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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089601
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】輻射暖房装置及び輻射暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20210101AFI20240626BHJP
   F24C 15/24 20060101ALI20240626BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
F24C7/04 C
F24C15/24 G
H05B3/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079906
(22)【出願日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2022204484
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516005968
【氏名又は名称】賀籠六 實
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】賀籠六 實
【テーマコード(参考)】
3K092
3L087
【Fターム(参考)】
3K092PP06
3K092QA05
3K092QB02
3K092QB03
3K092QB31
3K092VV38
3L087AA11
3L087AB20
3L087DA14
(57)【要約】
【課題】部屋内にいる人に、圧迫感、違和感等を与えることがないようにする。
【解決手段】枠体と、該枠体によって包囲され、電力が供給されて遠赤外線を放射する熱放射体と、該熱放射体の前方に配設され、遠赤外線を透過させるシート材料、及びシート材料に形成された画像から成る画像体とを有する。熱放射体から遠赤外線が放射されることによって部屋内にいる人の体が温められる。輻射暖房装置を壁に設置することができるので、床面積が縮小されることがないだけでなく、輻射暖房装置を薄く形成することができるので、部屋内にいる人に圧迫感を与えることがない。画像体に画像が形成されるので、部屋内にいる人に違和感を与えることがなく、部屋を心地よい空間にすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)枠体と、
(b)該枠体によって包囲され、電力が供給されて遠赤外線を放射する熱放射体と、
(c)該熱放射体の前方に配設され、遠赤外線を透過させるシート材料、及び該シート材料に形成された画像から成る画像体とを有することを特徴とする輻射暖房装置。
【請求項2】
前記熱放射体は、薄い基材の表面にカーボンを蒸着させることによって形成されたヒータ本体部を、第1、第2のフィルムによって挟み、加熱し、加圧することによって形成された、ラミネート構造を有する面状ヒータである請求項1に記載の輻射暖房装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載された輻射暖房装置が、遠赤外線高放射率材料にカーボンを含有させることによって形成された壁体と対向させて設置される輻射暖房システム。
【請求項4】
(a)枠体と、
(b)該枠体によって包囲され、前面に画像が形成され、電力が供給されて遠赤外線を放射する熱放射体とを有することを特徴とする輻射暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輻射暖房装置及び輻射暖房システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、輻射ヒータから放射される遠赤外線によって部屋及び部屋にいる人の体を温めることができるようにした輻射暖房装置が提供されている。
【0003】
図2は従来の輻射暖房装置を示す図である。
【0004】
図において、11は部屋の壁に取り付けられた輻射暖房装置、Hzはハウジング、13は該ハウジングHz内に収容されたブロック状の輻射ヒータ、14は、該輻射ヒータ13に接続され、輻射ヒータ13に電力を供給する電源装置である。
【0005】
前記輻射ヒータ13は、金属、セラミックス、耐熱性樹脂等の耐熱性材料から成る輻射体、及び前記電源装置14に接続された発熱用電線を備え、該発熱用電線が通電させられることによって輻射体が加熱されると、輻射体から遠赤外線が放射される。これにより、部屋内にいる人の体が温められるとともに、部屋内の壁、床、天井等が温められ、壁、床、天井等の熱が空気に伝達され、部屋が暖かくなる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-53285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の輻射暖房装置11は、部屋の床に設置されると、その分部屋の床面積が縮小され、壁の上方に設置されると、壁から突出させられるので、部屋内にいる人に圧迫感を与えてしまう。
【0008】
そこで、プレート状の輻射体、すなわち、輻射プレートが部屋の壁に沿って設置されるようにした輻射暖房装置が提供されている。
【0009】
図3は他の従来の輻射暖房装置を示す図である。
【0010】
図において、Wsは部屋の壁、21は壁Wsに設置された輻射暖房装置である。
【0011】
該輻射暖房装置21は、帯状の形状を有し、四辺を構成するフレーム22内に並列に並べられた複数の輻射プレート23及び発熱用電線を備え、該発熱用電線が通電させられると輻射プレート23から遠赤外線が放射される。これにより、部屋内にいる人の体が温められるとともに、部屋内の壁、床、天井等が温められ、壁、床、天井等の熱が空気に伝達され、部屋が暖かくなる。
【0012】
ところが、前記他の従来の輻射暖房装置21は、部屋の壁Wsを複数の輻射プレート23によって占有してしまうので、部屋内にいる人に違和感等を与えてしまう。
【0013】
本発明は、前記従来の輻射暖房装置の問題点を解決して、部屋内にいる人に、圧迫感、違和感等を与えることがない輻射暖房装置及び輻射暖房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのために、本発明の輻射暖房装置においては、枠体と、該枠体によって包囲され、電力が供給されて遠赤外線を放射する熱放射体と、該熱放射体の前方に配設され、遠赤外線を透過させるシート材料、及び該シート材料に形成された画像から成る画像体とを有する。
【0015】
また、本発明の他の輻射暖房装置において、前記熱放射体は、薄い基材の表面にカーボンを蒸着させることによって形成されたヒータ本体部を、第1、第2のフィルムによって挟み、加熱し、加圧することによって形成された、ラミネート構造を有する面状ヒータである。
【0016】
そして、本発明の輻射暖房システムにおいては、輻射暖房装置が、遠赤外線高放射率材料にカーボンを含有させることによって形成された壁体と対向させて設置される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、輻射暖房装置においては、枠体と、該枠体によって包囲され、電力が供給されて遠赤外線を放射する熱放射体と、該熱放射体の前方に配設され、遠赤外線を透過させるシート材料、及び該シート材料に形成された画像から成る画像体とを有する。
【0018】
この場合、熱放射体から遠赤外線が放射されることによって、部屋内にいる人の体が温められるとともに、部屋内の壁、床、天井等が温められ、壁、床、天井等の熱が空気に伝達され、部屋が暖かくなる。
【0019】
また、輻射暖房装置を壁に設置することができるので、床面積が縮小されることがないだけでなく、輻射暖房装置を薄く形成することができるので、部屋内にいる人に圧迫感を与えることがない。
【0020】
そして、輻射暖房装置の画像体に画像が形成されるので、部屋内にいる人に違和感を与えることがなく、部屋を心地よい空間にすることができる。
【0021】
さらに、必要に応じて画像体を異なる画像が形成されたものに交換することができるので、部屋を一層心地よい空間にすることができる。
【0022】
また、本発明によれば、他の輻射暖房装置においては、熱放射体は、薄い基材の表面にカーボンを蒸着させることによって形成されたヒータ本体部を、第1、第2のフィルムによって挟み、加熱し、加圧することによって形成された、ラミネート構造を有する面状ヒータである。
【0023】
そして、本発明によれば、輻射暖房システムにおいては、輻射暖房装置が、遠赤外線高放射率材料にカーボンを含有させることによって形成された壁体と対向させて設置される。
【0024】
この場合、壁体において、熱放射体から放射された遠赤外線と同じ波長の遠赤外線が吸収され、放射され、遠赤外線同士が共振し、共鳴するので、部屋内で瞬時に熱エネルギーが移動する。その結果、部屋内にいる人の体が急速に温められる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施の形態における輻射暖房システムを示す図である。
図2】従来の輻射暖房装置を示す図である。
図3】他の従来の輻射暖房装置を示す図である。
図4】本発明の第1の実施の形態における額の設置状態を示す図である。
図5】本発明の第1の実施の形態における額の分解斜視図である。
図6】本発明の第1の実施の形態における面状ヒータのラミネート構造を示す斜視図である。
図7】本発明の第1の実施の形態における額から部屋内に放射された遠赤外線の動作を説明するための図である。
図8】本発明の第2の実施の形態における額の分解斜視図である。
図9】本発明の第2の実施の形態における面状ヒータの積層構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、輻射暖房システムについて説明する。
【0027】
図1は本発明の第1の実施の形態における輻射暖房システムを示す図、図4は本発明の第1の実施の形態における額の設置状態を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における額の分解斜視図である。
【0028】
図において、R1は部屋、Wsi(i=1、2、…)は第1の壁体としての壁、Bwは第2の壁体としての床、Twは第3の壁体としての天井である。
【0029】
本実施の形態において、前記壁Wsi及び天井Twのうちの所定の部分は、遠赤外線高放射率材料に所定の量、本実施の形態においては、重量で1〔%〕~10〔%〕のカーボンを含有させることによって形成される。
【0030】
そして、前記遠赤外線高放射率材料として、元来遠赤外線の放射率の高い材料である内装用の塗り壁材、例えば、珪藻土、漆喰、(日本古来の)土壁、シラスバルーン土、ゼオライト土等が使用される。
【0031】
本実施の形態においては、前記各塗り壁材を、鏝(コテ)等によって壁Wsi及び天井Twの躯体に直接塗布するようになっているが、刷毛等によってクロス等のシート材料に塗布した後、該シート材料を壁Wsi及び天井Twの躯体に貼り付けたり、各塗り壁材を原材料として含有する塗料を作成し、該塗料を壁Wsi及び天井Twの躯体に塗布したりすることもできる。
【0032】
なお、塗り壁材として珪藻土を使用する場合は、珪藻土が白色の材料であり、含有させるカーボンの量を多くすると、壁Wsi及び天井Twがその分黒色を帯びるようになるので、カーボンを2〔%〕~3〔%〕含有させるのが好ましい。
【0033】
また、図において、31は、前記壁Wsiのうちの所定の壁、本実施の形態においては、壁Ws1に掛けられることによって着脱自在に設置された輻射暖房装置としての額であり、この場合、該額31は、前記壁Wsiのうちの他の壁Ws2、Ws3、床Bw、天井Tw等に遠赤外線を放射することが可能な位置に設置される。
【0034】
前記額31は、図5に示されるように、枠体としての額縁33、マット34、画像体Mg、熱放射体としての面状ヒータHt及び裏板36を重ねることによって形成される。前記マット34、画像体Mg及び面状ヒータHtは、額縁33によって包囲されるとともに、額縁33及び裏板36によって挟持される。
【0035】
前記マット34には、画像体Mgの大きさに対応させて所定の形状、本実施の形態においては、矩形の形状を有する窓38が形成され、該窓38によって画像体Mgの四辺が覆われる。
【0036】
前記画像体Mgは、紙、フィルム、不織布等の遠赤外線を透過させるシート材料Sh、及び該シート材料Shのマット34側の面、すなわち、表側の面の所定の領域Arに形成された絵画、写真等の画像Prから成る。画像体Mgを額31から取り出し、必要に応じて異なる画像Prが形成されたものに交換することができる。
【0037】
また、前記面状ヒータHtは、画像体Mgの後方に配設され、後述されるように、電力が供給されて遠赤外線を放射する。
【0038】
なお、必要に応じてマット34の前方にガラス等の、遠赤外線を透過させる材料から成るカバーを配設することができる。
【0039】
次に、前記面状ヒータHtについて説明する。
【0040】
図6は本発明の第1の実施の形態における面状ヒータのラミネート構造を示す斜視図である。
【0041】
図において、Htは面状ヒータ、41は面状ヒータHtの熱源となるヒータ本体部、43は、該ヒータ本体部41の前記マット34(図5)側の面、すなわち、表側の面を覆う第1のフィルム、44は、面状ヒータ41の前記裏板36側の面、すなわち、裏側の面を覆う第2のフィルムである。第1、第2のフィルム43、44は、ポリエステル、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、オレフィン系エラストマー、ウレタン等の樹脂フィルムから成る。
【0042】
前記面状ヒータHtは、ヒータ本体部41を、第1、第2のフィルム43、44によって挟み、加熱し、加圧することによって形成され、ラミネート構造を有する。
【0043】
前記ヒータ本体部41は、蛇行構造を有し、複数の帯状部Bj(j=1、2、…)の端部を導電性コネクタCk(k=1、2、…)によって連結することによって形成され、両端に電極tm1、tm2が接続され、該電極tm1、tm2を介して商用電源に接続される。
【0044】
各帯状部Bjは、厚さが2〔mm〕程度の、和紙、フィルム等の薄い基材、本実施の形態においては、和紙の少なくとも前記マット34側の面、すなわち、表面に形成された被蒸着面にカーボンを蒸着させることによって形成される。和紙の蒸着面に蒸着させられるカーボンとしては、前記珪藻土に含有させられるカーボンと同じ成分から成り、同じ分子振動数を有するものが使用される。
【0045】
前記面状ヒータHtに電力を供給し、面状ヒータHtを所定の温度、本実施の形態においては、40〔℃〕~60〔℃〕に加熱すると、前記和紙の蒸着面に蒸着させられるカーボンが黒体を構成するので、面状ヒータHtから放射輝度が高く、放射強度が大きい遠赤外線が放射される。なお、該遠赤外線の放射強度はカーボンの蒸着量によって変化するので、カーボンを100〔%〕のべたで和紙に蒸着させるのが好ましい。
【0046】
また、前記面状ヒータHtから放射された遠赤外線は、前記画像体Mgを透過して前記部屋R1(図1)内に放射されるので、遠赤外線が十分に画像体Mgを透過するように、前記シート材料Shの厚さは2〔μm〕以下にされる。
【0047】
面状ヒータHtから放射された遠赤外線が人に照射されると、人の皮膚の表面の水分が振動させられ、人は暖かみを感じるので、額31を輻射暖房に使用することができる。
【0048】
次に、部屋R1内に放射された遠赤外線の動作について説明する。
【0049】
図7は本発明の第1の実施の形態における額から部屋内に放射された遠赤外線の動作を説明するための図である。
【0050】
図において、R1は部屋、Wsiは壁、Bwは床、Twは天井、31は額である。
【0051】
額31の面状ヒータHt(図5)から遠赤外線が破線で示されるように放射されると、遠赤外線によって部屋内にいる人の皮膚の表面の水分が振動させられ、体が温められるとともに、部屋R1内の壁Wsi、床Bw、天井Tw等が温められ、壁Wsi、床Bw、天井Tw等の熱が空気に伝達され、部屋が暖かくなる。
【0052】
しかも、面状ヒータHtから遠赤外線が部屋R1内の壁Wsi及び天井Twに向けて放射されると、壁Wsi及び天井Twにおいて、遠赤外線が吸収されるとともに、同じ波長の遠赤外線が放射されるので、部屋R1内にいる人の体が一層温められるとともに、部屋内の壁Wsi、床Bw、天井Tw等が一層温められ、壁Wsi、床Bw、天井Tw等の熱が空気に伝達され、部屋が一層暖かくなる。
【0053】
また、本実施の形態のように、壁Wsi及び天井Twにおいて珪藻土に含有されるカーボン、及び面状ヒータHtにおいて和紙に蒸着させられるカーボンの成分が同じである場合、両カーボンが同じ分子振動数を有するので、壁Wsi及び天井Twにおいて、面状ヒータHtから放射された遠赤外線と同じ波長の遠赤外線が放射され、遠赤外線同士が共振し、共鳴する。
【0054】
したがって、部屋R1内で瞬時に熱エネルギーが移動するので、部屋R1内にいる人の体が急速に温められる。
【0055】
なお、額31の寸法は、部屋R1の広さに応じて、10〔cm〕×10〔cm〕、100〔cm〕×100〔cm〕等に、任意に設定することができる。
【0056】
また、部屋R1の広さに応じて複数の額を設置することができる。
【0057】
このように、本実施の形態においては、面状ヒータHtから放射された遠赤外線が部屋R1内の人に照射されると、人の皮膚の表面の水分が振動させられ、人は暖かみを感じるので、面状ヒータHtを輻射暖房に使用することができる。
【0058】
また、額31を壁Wsiにかけることができるので、床面積が縮小されることがないだけでなく、額31を薄く形成することができるので、部屋R1内にいる人に圧迫感を与えることがない。
【0059】
そして、画像体Mgに画像Prが形成されるので、部屋R1内にいる人に違和感を与えることがなく、部屋R1を心地よい空間にすることができる。
【0060】
さらに、必要に応じて画像体Mgを異なる画像Prが形成されたものに交換することができるので、部屋R1を一層心地よい空間にすることができる。
【0061】
また、本実施の形態においては、壁Wsi及び天井Twにおいて、面状ヒータHtから放射された遠赤外線と同じ波長の遠赤外線が吸収され、放射され、遠赤外線同士が共振し、共鳴するので、部屋R1内で瞬時に熱エネルギーが移動する。その結果、人は一層暖かみを感じることができる。
【0062】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0063】
図8は本発明の第2の実施の形態における額の分解斜視図、図9は本発明の第2の実施の形態における面状ヒータの積層構造を示す斜視図である。
【0064】
図において、31は輻射暖房装置としての額であり、該額31は、表側から裏側にかけて枠体としての額縁33、マット34、熱放射体としての面状ヒータHtg及び裏板36を重ねることによって形成される。
【0065】
前記面状ヒータHtgは、面状ヒータHtgの熱源となるヒータ本体部41を、第1、第2のフィルム43g、44によって挟み、加熱し、加圧することによって形成され、ラミネート構造を有する。
【0066】
そして、第1のフィルム43gのマット34側の面の領域Arに絵画、写真等の画像Pr(図4)が形成される。
【0067】
本実施の形態においては、面状ヒータHtgの前方に画像体Mgを配設する必要がないので、額31のコストを低くすることができる。
【0068】
また、遠赤外線が画像体Mgを透過することなく、直接部屋R1内に放射されるので、遠赤外線の放射強度を大きくすることができる。
【0069】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0070】
31 額
33 額縁
Ht、Htg 面状ヒータ
Mg 画像体
Pr 画像
Sh シート材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9