は、
図4に例示した画面制御部14及び制御部15の機能を実現するためのプログラムを含む各種プログラムを格納する。
【0153】
メモリ902は、主記憶装置である。メモリ902は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)を用いることが可能である。
【0154】
CPU901は、ハードディスク904から各種プログラムを読み出してメモリ902に展開して実行する。これにより、CPU901は、
図4に例示した画面制御部14及び制御部15の機能を実現する。
【0155】
警備監視端末装置100は、センサ17に接続される。警備監視端末装置100は、CPU901とは別のプロセッサ及びメモリを有する。警備監視端末装置100のプロセッサ及びメモリは、所定のプログラムを実行して、
図4に例示した警備監視部16の機能を実現する。