(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089743
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】計量デバイス及び計量容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/06 20060101AFI20240627BHJP
B65D 83/04 20060101ALI20240627BHJP
A61J 7/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B65D83/06 P
B65D83/04 Z
A61J7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205124
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩史
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047JJ01
4C047JJ12
(57)【要約】
【課題】粒状物の計量が容易な計量デバイス及び計量容器を提供する。
【解決手段】粒状物を収納する収容部と粒状物を収容部に対して出し入れする容器口部とを備える容器本体に取付可能な計量デバイスであって、前記容器本体の容器口部の開口方向に延設されるガイド部であって、前記収容部から前記容器口部を介して排出された粒状物を前記延設される方向である延設方向に整列する整列空間を有するガイド部と、前記整列空間を前記延設方向の途中の仕切位置で仕切り、該仕切位置を前記延設方向で変更可能に構成された仕切部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物を収納する収容部と粒状物を収容部に対して出し入れする容器口部とを備える容器本体に取付可能な計量デバイスであって、
前記容器本体の容器口部の開口方向に延設されるガイド部であって、前記収容部から前記容器口部を介して排出された粒状物を前記延設される方向である延設方向に整列する整列空間を有するガイド部と、
前記整列空間を前記延設方向の途中の仕切位置で仕切り、該仕切位置を前記延設方向で変更可能に構成された仕切部と、を備える、計量デバイス。
【請求項2】
前記ガイド部の前記延設方向に直交する幅方向の長さは、前記収容部の幅方向の長さ以下である、請求項1に記載の計量デバイス。
【請求項3】
前記ガイド部に、前記延設方向の先端部に整列空間内の粒状物を取り出すための開閉可能な出口部が設けられ、
前記仕切部は、前記整列空間を仕切る仕切位置と、前記仕切位置から退避した退避位置とで移動可能に構成され、
前記出口部は、前記仕切部が前記仕切位置に位置した状態では開放可能であり、前記仕切部が前記退避位置に位置した状態では開放不能に構成される、請求項1又は2に記載の計量デバイス。
【請求項4】
前記仕切部は、前記出口部が開放状態であると前記仕切位置で位置固定され、前記出口部が閉塞状態であると前記仕切位置と前記退避位置との間を移動可能に構成される、請求項3に記載の計量デバイス。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の計量デバイスと、
粒状物を収納可能な収容部および粒状物を前記収容部に対して出し入れする容器口部を有し、前記計量デバイスが取り付けられる容器本体と、を備える、計量容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、錠剤等の粒状物を計量することができる計量デバイス及び計量容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粒状物を必要な数だけ計量可能な計量容器としての粒状物容器が知られている(特許文献1)。
図18に示すように、この粒状物容器は、粒状物を収容する容器902と、容器902を蓋する上蓋901と、容器902から粒状物がころがり込む粒状物ガイド904と、上蓋901に設けられた粒状物計数ピン903と、を備える。
【0003】
この粒状物容器では、粒状物は、容器902を傾けながら粒状物ガイド904の方向に移動させると、粒状物ガイド904に沿って順次ころがり込む。また、粒状物容器は、粒状物ガイド904に粒状物が一旦入ると、ガイド入口から出ることがあっても、上から飛び出すことがない構造とする。上蓋901の上下動は、例えば一方がバネ908式等の場合は、支点913に対し、もう一方の片側の上下運動が最大となり、支点913に近い程、上下運動が少ないので、粒状物計数ピン903の長さは一定であるため、粒状物ガイド904は、上蓋901の上下運動に合致する様、勾配を持たせる。
【0004】
粒状物計数ピン903は、粒状物の配列に沿ってスライドする構造で、
図19に示すように、粒状物必要個数を上蓋901の粒状物計数ピン903でセットし、上蓋901を押さえ付けることにより、計数ピン先端が開放された粒状物ガイド上面を通過し、粒状物と粒状物との間に押し分けて入り、粒状物を仕分ける。粒状物の仕分けが終わると同時に、上蓋901が、受け具910で止まり、上蓋901の粒状物出口911が、容器902の粒状物出口909と同一で重なり、粒状物ガイドより粒状物計数ピン903でセットされた必要個数の粒状物がころがり出る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記粒状物容器では、上述のように、粒状物は、容器を傾けながら粒状物ガイドの方向に移動させることで粒状物ガイドに沿って順次ころがり込むようになっているが、その操作が難しいため粒状物ガイドに粒状物を並べて整列させることが難しく、従って粒状物の計量が煩雑であった。
【0007】
本発明は、粒状物の計量が容易な計量デバイス及び計量容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の計量デバイスは、粒状物を収納する収容部と粒状物を収容部に対して出し入れする容器口部とを備える容器本体に取付可能な計量デバイスであって、前記容器本体の容器口部の開口方向に延設されるガイド部であって、前記収容部から前記容器口部を介して排出された粒状物を前記延設される方向である延設方向に整列する整列空間を有するガイド部と、前記整列空間を前記延設方向の途中の仕切位置で仕切り、該仕切位置を前記延設方向で変更可能に構成された仕切部と、を備える。
【0009】
かかる構成によれば、計量デバイスを取り付けた容器本体を容器口部の開口方向が下向きになるようにすることで、収容部内の粒状物を、容器口部を介してガイド部に排出して整列空間内に整列させることができ、所定の計量数となる仕切位置で仕切部により仕切ることができるため、粒状物を容易に計量することができる。
【0010】
また、前記計量デバイスでは、前記ガイド部の前記延設方向に直交する幅方向の長さは、前記収容部の幅方向の長さ以下であってもよい。
【0011】
かかる構成によれば、ガイド部の幅方向の長さが収容部の幅方向の長さからはみ出さないため、計量デバイスを容器本体に取り付けた計量容器をコンパクトな形状にできる。
【0012】
また、前記計量デバイスでは、前記ガイド部に、前記延設方向の先端部に整列空間内の粒状物を取り出すための開閉可能な出口部が設けられ、前記仕切部は、前記整列空間を仕切る仕切位置と、前記仕切位置から退避した退避位置とで移動可能に構成され、前記出口部は、前記仕切部が前記仕切位置に位置した状態では開放可能であり、前記仕切部が前記退避位置に位置した状態では開放不能に構成されてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、仕切部を仕切位置とすることで、出口部を開放することができ、仕切部を退避位置とすることで、出口部の開放を防ぐことができるので、整列空間内に整列した粒状物を仕切部で仕切った分だけ取り出すことができ、仕切部で仕切っていない状態では誤って出口部を開放して粒状物を排出してしまうことを防止できる。
【0014】
また、前記計量デバイスでは、前記仕切部は、前記出口部が開放状態であると前記仕切位置で位置固定され、前記出口部が閉塞状態であると前記仕切位置と前記退避位置との間を移動可能に構成されてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、出口部が開放した状態で誤って仕切部を仕切位置から位置移動させてしまうことを防ぐことができる。一方、出口部が閉塞した状態では仕切部を位置移動させて整列空間を仕切りのない状態としたり仕切った状態としたりすることができる。
【0016】
本発明の計量容器は、上記の計量デバイスと、粒状物を収納可能な収容部および粒状物を前記収容部に対して出し入れする容器口部を有し、前記計量デバイスが取り付けられる容器本体と、を備える。
【0017】
かかる構成によれば、計量デバイスを取り付けた容器本体を容器口部の開口方向が下向きになるようにすることで、収容部内の粒状物を、容器口部を介してガイド部に排出して整列空間内に整列させることができ、所定の計量数となる仕切位置で仕切部により仕切ることができるため、粒状物を容易に計量することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上より、本発明によれば、粒状物の計量が容易な計量デバイス及び計量容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る計量デバイスを備えた計量容器の正面図である。
【
図6】
図6は、オーバーキャップを取り外した状態で、仕切部が仕切位置にあり出口開閉部が開放しているときの前記計量デバイスの正面図である。
【
図8】
図8は、前記計量デバイスの仕切部を説明するための斜視図である。
【
図9】
図9は、
図5からオーバーキャップを取り外した状態で、出口開閉部が開放しているときの前記計量デバイスの断面図である。
【
図10】
図10は、オーバーキャップを取り外した状態の前記計量容器の正面図である。
【
図11】
図11は、上下逆さまにした状態の前記計量容器の正面図である。
【
図12】
図12は、上下逆さまにした状態の前記計量容器の背面図である。
【
図13】
図13は、仕切部を仕切位置に移動した状態の前記計量容器の正面図である。
【
図14】
図14は、仕切部を仕切位置に移動した状態の前記計量容器の背面図である。
【
図15】
図15は、粒状物を取り出すときの前記計量容器の正面図である。
【
図16】
図16は、別の実施形態に係るオーバーキャップを取り外した状態の計量容器の正面図である。
【
図18】
図18は、従来の粒状物容器の計量前の粒状物容器の模式図である。
【
図19】
図19は、前記粒状物容器の計量中の粒状物容器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、
図1~
図15を参照しつつ説明する。本実施形態に係る計量容器は、錠剤等の粒状物を必要な数だけ準備する場合に使用される。利用者としては、日常的に、粒状物(例えば錠剤)を取り扱う小児患者の親等が想定される。
【0021】
計量容器1は、
図1に示すように、粒状物を収納する容器本体2と、容器本体2に取付可能な計量デバイス3と、を備える。本実施形態では、計量容器1の形状は、長尺状(ペン型)である。以下、計量容器1における容器本体2側(
図1における下側)を「基端側」と称し、計量容器1における容器本体2と反対側(
図1における上側)を「先端側」と称する。
【0022】
容器本体2は、
図2に示すように、粒状物を収納する収容部20と、粒状物を収容部20に対して出し入れする容器口部21とを備える部材である。例えば、容器本体2は、瓶である。
【0023】
収容部20は、円板状の底部201と、底部201の周縁から上方に延びる周壁である胴部202と、胴部202の上端縁と容器口部21の下端縁とを接続する肩部203と、を備える。胴部202は、例えば、円筒状である。肩部203は、肩部203の先端部が計量デバイス3の容器本体2への取付部分の形状と対応する形状、例えば、先端側の厚みが小さい形状を有する。肩部203の上面204は、例えば、水平面に対して傾斜した面であるが、平坦な面であってもよい。なお、収容部20は、有底円筒状であるが、扁平な筒状であってもよい。
【0024】
容器口部21は、容器本体2から内容物である粒状物を出し入れする際の出入口である。また、容器口部21は、略筒状である。さらに、容器口部21は、収容部20から外向き(本実施形態では、まっすぐ外向き)に突設される。具体的には、容器口部21は、収容部20の肩部203から上向きに突設され、具体的には、底部201に対して垂直上向きに開口する。容器口部21は、筒状の口部本体210と、口部本体210の周囲に設けられた凸条211と、を備える。口部本体210の周囲には、凸条211の代わりにねじ部を設けてもよい。
【0025】
本実施形態の口部本体210は、例えば、径が均一な円筒状である。口部本体210の頂側に位置する端縁212は、容器口部21の開口部213を画定している。
【0026】
計量デバイス3は、容器本体2に収容された複数の粒状物のうち所定の数の粒状物を計量して取り出すことができる装置である。また、計量デバイス3は、容器本体2の容器口部21の開口方向(
図2における上下方向)に延設され、収容部20から容器口部21を介して排出された粒状物をガイド部4の延設される方向である延設方向に整列する整列空間40を有するガイド部4と、整列空間40を仕切る仕切部50と、を備える。さらに、本実施形態の計量デバイス3は、仕切部50を有する可動部5を備える。また、計量デバイス3は、ガイド部4に取り付けられる出口開閉部6を備える。計量デバイス3は、ガイド部4に取り付けることによりガイド部4及び可動部5を保護可能なオーバーキャップ7を備える。
【0027】
ガイド部4には、延設方向の先端部に整列空間40内の粒状物を取り出すための開閉可能な出口部8が設けられている。本実施形態では、出口部8は、後述するガイド部4の出口開口部413と、出口開閉部6とで構成される。
【0028】
以下、ガイド部4の延設される方向(延設方向)、容器口部21の開口方向、容器口部21の長さ(高さ)方向、及び、容器口部21の延設方向(
図1~
図3、
図5~
図6、
図8~
図15における上下方向)を単に「上下方向」と称する。
【0029】
ガイド部4は、整列空間40で粒状物を整列する部材である(
図2参照)。また、ガイド部4は、正面と裏面と側面とを有する柱状であり、中心に整列空間40が形成されている。ガイド部4の上下方向に直交する幅方向(
図2における横方向)の長さは、例えば、容器本体2の幅方向の長さ以下である。本実施形態では、ガイド部4の幅方向の長さは、収容部20の直径と略等しい。なお、ガイド部4の幅方向の長さが、収容部20の幅方向の長さよりも長くてもよい。
【0030】
例えば、ガイド部4は、上下方向に沿って長手となるように柱状に形成されて中心部に整列空間40が形成されている柱部分41と、柱部分41から幅方向一方側(
図2における右側)に延設される一方側部42と、柱部分41から幅方向他方側(
図2における左側)に延設される他方側部43と、を有する。また、ガイド部4は、容器本体2から整列空間40へ粒状物が入る入口開口部411と、整列空間40から外部へ粒状物を出す出口開口部413と、を有する。
【0031】
本実施形態では、柱部分41は、柱部分41の基端部410に設けられた入口開口部411と、柱部分41の先端部412に設けられた出口開口部413と、を有する。柱部分41は、整列空間40に加えて、整列空間40に対応して正面側に設けられた複数の第一穴44を有する。
【0032】
整列空間40は、粒状物が上下方向に一列並ぶ空間である。また、整列空間40は、
図5に示すように、柱部分41の上側(出口開口部413)から下側(入口開口部411)まで貫通している丸穴である。整列空間40の直径は、柱部分41の基端部410以外の内側に設けられた部位では均一であり、粒状物の直径より僅かに大きい。また、整列空間40の直径は、柱部分41の基端部410に設けられた部位では、基端側ほど大きくなっている。これにより、粒状物が、出口開口部413から整列空間40内にころがり込みやすい。なお、整列空間40は、丸穴以外に、断面視矩形状等の別の形状の穴でもよい。本実施形態では、整列空間40は、柱部分41の中央領域に延びている。
【0033】
第一穴44は、
図8に示すように、可動部5の仕切部50が出入りする穴である。本実施形態では、第一穴44は、幅方向に延びる穴であり、仕切部50が挿入された状態で、仕切部50が後述する仕切位置と退避位置とでの間を移動することを許容する穴である。また、第一穴44は、正面側から裏側に凹設された竪穴である。即ち、この第一穴44は、裏側に底が設けられるとともに、正面側に開口している。
【0034】
さらに、隣り合う第一穴44同士の間には、第一壁440が設けられている。第一壁440は、
図4に示すように、整列空間40と重なる位置で切り欠かれている。具体的には、第一壁440は、幅方向一方側部分が整列空間40によって切り欠かれた切欠部441であり、幅方向他方側部分が切り欠きのない壁部442である。即ち、複数の第一穴44は、整列空間40で連通している。第一穴44は、柱部分41に、上下方向に間隔を空けて複数(例えば、16個)並ぶ(
図8参照)。なお、第一穴44は、上下方向に延びる一つの穴であってもよい。
【0035】
柱部分41の基端部410は、
図5に示すように、ガイド部4が容器本体2に取り付けられる容器取付部である。柱部分41の基端部410が容器口部21に係合することで、計量デバイス3が容器本体2に取り付けられる。この基端部410には、オーバーキャップ7も取り付けられる。
【0036】
本実施形態では、柱部分41の基端部410は、内側筒状部414と、内側筒状部414を囲む外側筒状部415と、を有する。内側筒状部414の内周には、周方向に連続する凹条416が設けられている。内側筒状部414の凹条416に、容器口部21の凸条211が係合することで、計量デバイス3が容器本体2に取付けられる。外側筒状部415には、オーバーキャップ7が外嵌めされる。
【0037】
一方側部42は、幅方向の一方側に設けられた複数の第二穴45を有する(
図8参照)。また、一方側部42の幅方向の一方部は、湾曲した形状の保持被嵌合部46となっている。
【0038】
第二穴45は、可動部5の後述するロック部54が出入りする穴である。また、第二穴45は、正面側に開口するとともに、幅方向の一方側にも開口している。さらに、隣り合う第二穴45の間には、第二壁450が設けられている。第二穴45は、例えば、一方側部42に、上下方向に複数(例えば、12個)並ぶ。
【0039】
他方側部43は、可動部5の移動を案内する移動案内部47を有する(
図2参照)。本実施形態では、他方側部43は、上下方向に延びる棒状の部位である移動案内部47と、移動案内部47の基端部を支持する基端側支持部430と、移動案内部47の先端部を支持する先端側支持部431と、を有する(
図5、
図6参照)。
【0040】
可動部5は、ガイド部4に取り付けられた状態でガイド部4に対して移動可能な部材である。本実施形態では、可動部5は、ユーザーが操作することで幅方向に移動可能な操作部51と、上下移動可能な位置移動部52と、を有する(
図6、
図8参照)。なお、この可動部5では、操作部51と位置移動部52とが別部材であり、これらを組み合わせて可動部5が構成されている。
【0041】
操作部51は、略矩形板状の部材である。また、操作部51の表面(正面側の面)には、例えば、ユーザーの操作の方向(幅方向)を示す矢印が記載されている(
図2参照)。本実施形態では、操作部51は、仕切部50が設けられる略平板状の板部53と、板部53に設けられるロック部54と、を有する(
図8参照)。
【0042】
仕切部50は、板部53の裏面(背面側の面)の上端部の幅方向における他端部から裏側に突出する凸部である。また、仕切部50は、整列空間40を延設方向の途中の仕切位置で仕切り、仕切位置を延設方向で変更可能に構成されている(
図5参照)。本実施形態では、仕切部50は、第一穴44に挿入可能であり、第一穴44に挿入された状態で整列空間40内に配置されることにより、整列空間40を仕切位置で仕切る。
【0043】
この仕切部50は、整列空間40を仕切る仕切位置(
図5における二点鎖線で示す位置)と、仕切位置から退避した退避位置(
図5における実線で示す位置)とで移動可能に構成されている。本実施形態では、仕切部50は、第一穴44に挿入された状態で、幅方向にスライド移動することにより、仕切位置と退避位置とで移動可能である。具体的には、仕切部50は、仕切位置に位置した状態では、上下方向において第一壁440の切欠部441と重なって切欠部441における整列空間40内に位置し、退避位置に位置した状態では、上下方向において第一壁440の壁部442と重なって整列空間40から外れて位置する。また、仕切部50は、
図9に示すように、出口部8が開放状態であると仕切位置で位置固定され、
図5に示すように、出口部8が閉塞状態であると仕切位置と退避位置との間を移動可能に構成される。
【0044】
ロック部54は、出口部8の開閉をロックする開閉ロック係合部、及び、仕切部50の位置固定をロックする仕切ロック係合部として機能する。また、ロック部54は、板部53の裏面(背面側の面)の下端部の幅方向における一端部から裏側に突出する凸部である(
図8参照)。
【0045】
位置移動部52は、仕切部50を複数の第一穴44のうちいずれの第一穴44に挿入するかを決めるための上下の移動をする部材である。また、位置移動部52は、ガイド部4に対して着脱可能な部材である。例えば、位置移動部52は、略平板状の平板部520と、平板部520の幅方向の一端部(
図4における右端部)から延びる保持嵌合部521と、平板部520の幅方向の他方部(
図4における左端部)から延びる固定部522と、を有する。保持嵌合部521は、平板部520の一端部から裏側に湾曲して延びている。固定部522は、平板部520の他端部から裏面に延び、且つ、上下方向から視たとき延出端部(裏側に位置する端部)が裏向きに開口したC字状となっている。さらに、位置移動部52は、平板部520に設けられる補助係合部523を有する(
図8参照)。補助係合部523は、板部520の裏面(背面側の面)の上下方向の中央部の幅方向における中央部から裏側に突出する凸部である。
【0046】
本実施形態では、位置移動部52は、ガイド部4の他方側部43(
図1における左端部)に固定されると共に、ガイド部4の一方側部42(
図1における右端部)に対して着脱可能である。具体的に、固定部522が、ガイド部4の移動案内部47に嵌まった状態で固定されると共に、保持嵌合部521は、ガイド部4の一方側部42の保持被嵌合部46に対して着脱可能である。
【0047】
位置移動部52は、保持嵌合部521がガイド部4の一方側部42から浮いた状態で、移動案内部47に案内されて上下方向にスライド移動可能である(
図8参照)。さらに、保持嵌合部521がガイド部4の一方側部42から浮いた位置から、ガイド部4の移動案内部47を軸に回動して裏側に移動し、ガイド部4の一方側部42の保持被嵌合部46に幅方向外側から嵌合することにより、位置移動部52はガイド部4に対して装着される。この保持嵌合部521の裏側への移動に伴い、操作部51が裏側へ移動することで、仕切部50がガイド部4の第一穴44の一つに挿入される。これにより、位置移動部52は、ガイド部4に対して装着された状態では上下方向に移動不可能である。また、本実施形態では、仕切部50の第一穴44への挿入に加えて、補助係合部523が第一穴44の一つに挿入されることによっても、位置移動部52は、ガイド部4に対して装着された状態では上下方向に移動不可能となっている。
【0048】
本実施形態では、位置移動部52は、一度ガイド部4に対して装着されると外れにくい。例えば、位置移動部52は、位置移動部52がガイド部4に装着した状態を保持する保持係止構造により、取り付けられている。具体的に、保持係止構造は、位置移動部52の自由端側(
図8における右端側)の湾曲した形状の保持嵌合部521と、ガイド部4の一方側部42、具体的にはガイド部4の幅端部の湾曲した形状の保持被嵌合部46とで構成される。この保持係止構造は、計量デバイス3における計量数を固定する計量数ロック構造の一部として機能する。
【0049】
この計量数ロック構造は、保持係止構造だけでなく、仕切部50が第一穴44に挿入される挿入構造(仕切部50が、第一穴44に挿入された状態で上下方向に移動できない構造)も併せて成り立つ構造である。この計量数ロック構造により、薬剤師が所定の位置で位置移動部52をガイド部4に取り付けて、計量数を固定することができる。これにより、患者による計量数の変更を防ぐことができる。
【0050】
なお、本実施形態では、位置移動部52の保持嵌合部521の厚みは均一であるが、保持嵌合部521の延出端部が他の部位よりも厚い構成としてもよい。延出端部の厚みが厚い保持嵌合部521は、ガイド部4の保持被嵌合部46からより外れにくくなる。
【0051】
出口開閉部6は、
図6に示すように、ガイド部4の出口開口部413を覆う部材である。本実施形態では、出口開閉部6は、出口開口部413を閉塞する板状の出口閉塞部60と、計量した粒状物を一旦貯留するトレイ本体61と、トレイ本体61の幅方向における一方側の端部に位置する被ロック部62と、を有する(
図2参照)。また、出口開閉部6は、トレイ本体61の先端部に設けられた把持部63を有する。
【0052】
出口閉塞部60は、ガイド部4の出口開口部413の蓋として機能する部位である。また、出口閉塞部60は、トレイ底部610の先端縁から延びている。
【0053】
トレイ本体61は、トレイ底部610と、トレイ底部610の両側から正面側に立ち上がる一方側部611及び他方側部612とを有する。トレイ底部610の一方側部611の先端側(立ち上がりの先端側)に、被ロック部62が設けられている。トレイ本体61が粒状物の受け皿として使用されるとき、雨樋のような形状(裏側に凸状となるように湾曲した形状)のトレイ本体61と出口閉塞部60とで囲まれた空間に粒状物がころがり込む。本実施形態では、把持部63の外面には、ユーザーが指を掛けやすいように滑り止めが設けられている。
【0054】
被ロック部62は、可動部5のロック部54と当接可能な凸状の部位である。また、被ロック部62は、出口部8の開閉をロックする開閉ロック被係合部、及び、仕切部50が位置移動をロックされて位置固定される仕切ロック被係合部として機能する。本実施形態では、被ロック部62は、トレイ本体61の一方側部611の先端部(立ち上がりの先端部)から、幅方向外向きに突設される凸部である。また、被ロック部62は、上下方向に間隔を空けて複数(例えば、14個)並ぶ。
【0055】
被ロック部62である凸部62の上下方向の幅と、第二穴45間の第二壁450の上下方向の幅とは略同じである(
図5参照)。また、この凸部62同士の上下方向の間隔と、第二穴45の上下方向の幅とは略同じである。さらに、この凸部62の上下方向の幅は、第二穴45の上下方向の幅より大きい。また、被ロック部62は、
図9に示すように、出口部8が開放した状態では、ガイド部4の第二穴45と幅方向において重なる位置に配置され、具体的に、各第二穴45に一つずつ配置される。このように、出口開閉部6が出口開口部413を閉塞した状態では、被ロック部62は第二壁450の幅方向内側に位置して第二穴45を開放し(
図5参照)、出口開閉部6が出口開口部413を開放した状態では、被ロック部62は第二穴45の幅方向内側に位置して第二穴45でのロック部54の幅方向内側への移動を規制する(
図6)。
【0056】
以上の計量デバイス3の各部材の位置関係について、出口部8が閉塞され、且つ、操作部51の仕切部50が整列空間40を仕切っていない状態を例示して説明する。この計量デバイス3では、
図4に示すように、ガイド部4の柱部分41の裏側に、トレイ本体61のトレイ底部610が配置される。また、ガイド部4の一方側部42の裏側に、トレイ本体61の幅方向の一方側部611が配置される。さらに、
図5に示すように、第二穴45の列に、被ロック部62の列が重なる。さらに、ガイド部4の他方側部43の裏側に、トレイ本体61の幅方向の他方側部612が配置される(
図4参照)。
【0057】
ガイド部4の他方側部43の移動案内部47には、固定部522が嵌め込まれて位置移動部52が上下方向に摺動可能に嵌合する。ガイド部4の一方側部42の湾曲した保持被嵌合部46には、位置移動部52の湾曲した保持嵌合部521が幅方向外側から嵌合係止する。このように、出口部8が閉塞され、且つ、操作部51の仕切部50が整列空間40を仕切っていない状態では、仕切部50は、
図4、5に示すように、第一穴44に挿入されて第一壁440の壁部442に対向するよう位置している。また、操作部51のロック部54は、第二穴45に挿入されてトレイ本体61の被ロック部62(凸部)の間に挿入される。
【0058】
本実施形態では、ガイド部4の柱部分41及び出口開閉部6のトレイ本体61の整列空間40と重なる部位(例えば、底部610)は、粒状物の計量数が見えるように透明である。なお、柱部分41の全体やトレイ本体61の全体が透明であってもよい。
【0059】
オーバーキャップ7は、ガイド部4、可動部5、及び、出口開閉部6を保護する部材である(
図1参照)。また、オーバーキャップ7が、容器本体2に接続されたガイド部4及び出口開閉部6を保護することにより、容器本体2内の防湿性も確保できる。本実施形態のオーバーキャップ7は、頂部が天面により閉塞された筒状である。具体的に、オーバーキャップ7は、扁平な筒形状のキャップ筒部70と、キャップ天板71と、を含む(
図2参照)。
【0060】
キャップ筒部70は、ガイド部4の側部、可動部5、及び、出口開閉部6の側部を保護する部位である。キャップ天板71は、ガイド部4の先端部及び出口開閉部6の先端部を保護する部位である。
【0061】
出口部8は、仕切部50が仕切位置に位置した状態では開放可能であり(
図6及び
図9参照)、仕切部50が退避位置に位置した状態では開放不能に構成される(
図5及び
図10参照)。本実施形態では、出口部8は、仕切部50が退避位置に位置した状態では、閉塞状態で固定される。
【0062】
以上の計量デバイス3の各部材の動きについて説明する。出口部8が閉塞され、且つ、可動部5の仕切部50が整列空間40を仕切っていない状態では、
図5に示すように、仕切部50は、退避位置にあるが、幅方向に移動可能である。このとき、可動部5のロック部54が、出口開閉部6の被ロック部62と被ロック部62との間に位置しているため、出口開閉部6のトレイ本体61は、閉じた状態で固定され、出口開閉部6は開放不可である。具体的に、
図3に示すように、操作部51の開閉ロック係合部(本実施形態ではロック部54)が、出口開閉部6の開閉ロック被係合部(本実施形態では被ロック部62)に係合して、出口開閉部6の開放側(先端側)への移動を規制する。例えば、ロック部54は、被ロック部62の基端側を向いた面(下面620)に当接して、出口開閉部6の開放側(先端側)への移動を規制する。
【0063】
この状態から、操作部51が、位置移動部52に対して幅方向にスライド移動することで、仕切部50が退避位置から仕切位置に移動する操作、即ち、仕切部50の仕切操作を行うと、仕切部50により整列空間40が仕切られ、ロック部54が第二穴45において被ロック部62同士の間から幅方向外側に離脱した位置に移動する(
図5参照)。これにより、出口開閉部6のトレイ本体61が、移動可能となり、出口開閉部6は開放可能となる。
【0064】
さらに、出口開閉部6のトレイ本体61を先端側に移動させて、出口部8を開放することで、
図9に示すように、出口開閉部6の仕切ロック被係合部(被ロック部62)が、仕切ロック係合部(ロック部54)の幅方向内側に移動し、ロック部54の幅方向の内側への移動を規制する。これにより、仕切部50の移動が規制され、仕切部50が仕切位置で固定される、即ち、仕切部50の位置固定のロック操作が行われる。具体的に、仕切ロック係合部(ロック部54)が、出口開閉部6の仕切ロック被係合部(被ロック部62)に係合して、操作部51の退避位置への移動を規制する。例えば、ロック部54は、被ロック部62の幅方向の外側を向いた面(外面621)に当接する位置よりも内側に移動できないことにより、操作部51の退避位置への移動を規制する。
【0065】
次に、計量デバイス3の使用方法の一形態について説明する。
【0066】
まず、薬剤師等が、処方の内容に基づいて、計量数を固定した計量デバイス3を準備する。例えば、薬剤師は、仕切部50による整列空間40の仕切位置を選択することで、計量デバイス3の計量数を選択する。具体的に、可動部5を操作することで位置移動部52を上下方向において移動させて、仕切部50による仕切位置を処方の内容に応じたものとする。より具体的に、整列空間40のうち仕切部50よりも先端側に位置する空間に収容される粒状物の数が、処方の内容に応じた数となるよう、位置移動部52を移動させる。例えば、薬剤師は、「1回3錠の錠剤を朝夕10日間服用する」といった処方に基づいて、整列空間40の仕切部50で仕切られた先端側の空間に収容される粒状物の数が、処方の内容に応じた数「3」となるよう、位置移動部52を上下方向に移動させる。
【0067】
次に、薬剤師は、位置移動部52をガイド部4に対して固定する。なお、位置移動部52がガイド部4に固定された状態では、上述した保持係止構造により、位置移動部52がガイド部4の保持被嵌合部46から外れ難い。さらに、位置移動部52をガイド部4から取り外さない限り、計量数を変更することはできない。
【0068】
また、薬剤師は、処方の内容に基づいて、複数の粒状物を容器本体2に入れる。例えば、薬剤師は、上述の処方に基づいて、60錠の錠剤を容器本体2に入れる。
【0069】
最後に、薬剤師は、仕切部50を退避位置とした状態で、計量デバイス3にオーバーキャップ7を取り付ける。これにより、計量デバイス3に容器本体2を取り付けた状態で、仕切部50の計量数を固定した計量容器1が準備される。
【0070】
患者等の利用者が、錠剤を服用する際には、
図10に示すように、計量デバイス3からオーバーキャップ7を取り外し、
図11及び
図12に示すように、計量容器1(計量デバイス3が取り付けられた容器本体2)を上下逆さまの姿勢とする。これにより、錠剤が、容器本体2から入口開口部411を介して整列空間40に入る。利用者は、ガイド部4の柱部分41及び出口開閉部6のトレイ本体61の透明な部位を介して、整列空間40に整列している錠剤を視認することができる。このとき、仕切部50は退避位置に位置している。また、出口部8は、閉塞状態で位置固定されている。本実施形態では、操作部51の開閉ロック係合部(ロック部54)が、出口開閉部6の開閉ロック被係合部(被ロック部62)に係合して、出口開閉部6の開放側(先端側)への移動が規制されている(
図5参照)。
【0071】
さらに、利用者が操作部51を幅方向に移動するよう操作し、
図13及び
図14に示すように、仕切部50を退避位置から仕切位置とすると、仕切部50が整列空間40内に進入し、整列空間40を先端側の空間と基端側の空間とに仕切る。これにより、錠剤が固定された数(例えば、3個)だけ計量される。利用者は、ガイド部4の柱部分41及び出口開閉部6のトレイ本体61の透明な部位を介して、計量数を視認することができる。
【0072】
また、
図13及び
図14では、出口部8は閉塞状態であるが、操作部51が幅方向に移動することで、
図5の二点鎖線で示すように、操作部51の開閉ロック係合部(ロック部54)が、第二穴45内において、トレイ本体61の被ロック部62(凸部)の間から幅方向外側に離脱した位置へ移動する。これにより、開閉ロック係合部(ロック部54)の出口開閉部6の開閉ロック被係合部(被ロック部62)に対する係合が解除されて、出口開閉部6の開放側(先端側)への移動が可能な状態となっている(
図5参照)。
【0073】
利用者は、錠剤の計量を確認すると、
図15に示すように、出口部8を開放する。この状態とすることで、利用者は、計量容器1から、計量した錠剤(例えば、3粒の錠剤)を取り出すことができる。なお、本実施形態の計量容器1では、出口開閉部6のトレイ本体61が受け皿を兼ねているため、受け皿を別途用意しなくても、計量した錠剤を手に取ることにより錠剤が湿気ることを防ぐことができる。
【0074】
さらに、この状態では、操作部51の仕切ロック係合部(ロック部54)が、出口開閉部6の仕切ロック被係合部(被ロック部62)に係合して、操作部51の退避位置への移動を規制する(
図9参照)。
【0075】
以上の計量デバイス3によれば、
図12に示すように、計量デバイス3を取り付けた容器本体2を容器口部21の開口方向が下向きになるようにすることで、収容部20内の粒状物を、容器口部21を介してガイド部4に排出して整列空間40内に整列させることができ、
図13に示すように、所定の計量数となる仕切位置で仕切部50により仕切ることができるため、粒状物を容易に計量することができる。
【0076】
本実施形態の計量デバイス3では、ガイド部4の幅方向の長さが収容部20の幅方向の長さからはみ出さないため、計量デバイス3を容器本体2に取り付けた計量容器1をコンパクトな形状にできる。
【0077】
また、本実施形態の計量デバイス3では、
図5に示すように、仕切部50を仕切位置とすることで、出口部8を開放することができ、仕切部50を退避位置とすることで、出口部8の開放を防ぐことができるので、整列空間40内に整列した粒状物を仕切部50で仕切った分だけ取り出すことができ、仕切部50で仕切っていない状態では誤って出口部8を開放して粒状物を排出してしまうことを防止できる。
【0078】
さらに、本実施形態の計量デバイス3では、
図9に示すように、仕切部50は、出口部8が開放状態であると仕切位置で位置固定されるため、出口部8が開放した状態で誤って仕切部50を仕切位置から位置移動させてしまうことを防ぐことができる。一方、出口部8が閉塞した状態では仕切部50を位置移動させて整列空間40を仕切りのない状態としたり仕切った状態としたりすることができる。
【0079】
本実施形態の計量デバイス3では、出口閉塞部60により、ガイド部4の出口開口部413を保護できる。また、トレイ本体61は、粒状物の受け皿として機能するため、受け皿を別途用意する必要が無く便利であるとともに、計量した粒状物を手に取ることで、粒状物が湿気ることを防ぐことができる。
【0080】
なお、本発明の計量デバイス及び計量容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0081】
上記実施形態の計量容器1では、出口部8は、仕切部50が退避位置に位置した状態では開放不能に構成され、仕切部50は、出口部8が開放状態であると仕切位置で位置固定される構成であったが、例えば、
図16に示すように、このような構成を備えなくてもよい。この計量容器1では、ガイド部4において、可動部5の移動を案内する移動案内部47は、幅方向の両端部で構成されている。また、柱部分41には、第二穴45が設けられていない。
【0082】
さらに、
図16に記載の計量容器1では、操作部51と位置移動部52とが別部材であり、これらを組み合わせて可動部5が構成されている。
図17に示すように、位置移動部52は幅方向に沿う軸部55を備え、操作部51は軸受部510を備え、軸受部510が軸部55に嵌合することで、操作部51が位置移動部52に対して軸部55周りに回動可能に取り付けられている。操作部51に設けられる仕切部50は、操作部51の前記回動によって退避位置と仕切位置との間を移動する。即ち、この可動部5においては、操作部51を押さえることで操作部51が整列空間40に近づくように軸部55周りに回動し、仕切部50が、退避位置から仕切位置に移動する。このように、
図16および
図17に記載の計量容器1(計量デバイス3)においては、操作部51が、位置移動部52に対して幅方向にスライド移動する代わりに、軸部55を軸に回動することで仕切部50の仕切操作を行う。
【0083】
この構成においても、計量デバイス3を取り付けた容器本体2を容器口部21の開口方向が下向きになるようにすることで、収容部20内の粒状物を、容器口部21を介してガイド部に排出して整列空間40内に整列させることができ、所定の計量数となる仕切位置で仕切部50により仕切ることができるため、粒状物を容易に計量することができる。
【0084】
上記実施形態の計量容器1において、整列空間40には、粒状物が上下方向に一列並んでいたが、複数列並んでもよい。整列空間40に粒状物が複数列並ぶ構成では、整列空間40は幅方向に並ぶ複数の空間に仕切られていてもよい。また、整列空間40が幅方向に並ぶ複数の空間に仕切られる構成では、一つの仕切部50が複数の整列空間を仕切ってもよいし、複数の仕切部を設けて各仕切部が各整列空間を仕切ってもよい。
【0085】
なお、計量デバイス3は、仕切部50を有する可動部5及びガイド部4を備えていればよく、出口開閉部6及びオーバーキャップ7等のうち少なくとも一つを備えていなくてもよい。
【0086】
また、出口開閉部6は、ガイド部4の出口開口部413を閉塞する出口閉塞部60を有していればよく、トレイ本体61及び被ロック部62の少なくとも一方を有していなくてもよい。例えば、出口開閉部6は、出口開口部413を閉塞する単なる蓋のみで構成されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…計量容器、2…容器本体、3…計量デバイス、4…ガイド部、5…可動部、6…出口開閉部、7…オーバーキャップ、8…出口部、20…収容部、21…容器口部、40…整列空間、41…柱部分、42…一方側部、43…他方側部、44……第一穴、45…第二穴、46…保持被嵌合部、47…移動案内部、50…仕切部、51…操作部、52…位置移動部、53…板部、54…ロック部、55…軸部、60…出口閉塞部、61…トレイ本体、62…被ロック部、63…把持部、70…キャップ筒部、71…キャップ天板、201…底部、202…胴部、203…肩部、204…上面、210…口部本体、211…凸条、212…端縁、213…開口部、410…基端部、411…入口開口部、412…先端部、413…出口開口部、414…内側筒状部、415…外側筒状部、416…凹条、430…基端側支持部、431…先端側支持部、440…第一壁、441…切欠部、442…壁部、450…第二壁、510…軸受部、520…平板部、521…保持嵌合部、522…固定部、523…補助係合部、610…トレイ底部、611…一方側部、612…他方側部、620…下面、621…外面、901…上蓋、902…容器、903…粒状物計数ピン、904…粒状物ガイド、908…バネ、909,911…粒状物出口、910…受け具、913…支点