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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089719
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】洗車システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240627BHJP
   G06Q 30/0645 20230101ALI20240627BHJP
【FI】
G06Q30/0207 352
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205087
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】594163811
【氏名又は名称】株式会社京南
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100121049
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 正義
(72)【発明者】
【氏名】田澤 孝雄
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB05
5L030BB68
5L049BB05
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】登録車両での入場有無を特定でき、スムースにかつ不正を防止できる洗車システムを提供することを目的とする。
【解決手段】車両が、無人洗車場内に設置された洗車機にて洗車サービスを受けられる登録車両であるか否かを判定する洗車システムであって、前記無人洗車場の入口付近にて、前記車両の車両情報を取得する車両認識システムと、ユーザー端末から洗車ボタンが押されると、前記車両認識システムと連携して、登録された車両情報及び店舗情報と照合し、前記登録車両の入場有無を判定する本部システムと、を有することを特徴とする洗車システム。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が、無人洗車場内に設置された洗車機にて洗車サービスを受けられる登録車両であるか否かを判定する洗車システムであって、
前記無人洗車場の入口付近にて、前記車両の車両情報を取得する車両認識システムと、
ユーザー端末から洗車ボタンが押されると、前記車両認識システムと連携して、登録された車両情報及び店舗情報と照合し、前記登録車両の入場有無を判定する本部システムと、
を有することを特徴とする洗車システム。
【請求項2】
前記車両情報を取得してから前記洗車ボタンが押されるまでの時間が所定時間内であるとき、洗車を許可する、ことを特徴とする請求項1に記載の洗車システム。
【請求項3】
前記本部システムにて、前記登録車両の入場が判定されると、前記ユーザー端末に洗車を許可する許可証を送信し、該許可証を前記洗車機にかざすことで洗車が実行される、ことを特徴とする請求項1に記載の洗車システム。
【請求項4】
前記許可証が所定時間内に読み取られた場合に、洗車を可能とし、前記所定時間を超えると洗車不可にする、ことを特徴とする請求項3に記載の洗車システム。
【請求項5】
前記車両情報は車番であり、前記車両認識システムはカメラを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の洗車システム。












【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ホストコンピュータによって、ユーザーと関連付けられた顧客識別番号を取得し、顧客識別番号とデータサーバ中に登録されたリース契約の契約条件を参照し、リース契約の有無に応じて洗車サービスを無料で提供するか否かを判定するリース契約車両への洗車サービスの提供方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-122107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す洗車システムでは、洗車場にて、具体的に、どのようにして登録車両であるか否かを識別し、登録車両に洗車サービスを提供するか定かでない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、登録車両での入場有無を特定でき、スムースにかつ不正を防止できる洗車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における洗車システムは、車両が、無人洗車場内に設置された洗車機にて洗車サービスを受けられる登録車両であるか否かを判定する洗車システムであって、前記無人洗車場の入口付近にて、前記車両の車両情報を取得する車両認識システムと、ユーザー端末から洗車ボタンが押されると、前記車両認識システムと連携して、登録された車両情報及び店舗情報と照合し、前記登録車両の入場有無を判定する本部システムと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗車システムによれば、登録車両の入場有無を判定でき、迅速な洗車を実行できるとともに、不正を防止できる洗車システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の洗車システムを用いて、車両の入場から洗車までの一連の流れを示す概要図である。
図2図2は、本実施形態による洗車システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本実施形態の洗車システムのフローチャートである。
図4図4は、QRコードを表示した端末画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態(以下、「実施形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0010】
<車両の入場から洗車までの一連の流れ>
図1は、本実施形態の洗車システムを用いて、車両の入場から洗車までの一連の流れを示す概要図である。図2は、本実施形態による洗車システムの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0011】
図1(a)に示すように、車両20が、洗車場Aに入場した際、カメラ3にて、自動的に、車両20の車両情報を取得する。図1(a)では、カメラ3は、洗車場の入口付近に設置されているが、洗車場の入口付近を撮影できればよく、例えば、洗車機23付近に柱を立て、その柱にカメラ3を設置して俯瞰撮影できるようにしてもよい。すなわち、カメラ3の設置位置は問わない。「入口付近」とは、車両が出入りする、洗車場の敷地と道路との境界周辺であり、洗車場A内に設置された洗車機23から離れている。カメラ3は、広角カメラ、360°カメラなどであり、既存のカメラを適用できる。車両情報は、車両を特定できればよく、限定するものではないが、少なくとも車番を含むことが好ましい。
【0012】
カメラ3にて車両20の車番を取得したら、その車両情報を、店舗に設置の車両認識システム2のサーバ4に保存する(図2参照)。
【0013】
ユーザーは、洗車場Aに入場した後、例えば、図1(b)に示す洗車操作装置21の前に車両20を停車させ、ユーザー端末(スマートフォンなど)を用いて、専用の洗車サービスページをブラウザやアプリで開き、ページに表示の洗車ボタンを押下操作する。
【0014】
これにより、店舗側の車両認識システム2と、本部システム5(図2参照)とが連携し、車両認識システム2に保存された車番情報及びカメラ3(洗車場A)を特定する店舗情報と、予め登録された車番及び店舗情報とを照合し、これら情報が一致すると、登録した車両20(「登録車両20」と称する)が洗車場Aに入場したと判定し、ユーザー端末に、許可証としてのQRコード(登録商標)を送信する。洗車操作装置21の操作パネルにQRコードをかざすと、洗車メニューリストが表示される。ユーザーは、操作パネルに表示された洗車メニューリストの中から希望する洗車メニューを選択する。
【0015】
これにより、図1(c)に示すように、ゲート22が開き、登録車両20を洗車機23まで移動させ、選定した洗車メニューによる洗車が実行される。なお、ゲート22は、なくてもよい。
【0016】
<本実施形態に至る経緯>
予め、ユーザーが、特定の洗車場Aにて洗車サービスを受けられる車両20を登録しておき、その登録車両20に対して洗車サービスを実行する洗車プランがある。このような洗車プランでは、ユーザーは、ユーザー端末(スマートフォンなど)を用いて、専用の洗車サービスページから、車両20、洗車場A、及び洗車メニューのグレード(例えば、ノーマル、スペシャル、プレミアム等)などを、事前に登録する。グレードに応じて洗車月額料金が異なる。洗車月額料金は、自動振り込みであり、支払いが確認されたその月は、登録車両20に対し洗車場Aにて何度も、グレードに応じた洗車サービスを受けることができる。グレードによって、選択できる洗車メニューが変わり、例えば、「スペシャル」では、シャンプー洗車、あるいはワックス洗車のみで撥水コーティング洗車を選択できないが、「プレミアム」では、シャンプー洗車、ワックス洗車、及び撥水コーティング洗車の全てを選択できるようになっている。
【0017】
本実施形態の洗車場Aは、無人洗車場である。したがって、入場した車両が本当に登録車両20であるか否かを自動的にかつ迅速に判定することが必要である。
【0018】
しかしながら、従来においては、洗車場Aで洗車サービスを受けられる登録車両20であるか否かを判定する洗車システムが確立されていなかった。
【0019】
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、登録車両の入場有無を迅速に判定でき、不正防止を可能にした洗車システムを発明するに至った。
すなわち、本実施形態の洗車システムは、以下の構成を有することを特徴とする。
(1)無人洗車場の入口付近にて、車両の車両情報を取得する車両認識システムを備える。
(2)ユーザー端末から洗車ボタンが押されると、車両認識システムと連携して、登録された車両情報及び店舗情報と照合し、登録車両の入場有無を判定する本部システムを備える。
【0020】
<本実施形態による洗車システム1について>
図2に示す機能ブロック図を用いて、本実施形態による洗車システム1の構成を詳しく説明する。
【0021】
図2に示すように、洗車システム1は、店舗に設置された車両認識システム2と、店舗外に設置された本部システム5とを有して構成される。
【0022】
車両認識システム2は、カメラ3、カメラ3で撮影した画像を保存するサーバ4、及び洗車操作装置21を備える。
【0023】
図2に示す本部システム5は、来店記録API6、及びデータベース7を備える。図2では、車両認識システム2及び本部システム5が一つずつであるが、複数の店舗の各車両認識システム2が、一つの本部システム5に接続されたネットワークを構成している。
【0024】
本部システム5には、個人情報、車両情報、洗車情報、及びグレードなどの各種情報がデータベース7に格納されている。「個人情報」は、ユーザーの氏名、性別、年齢、住所、メールアドレス、クレジットカード情報等である。「車両情報」は、車両20を特定するための情報であり、車番、車種等が該当する。「洗車情報」は、ユーザーが、洗車サービスを希望する洗車場の登録情報や利用履歴等である。本実施形態の洗車システム1が適用される洗車場は、例えば、複数用意されている。よって、ユーザーは、その中から洗車サービスを受けたい一つの洗車場を予め登録しておく。「グレード」は、洗車メニューのグレードであり、グレードにより選択可能な洗車メニューが異なる。例えば、ユーザーが希望する洗車場及びグレードに基づいて、洗車月額料金が設定されるため、洗車場に入場した車両が登録車両20であることを適切に把握できる洗車システムでなければいけない。
【0025】
車両認識システム2と本部システム5は、来店記録API6を通じて互いに連携できる。連携により、車両認識システム2から本部システム5に、車番、来店日時(車番が読み取られた時刻)、来店店舗(カメラ3が設置された洗車場)の各種情報が送られる。
【0026】
車番情報は、カメラ3の画像より取得できる。カメラ画像の解析により車番を取得する。解析機能は、車両認識システム2に備わっていることが好ましい。車番情報は、洗車場の営業時間中は、常時、取得されるため、所定時間が経過し、あるいは、ある一定の情報量が蓄積されたら車番情報を更新する。来店店舗は、カメラ3が設置された洗車場Aを特定するための情報であり、例えば、店舗コード、カメラ画像の送信元のアドレスやカメラ型番である。
【0027】
車両認識システム2から、来店記録API6を通じて、本部システム5に、車番、来店日時、来店店舗(店舗コード等)などの各種情報が送られるが、コンピュータネットワークにて、複数の洗車場と本部システム5とが接続されており、本部システム5には、例えば、洗車場A、洗車場B、洗車場C・・・からの各種情報が常時送られる。このため、どのカメラ(洗車場)からの情報であるか把握することが必要であるため、コンピュータネットワークを介して、車番情報とともに、カメラ(洗車場)を特定する。
【0028】
本部システム5では、車両認識システム2が取得した車番及び店舗情報と、データベース7にあらかじめ登録された車番及び店舗情報とを照合し、登録車両20が洗車場Aに入場したか否かを判定する。
【0029】
登録車両20が洗車場Aに入場したと判定した場合に、本部システム5からQRコードをユーザー端末9に送信する。QRコードの種類は、洗車機23のメーカごとに異なるため、洗車機23の種類に合わせてQRコードを発行する。ユーザー端末9に表示されたQRコードを洗車操作装置21で読み取る。QRコードが洗車操作装置21にて読み取られると、洗車操作装置21の操作パネルには、洗車メニューリストが表示され、ユーザーは、その中から利用したい洗車メニューを選択し、これにより、洗車が実行される。ここで、上記したように、洗車メニューのグレードはあらかじめ登録されており、グレードが、「プレミアム」である場合は、洗車メニューリストに、シャンプー洗車、ワックス洗車、及び撥水コーティング洗車の全てを選択できるようになっている。ユーザーは、この中から希望する洗車メニューを選択し、洗車機23にて所望の洗車が実行される。
【0030】
<洗車システムのフローチャート>
図3は、本実施形態の洗車システムのフローチャートである。
図1(a)に示すように、車両20が洗車場Aに入場した際、洗車場Aの入口付近の車両20を、カメラ3により撮影する(ステップST1)。
本実施形態では、洗車場Aの入口付近で車番を読み取ることが、特徴の一つである。すなわち、車両20が洗車場Aに入場した瞬間に、カメラ3により、車番が読み取られる。本実施形態では、洗車機23の近傍で車番を読み取らず、洗車機23から離れた洗車場の入口付近に乗り入れた車両の車番を読みとる。このように、洗車場Aの入口付近にて、まずは車番を読み取ることで、洗車までスムースに導くことができる。本実施形態は、無人洗車場での洗車サービスを提供する。有人洗車場のように、人為的に、車番を確認することはないので、車両20が洗車場Aに入場したらすぐに車番を自動的に読み取り、ユーザーが洗車サービスの意思を示したことをトリガとして、本部システム5にて登録車両の照合を行い、これにより、スムースな洗車を実行できる。例えば、車番を入り口付近で読み取らずに車両20が洗車操作装置21まで移動した後、図1(b)の段階で、カメラ撮影→車番認識→サービスページログインなどのステップを踏むと、洗車機23の手前で洗車手続きまでに時間がかかってしまい、洗車機23の手前で混雑する。このような混雑をなくし、スムースな洗車サービスを提供できるように、本実施形態では、車番を洗車場Aの入口付近で取得する。
【0031】
図3に示すように、カメラ3で自動的に車両を撮影した後、車番を読み取る(ステップST2)。店舗には、車両認識システム2が設置されている。車両認識システム2では、カメラ3の映像から車番を読み取る機能を備え、車番をサーバ4に保存できる。車両認識システム2は、カメラ3そのものに内蔵された機能であってもよく、あるいは、カメラ3とは別個に設置され、カメラ3のデータを受信し車番を分析可能な制御装置であってもよい。
【0032】
車両認識システム2では、車番のほかに、車番を読み取った時間及び来店店舗の各情報を取得する。来店店舗は、各店舗の車両認識システム2に割り振られた店舗コードなどである。
【0033】
図1(b)のように、ユーザーが、洗車操作装置21の位置で車両20を停止し、ユーザー端末より専用の洗車サービスページを開き(ステップST3)、画面に表示された「洗車ボタン」を押す(ステップST4)。なお、ユーザーは、予め、洗車サービスを受けたい車両情報(車番など)、洗車場、グレード、及び個人情報などを登録しており、これら情報は、本部システム5のデータベース7に保存されている。また、サービスページのログイン(ステップST3)自体は、ステップST1より前に行ってもよい。
【0034】
洗車ボタンが押されると、来店記録API6を通じて、車両認識システム2と本部システム5とが連携し、車両認識システム2のサーバ4に保存された車両情報及び店舗情報と、データベース7に保存された各種登録情報とが照合される。このとき、車番読み取り時間と洗車ボタンを押した時間から、所定時間内に洗車ボタンが押されたか否かを判定する(ステップST5)。所定時間を超えた場合は、例えば、サービスページをログインし直し、再度、洗車ボタンを押すように促す。あるいは、所定時間を超えたとき、図4(a)に示すような有人店舗用のQRコードを発行してもよい。しかしながら、洗車場Aは無人洗車場であるため、有人店舗用のQRコードは適用されない。したがって、「無人店舗である場合は、もう一度、サービスページをログインし直してください」などと端末画面に表示して、ユーザーに、サービスページの再起動を求める。洗車ボタンを所定時間内に押したか否か判断することで、スムースな洗車を実行できる。なお、洗車する日の前日に洗車ボタンを押したような場合も、ステップST5で許可されず、再度のログインなどを求める。
【0035】
車両認識システム2と本部システム5の連携により、車両と店舗の双方が一致した場合、登録車両20が洗車場Aに入場したと判断できる(ステップST6)。一方、車番及び洗車場のどちらか一方が異なる場合は、登録車両20が洗車場Aに入場していないと判定する。
【0036】
登録車両20が洗車場Aに入場したと判定されると、本部システム5は、QRコードを発行し、ユーザー端末9に送信する(ステップST7)。ステップST7では、図4(b)に示す無人店舗用のQRコードが発行される。一方、登録車両20が洗車場Aに入場していないと判定されると、QRコードは発行されず洗車を行うことができない(ステップST8)。QRコートが発行されない場合は、例えば、ユーザー端末に、「車番が一致しません」、「登録した洗車場ではありません」などと表示し、ユーザーに登録内容と異なることを報知する。
【0037】
QRコードを受け取ったユーザーは、図1(b)のように、洗車操作装置21の操作パネルにQRコードをかざす。このとき、QRコードがQRコード発行から所定時間内に読み取られたか否かを判断する(ステップST9)。このとき、洗車操作装置21のQRコードを読み取った時刻はサーバ4に保存されており、連携する本部システム5に送られる。一方、本部システム5では、ユーザー端末9にQRコードを送信した時刻が記憶されているので、洗車操作装置21からの読取時刻のフィードバックにより、QRコードの発行からQRコードが読み取られるまでの時間を算出できる。
【0038】
QRコードが所定時間内に読み取られた場合は、洗車操作装置21の操作パネルに洗車メニューリストを表示する。ユーザーは、その中から希望する洗車メニューを選択し(ステップST10)、洗車が実行される(ステップST11)。
【0039】
一方、QRコードが所定時間内に読み取られなかった場合は、QRコードを無効にする(ステップST12)。例えば、QRコードを受け取った後、別の日に、登録車両20でない車両で入場しても、発行されたQRコードをかざすと洗車できるため、このような不正行為を防止するために、一定時間使用されなかったQRコードを無効にすることが望ましい。
【0040】
本実施形態の洗車システム1は、無人洗車場において、ユーザーが、洗車場Aにて煩雑な入力などを行わなくても自動的かつ迅速に登録車両20か否かを認証し、スムースな洗車を実行できるとともに、登録車両20でない車両等で洗車しようする不正行為を未然に防ぐことを可能にする。
【0041】
本実施形態の洗車システム1では、車両20の車番を、洗車場Aの入口付近で入手し、その後、ユーザー端末より洗車ボタンが押されると、車両認識システムと本部システムとを連携して、登録車両の入場有無を迅速かつ的確に判定でき、不正を防止できる。本実施形態では、登録車両にて洗車場に入場したと判定されると、QRコード(許可証)をユーザー端末に送り、ユーザーは、そのQRコードを洗車機側にかざすことで、所望の洗車サービスを受けることができる仕組みとなっている。本実施形態の洗車システム1では、登録車両以外の車両の洗車を不可にでき、不正を防止できるとともに、洗車に際し、ユーザーは、サービスページの起動、洗車予約、洗車場にてQRコードをかざす、及び、洗車メニューの選択を行えば足り、例えば、洗車場での、車番やIDコードの入力といった煩雑な作業を必要とせず、スムースに洗車を行うことが可能である。
【0042】
本実施の形態では、予め、ユーザー端末から、洗車サービスを受けたい車両及び洗車場を登録しておき、その登録情報と入場情報とを照らし合わせて、登録車両の入場有無を判定する。
【0043】
車両情報は、車番であることが好ましい。登録情報と入場情報との車番の一致性を確認することで、登録車両の入場有無を的確に判定できる。なお、補完的に、車種や車体の色などを車両情報に入れることができる。例えば、カメラ3にて車番を正確に読み取れなかった場合は、車種などを補完的に用いて、登録車両か否かを判定してもよい。
【0044】
洗車場にて車両情報を取得する取得装置は、カメラ3でなくてもよい。例えば、登録車両20にセンサが装着されており、洗車場側にセンサ読取装置(取得装置)が設けられている形態であってもよい。ただし、取得装置はカメラとし、車番等の車両情報を取得する構成とすることが、登録車両の車両情報を的確に把握でき、好ましい。
【0045】
本実施の形態の洗車システム1は、無人洗車場で有効なシステムである。本実施の形態の洗車システム1は、予め登録された車両のみ洗車可能とし、登録車両以外の車両は洗車不可にするシステムである。有人洗車場であれば、スタッフが登録車両であるか否かを確認できるが、無人洗車場では登録車両であることを自動的に確認する手段が必要であり、そのため、車両情報を取得するカメラ3を洗車場に設置するが、洗車の意思にかかわらず、カメラ3にて洗車場Aの入口付近に位置する車両の車番を取得する。このように、車番を洗車場Aへの入場と同時に取得することで、ユ-ザー端末にて洗車ボタンを押したときに、洗車サービスが受けられる登録車両であるか否かの判断を即座に行うことができ、スムースな洗車を実行できる。また、車番読み取りから洗車ボタンが押されるまでの時間を所定時間内に区切ることでシステム側の負担を減らすことができる。
【0046】
本実施形態では、車番読み取りを行った後、洗車ボタンを押すように設定されている。すなわち、洗車ボタンを押した後、車番読み取りを行うパターンでは、洗車ボタンを押すことで、車両認識システム2と本部システム5とが連携しても登録車両の確認はできないため、例えば、図4(a)に示す有人店舗用のQRコードを発行し、無人店舗での洗車を規制することができる。
【0047】
なお、洗車場Aの入口付近で、洗車ボタンを押し、その後、洗車場Aの入口で車番が読み取られるケースでは、洗車ボタンの押下と、車番読み取りの順番が逆になるが、洗車ボタンの押下と、車番読み取りの間の時間が短ければ、図3のステップ5を許可し、ステップST6に移行できるように、システムを変更してもよい。
【0048】
本実施形態では、登録車両の入場と判定されても、ユーザー端末に、許可証を発行し、該許可証により洗車を実行できるようにしたことで、効果的に不正を防止できるようにしている。
【0049】
特に、許可証が発行されてから一定時間内に許可証を使用しないと、許可証自体を無効にすることで、より効果的に不正を防止できる。
【0050】
本実施形態において、許可証は、QRコードでなくてもよい。例えば、LINE(登録商標)などのアプリケーションに許可証を送り、その画面を読み取る方法であってもよい。
【0051】
なお、上記説明では、登録する車両は一台としたが、プランによっては複数台を登録でき、また、プランによって登録した複数の車両のそれぞれに異なる洗車サービスを提供してもよい。
【0052】
また、より不正を防止するには、読取装置10にQRコードが読み込まれた際の車両が、登録車両20であるか否かをカメラ3、あるいは、カメラ3とは別のカメラにより車番を取得して本部システム5にて確認できる。本部システム5では、発行したQRコードと登録車両20とが紐づけられた情報をもとに、QRコードが読み込まれた際の車両情報と照らし合わせ、登録車両20の入場有無を判定できる。そして、登録車両20であることが確認できるとゲート22を開き、洗車を実行できる。一方、登録車両20でないと判定されるとゲート22を開かず、ユーザーには登録車両でないことをお知らせする。
【符号の説明】
【0053】
1 :洗車システム
2 :車両認識システム
3 :カメラ
4 :サーバ
5 :本部システム
6 :本部システム
7 :データベース
9 :ユーザー端末
10 :読取装置
20 :車両
21 :洗車操作装置
22 :ゲート
23 :洗車機
A :洗車場
6 :来店記録API
図1
図2
図3
図4