(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008975
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理方法及び端末装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240112BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240112BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H04M1/00 U
B60R11/02 C
G01C21/36
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184667
(22)【出願日】2023-10-27
(62)【分割の表示】P 2021558395の分割
【原出願日】2020-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2019208796
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】蛭田 裕達
(57)【要約】
【課題】端末装置が装着される車載機との関係において端末装置としての動作態様を切り換えることが可能な端末装置等を提供する。
【解決手段】被装着装置Mへ装着され且つ当該被装着装置Mとの間で通信を行う端末装置Tにおいて、被装着装置Mへの装着状態と、被装着装置Mとの間の通信状態と、に基づいて、端末装置Tとしての動作態様を切り換える切換手段1を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被装着装置へ装着され且つ当該被装着装置との間で通信を行う端末装置において、
前記被装着装置への装着状態と、前記被装着装置との間の通信状態と、に基づいて、当該端末装置としての動作態様を切り換える切換手段を備えることを特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、端末装置、情報処理方法及び端末装置用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、被装着装置に対して装着可能な端末装置、当該端末装置において実行される情報処理及び当該端末装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるスマートフォンやタブレット型PC(Personal Computer)等の携帯端末を、例えば車両に据え付けられている車載機と連携させることで、携帯端末が備えるディスプレイを用いた表示機能や、ナビゲーション機能又はコンテンツの再生機能等を利用して、車載型AV(Audio Visual)システムを安価に構成することが行われている。このような従来技術を開示している先行技術文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。
【0003】
この特許文献1には、車両等の内装部分に固定された車載機と、その車載機に対して着脱自在に装着された状態での当該車載機との近距離無線通信により当該車載機に音声信号を送信しつつ画像表示を行う携帯端末と、を備える車載システムが開示されている。そして、特許文献1に開示されている車載システムでは、近距離無線通信による音声信号の送受信における遅延状態を取得して、表示画像と出力音声との間のタイムラグの抑制処理を行う構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方携帯端末は、車両内で使用される他に、車両の外で、例えば使用者の歩行中に使用される場合が考えられる。また、車両内での使用であっても、運転者により使用される場合以外にも、運転者以外の搭乗者により使用される場合が想定される。従って、このように種々の使用態様が想定される携帯端末としては、それぞれの使用態様に合わせてその動作や機能が変更できることが好ましい。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている携帯端末には、上記のような要請に対応する構成については、何ら言及されていない。従って、上記特許文献1に開示されている技術では、当該要請に応じることはできない。
【0007】
そこで本願は、上記の要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、端末装置が装着される車載機との関係において端末装置としての動作態様を切り換えることが可能な端末装置、当該端末装置において実行される情報処理及び当該端末装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被装着装置へ装着され且つ当該被装着装置との間で通信を行う端末装置において、前記被装着装置への装着状態と、前記被装着装置との間の通信状態と、に基づいて、当該端末装置としての動作態様を切り換える切換手段を備える。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、被装着装置へ装着されると共に当該被装着装置との間で通信を行い、且つ切換手段を備える端末装置において実行される情報処理方法において、前記被装着装置への装着状態と、前記被装着装置との間の通信状態と、に基づいて、当該端末装置としての動作態様を前記切換手段により切り換える切換工程を含む。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、被装着装置へ装着され且つ当該被装着装置との間で通信を行う端末装置に備えられたコンピュータを、前記被装着装置への装着状態と、前記被装着装置との間の通信状態と、に基づいて、当該端末装置としての動作態様を切り換える切換手段として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態の端末装置の概要構成を示すブロック図である。
【
図2】実施例の車載機及び端末装置それぞれの概要構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例の端末装置における情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。なお
図1は、実施形態の端末装置の概要構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、実施形態の端末装置Tは、被装着装置Mへ装着され且つ当該被装着装置Mとの間で通信を行う端末装置Tである。
【0014】
そして端末装置Tは、被装着装置Mへの装着状態と、被装着装置Mとの間の通信状態と、に基づいて、端末装置Tとしての動作態様を切り換える切換手段1を備える。
【0015】
以上説明したように、実施形態の端末装置Tの動作によれば、被装着装置Mへの装着状態と、被装着装置Mとの間の通信状態と、に基づいて動作態様を切り換えるので、被装着装置Mとの関係において端末装置Tとしての動作態様を自動的に切り換えることができる。
【実施例0016】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、
図2及び
図3を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、例えば車両に搭載された車載機と、当該車載機に装着可能であると共に、単独でも使用することが可能な端末装置と、を含む車載システムにおいて、当該端末装置と車載装置とが連携して種々の処理を行う場合に本願を適用した実施例である。
【0017】
また、
図2は実施例の車載機及び端末装置それぞれの概要構成を示すブロック図であり、
図3は実施例の端末装置における情報処理を示すフローチャートである。このとき
図2では、
図1に示した実施形態の端末装置T及び被装着装置Mそれぞれにおける構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該端末装置T及び被装着装置Mにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0018】
図2に示すように、実施例の車載システムSSは、車両の例えばセンターコンソール又はダッシュボードに備えられた車載機Mと、当該車載機Mに対して装着可能であり且つ単独でも使用可能な携帯型の端末装置Tと、を含んで構成されている。このとき端末装置Tは、例えばタブレット型の端末装置として実現されてもよいし、いわゆるスマートフォンとして実現されてもよい。
【0019】
そして
図2上に示すように、実施例の車載機Mは、実施例の車載システムSSが搭載されている例えば車両に据え付けられている車両スピーカ16、カメラ14及び車内ネットワーク15にそれぞれ接続されており、端末装置Tの装着に用いられる装着部BSと、無線通信部10と、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる制御部11と、上記車両スピーカ16に接続されたアンプ部12と、により構成されている。このとき、カメラ14が本願の「撮像手段」の一例に相当する。
【0020】
このときカメラ14は、車両の運転者に運転支援情報として視認させる車両の前方、後方及び車内等の画像を撮影するカメラであり、制御部11の制御の下、必要に応じて当該撮像範囲を例えばサイクリックに撮像し、撮像結果としての画像データを制御部11に出力する。また制御部11は、上記車両の速度を示す速度データや、車両においていわゆるバックギアが入れられていることを示すバックギアデータ等の車両状態を示す情報を車内ネットワーク15から取得する。これにより制御部11は、例えばバックギアデータが取得されている場合に、上記画像データに車両の後方を撮像した結果が含まれるように、カメラ14を制御する。一方装着部BSは、端末装置Tとの間の有線による電気的な接続を行うための図示しない接続部を備えており、当該装着部BSには端末装置Tが装着される。
【0021】
以上の構成において無線通信部10は、端末装置Tが装着されていない場合に、制御部11の制御の下、端末装置Tにおいて再生されたコンテンツの音を示す音信号や、端末装置Tにおいて実行される後述の案内処理用の音声を示す音声信号の、端末装置Tからの受信を制御する。またアンプ部12は、制御部11の制御の下、上記音信号及び上記音声信号を車両スピーカSPに出力して放音させる。これらの動作において、制御部11は、無線通信部10による端末装置Tからの上記音信号及び上記音声信号それぞれの受信を制御すると共に、車両スピーカSPからの放音の態様を制御する。
【0022】
これらに加えて制御部11は、端末装置Tが装着されている場合において、カメラ14から取得した上記画像データを、装着部BSの上記接続部を介して端末装置Tに出力すると共に、車内ネットワーク15から取得した車両状態が、予め設定された条件であって上記画像データを端末装置Tのディスプレイ4上に割込画像として表示させるべき条件を満たす場合には、端末装置Tに割込表示を要求する画像割込要求データを生成し、上記接続部を介して端末装置Tに出力する。更に制御部11は、車内ネットワーク15から取得した上記速度データにより示される上記車両の速度が予め設定された走行規制閾値以上となった場合、当該速度が走行規制閾値以上となったことを示す走行規制指示データを生成し、上記接続部を介して端末装置Tに出力する。このとき、上記走行規制閾値に相当する閾値速度は、当該閾値速度以上の速度での運転中に車両の運転者が視認する例えばディスプレイ等において、当該運転者の注意を引いてしまうような例えば動画等の表示を安全運転上の観点から規制する必要のある閾値速度として予め設定された速度である。これらに加えて制御部11は、端末装置Tが装着されている場合に、上記接続部を介して端末装置Tとの間で授受される各種データに基づき、上記アンプ部12等を制御する。なお、端末装置Tが接続されている場合であっても、上記画像データ、上記画像割込要求データ、上記走行規制指示データ及び上記各種データは、無線通信部10を介して端末装置Tとの間で授受されてもよい。
【0023】
一方
図2下に示すように、実施例の端末装置Tは、上述したように車載機Mに対して装着されて使用されると共に、単独でも使用可能な端末装置Tであり、車載機Mへの装着に用いられる装着部7と、CPU、ROM及びRAM等からなる制御部1と、無線通信部2と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記録媒体からなる記録部3と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ4と、タッチパネル又は操作ボタン等からなる操作部5と、スピーカ6と、により構成されている。このとき、制御部1が実施形態の切換手段1の一例に相当し、ディスプレイ4が本願の「表示手段」の一例に相当する。
【0024】
以上の構成において、装着部7には、端末装置Tが車載機Mの装着部BSに装着されたことを、例えば物理的に検出する検出部7Aが備えられている。検出部7Aからは、端末装置Tが車載機Mに装着された場合に、当該装着されたことを示す装着検出信号が制御部1に出力される。これにより制御部1は、端末装置Tが車載機Mに装着されたことを認識する。なお、装着部7には、車載機Mとの間の有線による電気的な接続を行うための図示しない接続部が備えられており、この接続部が上記検出部7Aを兼ねてもよい。
【0025】
他方記録部3には、上記コンテンツを再生するための画像データ及び音データが、例えば予め不揮発性に記録されている。そして記録部3は、制御部1の制御の下、必要に応じて当該画像データ等を制御部1に出力する。一方無線通信部2は、端末装置Tが車載機Mに装着されていない場合に、制御部1の制御の下、上記音信号及び上記音声信号の、車載機Mへの送信を制御する。このとき制御部1は、無線通信部2を用いて、車載機Mの無線通信部10と端末装置Tの無線通信部2との間の通信状況(即ち、当該無線通信部10と当該無線通信部2との間で無線通信が確立されているか否か)を検出する。更に操作部5は、当該操作部5において行われた種々の操作に対応する操作信号を生成して制御部1に出力する。
【0026】
これらの動作において、制御部1は、上記操作部5において行われた実施例の案内処理のための操作に対応する上記操作信号に基づき、当該案内処理を含む実施例の情報処理を実行する。上記実施例の案内処理については、後ほど詳述する。更に制御部1は、無線通信部2による車載機Mへの上記音信号及び上記音声信号それぞれの送信を制御すると共に、端末装置Tが車載機Mに装着されている場合においては、車載機Mからの上記各接続部(即ち、車載機Mの装着部BSに備えられた接続部及び装着部7に備えられた接続部)を介した上記画像割込要求データ、及び上記走行規制指示データの受信を制御する。更にまた制御部1は、無線通信部2又は装着部7の接続部を介した車載機Mとの間での各種データの授受(即ち、上記画像データ、上記画像割込要求データ、及び上記走行規制指示データ等の授受)を行うと共に、車載機Mに端末装置Tが装着されていない場合においては、端末装置T独自の画像表示や放音を制御する。
【0027】
次に、主として端末装置Tの制御部1を中心として実行される、実施例の情報処理(上記案内処理を含む)について、より具体的に
図2及び
図3を用いて説明する。
【0028】
実施例の情報処理は、例えば車載機M及び端末装置Tそれぞれの電源がオンとされたタイミング以降、例えば端末装置Tにおける割込処理として実行される。即ち
図3に示すように、実施例の情報処理が開始されると、先ず制御部1は、無線通信部2を用いて検出される上記通信状況に基づき、無線通信部2と当該無線通信部10との間の無線通信が確立されているか否かを監視する(ステップS1)。ステップS1の監視において、当該無線通信が確立されていない場合(ステップS1:NO)、制御部1は、後述するステップS6に移行する。一方ステップS1の監視において、上記無線通信が確立されている場合(ステップS1:YES)、制御部1は次に、検出部7Aから上記装着検出信号が出力されているか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定において、上記装着検出信号が出力されていない場合、即ち、端末装置Tが車載機Mに装着されていない場合(ステップS2:NO)、制御部1は、後述する「車内モード」としての上記案内処理を実行するように、端末装置Tの各構成部材及び車載機Mを制御する(ステップS3)。この車内モードとしての案内処理については、後ほど表1を用いて詳述する。
【0029】
なお、上記車内モード並びに後述するドライバモード及び端末装置モードのそれぞれが、実施携帯の動作態様の一例に相当する。
【0030】
上記ステップS3により、上記車内モードとしての案内処理を実行中の制御部1は、例えば当該案内処理としての目的地に車載システムSSを搭載した車両が到着する等の理由により、当該案内処理を終了するか否かを監視する(ステップS4)。ステップS4の監視において、当該案内処理を終了する場合(ステップS4:YES)、制御部1は、端末装置Tとしての他の処理に移行する。一方ステップS4の監視において、実施例の案内処理を継続する場合(ステップS4:NO)、制御部1は、上記ステップS1に戻って上述してきた一連の処理を継続する。
【0031】
次に、実施例の上記車内モードとしての案内処理について、より具体的に以下の表1を用いて説明する。
【表1】
上述した通り、実施例の当該車内モードとしての案内処理は、端末装置Tの無線通信部2と車載機Mの無線通信部10との間の無線通信が確立されており(
図3ステップS1:YES参照)、且つ、端末装置Tが車載機Mに装着されていない場合(
図3ステップS2:NO参照)に実行される。この場合に端末装置Tは、例えば、車載システムSSが搭載されている車両の後席又は助手席に搭乗している搭乗者が端末装置Tを使用しており且つ端末装置Tと車載機Mとの間の無線通信が確立されている状況が想定される。この場合の案内処理において端末装置Tの制御部1は、表1に示す通り、車載システムSSが搭載されている車両が移動する移動経路を車両用経路として探索する。この場合に制御部1は、例えば、端末装置Tの操作部5を用いて別途入力された、車両を用いた移動における目的地を示す目的地データ、及び例えば図示しないGPS(Global Positioning System)の航法衛星からの航法電波を受信して得られる当該車両の現在位置を示す現在位置データ等に基づいて、上記車両用経路を探索する。そして制御部1は、当該車両用経路に沿った案内処理に必要な案内音声に相当する音声信号を、例えば装着部7及び装着部BSそれぞれに備えられた接続部を介して車載機Mに送信し、当該音声信号に相当する案内音声を、車載機Mに接続されている車両スピーカSPを介して放音させる。更に、車内モードとしての案内処理を行っている端末装置Tは上記搭乗者が使用している(即ち、ディスプレイ4に表示される画像を当該搭乗者が視認している)ことが想定されることから、当該搭乗者に運転支援情報である車両の前方、後方及び車内等の画像を提示する必要がないため、制御部1は、カメラ14による撮像結果に対応した上記画像データを車載機Mから取得して行われる、上記画像割込要求データに基づくディスプレイ4上の表示への画像割込を禁止する。更にまた制御部1は、車載機Mからの上記走行規制指示データに基づく走行規制(即ち、上記閾値速度以上の速度でのディスプレイ1上における動画等の表示の安全運転上の観点からの規制)も禁止する。
【0032】
一方、上記ステップS2の判定において、上記装着検出信号が出力されている場合、即ち、端末装置Tが車載機Mに装着されている場合(ステップS2:YES)、制御部1は、後述する「ドライバモード」としての上記案内処理を実行するように、端末装置Tの各構成部材及び車載機Mを制御する(ステップS5)。このドライバモードとしての案内処理については、後ほど表1を用いて詳述する。その後制御部1は、上述したステップS4の監視に移行する。
【0033】
次に、実施例の上記ドライバモードとしての案内処理について、より具体的に上記表1を用いて説明する。上述した通り、実施例の当該ドライバモードとしての案内処理は、端末装置Tの無線通信部2と車載機Mの無線通信部10との間の無線通信が確立されており(
図3ステップS1:YES参照)、且つ、端末装置Tが車載機Mに装着されている場合(
図3ステップS2:YES参照)に実行される。この場合に端末装置Tは、上記運転者が使用して移動案内を受けている状況が想定される。この場合の案内処理において端末装置Tの制御部1は、表1に示す通り上記車両用経路として探索する。そして制御部1は、当該車両用経路に沿った案内処理に必要な案内音声を上記車内モードとしての案内処理と同様に車両スピーカSPを介して放音させると共に、当該案内処理に必要な地図画像等の画像をディスプレイ4に表示する。更に制御部1は、車載機Mからの上記画像割込要求データに基づく必要に応じた上記画像割込と、車載機Mからの上記走行規制指示データに基づく必要に応じた上記走行規制と、を共に実行する。ここで画像割込の典型例は、車両のギアがバックギアとされた場合の車両の後方画像のディスプレイ4への割込みである。
【0034】
他方上記ステップS1の監視において、上記無線通信が確立されていない場合(ステップS1:NO)、制御部1は次に、上記ステップS2と同様に検出部7Aから上記装着検出信号が出力されているか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定において、上記装着検出信号が出力されておらず、従って端末装置Tが車載機Mに装着されていないと判定される場合(ステップS6:NO)、制御部1は、例えば車載機Mの無線通信部10と端末装置Tの無線通信部2との間の無線による通信の設定を促す旨の例えば設定画面をディスプレイ4に表示し、端末装置Tを使用する者に対して、当該無線通信の設定を促す(ステップS8)。その後制御部1は、上記ステップS1に戻って上述してきた一連の処理を継続する。
【0035】
一方上記ステップS6の判定において、上記装着検出信号が出力されており、従って端末装置Tが車載機Mに装着されていると判定される場合(ステップS6:YES)、制御部1は、後述する「端末装置モード」としての上記案内処理を実行するように、端末装置Tの各構成部材を制御する(ステップS7)。この端末装置モードとしての案内処理については、上記後ほど表1を用いて詳述する。その後制御部1は、上述したステップS4の監視に移行する。
【0036】
次に、上記端末装置モードとしての案内処理について、より具体的に上記表1を用いて説明する。上述した通り、実施例の当該端末装置モードとしての案内処理は、端末装置Tの無線通信部2と車載機Mの無線通信部10との間の無線通信が確立されておらず(
図3ステップS1:NO参照)、且つ、端末装置Tが車載機Mに装着されてもいない場合(
図3ステップS6:NO参照)に実行される。この場合に端末装置Tは、例えば車両外に持ち出されて(即ち携帯されて)用いられている状況が想定される。この場合の案内処理において端末装置Tの制御部1は、表1に示す通り、当該端末装置Tを携帯している者が(車載システムSSが搭載されている車両を用いずに)例えば徒歩で移動する移動経路を徒歩用経路として探索する。この場合に制御部1は、例えば、端末装置Tの操作部5を用いて入力された徒歩移動における目的地を示す目的地データ及び端末装置Tの現在位置を示す現在位置データ等に基づいて、上記徒歩用経路を探索する。そして制御部1は、当該徒歩用経路に沿った案内処理に必要な案内音声を、端末装置Tのスピーカ6を介して放音させる。更に、端末装置モードとしての案内処理を行っている端末装置Tは、上述したように車外で用いられていることが想定されることから、制御部1は、当該案内処理に必要な画像をディスプレイ4に表示する。更に制御部1は、上記画像割込及び上記走行規制も行わない。
【0037】
以上説明したように、実施例の車載システムSSの主として端末装置Tによる情報処理によれば、車載機Mへの装着状態と、車載機Mとの間の無線による通信状態と、に基づいてその動作態様(車内モード等(表1参照))を切り換えるので、車載機Mとの関係において端末装置Tとしての動作態様を自動的に切り換えることができる。
【0038】
また、車載機Mが車両に備えられており、車載機Mに対して端末装置Tが非装着状態であり(
図3ステップS2:NO参照)且つそれらの間の無線通信が可能である場合(
図3ステップS1:YES参照)に端末装置Tの動作態様が車内モードとなるように切り換え(
図3ステップS3参照)、車載機Mに対して端末装置Tが装着されており(
図3ステップS2:YES)且つ当該通信が可能である場合(
図3ステップS1:YES参照)に当該動作態様がドライバモードとなるように切り換える(
図3ステップS5参照)ので、車両に備えられている車載機Mとの関係で端末装置Tの動作態様を適切に切り換えることができる。
【0039】
更に、上記車内モードが、車両用経路の探索処理及び移動案内用の車両スピーカSPからの音の出力制御処理を含むモードであり、ドライバモードが、当該探索処理及び音の出力制御処理と、移動案内用のディスプレイ4上における画像の出力制御処理と、を含むモードであるので、車載機Mへの端末装置Tの装着状態及び相互の通信状態に応じて、車両の移動案内を適切に行わせることができる。
【0040】
更にまた、上記ドライバモードが、車両に搭載されているカメラ14により撮像された画像のディスプレイ4上での表示制御処理を含むので、車両の移動案内に加えて当該車両の安全な移動にも資することができる。
【0041】
また、車載機Mに対して端末装置Tが非装着状態であり(
図3ステップS6:NO参照)且つそれらの間の通信が不可能である場合(
図3ステップS1:NO参照)に端末装置Tの動作態様が端末装置モードとなるように切り換える(
図3ステップS7参照)ので、端末装置Tの動作態様を車両外の使用にも自動的に対応させることができる。
【0042】
更に、上記端末装置モードが、端末装置Tを携帯して使用する者の徒歩用経路の探索処理と、その移動案内用のスピーカ6からの音の出力制御処理及びディスプレイ4上における画像の出力制御処理を含むモードであるので、車載機Mへの端末装置Tの装着状態及び相互の通信状態に応じて、端末装置Tを携帯して使用する者の移動案内を適切に行わせることができる。
【0043】
なお、
図3に示すフローチャートに対応するプログラムを、例えば光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これをマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を、実施例に係る制御部1として機能させることも可能である。