IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特開2024-89678情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
<>
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図1
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図2
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図3
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図4
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図5
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図6
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図7
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図8
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図9
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図10
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図11
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図12
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図13
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図14
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及びプログラム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089678
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205011
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】麻生 麻実
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB05
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】ユーザの購買意欲の度合いを適切に推定できるようにする。
【解決手段】サーバの制御部は、ユーザごとの時計の購入履歴と、時計ごと(モデルごと)の仕様とを取得し、取得されたユーザごとの購入履歴及び時計ごとの仕様に基づいて、一のユーザが購入した時計の仕様と他のユーザが購入した時計の仕様の類似度を算出する。そして、購入した時計の仕様に対し、一のユーザと類似する類似ユーザを、算出された類似度に基づいて特定し、特定された類似ユーザが購入した時計に関する情報に基づいて、一のユーザが購入していない時計に対する一のユーザの購買意欲の度合いを推定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザごとの物品の購入履歴と、前記物品ごとの仕様とを取得する取得工程と、
取得された前記ユーザごとの購入履歴及び前記物品ごとの仕様に基づいて、一のユーザが購入した前記物品の仕様と他のユーザが購入した前記物品の仕様の類似度を算出する類似度算出工程と、
購入した前記物品の仕様に対し、前記一のユーザと類似する類似ユーザを前記類似度に基づいて特定し、前記特定された前記類似ユーザが購入した前記物品に関する情報に基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品に対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する推定工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項2】
前記推定工程は、
前記一のユーザが購入した前記物品の仕様と前記類似ユーザが購入した前記物品の仕様に基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品に対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記取得工程により取得された前記ユーザごとの購入履歴及び前記物品ごとの仕様に基づいて、ユーザごとに、購入した前記物品の仕様ごとの購入数を算出する仕様別購入数算出工程を含み、
前記推定工程は、
前記算出された前記一のユーザが購入した前記物品の仕様ごとの購入数と前記類似ユーザが購入した前記物品の仕様ごとの購入数に基づいて、前記一のユーザと前記類似ユーザの前記仕様ごとの購入数の平均値を算出し、前記平均値が所定の閾値以上の仕様と、前記一のユーザが購入していない前記物品の仕様とに基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品に対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記推定工程は、
前記平均値が所定の閾値以上の仕様と、前記一のユーザが購入していない前記物品の仕様との類似度に基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品に対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記推定工程は、
前記類似ユーザが購入した前記物品のモデルに基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品のモデルに対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記物品の仕様は、前記物品が有する機能を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記物品は、時計であり、
前記物品が有する機能は、タイマー機能、ソーラー充電機能、ワールドタイム機能、タイドグラフ機能、リマインダー機能、外部機器との通信機能のうち少なくとも一つを含む、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記物品の仕様は、前記物品が備える表示部の態様を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記物品は、時計であり、
前記物品が備える表示部の態様は、アナログ表示、デジタル表示、アナログデジタル表示、本体カラー、盤面形状、盤面カラー、日車の有無又は位置、デジタルのサブディスプレイの有無又は位置、機能針を有するサブディスプレイの有無又は位置の少なくとも一つを含む、請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記推定工程により推定された前記一のユーザの購買意欲の度合いを示す値が所定の閾値を超えた前記物品に関する情報を通信部により前記一のユーザの通信端末に送信する送信工程を含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
ユーザごとの物品の購入履歴と、前記物品ごとの仕様とを取得し、
取得された前記ユーザごとの購入履歴及び前記物品ごとの仕様に基づいて、一のユーザが購入した前記物品の仕様と他のユーザが購入した前記物品の仕様の類似度を算出し、
購入した前記物品の仕様に対し、前記一のユーザと類似する類似ユーザを前記類似度に基づいて特定し、前記特定された前記類似ユーザが購入した前記物品に関する情報に基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品に対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザごとの物品の購入履歴と、前記物品ごとの仕様とを取得し、
取得された前記ユーザごとの購入履歴及び前記物品ごとの仕様に基づいて、一のユーザが購入した前記物品の仕様と他のユーザが購入した前記物品の仕様の類似度を算出し、
購入した前記物品の仕様に対し、前記一のユーザと類似する類似ユーザを前記類似度に基づいて特定し、前記特定された前記類似ユーザが購入した前記物品に関する情報に基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品に対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに商品情報を提供するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、画像入力部から出力された顔画像と、商品情報記憶部に記憶された主客層の顔画像の特徴量とをマッチングし、出力された顔画像と類似度の高い主客層に関連付けられた商品情報を読み出して、ユーザに提示する情報提供システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-2651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の情報提供システムでは、ユーザの顔画像に基づいて提示する商品情報を決定しており、ユーザの購買意欲の度合いを適切に推定して商品情報を提示することはできない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの購買意欲の度合いを適切に推定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の情報処理方法は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザごとの物品の購入履歴と、前記物品ごとの仕様とを取得する取得工程と、
取得された前記ユーザごとの購入履歴及び前記物品ごとの仕様に基づいて、一のユーザが購入した前記物品の仕様と他のユーザが購入した前記物品の仕様の類似度を算出する類似度算出工程と、
購入した前記物品の仕様に対し、前記一のユーザと類似する類似ユーザを前記類似度に基づいて特定し、前記特定された前記類似ユーザが購入した前記物品に関する情報に基づいて、前記一のユーザが購入していない前記物品に対する前記一のユーザの購買意欲の度合いを推定する推定工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの購買意欲の度合いを適切に推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る購買意欲推定システムの全体構成例及びサーバの機能的構成例を示す図である。
図2】購入履歴DBのデータ格納例を示す図である。
図3】製品仕様DBのデータ格納例を示す図である。
図4図1の制御部により実行される購買意欲推定処理の流れを示すフローチャートである。
図5】仕様別購入数テーブルの一例を示す図である。
図6】時計の盤面を複数のエリアに区切った様子を示す図である。
図7図4のステップS3において実行されるコサイン類似度算出処理の流れを示すフローチャートである。
図8】コサイン類似度テーブルの一例を示す図である。
図9図4のステップS4において実行されるユーザごとの好みの仕様の特定処理の流れを示すフローチャートである。
図10】ユーザ別重要仕様テーブルの一例を示す図である。
図11図4のステップS5において実行される新製品の購買意欲推定処理の流れを示すフローチャートである。
図12】新製品仕様テーブルの一例を示す図である。
図13図4のステップS6において実行される既存製品の購買意欲推定処理の流れを示すフローチャートである。
図14】ユーザ別購入モデルテーブルの一例を示す図である。
図15】購買意欲テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
[購買意欲推定システム100の構成]
図1は、本発明に係る購買意欲推定システム100の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、購買意欲推定システム100は、サーバ1と、通信端末2とが、WiFiなどの無線LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網、インターネット等を含む通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。
なお、通信端末2の台数は、特に限定されない。
【0011】
サーバ1は、例えば、物品のメーカー等のサーバであり、登録されたユーザ(顧客)が、購入した物品(製品)を登録すると、登録された物品のサポート情報やおすすめ製品情報を提供する。本実施形態では、物品が時計(腕時計)である場合を例にとり説明するが、これに限定されるものではない。
【0012】
図1に示すように、サーバ1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15を備えて構成されている。
【0013】
制御部11は、少なくとも一つのCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、サーバ1の各部を制御する。具体的には、制御部11のCPUは、記憶部12のプログラム記憶部120に記憶されているシステムプログラムや各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0014】
記憶部12は、不揮発性の半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。記憶部12は、サーバ1に内蔵されたものに限られず、サーバ1に対して着脱可能なメモリカード等の外部記録媒体を含んでもよい。
記憶部12には、サーバ1のシステムプログラムや各種処理プログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶するためのプログラム記憶部120が設けられている。
【0015】
また、記憶部12には、ユーザDB121、購入履歴DB122、製品仕様DB123、購買意欲テーブル129等が設けられている。
ユーザDB121は、サーバ1が提供するサービスを利用するユーザのユーザ登録情報を格納するデータベースである。ユーザ登録情報としては、例えば、ユーザID、パスワード、ユーザ名、年齢、性別、居住地(都道府県など)、メールアドレス、ユーザが使用する通信端末2のIPアドレス等が含まれる。
【0016】
購入履歴DB122は、登録されたユーザごとの時計の購入履歴を格納するデータベースである。
図2は、購入履歴DB122のデータ格納例を示す図である。図2に示すように、購入履歴DB122は、ユーザID、購入日時、購入した時計のモデル型番等の項目を有し、これらの項目からなる購入履歴情報を格納する。なお、購入履歴DB122に格納される時計の情報には、ユーザが所有している時計の情報が含まれていてもよい。購入履歴DB122に格納される情報は図2に示すものに限定されない。例えば、あるモデル型番の時計を購入した店舗の情報(店舗名、店舗の住所)を格納してもよい。また、あるユーザが購入したモデル型番の情報は1つではなく、複数のモデル型番が格納できるようになっていてもよい。
【0017】
製品仕様DB123は、サーバ1が管理する時計ごと(時計のモデルごと)の仕様を格納するデータベースである。
図3は、製品仕様DB123のデータ格納例を示す図である。製品仕様DB123は、時計のモデル型番に対応付けて、そのモデル型番の時計のブランド、シリーズ、本体カラー、機能、表示部の態様、などの、そのモデル型番の時計が有する仕様(特徴)を表す情報を格納するデータベースである。
【0018】
図3に示すように、製品仕様DB123は、時計のブランド、シリーズ名称、本体カラー、機能(リューズ、ソーラー充電、アラーム個数、タイマー、外部機器通信、ワールドタイム、タイドグラフなど)、表示部の態様(時刻表示タイプ(アナログ/デジタル/コンビ(アナログデジタル))、盤面(文字盤)形状、盤面カラー、日車/座標、サブディスプレイ(機能針)/座標、サブディスプレイ(デジタル)/座標など)等の項目を有し、モデル型番ごとの各項目(仕様)の情報を格納する。サブディスプレイ(機能針)は、時計の盤面上に配置され、例えば当該盤面よりも面積が小さいディスプレイであって、機能針を有するサブディスプレイである。サブディスプレイ(デジタル)は、時計の盤面上に配置され、例えば当該盤面よりも面積が小さいディスプレイであって、デジタル表示のサブディスプレイである。つまり、サブディスプレイは、時計の盤面(メインの時刻表示を行うアナログ又はデジタル方式のディスプレイ)上に設けられたメインの時刻表示と同じ種類又は別の種類の表示を行う補助的なディスプレイである。例えば、サブディスプレイ(機能針)は、時計が実行している現在のモード(ストップウォッチ、タイマー等)を針部材で指し示す。また、サブディスプレイ(デジタル)は、現在の日付や時刻等を液晶ディスプレイ等で表示する。
例えば、ブランド、シリーズ名称、本体カラー、アラーム個数、時刻表示タイプ、盤面形状、盤面カラーの項目には、そのモデル型番の時計が該当している内容が格納されている。リューズ、ソーラー充電、アラーム個数、タイマー、ワールドタイム、外部機器通信、日車/座標、サブディスプレイ(機能針)/座標、サブディスプレイ(デジタル)/座標の項目には、TRUE又はFALSEによって、それぞれの機能の搭載の有無が格納されている。また、タイマーの項目には、TRUEの場合、併せてタイマー計測単位(時分、時分秒等)が格納されている。日車、サブディスプレイの項目には、TRUEの場合、併せて盤面内における、それらの中心の位置座標が格納されている。又は、TRUEに替えて、盤面内における、それらの中心の位置座標が格納されている。座標は、盤面の中心を原点(0,0)としたxy座標で示されている。
なお、図3に示す製品仕様DB123は一例であり、これに限定されるものではない。
【0019】
購買意欲テーブル129は、ユーザごとの既存製品に対する購買意欲の度合いを格納したテーブルである(図15参照)。
【0020】
入力部13は、各種キーを備えたキーボードやマウス等のポインティングデバイス、あるいは表示部14に取り付けられたタッチパネル等で構成されている。入力部13は、ユーザ操作により入力されたキーに対応するキー入力信号や画面上の操作信号を制御部11に出力する。
【0021】
表示部14は、液晶ディスプレイ、有機EL等の表示デバイスにより構成され、制御部11の制御動作に基づいて表示を行う。
【0022】
通信部15は、有線又は無線により通信ネットワークNを介して通信端末2等の外部機器と通信を行うための通信制御を行う。
【0023】
通信端末2は、ユーザがサーバ1により提供されるサービスを利用するための端末である。通信端末2としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、スマートウォッチ等が適用可能である。
【0024】
[サーバ1の動作]
次に、サーバ1の動作について説明する。
サーバ1の制御部11は、本発明の情報処理装置として、プログラム記憶部120に記憶されているプログラムとの協働により以下の処理を実行する。
【0025】
サーバ1において、通信部15により通信端末2からの時計に関するサイト(ウェブサイト等)へのアクセス要求が受信され、認証情報(本実施形態ではユーザID及びパスワード)が受信されると、制御部11は、受信した認証情報をユーザDB121に登録されているユーザID及びパスワードと照合し、受信した認証情報と一致したユーザID及びパスワードが存在した場合に、通信端末2のユーザのサイトへのログインを許可する。そして、制御部11は、上述のサイトからログインユーザが購入した時計の購入履歴情報が入力されると、入力された購入履歴情報を通信部15により取得してログインユーザのユーザIDに対応付けて購入履歴DB122に追加する。
【0026】
また、サーバ1において、入力部13又は通信部15により新製品(新モデル)の仕様の情報が入力されると、制御部11は、入力された情報を取得して製品仕様DB123に追加する。なお、記憶部12がサーバ1に対して着脱可能なメモリカード等の外部記録媒体を含んでいる場合、新製品の仕様は、外部記録媒体から取得することとしてもよい。
【0027】
また、サーバ1の制御部11は、例えば、新製品(新モデル)の仕様の情報が製品仕様DB123に登録されると、例えば、登録されたモデルのモデル型番をRAMに一時記憶して、図4の購買意欲推定処理を実行する。以下、図4を参照して、購買意欲推定処理について説明する。
【0028】
購買意欲推定処理において、まず、制御部11は、購入履歴DB122と製品仕様DB123を参照し、ユーザごとに、時計の仕様別(特徴別)の購入数をテーブル化した仕様別購入数テーブル124を作成する(ステップS1)。
ステップS1において、まず、制御部11は、製品仕様DB123を参照して、図5に示すように、ユーザIDと、少なくとも一つの時計(モデル)が備える特徴(機能や表示態様などの仕様。例えば、ブランド、シリーズ、本体の色(赤、青、黒…)、リューズ、ソーラー充電、アラーム1個、アラーム3個、盤面形状、盤面カラー、日車、…)をそれぞれ項目として有する仕様別購入数テーブル124を作成する。そして、ユーザごとに、そのユーザが購入した時計が有する仕様(特徴)を製品仕様DB123により特定し、特定した仕様の項目に1を加算する。例えば、或るユーザが、本体カラーが黒、盤面形状が円形、盤面カラーがシルバー、時計表示がアナログのモデルを購入した場合、或るユーザのユーザIDに対応する行の「本体黒」、「円形」、「盤面シルバー」、「アナログ」に1が加算される。制御部11は、この処理を、ユーザが購入したモデルごとに繰り返す。すなわち、制御部11は、ユーザが、仕様ごとに、その仕様を有する時計を何台購入したかを示すテーブルを作成する。
【0029】
なお、日車やサブディスプレイ等の位置座標を含む仕様については、日車やサブディスプレイの位置座標を仕様別購入数テーブル124の項目に含めることとしてもよい。日車やサブディスプレイの位置座標は、その時計を購入したユーザの、日車やサブディスプレイの盤面上の位置の好みを示しているからである。また、例えば、図6に示すように、時計の盤面(図6において符号141で示す)を複数のエリアに区切り、日車やサブディスプレイの位置座標がどのエリアにあるかという情報を仕様別購入数テーブル124の項目に含めることとしてもよい。
【0030】
ここで、複数の本体カラーが存在するモデルについては、購入履歴DB122において、モデル型番の最後に本体カラーの識別情報が付与されている。例えば、赤であればR、黒であればBLK、シルバーであればSL、青であればBLが識別情報として付与されている。制御部11は、この本体カラーの識別情報に基づいて、購入されたモデルの本体の色を判別する。また、本実施形態において、本体カラーと盤面カラーは組になっており、本体カラーが決まると盤面カラーは自動的に決まるようになっている。例えば、図3において、本体カラーが赤/青/黒、盤面カラーが白/黒/シルバーのモデルの場合、本体カラーが赤であれば盤面カラーは白、本体カラーが青であれば盤面カラーは黒、本体カラーが黒であれば盤面カラーはシルバーとなる。
【0031】
次いで、制御部11は、仕様別購入数テーブル124の値を0~1に正規化する(ステップS2)。
【0032】
次いで、制御部11は、一のユーザが購入した時計の仕様と他のユーザが購入した時計の仕様のコサイン類似度を算出する、コサイン類似度算出処理を実行する(ステップS3)。
【0033】
図7は、ステップS3において制御部11により実行されるコサイン類似度算出処理の流れを示すフローチャートである。
コサイン類似度算出処理において、まず、制御部11は、変数Xに0を設定する(ステップS301)。
【0034】
次いで、制御部11は、X<ユーザ数であるか否かを判断する(ステップS302)。ユーザ数は、仕様別購入数テーブル124のレコードの数である。
【0035】
X<ユーザ数であると判断した場合(ステップS302;YES)、制御部11は、変数jに0を設定する(ステップS303)。
次いで、制御部11は、j<ユーザ数であるか否かを判断する(ステップS304)。
j<ユーザ数であると判断した場合(ステップS304;YES)、制御部11は、仕様別購入数テーブル124におけるユーザXの仕様別の購入数とユーザjの仕様別の購入数のコサイン類似度を算出する(ステップS305)。
コサイン類似度は、以下の[数1]により算出することができる。
【数1】
ここで、ユーザXの特徴ベクトルは、仕様別購入数テーブル124の、ユーザXの仕様別の購入数のそれぞれ(仕様ごとの購入数)を要素としたベクトルである。ユーザjの特徴ベクトルは、仕様別購入数テーブル124の、ユーザjの仕様別の購入数のそれぞれ(仕様ごとの購入数)を要素としたベクトルである。
コサイン類似度は、1に近いほど2つのベクトルが類似していることを表す。算出されたコサイン類似度は、コサイン類似度テーブル125に記憶される。図8に、コサイン類似度テーブル125の一例を示す。
【0036】
次いで、制御部11は、変数jをインクリメントし(ステップS306)、ステップS304に戻る。
ステップS304においてj<ユーザ数ではない(すなわち、jがユーザ数以上となった)と判断するまで、制御部11は、ステップS304~S306を繰り返し実行する。
【0037】
ステップS304において、j<ユーザ数ではない(すなわち、jがユーザ数以上となった)と判断した場合(ステップS304;NO)、制御部11は、変数Xをインクリメントし(ステップS307)、ステップS302に戻る。
ステップS302においてX<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断するまで、制御部11は、ステップS302~S307を繰り返し実行する。
ステップS302においてX<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断した場合(ステップS302;NO)、制御部11はコサイン類似度算出処理を終了し、図4のステップS4に移行する。
【0038】
図4のステップS4において、制御部11は、ユーザごとの好みの仕様の特定処理を実行する(ステップS4)。
【0039】
図9は、ステップS4において制御部11により実行されるユーザごとの好みの仕様の特定処理の流れを示すフローチャートである。
ユーザごとの好みの仕様の特定処理において、まず、制御部11は、変数Xに0を設定する(ステップS401)。
【0040】
次いで、制御部11は、X<ユーザ数であるか否かを判断する(ステップS402)。ユーザ数は、仕様別購入数テーブル124のレコードの数である。
【0041】
X<ユーザ数であると判断した場合(ステップS402;YES)、制御部11は、コサイン類似度テーブル125から、ユーザXと他のユーザとの間の仕様別の購入数のコサイン類似度を取得する(ステップS403)。
次いで、制御部11は、ユーザXとの仕様別の購入数のコサイン類似度が高い上位Y名(Yは予め設定された数。例えば、3。)を、ユーザXの類似者(類似ユーザ)として抽出する(ステップS404)。抽出された類似者は、複数のユーザのうち購入した時計の仕様がユーザXと似ているユーザ(ユーザXとの類似度が比較的高いユーザ)である。
【0042】
次いで、制御部11は、仕様別購入数テーブル124の仕様別に、ユーザXと類似者Y名の購入数(正規化した購入数)の平均値を算出する(ステップS405)。
算出された仕様別の購入数の平均値は、仕様ごとのユーザXの好みの度合いを表す値となる。
【0043】
次いで、制御部11は、変数Zに0を設定する(ステップS406)。
次いで、制御部11は、Z<仕様数であるか否かを判断する(ステップS407)。
仕様数は、仕様別購入数テーブル124の仕様の数である。
【0044】
Z<仕様数であると判断した場合(ステップS407;YES)、制御部11は、Z番目の仕様の平均値≧0.5であるか否かを判断する(ステップS408)。
ここでいうZ番目の仕様の平均値は、Z番目の仕様のユーザXと類似者Y名の購入数の平均値である。0.5は、Z番目の仕様がユーザXの好みの仕様であるか否かを判断するための閾値である。なお、0.5は一例であり、これに限定されるものではない。
【0045】
Z番目の仕様の平均値≧0.5であると判断した場合(ステップS408;YES)、制御部11は、Z番目の仕様はユーザXの好みの仕様であると判断して、ユーザ別重要仕様テーブル126(図10参照)の、ユーザXのユーザIDに対応する行のZ番目の仕様に対応する欄に1を格納し(ステップS409)、ステップS410に移行する。
Z番目の仕様の平均値≧0.5ではないと判断した場合(ステップS408;NO)、制御部11は、ステップS410に移行する。
ここで、ユーザ別重要仕様テーブル126は、図10に示すように、図5に示す仕様別購入数テーブル124と同様の項目を有し、ユーザの好みの仕様に1が設定されるテーブルである。
【0046】
ステップS410において、制御部11は、変数Zをインクリメントし(ステップS410)、ステップS407に戻る。制御部11は、ステップS407においてZ<仕様数ではない(すなわち、Zが仕様数以上となった)と判断するまで、ステップS407~S410の処理を繰り返し実行する。
【0047】
ステップS407においてZ<仕様数ではない(すなわち、Zが仕様数以上となった)と判断した場合(ステップS407;NO)、制御部11は、ステップS411に移行する。
【0048】
ステップS411において、制御部11は、変数Xを1インクリメントし(ステップS411)、ステップS402に戻る。制御部11は、ステップS402においてX<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断するまで、ステップS402~S411の処理を繰り返し実行する。
ステップS402においてX<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断した場合(ステップS402;NO)、制御部11は、ユーザごとの好みの仕様の特定処理を終了し、図4のステップS5に移行する。
【0049】
図4のステップS5において、制御部11は、新製品の購買意欲推定処理を実行する(ステップS5)。
図11は、新製品の購買意欲推定処理の流れを示すフローチャートである。
新製品の購買意欲推定処理において、制御部11は、まず、新製品の製品仕様を製品仕様DB123から取得し、新製品仕様テーブル127を作成する(ステップS501)。
図12は、新製品仕様テーブル127の一例を示す図である。図12に示すように、新製品仕様テーブル127は、図5に示す仕様別購入数テーブル124と同様の仕様の項目を有し、新製品が有する仕様に1が設定されたテーブルである。
【0050】
次いで、制御部11は、ユーザ別重要仕様テーブル126を読み出す(ステップS502)。
次いで、制御部11は、変数Xに0を設定する(ステップS503)。
【0051】
次いで、制御部11は、X<ユーザ数であるか否かを判断する(ステップS504)。ユーザ数は、ユーザ別重要仕様テーブル126のレコードの数である。
【0052】
X<ユーザ数であると判断した場合(ステップS504;YES)、制御部11は、ユーザ別重要仕様テーブル126のユーザXのデータと、新製品仕様テーブル127のデータとのコサイン類似度を算出し、算出したコサイン類似度に基づいて、ユーザXの新製品の購買意欲の度合いを推定する(ステップS505)。
ステップS505において、制御部11は、算出したコサイン類似度を、ユーザXの新製品の購買意欲の度合いとして推定する。
【0053】
次いで、制御部11は、算出したコサイン類似度(すなわち、購買意欲の度合い)が予め定められた閾値を超えたか否かを判断する(ステップS506)。
算出したコサイン類似度が予め定められた閾値を超えたと判断した場合(ステップS506;YES)、制御部11は、通信部15によりユーザXの通信端末2に新製品の情報(新製品をおすすめする情報)を送信し(ステップS507)、ステップS508に移行する。
算出したコサイン類似度が予め定められた閾値を超えていないと判断した場合(ステップS506;NO)、制御部11は、ステップS508に移行する。
新製品の情報(新製品をおすすめする情報)の送信は、例えば、電子メールにより送信してもよいし、通信端末2にプッシュ通知してもよい。
【0054】
ステップS508において、制御部11は、変数Xをインクリメントし(ステップS508)、ステップS504に戻る。
制御部11は、ステップS504においてX<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断するまで、ステップS504~S508の処理を繰り返し実行する。
ステップS504において、X<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断した場合(ステップS504;NO)、新製品の購買意欲推定処理を終了し、図4のステップS6に移行する。
【0055】
なお、本実施形態においては、新製品はユーザが未購入であることを前提として、算出したコサイン類似度が予め定められた閾値を超えたユーザに新製品の情報を送信することとしたが、新製品の販売が開始された場合には、算出したコサイン類似度が予め定められた閾値を超えたユーザの購入履歴を確認し、未購入である場合に新製品の情報を送信することとしてもよい。
【0056】
図4のステップS6において、制御部11は、既存製品の購買意欲推定処理を実行する。
図13は、図4のステップS6において実行される既存製品の購買意欲推定処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
既存製品の購買意欲推定処理において、まず、制御部11は、購入履歴DB122に基づいて、ユーザ別購入モデルテーブル128を作成する(ステップS601)。
図14は、ユーザ別購入モデルテーブル128の一例を示す図である。図14に示すように、ユーザ別購入モデルテーブル128は、ユーザIDと、既に販売が開始されている既存製品のモデル型番を項目とするテーブルであり、ユーザIDのユーザが購入したモデルの型番に対応する領域に1が格納され、ユーザが未購入のモデルの型番に対応する領域に0が格納される。
【0058】
次いで、制御部11は、変数Xに0を設定する(ステップS602)。
【0059】
次いで、制御部11は、X<ユーザ数であるか否かを判断する(ステップS603)。ユーザ数は、ユーザ別購入モデルテーブル128のレコードの数である。
【0060】
X<ユーザ数であると判断した場合(ステップS603;YES)、制御部11は、コサイン類似度テーブル125から、ユーザXと他のユーザとの間の仕様別購入数のデータのコサイン類似度を取得する(ステップS604)。
次いで、制御部11は、コサイン類似度テーブル125から、ユーザXとの仕様別購入数のデータのコサイン類似度の高い順にY名(Yは予め設定された数。例えば、3。)を、ユーザXの類似者(類似ユーザ)として抽出する(ステップS605)。抽出された類似者は、購入した時計の仕様の傾向がユーザXと似ているユーザである。
【0061】
次いで、制御部11は、ユーザXが未購入のモデルのそれぞれについてのユーザ別購入モデルテーブル128における類似者Y名の値の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、ユーザXが未購入のモデルについてのユーザXの購買意欲の度合いを推定する(ステップS606)。
例えば、図14に示すユーザIDが0であるユーザをユーザXとし、類似者Y名をユーザIDが1~3であるユーザとする場合、制御部11は、ユーザID:0が未購入のモデル(ユーザ別購入モデルテーブル128のユーザID:0に対応する行において値が「0」のモデル)のそれぞれについてのユーザID:1~3の値の平均値を算出する。
制御部11は、ユーザXの未購入のモデルのそれぞれについての類似者Y名の平均値を、ユーザXのそれぞれの未購入モデルの購買意欲の度合いとして推定する。
【0062】
次いで、制御部11は、ユーザXのユーザIDに対応付けて、ユーザXの未購入モデルのそれぞれの購買意欲の度合い(算出した平均値)を購買意欲テーブル129(図15参照)に格納する(ステップS607)。なお、購買意欲テーブル129においてユーザXが購入済みのモデルに対応する欄に値が記載されている場合には、その値は消去する。
【0063】
次いで、制御部11は、変数Xを1インクリメントし(ステップS608)、ステップS603に戻る。
制御部11は、ステップS603においてX<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断するまで、ステップS603~S608の処理を繰り返し実行する。
ステップS603において、X<ユーザ数ではない(すなわち、Xがユーザ数以上となった)と判断した場合(ステップS603;NO)、制御部11は、既存製品の購買意欲推定処理を終了し、図4の購買意欲推定処理を終了する。購買意欲推定処理の終了後、制御部11は、処理中に作成された仕様別購入数テーブル124~ユーザ別購入モデルテーブル128を消去する。
【0064】
例えば、制御部11は、通信端末2から時計に関するサイトにアクセスがあった場合、購買意欲テーブル129からログインユーザの購買意欲の度合いが高い(購買意欲の度合いが所定の閾値以上)の未購入モデルを抽出し、抽出した未購入モデルに関する情報(未購入モデルをおすすめする情報)が記載されたWebページを生成して通信部15により通信端末2に送信することとしてもよい。あるいは、ログインユーザの未購入モデルの情報を、ログインユーザの購買意欲の度合いの高い順(上位N個、Nは正の整数)におすすめランキングとして表示するページを生成して通信部15により通信端末2に送信することとしてもよい。
または、制御部11は、各ユーザの購買意欲の度合いが高い(購買意欲テーブル129において購買意欲の度合いが所定の閾値以上)の未購入モデルに関する情報を通信部15により各ユーザの通信端末2にメールで送信したり、プッシュ配信したりしてもよい。
【0065】
以上説明したように、サーバ1の制御部11は、ユーザごとの時計の購入履歴と、時計ごと(モデルごと)の仕様とを取得し、取得されたユーザごとの購入履歴及び時計ごとの仕様に基づいて、一のユーザが購入した時計の仕様と他のユーザが購入した時計の仕様の類似度を算出する。そして、購入した時計の仕様に対し、一のユーザと類似する類似ユーザを、算出された類似度に基づいて特定し、特定された類似ユーザが購入した時計に関する情報に基づいて、一のユーザが購入していない時計に対する一のユーザの購買意欲の度合いを推定する。
したがって、ユーザが購入していない時計に対する購買意欲の度合いを、購入した時計の仕様が類似している類似ユーザが購入した時計に関する情報に基づいて適切に推定することが可能となる。
【0066】
例えば、制御部11は、類似ユーザが購入した時計の仕様に基づいて、一のユーザが購入していない時計に対する一のユーザの購買意欲の度合いを推定することができる。
より具体的には、制御部11は、ユーザごとの購入履歴及び時計ごとの仕様に基づいて、ユーザごとに、購入した時計の仕様ごとの購入数を算出し、一のユーザが購入した時計の仕様ごとの購入数と類似ユーザが購入した時計の仕様ごとの購入数に基づいて、一のユーザと類似ユーザの仕様ごとの購入数の平均値を算出し、算出した平均値が所定の閾値以上の仕様と、一のユーザが購入していない時計の仕様との類似度に基づいて、一のユーザが購入していない時計に対する一のユーザの購買意欲の度合いを推定することができる。
【0067】
また、制御部11は、類似ユーザが購入した時計のモデルに基づいて、一のユーザが購入していないモデルに対する一のユーザの購買意欲の度合いを推定する。したがって、一のユーザが購入していないモデルに対する一のユーザの購買意欲の度合いを適切に推定することができる。
【0068】
また、時計の仕様には、時計の機能、例えば、タイマー機能、ソーラー充電機能、ワールドタイム機能、タイドグラフ機能、リマインダー機能、外部機器との通信機能のうち少なくとも一つが含まれる。したがって、ユーザが購入していない時計に対する購買意欲の度合いを、購入した時計の機能が類似している類似ユーザが購入した時計に関する情報に基づいて適切に推定することが可能となる。
【0069】
また、時計の仕様には、時計が備える表示部の態様、例えば、アナログ表示、デジタル表示、アナログデジタル表示、本体カラー、盤面形状、盤面カラー、日車の有無又は位置、デジタルのサブディスプレイの有無又は位置、機能針を有するサブディスプレイの有無又は位置の少なくとも一つが含まれる。したがって、ユーザが購入していない時計に対する購買意欲の度合いを、購入した時計の表示部の態様が類似している類似ユーザが購入した時計に関する情報に基づいて適切に推定することが可能となる。
【0070】
また、制御部11は、一のユーザの購買意欲の度合いを示す値が所定の閾値を超えた時計に関する情報を通信部15により一のユーザの通信端末2に送信する。したがって、ユーザの購買意欲の高い時計に関する情報をユーザに提供することが可能となる。
【0071】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の実施形態の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、上記実施形態では、サーバ1にて上記処理が実行されていたが、通信端末2がサーバ1の機能を取り込み、通信端末2で上記処理を実行してもよい。この場合、通信端末2の図示しない記憶部に記憶されたアプリケーションプログラムが、通信端末2の図示しない通信部から通信ネットワークNを介して、サーバ1の記憶部12に記憶されているユーザDB121,購入履歴DB122、製品仕様DB123、購買意欲テーブル129等の各種データをダウンロードする。そして、通信端末2はダウンロードした各種データを図示しない記憶部に記憶し、上記と同様の処理を行えばよい。また、サーバ1、通信端末2が備えるそれぞれの制御部(CPU)によって、上記処理を協働で実行してもよい。例えば、上記実施形態のうち一部の処理をサーバ1の制御部11で処理し、残りの処理を通信端末2の図示しない制御部で処理する。
【0073】
また、上記実施形態では、ユーザXが購入した物品の仕様と他のユーザが購入した物品の仕様の類似度として、コサイン類似度を算出することとしたが、類似度はこれに限定されない。例えば、類似度として、ピアソン相関やJaccard係数を用いてもよい。また、図11のステップS505においても、コサイン類似度の代わりに他の類似度(ピアソン相関やJaccard係数等)を用いることとしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、時計の仕様を類似度を算出する際の特徴ベクトルとしたが、ユーザの年齢や性別等を特徴ベクトルに加えてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、新製品の購買意欲推定処理に続いて既存製品の購買意欲推定処理を実行することとしたが、新製品の購買意欲推定処理と既存製品の購買意欲推定処理は連続して実行する必要はなく、それぞれ別個に実行することとしてもよい。なお、既存製品の購買意欲推定処理を実行する場合、図4のステップS1~S3を実行してから既存製品の購買意欲推定処理を実行する。
【0076】
また、上記実施形態では、登録されているユーザ全員について、そのユーザが購入した時計の仕様と、他のユーザが購入した時計の仕様との類似度を算出したが、一部のユーザのみについて、そのユーザが購入した時計の仕様と、他のユーザが購入した時計の仕様との類似度を算出してもよい。また、他のユーザについても全員でなくてもよく、一部のユーザとしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、本発明を時計に対する購買意欲の度合いの推定に適用した例について説明したが、他の物品(製品、商品)に対する購買意欲の度合いの推定に本発明を適用してもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリやハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SSDや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0079】
その他、上記実施形態のシステム及び各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0080】
以上に本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載に基づいて定められる。更に、特許請求の範囲の記載から本発明の本質とは関係のない変更を加えた均等な範囲も本発明の技術的範囲に含む。
【符号の説明】
【0081】
100 購買意欲推定システム
1 サーバ
11 制御部
12 記憶部
120 プログラム記憶部
121 ユーザDB
122 購入履歴DB
123 製品仕様DB
124 仕様別購入数テーブル
125 コサイン類似度テーブル
126 ユーザ別重要仕様テーブル
127 新製品仕様テーブル
128 ユーザ別購入モデルテーブル
129 購買意欲テーブル
13 入力部
14 表示部
15 通信部
2 通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15