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特開2024-89762情報入力装置、感度決定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089762
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報入力装置、感度決定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G06F3/041 520
G06F3/041 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205152
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森山 鉄平
(57)【要約】
【課題】複数の媒体について、タッチパネルの適切な感度を容易かつ短時間に決定することである。
【解決手段】ハンディターミナル10は、表示部14の表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチパネル12Bと、タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を別々に受け付ける複数の入力画面を順に表示部14に表示し、各入力画面を介してタッチパネル12Bにより各媒体のタッチ入力を受け付け、タッチ入力時にタッチパネル12Bの容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、タッチパネル12Bに対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を複数の媒体それぞれについて決定するCPU11と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段の表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチ入力手段と、
タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を別々に受け付ける複数の入力画面を順に前記表示手段に表示し、当該各入力画面を介して前記タッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御手段と、を備える情報入力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の媒体のうち第1の媒体の入力画面を、当該第1の媒体よりも容量変化の閾値が低い前記複数の媒体のうち第2の媒体の入力画面よりも先に表示し、当該第1の媒体のタッチ入力に基づいて、当該第1の媒体の容量変化の第1の閾値を決定した後に、当該第2の媒体のタッチ入力に基づいて、当該第1の閾値よりも低い閾値を用いて当該第2の媒体の容量変化の第2の閾値を決定する請求項1に記載の情報入力装置。
【請求項3】
表示手段の表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチ入力手段と、
タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を同一画面上で受け付け可能な入力画面を前記表示手段に表示し、当該入力画面を介して前記タッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御手段と、を備える情報入力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の媒体のうちタッチ入力の容量変化の閾値が高い第1の媒体のタッチ入力に基づいて、当該第1の媒体の容量変化の第1の閾値を決定した後に、当該第1の媒体よりも容量変化の閾値が低い前記複数の媒体のうち第2の媒体のタッチ入力に基づいて、当該第1の閾値よりも低い閾値を用いて当該第2の媒体の容量変化の第2の閾値を決定する請求項3に記載の情報入力装置。
【請求項5】
前記入力画面は、前記各媒体のタッチ入力を別々に受け付け、当該入力画面内の位置が互いに異なる複数の入力領域を有し、
前記制御手段は、前記各入力領域の位置情報を用いて各媒体のタッチ入力の有無を検出する請求項3に記載の情報入力装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記各媒体の容量変化の閾値に対応する感度モードを決定する請求項1から5のいずれか一項に記載の情報入力装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記タッチ入力に基づく各媒体の感度モードよりも容量変化の閾値が低く且つ最も近い感度モードに決定する請求項6に記載の情報入力装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記タッチ入力に基づく各媒体の容量変化の閾値より所定のオフセット分低い容量変化の閾値に決定する請求項1から5のいずれか一項に記載の情報入力装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記決定した各媒体の容量変化の閾値を推奨する表示情報を前記表示手段に表示する請求項1から5のいずれか一項に記載の情報入力装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記決定した各媒体の容量変化の閾値を前記タッチ入力手段の容量変化の閾値として設定する請求項1から5のいずれか一項に記載の情報入力装置。
【請求項11】
タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を別々に受け付ける複数の入力画面を順に表示手段に表示し、当該各入力画面を介して、タッチ入力を受け付けるタッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御工程を含む感度決定方法。
【請求項12】
タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を同一画面上で受け付け可能な入力画面を表示手段に表示し、当該入力画面を介して、タッチ入力を受け付けるタッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御工程を含む感度決定方法。
【請求項13】
コンピュータを、
タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を別々に受け付ける複数の入力画面を順に表示手段に表示し、当該各入力画面を介して、タッチ入力を受け付けるタッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御手段、
として機能させるためプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を同時に受け付ける入力画面を表示手段に表示し、当該入力画面を介して、タッチ入力を受け付けるタッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報入力装置、感度決定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗、倉庫などで使用され、商品に付されたバーコードを読み取る処理などの業務処理を行う携帯端末としてハンディターミナルが知られている。また、ハンディターミナルとしてタッチパネルを備えるものが知られている。従来、ハンディターミナルのタッチパネルは、抵抗膜方式(感圧式)のタッチパネルが主流であった。抵抗膜方式は、透明電極を構成する対向する2枚の抵抗膜を設け、そのうち1枚目に対して電圧をかけておき、押圧操作した位置に応じて2枚目に発生する電圧を測定して操作位置を検出する方式である。
【0003】
抵抗膜方式が主流であった理由は、画面の耐久性(割れにくさ)に加え、業務では、素手(指)での操作に加え、手袋での操作や、スタイラスペンでの操作が必須であるためである。抵抗膜方式では、操作方法によらず、押せば入力を検知できる。
【0004】
近年のハンディターミナルでは、スマートフォンと同様に、静電容量方式のタッチパネルの採用が増えている。静電容量方式は、指などの媒体(操作入力媒体)と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて操作位置を検出する方式である。静電容量方式のタッチパネルに置き換わっても、指、手袋、スタイラスペンでの操作は必要とされる。なお、多くのスマートフォンでは、手袋やスタイラスペンで操作できない。この要件を満たすために、現在のハンディターミナルでは、指、手袋、スタイラスペン用の複数の感度の操作モードを用意するのが一般的である。
【0005】
例えば、手袋モードでは、指モードに比べ、感度を高く設定して、手袋をした指でも認識できるようにしている。一方で、指の形状や太さには個人差があり、使用される手袋の種類も様々のため、事前に複数のモードを用意しても、ユーザ毎に最適値が異なり、ユーザ毎に最適な設定は難しい。
【0006】
このため、静電容量方式のタッチパネルを備え、ユーザの素手又は手袋の入力による静電容量を測定し、測定結果と3つの閾値とを用いて、タッチパネルの感度モードを4つの感度モードのうちの1つに設定する入力装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2012/169106号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、指、手袋などの複数の媒体について、感度設定を別々に複数回行うのはユーザにとって操作が煩わしく設定時間も長くなる。
【0009】
本発明の課題は、複数の媒体について、タッチパネルの適切な感度を容易に決定することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の情報入力装置は、表示手段の表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチ入力手段と、タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を別々に受け付ける複数の入力画面を順に前記表示手段に表示し、当該各入力画面を介して前記タッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御手段と、を備える。
【0011】
また、本発明の情報入力装置は、表示手段の表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチ入力手段と、タッチ入力を行う複数の媒体のタッチ入力を同一画面上で受け付け可能な入力画面を前記表示手段に表示し、当該入力画面を介して前記タッチ入力手段により各媒体のタッチ入力を受け付け、当該タッチ入力時に前記タッチ入力手段の容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、前記タッチ入力手段に対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値を前記複数の媒体それぞれについて決定する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の媒体について、タッチパネルの適切な感度を容易に決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態のハンディターミナルの正面図である。
図2】ハンディターミナルの機能構成を示すブロック図である。
図3】第1のタッチ感度提案処理を示すフローチャートである。
図4】(a)は、指入力画面を示す図である。(b)は、手袋入力画面を示す図である。(c)は、推奨感度モード提案画面を示す図である。
図5】(a)は、位置に対する指のタッチ入力時のタッチパネルの容量変化の値を示す図である。(b)は、位置に対する手袋のタッチ入力時のタッチパネルの容量変化の値を示す図である。
図6】第2のタッチ感度提案処理を示すフローチャートである。
図7】(a)は、指・手袋入力画面を示す図である。(b)は、推奨感度モード提案画面を示す図である。
図8】3段階の感度モードにおける、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネルの容量変化の値を示す図である。
図9】12段階の感度モードにおける、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネルの容量変化の値を示す図である。
図10】第3のタッチ感度提案処理を示すフローチャートである。
図11】12段階の感度モードにおける、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネルの容量変化の値を示す図である。
図12】第1のタッチ感度設定処理を示すフローチャートである。
図13】第4の実施の形態における、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネルの容量変化の値を示す図である。
図14】第2のタッチ感度設定処理を示すフローチャートである。
図15】第5の実施の形態における、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネルの容量変化の値を示す図である。
図16】タッチパネル感度選択画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1~第5の実施の形態を順に詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施の形態及び図示例に限定するものではない。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1図5(b)を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。まず、図1図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態のハンディターミナル10の正面図である。図2は、ハンディターミナル10の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態のハンディターミナル10は、スーパーマーケット、量販店などの店舗の店員や、倉庫などの作業員が、ユーザとして使用する携帯端末である。店舗、倉庫などに格納された商品には、当該商品の識別情報など、当該商品に関する商品情報がエンコードされて含まれるバーコードや、二次元コードなどのシンボルが付されているものとする。ハンディターミナル10は、商品に付されたシンボルのスキャンや、業務に関する各種情報の操作入力受付などの業務処理を行う。
【0017】
また、図1に示すように、ハンディターミナル10を基準として、三次元のx軸、y軸、z軸をとるものとする。例えば、ハンディターミナル10の正面は、xy平面となる。
【0018】
ハンディターミナル10は、操作部12と、表示部14と、スキャナ部17と、を備える。操作部12は、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力部である。操作部12は、キー群12Aと、タッチパネル12Bと、を有する。キー群12Aは、ユーザからの押下入力を受け付ける操作要素としての複数のキーを有する。キー群12Aは、電源キー120と、数字/文字などの入力を受け付ける文字入力キーと、取消入力用のCLRキー、決定入力用の決定キー、数字/文字の切替キー、ファンクションキーなどの各種キーと、トリガキー121,122,123と、を含む。キー群12Aの文字入力キー、CLRキー、決定キー、切替キー、ファンクションキーなどは、ハンディターミナル10の筐体の正面(xy平面)かつ下側(-y方向側)に配置されている。
【0019】
電源キー120は、ユーザからのハンディターミナル10の電源オンの入力を受け付けるキーである。トリガキー121,122,123は、スキャナ部17によるシンボルのスキャンのオン入力を受け付けるキーである。
【0020】
タッチパネル12Bは、表示部14の表示パネル上に一体的に形成され、ユーザからの指などのタッチ入力を受け付ける操作要素である。タッチパネル12Bは、静電容量方式のタッチパネルであるものとする。
【0021】
ハンディターミナル10は、主に、ユーザが素手の指で操作入力を行い使用する。ただし、ハンディターミナル10の使用場所は、気温が低い地域や、店舗、倉庫内の室温の低い部屋や、衛生的に手袋着用が必要な環境の場所などもありうる。このため、ユーザがハンディターミナル10をタッチ入力する媒体(操作入力媒体)の種類は、素手の指と、手にはめた手袋と、であるものとして説明する。
【0022】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro-Luminescent)ディスプレイの表示パネルを有し、各種表示情報を表示パネルに表示する。表示部14の表示パネルは、ハンディターミナル10の筐体の正面(xy平面)に配置されている。
【0023】
スキャナ部17は、シンボルを読み取るための撮像方式のイメージスキャナであり、ハンディターミナル10の筐体の先端側(+y方向側)に配置されている。スキャナ部17は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、光学系などを有するデジタルカメラ部であり、撮像した被写体(シンボル)の画像データを生成して出力する。ただし、スキャナ部17は、シンボルとしてのバーコードをスキャンするレーザスキャナである構成としてもよい。
【0024】
また、ハンディターミナル10は、タッチパネル12Bが配置された表示部14と、キー群12Aの一部(文字入力キー、CLRキー、決定キー、切替キー、ファンクションキーなど)とが、筐体の正面に配置されている構成であるが、これに限定されるものではない。本実施の形態において、例えば、表示部と、当該表示部の表示パネルに配置されたタッチパネルとが、筐体の正面の全面に配置されるハンディターミナルを用いる構成としてもよい。
【0025】
ついで、図2を参照して、ハンディターミナル10の内部の機能構成(回路構成)を説明する。ハンディターミナル10は、CPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、無線通信部16と、スキャナ部17と、を備える。ハンディターミナル10の各部は、バスB1を介して接続されている。
【0026】
CPU11は、ハンディターミナル10の各部を制御する。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0027】
操作部12は、上述したように、キー群12Aと、タッチパネル12Bと、を有する。操作部12は、ユーザからのキー群12Aへのキー入力及びタッチパネル12Bへのタッチ入力の操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0028】
静電容量方式のタッチパネル12Bは、タッチ入力する媒体と導電膜との間の静電容量の変化(以下、容量変化)の値が、媒体ごと(媒体の種類(指、手袋など)ごと及び媒体の個体ごと(ユーザの媒体ごと))に異なる。このため、媒体ごとに、感度に応じた、タッチパネル12Bの容量変化(の値)の閾値を設定するのが好ましい。この閾値は、容量変化の値が閾値以上となりタッチ有と判別するか、容量変化の値が閾値未満となりタッチ無しと判別するかの、タッチ入力の有無を判別するための閾値である。
【0029】
RAM13は、情報を読み出し及び書き込み可能な揮発性の半導体メモリであり、CPU11に作業用のワークエリアを提供し、データ及びプログラムを一時的に記憶する。
【0030】
表示部14は、CPU11などから入力される各種の表示情報に従い、表示パネルに各種表示情報を表示する。
【0031】
記憶部15は、フラッシュメモリなどで構成され、情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部であり、各種データ及び各種プログラムを記憶している。特に、記憶部15には、後述する第1のタッチ感度提案処理を実行するための第1のタッチ感度提案プログラムP1が記憶されている。
【0032】
無線通信部16は、WLAN(Wireless Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)の無線通信部であり、WLAN、WAN用のアンテナ、発振部、変復調部、増幅部、信号処理部などを有する。無線通信部16は、CPU11の指示に従って、通信ネットワーク(図示略)上のアクセスポイント又は基地局との無線通信を行う。CPU11は、無線通信部16の無線通信を介して、当該通信ネットワーク上の外部機器と通信を行う。
【0033】
スキャナ部17は、CPU11の指示に従って、被写体としてのシンボルを撮像してスキャンデータとしての画像データを生成し、CPU11などに出力する。
【0034】
また、ハンディターミナル10は、スキャナ部17とは別の撮像部、NFC(Near Field Communication)などの他の通信方式の通信部、スピーカによる音出力部、LED(Light Emitting Diode)などの光出力部などを有する構成としてもよい。
【0035】
つぎに、図3図5(b)を参照して、本実施の形態におけるハンディターミナル10の動作を説明する。図3は、第1のタッチ感度提案処理を示すフローチャートである。図4(a)は、指入力画面20Aを示す図である。図4(b)は、手袋入力画面20Bを示す図である。図4(c)は、推奨感度モード提案画面20Cを示す図である。図5(a)は、位置に対する指のタッチ入力時のタッチパネル12Bの容量変化の値を示す図である。図5(b)は、位置に対する手袋のタッチ入力時のタッチパネル12Bの容量変化の値を示す図である。
【0036】
本実施の形態では、タッチパネル12Bへの媒体のタッチ入力において、容量変化の閾値が互いに異なる3つの感度モードが予め用意されているものとする。感度が最も低い(タッチ入力有と判別するための容量変化の閾値が最も高い)感度モードを低感度モードとする。感度が2番目に低い(タッチ入力有と判別するための容量変化の閾値が2番目に高い)感度モードを中感度モードとする。感度が最も高い(タッチ入力有と判別するための容量変化の閾値が最も低い)感度モードを低感度モードとする。
【0037】
ハンディターミナル10において、ユーザがタッチパネル12Bにタッチ入力を行って実際に業務処理を行う前に、ユーザの媒体(指及び手袋)に適切な感度モードを設定することが好ましい。このため、ハンディターミナル10で第1のタッチ感度提案処理が実行される。第1のタッチ感度提案処理は、ユーザの指及び手袋のタッチ入力を順に受け付け、各媒体のタッチ入力の容量変化の値に基づいて、各媒体の推奨する感度モードを提案する処理である。
【0038】
ハンディターミナル10において、例えば、操作部12を介してユーザから第1のタッチ感度提案処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第1のタッチ感度提案プログラムP1に従い、第1のタッチ感度提案処理を行う。
【0039】
図3に示すように、まず、CPU11は、指入力画面情報を表示部14に表示する(ステップS11)。ステップS11では、例えば、図4(a)に示す指入力画面20Aが表示される。指入力画面20Aは、ユーザに指によるタッチ入力を促す文字情報と、入力領域21Aと、を有する。入力領域21Aは、指のタッチ入力を受け付ける表示領域である。ただし、指入力画面20Aは、媒体として指のタッチ入力のみを受け付ける画面である。このため、入力領域21Aは、指のタッチ入力を受け付ける目安の領域であり、入力領域21A以外の領域でも指のタッチ入力を受け付け可能であるものとする。なお、入力領域21Aのみで指のタッチ入力を受け付ける構成としてもよい。
【0040】
そして、CPU11は、最低段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、指のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じたタッチパネル12Bの容量変化の値を検出し、検出した容量変化と、選択中の感度モードの容量変化の閾値とを用いて、指のタッチ入力を検出する(ステップS12)。最低段階の感度モードは、感度が最も低い(閾値が最も高い)感度モードであり、ここでは、低感度モードである。また、ステップS12では、検出した容量変化の値が、閾値以上となる場合に、指のタッチ入力を検出したものとし、閾値未満となる場合に、指のタッチ入力を検出しないものとする。
【0041】
そして、CPU11は、ステップS12又はS15の検出結果に基づき、選択中の閾値で指のタッチ入力が検出可能か(指のタッチ入力を検出したか)否かを判別する(ステップS13)。指のタッチ入力が検出可能でない場合(ステップS13;NO)、CPU11は、次段階の感度モードがあるか否かを判別する(ステップS14)。次段階の感度モードは、選択中の感度モードよりも1段階高い感度の感度モードである。例えば、低感度モードを選択中である場合に、次段階の感度モードは、中感度モードである。
【0042】
次段階の感度モードがある場合(ステップS14;YES)、CPU11は、次段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、指のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化の値と、選択中の感度モードの容量変化の閾値と、を用いて、指のタッチ入力を検出し(ステップS15)、ステップS13に移行する。
【0043】
次段階の感度モードがない場合(ステップS14;NO)、最高段階の感度モードを選択中であり、CPU11は、全ての感度モードで指のタッチ入力の検出ができなく指入力のエラーの旨のエラー情報を表示部14に表示し(ステップS16)、ステップS12に移行する。最高段階の感度モードは、感度が最も高い(閾値が最も低い)感度モードであり、ここでは、高感度モードである。ステップS16のエラー情報は、例えば、再度の指のタッチ入力を促すメッセージを含む。
【0044】
指のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS13;YES)、CPU11は、ステップS13で指のタッチ入力を検出した感度モードを指の推奨感度モードに設定する(ステップS17)。即ち、ステップS12からステップS17の処理によって、複数の感度モード(複数の閾値)のうち指のタッチ入力を検出可能であり且つ最も感度が低い感度モード(最も高い閾値)を設定する。
【0045】
そして、CPU11は、手袋入力画面情報を表示部14に表示する(ステップS18)。ステップS18では、例えば、図4(b)に示す手袋入力画面20Bが表示される。手袋入力画面20Bは、ユーザに手袋によるタッチ入力を促すメッセージと、入力領域21Bと、を有する。入力領域21Bは、手袋のタッチ入力を受け付ける表示領域である。ただし、手袋入力画面20Bは、媒体として手袋のタッチ入力のみを受け付ける画面である。このため、入力領域21Bは、手袋のタッチ入力を受け付ける目安の領域であり、入力領域21B以外の領域でも手袋のタッチ入力を受け付け可能であるものとする。なお、入力領域21Bのみで手袋のタッチ入力を受け付ける構成としてもよい。
【0046】
そして、CPU11は、ステップS17で設定された推奨感度モードの次段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、手袋のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化と、選択中の感度モードの容量変化の閾値とを用いて、手袋のタッチ入力を検出する(ステップS19)。手袋は、指よりもタッチパネル12Bに反応しづらく、指よりも高い感度(容量変化の低い閾値)が要求される。第1のタッチ感度提案処理では、指入力→手袋入力の順にタッチ入力を行うものである。
【0047】
そして、CPU11は、ステップS19又はS22の検出結果に基づき、選択中の閾値で手袋のタッチ入力が検出可能か(手袋のタッチ入力を検出したか)否かを判別する(ステップS20)。指のタッチ入力が検出可能でない場合(ステップS20;NO)、CPU11は、次段階の感度モードの感度があるか否かを判別する(ステップS21)。
【0048】
次段階の感度モードがある場合(ステップS21;YES)、CPU11は、次段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、手袋のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化の値と、選択中の感度モードの容量変化の閾値とを用いて、手袋のタッチ入力を検出し(ステップS22)、ステップS20に移行する。
【0049】
次段階の感度モードの感度がない場合(ステップS21;NO)、最高段階の感度モードを選択中であり、CPU11は、全ての感度モードで手袋のタッチ入力の検出ができなく手袋入力のエラーの旨のエラー情報を表示部14に表示し(ステップS23)、ステップS19に移行する。ステップS23のエラー情報は、再度の手袋のタッチ入力を促すメッセージを含む。また、ステップS23のエラー情報は、現在の手袋よりも薄い手袋のタッチ入力を促すメッセージを含む構成などとしてもよい。
【0050】
手袋のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS20;YES)、CPU11は、ステップS20で手袋のタッチ入力を検出した感度モードを指の推奨感度モードに設定する(ステップS24)。即ち、ステップS19からステップS24の処理によって、複数の感度モード(複数の閾値)のうち手袋のタッチ入力を検出可能であり且つ最も感度が低い感度モード(最も高い閾値)を設定する。
【0051】
そして、CPU11は、ステップS17で設定された指の推奨感度モードと、ステップS24で設定された手袋の推奨感度モードと、をユーザに提案するメッセージを含む推奨感度モード提案画面情報を表示部14に表示し(ステップS25)、第1のタッチ感度提案処理を終了する。ステップS25では、例えば、図4(c)に示す推奨感度モード提案画面20Cが表示される。推奨感度モード提案画面20Cは、ステップS17で設定された指の推奨感度モードと、ステップS24で設定された手袋の推奨感度モードと、をユーザに提案するメッセージ21Cを有する。
【0052】
ここで、図5(a)、図5(b)を参照して、指のタッチ入力と、手袋のタッチ入力と、における感度モードの設定の一例を説明する。図5(a)は、指のタッチ入力における表示部14の表示パネル上の+x方向の位置に対するタッチパネル12Bで検出された容量変化の値を実線で示す。ただし、検出された容量変化の値は、例えば、指をタッチ入力する入力領域21Aの中心を通るx軸の線上の値などを、模式的に図示したものである。これらの表示パネル上の+x方向の位置や、検出された容量変化の値は、他の、位置に対する容量変化の値の図でも同様である。
【0053】
この例では、第1のタッチ感度提案処理において、ステップS12で低感度モードが選択されて、すぐにステップS13で指のタッチ入力が検出される。そして、ステップS17で低感度モードが指の推奨感度モードに設定される。
【0054】
図5(b)は、手袋のタッチ入力における表示部14の表示パネル上の+x方向の位置に対するタッチパネル12Bで検出された容量変化の値を実線で示す。第1のタッチ感度提案処理において、ステップS19で、指の推奨感度モードよりも高感度の中感度モードが選択される。そして、ステップS20で手袋のタッチ入力が検出されず、次にステップS22で次段階の高感度モードが選択され、ステップS20で手袋のタッチ入力が検出される。そして、ステップS24で高感度モードが手袋の推奨感度モードに設定される。ステップS25では、図4(c)の推奨感度モード提案画面20Cが表示される。そのメッセージ21Cに示すように、指の推奨感度モードとして、低感度モードが推奨され、手袋の推奨感度モードとして、高感度モードが推奨される。
【0055】
以上、本実施の形態によれば、ハンディターミナル10は、表示部14の表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチパネル12Bと、タッチ入力を行う複数の媒体(指、手袋)のタッチ入力を別々に受け付ける複数の指入力画面20A、手袋入力画面20Bを順に表示部14に表示し、各入力画面を介してタッチパネル12Bにより各媒体のタッチ入力を受け付け、タッチ入力時にタッチパネル12Bの容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、タッチパネル12Bに対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値(の感度モード)を複数の媒体それぞれについて決定するCPU11と、を備える。
【0056】
このため、指入力画面20A、手袋入力画面20Bへの指、手袋による順のタッチ入力により、複数の媒体について、タッチパネルの適切な感度(容量変化の閾値)を容易かつ短時間に決定でき、タッチ入力時のユーザの操作性を向上できる。
【0057】
また、CPU11は、複数の媒体のうちタッチ入力の容量変化の閾値が高い第1の媒体としての指の指入力画面20Aを、指よりも容量変化の閾値が低い複数の媒体のうちの第2の媒体としての手袋の手袋入力画面20Bよりも先に表示する。CPU11は、指のタッチ入力に基づいて、指の容量変化の第1の閾値(の感度モード)を決定した後に、手袋のタッチ入力に基づいて、第1の閾値よりも低い閾値を用いて手袋の容量変化の第2の閾値(の感度モード)を決定する。このため、容量変化の閾値の決定の処理を簡単にすることができ、タッチパネルの適切な容量変化の閾値をより短時間に決定できる。
【0058】
また、CPU11は、各媒体の容量変化の閾値に対応する感度モードを推奨感度モードとして決定する。このため、ユーザが、各媒体の適切な感度を感度モードとして容易に認識できる。
【0059】
また、CPU11は、決定した各媒体の容量変化の閾値に対応する感度モードを推奨する表示情報としてのメッセージを表示部14に表示する。このため、ユーザが、各媒体の適切な感度モードを視認でき、所望の適切な感度モードを設定入力できる。
【0060】
なお、上記本実施の形態では、指入力画面20Aを表示して指のタッチ入力を受け付けて容量変化の閾値(感度モード)を決定し、ついで指よりも容量変化の閾値が低い手袋入力画面20Bを表示して手袋のタッチ入力を受け付けて容量変化の閾値(感度モード)を決定する構成としたが、これに限定されるものではない。手袋入力画面20Bを表示して指のタッチ入力を受け付けて容量変化の閾値(感度モード)を決定し、ついで指入力画面20Aを表示して指のタッチ入力を受け付けて容量変化の閾値(感度モード)を決定する構成としてもよい。
【0061】
(第2の実施の形態)
図6図9を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。図6は、第2のタッチ感度提案処理を示すフローチャートである。図7(a)は、指・手袋入力画面20Dを示す図である。図7(b)は、推奨感度モード提案画面20Eを示す図である。図8は、3段階の感度モードにおける、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネル12Bの容量変化の値を示す図である。
【0062】
第1の実施の形態では、推奨動作モードを決定するための、指のタッチ入力と、手袋のタッチ入力と、を順に行わせる構成であった。本実施の形態では、推奨動作モードを設定するための、指のタッチ入力と、手袋のタッチ入力と、を同時に行わせる構成である。
【0063】
本実施の形態の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、ハンディターミナル10を用いる。ただし、記憶部15には、第1のタッチ感度提案プログラムP1に代えて、後述する第2のタッチ感度提案処理を実行するための第2のタッチ感度提案プログラムが記憶されているものとする。
【0064】
つぎに、図6図8を参照して、本実施の形態におけるハンディターミナル10の動作を説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、低感度モード、中感度モード及び高感度モードが、予め用意されているものとする。
【0065】
そして、ハンディターミナル10で第2のタッチ感度提案処理が実行される。第2のタッチ感度提案処理は、ユーザの指及び手袋のタッチ入力を同時に受け付け、各媒体のタッチ入力の容量変化の値に基づいて、各媒体の推奨する感度モードを提案する処理である。
【0066】
ハンディターミナル10において、例えば、操作部12を介してユーザから第2のタッチ感度提案処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第2のタッチ感度提案プログラムに従い、第2のタッチ感度提案処理を行う。
【0067】
図6に示すように、まず、CPU11は、指・手袋入力画面情報を表示部14に表示する(ステップS31)。ステップS31では、例えば、図7(a)に示す指・手袋入力画面20Dが表示される。指・手袋入力画面20Dは、ユーザに指及び手袋によるタッチ入力を促す文字情報と、入力領域21D1,21D2と、を有する。入力領域21D1は、指のタッチ入力を受け付ける表示領域である。入力領域21D2は、手袋のタッチ入力を受け付ける表示領域である。指・手袋入力画面20Dでは、指及び手袋でタッチ入力を同時に受け付ける。このため、入力領域21D1のみで指のタッチ入力を受け付け、入力領域21D2のみで手袋のタッチ入力を受け付ける構成とする。
【0068】
また、入力領域21D1,21D2は、それぞれ、指・手袋入力画面20D上の異なる位置に配置されている。具体的には、入力領域21D1は、y軸上の所定位置でかつ-x側の位置に配置されている。入力領域21D2は、入力領域21D1と同じy軸上の所定位置でかつ入力領域21D1よりも+x側の位置に配置されている。
【0069】
そして、CPU11は、最低段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、入力領域21D1の位置情報を用いてその位置の指のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化と、選択中の感度モードの容量変化の閾値とを用いて、指のタッチ入力を検出する(ステップS32)。ステップS33,S34は、それぞれ、図3の第1のタッチ感度提案処理のステップS13,S14と同様である。
【0070】
次段階の感度モードがある場合(ステップS34;YES)、CPU11は、次段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、入力領域21D1の位置情報を用いてその位置の指のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化の値と、選択中の感度モードの容量変化の閾値と、を用いて、指のタッチ入力を検出し(ステップS35)、ステップS33に移行する。ステップS36,S37は、それぞれ、図3のステップS16,S17と同様である。即ち、ステップS32からステップS37の処理によって、複数の感度モード(複数の閾値)のうち指のタッチ入力を検出可能であり且つ最も感度が低い感度モード(最も高い閾値)を設定する。
【0071】
そして、CPU11は、ステップS37で設定された推奨感度モードの次段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、入力領域21D2の位置情報を用いてその位置の手袋のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化の値と、選択中の感度モードの容量変化の閾値とを用いて、手袋のタッチ入力を検出する(ステップS38)。ステップS39,S40は、それぞれ、図3のステップS20,S21と同様である。
【0072】
次段階の感度モードがある場合(ステップS40;YES)、CPU11は、次段階の感度モードを選択し、タッチパネル12Bにより、入力領域21D2の位置情報を用いてその位置の手袋のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化の値と、選択中の感度モードの容量変化の閾値とを用いて、手袋のタッチ入力を検出し(ステップS41)、ステップS39に移行する。ステップS42,S43は、それぞれ、図3のステップS22,S23と同様である。即ち、ステップS38からステップS43の処理によって、複数の感度モード(複数の閾値)のうち手袋のタッチ入力を検出可能であり且つ最も感度が低い感度モード(最も高い閾値)を設定する。
【0073】
そして、CPU11は、ステップS37で設定された指の推奨感度モードと、ステップS43で設定された手袋の推奨感度モードと、をユーザに提案するメッセージを含む推奨感度モード提案画面情報を表示部14に表示し(ステップS44)、第2のタッチ感度提案処理を終了する。ステップS44では、例えば、図7(b)に示す推奨感度モード提案画面20Eが表示される。推奨感度モード提案画面20Eは、ステップS37で設定された指の推奨感度モードと、ステップS43で設定された手袋の推奨感度モードと、をユーザに提案するメッセージ21Eを有する。
【0074】
ここで、図8を参照して、指のタッチ入力と、手袋のタッチ入力と、における感度モードの設定の一例を説明する。図8は、指及び手袋のタッチ入力における表示部14の表示パネル上の+x方向の位置に対するタッチパネル12Bで検出された容量変化の値を実線で示す。
【0075】
この例では、第2のタッチ感度提案処理において、ステップS32で低感度モードが選択されて、すぐにステップS33で指のタッチ入力が検出される。そして、ステップS37で低感度モードが指の推奨感度モードに設定される。
【0076】
そして、ステップS38で、指の推奨感度モードよりも高感度の中感度モードが選択される。そして、ステップS39で手袋のタッチ入力が検出されず、次にステップS41で次段階の高感度モードが選択され、ステップS39で手袋のタッチ入力が検出される。そして、ステップS43で高感度モードが手袋の推奨感度モードに設定される。ステップS44では、図7(b)の推奨感度モード提案画面20Eが表示される。そのメッセージ21Eに示すように、指の推奨感度モードとして、低感度モードが推奨され、手袋の推奨感度モードとして、高感度モードが推奨される。
【0077】
以上、本実施の形態によれば、ハンディターミナル10は、表示部14の表示画面へのタッチ入力を受け付けるタッチパネル12Bと、タッチ入力を行う複数の媒体(指、手袋)のタッチ入力を同時に受け付ける指・手袋入力画面20Dを表示部14に表示し、指・手袋入力画面20Dを介してタッチパネル12Bにより各媒体のタッチ入力を受け付け、タッチ入力時にタッチパネル12Bの容量変化が複数の閾値のいずれを超過するかを検出し、検出結果に基づいて、タッチパネル12Bに対するタッチ入力の有無判別用の容量変化の閾値(の感度モード)を複数の媒体それぞれについて決定するCPU11と、を備える。
【0078】
このため、指・手袋入力画面20Dへの指、手袋による同時のタッチ入力により、複数の媒体について、タッチパネルの適切な感度(容量変化の閾値)を容易かつ短時間に決定でき、ユーザの操作性を向上できる。
【0079】
また、CPU11は、複数の媒体のうちタッチ入力の容量変化の閾値が高い第1の媒体としての指のタッチ入力に基づいて、指の容量変化の第1の閾値(の感度モード)を決定した後に、指よりも容量変化の閾値が低い複数の媒体のうちの第2の媒体としての手袋のタッチ入力に基づいて、第1の閾値よりも低い閾値を用いて手袋の容量変化の第2の閾値(の感度モード)を決定する。このため、容量変化の閾値の決定の処理を簡単にすることができ、タッチパネルの適切な感度をより短時間に決定できる。
【0080】
また、指・手袋入力画面20Dは、各媒体のタッチ入力を別々に受け付け、指・手袋入力画面20D内の位置が互いに異なる入力領域21D1,21D2を有する。CPU11は、各入力領域21D1,21D2の位置情報を用いて各媒体のタッチ入力の有無を検出する。このため、指・手袋入力画面20D内の複数の媒体のタッチ入力をより確実に検出できる。
【0081】
なお、第2の実施の形態では、3段階の感度モードが予め用意されている例であったが、これに限定されるものではない。例えば、3以外の複数段階の感度モードが予め用意されている構成としてもよい。
【0082】
ここで、図9を参照して、12段階の感度モードが予め用意されている例を説明する。図9は、12段階の感度モードにおける、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネル12Bの容量変化の値を示す図である。
【0083】
12段階の感度モードは、最低段階の感度モードM1~最高段階の感度モードM12とする。ハンディターミナル10では、第2の実施の形態と同様に、第2のタッチ感度提案処理が実行される。
【0084】
この例では、第2のタッチ感度提案処理において、ステップS32で感度モードM1が選択されて、ステップS33で指のタッチ入力が検出されず、ステップS35で次段階の感度モードM2が選択される。そして、ステップS37で感度モードM2が指の推奨感度モードに設定される。
【0085】
そして、ステップS38で、指の推奨感度モードよりも高感度の感度モードM3が選択される。そして、ステップS39で手袋のタッチ入力が検出されず、次にステップS41で次段階の感度モードが選択されることが繰り返される。そして、ステップS41で次段階の感度モードM10が選択され、ステップS39で手袋のタッチ入力が検出される。そして、ステップS43で感度モードM10が手袋の推奨感度モードに設定される。ステップS44では、推奨感度モード提案画面が表示され、指の推奨感度モードとして、感度モードM2が推奨され、手袋の推奨感度モードとして、感度モードM10が推奨される。
【0086】
(第3の実施の形態)
図10図11を参照して、本発明に係る第3の実施の形態を説明する。図10は、第3のタッチ感度提案処理を示すフローチャートである。図11は、12段階の感度モードにおける、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネル12Bの容量変化の値を示す図である。
【0087】
第2の実施の形態では、媒体ごとに、感度モードを最低段階から順に1段階高く選択していき、タッチ入力が検出された感度の感度モードが推奨感度モードに設定される構成であった。本実施の形態では、媒体ごとに、感度モードを1段階ずつ高く選択していき、タッチ入力が検出された感度の1段階高い感度モードが推奨感度モードに設定される構成である。
【0088】
本実施の形態の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、ハンディターミナル10を用いる。ただし、記憶部15には、第1のタッチ感度提案プログラムP1に代えて、後述する第3のタッチ感度提案処理を実行するための第3のタッチ感度提案プログラムが記憶されているものとする。
【0089】
つぎに、図10図11を参照して、本実施の形態におけるハンディターミナル10の動作を説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態の変形例(図9)と同様に、12段階の感度モードM1~M12が、予め用意されているものとする。
【0090】
そして、ハンディターミナル10で第3のタッチ感度提案処理が実行される。第3のタッチ感度提案処理は、ユーザの指及び手袋のタッチ入力を同時に受け付け、各媒体のタッチ入力の容量変化の値に基づいて、各媒体について検出した感度モードの1段階高い感度モードを推奨して提案する処理である。
【0091】
ハンディターミナル10において、例えば、操作部12を介してユーザから第3のタッチ感度提案処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第3のタッチ感度提案プログラムに従い、第3のタッチ感度提案処理を行う。
【0092】
図10に示すように、ステップS51~S56は、それぞれ、図6の第2のタッチ感度提案処理のステップS31~S36と同様である。指のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS53;YES)、CPU11は、ステップS53で指のタッチ入力を検出した感度モードの次段階の感度モードを指の推奨感度モードに設定する(ステップS57)。即ち、ステップS52からステップS57の処理によって、複数の感度モード(複数の閾値)のうち指のタッチ入力を検出可能であり且つ検出した感度モードよりも一段階感度が高い感度モード(検出した閾値よりも一段階低い閾値)を設定する。
【0093】
ステップS58~S62は、それぞれ、図6のステップS38~S42と同様である。手袋のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS59;YES)、CPU11は、ステップS59で手袋のタッチ入力を検出した感度モードの次段階の感度モードを手袋の推奨感度モードに設定する(ステップS63)。ステップS63では、次段階の感度モードが最高段階の感度モードである場合、例えば、最高段階の感度モードが推奨感度モードに設定される。即ち、ステップS58からステップS63の処理によって、複数の感度モード(複数の閾値)のうち手袋のタッチ入力を検出可能であり且つ検出した感度モードよりも一段階感度が高い感度モード(検出した閾値よりも一段階低い閾値)を設定する。ステップS64は、図6のステップS44と同様である。
【0094】
ここで、図11を参照して、指のタッチ入力と、手袋のタッチ入力と、における感度モードの設定の一例を説明する。図11は、指及び手袋のタッチ入力における表示部14の表示パネル上の+x方向の位置に対するタッチパネル12Bで検出された容量変化の値を実線で示す。
【0095】
この例では、第3のタッチ感度提案処理において、ステップS52で感度モードM1が選択されて、ステップS53で指のタッチ入力が検出されず、ステップS55で次段階の感度モードM2が選択される。そして、ステップS57で感度モードM2の次段階の感度モードM3が指の推奨感度モードに設定される。
【0096】
そして、ステップS58で、指の推奨感度モードよりも高感度の感度モードM4が選択される。そして、ステップS59で手袋のタッチ入力が検出されず、次にステップS61で次段階の感度モードが選択されることが繰り返される。そして、ステップS61で次段階の感度モードM10が選択され、ステップS59で手袋のタッチ入力が検出される。そして、ステップS63で感度モードM10の次段階の感度モードM11が手袋の推奨感度モードに設定される。ステップS64では、推奨感度モード提案画面が表示され、指の推奨感度モードとして、感度モードM3が推奨され、手袋の推奨感度モードとして、感度モードM11が推奨される。
【0097】
以上、本実施の形態によれば、CPU11は、推奨感度モードを、タッチ入力に基づく各媒体の感度モードよりも容量変化の閾値が低く且つ最も近い(1段階高い)感度モードに決定する。タッチ入力に基づく各媒体の感度モードであると、ギリギリで検出できるため、使用環境によっては、反応が悪いと感じてしまう可能性がある。本実施の形態では、検出できた最低の感度の1段階高い感度モードを推奨感度モードとすることで、操作安定性を向上できる。
【0098】
(第4の実施の形態)
図12図13を参照して、本発明に係る第4の実施の形態を説明する。図12は、第1のタッチ感度設定処理を示すフローチャートである。図13は、本実施の形態における、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネル12Bの容量変化の値を示す図である。
【0099】
第2の実施の形態では、予め設定された複数の感度モードから推奨感度モードが設定され、媒体ごとに、推奨感度モードが推奨される構成であった。本実施の形態では、予め感度モードが設定されることなく、媒体ごとに、容量変化の閾値を変化しつつタッチ入力を検出し、タッチ入力が検出された容量変化の閾値が設定される構成である。
【0100】
本実施の形態の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、ハンディターミナル10を用いる。ただし、記憶部15には、第1のタッチ感度提案プログラムP1に代えて、後述する第1のタッチ感度設定処理を実行するための第1のタッチ感度設定プログラムが記憶されているものとする。
【0101】
つぎに、図12図13を参照して、本実施の形態におけるハンディターミナル10の動作を説明する。本実施の形態では、感度モードが、予め用意されていないものとする。ただし、タッチ入力の感度設定のための、最低感度の閾値(容量変化の値が最も高い値)と、最高感度の閾値(容量変化の値が最も低い値)とが、予め設定されているものとする。
【0102】
そして、ハンディターミナル10で第1のタッチ感度設定処理が実行される。第1のタッチ感度設定処理は、ユーザの指及び手袋のタッチ入力を同時に受け付け、各媒体のタッチ入力の容量変化の値に基づいて、各媒体の容量変化の閾値を設定する処理である。
【0103】
ハンディターミナル10において、例えば、操作部12を介してユーザから第1のタッチ感度設定処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第1のタッチ感度設定プログラムに従い、第1のタッチ感度設定処理を行う。
【0104】
図12に示すように、ステップS71は、図6の第2のタッチ感度提案処理のステップS31と同様である。そして、CPU11は、タッチパネル12Bにより、入力領域21D1の位置情報を用いてその位置の指のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化と、最低感度の容量変化の閾値とを用いて、指のタッチ入力を検出する(ステップS72)。ステップS73は、図6のステップS33と同様である。
【0105】
指のタッチ入力が検出可能でない場合(ステップS73;NO)、CPU11は、現在の容量変化の閾値が最高感度の閾値であるか否かを判別する(ステップS74)。最高感度の閾値でない場合(ステップS74;NO)、CPU11は、タッチパネル12Bにより、入力領域21D1の位置情報を用いてその位置の指のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化と、現在の容量変化の閾値を予め設定された所定量下げた容量変化の閾値と、を用いて、指のタッチ入力を検出し(ステップS75)、ステップS73に移行する。ステップS76は、図6のステップS36と同様である。
【0106】
指のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS73;YES)、CPU11は、ステップS73で指のタッチ入力を検出した容量変化の閾値を指の容量変化の閾値に設定する(ステップS77)。ステップS77で設定された指の容量変化の閾値は、例えば、記憶部15に記憶される。即ち、ステップS72からステップS77の処理によって、複数の感度(複数の閾値)のうち指のタッチ入力を検出可能であり且つ検出した感度(検出した閾値)を設定する。
【0107】
そして、CPU11は、タッチパネル12Bにより、入力領域21D2の位置情報を用いてその位置の手袋のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化と、ステップS77で設定された容量変化の閾値より所定量下げた容量変化の閾値とを用いて、手袋のタッチ入力を検出する(ステップS78)。ステップS79は、それぞれ、図6のステップS39と同様である。
【0108】
指のタッチ入力が検出可能でない場合(ステップS73;NO)、CPU11は、現在の容量変化の閾値が最高感度の閾値であるか否かを判別する(ステップS80)。最高感度の閾値でない場合(ステップS80;NO)、CPU11は、タッチパネル12Bにより、入力領域21D2の位置情報を用いてその位置の手袋のタッチ入力を受け付け、タッチ入力に応じた容量変化の値を検出し、検出した容量変化の値と、現在の容量変化の閾値を予め設定された所定量下げた容量変化の閾値とを用いて、手袋のタッチ入力を検出し(ステップS81)、ステップS79に移行する。ステップS82は、図6のステップS42と同様である。
【0109】
手袋のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS79;YES)、CPU11は、ステップS79で手袋のタッチ入力を検出した容量変化の閾値を手袋の容量変化の閾値に設定する(ステップS83)。ステップS83で設定された手袋の容量変化の閾値は、例えば、記憶部15に記憶される。即ち、ステップS78からステップS83の処理によって、複数の感度(複数の閾値)のうち手袋のタッチ入力を検出可能であり且つ検出した感度(検出した閾値)を設定する。
【0110】
そして、CPU11は、ステップS77で設定された指の容量変化の閾値と、ステップS83で設定された手袋の容量変化の閾値と、の設定完了の旨のメッセージを含む感度設定画面情報を表示部14に表示し(ステップS84)、第1のタッチ感度設定処理を終了する。
【0111】
第1のタッチ感度設定処理の実行終了後、ハンディターミナル10において、CPU11は、例えば、操作部12を介して、ユーザからタッチパネル12Bを操作する媒体(指又は手袋)の選択入力を受け付けた場合に、記憶部15に記憶された、選択中の媒体に対応する容量変化の閾値を読み出す。そして、CPU11は、タッチパネル12Bの容量変化の閾値を、読み出した媒体の容量変化の閾値に設定する。
【0112】
ここで、図12を参照して、指のタッチ入力と、手袋のタッチ入力と、における容量変化の閾値の設定の一例を説明する。図12は、指及び手袋のタッチ入力における表示部14の表示パネル上の+x方向の位置に対するタッチパネル12Bで検出された容量変化の値を実線で示す。
【0113】
この例では、第1のタッチ感度設定処理において、ステップS72で最低感度の閾値が用いられ、ステップS73で指のタッチ入力が検出されず、ステップS75で現在の閾値よりも所定量下げた閾値が用いられることが繰り返される。そして、ステップS75で閾値T1が用いられ、ステップS73で指のタッチ入力が検出された場合に、ステップS77で指の容量変化の閾値が閾値T1に設定される。
【0114】
そして、ステップS78で設定済の指の容量変化の閾値T1よりも所定量下げた容量変化の閾値が用いられ、ステップS79で手袋のタッチ入力が検出されず、ステップS81で現在の閾値よりも所定量下げた閾値が用いられることが繰り返される。そして、ステップS81で閾値T2が用いられ、ステップS79で指のタッチ入力が検出された場合に、ステップS83で手袋の容量変化の閾値が閾値T2に設定される。ステップS84では、感度設定完了画面が表示される。その感度設定完了画面には、指の容量変化の閾値と、手袋の容量変化の閾値と、の設定完了の旨のメッセージが含まれる。
【0115】
以上、本実施の形態によれば、CPU11は、決定した各媒体の容量変化の閾値をタッチパネル12Bの容量変化の閾値として設定する。このため、ユーザが各媒体を選択入力するだけで、適切な感度(容量変化の閾値)で各媒体を適切にタッチ入力できる。
【0116】
(第5の実施の形態)
図14図15を参照して、本発明に係る第5の実施の形態を説明する。図14は、第2のタッチ感度設定処理を示すフローチャートである。図15は、本実施の形態における、位置に対する指及び手袋のタッチ入力時のタッチパネル12Bの容量変化の値を示す図である。
【0117】
第4の実施の形態は、媒体ごとに、容量変化の閾値を変化しつつタッチ入力を検出し、タッチ入力が検出された容量変化の閾値が設定される構成であった。本実施の形態では、媒体ごとに、タッチ入力が検出された容量変化の閾値をオフセット分下げた容量変化の閾値が設定される構成である。
【0118】
本実施の形態の装置構成として、第1の実施の形態と同様に、ハンディターミナル10を用いる。ただし、記憶部15には、第1のタッチ感度提案プログラムP1に代えて、後述する第2のタッチ感度設定処理を実行するための第2のタッチ感度設定プログラムが記憶されているものとする。
【0119】
つぎに、図14図15を参照して、本実施の形態におけるハンディターミナル10の動作を説明する。本実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、タッチ入力の感度設定のための、最低感度の容量変化の閾値と、最高感度の容量変化の閾値とが、予め設定されているものとする。
【0120】
そして、ハンディターミナル10で第2のタッチ感度設定処理が実行される。第2のタッチ感度設定処理は、ユーザの指及び手袋のタッチ入力を同時に受け付け、各媒体のタッチ入力の容量変化の値に基づいて、各媒体のタッチ入力が検出されオフセット分下げられた容量変化の閾値を設定する処理である。
【0121】
ハンディターミナル10において、例えば、操作部12を介してユーザから第2のタッチ感度設定処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、記憶部15に記憶された第2のタッチ感度設定プログラムに従い、第2のタッチ感度設定処理を行う。
【0122】
図14に示すように、ステップS91~S96は、図12の第1のタッチ感度設定処理のステップS71~S76と同様である。指のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS93;YES)、CPU11は、ステップS93で指のタッチ入力を検出した容量変化の閾値から、予め設定されたオフセット分下げた容量変化の閾値を、指の容量変化の閾値に設定する(ステップS97)。ステップS97で設定された指の容量変化の閾値は、例えば、記憶部15に記憶される。即ち、ステップS92からステップS97の処理によって、複数の感度(複数の閾値)のうち指のタッチ入力を検出可能であり且つ検出した感度から閾値のオフセット分高い感度(検出した閾値からオフセット分低い閾値)を設定する。
【0123】
ステップS98~S102は、図12のステップS78~S82と同様である。手袋のタッチ入力が検出可能である場合(ステップS99;YES)、CPU11は、ステップS99で手袋のタッチ入力を検出した容量変化の閾値から、オフセット分下げた容量変化の閾値を手袋の容量変化の閾値に設定する(ステップS103)。ステップS103で設定された手袋の容量変化の閾値は、例えば、記憶部15に記憶される。即ち、ステップS98からステップS103の処理によって、複数の感度(複数の閾値)のうち手袋のタッチ入力を検出可能であり且つ検出した感度から閾値のオフセット分高い感度(検出した閾値からオフセット分低い閾値)を設定する。
【0124】
そして、CPU11は、ステップS97で設定された指の容量変化の閾値と、ステップS103で設定された手袋の容量変化の閾値と、の設定完了の旨のメッセージを含む感度設定画面情報を表示部14に表示し(ステップS104)、第2のタッチ感度設定処理を終了する。
【0125】
第2のタッチ感度設定処理の実行終了後は、第4の実施の形態と同様である。CPU11は、操作部12を介して、ユーザからタッチパネル12Bを操作する媒体(指又は手袋)の選択入力を受け付けた場合に、タッチパネル12Bの容量変化の閾値を、記憶部15から読み出した媒体の容量変化の閾値に設定する。
【0126】
ここで、図15を参照して、指のタッチ入力と、手袋のタッチ入力と、における容量変化の閾値の設定の一例を説明する。図15は、指及び手袋のタッチ入力における表示部14の表示パネル上の+x方向の位置に対するタッチパネル12Bで検出された容量変化の値を実線で示す。
【0127】
この例では、第2のタッチ感度設定処理において、ステップS92で最低感度の閾値が用いられ、ステップS93で指のタッチ入力が検出されず、ステップS95で現在の閾値よりも所定量下げた閾値が用いられることが繰り返される。そして、ステップS95で閾値T1が用いられ、ステップS73で指のタッチ入力が検出された場合に、ステップS97で指の容量変化の閾値が閾値T1-ΔT(オフセット)に設定される。
【0128】
そして、ステップS98で設定済の指の容量変化の閾値T1よりも所定量下げた容量変化の閾値が用いられ、ステップS99で手袋のタッチ入力が検出されず、ステップS101で現在の閾値よりも所定量下げた閾値が用いられることが繰り返される。そして、ステップS101で閾値T2が用いられ、ステップS99で指のタッチ入力が検出された場合に、ステップS103で手袋の容量変化の閾値が閾値T2-ΔTに設定される。ステップS104では、感度設定完了画面が表示される。その感度設定完了画面には、指の容量変化の閾値と、手袋の容量変化の閾値と、の設定完了の旨のメッセージが含まれる。
【0129】
以上、本実施の形態によれば、CPU11は、タッチパネル12Bの容量変化の閾値を、タッチ入力に基づく各媒体の容量変化の閾値より所定のオフセット分低い容量変化の閾値に決定する。このため、検出できた容量変化の閾値のオフセット分低い容量変化の閾値とすることで、操作安定性を向上できる。
【0130】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの記憶部15を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、他の不揮発性メモリ、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0131】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報入力装置、感度決定方法及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、第1~第5の実施の形態のうち、少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
【0132】
また、第1、第2の実施の形態において、第1、第2のタッチ感度提案処理の最後に、推奨感度モード提案画面が表示部14に表示される構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、図16に示すように、タッチパネル感度選択画面20Fが表示部14に表示される構成としてもよい。図16は、タッチパネル感度選択画面20Fを示す図である。
【0133】
まず、第1、第2のタッチ感度提案処理の実行が終了されたものとする。例えば、第1、第2のタッチ感度提案処理により、指の推奨感度モードとして、低感度モードが設定され、手袋の推奨感度モードとして、高感度モードが設定されたものとする。
【0134】
そして、ハンディターミナル10において、操作部12を介してユーザからタッチパネル感度選択画面の表示指示が入力されたことをトリガとして、CPU11は、タッチパネル感度選択画面20Fを表示する。タッチパネル感度選択画面20Fは、感度モード選択部21Fと、メッセージ22Fと、を含む。
【0135】
感度モード選択部21Fは、以後に使用する媒体の感度モードの選択入力を受け付ける表示部であり、例えば、選択可能な感度モードとラジオボタンとを含む。メッセージ22Fは、第1、第2のタッチ感度提案処理により設定された各媒体の推奨感度モードを推奨するメッセージである。メッセージ22Fは、例えば、指の推奨感度モードとして、低感度モードを推奨し、手袋の推奨感度モードとして、高感度モードを推奨するメッセージである。
【0136】
CPU11は、感度モード選択部21Fを介して選択入力された感度モードを、タッチパネル12Bの感度モードに設定する。また、第2の実施の形態の変形例や、第3の実施の形態でも、同様に、第2、第3のタッチ感度提案処理の実行終了後、タッチパネル感度選択画面において、各媒体の推奨感度モードを推奨するメッセージを表示する構成としてもよい。
【0137】
また、上記各実施の形態では、指のタッチ入力を受け付けて容量変化の閾値(感度モード)を決定し、ついで手袋のタッチ入力を受け付け、決定した指の容量変化の閾値よりも低い閾値を用いて、容量変化の閾値(感度モード)を決定する構成としたが、これに限定されるものではない。タッチ入力の検出に使用する容量変化の閾値を容量変化が最低(最高段階の感度モード)の容量変化の閾値から上げていく構成としてもよい。
【0138】
例えば、手袋のタッチ入力を受け付けて、最低感度の容量変化の閾値を上げていきつつ(最高段階の感度モードから下げていきつつ)、手袋のタッチ入力を検出していき、検出されなくなった場合に1つ前に選択した容量変化の閾値(感度モード)が決定される。ついで、指のタッチ入力を受け付け、決定された手袋の容量変化の閾値よりも高い閾値から始めて、容量変化の閾値を上げていきつつ、指のタッチ入力を検出していき、検出されなくなった場合に1つ前の容量変化の閾値(感度モード)が決定される。
【0139】
また、指、手袋のそれぞれについて、全ての容量変化の閾値でタッチ入力を検出する構成としてもよい。
【0140】
また、ハンディターミナル10は、1つの端末を複数人で使用するケースもある。例えば、複数のユーザに、それぞれログインIDが割り当てられるものとする。そして、ハンディターミナル10のCPU11が、操作部12を介してユーザからのログインID及びパスワードの入力を受け付けて、ログイン認証する。CPU11は、ログインIDごとに、第1~第3のタッチ感度提案処理、第1、第2のタッチ感度設定処理のいずれか1つを実行し、ユーザのログインIDごとに、決定した各媒体の容量変化の閾値(推奨感度モード)や、それらの設定値を記憶する構成としてもよい。
【0141】
また、タッチパネル12Bにタッチ入力する媒体の種類としては、指及び手袋に限定されるものではない。媒体の種類は、素手、手袋、スタイラスペンなどの少なくとも2つとしてもよい。また、例えば、手袋などの媒体は、形状(厚さなど)、素材などで、さらに媒体の種類を細分する構成としてもよい。
【0142】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0143】
10 ハンディターミナル
11 CPU
12 操作部
12A キー群
12B タッチパネル
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 無線通信部
17 スキャナ部
B1 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16