(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089654
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】光学的消去のための光生成器を有するデジタル検出器
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
G01T1/20 L
G01T1/20 E
G01T1/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023214504
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】2214164
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515004577
【氏名又は名称】トリクセル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バシェ,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ゼクニーニ,モハメド
(72)【発明者】
【氏名】チャラメッラ,フレデリク
(72)【発明者】
【氏名】シャラス,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】マゼル,フレデリク
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA03
2G188AA25
2G188BB02
2G188BB04
2G188CC12
2G188CC15
2G188CC22
2G188DD05
2G188FF30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光学的消去のための光生成器を有するデジタル検出器を提供する。
【解決手段】入射放射を検出するソリッドステートデジタル検出器に関し、検出器は、感光性センサ及び光生成器を有し、感光性センサは、マトリックスとして組織化された感光性要素を有し、光生成器は、感光性要素を光学的に消去することを目的としており、光生成器は、
-検出器の前部に対向する前面、前面とは反対側の後面、及び前面と後面の間において延在する少なくとも1つの側面を有する光ガイド42と、
-光ガイド42の横方向周囲に配置された少なくとも1つの光源41と
を有し、光生成器は、前記少なくとも1つの光源41が光ガイド42の面の少なくとも1つを通じて光を注入するように構成され、
前記光ガイド42は、前記少なくとも1つの光源41からの光を感光性要素のマトリックス全体にわたって分散させるように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射放射(100)を検出するソリッドステートデジタル検出器(10)であって、感光性センサ(30)及び光生成器(40)を有し、前記感光性センサ(30)は、マトリックスとして組織化された感光性要素(31)を有し、前記光生成器(40)は、前記感光性要素(31)を光学的に消去することを目的とする、検出器(10)において、
前記光生成器(40)は、
前記検出器(10)の前部に対向する前面、前記前面とは反対側の後面、及び前記前面と前記後面の間において延在する少なくとも1つの側面を有する光ガイド(42)と、
前記光ガイド(42)の横方向周囲に配置された少なくとも1つの光源(41)と
を有し、前記光生成器(40)は、前記少なくとも1つの光源(41)が前記光ガイド(42)の前記面の少なくとも1つを通じて光を注入するように構成され、
前記光ガイド(42)は、前記少なくとも1つの光源(41)からの光を前記感光性要素(31)のマトリックスの全体にわたって分散させるように構成される、デジタル検出器。
【請求項2】
前記光ガイド(42)は、前記感光性要素(31)のマトリックスに跨って均一な分布を実現するために、拡散テクスチャリングを有する、請求項1に記載のデジタル検出器。
【請求項3】
前記光ガイド(42)は、前記感光性要素(31)のマトリックスに跨って光の均一な分布を実現するために、その内側に適切に配置されたマイクロバブルの組を有する、請求項1又は2に記載の光検出器。
【請求項4】
前記感光性センサは、前記感光性要素(31)のマトリックスが配置される透明又は半透明基材(32)を有し、前記光ガイド(42)の前記前面は、前記基材(32)に対して圧接状態において配置される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデジタル検出器。
【請求項5】
前記光ガイド(42)は、好ましくは接着接合により、前記感光性センサ(30)の前記基材(32)に装着される、請求項4に記載のデジタル検出器。
【請求項6】
前記感光性センサは、前記感光性要素(31)のマトリックスが配置される透明又は半透明基材を有し、前記基材(32)は、前記光ガイド(42)を形成する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデジタル検出器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光源(41)は、前記光ガイド(42)の前記側面の少なくとも1つに対向するように配置
される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデジタル検出器。
【請求項8】
前記光生成器(40)は、前記少なくとも1つの光源(41)からの光を前記光ガイド(42)に向かって偏向させ得る少なくとも1つの反射部材(43)を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のデジタル検出器。
【請求項9】
前記反射部材(43)は、前記光ガイド(42)の前記面の1つに対向するように構成された少なくとも1つのジオプタ及び/又は少なくとも1つの反射器(44、45、46)を有する、請求項7に記載のデジタル検出器。
【請求項10】
前記光ガイド(42)は、少なくとも2つの相互に対向する側面を有し、前記光生成器(40)は、前記光ガイド(42)の前記側面の少なくとも1つに対して圧接状態において配置された少なくとも1つの横方向反射器(46)を有し、前記少なくとも1つの光源(41)は、好ましくは、前記横方向反射器(46)のものとは反対側の前記側面に対向するように配置される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のデジタル検出器。
【請求項11】
前記感光性要素(31)のマトリックスは、透明又は半透明基材(32)上に配置され、前記光ガイド(42)は、前記基材(32)の下流に配置され、前記基材(32)のものからオフセットされた横方向部分を有し、前記光生成器(40)は、前記光ガイド(42)の前記少なくとも1つのオフセットされた横方向部分の上部面のすべて又は一部分に対して圧接状態において延在する少なくとも1つの上部反射器(45)を有し、前記少なくとも1つの光源(41)は、前記光ガイド(42)の前記少なくとも1つのオフセットされた横方向部分の周囲に配置される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のデジタル検出器(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射コンバータと関連し得る感光性センサを有するソリッドステートX線放射検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
このような放射検出器は、例えば、アモルファスシリコンフォトダイオードから形成されたセンサが放射コンバータと関連付けられている、仏国特許第2803081号明細書に記述されている。
【0003】
感光性センサは、一般に、マトリックス中に配置されたソリッドステート感光性要素から製造される。感光性要素は、半導体材料から、CCD又はCMOSセンサの場合には単結晶シリコンから、或いは、多結晶又はアモルファスシリコンから、製造される。感光性要素は、少なくとも1つのフォトダイオード、フォトトランジスタ、又はフォトレジスタを有する。これらの要素は、一般にはガラスパネルである基材上に堆積される。
【0004】
これらの要素は、一般に、X線又はγ線のような非常に短い波長の放射に対する直接的な感度を有してはいない。これが、感光性センサが、発光物質の層を有するシンチレータスクリーンとも呼ばれる放射コンバータを自身と関連付けている理由である。この物質は、このような放射によって励起された際に、例えば、センサが感度を有する可視光又は可視に近接した光などの相対的に長い波長の放射を放出するプロパティを有する。放射コンバータによって放出された光は、センサの感光性要素を照明し、感光性要素が、光電気変換を実行し、及び、適切な回路によって使用され得る電気信号を供給する。
【0005】
取得される画像の品質を改善するために、「消去」ステップと呼ばれるものを画像キャプチャの前に実行することが知られており、感光性要素は、感光性要素の全体わたって均一に分散された光のフラッシュにより、光学的に消去される。
【0006】
現時点において、光のフラッシュは、検出器の裏面上に置かれた発光ダイオードのマトリックスから形成された光生成器によって取得される。慣例により、検出器の前面とは、X線放射に曝露される面に対して付与される名称であり、及び、後面とは、前面とは反対の面に付与される名称である。光のフラッシュの際に、発光ダイオードのマトリックスは、感光性センサの基材を形成したガラスパネルを通過し次いで感光性要素に到達する前に、感光性センサの上流に位置付けられる面において反射される可視放射を放出する。
【0007】
例えば、コンピュータ断層撮影におけるものなどのように、検出器が検査の際に運動するいくつかの医療撮像用途においては、光生成器と検出器の間に存在する空隙は、検出器の運動に伴って変化するその厚さを有し得る。この空隙の変動は、検出器からの画像上に光生成器のゴースト画像の形成をもたらし得る。発光ダイオード又はランプによって生成される光生成器の別の欠点は、このような生成器の厚さにある。また、検出器の後面上に、以下において略してOLEDと呼ばれる有機発光ダイオードの層を置くという試みも実施される。このタイプのダイオードは、2つの電極の間に配置されたルミネッセント材料の層の形態において生成され、これらの電極のうちの少なくとも1つは、層の外側における光の放出を許容するように透明である。OLEDの場合には、以下においてインジウムすず酸化物を意味するITOと呼ばれる、すずドーピングされたインジウム酸化物から製造された透明電極を使用することが知られている。このタイプの電極は、小さな表面積を有するOLED層の場合に、特に適する。実際に、ITOは、大きな抵抗率を有することが見出される。大きな表面積を有するOLED層の場合には、輝度が均一ではない。照明は、層の中心よりもエッジにおいて相対的に大きい。X線放射検出器は、必然的に大きいものであり、その理由は、その大きなエネルギーに起因してこのタイプの放射を合焦することが実際的に不可能であるからである。医療用放射線学においては、その寸法が過去において使用されていた銀フィルムのものに類似するデジタル検出器が製造される。その側部寸法が400mmを超過する検出器が一般に使用される。このような寸法の場合には、ITO電極を有するOLED層は、光の均一なフラッシュを生成するために使用可能とはならないであろう。更には、OLEDの充電/放電される高抵抗及び高静電容量にリンクされた大きな時定数が、大きなレートにおいて光の短いフラッシュを得ることに適合してはいない低速の応答時間を結果的にもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、均一に分散した光のフラッシュがピクセルをリセットすることを可能にするソリッドステートデジタル放射検出器を提案することにより、以上に引用される問題点のすべて又はいくつかを克服することを目的とする。本発明は、X線放射検出器の場合に、非常に興味深い。但し、例えば、γ放射などのその他のタイプの放射の場合にも、本発明を実装することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これを目的として、本発明は、入射放射を検出するためのソリッドステートデジタル検出器に関し、検出器は、感光性センサ及び光生成器を有し、感光性センサは、マトリックス中に配置された感光性要素を有し、光生成器は、感光性要素を光学的に消去することを目的とし、光生成器は、
- 検出器の前部に対向する前面、前面とは反対側の後面、及び前面と後面の間において延在する少なくとも1つの側面を有する光ガイドと、
- 光ガイドの横方向周囲に配置された少なくとも1つの光源と
を有し、及び、この場合に、光生成器は、前記少なくとも1つの光源が光ガイドの面の少なくとも1つを通じて光を注入するように構成され、
前記光ガイドは、前記少なくとも1つの光源からの光を感光性要素のマトリックス全体にわたって分散させるように構成される。
【0011】
本発明のデジタル検出器の構成は、有利には、光生成器の全体サイズを制限することを可能にする。従って、前記少なくとも1つの光源は、光ガイドの側面に対向するように又はこれらに近接するように配置される。光がガイド内において横方向において到来することから、感光性要素に到達するために移動する距離が増大し、これにより、感光性要素における光の拡散側面が改善され、及び、それぞれの光源からの光の弁別性が低減するか、又は場合によっては相殺される。また、本発明は、短いオン及びオフ時間を有する高周波数及び短い光パルスにおける検出器の動作を可能にする。
【0012】
また、本発明は、従来技術との比較において、光源の数及び関連する印刷回路のサイズの両方を低減することを可能にする。更には、印刷回路の表面積が低減されることから、これは、その変形の大幅な低減又は場合によってはその除去と、従って、画像内のアーチファクトの低減と、を実現する。また、この表面積の低減は、デジタル検出器が落下した場合の衝撃の可能性の低減をも可能にする。また、光源の交換も促進される。
【0013】
本発明の一実施形態において、光ガイドは、感光性要素のマトリックスに跨って光の均一な分散を実現するために、拡散テクスチャリングを有する。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、光ガイドは、感光性要素のマトリックスに跨って光の均一な分布を実現するために、その内側に適切に配置されたマイクロバブルの組を有する。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、感光性センサは、透明又は半透明基材を有し、その上部には、感光性要素のマトリックスが配置され、光ガイドの前面は、前記基材に対して圧接状態で配置される。
【0016】
光ガイドは、具体的には、好ましくは接着接合により、感光性センサの基材に装着される。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、感光性センサは、透明又は半透明基材を有し、その上部には、感光性要素のマトリックスが配置され、前記基材は光ガイドを形成する。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記少なくとも1つの光源は、光ガイドの側面の少なくとも1つに対向するように配置される。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、光生成器は、前記少なくとも1つの光源からの光を光ガイドに向かって偏向させ得る少なくとも1つの反射部材を有する。
【0020】
反射部材は、具体的には、光ガイドの面の1つと対向するように配置された少なくとも1つのジオプタ及び/又は少なくとも1つの反射器を有する。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、光ガイドは、少なくとも2つの相互に対向する側面を有し、この場合に、光生成器は、光ガイドの側面の少なくとも1つに対して圧接状態に配置された少なくとも1つの横方向反射器を有し、前記少なくとも1つの光源は、好ましくは、横方向反射器のものとは反対型の側面に対向するように配置される。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、感光性要素のマトリックスは、透明又は半透明基材上に配置され、光ガイドは、前記基材の下流に配置され前記基材のそれからオフセットされた横方向部分を有し、光生成器は、光ガイドの前記少なくとも1つのオフセットされた横方向部分の上部面のすべて又は一部分に対して圧接状態で延在する少なくとも1つの上部反射器を有し、前記少なくとも1つの光源は、光ガイドの前記少なくとも1つのオフセットされた横方向部分の周囲に配置される。
【0023】
本発明については、例としてのみ及び以下の添付の図面を参照して付与される以下の説明を参照した際に、更に十分に理解することができよう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明によるデジタル検出器の5つの構成(a~e)を示す。それぞれの構成は、断面図において示される。
【
図2】光生成器の第1構成による
図1aからのデジタル検出器の断面図を示す。
図2Aにおいては、光生成器は光源を有し、及び、
図2Bにおいては、光生成器は、2つの相互に対向する光源を有する。
【
図3】光生成器の第2構成による
図1aからのデジタル検出器の断面図を示す。
図3Aにおいては、光生成器は1つの光源を有し、及び、
図3Bにおいては、光生成器は、2つの相互に対向する光源を有する。
【
図4】光生成器の第3構成による
図1aからのデジタル検出器の断面図を示す。
図4Aにおいては、光生成器は1つの光源を有し、及び、
図4Bにおいては、光生成器は、2つの相互に対向する光源を有する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の実施形態は、例である。説明は、1つ又は複数の実施形態を参照するが、これは、必ずしも、それぞれの参照が同一の実施形態に関係すること又は特徴が単一の実施形態にのみ適用可能であることを意味するものではない。また、様々な実施形態の単純な特徴は、その他の実施形態を提供するために組み合わせられてもよく及び/又は相互交換されてもよい。
【0026】
本説明においては、例えば、第1反射器又は第2反射器などのように特定の要素又はパラメータをインデックス付けする可能性がある。このケースにおいては、これは、近接するが同一ではない要素、パラメータ、又は基準を弁別及び命名するという目的のための単純なインデックス付けである。このインデックス付けは、別のものに対する1つの要素、パラメータ、又は基準のなんらかの優先順位を意味してはおらず、及び、このような名称は、本説明の範囲を逸脱することなしに容易に相互交換され得る。また、このインデックス付けは、時間における任意の順序を意味するものでもない。
【0027】
本発明によるソリッドステートデジタル検出器1は、例えば、X線放射100などの自身が感度を有する入射放射に基づいて画像を形成することを可能にする。検出器10は、X線放射100を可視放射に変換するためのシンチレータスクリーン20と、シンチレータスクリーン20からの可視放射を画像を形成する電気信号に変換するための感光性要素31を有する感光性センサ30と、を有する。これに加えて、検出器は、センサ30の感光性要素31を光学的に消去することを目的とした光生成器40をも有する。
【0028】
検出器10は、その他のコンポーネントを有し得ることを理解されたい。
【0029】
本発明は、そのシンチレータスクリーン及びセンサ30が放射100を電気信号に直接的に変換することを伴うことなしに、デジタル検出器1において実装することができる。これを目的として、感光性センサ30は、入射X線放射100に対して直接的な感度を有する光電導体を有する。
【0030】
更に正確には、検出器10の動作の際には、画像を得るために、検出器10がX線放射100に曝露される画像キャプチャフェーズと、これに後続する感光性要素31のそれぞれからの電気信号が読み取られる読み出しフェーズと、次いで、感光性要素31のすべてが光生成器40によって均一に照明される光学消去フェーズと、最後に感光性要素31のすべてをリセットする電気的リセットフェーズと、から形成された一連の動作が実行される。
【0031】
慣例により、検出器10の前面は、X線放射100を最初に受け取る面として、及び、後面は、前面とは反対側に位置するものとして、定義される。また、互いとの関係における検出器10の様々なコンポーネントの相対位置も、X線放射の伝播の方向との関係において定義される。例えば、シンチレータスクリーン20は、感光性センサ30の上流に位置付けられ、その理由は、シンチレータスクリーン20が感光性センサ30よりも前にX線放射100を受け取るからであることに言及しておきたい。実際には、センサ30は、非常にわずかなX線放射100のみを受け取っており、その理由は、X線放射100のほとんどすべてがシンチレータスクリーン20によって可視放射に変換されるからである。また、上流及び下流の概念も、シンチレータスクリーン20がセンサ30の方向において放射する可視放射の伝播の方向に基づいて理解することができる。本発明に関連して、「上部」、「最上部」、「上流」、及び「前」という用語は同義語として、及び、「下部」、「下流」、「最下部」、及び「後」という用語も同義語として解釈されたい。
【0032】
シンチレータスクリーン20は、具体的には、感光性要素31との接触状態にある。シンチレータスクリーン20は、具体的には、ハロゲン化アルカリ金属又は希土類酸硫化物の族からの発光物質21を有する。発光物質21は、具体的には、ヨウ化ナトリウム結晶又はさもなければナトリウムドーピングされた又はタリウムドーピングされたヨウ化セシウム結晶などの蛍光結晶から構成される。
【0033】
追加されたシンチレータスクリーン構成と呼ばれる第1構成においては、発光物質21は、X線放射100がセンサ30に到達する前に通過しなければならない支持部22上に堆積される。次いで、組立体は、センサ30に接着接合される(
図1)。
【0034】
直接堆積構成と呼ばれる第2構成においては、センサ30が発光物質21用の支持部として機能しており、その結果、発光物質21は、センサ30との直接的な及び近接した接触状態にある。次いで、発光物質21は、保護シート23によってカバーされる。
【0035】
一実施形態において、支持部22又は保護シート23は、具体的には、透明又は半透明である。透明とは、その厚さを通じた物体の明瞭な弁別を可能にする要素を意味するものとして理解されたい。要素は、80%~99%の光透過を示す際に、透明であると見なすことができる。半透明とは、物体の明瞭な弁別を可能にすることなしに可視範囲内の光を通過させる要素を意味するものとして理解されたい。要素は、50%以上及び80%未満の光透過を示す際に、半透明であると見なすことができる。
【0036】
透明又は半透明となるように、支持部22又は保護シート23は、具体的には、ガラス又はプラスチックから製造される。例として、良好な透明性を示す及びこの目的に適し得るプラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルスチレンアクリレート、アクリロニトリルブタジエスチレン、又はさもなければ環状オレフィンコポリマー(COC)又は環状オレフィンポリマー(COP)などのアモルファスポリオレフィンである。これらの材料のそれぞれは、明らかに、その独自の既知の屈折率を有する。これらの材料のそれぞれ、並びに、更に詳しくはポリプロピレン、との関連において、当業者は、以上に定義される透明材料に対応する部材をこれらから判定する方法について認知する。
【0037】
一代替肢として、支持部22又は保護シート23は、不透明であり、及び、光生成器40からの光束を感光性要素31の方向において跳ね返すための反射器として機能することができる。具体的には、支持部22又は保護シート23は、アルミニウム又はチタニウムから製造することができる。
【0038】
支持部22又は保護シート23は、具体的には、感光性要素31のマトリックスに跨って光の均一な分散を実現するために、その下部表面上に拡散テクスチャリングを有することができる。前記テクスチャリングは、前記表面の艶消しされた外観に、凹入に、又はスクリーン印刷されたドットに、対応し得る。前記テクスチャリングは、具体的には、望ましい表面特性を得るために、制御された化学的浸食を通じて、機械的加工を通じて、又は局所化された堆積又はレーザーテクスチャリングなどの当業者には既知の任意のその他の技法を通じて、得ることができる。この場合にも、具体的には、支持部22又は保護シート23は、入射光の拡散の実現を可能にするために、その内側に適切に配置されたマイクロバブルの組を有することができる。この場合にも、具体的には、支持部22の又は保護シート23の下部表面は、その寸法及び/又は数が生成器40の少なくとも1つの光源41からの距離に伴って増大するスポットの組を有することができる。具体的には、スポットは円形である。本発明のこれらの態様は、以下において詳細に観察されることになるように、具体的には、生成器40の光ガイド42が支持部22又は保護シート23の上流に配置される際に又はさもなければこれらが光ガイド42を形成する際に、興味深い。
【0039】
感光性要素31は、マトリックスとして組織化され、具体的には基材32上に配置される。感光性要素31は、半導体材料から製造されていてもよく、これらは、具体的には、単結晶シリコン或いは多結晶又はアモルファスシリコンから、具体的には水素化アモルファスシリコンから、製造される。感光性要素31は、ギャップにより、基材32上に互いに離隔させることができる。感光性要素31の動作を許容する機能的コンポーネントを前記感光性要素を分離するギャップ内に配置され得る。機能的コンポーネントは、具体的には、同様に、基材32上に配置される。これらは、例えば、感光性要素31のそれぞれと関連するフォロワトランジスタ、読み出しトランジスタ、及びリセットトランジスタを含む。ピクセルは、感光性要素31及び関連する機能的コンポーネントによって形成された組立体を表記する。また、導電体も、ギャップ内において延在していてもよく、これにより、機能的コンポーネントを介して、様々な感光性要素31へのパワーの供給、その制御、及びその読取りを可能にする。
【0040】
感光性要素31は、基材32の上部表面のすべて又は一部分上に分散される。説明の残りの部分において、感光性要素を有する基材32の上部表面の領域を、「画像ゾーン」と呼ぶこととする。
【0041】
基材32は、具体的には、透明又は半透明であり、及び、具体的には、支持部22について先程列挙したもののうちから選択された組成を有する。
【0042】
基材32の下部表面は、具体的には、支持部22を参照して記述される拡散テクスチャリング及び/又はスポットの組を有することができる。また、基材32は、支持部22について上述したように、その内側においてマイクロバブルの組を有することもできる。本発明のこれらの態様は、具体的には、以下において詳細に観察されることになるように、生成器40の光ガイド42が基材32の背後に配置されるとき、又はさもなければ基材32が光ガイドとして機能するときに、関心の対象である。
【0043】
光生成器40は、少なくとも1つの光源41からの光を感光性要素31のすべてにわたって拡散させるように構成された光ガイド42内に可視、近紫外、又は近赤外光束を放出する少なくとも1つの前記光源41を有する。光ガイド42は、検出器の前部に対応する前面、前面の反対側の後面、及び前面と後面の間において延在する少なくとも1つの側面を有する。「近紫外光」及び「近赤外光」は、本発明においては、感光性要素31がこれに対して感度を有するように、可視ウィンドウに近接した、それぞれ、紫外内の又は赤外内の電磁波長を意味するものとして理解されたい。少なくとも1つの光源は、具体的には、0.2nm~1nmの波長範囲において放出する。
【0044】
前記少なくとも1つの光源41は、光ガイドの横方向周囲に、即ち、前記光ガイド42の側面の少なくとも1つとの接触状態において、又はこれに近接した状態において配置される。この配置は、検出器10の厚さとの関係における光生成器40の全体サイズの最適化の実現を可能にする。「近接」とは、本発明においては、前記少なくとも1つの光源41が、自身が光ガイド42内に光束を拡散させることを許容するガイド42の側面に近接した距離に配置されることを意味するものとして理解されたい。従って、本発明においては、少なくとも1つの光源41は、必ずしも光ガイド42の側面に対向するように配置される必要はなく、上方又は下方に配置され得る。
【0045】
少なくとも1つの光源41は、光ガイド42の少なくとも1つの側面のすべて又は一部分の周囲に配置される。光源41のすべては、具体的には、光ガイド42の1つの及び同一の側面に沿った又は光ガイド42の2つの対向する側面に沿った周囲に配置される。
【0046】
前記少なくとも1つの光源41は、具体的には、発光ダイオードである。前記少なくとも1つの光源41は、そのスイッチオン及びスイッチオフを管理する印刷回路基板47と関連付けられていてもよい。
【0047】
光生成器40は、具体的には、前記少なくとも1つの光源41からの光を光ガイド42に向かって偏向させ得る少なくとも1つの反射部材43を更に有することができる。従って、前記少なくとも1つの光源41からの光は、以下において詳細に観察されることになるように、光ガイド内において濃縮されていてもよく、光ガイド内において跳ね返されていてもよく、又は光ガイド42に向かってルーティングされていてもよい。この最後の態様は、前記少なくとも1つの光源41が、対向することなしに光ガイド42の側面の少なくとも1つに対して近接した状態において配置されるときに、特に関心の対象である。
【0048】
少なくとも1つの反射部材43は、具体的には、光ガイド42の面の1つに対向するように配置された少なくとも1つのジオプタ及び/又は少なくとも1つの反射器を有する。反射部材43は、具体的には、
-ガイド42の下部表面に対向するように配置された少なくとも1つの下部ジオプタ/反射器44、及び/又は、
-ガイド42の上部面に対向するように配置された少なくとも1つの上部ジオプタ/反射器45、及び/又は、
-ガイド42の側面又はその1つに対向するように配置された少なくとも1つの横方向ジオプタ/反射器46、
を有することができる。
【0049】
ジオプタの又は反射器44、45、46の表面は、平面であってもよく、及び/又は、対向するように配置されたガイド42の表面の形状に準拠していてもよい。一代替肢として、ジオプタの又は反射器44、45、46の表面は、対向する表面に対して傾斜していてもよく、この表面は、具体的には入射表面に対応する。特に、傾斜したジオプタ又は反射器44、45、46は、具体的には、対向するガイド42の表面との間に45°の角度を形成する。ジオプタ又は反射器44、45、46は、具体的には、対向するように配置されたガイド42の表面との接触状態にある。また、横方向ジオプタ又は反射器46は、具体的には、センサ30の、具体的には基材32の、側面及び/又はシンチレータスクリーン20の、具体的には、発光物質21の、側面に対向するように延在する。上部ジオプタ又は反射器45は、具体的には、以下に詳細に記述される光ガイド42のオフセットされた横方向部分上に配置される。ジオプタ又は反射器44、45、46が傾斜する際には、その結果、具体的には、前記光源がガイド42の側面に対向するように配置されていないとき、少なくとも1つの光源41からの光束を導波することが可能である。
【0050】
反射器44、45、46は、具体的には、最大反射の実現を可能にする白色反射表面を有する。また、反射器44、45、46は、ミラーであってもよい。
【0051】
光生成器40は、光束の拡散を改善するように、可視光束の少なくとも一部分が、具体的には前記少なくとも1つの反射部材43を介して、ガイド42に対して横断方向において到来するように構成することができる。
【0052】
光ガイドは、前記光源41が光束を放出する1つ又は複数の入射表面を有する。少なくとも1つの入射表面は、ガイド42の側面に対応し得る。一代替肢として、又はこれに加えて、少なくとも1つの入射表面は、上部表面の一部分に及び/又はガイド42の下部表面の一部分に対応し得る。
【0053】
更には、光ガイド42は、前記少なくとも1つの光源41からの光が離脱する少なくとも1つの出射表面を有する。本発明において、前記少なくとも1つの出射表面は、少なくとも感光性要素31に対向するように配置される。前記少なくとも1つの出射表面は、具体的には、ガイド42の上部表面に及び/又は下部表面に対応する。前記少なくとも1つの出射表面は、更には、光ガイドの側部表面の少なくとも1つに対応し得る。前記出射表面は、具体的には、連続表面である。出射表面が感光性要素31に対向するように配置されていないときは、これは、好ましくは、感光性要素31の照明を極大化させるために、光生成器40の反射部材43、検出器10のジオプタ又は反射器に対向しており、これにより、前記光が感光性要素31にルーティングされる又は戻されることを許容する。
【0054】
光ガイド42は、具体的には、ガイド42の少なくとも1つの出射表面の任意の地点において実質的に常に光束を分散させることを可能にする拡散ガイドである。
【0055】
これを目的として、光ガイド42は、具体的には、支持部22を参照して記述されるように、拡散テクスチャリング、マイクロバブルの組、及び/又はスポットの組を有することができる。前記拡散テクスチャリング及び前記スポットの組は、ガイド42の少なくとも1つの出射表面上に配置される。特に、これらは、少なくとも感光性要素31に対向する、及び任意選択によって少なくとも1つの反射部材43、具体的には下部反射器44にも対向する出射表面上に配置される。
【0056】
ガイド42の拡散態様との関係における様々な実施形態は、当然のことながら、互いに組み合わせることができる。
【0057】
光ガイド42は、具体的には、透明又は半透明であり、及び、具体的には、支持部22について列挙されるもののうちから選択された組成を有する。
【0058】
光ガイド42は、少なくとも上部及び/又は下部隣接要素の表面全体にわたって延在する。ガイド42は、具体的には、その上部表面及び下部表面が上方又は下方に配置される要素と少なくとも同一であるプレートの形態を有する。また、光ガイド42は、互いに平行にアライメントされた多数のファイバの形態を有することもできる。
【0059】
更には、光ガイド42は、上部隣接要素及び/又は下部隣接要素よりも大きな寸法を有することができる。従って、光ガイドは、センサ30の基材32の及び/又はシンチレータスクリーン20の周囲からオフセットされた少なくとも1つの横方向部分を有することができる。本発明のこの態様は、上部ジオプタ又は反射器45及び/又は下部ジオプタ又は反射器44を使用することにより、少なくとも1つの光源41に近接した状態における光逃避を極小化する又は場合によっては回避する及びガイドの内側において少なくとも1つの光源41からの光を濃縮することを可能にする。
【0060】
光ガイド42は、検出器10の内側において様々なレベルにおいて配置され得る。従って、検出器は、
- センサ30の基材32の直接下流に、
- 発光物質21と感光性要素31の間に、
- 保護シート23と発光物質21の間に、及び、
- 支持部22の又はシンチレータスクリーン20の保護シート23の上流に
配置され得る。
【0061】
基材32の、保護シート23の及び支持部22の組成は、光ガイドの位置と、少なくとも1つの光源41からの光束を透過するための又はさもなければ前記光束を跳ね返すためのニーズと、に基づいて容易に適合させることができる。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、光ガイド42は、感光性要素31に対向するその出射表面を介して隣接要素との接触状態にある。前記隣接要素は、センサの基材32、シンチレータスクリーンの発光物質21、シンチレータスクリーン20の支持部22、又はシンチレータスクリーン20の保護シート23であってよい。光ガイド42と隣接要素の間の空隙の欠如は、感光性要素31の方向における光の相対的に均一な拡散を許容する。光ガイド42は、感光性要素に対向するように配置されたその出射表面を介して、隣接要素に対して任意の手段によって装着することができる。従って、これは、光ガイド42が感光性要素に対向するその出射表面に隣接した要素の任意の変形に準拠した一体的構造を実現する。この態様は、具体的には、感光性要素31のすべてが少なくとも1つの光源41によって放出された光束の一部分を受け取り、それぞれの感光性要素31と光ガイド42の間の距離が固定された状態において留まることの保証を可能にする。光強度の局所的変動が1つ又は複数の感光性要素31において発生し得るという事実は、本発明においては問題にならない。
【0063】
この装着は、具体的には接着接合によって実現される。接着接合は、感光性要素31に対向する出射表面のすべて又は一部分にわたって実行することができる。接着接合は、具体的には、センサ30の画像ゾーンに対向する前記出射表面の領域内において又はさもなければこの画像ゾーンの外側において実行され得ると共に、従って、周囲接着接合に対応し得る。使用される接着剤は、具体的には、隣接要素のものよりも小さな屈折率を有しており、これにより、相対的に良好な光ガイダンスの実現を可能にすることができる。この態様は、接着剤がセンサ30の画像ゾーンに対向する前記出射表面の領域内に存在する際に、興味深い。
【0064】
また、更には、光ガイド42は、センサ30の基材32に、支持部22に、又はシンチレータスクリーン20の保護シート23に、また、シンチレータスクリーン20の発光物質21に対応し得る。
【0065】
また、光生成器40は、具体的には光ガイド42の出射表面又は出射表面の1つとの接触状態において光ガイド42と感光性要素31の間に構成されたディフューザ49を有することもできる。ディフューザ49の拡散側面は、具体的には、必要な変更を伴って適用可能である光ガイド42を参照して記述される様々な実施形態を介して実現される。ディフューザは、上述のように、透明又は半透明材料から製造される。
【0066】
図1a~
図1eは、検出器10のその他のコンポーネントとの関係における光ガイド42の配置の、本発明による5つの構成の例示を可能にする。これらの図において、その印刷回路を有する単一光源41は、より良いわかりやすさを目的として示される。光生成器40のその他の構成が可能であり、及び、具体的には
図2~
図4において示される。
【0067】
図1aは、支持部22、シンチレータ物質、感光性要素31、センサ30の基材32、光ガイド41、及び下部反射器44が検出器10の上流から下流において見出される第1構成を示す。従って、この構成においては、光ガイド41は、検出器10の後面の側に配置される。この構成においては、光ガイド42の出射表面は、少なくともその上部表面に対応する。従って、感光性要素31の光学消去のための光源41によって放出される光のフラッシュは、その上部表面を介してガイド42を離脱し、基材32を通過し、感光性要素31の間を通過し、その上流の面を介して感光性要素31に到達する前に、感光性センサ30の上流に位置付けられた面において反射される。更に正確には、光のフラッシュは、支持部22と発光物質の間のインターフェースにおける及び/又はシンチレータスクリーン20と感光性センサ30の間のインターフェースにおける屈折率の中断が存在する面において反射され得る。光ガイド42に沿って伝播するように、光のフラッシュは、下部反射器44において反射され、感光性要素31の後面において及び/又は光ガイド42とセンサ30の基材32の間のインターフェースにおいても反射され得る。従って、感光性要素31の後部表面は、可視光を反射することが可能であり得る。従って、これは、光源41からの光が感光性要素31のすべてに到達する可能性を増大させている。このケースにおいては、支持部22は、具体的には不透明材料から製造される。
【0068】
図示の構成においては、基材32は、生成器40によって放出された光を通過させるように、透明又は半透明であることを要する。
【0069】
この構成においては、光ガイド42は、具体的には、その上部表面を介してセンサ30の基材32との接触状態にあり、特に、これに対して接着接合される。
【0070】
下部反射器44は、ここでは、上部層及び感光性要素31に到達するように、ガイド42の下部表面を介して離脱する光を、ガイド42に向かって、具体的にはその上部面の方向において跳ね返すことができる。
【0071】
図1bは、支持部22、発光物質21、光ガイド42、及びセンサ30が検出器10の上流から下流において見出される第2構成を示す。この構成においては、光ガイド42の出射表面は、少なくともその下部表面に及びその上部表面に対応しており、これは、シンチレータスクリーン20からの光子が感光性要素31に到達することを許容する。従って、光源41によって放出された光のフラッシュは、光ガイド42の下部表面から感光性要素31に直接的に到達する。従って、この構成においては、反射部材43に対するニーズが存在していない。光ガイド42に沿って伝播するように、光のフラッシュは、光ガイド42とシンチレータスクリーン20の間のインターフェースにおいて及び/又は発光物質21と支持部22の間のインターフェースにおいて反射され得る。このケースにおいては、支持部22は、具体的には、不透明材料から製造される。光ガイド42は、具体的には、感光性要素31との接触状態にあり得る。有利には、この構成においては、これにより、感光性要素31に対する光の拡散が妨げられていない。
【0072】
図1cは、保護シート23、ガイド光42、発光物質21、及びセンサ30が検出器10の上流から下流において見出される第3構成を示す。この構成においては、光ガイドの出射表面は、少なくとも1つの下部表面に対応する。ここでは、生成器40によって放出された光のフラッシュは、その下部表面においてガイド42を離脱し、発光物質21を通過し、感光性要素31に到達する。
図1bにおいて示される第2構成と同様に、反射部材43は、この構成においては必ずしも必要ではない。光ガイド42に沿って伝播するように、光のフラッシュは、光ガイド42と保護シート23の間のインターフェースにおいて反射され得る。有利には、この構成においても同様に、感光性要素31に対する光の拡散は、これにより、妨げられていない。
【0073】
具体的には、光ガイド42は、具体的にはその下部表面を介して発光物質21との接触状態にあり、特に、これに対して接着接合される。
【0074】
図1d及び
図1eは、それぞれ、光ガイド42が検出器10へのインサートではない第4及び第5構成を示す。第4構成においては、光ガイド42として機能するのは、センサ30の基材32である。第5構成においては、光ガイド42として機能するのは、支持部22である。これらの構成は、光生成器40の全体サイズ及び検出器10の製造費用の低減を可能にするという点において有利である。
【0075】
第4構成においては、支持部22、発光物質21、センサ30、及び下部反射器44が検出器10の上流から下流において見出される。ここで、ガイド42の出射表面は、少なくとも基材32の上部表面に対応する。この構成においては、光源41によって放出された光のフラッシュは、第1構成と同様に、その上部表面を介して基材32を離脱し、感光性要素31の間を通過し、その上流面を介して感光性要素31に到達する前に、感光性センサ30の上流に位置付けられた面において反射される。更に正確には、光のフラッシュは、支持部22と発光物質の間のインターフェースにおける及び/又はシンチレータスクリーン20と感光性センサ30の間のインターフェースにおける屈折率の中断が存在する面において反射され得る。支持部22は、具体的には不透明材料から製造される。光ガイド42に沿って伝播するように、光のフラッシュは、下部反射器44によって反射されており、また、感光性要素31の後面においても反射され得る。従って、この構成においては、感光性要素31の後部表面も、可視光を反射することが可能であり得る。
【0076】
図示の構成においては、基材32は、生成器40の光源41によって放出された光を通過させるように、透明又は半透明であることを要する。
【0077】
第5構成においては、上部反射器45、支持部22、発光物質21、及びセンサ30が検出器10の上流から下流において見出される。ここで、ガイド42の出射表面は、少なくとも支持部22の下部表面に対応する。従って、光源41によって放出された光のフラッシュは、発光物質21の下部表面を介して感光性要素31に直接的に到達する。光ガイド42に沿って伝播するように、光のフラッシュは、上部反射器45と支持部22の間のインターフェースにおいて反射され得る。有利には、この構成においては、これにより、感光性要素31への光の拡散が妨げられていない。
【0078】
図示の構成においては、支持部22は、生成器40の光源41によって放出された光を通過させるように、透明又は半透明であることを要する。
【0079】
次に、
図1aに示される第1構成を参照して光生成器40の3つの構成を示す、
図2~
図4を参照されたい。但し、当業者は、ここで示される光生成器40の構成を、光ガイド42との関係において
図1b~
図1eに示される構成に容易に適合させる方法について認知することになろう。
図2~
図4に示される光ガイド42のそれぞれの構成ごとに、光ガイド42の側面の周囲において構成された単一光源41を有する一実施形態(A)と、更には、光ガイド42の2つの対向する側面の周囲に配置された2つの光源41を有する一実施形態(B)と、が示される。
【0080】
図2A及び
図2Bは、1つ又は複数の光源41がガイド42の側面との接触状態にあり、光ガイド42が基材32の及びシンチレータスクリーン20のものと同一の寸法の上部及び下部表面を有する第1構成を示す。光源41からの光束の光子の経路が示される。
【0081】
更に正確には、
図2Aにおいては、光生成器40は、
- 光ガイドの単一側面との接触状態において配置された1つ又は複数の光源と、
- センサ30の基材32の表面全体の下方において延在する、その下部表面上の複数のスクリーン印刷されたドット48の形態におけるテクスチャリングを有する光ガイドと、
- 基材32と光ガイド42の間において構成され、その下部表面上に凹入50の形態におけるテクスチャリングを有するディフューザ49と、
- 下部反射器44と、
- 少なくとも1つの光源41のものとは反対側のガイド42の側面に対して圧接状態に配置され、基材32の及び発光物質21のディフューザ49の側面に沿って延在する横方向反射器46と
を有する。
【0082】
図2Bにおいては、この構成は、横方向反射器46が1つ又は複数のその他の光源41によって置換されるという例外を伴って反復される。
【0083】
図3A及び
図3Bは、1つ又は複数の光源41がガイド42の側面との接触状態にあり、光ガイドが基材32の及びシンチレータスクリーン20のものよりも大きな寸法の上部及び下部表面を有する第2構成を示す。従って、光ガイドは、1つ又は2つのオフセットされた横方向部分を有する。光源41からの光束の光子の経路が示される。
【0084】
図3Aに示される実施形態は、
- 光ガイド42のオフセットされた横方向部分の単一側面との接触状態において配置された1つ又は複数の光源と、
- オフセットされた横方向部分を有するように、基材32のものよりも大きな寸法の上部及び下部表面を有する光ガイド42と、
- 下部反射器44と、
- 光ガイド42のオフセットされた横方向部分の上部表面に対して圧接状態において配置された上部反射器45と、
- 少なくとも1つの光源41のものとは反対側のガイド42の側面に対して圧接状態において配置され、基材32の及び発光物質21の側面に沿って延在する横方向反射器46と
を有する。
【0085】
図3Bにおいては、この構成は、横方向反射器46が、第1のものとは反対側の第2のオフセットされた横方向部分に配置され、第2横方向反射器46によってカバーされた、1つ又は複数の光源41によって置換されるという例外を伴って反復される。
【0086】
図4A及び
図4Bは、1つ又は複数の光源41がガイド42の側面の上方に配置される第3構成を示し、光ガイド42は、基材32の及びシンチレータスクリーン20のものよりも大きな寸法の上部及び下部表面を有し、横方向反射器46は、ガイド42のそれぞれの側面上に配置され、傾斜した上部反射器45は、前記ソース41からの光をガイド42の内側に向かって導波するように存在する。光源41からの光束の光子の経路が示される。
【符号の説明】
【0087】
10 ソリッドステートデジタル検出器
100 入射放射
30 感光性センサ
31 感光性要素
32 透明又は半透明基材
40 光生成器
41 光源
42 光ガイド
43 反射部材
44、45、46 ジオプタ及び/又は反射器
【外国語明細書】