(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089697
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】制御装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20240627BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205039
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】松本 侑也
(72)【発明者】
【氏名】ギオ フランソア
(72)【発明者】
【氏名】トンバ ケビン
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD02
2F129DD20
2F129DD21
2F129DD22
2F129DD47
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE75
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】燃費向上に適した走行を支援する。
【解決手段】制御装置18は、自車両10のドライバーを支援する制御装置であって、複数の車両の走行結果に関する情報に基づいて生成された車線ごとの標準的な車速である標準車速を示す車速情報を取得する取得部と、車速情報と、自車両10における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報とに基づいて、燃費向上に適した推奨車線に関する情報をドライバーに対して報知する報知制御を実行する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両(10)のドライバーを支援する制御装置(18)であって、
複数の車両の走行結果に関する情報に基づいて生成された車線ごとの標準的な車速である標準車速(V1)を示す車速情報を取得する取得部(18a)と、
前記車速情報と、前記自車両(10)における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報とに基づいて、燃費向上に適した推奨車線に関する情報を前記ドライバーに対して報知する報知制御を実行する制御部(18b)と、
を備える、
制御装置。
【請求項2】
前記燃費特性情報は、前記自車両(10)における燃費向上に適した推奨車速(V2)を示す情報を含み、
前記制御部(18b)は、前記報知制御において、各車線の前記標準車速(V1)と、前記推奨車速(V2)とを前記ドライバーに対して報知する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部(18b)は、前記報知制御において、各車線の前記標準車速(V1)と、前記推奨車速(V2)とに加えて、制限速度(V3)を前記ドライバーに対して報知する、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部(18b)は、
前記車速情報と、前記燃費特性情報とに基づいて、前記推奨車線を決定し、
前記報知制御において、前記推奨車線を前記ドライバーに対して報知する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部(18b)は、
前記ドライバーによる運転操作によらずに前記自車両(10)の車線変更を行う車線変更制御を実行し、
前記報知制御において、前記自車両(10)の前記推奨車線への車線変更を行う前記車線変更制御の実行を前記ドライバーに対して提案する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部(18b)は、前記ドライバーに対して報知される前記推奨車線の変更を、前記推奨車線を前回変更した時点から基準時間が経過するまで禁止する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部(18b)は、前記推奨車線が前記自車両(10)の走行車線、または、前記走行車線に隣接する隣接車線ではない場合、前記報知制御を禁止する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部(18b)は、全ての車線の前記標準車速(V1)が制限速度(V3)を超えている場合、前記標準車速(V1)が最も低い車線を前記推奨車線として決定する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部(18b)は、
前記車速情報と、前記燃費特性情報とに基づいて、全ての車線の各々が前記推奨車線の候補である推奨車線候補に該当するか否かを判定し、
前記全ての車線のうちの少なくとも1つが前記推奨車線候補に該当する場合、前記推奨車線候補のいずれか1つを前記推奨車線として決定する、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部(18b)は、前記標準車速(V1)が制限速度(V3)を超えている車線は前記推奨車線候補に該当しないと判定する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部(18b)は、追い越し車線は前記推奨車線候補に該当しないと判定する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御部(18b)は、前記標準車速(V1)が前記自車両(10)における燃費向上に適した推奨車速(V2)を下回る車線は前記推奨車線候補に該当しないと判定する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御部(18b)は、複数の車線が前記推奨車線候補に該当すると判定された場合、前記複数の車線のうち前記標準車速(V1)が最も低い車線を前記推奨車線として決定する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項14】
前記制御部(18b)は、全ての車線が前記推奨車線候補に該当しないと判定された場合、前記標準車速(V1)が最も高い車線を前記推奨車線として決定する、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項15】
自車両(10)のドライバーを支援する制御方法であって、
制御装置(18)の取得部(18a)が、複数の車両の走行結果に関する情報に基づいて生成された車線ごとの標準的な車速である標準車速(V1)を示す車速情報を取得し、
前記制御装置(18)の制御部(18b)が、前記車速情報と、前記自車両(10)における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報とに基づいて、燃費向上に適した推奨車線に関する情報を前記ドライバーに対して報知する報知制御を実行する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のドライバーを支援する技術として、車両の走行経路をドライバーに提案するナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1を参照)。ナビゲーション装置では、道路の渋滞状況を考慮し、渋滞を極力避けることが可能な走行ルートを提案することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のナビゲーション装置を利用すれば、ドライバーは、渋滞を極力避けることが可能な走行ルートを車両に走行させることができるので、燃費の向上を図ることができる。しかしながら、車両のドライバーを支援する技術として、燃費向上により適した走行を支援する技術が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、燃費向上に適した走行を支援することが可能な制御装置および制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、制御装置は、自車両のドライバーを支援する制御装置であって、複数の車両の走行結果に関する情報に基づいて生成された車線ごとの標準的な車速である標準車速を示す車速情報を取得する取得部と、車速情報と、自車両における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報とに基づいて、燃費向上に適した推奨車線に関する情報をドライバーに対して報知する報知制御を実行する制御部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、制御方法は、自車両のドライバーを支援する制御方法であって、制御装置の取得部が、複数の車両の走行結果に関する情報に基づいて生成された車線ごとの標準的な車速である標準車速を示す車速情報を取得し、制御装置の制御部が、車速情報と、自車両における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報とに基づいて、燃費向上に適した推奨車線に関する情報をドライバーに対して報知する報知制御を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、燃費向上に適した走行を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両の概略構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る制御装置が行う全体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態に係る報知制御における表示例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る報知制御における
図5の例と異なる表示例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る制御装置が行う推奨車線の決定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態に係る制御装置が行う推奨車線候補の該非判定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
<車両の構成>
図1~
図3を参照して、本発明の実施形態に係る車両10の構成について説明する。
【0012】
図1は、車両10の概略構成を示す模式図である。
図1に示されるように、車両10は、無線の通信ネットワークN1を介してサーバ20と無線通信可能となっている。車両10に設けられる後述する制御装置18が、サーバ20により収集された情報を利用した処理を行う。なお、
図1では、理解を容易にするために1つの車両10が示されているが、実際には、複数の車両10が通信ネットワークN1を介してサーバ20と通信可能になっている。以下では、制御装置18の制御対象となる車両10を、特に自車両10とも呼ぶ。
【0013】
車両10は、
図1に示されるように、駆動源11と、ブレーキ装置12と、ステアリング機構13と、表示装置14と、ナビゲーション装置15と、周囲環境センサ16と、車速センサ17と、制御装置18とを備える。
【0014】
駆動源11は、車両10の駆動輪に伝達される駆動力を出力する。駆動源11としては、例えば、エンジンまたは電気モータ等が挙げられる。
【0015】
ブレーキ装置12は、車両10の車輪に制動力を付与する。例えば、ブレーキ装置12は、液圧制御ユニットを含み、当該液圧制御ユニットによってホイールシリンダのブレーキ液の液圧が調整されることによって、車輪に付与される制動力が調整される。
【0016】
ステアリング機構13は、車両10のタイヤ舵角を変化させる機構である。例えば、ステアリング機構13は、ステアリングホイールと接続されており、ドライバーによるステアリングホイールを用いた操舵操作に応じてタイヤ舵角を変化させる。
【0017】
表示装置14は、各種情報を視覚的に表示する装置である。表示装置14としては、例えば、液晶ディスプレイまたはランプ等が挙げられる。
【0018】
ナビゲーション装置15は、車両10の現在位置からドライバーが所望する目的地までのルートを案内する装置である。ナビゲーション装置15は、ルート案内に関する各種情報(例えば、車両10の現在位置、案内の対象となる走行ルート、目的地の位置、車両10の現在位置から目的地までの走行ルート上での距離、および、目的地までの到達時間等)を表示する。また、ナビゲーション装置15は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される情報に基づいて、車両10の位置情報を取得できる。
【0019】
周囲環境センサ16は、車両10の周囲の環境に関する周囲環境情報を検出する。例えば、周囲環境センサ16は、車両10の前部に設けられており、車両10よりも前方の周囲環境情報を検出する。周囲環境センサ16により検出される周囲環境情報は、車両10の周辺に位置する被検体までの距離又は方位に関連する情報(例えば、相対位置、相対距離、相対速度、相対加速度等)であってもよく、また、車両10の周辺に位置する被検体の特徴(例えば、被検体の種別、被検体自体の形状、被検体に付されているマーク等)であってもよい。周囲環境センサ16は、例えば、レーダー、Lidarセンサ、超音波センサ、カメラ等である。
【0020】
車速センサ17は、車両10の速度である車速を検出する。
【0021】
制御装置18は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)、および、CPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等を含む。制御装置18は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0022】
図2は、制御装置18の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示されるように、制御装置18は、例えば、通信部18aと、制御部18bとを備える。制御装置18は、ナビゲーション装置15、周囲環境センサ16および車速センサ17から情報を取得でき、駆動源11、ブレーキ装置12、ステアリング機構13および表示装置14に制御指令を出力できる。なお、本明細書において、情報の取得には、情報の抽出または生成等が含まれ得る。
【0023】
通信部18aは、通信ネットワークN1を介してサーバ20と通信する。例えば、通信部18aが所望の情報の送信要求をサーバ20に送信すると、サーバ20から当該所望の情報が送信され、通信部18aは、当該所望の情報を受信できる。通信部18aは、本発明に係る取得部の一例に相当する。
【0024】
制御部18bは、駆動源11、ブレーキ装置12、ステアリング機構13および表示装置14を制御する。例えば、制御部18bは、表示装置14を制御することによって、各種報知を行うことができる。また、例えば、制御部18bは、駆動源11、ブレーキ装置12およびステアリング機構13を制御することによって、自車両10のドライバーによる運転操作によらずに自車両10を走行させる自動運転を実行できる。例えば、車両10では、ドライバーが、自動運転の実行可否を選択できるようになっている。
【0025】
図1中のサーバ20は、複数の車両10から情報を収集して管理し、制御装置18が行う処理に用いられる情報を制御装置18に送信する。例えば、サーバ20の一部または全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、サーバ20の一部または全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。サーバ20は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0026】
図3は、サーバ20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示されるように、サーバ20は、例えば、通信部20aと、処理部20bと、記憶部20cとを備える。
【0027】
通信部20aは、通信ネットワークN1を介して複数の車両10の各々と通信する。
【0028】
処理部20bは、サーバ20が取得した情報に対して各種統計処理を施す。例えば、処理部20bは、記憶部20cに記憶された情報に対して統計処理を施すことにより、新たな情報を生成する。なお、処理部20bは、通信部20aが受信した情報に対して統計処理を施し、それにより生成された情報を記憶部20cに記憶させてもよい。
【0029】
記憶部20cは、各種情報を記憶する。例えば、記憶部20cは、通信部20aが受信した情報、および、処理部20bによる統計処理により生成された情報を記憶する。具体的には、記憶部20cには、複数の車両10の走行結果に関する情報に基づいて生成された各種情報を含むデータセットが記憶されている。上記の走行結果は、各車両10が実際に走行した際の走行に関する結果(例えば、どの位置をどの速度で走行したのかを示す結果等)である。上記の複数の車両10のタイプには、乗用車、トラック等の種々のタイプが含まれ得る。
【0030】
ここで、サーバ20に蓄積されているデータセットには、複数の車両10の走行結果に関する情報に基づいて生成された情報として、車線ごとの標準的な車速である標準車速を示す車速情報が含まれている。本実施形態では、車速情報が制御装置18により利用されることによって、燃費向上に適した走行を支援することが実現される。
【0031】
1つの道路に複数の車線が設けられており、車線ごとに渋滞状況や走行車両数などが異なる場合、車線ごとに走行可能な速度が異なることになる。車速情報により示される標準車速は、各車線に対して設定され、各車線を複数の車両10が実際に走行した際の各車両10の車速に対する標準的な車速である。標準車速は、例えば、データセットにおいて、地図データと紐づけられた状態で設定されている。標準車速は、例えば、複数の車両10が実際に走行した際の各車両10の車速を車線ごとに統合(例えば、平均化)することによって生成される。ただし、標準車速は、複数の実際の車速の平均値に限定されず、例えば、複数の実際の車速の中央値であってもよい。各車両10が実際に走行した際の車速を示す情報は、例えば、各車両10において、車速センサ17によって取得される。
【0032】
サーバ20に蓄積されているデータセットには、複数の車両10の走行結果に関する情報に基づいて生成された情報として、車速情報以外の種々の情報が含まれ得る。例えば、データセットには、車線内での標準的な走行軌跡である標準走行軌跡を示す軌跡情報が含まれ得る。標準走行軌跡は、例えば、複数の車両10が実際に走行した際の各車両10の走行軌跡同士を統合(例えば、平均化)することによって生成される。また、例えば、データセットには、複数の車両10が実際に走行した際の各走行位置での勾配、法定速度、事故の有無、路面状態等に関する情報をそれぞれ統合した情報が含まれ得る。また、例えば、データセットには、複数の車両10が実際に走行した際に各車両10の周囲環境センサ16により検出された車線境界を示す検出点を統合した情報が含まれ得る。データセットでは、例えば、上記の各種情報が地図データに組み込まれている。
【0033】
なお、サーバ20に蓄積されているデータセットは、時間帯ごと、曜日ごと、月ごと、または季節ごとに別々に用意されていてもよい。例えば、昼に取得された情報から生成されたデータセットと、夜に取得された情報から生成されたデータセットとが別々に用意されていてもよい。この場合、車両10の制御装置18は、現在の時間帯と対応するデータセットに含まれる情報を取得できる。
【0034】
また、サーバ20に蓄積されているデータセットは、地図上で区分されるエリアごとに別々に用意されていてもよい。この場合、車両10の制御装置18は、車両10の現在の走行位置と対応するエリアのデータセットに含まれる情報を取得できる。
【0035】
なお、データセットの更新頻度は、1日単位であってもよく、1日より長い時間単位であってもよく、1日より短い時間単位であってもよい。例えば、データセットの更新頻度が1時間である場合、車両10の制御装置18は、最新のデータセットを取得してもよい。
【0036】
<制御装置の動作>
図4~
図8を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置18の動作について説明する。
【0037】
図4は、制御装置18が行う全体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4におけるステップS101は、
図4に示される制御フローの開始に対応する。
図4におけるステップS104は、
図4に示される制御フローの終了に対応する。
図4に示される制御フローは、例えば、予め設定されている時間間隔で繰り返し実行される。
【0038】
図4に示される制御フローが開始されると、ステップS102において、通信部18aは、車速情報をサーバ20から取得する。車速情報は、上述したように、複数の車両10の走行結果に関する情報に基づいて生成された車線ごとの標準的な車速である標準車速を示す情報である。
【0039】
例えば、通信部18aは、自車両10が走行する道路に設けられる複数の車線の各々の標準速度を示す速度情報をサーバ20から取得する。なお、自車両10が走行する道路がいずれの道路であるかは、例えば、ナビゲーション装置15において設定されている走行ルートの情報に基づいて判断され得る。より詳細には、通信部18aは、自車両10の現在の走行位置から進行方向側の所定距離の区間における車線ごとの標準速度を示す速度情報をサーバ20から取得する。なお、このような速度情報は、サーバ20により生成されてもよく、サーバ20から取得した情報を用いて制御装置18により生成されてもよい。また、通信部18aは、そのような速度情報のうち、現在の状況(例えば、曜日、天候、視界の良好度、路面の濡れ具合等)と一致する状況で取得された情報を用いて生成されたデータセットに含まれる速度情報を取得することが好ましい。
【0040】
ステップS102の次に、ステップS103において、制御部18bは、燃費向上に適した推奨車線に関する情報を自車両10のドライバーに対して報知する報知制御を実行し、
図4に示される制御フローは終了する。ここで、制御部18bは、ステップS102で取得した車速情報と、自車両10における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報とに基づいて、報知制御を実行する。なお、車両10では、ドライバーが、報知制御の実行可否を選択できるようになっていてもよい。
【0041】
制御部18bは、報知制御において、例えば、燃費向上に適した推奨車線に関する情報を表示装置14に表示させることによって、ドライバーに対して当該情報を報知する。以下では、報知制御におけるドライバーに対する報知が表示装置14を用いて実現される例について説明する。
【0042】
ただし、報知制御におけるドライバーに対する報知は、表示装置14を用いて実現される例に限定されない。例えば、報知制御におけるドライバーに対する報知は、車両10に搭載されず、車両10の乗員が所持する表示装置(例えば、スマートフォンやタブレット端末等)を用いて実現されてもよい。また、例えば、報知制御におけるドライバーに対する報知は、表示および音の双方によって実現されてもよく、表示に替えて音によって実現されてもよい。
【0043】
なお、報知制御によってドライバーに対して報知される情報は、燃費向上に適した推奨車線そのものを示す情報に限定されない。例えば、報知制御によってドライバーに対して報知される情報は、燃費向上に適した推奨車線をドライバーが推定可能な情報等であってもよい。以下、
図5および
図6を参照し、報知制御における表示例について説明する。
【0044】
図5は、報知制御における表示例を示す図である。
図5の例は、自車両10が走行する道路に、車線L1、車線L2、車線L3および車線L4が設けられている場合の表示例である。
図5の例では、自車両10が車線L2を走行しているので、自車両10が車線L2を走行している様子が表示されている。
【0045】
図5の例では、各車線の標準車速V1と、推奨車速V2と、制限速度V3とが表示されている。推奨車速V2は、自車両10における燃費向上に適した車速である。制限速度V3は、例えば、自車両10が走行する道路に設定された法定速度等である。このように、制御部18bは、報知制御において、各車線の標準車速V1と、推奨車速V2と、制限速度V3とをドライバーに対して報知してもよい。なお、
図5の例において、制限速度V3が表示されなくてもよい。少なくとも、各車線の標準車速V1と、推奨車速V2とが表示されることによって、ドライバーは、燃費向上に適した推奨車線を推定することができる。例えば、ドライバーは、標準車速V1が推奨車速V2と最も近い車線を推奨車線として推定することができる。
【0046】
各車線の標準車速V1は、ステップS102で取得した車速情報に基づいて取得され得る。
図5の例では、車線L4は、追い越し車線であり、車線L4に対しては標準車速V1の表示が省略されている。このように、追い越し車線に対しては標準車速V1の表示が省略されてもよい。
【0047】
推奨車速V2は、例えば、予め制御装置18の記憶素子に記憶されている。
図5の例では、推奨車速V2は、上限値と下限値からなる幅を有する車速であるが、幅を有しない特定の車速であってもよい。推奨車速V2を示す情報は、自車両10における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報の一例に相当する。ただし、燃費特性情報は、推奨車速V2を示す情報に限定されない。例えば、燃費特性情報は、自車両10の燃費を車速ごとに分類して示す情報、または、各車速の燃費をまとめて示す情報等であってもよい。
【0048】
図6は、報知制御における
図5の例と異なる表示例を示す図である。
図6の例は、自車両10が走行する道路に、車線L1、車線L2、車線L3および車線L4が設けられている場合の表示例である。
図6の例では、自車両10が車線L3を走行しているので、自車両10が車線L3を走行している様子が表示されている。
【0049】
図6の例では、
図5で示した各車線の標準車速V1、推奨車速V2、制限速度V3などのテキスト情報が表示されておらず、燃費向上に適した推奨車線が車線L2である旨を示す画像情報が表示されている。
図6では、車線L2にハッチングが付されることによって、推奨車線が車線L2である旨が示されている。ただし、実際の表示例は、この例に限定されず、例えば、推奨車線が他の車線を示す色とは異なる色で表示されてもよく、推奨車線が枠状のオブジェクトで示されてもよい。このように、制御部18bは、報知制御において、推奨車線をドライバーに対して報知してもよい。ここで、制御部18bは、車速情報と、燃費特性情報とに基づいて、推奨車線を決定する。推奨車線の決定に関する処理の詳細については、後述する。
【0050】
上記では、
図5および
図6の表示例をそれぞれ説明した。ただし、報知制御における表示例は上記の例に限定されない。例えば、報知制御において、
図5の表示内容と
図6の表示内容の両方が表示されてもよい。つまり、制御部18bは、報知制御において、各車線の標準車速V1、推奨車速V2、および、制限速度V3に加えて、推奨車線をドライバーに対して報知してもよい。また、制御部18bは、
図5および
図6の表示例において、自車両10がどの車線を走行しているかを示す情報に基づいて、自車両10が走行している車線を示すオブジェクト上に自車両10を示すオブジェクトを表示させることができる。ただし、自車両10がどの車線を走行しているかを示す情報が通信部18aにより取得されない場合、自車両10を示すオブジェクトの表示は省略されてもよい。つまり、自車両10がどの車線を走行しているかを特定できない場合においても、自車両10がどの車線を走行しているかを示す情報以外の他の情報(具体的には、各車線の標準車速V1、推奨車速V2、制限速度V3、推奨車線等)をドライバーに対して報知することは可能である。なお、自車両10がどの車線を走行しているかを示す情報は、例えば、サーバ20から取得され得る。
【0051】
以上説明したように、制御装置18の制御部18bは、車速情報と、燃費特性情報とに基づいて、燃費向上に適した推奨車線に関する情報をドライバーに対して報知する報知制御を実行する。それにより、ドライバーは、燃費向上に適した推奨車線を認識することができる。ゆえに、例えば、自車両10が推奨車線以外の車線を走行している場合、自車両10を推奨車線へ車線変更させることによって、燃費を向上させることができる。このように、制御装置18によれば、燃費向上に適した走行を支援することができる。
【0052】
以下、
図7および
図8を参照して、
図6の例のようにドライバーに対して報知される推奨車線の決定に関する処理の詳細について説明する。
【0053】
図7は、制御装置18が行う推奨車線の決定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7に示される制御フローは、例えば、
図4のステップS103において行われ得る。
図7におけるステップS201は、
図7に示される制御フローの開始に対応する。
図7におけるステップS209は、
図7に示される制御フローの終了に対応する。
【0054】
図7に示される制御フローが開始されると、ステップS202において、制御部18bは、ドライバーに対して報知される推奨車線を前回変更した時点から基準時間が経過しているか否かを判定する。
【0055】
推奨車線を決定する
図7の処理は、例えば、予め設定されている時間間隔で繰り返し行われ、基本的には、決定された推奨車線がドライバーに対して報知される。ここで、ドライバーに対して報知される推奨車線の変更が行われた後、短い時間しか経過していないにもかかわらず、ドライバーに対して報知される推奨車線の変更が再度行われると、ドライバーが煩わしく感じるおそれがある。ゆえに、後述されるように、ドライバーに対して報知される推奨車線の変更は、推奨車線を前回変更した時点から基準時間が経過するまで禁止される。基準時間は、ドライバーに対して報知される推奨車線の変更が過剰な頻度で行われないような時間に設定される。
【0056】
ドライバーに対して報知される推奨車線を前回変更した時点から基準時間が経過していると判定された場合(ステップS202/YES)、ステップS203に進む。一方、ドライバーに対して報知される推奨車線を前回変更した時点から基準時間が経過していないと判定された場合(ステップS202/NO)、
図7に示される制御フローは終了する。
【0057】
ステップS202でYESと判定された場合、ステップS203において、制御部18bは、全ての車線の標準車速V1が制限速度V3を超えているか否かを判定する。
【0058】
全ての車線の標準車速V1が制限速度V3を超えていると判定された場合(ステップS203/YES)、ステップS204に進む。一方、全ての車線の標準車速V1が制限速度V3を超えていると判定されなかった場合(ステップS203/NO)、ステップS205に進む。
【0059】
ステップS203でYESと判定された場合、ステップS204において、制御部18bは、標準車速V1が最も低い車線を推奨車線として決定し、
図7に示される制御フローは終了する。全ての車線の標準車速V1が制限速度V3を超えている場合には、安全性を向上させる観点で、標準車速V1が最も低い車線を走行することが好ましい。ゆえに、この場合、制御部18bは、標準車速V1が最も低い車線を推奨車線として決定する。
【0060】
ステップS203でNOと判定された場合、ステップS205において、制御部18bは、各車線について、推奨車線の候補である推奨車線候補に該当するか否かの判定(以下、推奨車線候補の該非判定とも呼ぶ)を行う。
【0061】
具体的には、制御部18bは、推奨車線候補の該非判定において、車速情報と、燃費特性情報とに基づいて、全ての車線の各々が推奨車線候補に該当するか否かを判定する。そして、後述されるように、制御部18bは、全ての車線のうちの少なくとも1つが推奨車線候補に該当する場合、推奨車線候補のいずれか1つを推奨車線として決定する。
【0062】
図8は、制御装置18が行う推奨車線候補の該非判定に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8に示される制御フローは、
図7のステップS205において行われる処理の一例に相当する。
図8におけるステップS301は、
図8に示される制御フローの開始に対応する。
図8におけるステップS307は、
図8に示される制御フローの終了に対応する。
【0063】
図8に示される制御フローは、自車両10が走行する道路に設けられる全ての車線について順に行われる。具体的には、複数の車線のうちの1つの車線を判定対象に設定して
図8に示される推奨車線候補の該非判定が行われ、その後、推奨車線候補の該非判定が未実施の車線を判定対象に設定し直して
図8に示される制御フローが行われる。このようにして、推奨車線候補の該非判定が全ての車線に対して実施される。
【0064】
図8に示される制御フローが開始されると、ステップS302において、制御部18bは、判定対象の車線の標準車速V1が制限速度V3を超えているか否かを判定する。
【0065】
判定対象の車線の標準車速V1が制限速度V3を超えていると判定された場合(ステップS302/YES)、ステップS303に進む。ステップS303において、制御部18bは、判定対象の車線が推奨車線候補に該当しないと判定し、
図8に示される制御フローは終了する。
【0066】
一方、判定対象の車線の標準車速V1が制限速度V3を超えていないと判定された場合(ステップS302/NO)、ステップS304に進む。ステップS304において、制御部18bは、判定対象の車線が追い越し車線であるか否かを判定する。
【0067】
判定対象の車線が追い越し車線であると判定された場合(ステップS304/YES)、ステップS303に進む。ステップS303において、制御部18bは、判定対象の車線が推奨車線候補に該当しないと判定し、
図8に示される制御フローは終了する。
【0068】
一方、判定対象の車線が追い越し車線ではないと判定された場合(ステップS304/NO)、ステップS305に進む。ステップS305において、制御部18bは、判定対象の車線の標準車速V1が推奨車速V2を下回るか否かを判定する。なお、推奨車速V2が幅を有する車速である場合、標準車速V1が推奨車速V2の下限値より低い場合に、ステップS305でYESと判定され、標準車速V1が推奨車速V2の下限値より高い場合に、ステップS305でNOと判定される。
【0069】
判定対象の車線の標準車速V1が推奨車速V2を下回ると判定された場合(ステップS305/YES)、ステップS303に進む。ステップS303において、制御部18bは、判定対象の車線が推奨車線候補に該当しないと判定し、
図8に示される制御フローは終了する。
【0070】
一方、判定対象の車線の標準車速V1が推奨車速V2を下回ると判定されなかった場合(ステップS305/NO)、ステップS306に進む。ステップS306において、制御部18bは、判定対象の車線が推奨車線候補に該当すると判定し、
図8に示される制御フローは終了する。
【0071】
図7のステップS205の次に、ステップS206において、制御部18bは、全ての車線が推奨車線候補に該当しないか否かを判定する。
【0072】
全ての車線が推奨車線候補に該当しないと判定された場合(ステップS206/YES)、ステップS207に進む。一方、全ての車線が推奨車線候補に該当しないと判定されなかった場合(ステップS206/NO)、ステップS208に進む。
【0073】
ステップS206でYESと判定された場合、ステップS207において、制御部18bは、標準車速V1が最も高い車線を推奨車線として決定し、
図7に示される制御フローは終了する。全ての車線が推奨車線候補に該当しない場合には、全ての車線において標準車速V1が推奨車速V2を下回っているので、燃費を向上させる観点で、標準車速V1が最も高い車線を走行することが好ましい。ゆえに、この場合、制御部18bは、標準車速V1が最も高い車線を推奨車線として決定する。
【0074】
ステップS206でNOと判定された場合、ステップS208において、制御部18bは、推奨車線候補のうち標準車速V1が最も低い車線を推奨車線として決定し、
図7に示される制御フローは終了する。複数の車線が推奨車線候補に該当する場合には、安全性を向上させる観点で、推奨車線候補に該当する複数の車線のうち標準車速V1が最も低い車線を走行することが好ましい。ゆえに、この場合、制御部18bは、推奨車線候補に該当する複数の車線のうち標準車速V1が最も低い車線を推奨車線として決定する。
【0075】
以上、
図4~
図8を参照して、制御装置18が行う処理例について説明した。ただし、制御装置18が行う処理は、上記の処理例に限定されず、例えば、上記の処理例に対して適宜変更を施した処理であってもよい。
【0076】
例えば、制御部18bは、ドライバーによる運転操作によらずに自車両10の車線変更を行う車線変更制御を実行し、報知制御において、自車両10の推奨車線への車線変更を行う車線変更制御の実行をドライバーに対して提案してもよい。このような車線変更制御では、例えば、制御部18bは、自車両10が推奨車線へ車線変更することが実現されるような目標タイヤ舵角を決定し、タイヤ舵角が目標タイヤ舵角になるように、ステアリング機構13を制御する。上記の報知制御では、例えば、制御部18bは、車線変更制御の実行を受け付けるボタン等のオブジェクトを表示装置14に表示させる。例えば、ドライバーによって当該オブジェクトが押された場合、制御部18bは、車線変更制御を実行する。それにより、自車両10の車線変更が自動で行われる。
【0077】
また、例えば、制御部18bは、推奨車線が自車両10の走行車線、または、走行車線に隣接する隣接車線ではない場合、報知制御を禁止してもよい。このような場合には、自車両10を推奨車線へ車線変更させる際に、自車両10は1つ以上の車線を横切る必要が生じる。ゆえに、他車両との接触等を抑制する観点では、このような場合に報知制御を禁止し、ドライバーに対する推奨車線の提案等を禁止することが好ましい。
【0078】
<制御装置の効果>
本発明の実施形態に係る制御装置18の効果について説明する。
【0079】
制御装置18は、複数の車両の走行結果に関する情報に基づいて生成された車線ごとの標準的な車速である標準車速V1を示す車速情報を取得する取得部(上記の例では、通信部18a)と、車速情報と、自車両10における燃費と車速との関係に関する燃費特性情報とに基づいて、燃費向上に適した推奨車線に関する情報をドライバーに対して報知する報知制御を実行する制御部18bと、を備える。それにより、ドライバーは、燃費向上に適した推奨車線を認識することができる。ゆえに、例えば、自車両10が推奨車線以外の車線を走行している場合、自車両10を推奨車線へ車線変更させることによって、燃費を向上させることができる。このように、制御装置18によれば、燃費向上に適した走行を支援することができる。
【0080】
好ましくは、制御装置18では、燃費特性情報は、自車両10における燃費向上に適した推奨車速V2を示す情報を含み、制御部18bは、報知制御において、各車線の標準車速V1と、推奨車速V2とをドライバーに対して報知する。それにより、ドライバーは、燃費向上に適した推奨車線を推定することができる。例えば、ドライバーは、標準車速V1が推奨車速V2と最も近い車線を推奨車線として推定することができる。ゆえに、自車両10を推奨車線へ車線変更させることによって、燃費を向上させることが適切に実現される。
【0081】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、報知制御において、各車線の標準車速V1と、推奨車速V2とに加えて、制限速度V3をドライバーに対して報知する。それにより、ドライバーは、燃費向上に適した推奨車線を推定することに加え、制限速度V3を認識することができる。ゆえに、ドライバーは、制限速度V3を考慮してより安全な運転を行うことができる。
【0082】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、車速情報と、燃費特性情報とに基づいて、推奨車線を決定し、報知制御において、推奨車線をドライバーに対して報知する。それにより、ドライバーは、燃費向上に適した推奨車線を認識することができる。ゆえに、自車両10を推奨車線へ車線変更させることによって、燃費を向上させることが適切に実現される。
【0083】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、ドライバーによる運転操作によらずに自車両10の車線変更を行う車線変更制御を実行し、報知制御において、自車両10の推奨車線への車線変更を行う車線変更制御の実行をドライバーに対して提案する。それにより、ドライバーの操作の手間を低減しつつ、自車両10を推奨車線へ車線変更させることができる。
【0084】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、ドライバーに対して報知される推奨車線の変更を、推奨車線を前回変更した時点から基準時間が経過するまで禁止する。それにより、ドライバーに対して報知される推奨車線の変更が過剰な頻度で行われることに起因してドライバーが煩わしく感じることを抑制できる。
【0085】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、推奨車線が自車両10の走行車線、または、走行車線に隣接する隣接車線ではない場合、報知制御を禁止する。それにより、自車両10を推奨車線へ車線変更させるために自車両10が1つ以上の車線を横切る必要が生じる場合に報知制御を禁止できる。ゆえに、他車両との接触等を抑制することができる。
【0086】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、全ての車線の標準車速V1が制限速度V3を超えている場合、標準車速V1が最も低い車線を推奨車線として決定する。それにより、全ての車線の標準車速V1が制限速度V3を超えている場合に、標準車速V1が最も低い車線を走行することをドライバーに促すことができるので、安全性を向上させることができる。
【0087】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、車速情報と、燃費特性情報とに基づいて、全ての車線の各々が推奨車線の候補である推奨車線候補に該当するか否かを判定し、全ての車線のうちの少なくとも1つが推奨車線候補に該当する場合、推奨車線候補のいずれか1つを推奨車線として決定する。それにより、推奨車線候補の該非判定を適切に行うことができるので、推奨車線を適切に決定することができる。
【0088】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、標準車速V1が制限速度V3を超えている車線は推奨車線候補に該当しないと判定する。それにより、標準車速V1が制限速度V3を超えている車線が推奨車線に決定され、ひいては、そのような車線を走行することがドライバーに促されることが抑制される。ゆえに、安全性を向上させることができる。
【0089】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、追い越し車線は推奨車線候補に該当しないと判定する。それにより、追い越し車線が推奨車線に決定され、ひいては、追い越し車線を走行することがドライバーに促されることが抑制される。ゆえに、安全性を向上させることができる。
【0090】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、標準車速V1が自車両10における燃費向上に適した推奨車速V2を下回る車線は推奨車線候補に該当しないと判定する。それにより、標準車速V1が推奨車速V2を下回る車線が推奨車線に決定され、ひいては、そのような車線を走行することがドライバーに促されることが抑制される。ゆえに、燃費を向上させることができる。なお、標準車速V1が推奨車速V2を上回る車線を走行する場合には、自車両10の速度を推奨車速V2に近づけることができるので、燃費の向上が実現され得る。
【0091】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、複数の車線が推奨車線候補に該当すると判定された場合、上記の複数の車線のうち標準車速V1が最も低い車線を推奨車線として決定する。それにより、複数の車線が推奨車線候補に該当する場合に、推奨車線候補に該当する複数の車線のうち標準車速V1が最も低い車線を走行することをドライバーに促すことができるので、安全性を向上させることができる。
【0092】
好ましくは、制御装置18では、制御部18bは、全ての車線が推奨車線候補に該当しないと判定された場合、標準車速V1が最も高い車線を推奨車線として決定する。それにより、全ての車線が推奨車線候補に該当しない場合に、標準車速V1が最も高い車線を走行することをドライバーに促すことができるので、燃費を向上させることができる。
【0093】
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【0094】
例えば、上記では、制御装置18が行う処理と、サーバ20が行う処理とを区別して説明した。ただし、上記で制御装置18が行う処理として説明した処理の任意の一部がサーバ20により行われてもよく、上記でサーバ20が行う処理として説明した処理の任意の一部が制御装置18により行われてもよい。
【0095】
また、例えば、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0096】
また、例えば、上記で説明した制御装置18による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、および、ソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、情報処理装置の内部または外部に設けられる記憶媒体に予め格納される。
【符号の説明】
【0097】
10 車両(自車両)
11 駆動源
12 ブレーキ装置
13 ステアリング機構
14 表示装置
15 ナビゲーション装置
16 周囲環境センサ
17 車速センサ
18 制御装置
18a 通信部(取得部)
18b 制御部
20 サーバ
20a 通信部
20b 処理部
20c 記憶部
L1 車線
L2 車線
L3 車線
L4 車線
N1 通信ネットワーク
V1 標準車速
V2 推奨車速
V3 制限速度