(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089744
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】シューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールーム
(51)【国際特許分類】
A47L 23/02 20060101AFI20240627BHJP
B08B 5/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A47L23/02 A
B08B5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205125
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】595111974
【氏名又は名称】愛豊工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 久生
(72)【発明者】
【氏名】内藤 文子
(72)【発明者】
【氏名】小瀬 正武
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB42
3B116BB22
3B116BB32
3B116BB72
3B116BB88
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ゴミ処理場、粉体工場等での作業中において、作業者の作業靴底に付着した有害物質対策に適った、即ち、作業靴底に付着した粉塵等の異物を建物等の出入口で空気圧により剥離させることにより除去するシューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールームを提供すること。
【解決手段】建物等の出入口で作業靴底に付着した粉塵等の異物を空気圧による乾式にて剥離させることにより除去し回収するシューズクリーナー10であって、作業靴を履いた状態で靴底を載せる貫通部分を含む靴底設置台20と、靴底設置台20に載せられた靴底に対して高圧パルスエアを吹き出す、ノズル先端部に誘引部材30が取付けられている高圧パルスエア噴射部材40を備えることを特徴とするシューズクリーナー10とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物等の出入口で作業靴底に付着した粉塵等の異物を空気圧による乾式にて剥離させることにより除去し回収するシューズクリーナーであって、
作業靴を履いた状態で靴底を載せる貫通部分を含む靴底設置台と、
前記靴底設置台に載せられた靴底に対して高圧パルスエアを噴射する、ノズル先端部に誘引部材が取付けられている高圧パルスエア噴射部材を備えることを特徴とするシューズクリーナー。
【請求項2】
前記高圧パルスエア噴射部材のノズル先端部は、前記誘引部材の高さの40%~50%まで挿入されており、前記誘引部材の外周には靴底方向に沿って粉塵カバー部材が設置されていることを特徴とする請求項1に記載のシューズクリーナー。
【請求項3】
前記高圧パルスエア噴射部材は、前記靴底設置台に載せられた靴底の片足に対して仕切り板を挟んで2列に配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシューズクリーナー。
【請求項4】
請求項3に記載したシューズクリーナーをエアシャワールーム下部に設置することを特徴とするエアシャワールーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴底に付着した粉塵等の異物を建物等の出入口で空気圧により剥離させることにより除去するシューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールーム(作業用保護服に付着した粉塵・雑菌等、全体を強力エアで同時に吹き払う)に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ処理場、粉体工場等での作業中(例えば、アスベスト除去工事)に(作業者が着用する)作業服等に付着した有害物質(例えば、ダイオキシン類等の有害な微粉塵等)が屋外大気中に飛散しないよう適切な対策が要求されており、(その要求に応じて)作業服に付着した粉塵・雑菌等、全体を強力エアで同時に吹き払うエアシャワールームが普及している。エアシャワールーム内では、両側面と天井からジェット風が吹き、作業服に付着した有害物質(ダイオキシン類等の有害な微粉塵等)を吹き飛ばし、エアシャワールーム下部の吸い込み口に設けたプレフィルタや内部のメインフィルタにより捕捉される仕組みになっている。
【0003】
エアシャワールームによって、ゴミ処理場、粉体工場等での作業中に作業者の衣服等に付着した有害物質(ダイオキシン類等の有害な微粉塵等)を除去処理することはできるが、作業者の作業靴底に付着した有害物質は除去することができない。出願人らは、かかる現状(作業靴底に付着した粉塵等を除去する要請)に鑑み鋭意開発し、作業靴底に付着した粉塵等を除去することができる本発明に至ったのである。
【0004】
特許文献1には、「吸引する範囲を分散させることなく所定の範囲に集中させることによって靴底面に衝突する空気の流速と流量を最大限に高め、これによって塵埃の除去効率の高い靴底洗浄装置を提供すること(要約:課題)」を課題として、「靴底洗浄装置であって、先端を薄く形成した可撓性を有する2個の当接ブレードと、前記2個の当接ブレードを平行に保持するとともに、当該2個の当接ブレード間に形成した吸気口と、当該吸気口と連通する接続口を設けた吸気ハウジングと、前記当接ブレードを上方に向かって突出するように配置した床状の架台を有する。また、靴底を浸せる程度の水を貯留するとともに、靴底面に当接するブラシ状の清掃具を設けた浴槽を前記架台上に設けたことを特徴とする(要約:解決手段)」靴底洗浄装置(特許文献1:発明の名称)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に係る靴底洗浄装置(特許文献1:発明の名称)は、請求項2に「靴底を浸せる程度の水を貯留するとともに、・・・」との記載があるように湿式による靴底洗浄装置である。本発明のような使用場面、即ち、ゴミ処理場、粉体工場等での作業中に作業靴底に付着した有害物質を除去し、付着物(有害物質)を収集して処理する際、特許文献1に係る靴底洗浄装置(特許文献1:発明の名称)は、乾式では無いので、有害物質を含んだ排水を処理するために別途排水処理工程が必要になってしまい好ましく無い。
【0007】
本発明の目的は、ゴミ処理場、粉体工場等での作業中において、作業者の作業靴底に付着した有害物質対策に適った、即ち、作業靴底に付着した粉塵等の異物を建物等の出入口で空気圧により剥離させることにより除去するシューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、建物等の出入口で作業靴底に付着した粉塵等の異物を空気圧による乾式にて剥離させることにより除去し回収するシューズクリーナーであって、
作業靴を履いた状態で靴底を載せる貫通部分を含む靴底設置台と、
前記靴底設置台に載せられた靴底に対して高圧パルスエアを噴射する、ノズル先端部に誘引部材が取付けられている高圧パルスエア噴射部材を備えることを特徴とするシュークリーナーであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記高圧パルスエア噴射部材のノズル先端部は、前記誘引部材の高さの40%~50%まで挿入されており、前記誘引部材の外周には靴底方向に沿って粉塵カバー部材が設置されているシューズクリーナーであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記高圧パルスエア噴射部材は、前記靴底設置台に載せられた靴底の片足に対して仕切り板を挟んで2列に配列されているシューズクリーナーであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載したシューズクリーナーをエアシャワールーム下部に設置するエアシャワールームであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、作業靴底に付着した粉塵等の異物を建物等の出入口で空気圧により剥離させることにより除去し回収するシューズクリーナーである。使用する人が作業靴を履いた状態で靴底を載せる貫通部分を含む靴底設置台と、靴底設置台に載せられた靴底に対して高圧パルスエアを吹き出す、ノズル先端部に誘引部材が取付けられている高圧パルスエア噴射部材を備えている。
【0013】
靴底設置台に載せられた靴底に向けて高圧パルスエアを吹き出す(ノズル先端部に誘引部材が取付けられている)高圧パルスエア噴射部材から高圧パルスエアによる、所謂「たたき効果」により、作業靴底に付着した粉塵等の異物を剥離させることにより除去することができる。さらに、高圧パルスエア噴射部材のノズル先端部には、誘引部材が取付けられているので、高圧パルスエア噴射部材の噴射時にノズル周辺の空気を巻き込むことで誘引部材からも空気の流れが発生する。発生する空気の流れにより、高圧パルスエア噴射部材により靴底から剥離された粉塵は、ダストトレイに向けて吹き流されて最終的に回収分離されることになる。
【0014】
エアシャワールームによって、ゴミ処理場、粉体工場等での作業中に作業者の衣服等に付着した有害物質(ダイオキシン類等の有害な微粉塵等)を除去処理することはできるが、作業者の作業靴底に付着した有害物質は除去することができなかったと言う課題があったが、本発明により、作業靴底に付着した有害物質を含む粉塵等も除去することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】シューズクリーナーの上面図(靴底設置台)である。
【
図2】シューズクリーナーの原理を説明するための概略図である。
【
図3】高圧パルスエア噴射部材(誘引部材を含む)の全体図である。
【
図4】シューズクリーナーの実施例を説明するための図である。
【
図5】シューズクリーナー実施例におけるエアブローシステムを説明するための図である。
【
図6】シューズクリーナーを設置したエアシャワールームの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るシューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールームの一実施形態について、
図1~
図6に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシューズクリーナーの上面図(靴底設置台20)である。
【0017】
<シューズクリーナーの使用方法>
本発明に係るシューズクリーナー10は、建物等の出入口で作業靴底に付着した粉塵等の異物を空気圧による乾式にて剥離させることにより除去し回収するシューズクリーナー10である。シューズクリーナー10は、
図1に記載したように、靴底設置台20(靴底設置台20としてグレーチングを使用することができる)の上に作業靴を履いた状態で立つことにより、即ち靴底設置台20の上に靴底を載せた状態で使用する。
【0018】
靴底設置台20は、いわゆるグレーチング(道路両脇の溝等で見かける鉄が格子状になっている蓋)を使用することができる。靴底設置台20は、作業靴を設置する箇所の格子間隔(靴底の向きと平行な向き)が他の部分よりも(間隔が)広く取ってある。格子間隔が2倍程度(1.8倍~2.2倍)になるように設計されており、高圧パルスエア噴射部材40から噴射される高圧エアを出来るだけ多く靴底に当てるように工夫されている(
図1参照)。
【0019】
<シューズクリーナーの原理>
シューズクリーナー10の原理を簡単に言えば、靴底設置台20の下方向から作業靴の靴底に向けて高圧エアを噴射し、靴底に付着した粉塵等を吹き飛ばすということである。更に言えば、高圧パルスエアの所謂「たたき効果」により靴底に付着した粉塵等を吹き飛ばすということである。高圧パルスエアの所謂「たたき効果」により吹き飛ばされた粉塵等は、最終的にダストトレイ80に捕捉される。以下、シューズクリーナー10の原理の詳細について説明する。
【0020】
図2は、シューズクリーナー10の原理を説明するための概略図である。
図3は、高圧パルスエア噴射部材(誘引部材)の全体図である。
図2に記載したように、シューズクリーナー10は、作業靴を履いた状態で靴底を載せる貫通部分を含む靴底設置台20と、靴底設置台20に載せられた靴底に対して高圧パルスエアを噴射する、ノズル先端部に誘引部材30が取付けられている高圧パルスエア噴射部材40を備えている。高圧パルスエア噴射部材40のノズル先端部は、誘引部材30の高さの40%~50%まで挿入されている(
図3参照)。さらに、誘引部材30の外周には粉塵カバー部材50が設置されている(
図2参照)。
【0021】
シューズクリーナー10のエアブローシステムについて説明する。靴底設置台20に載せられた靴底に対して(高圧パルスエアを噴射する)高圧パルスエア噴射部材40に高圧エアを供給するための装置(システムを構成する装置)として、エアコンプレッサー、エアコンビネーション、レシーバタンク等がある。シューズクリーナー10のエアブローシステムは、エアコンプレッサーを作動させて圧縮空気を生成させ、計装エア(圧力が一定で不純物が無いクリーンエア)を発生させる。
【0022】
そして、空気回路の中段に設置されるエアコンビネーションとして、ドレン(水分)を除去するエアフィルタ、レギュレータ(減圧弁)を設置する。さらに、レシーバタンクを設置することで、シューズクリーナー10に供給するエア量を安定させることにより(高圧パルスエア噴射部材40の)ノズルエア圧を均一にする。これらの装置(エアブローシステム)を作動することでシューズクリーナー10は、25[m/s]~27[m/s]の噴射風力を得ることができる。
【0023】
シューズクリーナー10は、エアブローシステムにより発生させた高圧(パルス)エアを(噴射分岐管60を経由させて)高圧パルスエア噴射部材40からの高圧パルスエア噴射により靴底に付着した粉塵等を吹き飛ばすのであるが、シューズクリーナー10の特徴として、高圧パルスエアの、所謂「たたき効果」により靴底に付着した粉塵等を吹き飛ばすということがある。以下、所謂「たたき効果」について説明する。シューズクリーナー10は、高圧パルスエア噴射部材40から、高圧な状態にある空気を一定の間隔を置いて噴射する、即ち、高圧パルス噴射ができるようになっている。具体的には、0.4秒間(0.37秒~0.43秒)の高圧噴射→2~3秒間噴射を止める(噴射停止)→0.4秒間(0.37秒~0.43秒)の高圧噴射→停止のサイクルを繰り返すように制御することができる。これが所謂「たたき効果」である。
【0024】
さらに、高圧パルスエア噴射部材40は、ノズル先端部に誘引部材30が取付けられている。詳細には、高圧パルスエア噴射部材40のノズル先端部は、誘引部材30の高さの40%~50%まで挿入されている(
図3参照)。従って、高圧パルスエア噴射部材40の高圧パルス噴射時に、ベルヌーイの法則に従い、高圧パルスエア噴射部材40のノズル周辺の空気を巻き込むことになる。高圧パルスエア噴射部材40のノズル周辺の空気を巻き込むことにより、誘引部材30からも空気の流れが発生する。誘引部材30からの空気の流れにより、高圧パルスエア噴射部材40により靴底から剥離された粉塵等は、ダストトレイ80に向けて吹き流されて最終的に回収分離されることになる。さらに、誘引部材30の外周には靴底方向に沿って粉塵カバー部材50が設置されているので、粉塵等が噴射分岐管60の上に溜まることが無い。
【0025】
図4は、シューズクリーナー10の実施例を説明するための図である。
図4に記載したように、噴射分岐管60に沿って並べられた複数の高圧パルスエア噴射部材40は、靴底設置台20に載せられた靴底の片足に対して仕切り板70(
図4下図参照)を挟んで2列に配列されている。シューズクリーナー10は、以下に説明するエアブローシステムにより発生させた高圧(パルス)エアを(噴射分岐管60を経由させて)高圧パルスエア噴射部材40からの高圧パルスエア噴射により靴底に付着した粉塵等を吹き飛ばすことになる。
【0026】
図5は、シューズクリーナー実施例におけるエアブローシステムを説明するための図である。高圧パルスエア噴射部材40からの高圧パルスエア噴射する際、ソレノイドバルクのAポートとBポートから交互に(時間差を持って)高圧エアを噴射するように制御することができる。具体的には、Aポートから、0.4秒間(0.37秒~0.43秒)の高圧噴射→2~3秒間噴射を止める(噴射停止)→0.4秒間(0.37秒~0.43秒)の高圧噴射→停止のサイクルを繰り返す。Aポートが噴射を止めている2~3秒間に、Bポートから、0.4秒間(0.37秒~0.43秒)の高圧噴射→2~3秒間噴射を止める(噴射停止)→0.4秒間(0.37秒~0.43秒)の高圧噴射→停止のサイクルを繰り返す。要するに、靴底の右半分側(Aポート、或いはBポート)と左半分側(Bポート、或いはAポート)に対して交互に高圧パルスエア噴射する。尚、エアブローシステムは、除塵量に応じてタイム調整(噴射時間)することができるようになっている。
【0027】
<シューズクリーナーを設置したエアシャワールームの構造>
図6はシューズクリーナー10を設置したエアシャワールームの全体図である。特に、(エアシャワールーム内での)シューズクリーナー10を設置する場所を示すものである。
【0028】
エアシャワールームは、建物等の出入口に設置され、利用者の着用する作業服に付着した粉塵・雑菌等、全体を強力(パルス)エアで同時に吹き払うものである。扉の開閉によって利用者が出入りすることができ、エア供給源から供給される(パルス)エアを利用者(の作業着)に噴射するために、
図6に記載したように、天井面、及び側壁面に、複数のノズルを中心に備えた噴射口が設置されている。さらに、利用者が手に持って自由に作業服に付着した粉塵・雑菌等を吹き払うエアガンを設置することもできる。
【0029】
シューズクリーナー10をエアシャワールーム下部に設置することにより、作業服のみならず作業靴底に付着した有害物質を含む粉塵等も除去することができるようになった。尚、シューズクリーナー10を設置したエアシャワールームの作動状態は、利用者がエアシャワールーム内に入ると、エアシャワールーム側の(パルス)エア噴射と、シューズクリーナー10からの高圧パルスエアの噴射が同時に始まる。エアシャワールーム側のノズルからは、20秒間噴射され、シューズクリーナー10からの高圧パルスエアは、10秒間噴射される。従って、シューズクリーナー10からの高圧パルスエアの噴射が止まった後、エアシャワールーム側のノズルから10秒間噴射されることになる。
【0030】
<シューズクリーナーの効果>
本発明に係るシューズクリーナー10により、靴底設置台20に載せられた靴底に向けて高圧パルスエアを噴射することで、即ち、高圧パルスエア噴射部材40からの高圧パルスエアによる、所謂「たたき効果」により、作業靴底に付着した粉塵等の異物を剥離させることにより(効率的に)除去することができるようになった。
【0031】
さらに、高圧パルスエア噴射部材40のノズル先端部には、誘引部材30が取付けられているので、高圧パルスエア噴射部材40の噴射時に(高圧パルスエア噴射部材40の)ノズル周辺の空気を巻き込むことになる。ノズル周辺の空気を巻き込むことで、誘引部材30からも空気の流れが発生する(ベルヌーイの法則)。誘引部材30から発生する空気の流れにより、高圧パルスエア噴射部材40により靴底から剥離された粉塵は、ダストトレイ80に向けて吹き流されて最終的に回収分離されることになる。
【0032】
本発明に係るシューズクリーナー10を設置したエアシャワールームにより、ゴミ処理場、粉体工場等での作業中に作業者の衣服等に付着した有害物質(ダイオキシン類等の有害な微粉塵等)を除去処理することはできるが、作業者の作業靴底に付着した有害物質は除去することができなかったと言う課題があったが、シューズクリーナー10を設置することにより、作業靴底に付着した有害物質を含む粉塵等も除去することができるようになった。
【0033】
<シューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールームの変更例>
本発明に係るシューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールームは、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、靴底設置台、誘引部材、高圧パルスエア噴射部材等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0034】
例えば、作業靴を履いた状態で靴底を載せる貫通部分を含むグレーチングと、グレーチングに載せられた靴底に対して45°~75°の角度を付けて高圧パルスエアを吹き出す高圧パルスエア噴射部材と、グレーチングに載せられた靴底に向けてエアを吹き出すエア噴射部材と、高圧パルスエア噴射部材と、高圧パルスエア噴射部材により靴底から剥離させることにより除去した粉塵をダストトレイに向けて吹き流す粉塵回収部材を備えることを特徴とするシューズクリーナーとすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係るシューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールームは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、靴底に付着した粉塵等の異物を建物等の出入口で空気圧により乾式にて剥離させることにより除去するシューズクリーナー、及びシューズクリーナーを設置したエアシャワールームとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
10・・シューズクリーナー
20・・靴底設置台
30・・誘引部材
40・・高圧パルスエア噴射部材
50・・粉塵カバー部材
60・・噴射分岐管
70・・仕切り板
80・・ダストトレイ