(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089616
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ハンガー
(51)【国際特許分類】
D06F 57/00 20060101AFI20240626BHJP
A47G 25/32 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
D06F57/00 340
A47G25/32 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023142622
(22)【出願日】2023-09-03
(31)【優先権主張番号】P 2022204871
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522496507
【氏名又は名称】西生 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100181582
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 直斗
(72)【発明者】
【氏名】西生 聡
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA04
3K099AA05
3K099AA07
3K099AA10
3K099BA03
3K099CA01
3K099CA16
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で風による物干し竿からの脱落を抑制することができ、かつ、物干し竿に対する作業性が良好であるハンガーを提供すること。
【解決手段】ハンガー1は、本体部2と、本体部2に連結されたフック部3とを備える。フック部3は、上下方向に延びる軸部31と、軸部31と前後方向に間隔を設けて左右方向に延びる先端部32と、軸部31の上端部311と先端部32の左端部321とを繋ぐ中間部33とを有し、前後方向から見た場合に4の字形状を呈する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に連結されたフック部と、を備え、
前記フック部は、上下方向に延びる軸部と、前記軸部と前後方向に間隔を設けて左右方向に延びる先端部と、前記軸部の上端部と前記先端部の一端部とを繋ぐ中間部と、を有し、前後方向から見た場合に4の字形状を呈する、
ハンガー。
【請求項2】
前記フック部は、前記軸部から突出するように設けられた軸引掛部をさらに有する、請求項1に記載のハンガー。
【請求項3】
前記フック部は、前記先端部の他端部から延設された先端引掛部をさらに有する、請求項1又は2に記載のハンガー。
【請求項4】
前記本体部は、前記フック部の前記軸部から左斜め下方に延びる左肩部と、前記フック部の前記軸部から右斜め下方に延びる右肩部と、前記左肩部及び前記右肩部の外端部同士を繋いで左右方向に延びる連結部と、を有し、前記左肩部及び前記右肩部の一方が斜め前方に延び、他方が斜め後方に延びる、請求項1に記載のハンガー。
【請求項5】
前記本体部における前記左肩部及び前記右肩部の一方の内端部は、他方の内端部に対して着脱可能に構成されている、請求項4に記載のハンガー。
【請求項6】
前記本体部は、円環状又は楕円環状に形成され、前記フック部の前記軸部に連結された環状部を有する、請求項1に記載のハンガー。
【請求項7】
前記フック部の前記軸部に直交する平面に対して、前記本体部の前記環状部を含む平面が傾斜している、請求項6に記載のハンガー。
【請求項8】
前記本体部の前記環状部は、線材を環状となるように形成し、前記環状部の一端部は、前記フック部の前記軸部の下端部に連結され、前記環状部の他端部は、前記環状部の一端部に対して着脱可能に構成されている、請求項6又は7に記載のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯した衣類等を掛けて物干し竿に吊り下げるハンガーが知られている。ハンガーには、物干し竿に吊り下げる部分であるフックが設けられている。洗濯した衣類等を掛けたハンガーを物干し竿に吊り下げている時に風に煽られると、物干し竿からハンガーのフックが外れ、ハンガーが脱落して洗濯した衣類等が汚れてしまうことがある。そのため、例えば、特許文献1には、2つのフックを有する脱落防止機構を備えたハンガーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のハンガーは、2つのフックを有するため、風による脱落を防止するための構造が非常に複雑である。また、フックの部分が複雑な構造であることから、ハンガーを物干し竿に吊るしたり、物干し竿から取り外したりする作業が非常に煩雑となる。
【0005】
本発明は、簡易な構造で風による物干し竿からの脱落を抑制することができ、かつ、物干し竿に対する作業性が良好であるハンガーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様であるハンガーは、本体部と、本体部に連結されたフック部と、を備えている。フック部は、上下方向に延びる軸部と、軸部と前後方向に間隔を設けて左右方向に延びる先端部と、軸部の上端部と先端部の一端部とを繋ぐ中間部と、を有し、前後方向から見た場合に4の字形状を呈する。
【0007】
上記ハンガーによれば、フック部は、軸部と先端部と中間部とによって構成され、前後方向から見た場合に4の字形状を呈する。そして、フック部の軸部と中間部と先端部とによって囲まれた空間に物干し竿を通し、軸部と中間部とによってハンガーを物干し竿に吊り下げることができる。
【0008】
そのため、ハンガーを物干し竿に吊り下げているときに風で煽られたとしても、ハンガーのフック部が物干し竿から外れることを抑制できる。特に、下方向からの風に煽られたとしても、フック部の先端部が物干し竿に接触することで、フック部が物干し竿から外れることを抑制できる。これにより、簡易な構造でありながら、風によって物干し竿に吊り下げたハンガーが脱落することを抑制できる。
【0009】
また、フック部の軸部と先端部との間には、前後方向に間隔が設けられている。そのため、フック部の軸部と先端部との間に設けられた空間を介して、フック部を物干し竿に引っ掛けたり、物干し竿から取り外したりすることができる。これにより、ハンガーを物干し竿に吊り下げたり、物干し竿から取り外したりする作業が容易となる。
【0010】
上記ハンガーにおいて、フック部は、軸部から突出するように設けられた軸引掛部をさらに有していてもよい。この場合には、本体部に掛けにくい形状の衣類等の一部を軸引掛部に引っ掛けることができる。これにより、本体部に掛けにくい形状の衣類等であっても、本体部からの脱落を抑制することができる。
【0011】
また、フック部は、先端部の他端部から延設された先端引掛部をさらに有していてもよい。この場合には、本体部に掛けることが困難な衣類の一部を先端引掛部に引っ掛けることができる。例えば、複数のハンガーを用いて、本体部に掛けることが困難な衣類の複数箇所を保持することができる。これにより、本体部に掛けることが困難な衣類であっても、複数のハンガーを用いて干すことができる。
【0012】
また、本体部は、フック部の軸部から左斜め下方に延びる左肩部と、フック部の軸部から右斜め下方に延びる右肩部と、左肩部及び右肩部の外端部同士を繋いで左右方向に延びる連結部と、を有し、左肩部及び右肩部の一方が斜め前方に延び、他方が斜め後方に延びていてもよい。この場合には、本体部の左肩部及び右肩部によって、本体部に掛けた衣類等の内側に前後方向の空間が設けられ、風の通りを良くすることができる。これにより、本体部に掛けた衣類等の乾きが早くなる。
【0013】
また、本体部における左肩部及び右肩部の一方の内端部は、他方の内端部に対して着脱可能に構成されていてもよい。この場合には、本体部における左肩部及び右肩部の一方を他方から取り外すことにより、例えば、首回りが小さい衣類等を本体部に掛けることが容易となる。また、本体部に掛けることが困難な衣類等を本体部の連結部に通して干すことができる。
【0014】
また、本体部は、円環状又は楕円環状に形成され、フック部の軸部に連結された環状部を有していてもよい。この場合には、本体部の環状部によって、様々な形状の衣類等を本体部に掛けやすくなる。また、本体部の環状部に掛けた衣類等の内側に空間が設けられ、風の通りを良くすることができ、本体部に掛けた衣類等の乾きが早くなる。
【0015】
また、フック部の軸部に直交する平面に対して、本体部の環状部を含む平面が傾斜していてもよい。この場合には、本体部の環状部に対して、様々な形状の衣類等をより一層掛けやすくなる。
【0016】
また、本体部の環状部は、線材を環状となるように形成し、環状部の一端部は、フック部の軸部の下端部に連結され、環状部の他端部は、環状部の一端部に対して着脱可能に構成されていてもよい。この場合には、本体部の環状部の他端部を一端部から取り外すことにより、例えば、首回りが小さい衣類等を本体部の環状部に掛けることが容易となる。また、本体部に掛けることが困難な衣類等を環状部に通して干すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態のハンガーを示す正面図である。
【
図2】第1実施形態のハンガーを示す右側面図である。
【
図3】第1実施形態のハンガーを示す平面図である。
【
図4】第1実施形態のハンガーにおいて本体部の右肩部の内端部に対する左肩部の内端部の係止を解除した状態を示す正面図である。
【
図5】第1実施形態のハンガーを物干し竿に吊り下げる様子を示す説明図である。
【
図6】第1実施形態のハンガーを物干し竿に吊り下げる様子を示す説明図である。
【
図7】第1実施形態のハンガーの使用例を示す説明図である。
【
図8】第1実施形態のハンガーの使用例を示す説明図である。
【
図9】第1実施形態のハンガーの使用例を示す説明図である。
【
図10】第1実施形態のハンガーの使用例を示す説明図である。
【
図11】第2実施形態のハンガーを示す正面図である。
【
図12】第2実施形態のハンガーを示す背面図である。
【
図13】第2実施形態のハンガーを示す右側面図である。
【
図14】第2実施形態のハンガーを示す平面図である。
【
図15】第2実施形態のハンガーを物干し竿に吊り下げる様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1~
図3に示すように、本実施形態のハンガー1は、本体部2とフック部3とを備えている。本体部2は、衣類等を掛ける部分であり、フック部3は、物干し竿等に引っ掛ける部分である。ハンガー1の材質としては、金属、樹脂、木等を用いることができる。なお、本実施形態では、前後左右上下等の方向を用いて説明する。ハンガー1に向かって左側を左方向、右側を右方向としている。
【0019】
フック部3は、軸部31と先端部32と中間部33とを有する。
軸部31は、上下方向に沿って延びるように設けられている。軸部31の上端部311は、後述する中間部33の上端部331に連結されている。軸部31の下端部312は、本体部2の上部中央に連結されている。
【0020】
先端部32は、左右方向に沿って延びるように設けられている。先端部32は、軸部31と前後方向に間隔を設けて、軸部31の前方側に配置されている。先端部32は、前後方向から見た場合に、軸部31に対して略直角に交差するように設けられている。先端部32の左端部(一端部)321は、後述する中間部33の下端部332に連結されている。
【0021】
中間部33は、軸部31の上端部311と先端部32の左端部321とを繋ぐように設けられている。すなわち、中間部33の上端部331は、軸部31の上端部311に連結されている。中間部33の下端部332は、先端部32の左端部321に連結されている。
【0022】
中間部33は、前後方向から見た場合に、軸部31の上端部311から先端部32の左端部321に向かって左斜め下方に延びるように設けられている。また、中間部33は、上下方向から見た場合に、軸部31の上端部311から先端部32の左端部321に向かって左斜め前方に延びるように設けられている。
【0023】
上記構成のフック部3は、前後方向から見た場合に、軸部31と中間部33と先端部32とによって4の字形状を呈する。具体的には、フック部3は、上下方向に設けられた軸部31と、軸部31の上端部311から左斜め下方に折れ曲がって設けられた中間部33と、中間部33の下端部332から右方向に折れ曲がって設けられた先端部32とによって4の字形状を呈する。すなわち、本実施形態のフック部3は、前方から見た場合に、軸部31と中間部33と先端部32とによって4の字形状を呈する。
【0024】
また、フック部3は、軸部31から突出するように設けられた軸引掛部34を有する。軸引掛部34は、衣類等の一部を引っ掛けるためのものであり、軸部31の下端部312から後斜め上方に延びるように設けられている。
【0025】
また、フック部3は、先端部32の右端部(他端部)322から延設された先端引掛部35を有する。先端引掛部35は、衣類等の一部を引っ掛けるためのものであり、先端部32の右端部322から前斜め上方に延びるように設けられている。先端引掛部35は、先端部32の右端部322から折り返すように、円弧状に湾曲して設けられている。
【0026】
本体部2は、左肩部21と右肩部22と連結部23とを有する。
左肩部21は、前後方向から見た場合に、フック部3の軸部31の下端部312から左斜め下方に延びるように設けられている。左肩部21は、上下方向から見た場合に、内端部211から外端部212に向かって左斜め後方に延びるように設けられている。
【0027】
右肩部22は、前後方向から見た場合に、フック部3の軸部31の下端部312から右斜め下方に延びるように設けられている。右肩部22は、上下方向から見た場合に、内端部221から外端部222に向かって右斜め前方に延びるように設けられている。
【0028】
連結部23は、左肩部21及び右肩部22の外端部212、222同士を繋ぐように設けられている。連結部23は、左肩部21の外端部212と右肩部22の外端部222とを繋ぐように左右方向に沿って延びるように設けられている。左肩部21の外端部212は、前後方向から見た場合に、円弧状に湾曲して連結部23の左端部231に連結されている。右肩部22の外端部222は、前後方向から見た場合に、円弧状に湾曲して連結部23の右端部232に連結されている。
【0029】
図1、
図4に示すように、本体部2において、左肩部21の内端部211は、右肩部22の内端部221に対して着脱可能に構成されている。具体的には、左肩部21の内端部211は、フック部3の軸部31の下端部312に連結されていない。一方、右肩部22の内端部222は、フック部3の軸部31の下端部312に連結されている。左肩部21の内端部211には、右肩部22の内端部221に上方から引っ掛けて係止するための係止部24が設けられている。左肩部21の内端部211は、係止部24を右肩部22の内端部221に係止したり、これを解除したりすることにより、右肩部22の内端部221に対して着脱可能となっている。
【0030】
次に、上記構成のハンガー1の使用方法について説明する。
図5に示すように、例えば、洗濯した衣類等(図示省略)を本体部2に掛けたハンガー1を物干し竿4に吊り下げる際には、物干し竿4に対してフック部3の先端部32が略平行となるようにハンガー1の向きを調整した状態で、フック部3の軸部31と先端部32との間に設けられた空間に物干し竿4を通し、フック部3の軸部31及び中間部33を物干し竿4に引っ掛ける。
【0031】
図6に示すように、フック部3の軸部31を中心軸としてハンガー1を90度回転させ、フック部3の軸部31と中間部33と先端部32とによって囲まれた空間に物干し竿4を通す。これにより、ハンガー1のフック部3を物干し竿4に引っ掛け、ハンガー1を物干し竿4に吊り下げる。なお、ハンガー1を物干し竿4から取り外す際には、上述した手順と逆のことを行えばよい。
【0032】
図6に示すように、ハンガー1を物干し竿4に吊り下げた状態において、ハンガー1が風で煽られたとしても、物干し竿4がフック部3の軸部31と中間部33と先端部32とによって囲まれた空間に位置するため、フック部3が物干し竿4から外れることを抑制できる。特に、下方向からの風に煽られたとしても、フック部3の先端部32がストッパーの役割を果たし、フック部3の先端部32が物干し竿4に接触するため、フック部3が物干し竿4から外れることを抑制できる。
【0033】
図7に示すように、例えば、本体部2に掛けにくい、本体部2に掛けると脱落のおそれがあるジーンズ等のパンツ51を干す場合には、パンツ51のベルト通し511をフック部3の軸引掛部34に引っ掛けた状態で、パンツ51を本体部2に掛ける。これにより、本体部2に掛けたパンツ51が本体部2から脱落することを抑制できる。なお、ベルト通しを有するスカート等の衣類、襟裏にループ状のタグを有する衣類等、引っ掛ける部分を有する衣類等であれば、このようなハンガー1の使用方法を適用することができる。また、フードを有する衣類等についてもフード部分をフック部3の軸引掛部34に引っ掛けて干すことができる。
【0034】
図8に示すように、例えば、ウエスト回りが大きく、本体部2に掛けることが困難なジーンズ等のパンツ52を干す場合には、2つのハンガー1を用いる。具体的には、パンツ52における距離の離れた2つのベルト通し521を2つのハンガー1のフック部3の先端引掛部35に引っ掛け、所定の間隔を設けて2つのハンガー1を物干し竿4に吊り下げる。これにより、2つのハンガー1を用いてパンツ52を干すことができ、さらにパンツ52の乾きも早くなる。なお、ベルト通しを有するスカート等の衣類等、引っ掛ける部分が複数箇所ある衣類等であれば、このようなハンガー1の使用方法を適用することができる。
【0035】
図9に示すように、例えば、首回りが小さく、本体部2に掛けることが困難なタートルネック53を干す場合には、本体部2の左肩部21の係止部24を右肩部22から取り外す。そして、タートルネック53の襟口から本体部2の左肩部21及び連結部23を奥に入れることで、本体部2の右肩部22もタートルネック53の襟口から容易に入れることができる。その後、左肩部21の係止部24を本体部2の右肩部22に係止して取り付ける。これにより、首回りが小さいタートルネック53を本体部2に掛けることが容易となる。なお、子供用の衣類等、首回りが小さい衣類等であれば、このようなハンガー1の使用方法を適用することができる。
【0036】
図10に示すように、例えば、本体部2に掛けることが困難な男性用下着であるボクサーパンツ54を干す場合には、本体部2の左肩部21の係止部24を右肩部22から取り外す。そして、本体部2の左肩部21及び連結部23にボクサーパンツ54のウエスト及び裾口を通す。これにより、本体部2に掛けることが困難なボクサーパンツ54を本体部2の連結部23に通して干すことができる。なお、女性用下着、肩紐を有する衣類等、本体部2の連結部23に通すことができる衣類等であれば、このようなハンガー1の使用方法を適用することができる。また、下着等を本体部2の連結部23に通し、さらにシャツ等を本体部2に掛けることで、下着等を外から見えないように隠して干すことができる。
【0037】
次に、本実施形態におけるハンガー1の作用効果について説明する。
本実施形態のハンガー1によれば、フック部3は、軸部31と先端部32と中間部33とによって構成され、前後方向から見た場合に4の字形状を呈する。そして、フック部3の軸部31と中間部33と先端部32とによって囲まれた空間に物干し竿4を通し、軸部31と中間部33とによってハンガー1を物干し竿4に吊り下げることができる。
【0038】
そのため、ハンガー1を物干し竿4に吊り下げているときに風で煽られたとしても、ハンガー1のフック部3が物干し竿4から外れることを抑制できる。特に、下方向からの風に煽られたとしても、フック部3の先端部32が物干し竿4に接触することで、フック部3が物干し竿4から外れることを抑制できる。これにより、簡易な構造でありながら、風によって物干し竿4に吊り下げたハンガー1が脱落することを抑制できる。
【0039】
また、フック部3の軸部31と先端部32との間には、前後方向に間隔が設けられている。そのため、フック部3の軸部31と先端部32との間に設けられた空間を介して、フック部3を物干し竿4に引っ掛けたり、物干し竿4から取り外したりすることができる。これにより、ハンガー1を物干し竿4に吊り下げたり、物干し竿4から取り外したりする作業が容易となる。
【0040】
本実施形態では、フック部3は、軸部31から突出するように設けられた軸引掛部34を有する。そのため、例えば、
図7に示す使用方法の例で説明したように、本体部2に掛けにくい形状の衣類等の一部を軸引掛部34に引っ掛けることができる。これにより、本体部2に掛けにくい形状の衣類等であっても、本体部2からの脱落を抑制することができる。
【0041】
また、フック部3は、先端部32の右端部322から延設された先端引掛部35を有する。そのため、本体部2に掛けることが困難な衣類等の一部を先端引掛部35に引っ掛けることができる。例えば、
図8に示す使用方法の例で説明したように、複数のハンガー1を用いて、本体部2に掛けることが困難な衣類等の複数箇所を保持することができる。これにより、本体部2に掛けることが困難な衣類等であっても、複数のハンガー1を用いて干すことができる。
【0042】
また、本体部2は、フック部3の軸部31から左斜め下方に延びる左肩部21と、フック部3の軸部31から右斜め下方に延びる右肩部22と、左肩部21及び右肩部22の外端部212、222同士を繋いで左右方向に延びる連結部23とを有する。右肩部22が斜め前方に延び、左肩部21が斜め後方に延びている。そのため、本体部2の左肩部21及び右肩部22によって、本体部2に掛けた衣類等の内側に前後方向の空間が設けられ、風の通りを良くすることができる。これにより、本体部2に掛けた衣類等の乾きが早くなる。
【0043】
また、本体部2における左肩部21の内端部211は、右肩部22の内端部221に対して着脱可能に構成されている。そのため、本体部2における左肩部21の内端部211を右端部22の内端部221から取り外すことにより、例えば、
図9、
図10に示す使用方法の例で説明したように、首回りが小さい衣類等を本体部2に掛けることが容易となる。また、本体部2に掛けることが困難な衣類等を本体部2の連結部23に通して干すことができる。
【0044】
(第2実施形態)
本実施形態は、
図11~
図15に示すように、ハンガー1の本体部2及びフック部3の構成を変更した例である。なお、第1実施形態と同様の構成及び作用効果については説明を省略する。
【0045】
図11~
図14に示すように、フック部3において、軸部31は、上下方向に沿って延びるように設けられている。先端部32は、左右方向に沿って延びるように設けられている。先端部32は、軸部31と前後方向に間隔を設けて、軸部31の後方側に配置されている。先端部32は、前後方向から見た場合に、軸部31に対して略直角に交差するように設けられている。
【0046】
中間部33は、軸部31の上端部311と先端部32の右端部322とを繋ぐように設けられている。すなわち、中間部33の上端部331は、軸部31の上端部311に連結されている。中間部33の下端部332は、先端部32の右端部322に連結されている。
【0047】
中間部33は、前後方向から見た場合に、軸部31の上端部311から折り返して途中まで下方に、途中から先端部32の右端部322に向かって右斜め下方に延びるように設けられている。また、中間部33は、上下方向から見た場合に、その上端部331から先端部32の右端部322に向かって右斜め後方に延びるように設けられている。
【0048】
フック部3は、上下方向に設けられた軸部31と、軸部31の上端部311から右斜め下方に折れ曲がって設けられた中間部33と、中間部33の下端部332から左方向に折れ曲がって設けられた先端部32とによって4の字形状を呈する。本実施形態のフック部3は、後方から見た場合に、軸部31と中間部33と先端部32とによって4の字形状を呈する。
【0049】
また、フック部3は、先端部32の左端部321から延設された先端引掛部35を有する。先端引掛部35は、先端部32の左端部321から折り返して左右方向に沿って延びるように設けられている。
【0050】
本体部2は、円環状に形成された環状部25を有する。環状部25は、線材を曲げて円環状となるように形成されている。環状部25の一端部251は、フック部3の軸部31の下端部312に連結されている。環状部25の他端部252は、環状部25の一端部251に対して着脱可能に構成されている。
【0051】
具体的には、環状部25の他端部252には、環状部25の一端部251に上方から引っ掛けて係止するための係止部26が設けられている。環状部25の他端部252は、係止部26を環状部25の一端部251に係止したり、これを解除したりすることにより、環状部25の一端部251に対して着脱可能となっている。
【0052】
本体部2の環状部25は、左右方向から見た場合に、フック部3の軸部31の下端部312から後斜め下方に突出するように設けられている。環状部25は、水平方向に対して傾斜して設けられている。すなわち、フック部3の軸部31に直交する平面に対して、本体部2の環状部25を含む平面が傾斜している。なお、環状部25の傾斜角度は、適宜設定することができる。
【0053】
図15に示すように、例えば、洗濯した衣類等(図示省略)を本体部2の環状部25に掛けたハンガー1を物干し竿4に吊り下げる際には、上述した第1実施形態と同様に、ハンガー1のフック部3の軸部31と中間部33と先端部32とによって囲まれた空間に物干し竿4を通す。これにより、ハンガー1のフック部3を物干し竿4に引っ掛け、ハンガー1を物干し竿4に吊り下げる。
【0054】
また、例えば、首回りが小さく、本体部2に掛けることが困難なタートルネック53(
図9参照)を干す場合には、上述した第1実施形態と同様に、本体部2における環状部25の他端部252の係止部26を一端部251から取り外すことで、首回りが小さいタートルネック53を本体部2に掛けることが容易となる。なお、子供用の衣類等、首回りが小さい衣類等であれば、このようなハンガー1の使用方法を適用することができる。
【0055】
また、例えば、本体部2に掛けることが困難な男性用下着であるボクサーパンツ54(
図10参照)を干す場合には、上述した第1実施形態と同様に、本体部2における環状部25の他端部252の係止部26を一端部251から取り外し、ボクサーパンツ54のウエスト及び裾口を本体部2の環状部25に通して干すことができる。なお、女性用下着、肩紐を有する衣類等、本体部2の環状部25に通すことができる衣類等であれば、このようなハンガー1の使用方法を適用することができる。また、下着等を本体部2の環状部25に通し、さらにシャツ等を本体部2の環状部25に掛けることで、下着等を外から見えないように隠して干すことができる。
【0056】
本実施形態のハンガー1によれば、本体部2は、円環状に形成され、フック部3の軸部31に連結された環状部25を有する。そのため、本体部2の環状部25によって、様々な形状の衣類等を本体部2に掛けやすくなる。また、本体部2の環状部25に掛けた衣類等の内側に空間が設けられ、風の通りを良くすることができ、本体部2に掛けた衣類等の乾きが早くなる。
【0057】
また、フック部3の軸部31に直交する平面に対して、本体部2の環状部25を含む平面が傾斜している。そのため、本体部2の環状部25に対して、様々な形状の衣類等をより一層掛けやすくなる。
【0058】
また、本体部2の環状部25は、線材を環状となるように形成し、環状部2の一端部251は、フック部3の軸部31の下端部312に連結され、環状部25の他端部252は、環状部25の一端部251に対して着脱可能に構成されている。そのため、本体部2の環状部25の他端部252を一端部251から取り外すことにより、例えば、首回りが小さい衣類等を本体部2の環状部25に掛けることが容易となる。また、本体部2に掛けることが困難な衣類等を環状部25に通して干すことができる。
【0059】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0060】
(1)上記第1実施形態では、ハンガー1を前方から見た場合にフック部3が4の字形状を呈しており、上記第2実施形態では、ハンガー1を後方から見た場合にフック部3が4の字形状を呈している。すなわち、ハンガーを前方又は後方から見た場合にフック部が4の字形状を呈していればよい。
【0061】
(2)上記第1実施形態では、右肩部22が斜め前方に延び、左肩部21が斜め後方に延びるように設けられているが、左肩部が斜め前方に延び、右肩部が斜め後方に延びるように設けられていてもよい。
【0062】
(3)上記第1実施形態では、本体部2における左肩部21の内端部211が右肩部22の内端部221に対して着脱可能に構成されているが、本体部における右肩部の内端部が左肩部の内端部に対して着脱可能に構成されていてもよい。
【0063】
(4)上記第2実施形態では、本体部2の環状部25が円環状に形成されているが、本体部の環状部が楕円環状に形成されていてもよい。
【0064】
(5)上記第2実施形態では、本体部2の環状部25がフック部3の軸部31の下端部312から後斜め下方に突出するように設けられているが、本体部の環状部は、フック部の軸部に連結されていれば、どのような方向に設けられていてもよい。
【0065】
(6)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0066】
1…ハンガー、2…本体部、3…フック部、31…軸部、32…先端部、33…中間部、311…上端部(軸部の上端部)、321…左端部(先端部の一端部)