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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089677
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20240627BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240627BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240627BHJP
   G06Q 30/01 20230101ALI20240627BHJP
【FI】
G07G1/06 B
G07G1/12 321Z
G07G1/01 301E
G06Q30/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205010
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】板倉 克幸
【テーマコード(参考)】
3E142
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E142DA03
3E142DA04
3E142DA07
3E142EA04
3E142FA50
5L030BB44
5L049BB44
(57)【要約】
【課題】分割会計に対応した明細付きの領収書を出力可能にする。
【解決手段】情報処理装置1は、一人当たりの予算額及び人数の情報の入力を受け付ける受付部(CPU21)と、受付部により受け付けられた一人当たりの予算額及び人数の情報に基づいて予算額(分割予算額)を算出する算出部(CPU21)と、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額を取得する第一取得部(CPU21)と、算出部により算出された予算額と、第一取得部により取得された会計金額とに基づいて、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象から分割対象を特定する特定部(CPU21)と、特定部によって特定された分割対象の提供に対する会計金額の明細を有する第1の伝票を生成する生成部(CPU21)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人当たりの予算額及び人数の情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた一人当たりの予算額及び人数の情報に基づいて予算額を算出する算出部と、
商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額を取得する第一取得部と、
前記算出部により算出された前記予算額と、前記第一取得部により取得された前記会計金額とに基づいて、前記複数の会計対象から分割対象を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記分割対象の提供に対する会計金額の明細を有する第1の伝票を生成する生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記予算額を超えないように前記複数の会計対象から分割対象を特定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記複数の会計対象のうち前記分割対象とならなかった会計対象の提供に対する会計金額の明細を有する第2の伝票を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の会計対象のそれぞれに優先順位を設定する設定部を備え、
前記特定部は、前記設定部により設定された優先順位に基づいて前記複数の会計対象から分割対象を特定する請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記複数の会計対象のそれぞれの金額に基づいて前記優先順位を設定する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定部は、前記複数の会計対象のそれぞれが属する部門に基づいて前記優先順位を設定する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記複数の会計対象の提供に対する会計金額の少なくとも一つが前記予算額に最も近くなるように分割対象を特定する請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記複数の会計対象のうちの特定品目の除外に関する除外情報を取得する第二取得部を備え、
前記特定部は、前記第二取得部により取得された前記除外情報に基づいて、前記特定品目を除外して、前記複数の会計対象から分割対象を特定する請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置のコンピューターを、
一人当たりの予算額及び人数の情報の入力を受け付ける受付部、
前記受付部により受け付けられた一人当たりの予算額及び人数の情報に基づいて予算額を算出する算出部、
商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額を取得する第一取得部、
前記算出部により算出された前記予算額と、前記第一取得部により取得された前記会計金額とに基づいて、前記複数の会計対象から分割対象を特定する特定部、
前記特定部によって特定された前記分割対象の提供に対する会計金額の明細を有する第1の伝票を生成する生成部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レシート分割機能を備えたPOSシステムが提案されている。
例えば、特許文献1には、金銭の受け渡しを含む支払いの操作を行うこと無しに、設定された分割金額を超える直前までの商品の合計金額でレシートを出力し、次に、分割金額を超える対象となった商品から別のレシートとして出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-236571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、分割会計に対応する領収書を発行する際に、当該領収書において会計の内容を示す明細を記載することが求められている。
しかし、特許文献1には、分割会計に対応する領収書の発行については記載がないため、上記要望を達成することはできない。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、分割会計に対応した明細付きの領収書を出力可能な情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、
一人当たりの予算額及び人数の情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた一人当たりの予算額及び人数の情報に基づいて予算額を算出する算出部と、
商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額を取得する第一取得部と、
前記算出部により算出された前記予算額と、前記第一取得部により取得された前記会計金額とに基づいて、前記複数の会計対象から分割対象を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記分割対象の提供に対する会計金額の明細を有する第1の伝票を生成する生成部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、分割会計に対応した明細付きの領収書を出力可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理装置の外観図である。
図2図1の情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】登録済画面の一例を示す図である。
図4】別々会計画面の一例を示す図である。
図5】会計分割処理を示すフローチャートである。
図6】会計分割設定画面の一例を示す図である。
図7】自動分割処理を示すフローチャートである。
図8】会計を分割する優先順位の一例を示す図である。
図9】分割済画面の一例を示す図である。
図10】決済画面の一例を示す図である。
図11】明細付き領収書の一例を示す図である。
図12】残商品画面の一例を示す図である。
図13】別々会計画面の一例を示す図である。
図14】変形例の会計分割設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0010】
<1.情報処理装置1の構成>
図1図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置1の構成について説明する。
情報処理装置1は、例えば、飲食店などに設置されるECR(Electronic Cash Resister)等であり、店員(オペレーター)の操作により顧客に販売した商品の金額、個数等の商品登録(売上登録)等を行う装置である。
【0011】
図1は、情報処理装置1を示す外観図である。
図1に示すように、情報処理装置1は、本体部201と、印刷部28と、ドロア29と、を備える。
本体部201は、タッチパネルとしての操作部22と、当該タッチパネルを表示画面上に設けた店員用の表示部24aと、顧客用の表示部24bと、を備える。
表示部24aは、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescent)ディスプレイ等で構成され、店員用の各種画面情報等を表示する。
表示部24bは、LCD、ELディスプレイ等で構成され、表示画面を顧客側又は店員側に回転可能であり、顧客用の商品の金額、合計金額等の情報を表示する。
【0012】
印刷部28は、ロール紙等の用紙に、レシートやレポートのデータ等を印刷するサーマルプリンタ等の印刷部である。
ドロア29は、現金、商品券等を格納する引き出しである。
本体部201と印刷部28及びドロア29とは、ケーブルを介した有線通信により通信接続されている構成とするが、これに限定されるものでなく、無線通信により通信接続されている構成としてもよい。
また、本体部201には、クレジットカードを読み出して電子決済を行うための電子決済部や、レーザスキャナ、イメージスキャナ等のスキャナ部等、他の装置を接続する構成としてもよい。
【0013】
次いで、図2を参照して、情報処理装置1の内部の機能構成を説明する。
図2は、情報処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図2に示すように、情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)21と、操作部22と、RAM(Random Access Memory)23と、ディスプレイとしての表示部24aと、表示部24bと、ROM(Read Only Memory)25と、通信部26と、記憶部27と、印刷部28と、ドロア29と、計時部30と、を備える。
【0015】
情報処理装置1の各部は、バス31を介して互いに接続されている。
図2において、印刷部28及びドロア29以外の各部は本体部201に備えられており、図1の本体部201と、印刷部28及びドロア29のそれぞれとの接続は、簡単のため、バス31を介する接続として表現している。
【0016】
CPU21は、情報処理装置1の各部を制御する。
CPU21は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM25から読み出してRAM23に展開し、展開されたプログラムとの協働で後述する会計分割処理をはじめとする各種処理を実行する。
【0017】
操作部22は、表示部24aの表示画面に設けられたタッチパネルであり、ユーザーからのタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置の位置情報をCPU21に出力する。
操作部22は、例えば、表示部24aの売上登録画面(図示省略)等に表示される数字キー、PLU(Price Look Up)キー、部門キー、仮締キー、小計キー、現金売り/預かり金キー(締めキー)等のソフトキーや、画面上に表示されたリスト等へのタッチ操作を受け付ける。なお、操作部22は、ハードキーを有する構成としてもよい。
【0018】
RAM23は、例えば、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。
【0019】
表示部24a,24bは、CPU21の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0020】
ROM25は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。
【0021】
通信部26は、ネットワークカード等により構成され、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワーク上の機器と情報の送受信を行う。
【0022】
記憶部27は、情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶部であり、バッテリーバックアップされたRAM、フラッシュメモリ等で構成される。
記憶部27には、売上データ、各種設定情報(例えば、後述する自動分割処理で用いられる優先順位設定情報)等が記憶される。
【0023】
印刷部28は、CPU21の制御により、レシート、レポート、電子ジャーナル等のデータを用紙に印刷する。印刷部28は、内部にカッターを備え、CPU21の制御に応じて、用紙をカットしながら印刷することができる。
ドロア29は、CPU21の制御により、例えば売上登録の締め時に、引き出しを開放する。
【0024】
計時部30は、リアルタイムクロックであり、現在日時を計時し、その現在日時情報をCPU21に出力する。
【0025】
<2.情報処理装置1の動作>
次に、顧客に販売した商品の決済に関する情報処理装置1の動作を説明する。
【0026】
CPU21は、売上登録画面において操作部22を介したオペレーターによる会計対象の商品の登録を受け付ける。
つまり、CPU21は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額を取得する。ここで、CPU21は第一取得部として機能する。
そして、CPU21は、登録された商品を表示する登録済画面41(図3参照)を表示部24aに表示する。
【0027】
図3に示すように、登録済画面41には、合計金額欄41a、商品一覧41b、別々会計ボタン41c等が設けられている。
CPU21は、合計金額欄41aにおいて、登録された商品の合計金額を表示する。
また、CPU21は、商品一覧41bにおいて、登録された商品の商品名、個数、商品ごとの合計金額を一覧で表示する。
【0028】
CPU21は、登録済画面41において、オペレーターから別々会計ボタン41cが押下されると、別々会計画面42(図4参照)を表示部24aに表示する。図4に示すように、別々会計画面42には、会計分割ボタン42a等が設けられている。
そして、CPU21は、別々会計画面42において、オペレーターから会計分割ボタン42aが押下されたことをトリガとして、会計分割処理を実行する。
図5は、会計分割処理を示すフローチャートである。
会計分割処理は、CPU21と、ROM25に記憶されている会計分割プログラム(図示省略)との協働により実行される。
【0029】
(会計分割処理)
図5に示すように、まず、CPU21は、表示部24aに会計分割設定画面43(図6参照)を表示する(ステップS1)。
【0030】
図6に示すように、会計分割設定画面43には、一人予算入力欄43a、人数入力欄43b、除外品目設定ボックス43c、実行ボタン43d、破棄ボタン43e等が設けられている。
【0031】
次いで、CPU21は、会計分割設定画面43において、オペレーターによる会計分割設定の入力を受け付ける(ステップS2)。
具体的には、CPU21は、一人予算入力欄43aにおいて、一人当たりの予算額の設定を受け付ける。
また、CPU21は、人数入力欄43bにおいて、人数の設定を受け付ける。
つまり、CPU21は、一人当たりの予算額及び人数の情報の入力を受け付ける。ここで、CPU21は受付部として機能する。
【0032】
また、CPU21は、除外品目設定ボックス43cにおいて、分割する会計から特定品目(例えば、アルコール類、お土産品等)を除外するか否かの設定を受け付ける。特定品目を分割する会計から除外する場合、オペレーターは、除外品目設定ボックス43cにチェックを入れる。
つまり、CPU21は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のうちの特定品目の除外に関する除外情報を取得する。ここで、CPU21は第二取得部として機能する。
なお、CPU21は、会計分割設定画面43において、除外品目のリストを表示し、オペレーターによる除外品目の選択を受け付けてもよい。
【0033】
また、CPU21は、一人予算入力欄43aにおいて受け付けた「一人当たりの予算額」に、人数入力欄43bにおいて受け付けた「人数」を乗算した金額を分割予算額として算出する。
つまり、CPU21は、受付部として受け付けた一人当たりの予算額及び人数の情報に基づいて予算額(分割予算額)を算出する。ここで、CPU21は算出部として機能する。
そして、CPU21は、図6に示すように、会計分割設定画面43に分割予算額43fを表示する。図6に示す例においては、分割予算額は、9,500円(1,900円×5人)である。
【0034】
次いで、CPU21は、会計分割設定画面43において、オペレーターにより実行ボタン43dが押下されたか否かを判断する(ステップS3)。
【0035】
実行ボタン43dが押下されたと判断した場合(ステップS3;YES)、CPU21は、ステップS2において受け付けた会計分割設定に基づいて、自動分割処理を実行する(ステップS4)。
図7に、自動分割処理のフローチャートを示す。
【0036】
(自動分割処理)
まず、CPU21は、記憶部27に記憶された優先順位設定情報に基づいて、会計対象として登録された商品の優先順位を設定する(ステップA1)。
つまり、CPU21は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のそれぞれに優先順位を設定する。ここで、CPU21は設定部として機能する。
ここで、優先順位設定情報が、金額が高い順に優先順位を設定することを示す場合、CPU21は、図3において登録済みである商品に、図8に示すように、上から金額が高い順になる様に優先順位を設定する。
【0037】
次いで、CPU21は、優先順位1位の商品の金額は、ステップS2において設定を受け付けた分割予算額内か否かを判断する(ステップA2)。
優先順位1位の商品の金額が分割予算額内である場合(ステップA2;YES)、例えば、優先順位1位の商品の金額が図8に示すように、7,500円(商品名1)であり、分割予算額が図6に示すように、9,500円である場合である。この場合、CPU21は、優先順位1位の商品(図8では、商品名1)は除外品目設定ボックス43cにおいて除外する特定品目として設定されているか否かを判断する(ステップA3)。
優先順位1位の商品が除外する特定品目として設定されていない場合(ステップA3;NO)、CPU21は、当該優先順位1位の商品の会計を分割する(ステップA4)。
【0038】
次いで、CPU21は、優先順位の次の商品の会計を分割した場合、分割した商品の合計金額である合計分割金額は分割予算額内か否かを判断する(ステップA5)。
優先順位の次の商品の会計を分割した場合の合計分割金額が分割予算額内である場合(ステップA5;YES)、例えば、優先順位の次の商品の金額が図8に示すように、1,750円(商品名2)であって、合計分割金額が9,250円(7,500円+1,750円)であり、分割予算額(9,500円)内である場合である。この場合、CPU21は、優先順位の次の商品(図8では、商品名2)は除外品目設定ボックス43cにおいて除外する特定品目として設定されているか否かを判断する(ステップA6)。
優先順位の次の商品が除外する特定品目として設定されていない場合(ステップA6;NO)、CPU21は、当該優先順位の次の商品の会計を分割し(ステップA7)、本処理をステップA5に移行する。そして、CPU21は、優先順位のさらに次の商品(図8では、商品名4)の会計を分割した場合、合計分割金額は分割予算額内か否かを判断する。
【0039】
一方、優先順位1位の商品の金額が分割予算額内でない場合(ステップA2;NO)、優先順位1位の商品が除外する特定品目として設定されている場合(ステップA3;YES)、または優先順位の次の商品が除外する特定品目として設定されている場合(ステップA6;YES)、CPU21は、本処理をステップA5に移行する。
【0040】
また、優先順位の次の商品の会計を分割した場合に、合計分割金額が分割予算額内でない場合(ステップA5;NO)、CPU21は、優先順位の次の商品がステップA1で設定した優先順位における最後の商品か否かを判断する(ステップA8)。
優先順位の次の商品が最後の商品である場合(ステップA8;YES)、CPU21は、本処理を終了する。
一方、優先順位の次の商品が最後の商品でない場合(ステップA8;NO)、CPU21は、本処理をステップA5に移行する。そして、CPU21は、優先順位のさらに次の商品(図8では、商品名4)の会計を分割した場合、合計分割金額は分割予算額内か否かを判断する。
【0041】
上記のように、自動分離処理において、CPU21は、算出部として算出した予算額(分割予算額)と、第一取得部として取得した会計金額とに基づいて、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象から分割対象を特定する。ここで、CPU21は特定部として機能する。
【0042】
なお、図8では、優先順位設定情報は、金額が高い順に優先順位を設定することを示すとしたがこれに限らない。
優先順位設定情報が示す優先順位は、商品が属する部門(例えば、メイン料理、前菜、デザート等)順、税率順などであってもよい。
また、優先順位設定情報が示す優先順位は予め一つに設定されていても良いし、上記のような複数の優先順位パターンからオペレーターが会計時に選択できる構成であってもよい。
【0043】
図5に戻り、実行ボタン42dが押下されないと判断した場合(ステップS3;NO)、CPU21は、オペレーターにより破棄ボタン42eが押下されたか否かを判断する(ステップS5)。
破棄ボタン42eが押下されないと判断した場合(ステップS5;NO)、CPU21は、本処理をステップS3に移行する。
【0044】
一方、破棄ボタン42eが押下されたと判断した場合(ステップS5;YES)、CPU21は、操作部22を介したオペレーターによる商品の手動分割操作を受け付け(ステップS6)、本処理をステップS7に移行する。
【0045】
ステップS4後、またはステップS6後、CPU21は、分割済画面44(図9参照)を表示部24aに表示する(ステップS7)。
図9に示すように、分割済画面44には、合計分割金額欄44a、分割商品一覧44b、残商品一覧44c、支払いボタン44d等が設けられている。
CPU21は、合計分割金額欄44aにおいて、ステップS4、またはステップS6において会計が分割された商品の合計分割金額を表示する。
また、CPU21は、分割商品一覧44bにおいて、ステップS4、またはステップS6において会計が分割された商品の商品名、個数、商品ごとの合計金額を一覧で表示する。
また、CPU21は、登録された商品から、ステップS4、またはステップS6において会計が分割された後の残りの商品の商品名、個数、商品ごとの合計金額を一覧で表示する。
【0046】
次いで、CPU21は、分割済画面44において、オペレーターにより支払いボタン44dが押下されたか否かを判断する(ステップS8)。
支払いボタン44dが押下されない場合(ステップS8;NO)、CPU21は、本処理をステップS8に移行する。
【0047】
一方、支払いボタン44dが押下された場合(ステップS8;YES)、CPU21は、決済画面45(図10参照)を表示部24aに表示し、オペレーターによる締め操作を受け付ける(ステップS9)。
ここで、締め操作とは、現金による決済の場合には、図10に示す現金決済ボタン45a、クレジットカードによる決済の場合には、クレジット決済ボタン45b、また、商品券による決済の場合には、商品券決済ボタン45cを選択する操作である。
【0048】
次いで、CPU21は、会計が分割された商品に対して、ステップS9において受け付けた締め操作に基づいた決済を実行する(ステップS10)。
次いで、CPU21は、分割した会計の内容が記載された明細付き領収書を印刷部28により印刷させる(ステップS11)。
つまり、CPU21は、特定部として特定した分割対象の提供に対する会計金額の明細を有する第1の伝票を生成する。ここで、CPU21は生成部として機能する。
なお、ステップS11において、CPU21は、分割した会計の内容が記載された明細付き領収書を印刷させるとしたが、これに限らない。CPU21は、分割した会計の内容が記載された請求書や支払明細書を印刷させてもよい。
つまり、第1の伝票は、領収書、請求書及び支払明細書等を含む。
【0049】
図11に、ステップS11において出力する明細付き領収書50の一例を示す。
図11に示すように、明細付き領収書50は、明細領域51及び領収書領域52を有する。
明細領域51には、会計を分割した各商品の商品名、個数、単価、商品ごとの合計金額、合計分割金額、計時部30により計時された領収書を出力した日時等が記載される。
領収書領域52には、合計分割金額等が記載される。
【0050】
次いで、CPU21は、会計対象として登録された商品のうち、ステップS10において決済されていない商品はあるか否かを判断する(ステップS12)。
未決済の商品がない場合(ステップS12;NO)、CPU21は、本処理を終了する。
【0051】
一方、未決済の商品がある場合(ステップS12;YES)、CPU21は、未決済の商品を表示する残商品画面46(図12参照)を表示部24aに表示する(ステップS13)。
図12に示すように、残商品画面46には、残商品合計金額欄46a、残商品一覧46b、別々会計ボタン46c等が設けられている。
CPU21は、残商品合計金額欄46aにおいて、未決済の商品の合計金額を表示する。
また、CPU21は、残商品一覧46bにおいて、未決済の商品の商品名、個数、商品ごとの合計金額を一覧で表示する。
【0052】
次いで、CPU21は、残商品画面46において、オペレーターから別々会計ボタン46cが押下されたか否かを判断する(ステップS14)。
別々会計ボタン46cが押下されない場合(ステップS14;NO)、CPU21は、残商品画面46において締め操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS15)。
締め操作を受け付けていない場合(ステップS15;NO)、CPU21は、本処理をステップS14に移行する。
【0053】
一方、締め操作を受け付けた場合(ステップS15;YES)、CPU21は、未決済の商品に対して、ステップS15において受け付けた締め操作に基づいた決済を実行する(ステップS16)
次いで、CPU21は、ステップS16における決済の内容が記載された明細付き領収書を印刷部28により印刷させ(ステップS17)、本処理を終了する。
つまり、生成部としてのCPU21は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のうち分割対象とならなかった会計対象の提供に対する会計金額の明細を有する第2の伝票を生成する。
ここで、第2の伝票は、第1の伝票と同様に、領収書、請求書及び支払明細書等を含む。
【0054】
また、別々会計ボタン46cが押下された場合(ステップS14;YES)、CPU21は、別々会計画面47(図13参照)を表示部24aに表示する。図13に示すように、別々会計画面47には、会計分割ボタン47a等が設けられている。
そして、CPU21は、別々会計画面47において、オペレーターから会計分割ボタン47aを押下されたか否かを判断する(ステップS18)。
会計分割ボタン47aが押下された場合(ステップS18;YES)、CPU21は、本処理をステップS1に移行する。そして、未決済の商品に対してさらに会計の分割処理(ステップS4またはステップS6)が行われる。
【0055】
一方、会計分割ボタン47aが押下されない場合(ステップS18;NO)、CPU21は、本処理をステップS6に移行する。
【0056】
(変形例)
次に、本発明の変形例について説明する。なお、変形例においては、上記実施形態と同様の構成に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
本変形例の会計分割設定画面43A(図14参照)には、分割予算額入力欄43Aa、除外品目設定ボックス43Ab、実行ボタン43Ac、破棄ボタン43Ad等が設けられている。
【0058】
本変形例の会計分割処理ステップS2において、CPU21は、会計分割設定画面43Aにおいて、オペレーターによる会計分割設定の入力を受け付ける。
具体的には、CPU21は、分割予算額入力欄43Aaにおいて、会計を分割するための分割予算額の設定を受け付ける。
また、CPU21は、除外品目設定ボックス43Abにおいて、特定品目(例えば、アルコール類、お土産品等)を分割する会計から除外するか否かの設定を受け付ける。特定品目を分割する会計から除外する場合、オペレーターは、除外品目設定ボックス43Abにチェックを入れる。
【0059】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態の自動分割処理において、特定部としてのCPU21は、合計分割金額が分割予算額に最も近くなるように分割する商品を選択して、会計を分割してもよい。具体的には、図8に示す例において、分割予算額が8,000円であるとすると、CPU21は、優先順位1位の商品及び優先順位5位の商品を分割するとする。この場合、合計分割金額は8,000円(7,500円+500円)であり、分割予算額に最も近くなる。
この場合、必ずしも分割予算金額内である必要がなく、分割予算金額を多少上回っても良い。
つまり、特定部としてのCPU21は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額の少なくとも一つが予算額(分割予算額)に最も近くなるように分割対象を特定する。
【0060】
<3.効果>
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、一人当たりの予算額及び人数の情報の入力を受け付ける受付部(CPU21)と、受付部により受け付けられた一人当たりの予算額及び人数の情報に基づいて予算額(分割予算額)を算出する算出部(CPU21)と、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額を取得する第一取得部(CPU21)と、算出部により算出された予算額と、第一取得部により取得された会計金額とに基づいて、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象から分割対象を特定する特定部(CPU21)と、特定部によって特定された分割対象の提供に対する会計金額の明細を有する第1の伝票を生成する生成部(CPU21)と、を備える。
したがって、会計を分割した場合においても、会計の内容を示す明細が記載された第1の伝票(領収書)を生成できる。つまり、分割会計に対応した明細付きの領収書を出力可能である。
【0061】
また、情報処理装置1において、特定部(CPU21)は、予算額(分割予算額)を超えないように、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象から分割対象を特定する。
したがって、分割予算額内で会計を分割できる。
【0062】
また、情報処理装置1において、生成部(CPU21)は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のうち分割対象とならなかった会計対象の提供に対する会計金額の明細を有する第2の伝票を生成する。
したがって、分割した後の残りの商品及び/またはサービスを含む会計対象に対しても、明細付きの領収書を出力可能である。
【0063】
また、情報処理装置1は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のそれぞれに優先順位を設定する設定部(CPU21)を備え、特定部(CPU21)は、設定部により設定された優先順位に基づいて商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象から分割対象を特定する。
したがって、任意の優先順位に応じて会計を分割できる。
【0064】
また、情報処理装置1において、設定部(CPU21)は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のそれぞれの金額に基づいて優先順位を設定する。
したがって、商品及び/またはサービスの提供の金額による優先順位に応じて会計を分割できる。
【0065】
また、情報処理装置1において、設定部(CPU21)は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のそれぞれが属する部門に基づいて優先順位を設定する。
したがって、商品及び/またはサービスの提供が属する部門による優先順位に応じて会計を分割できる。
【0066】
また、情報処理装置1において、特定部(CPU21)は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額の少なくとも一つが予算額(分割予算額)に最も近くなるように分割対象を特定する。
したがって、分割予算額に最も近い額で会計を分割できる。
【0067】
また、情報処理装置1は、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象のうちの特定品目の除外に関する除外情報を取得する第二取得部(CPU21)を備え、特定部(CPU21)は、第二取得部により取得された除外情報に基づいて、特定品目を除外して、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象から分割対象を特定する。
したがって、分割会計において特定品目を容易に除外できる。
【0068】
また、プログラム(分割会計プログラム)は、情報処理装置1のコンピューター(CPU21)を、一人当たりの予算額及び人数の情報の入力を受け付ける受付部、受付部により受け付けられた一人当たりの予算額及び人数の情報に基づいて予算額(分割予算額)を算出する算出部、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象の提供に対する会計金額を取得する第一取得部、算出部により算出された予算額と、第一取得部により取得された会計金額とに基づいて、商品及び/またはサービスを含む複数の会計対象から分割対象を特定する特定部、特定部によって特定された分割対象の提供に対する会計金額の明細を有する第1の伝票を生成する生成部、として機能させる。
したがって、会計を分割した場合においても、会計の内容を示す明細が記載された第1の伝票(領収書)を生成できる。つまり、分割会計に対応した明細付きの領収書を出力可能である。
【0069】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態において、特定部としてのCPU21は、商品に対する会計における分割対象を特定するとしたがこれに限らない。特定部としてのCPU21は、宿泊施設における宿泊料金、ゴルフ場におけるプレイ料金等、任意の施設、または任意のサービスの提供に対する会計における分割対象を特定してもよい。
【0070】
また、特定部としてのCPU21は、商品及びサービスを含む会計対象から、商品に対する会計を分割対象として特定してもよい。また、特定部としてのCPU21は、商品及びサービスを含む会計対象から、サービスに対する会計を分割対象として特定してもよい。
【0071】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明に係る情報処理装置の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0072】
その他、情報処理装置を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理装置
21 CPU(受付部、算出部、第一取得部、第二取得部、特定部、生成部、設定部)
22 操作部
23 RAM
24a 表示部
24b 表示部
25 ROM
26 通信部
27 記憶部
28 印刷部
29 ドロア
30 計時部
31 バス
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