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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089588
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】リッジ型半導体光素子
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/22 20060101AFI20240626BHJP
   H01S 5/227 20060101ALI20240626BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20240626BHJP
   H01S 5/028 20060101ALI20240626BHJP
   G02F 1/025 20060101ALN20240626BHJP
   H01L 31/10 20060101ALN20240626BHJP
【FI】
H01S5/22
H01S5/227
H01S5/042 612
H01S5/028
G02F1/025
H01L31/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020180
(22)【出願日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2022204353
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515288122
【氏名又は名称】ルーメンタム オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lumentum Operations LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中原 宏治
(72)【発明者】
【氏名】菅 一輝
【テーマコード(参考)】
2K102
5F149
5F173
5F849
【Fターム(参考)】
2K102AA20
2K102BA02
2K102BB01
2K102BC04
2K102DA05
2K102DD03
2K102EA02
2K102EA08
2K102EA12
2K102EA16
5F149BA21
5F149DA06
5F173AA08
5F173AA26
5F173AK21
5F173AL05
5F173AL10
5F173AL13
5F173AL14
5F173AL15
5F173AL21
5F173AR96
5F849BA21
5F849DA06
(57)【要約】
【課題】メサストライプ構造へのダメージを防ぐことを目的とする。
【解決手段】リッジ型半導体光素子は、基板10と、基板10の上にあって第1方向D1に延び、脆性材料からなるメサストライプ構造24と、メサストライプ構造24の上にあるリッジ電極34を含む電極パターン32と、基板10の上で、第1方向D1に直交する第2方向D2に、メサストライプ構造24の両側にある一対の凸構造28と、電極パターン32から分離され、延性材料からなり、一対の凸構造28のそれぞれの上にある保護膜44と、を有し、保護膜44および一対の凸構造28の対応する1つは、第1方向D1に沿った少なくとも一方側の先端同士で揃い、保護膜44の上面は、リッジ電極34の上面よりも、基板10からの高さにおいて高い。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上にあって第1方向に延び、脆性材料からなるメサストライプ構造と、
前記メサストライプ構造の上にあるリッジ電極を含む電極パターンと、
前記基板の上で、前記第1方向に直交する第2方向に、前記メサストライプ構造の両側にある一対の凸構造と、
前記電極パターンから分離され、延性材料からなり、前記一対の凸構造のそれぞれの上にある保護膜と、
を有し、
前記保護膜および前記一対の凸構造の対応する1つは、前記第1方向に沿った少なくとも一方側の先端同士で揃い、
前記保護膜の上面は、前記リッジ電極の上面よりも、前記基板からの高さにおいて高いリッジ型半導体光素子。
【請求項2】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記保護膜は、前記第1方向に分離された一対の保護膜を含み、
前記一対の保護膜の一方および前記一対の凸構造の対応する前記1つは、前記第1方向に沿った一方側の先端同士で揃い、
前記一対の保護膜の他方および前記一対の凸構造の対応する前記1つは、前記第1方向に沿った他方側の先端同士で揃っているリッジ型半導体光素子。
【請求項3】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記一対の凸構造のそれぞれと前記メサストライプ構造は、溝によって分離され、
前記保護膜の先端および前記溝の内面の上端が揃っているリッジ型半導体光素子。
【請求項4】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記一対の凸構造のそれぞれと前記メサストライプ構造は、溝によって分離され、
前記保護膜の、前記溝を向く先端と、前記一対の凸構造の対応する前記1つの、前記溝を向く先端との間に、前記第2方向に間隔があいているリッジ型半導体光素子。
【請求項5】
請求項4に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記間隔は、前記溝の、前記第2方向の幅よりも狭いリッジ型半導体光素子。
【請求項6】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記一対の凸構造のそれぞれと前記メサストライプ構造は、溝によって分離され、
前記保護膜は、前記一対の凸構造の対応する前記1つの、前記溝を向く側面および反対の側面の少なくとも一方に至るリッジ型半導体光素子。
【請求項7】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記保護膜は、前記一対の凸構造のそれぞれの、前記第2方向に前記メサストライプ構造から離れた端部を避けているリッジ型半導体光素子。
【請求項8】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記基板と前記一対の凸構造のそれぞれは、前記メサストライプ構造から離れる方向の先端同士で揃っているリッジ型半導体光素子。
【請求項9】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記一対の凸構造は、前記第2方向で前記基板の両端部を避けているリッジ型半導体光素子。
【請求項10】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記一対の凸構造のそれぞれは、前記第2方向に分離された複数の凸構造を含み、
前記保護膜は、少なくとも、前記複数の凸構造のうち最も前記メサストライプ構造に近い凸構造の上にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項11】
請求項10に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記複数の凸構造の少なくとも1つは、前記第1方向に分離されているリッジ型半導体光素子。
【請求項12】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記一対の凸構造の少なくとも一方は、前記第1方向に分離された第1凸構造および第2凸構造を含むリッジ型半導体光素子。
【請求項13】
請求項12に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記第1凸構造および前記基板は、前記第1方向に沿った一方側の先端同士が揃い、
前記第2凸構造および前記基板は、前記第1方向に沿った他方側の先端同士が揃っているリッジ型半導体光素子。
【請求項14】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記電極パターンは、パッド電極と、前記リッジ電極および前記パッド電極を接続する接続電極と、をさらに含み、
前記接続電極は、前記リッジ電極から前記第2方向に沿って延び、
前記パッド電極は、前記接続電極よりも、前記第1方向の幅において広いリッジ型半導体光素子。
【請求項15】
請求項14に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記パッド電極は、前記一対の凸構造の一方の上にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項16】
請求項14に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記パッド電極は、前記一対の凸構造を避けて、前記基板の上にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項17】
請求項14に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記接続電極の一部は、前記一対の凸構造の一方の上にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項18】
請求項14に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記接続電極は、前記一対の凸構造を避けて、前記基板の上にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項19】
請求項14に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記保護膜が配置される領域は、前記第1方向に少なくとも前記接続電極の一部に重なる位置にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項20】
請求項19に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記保護膜が配置される前記領域は、前記第1方向に前記パッド電極にも重なる位置にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項21】
請求項19に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記保護膜が配置される前記領域は、前記第1方向に前記パッド電極との重なりを避ける位置にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項22】
請求項21に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記保護膜が配置される前記領域は、前記第2方向に前記パッド電極と重なる位置にあるリッジ型半導体光素子。
【請求項23】
請求項14に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記保護膜は、前記第1方向に前記接続電極を挟む両側のそれぞれにあるリッジ型半導体光素子。
【請求項24】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記リッジ電極の下を避けて、前記一対の凸構造のそれぞれと前記保護膜の間に介在するパッシベーション膜をさらに有するリッジ型半導体光素子。
【請求項25】
請求項24に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記パッシベーション膜と前記保護膜の間に介在する絶縁膜をさらに有するリッジ型半導体光素子。
【請求項26】
請求項1に記載されたリッジ型半導体光素子であって、
前記メサストライプ構造の上端部を避けて下端部を埋め込む埋め込み層をさらに有するリッジ型半導体光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッジ型半導体光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
メサストライプ構造を備えるリッジ型半導体光素子が、光通信用の光源として使用されている。メサストライプ構造は、基板の上に積層された半導体多層を、間隔をあけた一対の領域で彫り込んで形成され、彫り込まれた一対の領域の外側には、凸構造を残すことがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-069153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
凸構造は、メサストライプ構造へのダメージを防ぐ保護部となるが、メサストライプ構造と同じ高さで同じ材料からなるため、保護部としては不十分であった。
【0005】
本発明は、メサストライプ構造へのダメージを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
リッジ型半導体光素子は、基板と、前記基板の上にあって第1方向に延び、脆性材料からなるメサストライプ構造と、前記メサストライプ構造の上にあるリッジ電極を含む電極パターンと、前記基板の上で、前記第1方向に直交する第2方向に、前記メサストライプ構造の両側にある一対の凸構造と、前記電極パターンから分離され、延性材料からなり、前記一対の凸構造のそれぞれの上にある保護膜と、を有し、前記保護膜および前記一対の凸構造の対応する1つは、前記第1方向に沿った少なくとも一方側の先端同士で揃い、前記保護膜の上面は、前記リッジ電極の上面よりも、前記基板からの高さにおいて高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図2図1のリッジ型半導体光素子のII-II線断面図である。
図3図1のリッジ型半導体光素子のIII-III線断面図である。
図4】第2の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図5図4のリッジ型半導体光素子のV-V線断面図である。
図6】第3の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図7図6のリッジ型半導体光素子のVII-VII線断面図である。
図8】第4の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図9図8のリッジ型半導体光素子のIX-IX線断面図である。
図10図8のリッジ型半導体光素子のX-X線断面図である。
図11】第5の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図12図11のリッジ型半導体光素子のXII-XII線断面図である。
図13】第6の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図14図13のリッジ型半導体光素子のXIV-XIV線断面図である。
図15図13のリッジ型半導体光素子のXV-XV線断面図である。
図16】第6の実施形態の変形例に係るリッジ型半導体光素子の断面図である。
図17】第7の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図18図17のリッジ型半導体光素子のXVIII-XVIII線断面図である。
図19図17のリッジ型半導体光素子のXIX-XIX線断面図である。
図20】第8の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。
図21図20のリッジ型半導体光素子のXXI-XXI線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。全図において同一の符号を付した部材は同一又は同等の機能を有するものであり、その繰り返しの説明を省略する。なお、図形の大きさは倍率に必ずしも一致するものではない。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図2は、図1のリッジ型半導体光素子のII-II線断面図である。図3は、図1のリッジ型半導体光素子のIII-III線断面図である。
【0010】
リッジ型半導体光素子は、56Gbpsの動作に対応した1.3μm帯の直接変調型半導体レーザであるが、他の動作速度や波長帯に対応しても構わないし、直接変調型レーザに限らず、例えばCWレーザや電界吸収型変調器または受光素子などの、他の光機能を有した光素子であっても構わない。
【0011】
[基板]
リッジ型半導体光素子は、基板10を有する。基板10は、第1導電型の半導体からなる。基板10の上に積層体12がある。積層体12は、半導体からなり、第1導電型の下側SCH(Separated Confinement Heterostructure)層14、活性層16、第2導電型の上側SCH層18、第2導電型のクラッド層20、第2導電型のコンタクト層22を含む。ここでは、第1導電型はn型、第2導電型はp型としているが、逆であっても構わない。活性層16は、井戸層と障壁層が複数積層された多重量子井戸(MQW、Multi Quantum Well)である。積層体12の一方の端面は、光の出射面または入射面である。
【0012】
[メサストライプ構造]
リッジ型半導体光素子は、メサストライプ構造24を有する。メサストライプ構造24は、基板10の上にあって第1方向D1に延びる。メサストライプ構造24は、脆性材料(例えば半導体)からなる。
【0013】
メサストライプ構造24は、積層体12の一部である。積層体12は、メサストライプ構造24の両側に溝26を有する。溝26は、クラッド層20を分離し、コンタクト層22を分離し、第1方向D1に延びる。メサストライプ構造24は、クラッド層20およびコンタクト層22を含む。上側SCH層18とクラッド層20との間に、図示しない回折格子層が含まれている。
【0014】
[凸構造]
リッジ型半導体光素子は、一対の凸構造28を有する。凸構造28は第1方向D1に延びる。一対の凸構造28は、基板10の上で、第1方向D1に直交する第2方向D2に、メサストライプ構造24の両側にある。一対の凸構造28のそれぞれとメサストライプ構造24は、溝26によって分離されている。基板10と一対の凸構造28のそれぞれは、メサストライプ構造24から離れる方向の先端同士で揃っている。
【0015】
凸構造28は、積層体12の他の部分であり、クラッド層20とコンタクト層22を有する。メサストライプ構造24、溝26および凸構造28は、第1方向D1に、基板10の一方端から他方端に渡って形成されている。凸構造28の、メサストライプ構造24とは反対の側面は、リッジ型半導体光素子の側面の一部を構成する。
【0016】
[パッシベーション膜]
リッジ型半導体光素子は、表面に、外部環境から半導体層を保護するために、絶縁膜であるパッシベーション膜30を有する。パッシベーション膜30は、凸構造28の上面、溝26の内面およびメサストライプ構造24の側面にある。
【0017】
[電極パターン]
リッジ型半導体光素子は、電極パターン32を有する。電極パターン32は、積層体12からTi/Pt/Auの順で多層された積層構造になっている。積層体12と電極パターン32との間で、メサストライプ構造24の上面の少なくとも一部を避けて、パッシベーション膜30が介在する。
【0018】
電極パターン32は、メサストライプ構造24の上にリッジ電極34を含む。第1方向D1で、リッジ電極34の両端は、メサストライプ構造24の両端に揃う。パッシベーション膜30はリッジ電極34の下を避けている。パッシベーション膜30は、リッジ電極34とコンタクト層22との接続のためのスルーホール36を有する。リッジ電極34は、第2方向D2に拡がり、メサストライプ構造24の側面に至る。リッジ電極34の側端は、溝26にあるが、凸構造28には至らない。
【0019】
電極パターン32は、パッド電極38を含む。パッド電極38は、一対の凸構造28の一方の上にある。パッド電極38は、凸構造28の上面よりも小さい平面形状になっている。パッド電極38は、外部との電気的接続に使用され、図示しないワイヤがボンディングされたり、はんだによってボンディングされたりする。
【0020】
電極パターン32は、メサストライプ構造24の上面から一対の凸構造28の上面まで、第1方向D1に同じ幅を有すると、広い保護層として機能するが、寄生容量が大きくなって高速動作の妨げとなる。56Gbps以上の高速動作を行うためには、寄生容量を十分に小さくする必要がある。また、電極パターン32が大きくなると、その下層に生じる応力が大きくなって特性が劣化するおそれがある。
【0021】
本実施形態では、リッジ電極34の側端は凸構造28の上面に至らないのでサイズが大きくならない。これにより、寄生容量が大きくならないので高速動作が可能となり、応力が小さくなって特性劣化を抑制することができる。
【0022】
電極パターン32は、リッジ電極34およびパッド電極38を接続する接続電極40を含む。接続電極40は、リッジ電極34から第2方向D2に沿って延びている。パッド電極38は、接続電極40よりも、第1方向D1の幅において広い。接続電極40の一部は、一対の凸構造28の一方の上にある。
【0023】
リッジ型半導体光素子は、基板10の裏に広く裏面電極42を有する。リッジ電極34と裏面電極42との間に電流を注入することで、活性層16で発光が生じ、端面から光が出射される。なお、裏面電極42は必ずしも基板10の裏に配置されている必要はない。例えば、凸構造28の一部に基板10まで至る穴(図示せず)を形成し、それと接続するように電極(図示せず)を配置してもよい。この場合、裏面電極42は、電極パターン32と同じく表に配置されることになる。
【0024】
[保護膜]
リッジ型半導体光素子は、保護膜44を有する。保護膜44は、一対の凸構造28のそれぞれの上にある。保護膜44の最も高い位置は、メサストライプ構造24に近い方が好ましい。保護膜44は、凸構造28の上面のパッシベーション膜30の上に配置される。一対の凸構造28のそれぞれと保護膜44の間にパッシベーション膜30が介在する。そのため、保護膜44の上面は、リッジ電極34の上面よりも、基板10からの高さにおいて高い。保護膜44およびリッジ電極34が同一の材料および同一厚さであれば、高さの差は、パッシベーション膜30の厚さになる。
【0025】
保護膜44は、延性材料(例えば金属や樹脂)からなる。保護膜44は、電極パターン32とは電気的に分離しており、駆動には寄与しないため、高速動作の妨げにはならない。保護膜44は、電極パターン32と同一工程で金属から形成することができ、そうすれば製造性の観点で有利である。
【0026】
保護膜44を構成する材料は金属に限定されず、延性材料であれば、ベンゾシクロブテン(BCB)やポリイミドなどの樹脂であっても構わない。保護膜44は、電極パターン32とは異なる材料から形成される場合でも、基板10から上面までの高さが、リッジ電極34の上面までの高さより高い。これにより、保護効果を高めることができる。
【0027】
保護膜44および一対の凸構造28の対応する1つは、第1方向D1に沿った少なくとも一方側の先端同士で揃っている。保護膜44の先端および溝26の内面の上端が揃っている。保護膜44は、一対の凸構造28のそれぞれの、第2方向D2にメサストライプ構造24から離れた端部を避けている。保護膜44は、第1方向D1に接続電極40を挟む両側のそれぞれにある。保護膜44が配置される領域は、第1方向D1に少なくとも接続電極40の一部に重なる位置にある。保護膜44が配置される領域は、第1方向D1にパッド電極38にも重なる位置にある。
【0028】
保護膜44は、第1方向D1に分離された一対の保護膜44A,44Bを含む。保護膜44Aおよび一対の凸構造28の対応する1つは、第1方向D1に沿った一方側の先端同士で揃っている。保護膜44Bおよび一対の凸構造28の対応する1つは、第1方向D1に沿った他方側の先端同士で揃っている。4つの保護膜44は同じ大きさである。
【0029】
保護効果を高めるためには、凸構造28の上面をほとんど覆うように配置したほうが好ましいが、保護膜44を起因とする応力の影響が特性へ影響するおそれがある。保護膜44は、凸構造28の上面全体には拡がらないと、応力低減の観点で有効である。保護膜44の幅は、第2方向D2において、凸構造28の上面の幅の1/5以下が好ましい。
【0030】
[効果]
リッジ型半導体光素子の製造プロセスで使用されるコレットは、一般的に、一対の凸構造28の間の距離より大きく、上からコレットを当てたときに、コレットがメサストライプ構造24だけに接触することはないとしても、凸構造28は、ピックアップ用のコレットがメサストライプ構造24に接触することを防止する。
【0031】
あるいは、外力によりメサストライプ構造24が折れてしまうことを防止する。例えば、上面にシートを押し付けて貼り付けるときに、保護膜44の上面が最も高いので、シートがメサストライプ構造24の上面(リッジ電極34の表面)に強く当たることを防止することができる。
【0032】
保護膜44の先端は、メサストライプ構造24の発光端面に隣接するため、発光端面の付近に加わった衝撃によるダメージを低減することができる。保護膜44が発光端面に隣接しないと、発光端面の付近は、パッシベーション膜30および凸構造28(積層体12)だけになる。これらの材料は脆く、衝撃でチッピングのおそれがある。チッピングは発光端面に伝わり、発光端面を傷つけるおそれがある。
【0033】
本実施形態では、延性材料からなる保護膜44が端面に隣接するまで配置されているため、外部からの衝撃を吸収し、チッピングを防止することができる。そして、端面が傷つくことを防止することが可能となる。
【0034】
本実施形態は、特に56Gbps以上の動作に対応したリッジ型半導体光素子に適用可能であり、リッジ型半導体光素子の特性の向上およびメサストライプ構造24の保護を実現する。
【0035】
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図5は、図4のリッジ型半導体光素子のV-V線断面図である。
【0036】
保護膜244の、溝226を向く先端と、一対の凸構造228の対応する1つの、溝226を向く先端との間に、第2方向D2に間隔があいている。間隔は、溝226の、第2方向D2の幅Wよりも狭い。保護膜244の先端は、溝226から離れる方向に、凸構造228の先端から溝226の幅Wの範囲内にあることが望ましい。
【0037】
保護膜244は、メサストライプ構造224に近い方が、メサストライプ構造224の保護効果が高まる。しかし、保護膜244および凸構造228は、必ずしも溝226を向く先端同士で揃う必要はない。
【0038】
一方の凸構造228にパッド電極238が配置され、他方の凸構造228にはパッド電極238が配置されていない。これに対して、一対の凸構造228のそれぞれにある保護膜244は、第1方向D1の軸を中心として、線対象に配置されることが望ましい。
【0039】
その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。例えば、保護膜244が配置される領域は、第1方向D1に、接続電極240およびパッド電極238に重なる位置にある。パッド電極238と接続電極240の境界線が必ずしも明確でない場合は、接続電極240からパッド電極238に向けて第1方向D1方向の幅が広がり始める位置が境界線となる。
【0040】
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図7は、図6のリッジ型半導体光素子のVII-VII線断面図である。
【0041】
パッシベーション膜330と保護膜344の間に絶縁膜346が介在する。絶縁膜346は、酸化膜、窒化膜または樹脂など絶縁材料からなる。絶縁膜346は、平面形状において、保護膜344より大きいが、これに限定されず、保護膜344および絶縁膜346が部分的に重なっていればよい。
【0042】
絶縁膜346により、保護膜344の上面とリッジ電極334の上面の高さの差が大きくなり、保護効果が高まる。絶縁膜346は、凸構造328の上面全体にあると応力の増加を招くために好ましくない。絶縁膜346の面積は、保護膜344の面積の4倍以下とすることが好ましい。その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0043】
[第4の実施形態]
図8は、第4の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図9は、図8のリッジ型半導体光素子のIX-IX線断面図である。図10は、図8のリッジ型半導体光素子のX-X線断面図である。本実施形態では、第1の実施形態とは逆に、第1導電型はp型、第2導電型はn型である。
【0044】
基板410の上に、第1方向D1に延びる下メサストライプ構造448がある。下メサストライプ構造448は、第1導電型の下側SCH層414、活性層416、第2導電型の上側SCH層418を含む。下メサストライプ構造448の上に、第1方向D1に延びる上メサストライプ構造450がある。上メサストライプ構造450は、第2導電型のクラッド層420および第2導電型のコンタクト層422を含む。下メサストライプ構造448の第2方向D2の幅は上メサストライプ構造450より広い。
【0045】
[凸構造]
一対の凸構造428は、第2方向D2で基板410の両端部を避けている。それぞれの凸構造428は、上凸構造452および下凸構造454を含む。基板410の上に、第1方向D1に延びる下凸構造454がある。下凸構造454は、第1導電型の下側SCH層414、活性層416、第2導電型の上側SCH層418を含む。下凸構造454の上に、第1方向D1に延びる上凸構造452がある。上メサストライプ構造450は、第2導電型のクラッド層420および第2導電型のコンタクト層422を含む。下凸構造454の第2方向D2の幅は上凸構造452より広い。
【0046】
[埋め込み層]
リッジ型半導体光素子は、メサストライプ構造424の上端部(上メサストライプ構造450)を避けて下端部(下メサストライプ構造448)を埋め込む埋め込み層456を有する。埋め込み層456は、絶縁性または半絶縁性の半導体層、第1導電型と第2導電型の複数の半導体層で構成された半導体層、または、絶縁性、第1導電型、第2導電型の複数の半導体で構成された半導体層である。
【0047】
埋め込み層456は、凸構造428の上端部(上凸構造452)を避けて下端部(下凸構造454)を埋め込む。埋め込み層456は、下凸構造454の、溝426とは反対の側面にも隣接する。埋め込み層456および基板410は、溝426とは反対の先端同士が揃っている。埋め込み層456は、第1方向D1に基板410の両端に至る。
【0048】
上メサストライプ構造450の両側に溝426がある。溝426は、クラッド層420およびコンタクト層422を分離して第1方向D1に延びる。一対の凸構造428のそれぞれとメサストライプ構造424は、溝426によって分離されている。上メサストライプ構造450、下メサストライプ構造448、溝426、上凸構造452および下凸構造454は、第1方向D1に、発光端面から逆の端面に渡って形成されている。
【0049】
[電極パターン]
パッシベーション膜430は、埋め込み層456(一部を除く)の上面、上凸構造452の側面および上面、溝426の内面、そして上メサストライプ構造450の側面に配置されている。パッシベーション膜430は、上メサストライプ構造450の上面には形成されず、リッジ電極434とコンタクト層422との接続のためのスルーホール436を有している。
【0050】
リッジ電極434は、上メサストライプ構造450の上面および側面にある。リッジ電極434は、第2方向D2に拡がる。リッジ電極434およびメサストライプ構造424は、第1方向D1の両端同士で揃う。リッジ電極434の第2方向D2の側端は、溝426にあり、上凸構造452には至らない。
【0051】
パッド電極438は、一対の凸構造428を避けて、基板410の上にある。パッド電極438は、外部との電気的接続に使用され、図示しないワイヤがボンディングされたり、はんだによってボンディングされたりする。接続電極440の一部は、一対の凸構造428の一方の上にある。
【0052】
[保護膜]
凸構造428の上には保護膜444が配置されている。保護膜444は、パッシベーション膜430の上に配置される。保護膜444の先端および溝426の内面の上端が揃っている。保護膜444が配置される領域は、第1方向D1にパッド電極438との重なりを避ける位置にある。その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0053】
[第5の実施形態]
図11は、第5の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図12は、図11のリッジ型半導体光素子のXII-XII線断面図である。本実施形態では、第4の実施形態と比べて、保護膜544が第1方向D1に長い。そのため、保護効果が高まるが、応力増加の原因となるので、保護膜544は、第1方向D1方向の長さにおいて、上凸構造552の1/3以下が好ましい。
【0054】
その他の点には、第4の実施形態で説明した内容を適用可能である。保護膜544は、一方の上凸構造552の上面で、接続電極540を挟むように配置されている。接続電極540が配置されない他方の上凸構造552の上面においても、一対の保護膜544は連続しない。4つの保護膜544が全て同じ形状である。
【0055】
[第6の実施形態]
図13は、第6の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図14は、図13のリッジ型半導体光素子のXIV-XIV線断面図である。図15は、図13のリッジ型半導体光素子のXV-XV線断面図である。
【0056】
一対の凸構造628のそれぞれは、第2方向D2に分離された複数の凸構造628を含む。複数の凸構造628の少なくとも1つは、第1方向D1に分離されている。8つの分離凸構造658があり、いずれの分離凸構造658も、積層方向の構成において、上凸構造652と下凸構造654を含む。分離凸構造658および基板610は、第1方向D1の一方側のみで先端同士が揃っている。
【0057】
凸構造628を分離することで、パッド電極638を、一対の凸構造628を避けて、基板610の上に配置することができる。分離しない場合、パッド電極638は、基板610の上の部分と凸構造628の上の部分を有することになり、表面に凹凸ができる。凹凸はワイヤボンディングの接続強度を低下させるために好ましくない。接続電極640の一部は、一対の凸構造628の一方の上にある。
【0058】
パッド電極638とは反対にある凸構造628も、第2方向D2に分離された複数の凸構造628を含み、複数の凸構造628の少なくとも1つは、分離凸構造658に分離されている。この凸構造628は、分離しなくてもかまわないが、一対の凸構造628を左右対称にした方が、応力および製造安定性の観点で優れている。
【0059】
保護膜644は、少なくとも、複数の凸構造628のうち最もメサストライプ構造624に近い(第1方向D1に分離されていない)凸構造628の上にある。分離凸構造658の上面には保護膜644が配置されていない。その他の点には、第4の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0060】
[第6の実施形態の変形例]
図16は、第6の実施形態の変形例に係るリッジ型半導体光素子の断面図である。保護膜644A,644Bは、複数の凸構造628の全ての上にあり、したがって分離凸構造658の上にもある。最もメサストライプ構造624に近い保護膜644Aが配置される領域は、第1方向D1にパッド電極638との重なりを避ける位置にある(図13参照)。最もメサストライプ構造624に近くはない保護膜644Bが配置される領域は、第1方向D1にパッド電極638と重なる位置にある(図13参照)。
【0061】
[第7の実施形態]
図17は、第7の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図18は、図17のリッジ型半導体光素子のXVIII-XVIII線断面図である。図19は、図17のリッジ型半導体光素子のXIX-XIX線断面図である。
【0062】
一対の凸構造728の少なくとも一方(例えば両方)は、第1方向D1に分離された第1凸構造760および第2凸構造762を含む。第1凸構造760および基板710は、第1方向D1に沿った一方側の先端同士が揃っている。第2凸構造762および基板710は、第1方向D1に沿った他方側の先端同士が揃っている。接続電極740は、一対の凸構造728を避けて、基板710の上にある。そのため、接続電極740に大きな段差が形成されず、段切れが生じることがないので、電気的接続性の信頼性に優れている。接続電極740を引き出さない側では、凸構造728が第1方向D1に連続していてもかまわない。
【0063】
その他の点には、第4の実施形態で説明した内容を適用可能である。保護膜744は、凸構造728の上面の一部に配置されているが、全面に配置しても構わない。保護膜744が配置される領域は、第1方向D1にパッド電極738との重なりを避ける位置にある。リッジ型半導体光素子は、メサストライプ構造724の上端部を避けて下端部を埋め込む埋め込み層756を有する。
【0064】
[第8の実施形態]
図20は、第8の実施形態に係るリッジ型半導体光素子の平面図である。図21は、図20のリッジ型半導体光素子のXXI-XXI線断面図である。
【0065】
保護膜844は、一対の凸構造828の対応する1つの、溝826を向く側面および反対の側面の少なくとも一方(例えば両側面)に至る。このように、保護膜844は、凸構造828の上面を超えて配置してもよい。保護膜844の幅は、第2方向D2において、凸構造828の、溝826を向く側面から基板810の先端までの長さの1/5以下が好ましい。
【0066】
保護膜844は、凸構造828に隣接して埋め込み層856の上にも形成されている。ただし、保護膜844は、電極パターン832とは電気的に絶縁されている必要がある。
【0067】
保護膜844が凸構造828の上面を第2方向D2に超えることは、他の実施形態に組み合わせても構わない。例えば、第1の実施形態に組み合わせると、保護膜44は、凸構造28(パッシベーション膜30)の側面を覆って溝26の内面に先端を有する。ただし、保護膜44は電極パターン32とは電気的に絶縁される。その他の点には、第4の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0068】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態を説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【0069】
[実施形態の概要]
(1)基板10と、前記基板10の上にあって第1方向D1に延び、脆性材料からなるメサストライプ構造24と、前記メサストライプ構造24の上にあるリッジ電極34を含む電極パターン32と、前記基板10の上で、前記第1方向D1に直交する第2方向D2に、前記メサストライプ構造24の両側にある一対の凸構造28と、前記電極パターン32から分離され、延性材料からなり、前記一対の凸構造28のそれぞれの上にある保護膜44と、を有し、前記保護膜44および前記一対の凸構造28の対応する1つは、前記第1方向D1に沿った少なくとも一方側の先端同士で揃い、前記保護膜44の上面は、前記リッジ電極34の上面よりも、前記基板10からの高さにおいて高いリッジ型半導体光素子。
【0070】
保護膜44は、リッジ電極34の上面よりも基板10からの高さにおいて高いので、メサストライプ構造24へのダメージを防ぐことができる。
【0071】
(2)(1)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記保護膜44は、前記第1方向D1に分離された一対の保護膜44A,44Bを含み、前記一対の保護膜44A,44Bの一方および前記一対の凸構造28の対応する前記1つは、前記第1方向D1に沿った一方側の先端同士で揃い、前記一対の保護膜44A,44Bの他方および前記一対の凸構造28の対応する前記1つは、前記第1方向D1に沿った他方側の先端同士で揃っているリッジ型半導体光素子。
【0072】
(3)(1)又は(2)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記一対の凸構造28のそれぞれと前記メサストライプ構造24は、溝26によって分離され、前記保護膜の先端および前記溝の内面の上端が揃っているリッジ型半導体光素子。
【0073】
(4)(1)又は(2)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記一対の凸構造228のそれぞれと前記メサストライプ構造224は、溝226によって分離され、前記保護膜244の、前記溝226を向く先端と、前記一対の凸構造228の対応する前記1つの、前記溝226を向く先端との間に、前記第2方向D2に間隔があいているリッジ型半導体光素子。
【0074】
(5)(4)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記間隔は、前記溝226の、前記第2方向D2の幅Wよりも狭いリッジ型半導体光素子。
【0075】
(6)(1)又は(2)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記一対の凸構造828のそれぞれと前記メサストライプ構造824は、溝826によって分離され、前記保護膜844は、前記一対の凸構造828の対応する前記1つの、前記溝826を向く側面および反対の側面の少なくとも一方に至るリッジ型半導体光素子。
【0076】
(7)(1)から(5)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記保護膜44は、前記一対の凸構造28のそれぞれの、前記第2方向D2に前記メサストライプ構造24から離れた端部を避けているリッジ型半導体光素子。
【0077】
(8)(1)から(5)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記基板10と前記一対の凸構造28のそれぞれは、前記メサストライプ構造24から離れる方向の先端同士で揃っているリッジ型半導体光素子。
【0078】
(9)(1)から(6)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記一対の凸構造428は、前記第2方向D2で前記基板410の両端部を避けているリッジ型半導体光素子。
【0079】
(10)(1)から(9)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記一対の凸構造628のそれぞれは、前記第2方向D2に分離された複数の凸構造628を含み、前記保護膜644は、少なくとも、前記複数の凸構造628のうち最も前記メサストライプ構造624に近い凸構造628の上にあるリッジ型半導体光素子。
【0080】
(11)(10)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記複数の凸構造628の少なくとも1つは、前記第1方向D1に分離されているリッジ型半導体光素子。
【0081】
(12)(1)から(9)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記一対の凸構造728の少なくとも一方は、前記第1方向D1に分離された第1凸構造760および第2凸構造762を含むリッジ型半導体光素子。
【0082】
(13)(12)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記第1凸構造760および前記基板710は、前記第1方向D1に沿った一方側の先端同士が揃い、前記第2凸構造762および前記基板710は、前記第1方向D1に沿った他方側の先端同士が揃っているリッジ型半導体光素子。
【0083】
(14)(1)から(13)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記電極パターン32は、パッド電極38と、前記リッジ電極34および前記パッド電極38を接続する接続電極40と、をさらに含み、前記接続電極40は、前記リッジ電極34から前記第2方向D2に沿って延び、前記パッド電極38は、前記接続電極40よりも、前記第1方向D1の幅において広いリッジ型半導体光素子。
【0084】
(15)(14)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記パッド電極38は、前記一対の凸構造28の一方の上にあるリッジ型半導体光素子。
【0085】
(16)(14)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記パッド電極438は、前記一対の凸構造428を避けて、前記基板410の上にあるリッジ型半導体光素子。
【0086】
(17)(14)から(16)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記接続電極40の一部は、前記一対の凸構造28の一方の上にあるリッジ型半導体光素子。
【0087】
(18)(14)から(16)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記接続電極740は、前記一対の凸構造728を避けて、前記基板710の上にあるリッジ型半導体光素子。
【0088】
(19)(14)から(18)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記保護膜44が配置される領域は、前記第1方向D1に少なくとも前記接続電極40の一部に重なる位置にあるリッジ型半導体光素子。
【0089】
(20)(19)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記保護膜44が配置される前記領域は、前記第1方向D1に前記パッド電極38にも重なる位置にあるリッジ型半導体光素子。
【0090】
(21)(19)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記保護膜444が配置される前記領域は、前記第1方向D1に前記パッド電極438との重なりを避ける位置にあるリッジ型半導体光素子。
【0091】
(22)(21)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記保護膜544が配置される前記領域は、前記第2方向D2に前記パッド電極538と重なる位置にあるリッジ型半導体光素子。
【0092】
(23)(14)から(22)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記保護膜44は、前記第1方向D1に前記接続電極40を挟む両側のそれぞれにあるリッジ型半導体光素子。
【0093】
(24)(1)から(23)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記リッジ電極34の下を避けて、前記一対の凸構造28のそれぞれと前記保護膜44の間に介在するパッシベーション膜30をさらに有するリッジ型半導体光素子。
【0094】
(25)(24)に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記パッシベーション膜330と前記保護膜344の間に介在する絶縁膜346をさらに有するリッジ型半導体光素子。
【0095】
(26)(1)から(25)のいずれか1項に記載されたリッジ型半導体光素子であって、前記メサストライプ構造424の上端部を避けて下端部を埋め込む埋め込み層456をさらに有するリッジ型半導体光素子。
【符号の説明】
【0096】
10 基板、12 積層体、14 下側SCH層、16 活性層、18 上側SCH層、20 クラッド層、22 コンタクト層、24 メサストライプ構造、26 溝、28 凸構造、30 パッシベーション膜、32 電極パターン、34 リッジ電極、36 スルーホール、38 パッド電極、40 接続電極、42 裏面電極、44 保護膜、44A 保護膜、44B 保護膜、224 メサストライプ構造、226 溝、228 凸構造、238 パッド電極、240 接続電極、244 保護膜、328 凸構造、330 パッシベーション膜、334 リッジ電極、344 保護膜、346 絶縁膜、410 基板、414 下側SCH層、416 活性層、418 上側SCH層、420 クラッド層、422 コンタクト層、424 メサストライプ構造、426 溝、428 凸構造、430 パッシベーション膜、434 リッジ電極、436 スルーホール、438 パッド電極、440 接続電極、444 保護膜、448 下メサストライプ構造、450 上メサストライプ構造、452 上凸構造、454 下凸構造、456 埋め込み層、538 パッド電極、540 接続電極、544 保護膜、552 上凸構造、610 基板、624 メサストライプ構造、628 凸構造、638 パッド電極、640 接続電極、644 保護膜、644A 保護膜、644B 保護膜、652 上凸構造、654 下凸構造、658 分離凸構造、710 基板、724 メサストライプ構造、728 凸構造、738 パッド電極、740 接続電極、744 保護膜、756 埋め込み層、760 第1凸構造、762 第2凸構造、810 基板、824 メサストライプ構造、826 溝、828 凸構造、832 電極パターン、844 保護膜、856 埋め込み層、D1 第1方向、D2 第2方向、W 幅。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21