(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008979
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】編集装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240112BHJP
B41J 5/34 20060101ALI20240112BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20240112BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G06F3/12 356
G06F3/12 308
G06F3/12 305
G06F3/12 342
G06F3/12 378
B41J5/34
H04N1/387 110
G06T11/60 100A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023185198
(22)【出願日】2023-10-30
(62)【分割の表示】P 2019217035の分割
【原出願日】2019-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 未都
(72)【発明者】
【氏名】神田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】岩本 匡司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄一郎
(57)【要約】
【課題】複数のラベルを重ね合わせる場合にユーザが効率的に印刷データを編集できる編集装置を提供する。
【解決手段】重ね貼りラベルは第1印刷データに基づいて印刷される第1ラベルと、第2印刷データに基づいて印刷され、第1ラベルの上側に重ね合される第2ラベルと、からなる。編集装置は重ね貼りラベルを作成する為に、表示部の編集画面5上で第1印刷データ及び第2印刷データを編集可能である。編集装置は編集画面5において第1領域23、第2領域24、及び合成領域20を有する。編集装置は第1印刷データに対応するラベル画像41Aを第1領域23に、第2印刷データに対応するラベル画像41Bを第2領域24に、ラベル画像41A、41Bを重ね合わせた結果である合成ラベル画像40を合成領域20に、夫々表示する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
前記制御部により実行されるプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
表示部と、
を備え、
第一印刷データに基づいて印刷装置によって印刷される第一ラベルと、
第二印刷データに基づいて前記印刷装置によって印刷され、前記第一ラベルの上側に重ね合わされる第二ラベルと、からなる重ね貼りラベルを作成する為に、
前記第一印刷データ及び前記第二印刷データを前記表示部上で編集可能な編集装置において、
前記表示部は、前記表示部における同一画面に少なくとも第一領域と合成領域とを有し、
前記制御部は、前記プログラム記憶部に記憶した前記プログラムを実行することにより、
前記第一印刷データの画像を前記第一領域に、前記第一印刷データの画像及び前記第二印刷データの画像を重ね合わせた結果である合成画像を前記合成領域に、同時に表示する表示処理
を実行することを特徴とする編集装置。
【請求項2】
前記印刷装置は、テープを備えたテープカセットを装着可能であって、
前記編集装置は、前記テープに印刷する印刷色の情報を含んだ色情報を記憶した色情報記憶部を更に備え、
前記制御部は、
前記第一印刷データ又は前記第二印刷データを編集する編集処理を行い、
前記編集処理において、前記第一印刷データ及び前記第二印刷データの夫々に対応する前記色情報である対象色情報を前記色情報記憶部に記憶された前記色情報に基づき決定する決定処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項3】
前記テープカセットはインクリボンを備えており、前記印刷色は前記インクリボンの色であることを特徴とする請求項2に記載の編集装置。
【請求項4】
前記色情報は更に前記テープカセットが備える前記テープの色の情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の編集装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記編集処理において、
前記第一ラベル及び前記第二ラベルに夫々適合可能な前記色情報が選択される色情報リストを作成する色情報リスト作成処理を行い、
前記色情報リストを前記表示部に表示する色情報リスト表示処理を行い、
前記決定処理において、
前記第一ラベル及び前記第二ラベルの何れか一方に対応する前記色情報リストのうちで選択された前記色情報を前記一方の前記対象色情報として決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の編集装置。
【請求項6】
前記第一領域と前記合成領域は、前記表示部の長手方向と直交する方向に並んでいること
を特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項7】
前記第一領域と前記合成領域は、前記第一領域に表示される前記第一印刷データの画像の長手方向と直交する方向である幅方向に並んでいること
を特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第一領域に、前記第一印刷データの印刷に用いるテープに印刷する印刷色の情報を含む第一媒体種別情報を表示すること
を特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記表示部における同一画面において前記第一領域、前記合成領域に加えて、さらに第二領域を有し、
前記制御部は、前記表示処理において、
前記第一印刷データの画像を前記第一領域に、前記第二印刷データの画像を前記第二領域に、前記合成画像を前記合成領域に、同時に表示し、
前記第二領域に、前記第二印刷データの印刷に用いるテープに印刷する印刷色の情報を含む第二媒体種別情報を表示すること
を特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数のテープを重ね合わせたラベルを作成する場合に、ユーザが重ね合わせた結果を個々のテープの印刷前に確認できる印刷システムを開示する。印刷システムは、テープ印刷装置と画像表示装置を備える。テープ印刷装置は、画像表示装置から取得した印刷画像をテープに対して印刷する。画像表示装置は、テープ印刷装置によるテープの印刷前に、テープ上に印刷画像を配置したテープ印刷画像を編集する。画像表示装置はディスプレイを備える。ディスプレイにはテープ印刷画像の編集を行う画面である編集画面が表示される。編集画面はテープ印刷画像毎に個別に設けられる。また、編集画面は複数のテープ印刷画像を重ね合わせた結果である合成画像を表示する合成画像表示画面を有する。画像表示タブにより各編集画面が切り替えられることにより、各テープ印刷画像及び合成画像の何れかがディスプレイに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の印刷システムでは、ユーザは各テープ印刷画像と合成画像とを比較する為に各編集画面を切り替える必要がある。故に、印刷システムでは、複数のテープを重ね合わせる場合に、ユーザはテープ印刷画像を効率的に編集できなかった。
【0005】
本発明の目的は、複数のラベルを重ね合わせる場合にユーザが効率的に印刷データを編集できる編集装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る編集装置は、第一印刷データに基づいて印刷装置によって印刷される第一ラベルと、第二印刷データに基づいて印刷装置によって印刷され、第一ラベルの上側に重ね合わされる第二ラベルと、からなる重ね貼りラベルを作成する為に、第一印刷データ及び第二印刷データを表示部上で編集可能な編集装置において、制御部と、制御部により実行されるプログラムを記憶したプログラム記憶部と、を備え、表示部は、表示部における同一画面において第一領域、第二領域、合成領域を有し、制御部は、プログラム記憶部に記憶したプログラムを実行することにより、第一印刷データの画像を第一領域に、第二印刷データの画像を第二領域に、第一印刷データの画像及び第二印刷データの画像を重ね合わせた結果である合成画像を合成領域に表示する表示処理を行うことを特徴とする。
【0007】
上記編集装置によれば、ユーザは編集された夫々の印刷データの画像と合成画像とを一目で確認できる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0008】
本発明に係る編集装置において、印刷装置は、テープを備えたテープカセットを装着可能であって、編集装置は、テープに印刷する印刷色の情報を含んだ色情報を記憶した色情報記憶部を更に備え、制御部は、第一印刷データ又は第二印刷データを編集する編集処理を行い、編集処理において、第一印刷データ及び第二印刷データの夫々に対応する色情報である対象色情報を色情報記憶部に記憶された色情報に基づき決定する決定処理を行ってもよい。ユーザはテープに印刷する色を、実際に印刷可能な色の中から選択できる。よって、ユーザは印刷データを効率的に編集できる。
【0009】
本発明に係る編集装置において、テープカセットはインクリボンを備えており、印刷色はインクリボンの色であってもよい。編集装置において、色情報はカセットテープが備えるインクリボンの色の情報であるので、ユーザは対象色情報をインクリボンの色から決定できる。
【0010】
本発明に係る編集装置において、色情報は更にテープカセットが備えるテープの色の情報を含んでもよい。編集装置において、色情報はカセットテープが備えるテープ及びインクリボンの色の組み合わせの情報であるので、ユーザは対象色情報を実際に使用可能なカセットテープのテープ及びインクリボンの夫々の色から決定できる。
【0011】
本発明に係る編集装置において、制御部は、編集処理において、第一ラベル及び第二ラベルに夫々適合可能な色情報が選択される色情報リストを作成する色情報リスト作成処理を行い、色情報リストを表示部に表示する色情報リスト表示処理を行い、決定処理において、第一ラベル及び第二ラベルの何れか一方に対応する色情報リストのうちで選択された色情報を一方の対象色情報として決定してもよい。これにより、ユーザは色情報リストに基づいて容易に対象色情報を決定できる。
【0012】
本発明に係る編集装置において、色情報は、更にテープの透過率の情報を含み、色情報リスト作成処理において、第二ラベルに対応する色情報リストでは、第二ラベルの透過率が予め決められた第一閾値以上となる色情報が選定されてもよい。編集装置は、第二ラベルに対応する色情報リストの色情報を選定するので、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0013】
本発明に係る編集装置の色情報リスト作成処理において、第一ラベル及び第二ラベルの何れか一方に対応する色情報リストでは、他方の対象色情報として決定された色情報を、色情報リストから除外してもよい。これにより、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0014】
本発明に係る編集装置の色情報リスト作成処理において、第一ラベル及び第二ラベルの何れか一方に対応する色情報リストでは、色情報の印刷色が他方の対象色情報の印刷色又はテープの色と一致する場合、該当する色情報を色情報リストから除外してもよい。これにより、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0015】
本発明に係る編集装置において、色情報は更にテープカセットが備えるテープの色の情報を含み、色情報リスト作成処理において、第一ラベルに対応する色情報リストでは、色情報のテープの色が第二ラベルの対象色情報の印刷色と一致する場合、該当する色情報は色情報リストから除外してもよい。これにより、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0016】
本発明に係る編集装置の色情報リスト作成処理において、第一ラベル及び第二ラベルの夫々に対応する色情報リストに加えて、色情報リストを一つ多く作成して追加色情報リストとし、編集処理において、ユーザから交換指示を受けた場合、第二ラベルの上側に重ね合わされる第三ラベルに対応する第三印刷データを追加する追加処理を行い、追加処理において、追加された第三印刷データの対象色情報は追加色情報リストから決定されてもよい。これにより、ユーザは印刷データを追加する場合、追加の印刷データにおける対象色情報を追加色情報リストから決定するので、追加の印刷データにおける対象色情報を容易に決定できる。
【0017】
本発明に係る編集装置の編集処理において、第一印刷データと第二印刷データとを交換可能か判断する交換判断処理を行い、交換判断処理の判断結果に基づき交換可能と判断され、且つユーザから交換指示を受けた場合、第一印刷データと第二印刷データとを交換する交換処理を行い、交換判断処理において、第一印刷データと第二印刷データとを交換した場合に交換後の第二印刷データに基づく第二ラベルの透過率が予め決められた第二閾値以上となるか判断する透過率判断処理を行い、透過率判断処理において第二閾値より小さい場合、判断結果を交換不可能としてもよい。編集装置は、交換判断処理を実行することで、第一印刷データと第二印刷データの交換の可否を判断する。編集装置は、交換判断処理の判断結果に基づき交換可能と判断された場合、交換処理が可能となる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0018】
本発明に係る編集装置は、印刷データに基づいて印刷装置によって印刷される、第一ラベルから順に第kラベル(kは2以上の整数)迄のk枚のラベルが重ねられて貼り合わされた重ね貼りラベルを作成する為に、第一ラベルから第kラベルの夫々の印刷データを表示部上で編集可能な編集装置において、制御部と、制御部により実行されるプログラムを記憶したプログラム記憶部と、を備え、表示部は、表示部における同一画面において第一領域から第k領域、及び合成領域を有し、制御部は、プログラム記憶部に記憶したプログラムを実行することにより、第nラベル(nは1以上、且つk以下の整数)に対応する印刷データである第n印刷データの画像を第n領域に、第一印刷データから第k印刷データの夫々の画像を重ね合わせた結果である合成画像を合成領域に表示する表示処理を行うことを特徴とする。
【0019】
上記編集装置によれば、ユーザは編集された第一印刷データから第k印刷データの夫々の画像と合成画像とを一目で確認できる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0020】
本発明に係る編集装置において、印刷装置は、テープを備えたテープカセットを装着可能であって、編集装置は、印刷データに含まれる情報であり、テープに印刷する印刷色の情報を含んだ色情報を記憶した色情報記憶部を更に備え、制御部は、第n印刷データを編集する編集処理を行い、編集処理では、印刷データに対応する色情報である対象色情報を色情報記憶部に記憶された色情報に基づき決定する決定処理を行ってもよい。ユーザはテープに印刷する色を、実際に印刷可能な色の中から選択できる。よって、ユーザは印刷データを効率的に編集できる。
【0021】
本発明に係る編集装置において、テープカセットはインクリボンを備えており、印刷色はインクリボンの色であってもよい。編集装置において、色情報はカセットテープが備えるインクリボンの色の情報であるので、ユーザは対象色情報をインクリボンの色から決定できる。
【0022】
本発明に係る編集装置において、色情報は更にテープカセットが備えるテープの色の情報を含んでもよい。編集装置において、色情報はカセットテープが備えるテープ及びインクリボンの色の組み合わせの情報であるので、ユーザは対象色情報を実際に使用可能なテープ及びインクリボン夫々の色から決定できる。
【0023】
本発明に係る編集装置において、制御部は、編集処理において、第nラベルに適合可能な色情報が選択される色情報リストを作成する色情報リスト作成処理を行い、色情報リストを表示部に表示する色情報リスト表示処理を行い、決定処理において、第nラベルに対応する色情報リストから選択された色情報を第nラベルの対象色情報として決定してもよい。これにより、ユーザは色情報リストに基づいて容易に対象色情報を決定できる。
【0024】
本発明に係る編集装置において、色情報は、更にテープの透過率の情報を含み、色情報リスト作成処理において、第mラベル(mは2以上、且つk以下の整数)に対応する色情報リストでは、第二ラベルから第kラベルを重ね合わせた全体の透過率が予め決められた第三閾値以上となる色情報が選定されてもよい。編集装置は、第2ラベルから第kラベルの夫々に対応する色情報リストの色情報を選定するので、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0025】
本発明に係る編集装置の色情報リスト作成処理において、第nラベルに対応する色情報リストでは、第nラベル以外のラベルの対象色情報として決定された色情報を、色情報リストから除外してもよい。これにより、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0026】
本発明に係る編集装置の色情報リスト作成処理において、第nラベルに対応する色情報リストでは、色情報の印刷色が第nラベル以外のラベルの対象色情報の印刷色又はテープの色と一致する場合、該当する色情報を色情報リストから除外してもよい。これにより、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0027】
本発明に係る編集装置において、色情報は更にテープカセットが備えるテープの色の情報を含み、色情報リスト作成処理において、第一ラベルに対応する色情報リストでは、色情報のテープの色が第二ラベルから第kラベルの何れかの対象色情報の印刷色と一致する場合、該当する色情報は色情報リストから除外してもよい。これにより、色情報リストにおける色情報の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0028】
本発明に係る編集装置の色情報リスト作成処理において、第一ラベルから第kラベルの夫々に対応する色情報リストに加えて、色情報リストを一つ多く作成して追加色情報リストとし、編集処理において、ユーザから交換指示を受けた場合、第kラベルの上側に重ね合わされる第k+1ラベルに対応する第k+1印刷データを追加する追加処理を行い、追加処理において、追加された第k+1印刷データの対象色情報は追加色情報リストから決定されてもよい。これにより、ユーザは印刷データを追加する場合、追加色情報リストから追加の印刷データにおける対象色情報を決定するので、追加の印刷データにおける対象色情報を容易に決定できる。
【0029】
本発明に係る編集装置の編集処理において、第n印刷データと第p印刷データ(pは1以上、k以下、且つn以外の整数)とを交換可能か判断する交換判断処理を行い、交換判断処理の判断結果に基づき交換可能と判断され、且つユーザから交換指示を受けた場合、第n印刷データと第p印刷データとを交換する交換処理を行い、交換判断処理において、第n印刷データと第p印刷データとを交換した場合に第二ラベルから第kラベルを重ね合わせた全体の透過率が予め決められた第四閾値以上となるか判断する透過率判断処理を行い、透過率判断処理において第四閾値より小さい場合、判断結果を交換不可能としてもよい。編集装置は、交換判断処理を実行することで、二つの印刷データの交換の可否を判断する。編集装置は、交換判断処理の判断結果に基づき交換可能と判断された二つの印刷データの交換処理が可能となる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
なお、本発明に係る編集装置は、制御部と、前記制御部により実行されるプログラムを記憶したプログラム記憶部と、表示部と、を備え、第一印刷データに基づいて印刷装置によって印刷される第一ラベルと、第二印刷データに基づいて前記印刷装置によって印刷され、前記第一ラベルの上側に重ね合わされる第二ラベルと、からなる重ね貼りラベルを作成する為に、前記第一印刷データ及び前記第二印刷データを前記表示部上で編集可能な編集装置において、前記表示部は、前記表示部における同一画面に少なくとも第一領域と合成領域とを有し、前記制御部は、前記プログラム記憶部に記憶した前記プログラムを実行することにより、前記第一印刷データの画像を前記第一領域に、前記第一印刷データの画像及び前記第二印刷データの画像を重ね合わせた結果である合成画像を前記合成領域に、同時に表示する表示処理を実行してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図3】編集装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】フラッシュメモリ12に記憶される色情報テーブル97を示す概念図である。
【
図11】編集処理の中で行われる第1色情報リスト作成処理のフローチャートである。
【
図12】編集処理の中で行われる上層色情報リスト作成処理のフローチャートである。
【
図13】編集処理の中で行われる交換判断処理のフローチャートである。
【
図14】編集処理の中で行われる対象色情報決定処理のフローチャートである。
【
図15】編集処理の中で行われる上層追加処理のフローチャートである。
【
図16】編集処理の中で行われる上層削除処理のフローチャートである。
【
図17】フラッシュメモリ12に記憶される色情報リスト34を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態に係る編集装置1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0032】
図1から
図19を参照し、印刷システム100の構成を説明する。
図1に示すように、印刷システム100は編集装置1及び印刷装置50を備える。編集装置1は汎用のパーソナルコンピュータである。編集装置1は無線通信99にて印刷装置50と通信できる。編集装置1はラベルを作成する為の印刷データを編集できる。ラベルはテープ80及びテープ80に印刷される画像95で構成される。画像95は例えば文字、図形、記号等で構成される。印刷データは画像95の形状の情報、色情報等を有する。色情報は画像95の色(以下、印刷色という。)の情報、テープ80の色(以下、テープ色という。)の情報、及び透過率の情報を含む。本実施形態において、透過率はテープ80に可視光を入射した場合の、透過した光の放射発散度に対する入射した光の放射発散度の比である。
【0033】
印刷装置50は汎用のサーマルプリンタである。印刷装置50は装着部55、サーマルヘッド(図示略)を備える。印刷装置50は装着部55にテープカセット70を装着可能である。テープカセット70はカセットケース71、テープ80、及びインクリボン81を備える。カセットケース71は内部にテープ80及びインクリボン81を収容する。サーマルヘッドは編集装置1によって編集された印刷データに基づき印刷動作を行う。印刷動作ではインクリボン81が使用されてテープ80に画像95が印刷され、ラベルが作成される。即ち、本実施形態において、印刷色はインクリボン81の色である。テープカセット70はテープ80及びインクリボン81の色に基づき、1つの色情報を有する。印刷装置50は1回の印刷において1つの色情報の画像を有するラベルを印刷可能である。
【0034】
重ね貼りラベル94を説明する。重ね貼りラベル94は複数のラベルを重ね合わせて作成される。
図2の例では、重ね貼りラベル94は第1ラベル91、第2ラベル92、及び第3ラベル93が下から順に重ねられ、貼り合わされて作成される。重ね貼りラベル94を構成するラベルのうち第1ラベル91以外のラベルを総称して、上層ラベルという。第1ラベル91には緑色の画像95Aが半透明白色のテープ96Aに印刷されている。第2ラベル92には赤色の画像95Bが透明のテープ96Bに印刷されている。第3ラベル93には黒色の画像95Cが透明のテープ96Bに印刷されている。
【0035】
重ね貼りラベル94の画像95Dは第1ラベル91、第2ラベル92、及び第3ラベル93の夫々の画像95Aから画像95Cが重ね合わされて構成される。第2ラベル92、第3ラベル93のテープ96Bが透明なので、ユーザは上層ラベルを介して第1ラベル91の印刷面の一部を透かして視認できる。重ね貼りラベル94の画像95Dの左側では、緑色の画像95Aの上側に赤色の画像95Bと黒色の画像95Cが順に重なり、スイカの画像となる。このように、印刷システム100は1回の印刷で1つの印刷色の画像を有するラベルが作成される印刷装置50を使用して、複数色の画像が印刷されたように見える重ね貼りラベル94(所謂、多色ラベル)を作成できる。編集装置1は重ね貼りラベル94を作成する為に、ラベルの印刷データを編集できる。
【0036】
図3を参照し、編集装置1の電気的構成を説明する。編集装置1はCPU11を備える。CPU11は編集装置1を制御し、プロセッサとして機能する。CPU11には、フラッシュメモリ12、ROM13、RAM14、通信部15、ドライブ装置16、入力部2、及び表示部3が電気的に接続される。フラッシュメモリ12はCPU11が実行するプログラム、後述の色情報テーブル97、後述の色情報リスト34等を記憶する非一時的な記憶媒体である。RAM14は種々の一時データを記憶する。ROM13は各種プログラムの実行時にCPU11が必要な各種情報を記憶する。通信部15は無線通信99にて印刷装置50と通信するためのコントローラである。ドライブ装置16は記録媒体98に記憶された情報を読み出すことができる。記録媒体98は半導体メモリ、光ディスク等である。CPU11は記録媒体98に記憶されたプログラム等をドライブ装置16によって読み出し、フラッシュメモリ12に記憶できる。入力部2はマウス、キーボード等であり、ユーザの操作に応じて各種情報を編集装置1に入力する。表示部3はカラー表示が可能なLCD4を備え、編集された印刷データに基づく表示等、各種情報を表示する。
【0037】
図4を参照し、フラッシュメモリ12が記憶する色情報テーブル97について説明する。色情報テーブル97は色情報39Aから39Kを備える。以下、色情報39Aから39Kを色情報39と総称する。色情報39には色情報番号が付される。色情報番号は色情報39を特定する番号である。色情報39に含まれる印刷色の情報及びテープ色の情報は、テープカセット70が備えるテープ80及びインクリボン81の色に夫々対応する。
【0038】
図5を参照し、表示部3のLCD4に表示される編集画面5を説明する。編集画面5は単独領域21、領域追加部28、交換指示部29、及び合成領域20を有する。単独領域21、領域追加部28、及び交換指示部29は編集画面5の上側に、合成領域20は編集画面5の下側に設けられる。
【0039】
単独領域21は1枚のラベルの印刷データが表示される領域である。単独領域21の数は重ね貼りラベル94を構成するラベルの数と同じである。
図5の例では、単独領域21が二つあり、第1ラベル91の第1印刷データと、第2ラベル92の第2印刷データとが夫々表示される。第1印刷データが表示される単独領域21を、第1領域23という。第2印刷データが表示される単独領域21を、第2領域24という。編集画面5の左上部から右に向かって順に第1領域23、第2領域24が設けられる。ユーザは単独領域21の表示に基づき、対応するラベルの印刷データを編集する。
【0040】
領域追加部28は編集画面5の右上部に設けられる。ユーザが入力部2を介して領域追加部28を操作した場合、上層ラベルに対応する単独領域21が編集画面5に追加される。追加された単独領域21に対応するラベルは、重ね貼りラベル94における最も上側のラベルになる。
図5の例で領域追加部28が操作された場合、第3ラベル93に対応する第3領域25が追加される(
図18参照)。
【0041】
交換指示部29は領域追加部28の下側に設けられる。ユーザが入力部2を介して交換指示部29を操作することにより、二つの印刷データを交換可能である。
図5の例で交換指示部29が操作された場合、第1印刷データと第2印刷データとが交換される。第1領域23には交換前の第2印刷データが表示され、第2領域24には交換前の第1印刷データが表示される。尚、二つの印刷データの交換には所定の条件を満たすが必要であるが、詳細は後述する。
【0042】
合成領域20は後述するラベル画像41を全て重ね合わせた結果である合成ラベル画像40の表示が行われる領域である。
【0043】
単独領域21を説明する。単独領域21は、対象色情報部32、ラベル画像41、キャプション表示部31、階層確認部36、及び表示切替部37を備える。第1領域23以外の単独領域21は、更に削除指示部35を備える。
【0044】
対象色情報部32は単独領域21の右上部に設けられる。対象色情報部32は対象色情報を表示する。対象色情報は印刷データに含まれる色情報である。対象色情報部32には文字「ABC」が設けられる。文字「ABC」の色は対象色情報の印刷色を示し、文字「ABC」以外の色は対象色情報のテープ色を示す。尚、テープ色が透明である場合、文字「ABC」以外の色は透明を示す態様(例えば、銀色)で表示される。
【0045】
ラベル画像41は単独領域21の中央部に設けられる。ラベル画像41は印刷データに基づく画像であり、印刷装置50により作成されるラベルの完成予想を示す画像である。ラベル画像41はオブジェクト45を有する。オブジェクト45は文字、図形、記号等で構成される。オブジェクト45はラベルの画像95の完成予想を示す。オブジェクト45は対象色情報の印刷色で表示される。ラベル画像41のオブジェクト45以外の部分は対象色情報のテープ色で表示される。対象色情報部32と同様に、対象色情報のテープ色が透明である場合、ラベル画像41のオブジェクト45以外の部分は透明を示す態様(例えば、銀色)で表示される。
【0046】
キャプション表示部31は単独領域21の左上部に設けられ、単独領域21が表示する印刷データに対応するラベルの名前(例えば、第1ラベル等)を表示する。階層確認部36は単独領域21の左下部に設けられる。階層確認部36は自身が表示される単独領域21に対応するラベルを黒色で、自身が表示される単独領域21以外の単独領域21に対応するラベルを白色で示す。階層確認部36は白色と黒色の重なりにより、重ね貼りラベル94におけるラベルの上下の関係を示す。
図5の第1領域23の階層確認部36では、黒色に白色が重ねられ、第1領域23に対応する第1ラベル91が第2ラベル92の下側に位置することを示す。
【0047】
表示切替部37は単独領域21の右下部に設けられる。表示切替部37は表示中画像37A及び非表示中画像37B(
図6参照)の何れか一方を表示する。表示切替部37が表示中画像37Aを表示中、単独領域21にキャプション表示部31、対象色情報部32、階層確認部36、表示切替部37、及びラベル画像41が表示される。表示切替部37が非表示中画像37Bを表示中、単独領域21にはキャプション表示部31および表示切替部37のみが表示され、ラベル画像41が表示されない(
図6参照)。ユーザが入力部2を介して表示切替部37を操作した場合、指定の単独領域21が表示又は非表示となる。具体的には、表示中画像37Aを表示中の表示切替部37が操作された場合、
図6に示すように、指定の単独領域21にはキャプション表示部31および表示切替部37のみが表示される。そして、表示切替部37には表示中画像37Aに替わり非表示中画像37Bが表示される。非表示中画像37Bを表示中の表示切替部37が操作された場合、
図5に示すように、指定の単独領域21にはキャプション表示部31、対象色情報部32、階層確認部36、表示切替部37、及びラベル画像41が表示される。そして、表示切替部37には非表示中画像37Bに替わり表示中画像37Aが表示される。
【0048】
削除指示部35は第1領域23以外の単独領域21の上部の左右方向中央に設けられる。ユーザが入力部2を介して削除指示部35を操作した場合、指定の単独領域21が編集画面5から削除される。
【0049】
合成領域20を説明する。合成領域20には合成ラベル画像40、キャプション表示部30が設けられる。合成ラベル画像40は合成領域20の中央部に設けられる。
図5の例では、合成ラベル画像40は第1印刷データのラベル画像41Aと第2印刷データのラベル画像41Bとを重ね合わせた結果を示す。合成ラベル画像40は合成オブジェクト46を有する。合成オブジェクト46は全てのオブジェクト45を重ね合わせた画像である。
図5の例では、ラベル画像41Aのオブジェクト45Aとラベル画像41Bのオブジェクト45Bとが重ね合わされた結果を示す。キャプション表示部30は合成領域20の左上部に設けられ、領域が合成領域20であることを示す。
【0050】
図5の例では、第1領域23の対象色情報部32に対象色情報33Aが表示される。対象色情報33Aは印刷色が緑色、テープ色が半透明白色である。一方、第2領域24の対象色情報部32に対象色情報33Bが表示される。対象色情報33Bは印刷色が赤色、テープ色が透明である。合成ラベル画像40は合成オブジェクト46が緑色と赤色、合成オブジェクト46以外の部分が半透明白色で表示される。
【0051】
図7を参照し、対象色情報の決定について簡単に説明する。対象色情報は色情報テーブル97の色情報39に基づいて決定される。ユーザは対象色情報を決める場合、入力部2を介して対象色情報部32を操作する。CPU11は対象色情報部32が操作されたことに応じて、色情報リスト34を単独領域21の右上部に表示する。
【0052】
色情報リスト34は対象色情報及び色情報39を表示する。色情報リスト34の色情報39は印刷データに適合可能として色情報テーブル97から選定されたものである。色情報39の選定の方法は後述する。ユーザは入力部2を介して色情報リスト34の色情報39から1つを選択する。選択された色情報39が対象色情報に決定される。これにより、対象色情報部32、ラベル画像41及び合成ラベル画像40の色が対象色情報に基づいて変更される。
図7の例では、第1領域23において色情報リスト34から色情報39K(印刷色が緑色、テープ色が黒色)が選択される。対象色情報33Aとして色情報39Kが決定され、対象色情報部32に表示される。ラベル画像41Aはオブジェクト45Aが緑色、オブジェクト45A以外の部分が黒色で表示される。対象色情報33Bは印刷色が赤色、テープ色が透明である。合成ラベル画像40は合成オブジェクト46が緑色と赤色、合成オブジェクト46以外の部分が黒色で表示される。
【0053】
図8から
図16を参照し、CPU11で実行される編集処理を説明する。編集処理では、重ね貼りラベル94を作成する為の印刷データが編集され、編集された印刷データに基づく表示制御が行われる。以下では、第1ラベル91と第2ラベル92からなる重ね貼りラベル94を作成する為の編集が行われる場合として、
図5、
図7、
図18に示す編集画面5を適宜例に挙げて説明する。編集処理を開始する場合、ユーザは入力部2を操作する。CPU11は操作に応じてフラッシュメモリ12に記憶された編集処理のプログラムを読み込んで実行する。
【0054】
図8に示すように、CPU11は初期化処理を実行する(S1)。初期化処理において、CPU11はRAM14に記憶されている変数K、J、G、F、Eの値を夫々1に、変数Hの値を2にする。CPU11はRAM14に記憶されている複数の交換禁止フラグの夫々に0を記憶してOFFにする。変数Kは単独領域21の総数を示す。即ち、変数Kは重ね貼りラベル94を構成するラベルの数を示す。変数J、Gは何れも色情報テーブル97(
図4参照)が記憶する色情報番号を示す。変数H、F、E及び複数の交換禁止フラグは後述する。
【0055】
CPU11は編集データの読み出し操作を受け付けたか判断する(S2)。ユーザはフラッシュメモリ12に保存した編集データを読み出す場合、読み出し操作を入力部2に行う。編集データは印刷データと変数K等の関連情報とで構成される。CPU11は読み出し操作を受け付けた場合(S2:YES)、編集データに含まれる変数Kの値を取得し、RAM14に記憶する(S3)。CPU11はK個の単独領域21(第1領域23から第K領域)、及び合成領域20を編集画面5に夫々表示する(S4)。CPU11は単独領域21の夫々に印刷データ(第1印刷データから第K印刷データ)を表示する(S5)。CPU11は全てのラベル画像41を重ね合わせて合成ラベル画像40を作成し、合成領域20に表示する(S6)。CPU11は処理をS11に移行する。
【0056】
CPU11は読み出し操作を受け付けていない場合(S2:NO)、編集データの新規作成操作を受け付けたか判断する(S7)。ユーザは重ね貼りラベル94の編集データを新規で作成する場合、新規作成操作を入力部2に行う。CPU11は新規作成操作を受け付けた場合(S7:YES)、第1領域23及び合成領域20を編集画面5に夫々表示する(S8)。CPU11は対象色情報33Aを予め決められた初期色情報に設定し(S9)、処理をS11に移行する。本実施形態において、初期色情報は色情報テーブル97(
図4参照)の色情報39Aである。CPU11は新規作成操作を受け付けていない場合(S7:NO)、CPU11は処理をS2に戻す。
【0057】
CPU11は第1色情報リスト作成処理(S11)、上層色情報リスト作成処理(S12)を実行する。S11、S12において、ラベルに適合可能な色情報39が色情報テーブル97から色情報リスト34に選定される。色情報リスト34は1つのラベルに対応して1つ作成される。夫々の色情報リスト34は適合可能な色情報39が互いに異なる。S11では、第1ラベル91に対応する第1色情報リスト34Aが作成される。S12では、上層ラベルである第2ラベル92から第Kラベルの夫々に対応する第2色情報リストから第K色情報リストが作成される。
【0058】
図11に示すように、CPU11は第1色情報リスト作成処理を実行開始すると、全ての印刷データ(第1印刷データから第K印刷データ)の対象色情報を取得する(S71)。CPU11は変数Jの値を1にする(S72)。CPU11は色情報テーブル97から色情報番号がJ番目の色情報39を取得する(S73)。
【0059】
S74からS76において、CPU11は第1ラベル91に不適合な色情報39を第1色情報リスト34Aから除外する。CPU11はJ番目の色情報39が他の印刷データの対象色情報として決定済みか判断する(S74)。J番目の色情報39が他の印刷データの対象色情報として決定済みである場合(S74:YES)、CPU11は色情報39を色情報リスト34に追加する処理(S77)を実行せず、処理をS78に移行する。
図5を例として第1色情報リスト34Aが作成される場合、第2印刷データの対象色情報33Bは、印刷色が赤色、テープ色が透明の色情報39B(
図4参照)である。よって、S74で色情報39Bは第1色情報リスト34Aから除外される。J番目の色情報39が他の印刷データの対象色情報として決定済みでない場合(S74:NO)、CPU11は処理をS75に移行する。
【0060】
CPU11はJ番目の色情報39のテープ色が他の印刷データの印刷色と一致するか判断する(S75)。J番目の色情報39のテープ色が他の印刷データの印刷色と一致する場合(S75:YES)、CPU11はS77を実行せず、処理をS78に移行する。
図5を例として第1色情報リスト34Aが作成される場合、色情報39G、39H(
図4参照)のテープ色は赤色であり、第2印刷データの印刷色(赤色)と一致する。よって、S75で色情報39G、39Hは第1色情報リスト34Aから除外される。J番目の色情報39のテープ色が他の印刷データの印刷色と一致しない場合(S75:NO)、CPU11は処理をS76に移行する。
【0061】
CPU11はJ番目の色情報39の印刷色が他の印刷データの印刷色及びテープ色の少なくとも一方と一致するか判断する(S76)。J番目の色情報39の印刷色が他の印刷データの対象色情報の印刷色及びテープ色の少なくとも一方と一致する場合(S76:YES)、CPU11はS77を実行せず、処理をS78に移行する。
図5を例として第1色情報リスト34Aが作成される場合、色情報39E、39J(
図4参照)の印刷色は赤色であり、第2印刷データの印刷色(赤色)と一致する。よって、S76で色情報39E、39Jは第1色情報リスト34Aから除外される。J番目の色情報39の印刷色が他の印刷データの対象色情報の印刷色及びテープ色の何れとも一致しない場合(S76:NO)、CPU11は処理をS77に移行する。
【0062】
CPU11はJ番目の色情報39を第1色情報リスト34Aに追加する(S77)。CPU11は変数Jの値が最大色情報番号と一致するか判断する(S78)。最大色情報番号は色情報テーブル97の色情報番号の最大値(本実施形態では、10)である。変数Jの値が最大色情報番号でない場合(S78:NO)、CPU11は変数Jの値に1を加えて(S79)、処理をS73に戻す。
【0063】
変数Jの値が最大色情報番号である場合(S78:YES)、CPU11は作成した色情報リスト34をフラッシュメモリ12に記憶し(S80)、処理を編集処理(
図8参照)に戻す。
図5を例として第1色情報リスト34Aが作成される場合、
図17(A)に示すように、第1色情報リスト34AにはS77で追加された(即ち、S74からS76で第1色情報リスト34Aから除外されていない)色情報39A、39C、39D、39F、39Kが記憶される。
【0064】
CPU11は第1色情報リスト作成処理(S11)の実行後、上層色情報リスト作成処理(S12)を実行する(
図8参照)。
図12に示すように、CPU11はS71(
図11参照)と同様に全ての印刷データの対象色情報を取得する(S81)。CPU11は変数Hの値を2に、変数Gの値を1にする(S82)。変数Hの値は、作成中の色情報リスト34がどの上層ラベルに対応するかを示す。例えばH=2の場合、作成中の色情報リスト34は第2ラベル92に対応する。CPU11は色情報テーブル97から色情報番号がG番目の色情報39を取得する(S83)。
【0065】
S84からS86において、CPU11は第Hラベルに不適合な色情報39を第H色情報リストから除外する。CPU11はG番目の色情報39が他の印刷データの対象色情報として決定済みか判断する(S84)。G番目の色情報39が他の印刷データの対象色情報である場合(S84:YES)、CPU11は色情報39を第H色情報リストに追加する処理(S87)を実行せず、処理をS88に移行する。
図5を例として第2色情報リストが作成される場合、第1印刷データの対象色情報33Aは、印刷色が緑色、テープ色が半透明白色の色情報39F(
図4参照)である。よって、S84で色情報39Fは第2色情報リストから除外される。G番目の色情報39が他の印刷データの対象色情報として決定済みでない場合(S84:NO)、CPU11は処理をS85に移行する。
【0066】
CPU11はG番目の色情報39の印刷色が他の印刷データの印刷色及びテープ色の少なくとも一方と一致するか判断する(S85)。G番目の色情報39の印刷色が他の印刷データの印刷色及びテープ色の少なくとも一方と一致する場合(S85:YES)、CPU11はS87を実行せず、処理をS88に移行する。
図5を例として第2色情報リストが作成される場合、色情報39C、39H、39K(
図4参照)における印刷色は緑色であり、第1印刷データの印刷色(緑色)と一致する。よって、S85で色情報39C、39H、39Kは第2色情報リストから除外される。G番目の色情報39の印刷色が他の印刷データの印刷色及びテープ色の少なくとも一方と一致しない場合(S85:NO)、CPU11は処理をS86に移行する。
【0067】
CPU11は全ての上層ラベルを重ね合わせた全体の透過率(以下、上層透過率という。)が予め決められた閾値以上か判断する(S86)。
図2の3枚のラベルで構成される重ね貼りラベル94の場合、上層透過率は第2ラベル92と第3ラベル93とを重ね合わせて一体となった上層ラベルの透過率である。この場合、上層透過率は第2ラベル92及び第3ラベル93の透過率の乗算により算出される。本実施形態において、閾値は65%である。上層透過率が閾値より小さい場合(S86:NO)、CPU11はS87を実行せず、処理をS88に移行する。
図5を例として第2色情報リストが作成される場合、上層ラベルは第2ラベル92の1枚だけなので、上層透過率は色情報テーブル97の色情報39の透過率と等しい。よって、S86で色情報39G、39J(
図4参照)は第2色情報リストから除外される。上層透過率が閾値以上である場合(S86:YES)、CPU11はS87に移行する。
【0068】
CPU11はG番目の色情報39を第H色情報リストに追加する(S87)。CPU11は変数Gの値が最大色情報番号と一致するか判断する(S88)。変数Gの値が最大色情報番号でない場合(S88:NO)、CPU11は変数Gの値に1を加えて(S89)、処理をS83に戻す。
【0069】
変数Gの値が最大色情報番号である場合(S88:YES)、CPU11は変数Hの値がK+1の値と一致するか判断する(S90)。変数Hの値がK+1の値でない場合(S90:NO)、CPU11は変数Hの値に1を加え、変数Gの値を1にして(S91)、処理をS83に戻す。CPU11はS83からS91を繰り返し、上層ラベルの色情報リスト34を作成する。
【0070】
変数Kの値は重ね貼りラベル94を構成するラベルの数を示すので、上層ラベルの総数はK-1枚である。S83からS91がK-1回繰り返され(即ち、H=Kとなるまで繰り返され)、上層ラベルの色情報リスト34が作成される。S91で変数Hの値がK+1の値となった後に作成される色情報リスト34は、領域追加部28が操作されて追加される第K+1領域に対応する第K+1色情報リストである。このような、色情報リスト34を追加色情報リスト34Bという。
【0071】
図5を例として追加色情報リスト34Bが作成される場合、追加色情報リスト34Bは第3領域25に対応する第3色情報リストである。対象色情報33Aは、印刷色が緑色、テープ色が半透明白色の色情報39F(
図4参照)である。対象色情報33Bは、印刷色が赤色、テープ色が透明の色情報39B(
図4参照)である。よって、S84で色情報39B、39Fは追加色情報リスト34Bから除外される。S85で色情報39C、39E、39H、39Jは色情報リスト34から除外される。上層透過率は、対象色情報33B(色情報39B)の透過率とG番目の色情報39の透過率との乗算した結果である。S86で色情報39G、39Kは追加色情報リスト34Bから除外される。
【0072】
上層ラベルの色情報リスト34及び追加色情報リスト34Bを作成し、変数Hの値がK+1の値と一致した場合(S90:YES)、CPU11がS92に移行する。CPU11は作成した色情報リスト34をフラッシュメモリ12に記憶し(S92)、処理を編集処理(
図8参照)に戻す。
図5を例として上層色情報リスト作成処理が実行された場合、
図17(B)は第2色情報リストを示し、
図17(C)は追加色情報リスト34Bを示す。第2色情報リストにはS77で追加された色情報39A、39B、39D、39Eが記憶される。追加色情報リスト34BにはS77で追加された色情報39A、39Dが記憶される。
【0073】
CPU11は上層色情報リスト作成処理(S12)の実行後、交換判断処理(S13)を実行する(
図8参照)。S13は交換禁止フラグを設定する処理である。交換禁止フラグは後述する二つの印刷データを交換可能か判断(S38、
図9参照)する為に用いられる。
図13に示すように、CPU11は変数Kの値が2以上か判断する(S101)。変数Kの値が1である場合(S101:NO)、単独領域21の数は一つだけであり、単独領域21に対応する印刷データの交換が不可能なので、CPU11は処理を編集処理(
図8参照)に戻す。
【0074】
変数Kの値が2以上である場合(S101:YES)、CPU11は全ての印刷データの対象色情報を取得する(S102)。CPU11は変数F、Eの値を夫々1にする(S103)。CPU11は交換判断処理において第F印刷データと第F+E印刷データとを交換可能か判断する。CPU11は第F印刷データと第F+E印刷データとを仮交換する(S104)。S104において、CPU11は暫定的に交換前の第F+E印刷データを第F印刷データとし、交換前の第F印刷データを第F+E印刷データとする。尚、夫々の単独領域21に印刷データの変更内容が反映されて表示されるのは後述のS51(
図10参照)であり、S104の時点では変更内容は表示されない。
【0075】
CPU11は仮交換後の上層ラベルの印刷データに対してS86(
図12参照)と同様の方法で上層透過率が閾値以上か判断する(S105)。本実施形態において、S105の閾値は、S86の閾値と同じ65%である。上層透過率が閾値以上である場合(S105:YES)、CPU11は交換禁止フラグを操作せず、処理をS108に移行する。上層透過率が閾値より小さい場合(S105:NO)、CPU11は第F印刷データと第F+E印刷データの組み合わせに対応する交換禁止フラグに1を記憶してONにする(S106)。CPU11は第F印刷データと第F+E印刷データとを再度交換し、仮交換する前に戻す(S107)。CPU11は処理をS108に移行する。
【0076】
CPU11はF+Eの値が変数Kの値と一致するか判断する(S108)。F+Eの値が変数Kの値と一致しない場合(S108:NO)、変数Eの値に1を加えて(S109)、処理をS104に戻す。F+Eの値が変数Kの値と一致する場合(S108:YES)、CPU11は変数Fの値がK-1の値と一致するか判断する(S110)。変数Fの値がK-1の値と一致しない場合(S110:NO)、CPU11は変数Fの値に1を加え、変数Eの値を1にして(S111)、処理をS104に戻す。
【0077】
CPU11はS104からS111を繰り返し、二つの印刷データの全ての組み合わせについてS105で交換可能か判断する。変数Fの値がK-1の値と一致する場合(S110:YES)、CPU11は二つの印刷データの全ての組み合わせについてS105で交換可能かを判断済みであり、処理を編集処理(
図8参照)に戻す。
【0078】
図8に示すように、CPU11は交換判断処理(S13)の実行後、オブジェクト45を追加する操作を受け付けたか判断する(S21)。ユーザはラベル画像41にオブジェクト45を追加する場合、入力部2を操作する。この操作において、ユーザは領域番号及び追加するオブジェクト45を指定する。領域番号は編集する単独領域21を特定する番号である。単独領域21は夫々固有の領域番号を有する。第n領域(nは自然数)の領域番号はnである。オブジェクト45を追加する操作を受け付けた場合(S21:YES)、CPU11は指定された領域番号を取得する(S22)。CPU11は領域番号に対応する単独領域21のラベル画像41に対して操作に応じたオブジェクト45を追加する(S23)。CPU11は処理をS51(
図10参照)に移行する。
【0079】
オブジェクト45を追加する操作を受け付けていない場合(S21:NO)、
図9に示すように、CPU11はオブジェクト45の形状を変更する操作を受け付けたか判断する(S24)。ユーザは単独領域21のオブジェクト45の形状を変更する場合、入力部2を操作する。この操作において、ユーザは領域番号及びオブジェクト45の変更内容を指定する。オブジェクト45の形状を変更する操作を受け付けた場合(S24:YES)、CPU11は指定された領域番号を取得する(S25)。CPU11は領域番号に対応する単独領域21のオブジェクト45の形状を操作に応じて変更する(S26)。CPU11は処理をS51に移行する。
【0080】
オブジェクト45の形状を変更する操作を受け付けていない場合(S24:NO)、CPU11はオブジェクト45を削除する操作を受け付けたか判断する(S27)。ユーザは単独領域21のラベル画像41からオブジェクト45を削除する場合、入力部2を操作する。この操作において、ユーザは領域番号及び削除するオブジェクト45を指定する。オブジェクト45を削除する操作を受け付けた場合(S27:YES)、CPU11は指定された領域番号を取得する(S28)。CPU11は領域番号に対応する単独領域21の指定されたオブジェクト45を削除する(S29)。CPU11は処理をS51に移行する。
【0081】
オブジェクト45を削除する操作を受け付けていない場合(S27:NO)、CPU11は対象色情報部32が操作されたか判断する(S30)。上記の通り、ユーザは対象色情報を決める場合、入力部2を介して対象色情報部32を操作する。この操作において、ユーザは領域番号を指定する。対象色情報部32が操作された場合(S30:YES)、CPU11は対象色情報決定処理を実行する(S31)。CPU11はS31を実行後、処理をS51に移行する。
【0082】
対象色情報決定処理(S31)を説明する。
図14に示すように、CPU11は指定された領域番号を取得する(S121)。CPU11はフラッシュメモリ12から領域番号に対応する単独領域21の色情報リスト34を取得する(S122)。CPU11は取得した色情報リスト34に色情報39があるか判断する(S123)。
【0083】
第1色情報リスト作成処理(
図11参照)のS77で、又は上層色情報リスト作成処理(
図12参照)のS87で、色情報テーブル97の色情報39が一つも色情報リスト34に追加されなかった場合、色情報リスト34には色情報39がない(S123:NO)。この場合、CPU11は編集画面5上に一定時間エラー表示を行う(S129)。CPU11は処理を編集処理(
図9参照)に戻す。
【0084】
取得した色情報リスト34に色情報39がある場合(S123:YES)、CPU11は色情報リスト34を単独領域21に表示する(S124)。上記の通り、色情報リスト34は単独領域21の右上部に表示される(
図7参照)。CPU11は色情報39が選択されたか判断する(S125)。ユーザは入力部2を介して色情報リスト34の色情報39から指定の単独領域21に適用するものを選択する。CPU11は色情報39が選択されるまで、S125の判断を継続する(S125:NO)。CPU11は色情報39が選択された場合(S125:YES)、指定の単独領域21の対象色情報を選択に応じた色情報39に決定する(S126)。CPU11は処理を編集処理(
図9参照)に戻す。
【0085】
図9に示すように、対象色情報部32が操作されていない場合(S30:NO)、CPU11は領域追加部28が操作されたか判断する(S32)。上記の通り、ユーザは上層ラベルを追加する場合、入力部2を介して領域追加部28を操作する。領域追加部28が操作された場合(S32:YES)、CPU11は上層追加処理を実行する(S33)。CPU11はS33を実行後、処理をS51に移行する。
【0086】
上層追加処理(S33)を説明する。
図15に示すように、CPU11はフラッシュメモリ12から追加色情報リスト34Bを取得する(S141)。CPU11は追加色情報リスト34Bに色情報39があるか判断する(S142)。追加色情報リスト34Bに色情報39がない場合(S142:NO)、CPU11は編集画面5上に一定時間エラー表示を行う(S149)。CPU11は処理を編集処理(
図9参照)に戻す。
【0087】
追加色情報リスト34Bに色情報39がある場合(S142:YES)、CPU11は編集画面5に第K+1領域を追加する(S143)。CPU11は追加された第K+1領域の右上部に追加色情報リスト34Bを表示する(S144)。
図18の例では、第3ラベル93の第3印刷データに対応する第3領域25が第2領域24の右側に追加され、色情報39A、39Dを含んだ追加色情報リスト34Bが第3領域25に表示される。
【0088】
CPU11は色情報39が選択されたか判断する(S145)。ユーザは入力部2を介して色情報リスト34の色情報39から指定の単独領域21に適用するものを選択する。CPU11は色情報39が選択されるまで、S145の判断を継続する(S145:NO)。CPU11は色情報39が選択された場合(S145:YES)、第K+1領域の対象色情報を選択に応じた色情報39に決定する(S146)。CPU11は変数Kの値に1を加えて(S147)、処理を編集処理(
図9参照)に戻す。
【0089】
図9に示すように、領域追加部28が操作されていない場合(S32:NO)、CPU11は削除指示部35が操作されたか判断する(S34)。ユーザは単独領域21を削除する場合、入力部2を介して削除する単独領域21の削除指示部35を操作する。これにより、削除する単独領域21の領域番号が指定される。第1領域23は削除指示部35を備えないので、削除する単独領域21に第1領域23が指定されることはない。入力部2は操作に応じて上層削除指示をCPU11に出力する。削除指示部35が操作された場合(S34:YES)、上層削除処理を実行する(S35)。CPU11はS35を実行後、処理をS51に移行する。
【0090】
上層削除処理(S35)を説明する。
図16に示すように、CPU11は指定された領域番号を取得し(S151)、指定の領域番号に対応する単独領域21を削除する(S152)。S152において、CPU11は削除された単独領域21に対応する印刷データも併せて削除する。CPU11は指定の領域番号に対応する単独領域21が第K領域か判断する(S153)。即ち、S153では削除する単独領域21に対応するラベルが重ね貼りラベル94のうちで最も上側のラベルであるかを判断する。
【0091】
指定の領域番号に対応する単独領域21が第K領域である場合(S153:YES)、CPU11は変数Kの値から1を引いて(S155)、処理を編集処理(
図9参照)に戻す。指定の領域番号に対応する単独領域21が第K領域でない場合(S153:NO)、指定の単独領域21に対応するラベルよりも上側のラベルについて、領域番号の値から1を引く(S154)。S154において、例えば領域番号がnである場合、CPU11は領域番号をn-1とすることにあわせ、対応する第n領域及び第n印刷データを夫々第n-1領域及び第n-1印刷データとする。CPU11は変数Kの値から1を引いて(S155)、処理を編集処理(
図9参照)に戻す。
【0092】
図9に示すように、削除指示部35が操作されていない場合(S34:NO)、CPU11は交換指示部29が操作されたか判断する(S36)。上記の通り、ユーザは二つの印刷データを交換する場合、入力部2を介して交換指示部29を操作する。この操作において、ユーザは領域番号を二つ指定する。具体的には、ユーザは入力部2を介して交換指示部29を操作した後、更に単独領域21を二つ選択する。これにより、二つの選択された単独領域21に対応する領域番号が指定される。交換指示部29が操作された場合(S36:YES)、CPU11は二つの指定された領域番号を取得する(S37)。CPU11は指定の領域番号に対応する二つの印刷データを交換可能か判断する(S38)。S38では、交換判断処理(
図13参照)で設定された交換禁止フラグに基づいて判断される。
【0093】
指定の領域番号に対応する二つの印刷データの組み合わせに対応する交換禁止フラグがONである場合、CPU11は指定の二つの印刷データを交換不可能と判断する(S38:NO)。この場合、CPU11は指定の二つの印刷データを交換せず、処理をS40(
図10参照)に移行する。指定の領域番号に対応する二つの印刷データの組み合わせに対応する交換禁止フラグがOFFである場合、CPU11は指定の二つの印刷データを交換可能と判断する(S38:YES)。この場合、CPU11は指定の二つの印刷データを交換し(S39)、処理をS51に移行する。
【0094】
交換指示部29が操作されていない場合(S36:NO)、
図10に示すように、CPU11は表示切替部37が操作されたか判断する(S40)。ユーザは入力部2を介して表示又は非表示を切り替える単独領域21の表示切替部37を操作する。これにより、表示又は非表示を切り替える単独領域21の領域番号と、当該単独領域21を表示又は非表示にするかを指定する。CPU11は表示切替指示を受信した場合(S40:YES)、指定された領域番号を取得する(S41)。CPU11は操作に応じて領域番号に対応する単独領域21の表示又は非表示を切り替える(S42)。CPU11は処理をS51に移行する。
【0095】
CPU11は入力部2に対して行われた操作に応じた処理(S23、S26、S29、S31、S33、S35、S39、S42)を実行後、処理により変更された印刷データを単独領域21に反映して表示する(S51)。CPU11はラベル画像41を重ね合わせて合成ラベル画像40を作成し、作成された合成ラベル画像40を合成領域20に表示する(S52)。CPU11は処理をS61に移行する。
図7の例では、対象色情報33Aに色情報39Kが選択されたことに応じ、ラベル画像41Aは対象色情報33Aに基づいて色が変化して表示される。ラベル画像41Aの色の変化に応じ、合成ラベル画像40は色が変化して表示される。
【0096】
表示切替部37が操作されていない場合(S40:NO)、又は合成ラベル画像40を合成領域20に表示した後(S52)、CPU11は保存操作を受け付けたか判断する(S61)。ユーザは編集データをフラッシュメモリ12に保存する場合、保存操作を入力部2に行う。CPU11は保存操作を受け付けた場合(S61:YES)、編集データをフラッシュメモリ12に保存する(S62)。CPU11は処理をS63に移行する。CPU11は保存操作を受け付けていない場合(S61:NO)、編集データを保存せず、処理をS63に移行する。
【0097】
CPU11は印刷操作を受け付けたか判断する(S63)。ユーザは編集された夫々の印刷データに基づきラベルを印刷する場合、印刷操作を入力部2に行う。この操作において、ユーザは領域番号を指定する。CPU11は印刷操作を受け付けた場合(S63:YES)、指定された領域番号を取得する(S64)。CPU11は通信部15から領域番号に対応する印刷データを印刷装置50に送信する(S65)。CPU11は処理をS66に移行する。CPU11は印刷操作を受け付けていない場合(S63:NO)、印刷データを印刷装置50に送信せず、処理をS66に移行する。
【0098】
CPU11は終了操作を受け付けたか判断する(S66)。ユーザは印刷データの編集を終了する場合、終了操作を入力部2に行う。CPU11は終了操作を受け付けていない場合(S66:NO)、処理をS11に戻す。ユーザは入力部2を操作することで、印刷データを編集する。CPU11は終了操作を受け付けた場合(S66:YES)、編集処理を終了する。
【0099】
以上説明したように、重ね貼りラベル94は第1印刷データに基づいて印刷装置50によって印刷される第1ラベル91と、第2印刷データに基づいて印刷装置50によって印刷され、第1ラベル91の上側に重ね合される第2ラベル92からなる。編集装置1は重ね貼りラベル94を作成する為に、表示部3の編集画面5上で第1印刷データ及び第2印刷データを編集可能である。編集装置1は、CPU11と、フラッシュメモリ12とを備える。フラッシュメモリ12はCPU11により実行される編集処理のプログラムを記憶する。表示部3はLCD4を備える。表示部3はLCD4の編集画面5において第1領域23、第2領域24、及び合成領域20を有する。CPU11は編集処理のS51、S52において、第1印刷データのラベル画像41Aを第1領域23に、第2印刷データのラベル画像41Bを第2領域24に、合成ラベル画像40を合成領域20に夫々表示する(
図5参照)。これにより、ユーザは編集された夫々の印刷データのラベル画像41と合成ラベル画像40とを一目で確認できる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0100】
印刷装置50は、テープ80を備えたテープカセット70を装着可能である。フラッシュメモリ12は色情報テーブル97を記憶する。色情報テーブル97にはテープ80に印刷する印刷色の情報を含んだ色情報39が設けられる。CPU11は対象色情報決定処理(S31)において、色情報テーブル97の色情報39に基づき、第1印刷データ及び第2印刷データの夫々に対応する対象色情報を決定する。これにより、ユーザは印刷色を、実際に印刷可能な色の中から選択できる。よって、ユーザは印刷データを効率的に編集できる。
【0101】
テープカセット70はインクリボン81を備え、印刷色はインクリボン81の色である。これにより、ユーザは対象色情報をインクリボン81の色から決定できる。
【0102】
色情報39はテープ80の色の情報を含む。色情報39はテープカセット70が備えるテープ80及びインクリボン81の色の組み合わせの情報であるので、ユーザは対象色情報を実際に使用可能なテープカセット70のテープ80及びインクリボン81の夫々の色から決定できる。
【0103】
CPU11は第1ラベル91に適合可能な色情報39が選択される第1色情報リスト34Aを作成する第1色情報リスト作成処理(S11)を実行する。CPU11は第2ラベル92に適合可能な色情報39が選択される色情報リスト34を作成する上層色情報リスト作成処理(S12)を実行する。CPU11は対象色情報決定処理において作成された色情報リスト34を表示する(S124)。CPU11は第1ラベル91及び第2ラベル92の何れか一方に対応する色情報リスト34のうちで選択された色情報39を当該一方における対象色情報として決定する(S126)。これにより、ユーザは色情報リスト34に基づいて容易に対象色情報を決定できる。
【0104】
色情報39はテープ80の透過率の情報を含む。CPU11は上層色情報リスト作成処理において、第2ラベル92の透過率が予め決められた閾値以上となる色情報39が第2色情報リストに選定される(S86:YES)。第2色情報リストは色情報39が選定されるので、色情報リスト34における色情報39の選択肢の数が減少し易くなる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0105】
CPU11は第1色情報リスト作成処理、及び上層色情報リスト作成処理において、第1ラベル91及び第2ラベル92の何れか一方に対応する色情報リスト34から、他方の対象色情報として決定された色情報39を除外する(S74、S84:YES)。これにより、色情報リスト34における色情報39の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0106】
CPU11は第1色情報リスト作成処理、及び上層色情報リスト作成処理において、第1ラベル91及び第2ラベル92の何れかに一方に対応する色情報リスト34から、他方の対象色情報における印刷色又はテープ色と同じ色の印刷色を含んだ色情報39を除外する(S76、S85:YES)。これにより、色情報リスト34における色情報39の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0107】
CPU11は第1色情報リスト作成処理において、第1色情報リスト34Aから、第2ラベル92の対象色情報における印刷色と同じ色のテープ色を含んだ色情報39を除外する(S75:YES)。これにより、色情報リスト34における色情報39の選択肢の数が減少し易くなるので、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0108】
CPU11は上層色情報リスト作成処理において、追加色情報リスト34Bを作成する。CPU11は第3ラベル93に対応する第3印刷データを追加する上層追加処理(S33)を実行可能である。CPU11は上層追加処理において、追加色情報リスト34Bのうちで選択された色情報39を第3印刷データの対象色情報として決定する(S146)。これにより、ユーザは印刷データを追加する場合、第3印刷データの対象色情報を容易に決定できる。
【0109】
CPU11は交換判断処理(S13)において第1印刷データと第2印刷データとを交換可能か判断する。CPU11は交換判断処理において、第1印刷データと第2印刷データとを交換した場合に交換後の第2印刷データに基づく第2ラベル92の透過率(上層透過率)が予め決められた閾値以上となるか判断する(S105)。上層透過率が閾値より小さい場合(S105:NO)、CPU11は第1印刷データと第2印刷データとの交換禁止フラグに1を記憶してONにする(S106)。CPU11はユーザの操作により入力部2が出力する交換指示を受信したか判断する(S36)。CPU11は交換指示を受信し(S36:YES)、且つ交換禁止フラグがOFFである場合、第1印刷データと第2印刷データとを交換する。CPU11は交換判断処理の判断結果に基づき交換可能と判断された場合、交換処理が可能となる。よって、ユーザは複数のラベルを重ね合わせる場合に印刷データを効率的に編集できる。
【0110】
上記実施形態において、CPU11が本発明の「制御部」に相当する。フラッシュメモリ12が本発明の「プログラム記憶部」「色情報記憶部」に相当する。合成ラベル画像40が本発明の「合成画像」に相当する。CPU11が実行するS51、S52が本発明の「表示処理」に相当する。CPU11が実行するS31が本発明の「決定処理」に相当する。CPU11が実行するS124が本発明の「色情報リスト表示処理」に相当する。S86に用いられる閾値が本発明の「第一閾値」に相当する。交換禁止フラグの値が本発明の「判断結果」に相当する。CPU11が実行するS39が本発明の「交換処理」に相当する。S105に用いられる閾値が本発明の「第二閾値」に相当する。CPU11が実行するS105が本発明の「透過率判断処理」に相当する。
【0111】
本発明は、上記実施形態から種々の変更が可能である。上記実施形態では、編集処理において第1ラベル91と第2ラベル92からなる重ね貼りラベル94を作成する為の編集が行われるものとして説明したが、3枚以上のラベルからなる重ね貼りラベル94を作成する為の編集が行われてもよい。編集装置1は上記実施形態で説明した編集処理で3枚以上のラベルからなる重ね貼りラベル94を作成する為の編集が可能である。この場合、S86に用いられる閾値が本発明の「第三閾値」に相当する。S105に用いられる閾値が本発明の「第四閾値」に相当する。
図19では、S23により第3領域25のラベル画像41Cにオブジェクト45Cが追加される。第3領域25に対応する対象色情報33Cは、上層追加処理(
図15参照)にて第3領域25が追加された場合のS146で決定された色情報39、又は対象色情報決定処理(
図14参照)のS126で決定された色情報39である。ラベル画像41Aから41Cが重ね合された合成ラベル画像40が合成領域20に表示される。
【0112】
印刷システム100の装置の構成、数は適宜変更してよい。印刷システム100において編集装置1は印刷動作を実行可能であってもよく、印刷システム100は印刷装置50を備えなくてもよい。印刷装置50はサーマルプリンタ以外のプリンタでもよく、例えばインクジェットプリンタであってもよい。編集装置1は表示部3を備えなくてもよく、例えば編集装置1と別体の表示装置と通信可能であってもよい。この場合、CPU11は各種表示を行う指示を表示装置に送信すればよい。
【0113】
LCD4はカラー表示が可能でなくてもよい。この場合、表示部3は色を識別可能に表示すればよい。具体的には表示部3は、色に応じた符号をラベル画像41の夫々、及び合成ラベル画像40に付して、かつ各符号がいずれの色を示すかを表示してもよいし、符号の代わりに斜線、横線、縦線等で色の違いを表現してもよい。
【0114】
印刷装置50は複数種類のテープカセット70が一度に装着可能に構成されてもよい。この場合、色情報が変わる度にユーザがテープカセット70を交換する手間が省略される。印刷装置50はテープカセット70を装着可能でなくてもよい。テープカセット70はインクリボン81を備えなくてもよい。印刷装置50はロール紙を装着可能であってもよい。
【0115】
色情報39はテープ色及び透過率の情報の少なくとも一方を含まなくてもよい。色情報39はテープ80の幅の情報を含んでもよい。色情報39の使用履歴がフラッシュメモリ12に蓄積されてもよい。この場合、CPU11はフラッシュメモリ12に記憶された使用履歴に基づいて、使用された頻度が高い色情報39を選択され易い態様で色情報リスト34に表示してもよい。初期色情報はフラッシュメモリ12に記憶された使用履歴に基づいて決められてもよい。色情報テーブル97はフラッシュメモリ12と異なる第二のフラッシュメモリに記憶されてもよい。
【0116】
CPU11の代わりにマイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等がプロセッサとして用いられてもよい。編集処理は複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。非一時的な記憶媒体は情報を記憶する期間に関わらず、情報を留めておくことが可能な記憶媒体であればよい。非一時的な記憶媒体は一時的な記憶媒体(例えば、伝送される信号)を含まなくてもよい。プログラムは例えばネットワークに接続されたサーバからダウンロードされて(すなわち、伝送信号として送信され)、フラッシュメモリ12に記憶されてもよい。この場合、プログラムはサーバに備えられたハードディスクドライブ等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。なお上述した変形例は矛盾が生じない限り、互いに組み合わされてもよい。
【0117】
編集処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加ができる。編集装置1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、CPU11からの指令により編集処理の一部又は全部を行う態様も、本開示の範囲に含まれる。例えば、編集処理に以下の変更を適宜加えてもよい。
【0118】
CPU11はS2からS7、S61、S62を省略してもよい。即ち、編集データはフラッシュメモリ12に記憶されなくてもよく、編集装置1は印刷データを新規に生成して編集する場合のみ編集処理が行われてもよい。
【0119】
CPU11は第1色情報リスト作成処理(S11)を対象色情報決定指示の受信(S30:YES)に応じて行われてもよい。同様にCPU11は上層色情報リスト作成処理(S12)を対象色情報決定指示の受信(S30:YES)に応じて実行されてもよい。この場合、S12はCPU11が上層追加指示を受信した場合(S32:YES)においても実行されることが望ましい。CPU11は交換判断処理(S13)を交換指示の受信(S36:YES)に応じて行われてもよい。この場合、S13はS38の前に実行されることが望ましい。
【0120】
S86、S105の閾値は夫々異なる値でも良い。上層透過率は、夫々の上層ラベルの透過率の総和であってもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 編集装置
3 表示部
5 編集画面
11 CPU
12 フラッシュメモリ
20 合成領域
21 単独領域
33 対象色情報
34 色情報リスト
39 色情報
40 合成ラベル画像
41 ラベル画像
70 テープカセット
80 テープ
91 第1ラベル
92 第2ラベル
93 第3ラベル
94 重ね貼りラベル
97 色情報テーブル
100 印刷システム