(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089641
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】スプールの軸方向に位置変位する可変式ブレーキ及びスプールの軸方向と直交する方向に位置変位するマグネットを備えた釣り用リール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/0155 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
A01K89/0155
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023207900
(22)【出願日】2023-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0180260
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】500408898
【氏名又は名称】株式会社ドヨエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】玄 光昊
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108HE11
2B108HE13
2B108HE15
2B108HE28
(57)【要約】
【課題】本発明はスプールの回転速度による遠心力によって可変式ブレーキとマグネットとの間の距離を自動に調節し、さらにマグネットが装着されたホルダーの位置をダイヤル調整できる釣り用リールを提供する。
【解決手段】本発明の釣り用リールは、シャフトが貫通してリール本体に軸設され、釣り糸が巻糸されるスプールと、スプールの円周方向に形成された対面部を備え、シャフトの一側端でスプールの軸方向に前後進するように結合され、スプールに向かって弾支される可変式ブレーキと、対面部の円周方向に備えられ、対面部の内側面又は外側面の方向でスプールの軸方向と直交する方向に前後進するように結合され、対面部に対する対向面を有するように装着されたマグネットを含むマグネットホルダーと、ホルダーを前後進させる制動力調節手段と、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトが貫通してリール本体に軸設され、釣り糸が巻糸されるスプールと、
前記スプールの円周方向に形成された対面部を備え、前記シャフトの一側端でスプールの軸方向に前後進するように結合され、前記スプールに向かって弾支される可変式ブレーキと、
前記対面部の円周方向に備えられ、前記対面部の内側面又は外側面の方向で前記スプールの軸方向と直交する方向に前後進するように結合され、前記対面部に対する対向面を有するように装着されたマグネットを含むマグネットホルダーと、
前記マグネットホルダーを前後進させる制動力調節手段と、を含むことを特徴とする、釣り用リール。
【請求項2】
前記制動力調節手段は、
前記マグネットホルダーの一側で前記スプールの円周方向に回転し、前記マグネットホルダーを前記スプールの軸方向と直交する方向に押圧して前後進させるカム部を備えるダイヤルカムと、
サイドカバーに備えられ、前記ダイヤルカムを回転させる操作ダイヤルと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の釣り用リール。
【請求項3】
前記マグネットホルダーは、一側面から突出した被押圧突起を含み、
前記カム部は、前記ダイヤルカムの他側面に円周方向に形成され、前記被押圧突起が挿入され、一側端から他側端まで前記ダイヤルカムの中心部との距離が次第に増加するように形成されて前記被押圧突起を押圧する押圧溝部で構成されることを特徴とする、請求項2に記載の釣り用リール。
【請求項4】
前記マグネットホルダーの一側に前記ホルダーが収容される収容部が形成され、前記マグネットホルダーを前記スプールの軸方向と直交する方向に案内するガイド溝を備えたスプールカバーを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の釣り用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプールの軸方向に位置変位する可変式ブレーキ及びスプールの軸方向と直交する方向に位置変位するマグネットを備えた釣り用リールに関し、詳しくは、スプールに可変式ブレーキを適用することにより、スプールの回転速度による遠心力によって可変式ブレーキとマグネットとの間の距離を自動に調節し、さらにマグネットが装着されたホルダーの位置をダイヤルで調整することができるようにする釣り用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣り用リールをキャスティングするとき、ルアーの飛行速度よりも釣り糸がほぐれるスプールの回転速度が速くなり、ルアーの飛距離が短くなるか又は釣り糸がもつれることをバックラッシュ(backlash)現象と言う。
【0003】
このようなバックラッシュ現象を防止するために、釣り用リールは、大別して、物理的摩擦を用いる摩擦ブレーキと、磁性の引力作用を用いるマグネットブレーキと、を使用する。
【0004】
このうち、マグネットブレーキは摩擦ブレーキとは違う非接触式ブレーキであり、リール本体に備えられた複数のマグネットの磁性を用いて、回転しているスプールに磁性の引力を作用させてスプールの回転速度を減速させる。
【0005】
従来のマグネットブレーキは、スプールの一側面にリング形のプレートを装着し、プレートから離隔した一側に複数のマグネットを円形に配列してマグネットとプレートとが互いに対面するようにすることにより、スプールが高速回転するとき、マグネットの磁力がプレートに作用して制動力を発生させてバックラッシュ現象の発生を防止する。
【0006】
このような従来のマグネットブレーキは、前記マグネットが装着されたホルダーをスプールの軸方向に移動させて間隔を調節することにより、制動力を調整するように構成されている。
【0007】
ところで、従来のマグネットブレーキは、互いに対面するように配置されたマグネットとプレートとの間の微細間隔を調節するものなので、制動力の調整範囲が狭いしかなく、よって制動力の調整範囲を広げるためにホルダーの移動距離を延ばすと、その分だけ釣り用リールの本体が大型化する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、前述した問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、パッドの摩耗防止、スプールの低速回転の際、キャスティング飛距離減少防止及びバックラッシュ防止、左利き用又は右利き用ハンドルに合わせた互換使用など、従来の遠心力ブレーキ、マグネットブレーキ及び慣性力ブレーキの利点のみをすべて取り合わせ、使用者が自分の釣魚方式に合うように制動力を調整して使用することができるように、スプールの軸方向に位置変位する可変式ブレーキ、及びスプールの軸方向と直交する方向に位置変位するマグネットを備えた釣り用リールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明による釣り用リールは、シャフトが貫通してリール本体に軸設され、釣り糸が巻糸されるスプールと、前記スプールの円周方向に形成された対面部を備え、前記シャフトの一側端でスプールの軸方向に前後進するように結合され、前記スプールに向かって弾支される可変式ブレーキと、前記対面部の円周方向に備えられ、前記対面部の内側面又は外側面の方向で前記スプールの軸方向と直交する方向に前後進するように結合され、前記対面部に対する対向面を有するように装着されたマグネットを含むマグネットホルダーと、前記マグネットホルダーを前後進させる制動力調節手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明による釣り用リールにおいて、前記制動力調節手段は、前記マグネットホルダーの一側で前記スプールの円周方向に回転し、前記マグネットホルダーを前記スプールの軸方向と直交する方向に押圧して前後進させるカム部を備えるダイヤルカムと、サイドカバーに備えられ、前記ダイヤルカムを回転させる操作ダイヤルと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明による釣り用リールにおいて、前記マグネットホルダーは、一側面から突出した被押圧突起を含み、前記カム部は、前記ダイヤルカムの他側面に円周方向に形成され、前記被押圧突起が挿入され、一側端から他側端まで前記ダイヤルカムの中心部との距離が次第に増加するように形成されて前記被押圧突起を押圧する押圧溝部で構成されることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明による釣り用リールにおいて、前記マグネットホルダーの一側に前記ホルダーが収容される収容部が形成され、前記マグネットホルダーを前記スプールの軸方向と直交する方向に案内するガイド溝を備えたスプールカバーを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による釣り用リールは、スプールの軸方向に位置変位する可変式ブレーキ、及びスプールの軸方向と直交する方向に位置変位するマグネットを備えることで、従来の遠心力ブレーキ、マグネットブレーキ及び慣性力ブレーキの利点のみをすべて取り合わせ、使用者が自分の釣魚方式に合うように制動力を調整して使用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明による釣り用リールの別の断面図である。
【
図4】本発明による釣り用リールの別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、多様な変更を加えることができ、いろいろの形態を有することができる。これから、具現例(態様、aspect)、(又は実施例)を本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解すべきである。
【0016】
各図において、同一の参照符号、特に十の桁及び一の桁、又は十の桁、一の桁及びアルファベットが同じな参照符号は同一又は類似の機能を有する部材を示し、特に言及がない場合、図面の各参照符号が指称する部材は、このような基準に準ずる部材に把握すれば良い。
【0017】
また、各図において、構成要素は、理解の便宜上サイズや厚さを誇張して大きく(又は厚く)あるいは小さく(又は薄く)表現するか単純化して表現しているが、これにより本発明の保護範囲が制限されて解釈されてはならない。
【0018】
本明細書で使用した用語は、ただ特定の具現例(態様、aspect)、(又は実施例)を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上特に明記しない限り、複数の表現を含む。
【0019】
本出願において、「含む」又は「なる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せの存在又は付加の可能性を予め排除しないものに理解されなければならない。
【0020】
特に定義がない限り、技術的ないし科学的な用語を含み、ここで使われる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を持っている。一般的に使われる辞書に定義されている用語は、関連技術が文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならなく、本出願において明らかに定義しない限り、理想的なあるいは過度に形式的な意味に解釈されない。
【0021】
本明細書で記述する「第1」、「第2」などの用語は、互いに異なる構成要素を区分するためのものであるだけ、製造手順を限定するものではなく、発明の詳細な説明及び請求範囲でその名称が一致しないこともあり得る。
【0022】
本発明による釣り用リールを説明するにあたり、便宜のために厳密ではない概略の方向基準を
図1を参照して特定すると、重力が作用する方向を下側として見える方向を基準に上下左右を決定し、他の図に係わる発明の詳細な説明及び請求範囲でも、他に特別な言及がない限り、この基準によって方向を特定して記述する。
【0023】
以下では、本発明による釣り用リールを添付図面に基づいて説明する。
【0024】
本発明による釣り用リールは、
図1~
図4に示すように、大別して、スプール10と、可変式ブレーキ20と、スプールカバー30と、マグネットホルダー40と、ロッキングレバー50と、ダイヤルカム60と、操作ダイヤル70と、サイドカバー80と、を含み、前記ダイヤルカム60及び操作ダイヤル70が制動力調節手段を構成する。
【0025】
まず、本明細書の図面には、スプールカバー30が結合されたパーム(palm)側サイドカバー80がフレーム(図示せず)の一側端に着脱可能に結合される実施例が代表的に示されている。ここで、パーム側サイドカバー80の着脱構造は多様な方式に変形可能である。
【0026】
図面では、代表的にサイドカバー80の内側で前記スプールカバー30の外周面を軸として回転するように結合されたロッキングレバー50が結合され、取っ手51を用いてロッキングレバー50を回転させることにより、ロック突起52がフレームに係合方式で着脱される実施例を確認することができる。
【0027】
図面に示されていないフレームなどの釣り用リールの残りの基本構成は公知のものなので、理解の便宜のために説明を省略する。
【0028】
具体的には、本発明は、シャフト11が貫通することによってリール本体に軸設され、釣り糸が巻糸されるスプール10と、前記スプール10の円周方向に形成された対面部21を備え、前記シャフト11の一側端でスプール10の軸方向に前後進するように結合され、前記スプール10に向かって弾支される可変式ブレーキ20と、前記対面部21の円周方向に備えられ、前記対面部21の内側面又は外側面の方向で前記スプール10の軸方向と直交する方向に前後進するように結合され、前記対面部21に対する対向面を有するように装着されたマグネット41を含むマグネットホルダー40と、前記マグネットホルダー40を前後進させる制動力調節手段と、を含む。
【0029】
そして、前記制動力調節手段は、前記マグネットホルダー40の一側で前記スプール10の円周方向に回転し、前記マグネットホルダー40を前記スプール10の軸方向と直交する方向に押圧して前後進させるカム部を備えたダイヤルカム60と、サイドカバー80に備えられ、前記ダイヤルカム60を回転させる操作ダイヤル70と、を含む。
【0030】
ここで、前記マグネット41の対向面とは、磁力が大きく発生する一定の面積以上の両面が前記スプール10の軸方向と直交する内外側に互いに対面している形態を意味するものであり、本明細書の図面には、前記マグネットホルダー40が前記対面部21の内側面の方向に配列されてマグネット41の対向面を形成する実施例が代表的に示されているが、前記マグネットホルダー40が前記対面部21の外側面の方向に配列されてマグネット41の対向面を形成することもできる。
【0031】
一方、従来のマグネットホルダーの場合、スプールの軸方向に向かうマグネットがスプールの一側プレートに対して対面する形態を有し、マグネットの磁力がスプールの軸方向に作用するものに対して、本発明は、マグネット41の磁力がスプール10の軸方向と直交するスプール10の直径方向に作用することに特徴がある。
【0032】
ここで、前記可変式ブレーキ20は、前記マグネット41の内外側の対向面のうちの一面と対面するように、前記対面部21が前記スプール10の軸方向にスプール10に平行に配列されるリング形態を有する。
【0033】
また、本明細書の図面には、スプール10の両側端で直角(およそ80~90度)に近くに折り曲げられて外径が大きくなる側壁部の周囲に沿ってフランジ部12が左右両側に突出するように連結されているディープスプールが代表的に示されているが、これに限定されない(例えば、スプール10全体が真円筒状に形成されることもできる)。
【0034】
このようなスプール10は、内部にパイプ形状の軸結合部13が軸方向に備えられ、前記シャフト11が軸結合部13を貫通して結合される。
【0035】
また、前記シャフト11の一側端にはCリングのような結束リング14によって支持キャップ15が結合され、圧縮スプリング16の一側端が前記支持キャップ15に支持され、圧縮スプリング16の他側端が前記可変式ブレーキ20に支持されることにより、前記可変式ブレーキ20がスプール10の方向に押圧される後進圧力を受ける。
【0036】
前記可変式ブレーキ20は、前記対面部21がフランジ形状に連結され、一側面(外側面)が開口した形態を有し、一側面の中央に軸挿入部22が突設され、これに前記シャフト11が貫通して結合され、可変式ブレーキ20の軽量化のために、複数の通孔23が放射状に配列されるように備えられる。
【0037】
一方、前記可変式ブレーキ20は、スプール10回転による遠心力の作用によってスプール10の軸方向に前後進することができるように、前記スプール10の一側開口部に結合される固定カム24と、前記可変式ブレーキ20の他側面(内側面)に結合される可変カム25とを含む。
【0038】
前記固定カム24と可変カム25とは噛合構造を有して互いに雌雄型に結合され、各接触面が互いに対応する所定の傾斜を有するように形成されたカム傾斜部241、251を有する。
【0039】
ここで、前記スプール10が加速回転すると、スプール10に固定された固定カム24の第1カム傾斜部241によって、可変式ブレーキ20に結合された可変カム25の第2カム傾斜部251が一側(外側)に押されることにより、前記可変式ブレーキ20が前記スプール10から遠ざかるように前進し、前記スプール10が減速回転すると、前記圧縮スプリング16の弾性力によって前記可変カム25が元の位置に後進して復帰する。
【0040】
ここで、前記可変式ブレーキ20の前進距離は、遠心力、すなわちスプール10の回転速度によって変わり、前記対面部21に作用するマグネット41の磁力の大きさが変化するので、スプール10の回転速度によって制動力が適切に調節される。
【0041】
前記スプールカバー30は、前記サイドカバー80に結合された状態で前記可変式ブレーキ20の対面部21を覆うことにより、スプール10及び可変式ブレーキ20の離脱を防止する。
【0042】
このようなスプールカバー30は中央の隔壁部によって区画され、両側面が開口したドラム形状になり、他側の開口した収容部31に前記マグネットホルダー40が装着される。
【0043】
このようなスプールカバー30は、前記収容部31の中央に軸設部32が突設されており、支持部材33及びベアリング34が前記軸設部32に装着され、前記シャフト11の一側端がベアリング34に挿入されて支持される。
【0044】
また、前記スプールカバー30は、前記マグネットホルダー40を覆うとともにスプールカバー30の他側開口部である収容部31に結合される固定プレート35をさらに含む。
【0045】
前記固定プレート35には前記ベアリング34が挿合され、前記マグネット41が装着される装着溝42の他側開口部を覆うことにより、前記マグネットホルダー40からマグネット41が離脱又は分離されることを防止する。
【0046】
一方、前記スプールカバー30の一側開口部には軸突部36が突設され、これに前記ダイヤルカム60が軸設され、スプールカバー30の隔壁部にはマグネットホルダー40の前後進方向にガイド溝が形成される。
【0047】
前記ガイド溝は、前記マグネットホルダー40の被押圧突起44が挿入される第1ガイド溝37と、前記マグネットホルダー40のガイド突部45が挿入される第2ガイド溝38とから構成される。
【0048】
ここで、前記ガイド突部45及び第2ガイド溝38の個数及び配置形態は多様に変更可能である。図面では、中央の被押圧突起44及び第1ガイド溝37を基準に両側にそれぞれガイド突部45及び第2ガイド溝38が備えられた実施例を確認することができる。
【0049】
次に、前記マグネットホルダー40は前記スプールカバー30の他側開口部でスプール10の軸方向と直交する方向にスライド移動するものである。図面には、半円弧形を有する2個のマグネットホルダー40が前記軸設部32を基準に対向するように結合されることにより、マグネット41が対面部21のように円形に配列される形態が代表的に示されているが、マグネットホルダー40の個数は変更可能である。
【0050】
このようなマグネットホルダー40は、外周面の一部が開口し、他側(内側)端部が開口した装着溝42が放射状に配列されて形成され、各装着溝42にマグネット41が挿合される。ここで、前記マグネット41の形態及び個数は限定されない。
【0051】
ただ、単一のマグネットホルダー40に複数のコイン型マグネット41を装着することができるようにすることにより、使用者別にマグネット41の個数を調節してセットすることができるようにすることが好ましい。
【0052】
また、前記マグネットホルダー40の内周面には、前記マグネット41の磁力が作用する円弧形プレート43が装着される。
【0053】
前記円弧形プレート43は、前記マグネット41との引力作用によって、各マグネット41の離脱を防止する。
【0054】
このような円弧形プレート43は金属材又は前記マグネット41と異なる極性のマグネットで形成され、各マグネット41がマグネットホルダー40の中央に向かって磁力方式で付着され、固定プレート35によって覆われることにより、装着溝42からマグネット41が離脱又は分離されることを防止する。
【0055】
また、前記マグネットホルダー40は、一側面から突出した被押圧突起44及びガイド突部45を含む。
【0056】
前記被押圧突起44は円棒の形状を有し、前記第1ガイド溝37を貫通して前記ダイヤルカム60の押圧溝部61に挿入され、前記ガイド突部45は長方形を有し、前記第2ガイド溝38に挿入されることにより、マグネットホルダー40の前後進を案内する。
【0057】
前記ダイヤルカム60は、回転の際、前記カム部(押圧溝部61)が前記被押圧突起44をスプール10の軸方向と直交する方向に押圧することにより、前記マグネットホルダー40を前後進させる。
【0058】
前記カム部は、前記ダイヤルカム60の他側面に円周方向に形成され、これに前記被押圧突起44が挿入され、一側端から反対側端まで前記ダイヤルカム60の中心部との距離が次第に増加するように形成されて前記被押圧突起44を押圧する押圧溝部61で構成される。
【0059】
このようなダイヤルカム60は前記スプールカバー30に収容されて軸設され、一側面(外側面)には前記操作ダイヤル70が結合されている。
【0060】
前記押圧溝部61は、前記ダイヤルカム60の平面を基準に、一側端がダイヤルカム60の中心部に近い位置に形成され、反対側端がダイヤルカム60の縁部に近い位置に形成される螺旋形(旋風形、渦巻形)のような形状に連結される。
【0061】
したがって、前記被押圧突起44が直線形の第1ガイド溝37を貫通して前記押圧溝部61に挿入されているので、前記ダイヤルカム60が回転すると、前記押圧溝部61に沿って前記被押圧突起44が直径方向に前後進することにより、前記マグネットホルダー40の位置が変更される。
【0062】
また、前記ダイヤルカム60は、前記押圧溝部61の内側中央に円周方向に複数のクリック溝62が形成され、前記スプールカバー30に備えられた弾性ピン(図示せず)が前記クリック溝62のうちのいずれか一つにかかる。
【0063】
次に、前記操作ダイヤル70は前記ダイヤルカム60に結合された状態で、前記サイドカバー80の回転孔を通して外部に露出されるように結合され、前記操作ダイヤル70の回転位置(角度)が分かるように、前記操作ダイヤル70の一側面(外側面)に記号や数字などからなる識別部71が円形に配列されて備えられ、前記回転孔の円周方向のいずれか一位置には表示子が形成されている。
【0064】
したがって、使用者は前記操作ダイヤル70にてダイヤルカム60を回転させて前記マグネットホルダー40の前後位置を調整することで、前記対面部21に対する前記マグネット41の位置、すなわち対面部21とマグネット41との間の距離を調整して、前記対面部21に作用する磁力、すなわち基本制動力の大きさを調整してセットすることができうる。
【0065】
このように、使用者に合う基本制動力をセットした状態でキャスティングが行われると、スプール10の回転速度によって前記可変式ブレーキ20の位置が変わり、それに対応する制動力が作用するので、キャスティングの際、バックラッシュ現象や飛距離減少現象が発生することを防止することができる。
【0066】
以上のような本発明の説明において、添付図面に基づいて特定の形状及び構造を有するラインガイド及び釣り用リールを主に説明したが、本発明は当業者によって多様な修正、変形及び置換が可能であり、それらの修正、変形及び置換も本発明の保護範囲に属するものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0067】
10 スプール
20 可変式ブレーキ
30 スプールカバー
40 マグネットホルダー
50 ロッキングレバー
60 ダイヤルカム
70 操作ダイヤル