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特開2024-89584溶融過程を経て球形に成型した物質を含むモルタルの使用工法
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  • 特開-溶融過程を経て球形に成型した物質を含むモルタルの使用工法 図1
  • 特開-溶融過程を経て球形に成型した物質を含むモルタルの使用工法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089584
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】溶融過程を経て球形に成型した物質を含むモルタルの使用工法
(51)【国際特許分類】
   E01C 11/02 20060101AFI20240626BHJP
   E01C 5/00 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
E01C11/02 Z
E01C5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212925
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】500528912
【氏名又は名称】小林 恒己
(72)【発明者】
【氏名】小林 恒己
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AC04
2D051AD01
2D051AE05
2D051AF03
2D051AG11
2D051DC03
2D051EA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】砕石の上に敷き並べられたブロックの隙間からモルタルを注入する工法において、モルタルの流動性を改善し、ブロックの目地部が光を受けて光を反射し警告路面を造成する工法を提供する。
【解決手段】本球体のサイズは砕石層の隙間空間へモルタルが侵入可能なサイズとする。球体の混合割合は、混合物の体積の1%~72%とする。本球体を本モルタルへ混合する効果は、1施工現場で製造したモルタルの粘度の上昇率を抑制する。2溶融により生成した緻密な組織の球体をモルタル中へ混合することによりAE剤で生ずる空隙組織部が存在せず、モルタルの圧縮強度および耐摩耗性が上昇する。3目地部表面のモルタル中の球体が光を反射することで警告路面が生成する。カラー球体を使用することでカラー路面が造成可能である。4作業工程の1モルタル混錬工程で目地部からのモルタル侵入量が増加し、路面の強度増加と作業効率が上昇し、経済効果が得られる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機質の非晶質を主成分とする溶融過程を経て成型した球形物体に関するものであり、本球体の直径は、本物体をモルタル混合物の成分の一部として使用したモルタルをブロックの隙間に流し込むことが可能な直径のサイズであり、本物体のモルタルへの混合割合はモルタルの体積の1%~72%の範囲で他の物質と混合するものである。本混合体を常温で液状の親水性の有機高分子物質とポルトランドセメントおよび水および必要に応じて他の物質を混合した混合体を製造してブロックの隙間に流し込み、舗装体を形成させ、本混合体が硬化した後に開放する舗装体路面の造成工法。
【請求項2】
無機質の非晶質を主成分とする溶融過程を経て着色し、成型した球形物体に関するものであり、本球体の直径は、本物体をモルタル混合物の成分の一部として使用したモルタルをブロックの隙間に流し込むことが可能な直径のサイズであり、本物体のモルタルへの混合割合はモルタルの体積の1%~72%の範囲で他の物質と混合するものである。本混合体を常温で液状の親水性の有機高分子物質とポルトランドセメントおよび水および必要に応じて他の物質を混合した混合体を製造してブロックの隙間に流し込み、舗装体を形成させ、本混合体が硬化した後に開放する舗装体路面の造成工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ブロックの隙間から混合物を流し込み、本混合物が硬化後に交通に開放する工法は、CAモルタル工法として公知である。本工法の欠点は、流し込むCAモルタルがモルタル製造後に時間の経過とともに粘度が大きくなり、流し込むモルタルが砕石の細部空間に浸透する現象が停止してしまうことである。そのためモルタルが砕石隙間に侵入可能な短時間の間に1工程の作業を終了しなければならないことである。
本発明は、CAモルタルが時間の経過とともに粘度が大きくなり、細部の隙間に浸透しなくなる現象を改善する工法である。改善の方法は、無機質の溶融して球形に成型された球体のサイズが砕石の隙間に侵入可能なサイズの物体を混合物の体積割合で1%~72%の範囲で他材料と混合することである。この球体を混合することにより球体を除いた部分の粘度の上昇率は変わらない。しかし、球体を含めたモルタル全量の粘度は時間が経過しても上昇率は球体を除いた粘度より小さいことが判明した。
すなわち、球体を除いたモルタルの製造直後から時間経過に伴う粘度をAとするならば、球体を混合したモルタルの粘度Bは、Aより小さくなる。
【0002】
粘度Aより粘度Bが小さいことは、敷き詰められた砕石層の空隙にB―(マイナス)Aの粘度になる時間経過の分だけ浸透する量が増えることであり、このことはブロックの強度の増強であり、経済的に1混合工程で浸透する量だけ工程作業量が減少することである。
【0003】
主成分がケイ酸質の球体であれば、時間の経過とともにモルタル中でポゾラン反応が生成し、その分が物理的強度を増大させる。
【0004】
AE剤による粘度の低下は、モルタル組織の中に球形の空隙が出現し、そのことがモルタル組織の硬化後の強度、耐摩耗性の低下につながる。
本発明の溶融した成型された球体では、球体の中は緻密な組織で、モルタル硬化の後の圧縮強度および耐摩耗性の低下は球体の体積の影響分だけない。
【0005】
無機質の溶融によって成型された球体をモルタルに混合し、ブロックの目地部分から流し込むことで、ブロック舗装の舗装体の目地部分のモルタルが光を反射し、景観を美しくするとともに、通行する人々に光による警告を発信することができる。
【0006】
溶融により得られた無機質のカラー球体をモルタルに混合し、本モルタルをブロックの目地の隙間から流し込むことでブロック舗装を造成し、舗装体の目地部分のモルタル露出表面が光を反射し、美しいカラーの舗装景観を演出することが可能である。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブロックの隙間から流し込むモルタルの流動性の改善。
【0008】
モルタルに混合するAE剤(混和剤)は、組織に空隙を生成し、圧縮強度、耐摩耗性の低下を招くが、本発明の強度は球体組織が一体化した緻密組織であるので圧縮強度、耐摩耗性の低下はない。
【0010】
溶融して成型したカラー化した球体をモルタルに混合してブロックの隙間から流し込むことで、ブロック舗装の供用後においてブロックの目地部が光を受けて、光を反射し、警告路面を造成することが可能である。また美しいカラーの光を反射することで幻想的な景観が出現する。
【0011】
モルタルの混合液にフリーの炭素を含まない酢酸ビニール樹脂溶液やMMAなどを用い、硬化物としてポルトランドセメントに白色セメントを用いれば、よりカラー化か鮮やかになる。
【図面の簡単な説明】
図1図1は、加熱のより溶融した無機質の物質を球形に成型した球形の物体を他の物質と混合してモルタルを製造し、本モルタルを砕石層の上に敷き並べられたブロックの目地の隙間から流し込んだ状態の断面である。数1は、ブロックの隙間から流し込んだモルタルである。数2は、舗装体の構成部分である基層上に敷かれた砕石である。数3は、モルタルに混合された物体で、加熱により溶融した無機質の物質を球形に成型した球形の物体である。
図2図2は、加熱により溶融した無機質の物質を球形に成型した物体を他の物質と混合して製造したモルタルをブロックの目地の隙間から流し込んだ目地部の拡大図である。数4は、ブロックの隙間から流し込んだモルタルの表面の拡大図である。数5は、モルタルを構成する骨材を接着する部分である。接着部はポルトランドセメントおよびアスファルト乳剤および凝結遅延剤など混合物である。数6は、モルタルに混合した物質で、本物質は加熱により溶融した無機質の物質を球形に成型した球形の物体であり、本物体を他の物質と混合してブロックの隙間から流し込んだ状態の物体である。
図1
図2