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特開2024-89648取り外し可能な固定装置、組立キット及び対応する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089648
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】取り外し可能な固定装置、組立キット及び対応する方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/14 20060101AFI20240626BHJP
   B27C 3/00 20060101ALI20240626BHJP
   B23C 3/12 20060101ALI20240626BHJP
   A47B 47/04 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
F16B37/14 Z
B27C3/00
B23C3/12 C
A47B47/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023212909
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】FR2214110
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】523475550
【氏名又は名称】マッサオ コンボー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マッサオ コンボー
【テーマコード(参考)】
3B054
3C022
【Fターム(参考)】
3B054BA05
3B054BA10
3B054BA14
3C022DD03
(57)【要約】
【課題】第1の家具要素を第2の家具要素に取り外し可能に固定するための装置を改良する。
【解決手段】本発明は、第1の家具要素Aを第2の家具要素Bに取り外し可能に取り付けるための装置において、前記第1の家具要素Aは、前記第1の家具要素Aの外面に通じている第1の端部と、前記第2の家具要素Bに形成された穴8に面して位置するように構成された第2の端部とを備える貫通孔9と、前記貫通孔9は、第1の直径D1を有するボア1と、前記ボア1に連続して設けられかつ前記第1の直径D1よりも小さい第2の直径D2を有する間隙3と、前記ボア1を前記間隙3から分離する肩部2と、前記間隙3に連続して作られた皿穴4と、前記皿穴4に連続して設けられた通路5と、前記取り外し可能な固定装置は、少なくとも部分的に磁性材料から形成されたねじカバー6と、ねじ(ねじ頭部とねじ体を備える)とを備え、前記取り外し可能な固定装置は、少なくとも1つの解放位置と組立位置との間で移動可能である、装置に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の家具要素(A)を第2の家具要素(B)に取り外し可能に固定するための装置であって、
前記第1の家具要素(A)は、前記第1の家具要素(A)の外面に通じている第1の端部(90)と、前記第2の家具要素(B)に形成された穴(8)に面して位置するように構成された第2の端部とを備える貫通孔(9)備え、
前記貫通孔(9)は、
第1の直径(D1)を有するボア(1)と、
前記ボア(1)に連続して設けられかつ前記第1の直径(D1)よりも小さい第2の直径(D2)を有する間隙(3)と、
前記ボア(1)を前記間隙(3)から分離する肩部(2)と、
前記間隙(3)に連続して作られた皿穴(4)と
前記皿穴(4)に連続して設けられた通路(5)とを備え、
前記装置は、少なくとも部分的に磁性材料から形成されたねじカバー(6)と、ねじ頭部(71)及びねじ本体(70)を備えるねじ(7)とを備える、装置において、
前記装置は、少なくとも一つの解放位置と組立位置との間で移動可能であり、
前記ねじ(7)は前記貫通孔(9)に収容され、前記ねじ本体(70)は、前記通路(5)に部分的に収容されかつ前記第2の家具要素(B)の前記穴(8)に保持され、前記ねじ頭部(71)は前記皿穴(4)に収容され、
前記ねじカバー(6)は、前記第1の家具要素(A)の外面に連続して配置されるように前記肩部(2)に対して載置されかつ前記ねじ頭部(71)から離れている、取り外し可能な固定装置。
【請求項2】
前記ねじカバー(6)と前記ねじ頭部(71)は、0.5mm~3mmの距離だけ離間している、ことを特徴とする請求項1に記載の取り外し可能な固定装置。
【請求項3】
前記ねじ頭部(71)は、前記皿穴(4)の形状と相補的な円錐形状を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の取り外し可能な固定装置。
【請求項4】
前記ねじカバー(6)は、上側マスキング層を有しており、前記組立位置において、前記上側マスキング層は、前記第1の家具要素(A)の外面に連続して設けられている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の取り外し可能な固定装置。
【請求項5】
前記ねじ頭部(71)の第3の最大径(D3)は、前記ねじカバー(6)の第4の径(D4)よりも10%~40%小さい、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の取り外し可能な固定装置。
【請求項6】
第1の家具要素(A)と、穴(8)を備える第2の家具要素(B)とを備える家具組立キットであって、
前記第1の家具要素(A)は、前記第1の家具要素(A)の外面に通じている第1の端部(90)と、前記穴(8)に対向して配置されるように構成された第2の端部とを備える、貫通孔(9)を備え、
前記貫通孔(9)は、
第1の直径(D1)を有するボア(1)と、
前記ボア(1)に連続して設けられかつ前記第1の直径(D1)よりも小さい第2の直径(D2)を有する間隙(3)と、
前記ボア(1)を前記間隙(3)から分離する肩部(2)と、
前記間隙(3)に連続して作られた皿穴(4)と、
前記皿穴(4)に連続して設けられた通路(5)とを備え、
請求項1~5のいずれか一項に記載の、第1の家具要素(A)を第2の家具要素(B)に取り外し可能に固定するための装置をさらに備える組立キット。
【請求項7】
前記第1の家具要素(A)及び前記第2の家具要素(B)の少なくとも一方は、
木材、又は、
木材の派生物、からなる材料を備える、ことを特徴とする請求項6に記載の組立キット。
【請求項8】
前記組立キットは分解工具をさらに備える、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の組立キット。
【請求項9】
前記家具要素が穴(8)を備える、ことを特徴とする請求項6~8のいずれか一項に記載の家具組立キットのための家具要素(B)。
【請求項10】
前記第2の家具要素(B)の前記穴(8)に挿入されたねじ山付き金属インサートを更に備える、ことを特徴とする請求項9に記載の家具要素(B)。
【請求項11】
請求項6~8のいずれか一項に記載の家具組立キットの製造方法において、
前記製造方法は、
第5の直径(D5)で前記通路(5)を穿孔する段階と、
第2の直径(D2)で前記間隙(3)を穿孔する段階と、
前記皿穴(4)を得るためのフライス加工段階であって、前記皿穴は前記通路(5)と前記間隙(3)との間に位置し、前記皿穴は、前記通路(5)及び前記間隙(3)との間に連続性を形成する、フライス加工段階と、
第1の直径(D1)で前記ボア(1)を穿孔する段階と、
前記第2の家具要素(B)の前記穴(8)を第6の直径(D6)で穿孔する段階とを備える、製造方法。
【請求項12】
請求項6~8のいずれか一項に記載の家具組立キットの組立方法において、
前記組立方法は、
前記第2の家具要素(B)の前記穴(8)に対向して前記第2の端部が位置するように、前記第1の家具要素(A)及び前記第2の家具要素(B)を位置決めする段階と、
前記取り外し可能な固定装置を前記解放位置から前記組立位置に通す段階であって、前記組立位置において、前記ねじ(7)は前記貫通孔(9)に収容され、前記ねじ本体(70)は前記通路(5)に部分的に収容されかつ前記第2の家具要素(B)の前記穴(8)に保持され、前記ねじ頭部(71)は前記皿穴(4)に収容され、前記ねじカバー(6)が前記第1の家具要素(A)の外面に連続して配置されるように前記肩部(2)に対して載置される、段階とを備える、組立方法。
【請求項13】
請求項6~8のいずれか一項に記載の家具組立キットの分解方法において、
前記分解方法は、
前記ねじカバー(6)を分解用工具を用いて取り外す段階と、
前記ねじ(7)を緩める段階の内の少なくとも1つを備える、分解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭、オフィス、店舗、又は公共の建物などの私的、公的、又は専門的な環境の配置に関する、装備の分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、家具構造体を取り付けるように、第1の家具要素を第2の家具要素に取り外し可能に固定するための装置に関する。
【0003】
本発明は、また、家具組立キット、製造方法並びに上記家具組立キットを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0004】
家具の分野では、製造業者は、例えば、収納又は輸送の多くの制約を受け、それは、多くの場合、家具を組み立てるための、いくつかの要素から構成されているキットで販売し、次いで、キットが組み立てられて家具を形成し、そして、例えば、ワードローブ、引き出しのチェスト、棚、又は机を得る。特に取扱いや保護の実際的な理由により、この家具を、例えば移動する際に分解することは有用である。
【0005】
異なる家具要素を一緒に組み立てるためには、家具要素の少なくとも一つの中に少なくとも一つの貫通孔を形成し、家具要素の少なくとも他の一つの中に止まり穴又は開口としうる穴を形成し、次に、ねじによって第1の家具要素を第2の家具要素に接続し、この作業を数回繰り返して家具を得ることが知られている。これらのねじは、一旦貫通孔に挿入され、次いで締め付けられると、これら家具要素を一緒に保持することが可能となる。
【0006】
貫通孔の特定の端部及び特定のねじ頭部が見えるままになっている場合、ねじカバーによって、それらの少なくとも一部を外側から隠すことも知られている。
【0007】
このようなねじカバーは、一般に木製又はプラスチック製の栓であり、ねじ頭部を覆うように取り付けられ、ねじ頭部を越えて突出しないようにねじ頭部の凹部に接着されるか又は単純に固定されることが多い、家具要素の外面である。これらは、従来、摩擦又は接合の効果によってその位置に留まるように、貫通孔の端部における直径に実質的に等しい直径を有する。
【0008】
しかしながら、このようなねじカバーの欠点は、家具を組み立てる場合に、また家具を分解する場合にも、非専門のユーザにとって最適に挿入することが比較的困難であることであるということが分かっている。ねじカバーを挿入するために、ねじカバーの位置決めのための十分な空間を残すために、予めねじを最適に挿入する必要がある。したがって、予め穴をあけておき、ねじカバーが位置決めするのに十分な空間を持つように、ねじを十分奥まで差し込む必要があるということが分かっている。実際、もし我々がねじの穿孔の品質に頼るならば、ねじカバーが十分にうまく位置を決めるためには、穴は十分に規則的でなく正確なものにはならない。さらに、例えば家具を分解するために、緩めるべきねじにアクセスするためにねじカバーを取り外すことは、例えば穿孔によってねじカバーを破壊することなく比較的困難であるということが分かっている。さらに、ねじカバーを破壊する必要がない場合、ねじカバーを取り外すには、従来、ねじカバーにてこ作用を及ぼすように適切な工具を使用する必要があり、これは、貫通孔の端部の家具要素を損傷する重大なリスクをもたらす。
【0009】
他のねじカバーは、ねじ頭部にわたって取り付けられ、貫通孔の端部から突出し、家具要素の外面に突起を形成する。これにより、家具要素の損傷のリスクを制限しながら簡単に取り外すことができる。これらのねじカバーは、所定の位置に保持しうるように、ねじカバーの本体から延びてねじ頭部と協働する保持部を有し、接着によって、穴の円筒面上で摩擦によって、又は、ねじ頭部の凹部内への挿入によって保持される。
【0010】
しかし、このようなねじカバーの欠点は、家具要素の外面に形成された突起が物体の美観を歪め、所定の環境への挿入を妨げる可能性があることである。さらに、このようなねじカバーのもう一つの潜在的な欠点は、その取り外しが、ねじ頭部にくり抜かれた形状において詰まらされたままにしうる保持部分の部分での破損のリスクを生じさせるか、又は、接着による裂け目を生じるということである。その結果、ねじカバーは分解後に再使用できなくなる。
【0011】
他のねじカバーは、キャップと、例えばキャップに形成されたハウジング内に、キャップの内部に固定された磁石とを備え、存在する。
【0012】
しかしながら、このような不都合な点は、このような実施形態では、キャップ内に固定された磁石のサイズを最小限に抑える必要があり、従って、このようなねじカバーの磁気的な性能及びコンパクト性を最小限に抑える必要があり、このようなねじカバーの磁気的な保持が不満足であるということが分かっていることである。さらに、磁気性能の最小化に起因して、このようなねじカバーの潜在的な使用は制限される。というのは、小さなオリフィスのために、ねじカバーのサイズが小さくなり、磁石がさらに弱くなり、反対側のねじとの磁気引力の潜在性が不十分になるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、従来技術の欠点の少なくとも一部を解決する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第1の家具要素を第2の家具要素に取り外し可能に固定するための装置であって、
前記第1の家具要素は、前記第1の家具要素の外面に通じている第1の端部と、前記第2の家具要素に形成された穴に面して位置するように構成された第2の端部とを備える貫通孔を備え、前記貫通孔は、
第1の直径D1を有するボアと、
前記ボアに連続して設けられかつ前記第1の直径D1よりも小さい第2の直径D2を有する円筒形状を有する凹部と、前記ボアを前記凹部から分離する肩部と、
前記間隙に連続して作られた皿穴と、
前記皿穴に連続して設けられた通路とを備え、
前記装置は、少なくとも部分的に磁性材料から形成されたねじカバーと、ねじ頭部及びねじ本体を備えるねじとを備える、取り外し可能な固定装置において、
前記取り外し可能な固定装置は、少なくとも一つの解放位置と組立位置との間で移動可能であり、
前記ねじは、前記貫通孔に収容され、前記ねじ本体は、前記通路の部分で部分的に収容されかつ前記第2の家具要素の前記穴内に保持され、前記ねじ頭部は、前記皿穴の部分で収容され、
前記ねじカバーは、前記第1の家具要素の外面に連続して配置されるように前記肩部に対して載置されかつ前記ねじ頭部から離れている、装置に関する。
したがって、本発明は、実施される取り外し可能な固定装置が、ねじによって磁気的に引き付けられかつ肩部に対して支持されて配置されるという事実に起因して、挿入及び位置決めが容易であるねじカバーを備える、新規で独創的なアプローチを提案する。その結果、前記第1の家具要素の外面とに連続しておけるその配置は、作業者にとって困難又は障害なしに行われる。
【0015】
さらに、前記ねじカバーが前記ねじ頭部から離れた位置にあるという事実によって、ねじカバーとねじを引き付ける磁気力があまりにも大きくなりかつねじカバーの取り外しを損なう可能性を妨げる。
【0016】
さらに、このような取り外し可能な装置の取り外しは、ねじカバーがねじとねじカバーとの間に及ぼす磁気引力によって支持状態に保持されることに起因して、貫通孔の端部で家具要素又はねじカバー自体を損傷するリスクなしに行われる。
【0017】
このように、取り外し可能な固定装置は、組立や分解の際に何ら損傷を受けることがないという事実によって、再使用可能であるということが分かっている。
【0018】
さらに、この取り外し可能な固定装置は、組立又は分解中に家具要素にいかなる損傷も引き起こさない。更に、このような固定装置は、磁気要素がその中で固定されるであろうハウジングを備えたキャップを使用することを必要とせずに、2つの要素、即ち、磁気ねじカバー及びねじを必要とするだけである。これにより、磁性材料の体積を最大化することが可能となり、磁性材料の厚みを制限しつつ磁性材料の磁力を最大化しうる。
【0019】
これにより、また、コンパクトなねじカバーを実施することができ、ねじカバーの体積は、従来技術の取り外し可能なねじカバーと比較して大幅に低減される。
【0020】
本発明の特定の態様によれば、ねじカバーは、1片であり、磁性材料から形成される。
【0021】
本発明の特定の態様によれば、前記ねじは前記貫通孔に収容され、前記ねじ本体は通路の部分で前記貫通孔に部分的に収容され、前記第2の家具要素の前記穴にねじ込まれる。
【0022】
本発明の特定の態様によれば、前記第2の家具要素の前記穴は止まり穴である。
【0023】
本発明の少なくとも1つの実施形態の特定の態様によれば、前記ねじカバーと前記ねじ頭部は、0.5mm~3mmの距離だけ離れている。
【0024】
少なくとも1つの実施形態における特定の態様によれば、ねじカバーは、少なくとも部分的にネオジム磁石から作られる。
【0025】
実際、ねじカバーは、それを引きつけるねじに磁気的に保持できるように、2つの物体を引きつける磁力が十分に重要になるように、十分に強力な磁性材料で構成された磁石を備えなければならない。
【0026】
本発明の少なくとも1つの実施形態の特定の態様によれば、ねじ頭部は、皿穴の形状に相補的な円錐形状を有する。
【0027】
本発明の少なくとも1つの実施形態の特定の態様によれば、前記ねじカバーは、上側マスキング層を有し、組立位置で、前記上側マスキング層は、前記第1の家具要素の外面に連続して設けられる。
【0028】
本発明の少なくとも一実施形態の特定の態様によれば、前記ねじ頭部は、前記ねじカバーの第4の直径よりも10%~40%小さい第3の最大直径を有する。
【0029】
実際、ねじカバーがそれを引き付けるねじに磁気的に保持できるように、2つの本体を引きつける磁力が十分に大きくなるように、十分に大きく強力な磁石を備えなければならない。また、ねじカバーとねじ頭部との間隔は、ねじ留めによって、あるいはねじ戻しによってさえも、必然的に変化するので、その変化にかかわらず、磁力が十分であることが必要である。
【0030】
これにより、また、コンパクトなねじカバーを実施することを可能にし、その体積は、従来技術の取り外し可能なねじカバーと比較して大幅に低減される。
【0031】
本発明は、第1の家具要素を第2の家具要素に取り外し可能に固定するための装置であって、前記第1の家具要素は、前記第1の家具要素の外面に通じている第1の端部と、前記第2の家具要素に形成された穴に面して位置するように構成された第2の端部とを備える貫通孔を備え、前記貫通孔は、
第1の直径D1を有するボアと、
前記ボアに連続して設けられかつ前記第1の直径D1よりも小さい第2の直径D2を有する円筒形状を有する凹部と、前記ボアを前記凹部から分離する肩部と、
前記間隙に連続して作られた皿穴と、
前記皿穴に連続して設けられた通路とを備え、
前記装置は、上側マスキング層で覆われた磁性材料から形成された1片のねじカバーと、ねじ頭部とねじ本体を備えたねじとを備える、取り外し可能な固定装置において、
前記取り外し可能な固定装置は、少なくとも一つの解放位置と組立位置との間で移動可能であり、
前記ねじは、前記貫通孔内に収容され、前記ねじ本体は、前記通路の部分の部分で部分的に収容され、前記第2の家具要素の前記穴内に保持され、前記ねじ頭部は、前記皿穴の部分で収容され、
前記ねじカバーは、前記第1の家具要素の外面に連続して配置されるように前記肩部に対して載置されかつ前記ねじ頭部から離れている、装置に関する。
本発明は、また、第1の家具要素と、穴を備える第2の家具要素とを備える家具組立キットであって、前記第1の家具要素は、前記第1の家具要素の外面に通じている第1の端部と、前記第2の家具要素の前記穴に対向して配置されるように構成された第2の端部とを備える貫通孔を備え、前記貫通孔は、
第1の直径D1を有するボアと、
前記ボアに連続して設けられかつ前記第1の直径D1よりも小さい第2の直径D2を有する円筒形状を有する凹部と、前記ボアを前記凹部から分離する肩部と、
前記間隙に連続して作られた皿穴と、前記皿穴に連続して設けられた通路とを備え、
前記実施形態の1つに係る、第1の家具要素を前記第2の家具要素に取り外し可能に固定するための装置を更に備える組立キットに関する。
【0032】
本発明の少なくとも1つの実施形態の特定の態様によれば、前記第1の家具要素及び第2の家具要素のうちの少なくとも1つは、
木材、又は、
木材の派生物、からなる材料を備える。
【0033】
本発明の少なくとも1つの実施形態の特定の態様によれば、組立キットは、分解工具をさらに備える。
【0034】
本発明は、また、前述の実施形態の1つによる家具組立キット用の家具要素であって、穴を備える家具要素に関する。
【0035】
本発明の少なくとも1つの実施形態の特定の態様によれば、家具要素は、さらに、前記第2の家具要素の前記穴に挿入されたねじ山付き金属インサートを備える。
【0036】
本発明は、また、前述の実施形態の1つによる家具組立キットの製造方法であって、その製造方法は、
第5の直径で前記通路を穿孔する段階と、
第2の直径で前記間隙を穿孔する段階と、
前記皿穴を得るためのフライス加工段階であって、前記皿穴は前記通路と前記間隙との間に位置し、前記皿穴は、前記通路と前記間隙との連続性を形成する、段階と、
第1の直径で前記ボアを穿孔する段階と、
前記第2の家具要素の穴を第6の直径で穿孔する段階とを備える、製造方法に関する。
【0037】
これらの異なる段階は、好ましくは、ユーザによって規定されるように、逐次的に実行されることに留意されたい。しかし、代替例によれば、これらの異なる段階は、単一の操作で実施しうる。
【0038】
本発明は、また、前述の実施形態の1つに基づく家具組立キットの組立方法であって、組立方法は、
前記第2の家具要素の前記穴に対向して前記第2の端部が位置するように、前記第1の家具要素及び前記第2の家具要素を位置決めする段階と、
取り外し可能な固定装置を前記解放位置から前記組立位置に通す段階であって、前記組立位置において、前記ねじは、前記貫通孔内に収容され、前記ねじ本体は、前記通路の部分で部分的に収容されかつ前記第2の家具要素の前記穴内に保持され、前記ねじ頭部は、前記皿穴の部分で収容され、前記ねじカバーが前記第1の家具要素の外面に連続して配置されるように前記肩部に対して載置される、段階とを備える、組立方法に関する。
【0039】
本発明は、また、前述の実施形態の1つに係る家具組立キットを分解する方法であって、分解方法は、分解工具を用いてねじカバーを取り外す段階と、前記ねじを緩める段階の内の少なくとも1つを備える、分解方法に関する。
【0040】
本発明は、それが提示する種々の利点と同様に、その例示的かつ非限定的な実施形態、及び添付の図面の以下の説明に照らしてより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る貫通孔の斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る貫通孔の側断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る、取り外し可能な固定装置が組立位置にある家具組立キットの側断面図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態に係る家具組立キットの分解側断面図である。
図5図5は、本発明の第3の実施形態に係る家具組立キットの分解側断面図である。
図6図6は、本発明の第4の実施形態に係る家具組立キットの分解側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の一般原理は、ねじカバーとねじとを備える、再使用可能な取り外し可能な固定装置、及び、家具組立キットの実施に基づいている。ねじカバーは、容易に挿入及び位置決めができ、その取り外しは、家具要素を損傷するリスクなしに行われる。
【0043】
本明細書の記載の全体を通して、家具という用語は、空間又は場所を提供又は装飾するように、空間又は場所を配置する役割を果たすように使用される、個人的又は専門的な使用を目的とするあらゆる家具を示している。これは、例えば、家、事務所、店舗、又は公共の建物などの、私的、公的又は専門的な環境の配置のための家具としうる。
【0044】
ここで、図1図3に関連して、本発明の第1の実施形態を、単純な例示的かつ非限定的な実施形態として示す。
【0045】
本発明によれば、家具組立キットは、第1の家具要素Aと、第2の家具要素Bと、取り外し可能な固定装置とを備える。
【0046】
家具組立キットは、また、他の家具要素、例えば、家具要素Aと家具要素Bとの間に挿入される要素を有しうる点に留意すべきである。
【0047】
この取り外し可能な固定装置は、少なくとも部分的に磁性材料から形成されたねじカバー6と、ねじ頭部71及びねじ本体70を備えたねじ7とを備える。
【0048】
ねじは、本発明によるねじカバーと磁気的に相互作用しうるように、強磁性材料(鉄、ニッケル又はコバルトなど)を含まなければならないことに留意されたい。
【0049】
家具要素は、例えば、梁、垂直材、横断材、又は家具パネルとしうる。家具要素は、棚や家具のドアとしうる。
【0050】
本発明の一態様によれば、第1の家具要素A及び第2の家具要素Bのうちの少なくとも1つは、
木材、又は、
木材の派生物、からなる材料を備える。
提示される具体例において、両方の要素は木材を備える。
木材又は木材の派生物について、以下の材料、すなわち、
無垢材(硬材,solid wood)、
単層又は多層パネル化木材、接着ラミネート又はフィンガジョイント(BLC)、
合板又はスラット/集成合板、合板、集成木材等のベニヤ合板、
OSB、ベニヤ板、メラミン、ラミネートなどのパーティクルボード、
軟又は硬ファイバボード、中密度(MDF)又は高密度(HDF)、
セルラーパネル(パーティクルボード、MDF、ベニヤ板、化粧板等)、
化粧板(HPL)、
木材ポリマー複合パネル(WPC)、を特に考慮しうる。
【0051】
図示のように、第1の家具要素Aは、第1の家具要素Aの外面に通じている第1の端部90と、第1の家具要素Aと第2の家具要素Bとが互いに固定されるように配置されているときに、第2の家具要素Bに形成された止まり穴8である穴8に対向して配置される第2の端部とを備える貫通孔9を備えている。
【0052】
この貫通孔9は、図1及び図2により特に図示されているので、第1の家具要素Aに形成され、
直径D1を有するボア1と、
ボア1に連続して設けられかつ直径D1よりも小さい直径D2を有する円筒形状を有する間隙3と、ボア1を間隙3から分離する肩部2と、
間隙3に連続して作られた皿穴4と、
皿穴4に連続して作られかつ直径D5を有する、通路5とを備えている。
【0053】
止まり穴8に関しては、第2の家具要素Bに形成され、通路5の直径D5より小さい直径D6を有している。
【0054】
また、第2の家具要素Bは、ねじのねじ山と協働するように、穴8に挿入されるねじ山付き金属インサートを備えうる。
【0055】
第2の家具要素の穴は、また、単純な貫通孔とすることができ、ねじは、次いで、第1の家具要素及び第2の家具要素を通り、ナットなどの外部部品に取り付けられる。
【0056】
この場合、一実施形態では、この第2の家具要素の穴は、第1の家具要素の貫通孔の直径と実質的に等しい直径を有しうる。
【0057】
皿穴4は、ねじ頭部の円錐部を収容するものである。皿穴4の目的は、可能な限り多くの材料を保持することによって、ひいては、ねじ頭部の円錐形状を一致させることによって、締め付けの際のねじ7の貫通を制限することである。
【0058】
なお、皿穴4を間隙3に連続して実現することで、皿穴は埋め込まれると言われている。
【0059】
貫通孔9に関しては、例えば、以下の段階、すなわち、
直径D5で通路5を穿孔する段階と、
直径D2で間隙3を穿孔する段階と、
皿穴4を得るためのフライス加工段階であって、前記皿穴は前記通路5と前記間隙3との間に位置し、前記皿穴は前記通路5と前記間隙3との連続性を形成する、段階と、
直径D1でボア1を穿孔する段階とを備える家具組立キットの製造段階中に形成しうる。
【0060】
皿穴に間隙を追加する目的は、ボア内に現れる穴の直径を制限することであることに留意されたい。
【0061】
この通路の部分は、ねじのねじ山72の直径よりも僅かに大きい直径D5を有することが好ましく、これにより、ねじを挿入することにより、組み立てが容易になり、逆に分解が容易になり、ねじが通路内で塞がれるのを防止する。上述したように、取り外し可能な固定装置は、少なくとも部分的に磁性材料から形成されたねじカバー6と、ねじ頭部71とねじ山72を有するねじ本体70とを備えたねじ7とを備える。
【0062】
この実施形態において、ねじ7は、ねじ頭部が円錐形状を有するような、木ねじである。
【0063】
しかしながら、他の実施形態によれば、ねじは、別のタイプとしうる。
例えば、ねじは、
プラスターボードのねじ、
小ねじ、
板金ねじ、又は、
コンクリートねじ、などのねじの種類を予定している:。
【0064】
本発明によれば、取り外し可能な固定装置は、少なくとも一つの解放位置と組立位置との間で移動可能であり、
ねじ7は貫通孔9に収容され、ねじ本体70は通路5の部分で収容され、ねじ山72は止まり穴8に少なくとも部分的に収容されかつねじ込まれ、ねじ頭部71は皿穴4の部分で収容され、
ねじカバー6は、第1の家具要素Aの外面に連続して配置されるように、肩部2に対して載置される。
【0065】
解放位置では、ねじ7は貫通孔9に収容されず、ねじカバーは、肩部2に対して載置するように位置決めされない。この位置は、典型的には、一片の家具を組み立てる前又は分解した後の位置に対応する。
【0066】
取り外し可能な固定装置の解放位置から組立位置への通過は、貫通孔の第2の端部が第2の家具要素Bに形成された止まり穴に対向して配置されるように第1の家具要素A及び第2の家具要素家具Bを位置決めする段階に続いて、家具組立キットの組立段階中に行うことができる。
【0067】
次に、この家具組立キットを取り付ける方法は、
組立位置において、ねじ7が貫通孔9に収容され、ねじ本体70が通路5の部分で収容され、ねじ山72が止まり穴8に少なくとも部分的に収容されてねじ込まれ、ねじ頭部71が皿穴4の部分で収容され、
ねじカバー6が、第1の家具要素Aの外面に連続して配置されるように、肩部2に対して載置されるように、
取り外し可能な固定装置、解放位置から組立位置に通す段階を備える。
【0068】
換言すれば、取り外し可能な固定装置の解放位置から組立位置への通過は、ねじ7を第2の家具要素Bの止まり穴8にねじ頭部71が皿穴4に接触するまでねじ込み、ねじカバーが肩部に載置するようにねじカバーを位置決めすることによってなされる。
【0069】
ねじカバー6が肩部2に載置されるとき、ねじカバー6が第1の家具要素Aの外面に連続して配置されるように、ボア1の深さはねじカバー6の厚さに実質的に等しい。
【0070】
ボア1の直径D1は、例えば、ねじカバー6の直径D4に対する1%~15%の割合だけ非常に僅かに大きく、その結果、ねじカバー6の外側円筒面とボア1の内側円筒面との間に長時間の接触がなく、したがって、ねじカバーの取付又は取外しを損なうような摩擦がない。
【0071】
組立位置では、したがって、ねじ頭部71は、皿穴の部分で収容される。これを行うために、ここでは、ねじ頭部71は、皿穴4の形状に相補的な円錐形状を有する。ねじ頭部の一部、すなわち頂部すなわち上端も、間隙3の部分で収容される。
【0072】
この間隙3は、ねじカバー6よりも例えば10%~25%だけ小さい直径D2を有する。
【0073】
その直径D2も、例えばねじ頭部71の最大直径D3に対する1%~5%の割合だけ大きい。
【0074】
ねじ頭部71に関しては、また実施形態によっては、その最大径D3は、ねじカバー6の径D4よりも10%~40%、好ましくは15%~25%未満だけ小さい。
【0075】
ねじを締め付けるときに肩部2を損傷しないように、間隙3の直径D2は、ねじ頭部の最大直径D3よりも1%~5%の割合だけ僅かに大きいことに留意されたい。
【0076】
また、間隙3の深さは、ねじ7が締め付けられた状態にあるときに、ねじカバー6とねじ頭部が互いに接触しないように十分なものであり、すなわち、ねじの形状が何であれ、ねじカバー6が、肩部に載置されるときに組立位置でねじ頭部71から離れた位置にあることを意味する。
【0077】
この間隙の深さは、この実施形態では、ねじカバー6とねじ頭部71との間の距離よりも僅かに大きく、ねじがきつい状態にあるときにねじカバーとねじ頭部とが接触しないようにする。言い換えれば、ねじカバー6とねじ頭部71との間の距離は、間隙の深さよりも僅かに小さい。この実施形態では、ねじカバー6とねじ頭部71は、0.5mm~3mmの間の距離よりも僅かに小さい距離だけ離れている。
【0078】
代替の実施形態によれば、この間隙の深さは、実質的に、ねじカバーとねじ頭部との間の距離に対応しうる。
【0079】
このねじカバー6とねじ頭部71の間の空間は、別名ギャップと呼ばれるが、ねじカバー6及びねじ7を引き付ける磁力を制御することを可能にし、ねじカバーの容易な取り付け及び取り外しを保証する。したがって、ねじカバーをそのハウジング内に保持するのに必要な磁力を保証し、その一方で、その容易な取り外しを可能にする。
【0080】
また、この空間によって、ねじ頭部が衝突するねじカバーの取扱いや、壊れやすい磁性材料を有し衝撃に耐えられないねじカバーの取扱い時にも、劣化することはない。実際、ねじカバーを取り付ける際、ねじに激しく引き付けられる。ギャップを保証する肩部がないと、ねじカバーがねじにぶつかり、この衝撃によってねじカバーの磁性材料が損傷するリスクがある。
【0081】
さらに、ねじカバー6が組立位置で載置される肩部2のおかげで、ねじカバー6の位置は、磁気的に引き付けられるねじ7の位置とは無関係のままである。
【0082】
実際、締め付けた状態では、即ち、組立位置では、特に木材において、ねじ7の正確な位置を保証することは困難となり得る。いくつかの組立及び分解の後、上記解決法によって、ねじカバー6が同一平面にとどまることを可能にし、一方、ねじ7は、潜在的に、僅かに沈み続けることができる。したがって、これは、ねじ頭部を位置決めするための一定の許容誤差を提供する。
【0083】
最後に、上記の空間、つまりギャップがあると、ねじカバーを取り外しやすくなる。実際に、ねじカバーがねじに対して配置される場合、ねじカバーとねじを結びつける磁力は、接触していない場合よりもかなり大きい。
【0084】
本発明によれば、ねじカバーの取り外しは、分解工具を用いてねじカバー6を取り外す段階と、ねじ7を緩める段階の内の少なくとも1つを備えた家具組立キットの分解方法によって行われる。
【0085】
一実施形態によれば、分解工具は、組立中にねじカバーを所定の位置に入れるようにねじカバーを配向し、分解中にその完全性を維持しながらねじカバーを取り外すことを意図した少なくとも1つの磁気部分を有する工具である。
【0086】
より詳細には、一実施形態によれば、取り外し工具は、取り付けられた状態においてねじカバーに面する磁性材料の面の極性が、ねじカバーの外面の極性とは反対の極性となるように配向された磁性材料を備える。したがって、該当の2つの面は磁気的に互いに引き付け合う。
【0087】
この磁性材料は、例えば、ネオジム磁石としうる。
【0088】
分解工具が備える磁性材料は、例えばフェルトやシリコーンからなる減衰層で覆うことができ、この減衰層は、分解工具が備える磁性材料にねじカバーの外面が接触しないようにする機能を有する。
【0089】
ねじカバーを取り外す段階中では、分解工具はねじカバーの外面に押圧され、保護用クッションコーティングに引き付けられて押し付けられたままになっている。その後、ねじカバーの外面に不要な衝撃や傷が付くことなく、ねじカバーを取り出すことができる。
【0090】
逆に、家具組立キットの組立段階の間、そして、より正確には、ねじカバーを設置するとき、ねじカバーは分解工具上に置かれる。分解工具が備える磁性材料の極性により、ハウジング内に配置される前に、まだ移動可能であるねじカバーを正しく配向しうる。
【0091】
全てのねじカバーが同じ向きになるように、特にその後の分解工程を容易にする目的で、全てのねじカバーに同じ極性を与える必要がある。
【0092】
例えば、ねじカバーが備える磁気要素の正極は、アセンブリねじに系統的に向くことができ、その結果、ねじカバーの外面(潜在的に、美的コーティングで覆われる)は、この場合、系統的に負極である。
【0093】
ねじカバーに嵌め込まれる磁気要素は、例えばネオジム磁石とすることができ、ネオジム、鉄及びホウ素の合金で構成しうる。
【0094】
このような磁気要素は、好ましくは、磁極がこの磁気要素の円形表面上に位置するように軸線方向に磁化される。
【0095】
分解工具が減衰層を有しうるのと同様に、図示されていない実施形態によれば、ねじカバーは、上側マスキング層を有しうる。
【0096】
このようなマスク層は、例えば、ねじカバー又はねじさえも経時劣化の影響から保護するように、腐食に対する保護層を備えうる。また、それは、ねじカバーをよりよく見えるようにするか、又は家具要素の材料を模倣するか使用することによってそれを隠すことができるように、色付き又はテクスチャード加工された層を備えることができる。
【0097】
このような上側マスキング層は、また、特に、ねじカバーの磁極を識別するために、割出し要素として作用することもできる。なお、組立位置において、このような上側マスキング層は、第1の家具要素Aの外面に連続して設けられているので、本実施形態に係る取り外し可能な固定装置は、同様の利点を有することに留意されたい。
【0098】
ここで、図4図6において、異なるサイズのねじを使用し、第1の家具要素の貫通孔及び第2の家具要素の止まり穴のサイズが変わっている、本発明の3つの実施形態を示す。
【0099】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る家具組立キットの分解側面断面図であり、第1の家具要素A’が第2の家具要素B’に対して載置され、貫通孔9’が止まり穴8’と連続するようになっている。
【0100】
この実施形態では、ねじ7’は、約7.8mmの最大直径を有するねじ頭部を備え、ねじ頭部の円筒形部分の高さは、実質的に0.8mmに等しい。ねじ本体に関しては、2.4mmに実質的に等しい直径を有し、ねじ部分において最大直径は4mmに実質的に等しい。
【0101】
ねじカバー6’に関しては、この実施形態では、1.5mmと実質的に等しい高さに対して10mmと実質的に等しい直径を有する。
【0102】
図5は、本発明の第3の実施形態による家具組立キットの分解側面断面図であり、22.9cm(9インチ)の貫通孔9”が20.3cm(8インチ)の止まり穴8”と連続するように、第2の家具要素B”に対して載置している第1の家具要素A”を表す。
【0103】
この実施形態では、17.8cm(7インチ)のねじは、約5.8mmの最大直径を有するねじ頭部を備え、ねじ頭部の円筒形部分の高さは、実質的に0.5mmに等しい。ねじ本体に関しては、1.9mmと実質的に等しい直径を有し、ねじ部分において最大直径は3mmと実質的に等しい。
【0104】
15.2cm(6インチ)のねじカバーに関しては、この実施形態において、ねじカバーは、1.5mmと実質的に等しい高さで8mmと実質的に等しい直径を有する。
【0105】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る家具組立キットの分解側面断面図であり、貫通孔9”’が止まり穴8”’と連続するように第1の家具要素A”’が第2の家具要素B”’に載置されている点を表している。
【0106】
この実施形態では、ねじ7”’は、約18.5mmの最大直径を有するねじ頭部を備え、ねじ頭部の円筒形部分の高さは、実質的に1.5mmに等しい。ねじ本体に関しては、6.4mmに実質的に等しい直径を有し、ねじ部分における最大直径は10mmに実質的に等しい。
【0107】
ねじカバー6”’に関しては、この実施形態において、2mmに実質的に等しい高さを有し、22mmに実質的に等しい直径を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】