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特開2024-89801生体情報測定装置、生体情報測定方法、及び生体情報測定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089801
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】生体情報測定装置、生体情報測定方法、及び生体情報測定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20240627BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20240627BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20240627BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A61B5/02 310B
A61B5/1455
A61B5/08
A61B5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205230
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】沢渡 彩映
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏貴
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AC26
4C017BC21
4C017FF15
4C038KK01
4C038KK10
4C038KL05
4C038KL07
4C038KY01
4C038SS09
4C038SV00
4C117XB01
4C117XB03
4C117XC13
4C117XD15
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE37
4C117XJ13
(57)【要約】
【課題】検出信号の信号強度は、環境温度もしくは体温の変化によって変動する。信号強度が変動すると、測定装置の測定精度は低下する。
【解決手段】生体情報測定装置は、光を発光する発光素子を有する発光ユニットと、生体を経由した前記光を受光して検出信号を生成する受光ユニットと、環境温度及び前記生体の体温のうちの少なくとも一方を測定し、温度データを生成する温度センサーと、前記発光素子の発光強度を調整するコントローラーと、を備え、前記コントローラーは、前記温度データを用いて温度変化率を算出し、前記温度変化率に基づいて、前記発光強度を調整する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発光する発光素子を有する発光ユニットと、
生体を経由した前記光を受光して検出信号を生成する受光ユニットと、
環境温度及び前記生体の体温のうちの少なくとも一方を測定し、温度データを生成する温度センサーと、
前記発光素子の発光強度を調整するコントローラーと、を備え、
前記コントローラーは、
前記温度データを用いて温度変化率を算出し、
前記温度変化率に基づいて、前記発光強度を調整する、
生体情報測定装置。
【請求項2】
前記温度変化率が、負の値であるとき、
前記コントローラーは、前記発光強度を増加させる、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記温度変化率が、正の値であるとき、
前記コントローラーは、前記発光強度を減少させる、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記コントローラーは、前記検出信号の直流成分に対する交流成分の信号比率を算出し、算出された前記信号比率に基づいて、前記発光強度を調整する、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記信号比率が予め定めた値よりも小さいとき、前記コントローラーは、前記発光強度を増加させる、
請求項4に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
前記発光ユニットは、前記光と波長が異なる第2の光を発光する第2発光素子を有し、
前記受光ユニットは、前記第2の光を受光することによって第2検出信号を生成し、
前記コントローラーは、前記検出信号と前記第2検出信号との相関係数を算出し、前記相関係数に基づいて、前記発光強度を調整する、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項7】
生体の生体情報を測定する生体情報測定方法であって、
環境温度及び前記生体の体温のうちの少なくとも一方を測定して温度データを生成し、
前記生体に光を発光し、
前記生体を経由した前記光を受光して検出信号を生成し、
前記温度データを用いて温度変化率を算出し、
前記温度変化率に基づいて、前記光を発光するときの発光強度を調整する、
生体情報測定方法。
【請求項8】
光を発光する発光素子を有する発光ユニットと、生体を経由した前記光を受光して検出信号を生成する受光ユニットと、環境温度及び前記生体の体温のうちの少なくとも一方を測定し、温度データを生成する温度センサーと、前記温度データを用いて温度変化率を算出し、算出された前記温度変化率に基づいて前記発光素子の発光強度を調整するコントローラーと、前記検出信号を送信する通信ユニットと、を備える生体情報測定装置と、
前記検出信号を受信する端末通信回路と、前記検出信号を用いて前記生体の生体情報を解析する解析コントローラーと、を備える制御装置と、
を有する生体情報測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報測定装置、生体情報測定方法、及び生体情報測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被験者の生体情報を非侵襲で測定する測定装置が知られている。特許文献1に記載される測定装置は、脈波、及び酸素飽和濃度を測定する。測定装置は、複数の発光部から生体に光を射出する。測定装置は、生体から射出された光を受光し、検出信号を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-86227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検出信号の信号強度は、環境温度もしくは体温の変化によって変動する。信号強度が変動すると、測定装置の測定精度は低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の生体情報測定装置は、光を発光する発光素子を有する発光ユニットと、生体を経由した前記光を受光して検出信号を生成する受光ユニットと、環境温度及び前記生体の体温のうちの少なくとも一方を測定し、温度データを生成する温度センサーと、前記発光素子の発光強度を調整するコントローラーと、を備え、前記コントローラーは、前記温度データを用いて温度変化率を算出し、前記温度変化率に基づいて、前記発光強度を調整する。
【0006】
本開示の生体情報測定方法は、生体の生体情報を測定する生体情報測定方法であって、環境温度及び前記生体の体温のうちの少なくとも一方を測定して温度データを生成し、前記生体に光を発光し、前記生体を経由した前記光を受光して検出信号を生成し、前記温度データを用いて温度変化率を算出し、前記温度変化率に基づいて、前記光を発光するときの発光強度を調整する。
【0007】
本開示の生体情報測定システムは、光を発光する発光素子を有する発光ユニットと、生体を経由した前記光を受光して検出信号を生成する受光ユニットと、環境温度及び前記生体の体温のうちの少なくとも一方を測定し、温度データを生成する温度センサーと、前記温度データを用いて温度変化率を算出し、算出された前記温度変化率に基づいて前記発光素子の発光強度を調整するコントローラーと、前記検出信号を送信する通信ユニットと、を備える生体情報測定装置と、前記検出信号を受信する端末通信回路と、前記検出信号を用いて前記生体の生体情報を解析する解析コントローラーと、を備える制御装置と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】測定システムの概略構成を示す図。
図2】測定面の概略構成を示す図。
図3】測定装置のブロック構成を示す図。
図4】発光素子の発光パターンの発光例を示す図。
図5】検出信号を模式的に示す図。
図6】所定時間での各検出信号の周波数と信号強度との関係を示す図。
図7】脈波強度の測定結果を示す図。
図8】脈波を測定するフローチャートを示す図。
図9】発光強度を調整するフローチャートを示す図。
図10】発光強度を調整するフローチャートを示す図。
図11】測定面の概略構成を示す図。
図12】測定装置のブロック構成を示す図。
図13】脈波を測定するフローチャートを示す図。
図14】発光強度を調整するフローチャートを示す図。
図15】測定システムのブロック構成を示す図。
図16】検出信号を測定するフローチャートを示す図。
図17】測定システム内のタブレット端末の動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、測定システム1000の概略構成を示している。測定システム1000は、不整脈の評価を行う。測定システム1000は、脈波を指標として不整脈の評価を行う。不整脈は、拍間隔等を用いて評価される。測定システム1000を用いて不整脈の評価が行われる場合、少なくとも7日以上の脈波が測定される。測定システム1000は、睡眠時無呼吸症候群の評価を行ってもよい。睡眠時無呼吸症候群は、SAS(Sleep Apnea Syndrome)と表される。測定システム1000は、血中酸素飽和濃度(SpO2)を指標として睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。血中酸素飽和濃度は、以降酸素飽和濃度と表される。測定システム1000を用いて睡眠時無呼吸症候群の評価が行われる場合、1から3晩かけて酸素飽和濃度が測定される。睡眠時無呼吸症候群は、予め定めた所定値よりも低い酸素飽和濃度を示す低濃度期間、もしくは低濃度期間の回数から評価される。測定システム1000は、生体情報測定システムの一例に対応する。
【0010】
測定システム1000は、測定装置100とタブレット端末200とを備える。測定装置100とタブレット端末200は、通信可能に接続される。図1に示す測定システム1000は、測定装置100とタブレット端末200とを無線で通信接続する。測定装置100とタブレット端末200との接続は、無線に限定されない。測定装置100とタブレット端末200は、有線で通信接続されてもよい。測定装置100は、生体情報測定装置の一例に対応する。タブレット端末200は、制御装置の一例に対応する。
【0011】
測定装置100は、人間等の使用者Mの生体情報、もしくは生体情報に係る各種データを測定する。使用者Mは、生体の一例に対応する。測定装置100は、使用者Mの測定部位に装着される腕時計型の携帯機器である。図1に示す測定装置100は、一例として使用者Mの手首に装着される。測定装置100は、脈波間隔等を含む脈波、酸素飽和濃度等の生体情報を経時的に測定する。脈波間隔は、PPI(Post Pacing Interval)と表される。脈波は、心臓の拍動に連動した血管内の体積の時間変化を示す。酸素飽和濃度は、使用者Mの動脈血液中のヘモグロビンのうち酸素と結合したヘモグロビンの割合を示す。酸素飽和濃度は、使用者Mの呼吸機能を評価する指標である。測定装置100は、脈波、及び酸素飽和濃度以外の生体情報を測定してもよい。測定装置100は、一例として、動脈血中グルコース濃度、動脈血中アルコール濃度等を測定する。測定装置100は、筐体1と、ベルト2と、を備える。筐体1は、検出ユニット3、及び表示パネル4を収容する。
【0012】
筐体1は、測定装置100に備えられるユニット等を収容する外装である。筐体1は、測定面1aと表示面1bとを有する。測定面1aは、使用者Mの測定部位と対向する面である。測定面1aは、使用者Mの測定部位と接触する。表示面1bは、使用者Mによって視認可能な面である。筐体1は、検出ユニット3、及び表示パネル4に加え、後述する制御ユニット30、及びメモリー40等を収容する。
【0013】
ベルト2は、使用者Mの測定部位に筐体1を装着するときに用いられる部材である。ベルト2は、筐体1の側面等に取り付けられる。ベルト2は、測定部位に巻回されることで筐体1を使用者Mの測定部位に装着する。図1に示す測定装置100は、ベルト2を備えるが、これに限定されない。測定装置100は、ベルト2を備えなくてもよい。測定装置100は、テープ等によって使用者Mの胸、腕等に装着されてもよい。
【0014】
検出ユニット3は、筐体1の測定面1aに配置される。検出ユニット3は、使用者Mの測定部位と対向する位置に配置される。検出ユニット3は、生体情報を測定する際に用いられる各種データを取得する。
【0015】
表示パネル4は、筐体1の表示面1bに配置される。表示パネル4は、使用者Mによって視認可能に構成される。表示パネル4は、測定された各種生体情報を表示する。表示パネル4は、生体情報の信頼度指標、時刻等生体情報以外の情報を表示してもよい。表示パネル4は、表示ユニットの一例に対応する。
【0016】
タブレット端末200は、不整脈の評価を行う。タブレット端末200は、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。タブレット端末200は、測定装置100から送信される各種データを取得する。タブレット端末200は、各種データを用いて、不整脈の評価を行う。タブレット端末200は、各種データを用いて、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。図1に示す測定システム1000は、タブレット端末200を備えるが、これに限定されない。測定システム1000は、タブレット端末200に代えて、パーソナルコンピューター、スマートフォン、生体情報解析用の専用端末等を備えてもよい。タブレット端末200は、ディスプレイ210と端末制御ユニット220とを備える。
【0017】
ディスプレイ210は、不整脈の評価結果を表示する。ディスプレイ210は、睡眠時無呼吸症候群の評価結果を表示してもよい。ディスプレイ210は、酸素飽和濃度、脈拍間隔等の生体情報を図表で表示してもよい。
【0018】
端末制御ユニット220は、不整脈の評価を行う。端末制御ユニット220は、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。端末制御ユニット220は、測定装置100から送信された各種データを取得する。端末制御ユニット220は、各種データを用いて不整脈の評価を行う。端末制御ユニット220は、各種データを用いて睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。端末制御ユニット220は、脈波、酸素飽和濃度等の生体情報に係る図表データを生成する。端末制御ユニット220は、ディスプレイ210を制御することによって、各種生体情報の評価結果、生体情報を図表でディスプレイ210に表示させる。端末制御ユニット220は、解析コントローラーの一例に対応する。
【0019】
第1実施形態
第1実施形態は、測定装置100の一例である第1測定装置100aの構成を示している。第1実施形態は、第1測定装置100aを用いた生体情報測定方法を示している。第1測定装置100aは、脈波及び酸素飽和濃度を測定する。第1測定装置100aは、測定した脈波及び酸素飽和濃度をタブレット端末200に送信する。タブレット端末200は、脈波及び酸素飽和濃度を受信し、不整脈、睡眠時無呼吸症候群等の評価を行う。
【0020】
図2は、測定装置100の測定面1aの概略構成を示している。図2は、測定装置100の一例である第1測定装置100aの測定面1aを外部から見たときの概略構成を示している。図2に示す測定面1aは、円形状で構成されているが、これに限定されない。測定面1aは、四角形状、楕円形状等各種形状に構成されてもよい。測定面1aには、第1検出ユニット3aが配置される。第1検出ユニット3aは、検出ユニット3の一例である。第1検出ユニット3aは、第1発光素子ユニット10aと、第1受光素子ユニット20aと、を有する。第1発光素子ユニット10aは、発光素子ユニット10の一例である。第1受光素子ユニット20aは、受光素子ユニット20の一例である。発光素子ユニット10は、発光ユニットの一例に対応する。受光素子ユニット20は、受光ユニットの一例に対応する。第1検出ユニット3aは、温度検出センサー50の検出部50Sを有する。温度検出センサー50は、後述される。
【0021】
第1発光素子ユニット10aは、使用者Mの測定部位に向けて光を発光する。図2に示す第1発光素子ユニット10aは、2つの発光素子11を有する。2つの発光素子11は、赤色光発光素子11aと赤外光発光素子11bである。赤色光発光素子11aと赤外光発光素子11bは、それぞれ異なる波長域の光を発光する。2つの発光素子11の配列は、適宜設定される。発光素子11の数は、2個に限定されない。3個以上の発光素子11が、第1発光素子ユニット10aに設けられてもよい。
【0022】
発光素子11は、ベアチップ型、もしくは砲弾型のLED(Light Emitting Diode)で構成される。発光素子11は、レーザーダイオードで構成されてもよい。発光素子11の構成は、発光する光の波長域に対応して適宜設定される。
【0023】
第1受光素子ユニット20aは、第1発光素子ユニット10aで発光された各種光を受光する。第1受光素子ユニット20aは、使用者Mを経由した各種光を受光する受光素子21を有する。受光素子21は、第1発光素子ユニット10aで発光された光の透過光、もしくは反射光を受光する。透過光は、使用者Mを透過した光である。反射光は、使用者Mの内部で反射され、使用者Mの内部を透過した光である。透過光及び反射光は、使用者Mの内部を経由する。受光素子21は、1または複数のフォトダイオードで構成される。
【0024】
温度検出センサー50の検出部50Sは、使用者Mの皮膚と接触する。検出部50Sは、温度検出センサー50の測定部位である。検出部50Sが使用者Mと接触する位置に設けられることによって、温度検出センサー50は、使用者Mの体温を検出する。検出部50Sの位置は、図2に示す位置に限定されない。温度検出センサー50が外気温を測定する場合、検出部50Sは、使用者Mと対向しない位置に設けられる。
【0025】
図3は、測定装置100のブロック構成を示している。図3は、測定装置100の一例である第1測定装置100aのブロック構成を示している。図3は、ベルト2を除く第1測定装置100aを示している。第1測定装置100aは、筐体1内に各種ユニット等を収容する。第1測定装置100aは、第1検出ユニット3aと、制御ユニット30と、メモリー40と、表示パネル4と、温度検出センサー50と、通信インターフェイス60と、バッテリー70と、を備える。
【0026】
第1検出ユニット3aは、各種波長域の光を用いて測定される生体情報に係るデータを検出信号として検出する光学センサーモジュールである。第1検出ユニット3aは、第1発光素子ユニット10aと第1受光素子ユニット20aとを備える。
【0027】
第1発光素子ユニット10aは、2つの発光素子11と、駆動回路13と、を備える。図3に示す2つの発光素子11は、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bである。
【0028】
赤色光発光素子11aは、使用者Mの測定部位に向けて赤色光RLを発光する。赤色光発光素子11aは、600nm~800nmの波長域の赤色光RLを測定部位に向けて発光する。赤色光RLは、一例として、ピーク波長が660nmの光である。
【0029】
赤外光発光素子11bは、使用者Mの測定部位に向けて赤外光NLを発光する。赤外光発光素子11bは、800nm~1300nmの波長域の赤外光NLを測定部位に向けて発光する。赤外光NLは、一例として、ピーク波長が905nmの近赤外光である。
【0030】
駆動回路13は、複数の発光素子11を駆動させる。駆動回路13は、制御ユニット30の制御によって、複数の発光素子11を発光させる。図3に示す駆動回路13は、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bを発光させる。
【0031】
第1受光素子ユニット20aは、受光素子21と、出力回路23と、を備える。受光素子21は、発光素子11で発光され、使用者Mの測定部位で反射された反射光を受光する。受光素子21は、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。受光素子21は、赤色光RL、及び赤外光NLを時分割で交互に受光する。受光素子21は、2つの領域に分割されてもよい。2つの領域のそれぞれが、赤色光RL、赤外光NLをいずれかを受光する。受光素子21は、図示しない光学フィルターを用いて複数の領域に区画されてもよい。受光素子21は、光学フィルターを介して、赤色光RL、赤外光NLのうちの少なくとも一方を受光する。
【0032】
図3に示す第1受光素子ユニット20aは、赤色光RLの反射光、及び赤外光NLの反射光を受光するが、これに限定されない。第1受光素子ユニット20aは、使用者Mを透過した赤色光RL、及び使用者Mを透過した赤外光NLを受光してもよい。第1受光素子ユニット20aは、赤色光RLの透過光、及び赤外光NLの透過光を受光する。
【0033】
出力回路23は、受光素子21で受光した光に基づく検出信号を生成する。出力回路23は、検出信号を制御ユニット30に出力する。出力回路23は、受光素子21で受光した光の受光強度データに対してアナログ-デジタル変換等の処理を行うことによって検出信号を生成する。出力回路23は、受光素子21で受光した赤色光RLに基づいて赤色光検出信号を生成する。出力回路23は、受光素子21で受光した赤外光NLに基づいて赤外光検出信号を生成する。赤色光検出信号、及び赤外光検出信号は、検出信号の一例である。
【0034】
制御ユニット30は、各種ユニットの動作を制御する制御コントローラーである。制御ユニット30は、一例として、CPU(Central Processing Unit)を有するプロセッサーである。制御ユニット30は、1又は複数のプロセッサーで構成されてもよい。制御ユニット30は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の半導体メモリーを有してもよい。半導体メモリーは、制御ユニット30のワークエリアとして機能する。制御ユニット30は、メモリー40に記憶される制御プログラムCPを実行することによって、検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37として機能する。検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37は、機能部である。制御ユニット30は、各機能部によって、第1発光素子ユニット10a及び第1受光素子ユニット20aを制御する。制御ユニット30は、コントローラーの一例に対応する。
【0035】
検出制御部31は、第1発光素子ユニット10a、及び第1受光素子ユニット20aを制御する。検出制御部31は、駆動回路13を介して、発光素子11の発光強度を調整する。検出制御部31は、発光回数、発光パターン、1パルス当たりの発光強度を調整することによって、発光強度を調整する。検出制御部31は、第1受光素子ユニット20aに対して、各種光の受光タイミング、受光時間、デジタルーアナログ変換等を制御する。検出制御部31は、第1発光素子ユニット10a及び第1受光素子ユニット20aを制御することによって、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を第1検出ユニット3aに生成させる。検出制御部31は、判別部37の判別結果に基づいて発光素子11を制御する。判別部37の判別結果に基づく検出制御部31の制御は後述される。
【0036】
図4は、発光素子11の発光パターンの発光例を示している。図4の横軸は、時間Tを示す。図4の縦軸は、光量Lを示す。検出制御部31は、発光素子11を所定の発光周期ΔTで発光させる。検出制御部31は、発光周期ΔTごとに複数パルス、発光素子11を発光させる。図4の場合、発光素子11は、発光周期ΔTごとに、4パルス発光する。パルス数は、4パルスに限定されない。1パルス当たりの発光量は、適宜設定される。発光周期ΔTごとの発光強度は、複数パルスの発光量の総和である。発光素子11の発光強度は、パルス回数、1パルスの発光量、パルス間隔によって決定される。各発光素子11の発光パターンは適宜調整される。一例として、赤色光発光素子11aの発光パターンは、赤外光発光素子11bの発光パターンと同じでもよいし、異なってもよい。
【0037】
図3に示すデータ処理部33は、第1受光素子ユニット20aから送信された検出信号の処理を行う。データ処理部33は、第1受光素子ユニット20aから、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を取得する。
【0038】
データ処理部33は、検出信号から直流成分と交流成分を測定する。図5は、検出信号を模式的に示している。図5の横軸は、時間Tを示している。図5の縦軸は、検出信号の信号強度を示している。図5は、出力回路23から出力される検出信号の一例を模式的に示している。
【0039】
検出信号は、所定の測定時間間隔で検出される信号強度のデータである。信号強度は、1秒間にn回検出される。nは1以上の整数である。nは、一例として16である。信号強度は、直流成分である直流成分データ81と、交流成分である交流成分データ83とを含んでいる。データ処理部33は、信号強度から直流成分データ81と交流成分データ83とを分離する。データ処理部33は、時間周波数解析を行うことによって交流成分データ83を測定する。
【0040】
データ処理部33は、検出信号に対して短時間フーリエ変換等の時間周波数解析を行う。データ処理部33は、検出信号に対して短時間フーリエ変換を行うことによって、周波数情報を解析する。データ処理部33は、検出信号に対して短時間フーリエ変換を行うことによって、所定の周波数範囲のスペクトログラムを求める。所定の周波数範囲は、脈波の周波数が含まれる範囲である。所定の周波数範囲は、一例として、0.5Hzから2Hzの範囲である。所定の周波数範囲は、短時間フーリエ変換を行う光の波長域によって、適宜調整される。データ処理部33は、赤色光検出信号に対して短時間フーリエ変換を行い、赤色光スペクトログラムを求める。データ処理部33は、赤外光検出信号に対して短時間フーリエ変換を行い、赤外光スペクトログラムを求める。データ処理部33は、コントローラーの一例に対応する。
【0041】
データ処理部33で実行される時間周波数解析は、短時間フーリエ変換に限定されない。検出信号に対する周波数情報が解析可能な手法であれば、その手法は限定されない。データ処理部33は、一例として、ウェーブレット変換等を行ってもよい。
【0042】
図6は、所定時間での各検出信号の周波数と信号強度との関係を示している。図6は、短時間フーリエ変換の変換結果の一部を示している。図6は、所定時間の赤色光データRW、及び赤外光データNWを示している。図6に示す赤色光データRWは、所定時間のときの赤色光RLの周波数と信号強度との関係を示している。図6に示す赤外光データNWは、所定時間のときの赤外光NLの周波数と信号強度との関係を示している。
【0043】
赤色光データRWは、第1周波数F1で第1ピーク値P1を示している。第1周波数F1は、脈波の周波数に対応する。データ処理部33は、第1周波数F1のときの各時間の信号強度を赤色光検出信号強度として取得する。
【0044】
赤外光データNWは、第2周波数F2で第2ピーク値P2を示している。第2周波数F2は、第1周波数F1と同じ、もしくは近似した周波数である。第2周波数F2は、脈波の周波数に対応する。データ処理部33は、第2周波数F2のときの各時間の信号強度を赤外光検出信号強度として取得する。
【0045】
データ処理部33は、各時間の赤色光検出信号強度、及び赤外光検出信号強度を取得する。データ処理部33は、赤色光検出信号強度、及び赤外光検出信号強度を用いて変動成分振幅比を測定する。変動成分振幅比は、赤色光透過光量と赤外光透過光量の比率である。赤色光透過光量は、赤色光発光素子11aから発光され、使用者Mの測定部位内を透過して受光素子21に到達する赤色光RLの光量である。赤外光透過光量は、赤外光発光素子11bから発光され、使用者Mの測定部位内を透過して受光素子21に到達する赤外光NLの光量である。変動成分振幅比は、下記の式(1)で算出される。
R=(ACRed/DCRed)/(ACIR/DCIR)(1)
ここで、Rは、変動成分振幅比を示す。ACRedは、赤色光検出信号の交流成分の強度を示す。DCRedは、赤色光検出信号の直流成分の強度を示す。ACIRは、赤外光検出信号の交流成分の強度を示す。DCIRは、赤外光検出信号の直流成分の強度を示す。
【0046】
赤色光検出信号の交流成分の強度は、赤色光検出信号強度である。赤色光検出信号の直流成分の強度は、赤色光検出信号から分離された所定時間の直流成分である。赤外光検出信号の交流成分の強度は、赤外光検出信号強度である。赤外光検出信号の直流成分の強度は、赤外光検出信号から分離された所定時間の直流成分である。
【0047】
データ処理部33は、算出された変動成分振幅比に基づいて、酸素飽和濃度を算出する。データ処理部33は、メモリー40に記憶される校正テーブルPTを参照して、変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度の値を求める。データ処理部33は、変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度の値を酸素飽和濃度とする。データ処理部33は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、経時的に酸素飽和濃度を測定する。経時的に測定された複数の酸素飽和濃度は、酸素飽和濃度データ群と表す。
【0048】
データ処理部33は、赤色光検出信号もしくは赤外光検出信号を用いて脈波を測定する。データ処理部33は、赤色光検出信号もしくは赤外光検出信号を用いて脈波を測定する。
【0049】
図7は、脈波強度の測定結果を示している。図7は、脈波強度の経時変化を示している。図7は、使用者Mの体表温度の変化を脈波強度の経時変化に併せて示している。体表温度は、体温の一例である。図7は、一例として赤外光検出信号を用いて測定された脈波強度を示している。赤色光検出信号を用いて測定される脈波強度は、図7に示す脈波強度と同様に変化する。図7は、同一の発光強度で発光素子11を発光させたときの脈波強度を示している。
【0050】
図7に示すように、使用者Mの体表温度が安定しているとき、脈波強度のばらつきは小さい。赤外光検出信号のばらつきが小さいことを示している。一方、使用者Mの体表温度が下降すると、脈波強度のばらつきは、体表温度が安定しているときに比べて大きくなる。温度変化によって、外乱が生じ、脈波強度のばらつきが大きくなる。温度変化率が大きくなると、赤外光検出信号はばらつき、脈波の測定精度は低下する。図7は、使用者Mの体温の一例である体表温度と脈波強度のばらつきとの関係を示している。外気温の変化率に対する脈波のばらつきは、体表温度に対する脈波のばらつきと同様に生じる。図7は、使用者Mの体表温度が下降した場合を示しているが、使用者Mの体表温度が上昇する場合も、脈波強度のばらつきは大きくなる。
【0051】
データ処理部33は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号のばらつきを示す指標として、相関係数を算出してもよい。相関係数は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号の信頼性を示す指標である。相関係数は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて算出される。データ処理部33で算出される相関係数は、判別部37で用いられる。
【0052】
データ処理部33は、赤色光検出信号と赤外光検出信号とを用いて相関係数を算出する。データ処理部33は、赤色光検出信号データと赤外光検出信号データとの間の相関係数を算出する。赤色光検出信号データは、第1周波数F1の信号強度データ群である。赤外光検出信号データは、第2周波数F2の信号強度データ群である。相関係数は、温度変化によって発生するノイズの影響によって低下する。温度変化率が小さいと、外乱によって発生するノイズの影響が低下し、相関係数は向上する。データ処理部33は、下記の式(2)で示される相関係数算出式を用いて相関係数を算出する。相関係数は、相関データの一例に対応する。
【0053】
【数1】
【0054】
ここで、rは、相関係数を示す。Nは、相関係数の算出に用いる赤色光検出信号の数を示す。xnは、各測定時間の赤色光検出信号を示す。nは、1以上の整数である。xaveは、所定時間内の赤色光検出信号の平均値を示す。ynは、各測定時間の赤外光検出信号を示す。yaveは、所定時間内の赤外光検出信号の平均値を示す。所定時間は、一例として、8秒である。1秒間にk回赤色光検出信号、及び赤外光検出信号が測定される場合、Nは、8×k個となる。kは、1以上の整数である。データ処理部33が相関係数を算出するとき、赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11bのいずれかが、第2の光を発光する第2発光素子の一例に対応する。赤色光検出信号、赤外光検出信号のいずれかが、第2検出信号の一例に対応する。
【0055】
データ処理部33は、脈波、及び酸素飽和濃度を表示制御部35に出力する。データ処理部33は、脈波、及び酸素飽和濃度を通信インターフェイス60を介してタブレット端末200に出力する。
【0056】
表示制御部35は、表示パネル4の表示を制御する。表示制御部35は、表示パネル4に表示データを送信することによって、表示パネル4に各種画像を表示させる。表示制御部35は、所定のタイミングでデータ処理部33から脈波、及び酸素飽和濃度を取得する。表示制御部35は、脈波を含む表示データを生成する。表示制御部35は、酸素飽和濃度を含む表示データを生成してもよい。表示制御部35は、脈波、酸素飽和濃度等を含む表示データを表示パネル4に出力する。表示制御部35は、表示データに基づいて、脈波、酸素飽和濃度を表示パネル4に表示させる。表示制御部35は、コントローラーの一例に対応する。
【0057】
判別部37は、温度変化率が所定値以上であるか否かを判別する。判別部37は、温度検出センサー50から温度データを取得する。判別部37は、単位時間当たりの温度変化量を温度変化率として算出する。温度変化率は、単位時間で温度が減少した場合、負の値となる。温度変化率は、単位時間で温度が上昇した場合、正の値となる。判別部37は、温度変化率と予め定めた変化率閾値とを比較する。変化率閾値は、所定値の一例である。判別部37は、温度変化率と変化率閾値とを比較することによって、所定の温度変化が生じているか否かを判別する。判別部37は、所定の温度変化が生じていると判別したとき、検出制御部31に発光素子11の発光強度を調整させる。判別部37は、判別結果を検出制御部31に出力し、発光素子11の発光強度を調整させる。判別部37は、データ処理部33等に判別結果を送信してもよい。判別部37は、コントローラーの一例に対応する。
【0058】
判別部37は、温度変化率と変化率閾値とを比較する。変化率閾値は、予めメモリー40に記憶される。判別部37は、変化率閾値をメモリー40から読み出す。判別部37は、複数の変化率閾値と比較してもよい。判別部37は、一例として、温度変化率が負の値の場合、第1変化率閾値と温度変化率とを比較する。温度変化率が正の値の場合、第2変化率閾値と温度変化率とを比較する。判別部37は、1つの変化率閾値と比較してもよい。判別部37は、一例として、変化率閾値と温度変化率の絶対値とを比較する。
【0059】
判別部37は、検出信号の検出信号比率を算出してもよい。検出信号比率は、検出信号の直流成分に対する交流成分の比率である。判別部37は、温度変化率と検出信号比率とに基づいて、発光素子11の発光強度を調整する。判別部37は、一例として、温度変化率の絶対値が変化率閾値以上であるとき、検出信号比率を算出する。判別部37は、検出信号比率と予め定めた比率閾値とを比較する。検出信号比率が比率閾値よりも小さいとき、判別部37は、検出制御部31に発光素子11の発光強度を調整させる。検出信号比率は、信号比率の一例に対応する。比率閾値は、予め定めた値の一例に対応する。
【0060】
判別部37は、データ処理部33で算出された相関係数を取得してもよい。判別部37は、温度変化率と相関係数とに基づいて、発光素子11の発光強度を調整する。判別部37は、一例として、温度変化率の絶対値が変化率閾値以上であるとき、予め設定された相関係数閾値と相関係数とを比較する。相関係数が相関係数閾値よりも小さいとき、判別部37は、検出制御部31に発光素子11の発光強度を調整させる。相関係数が相関係数閾値以上であるとき、判別部37は、検出制御部31に発光素子11の発光強度を調整させなくてもよい。
【0061】
検出制御部31は、判別部37の判別結果である温度変化率に基づいて発光素子11の発光強度を調整する。検出制御部31は、発光素子11の発光強度を増加、もしくは減少させる。検出制御部31は、発光時のパルス数、及び1パルス当たりの発光量のうちの少なくとも一方を増加させることによって、発光素子11の発光強度を増加させる。検出制御部31は、発光時のパルス数、1パルス当たりの発光量のうちの少なくとも一方を減少させることによって、発光素子11の発光強度を減少させる。
【0062】
検出制御部31は、温度変化率が負の値である場合、発光素子11の発光強度を増加させる。温度変化率が、負の値であり、第1変化率閾値以下である場合、検出制御部31は、発光素子11の発光強度を増加させる。発光素子11の発光強度が増加することにより、検出信号の交流成分の強度が増加し、脈波のばらつきが抑えられる。脈波のばらつきが抑えられることによって、脈波の測定精度の低下が抑えられる。また、酸素飽和濃度の測定精度の低下が抑えられる。
【0063】
検出制御部31は、温度変化率が正の値である場合、発光素子11の発光強度を減少させる。温度変化率が、正の値であり、第2変化率閾値以上である場合、検出制御部31は、発光素子11の発光強度を減少させる。発光素子11の発光強度が減少することにより、検出信号の交流成分のばらつきが抑えられ、脈波のばらつきが減少する。脈波のばらつきが減少することによって、脈波の測定精度の低下が抑えられる。また、酸素飽和濃度の測定精度の低下が抑えられる。
【0064】
データ処理部33は、検出制御部31が発光素子11の発光強度を調整したのち、調整された発光強度で発光した光に基づく検出信号を取得する。データ処理部33は、検出信号を用いて、脈波、及び酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、測定した脈波、及び酸素飽和濃度を表示制御部35、通信インターフェイス60等に出力する。
【0065】
メモリー40は、各種データを記憶する。メモリー40は、各種ユニットを動作させる制御データ、制御ユニット30で測定された各種データ等を記憶する。メモリー40は、変化率閾値、相関係数閾値等の各種評価値を記憶する。メモリー40は、データ処理部33で測定された脈波、酸素飽和濃度等を記憶してもよい。メモリー40は、制御ユニット30で動作する制御プログラムCPを記憶する。メモリー40は、相関係数算出式を記憶してもよい。メモリー40は、データ処理部33で参照される校正テーブルPTを記憶する。メモリー40は、変換式、もしくは変換テーブルを記憶してもよい。メモリー40は、ROMやRAM等で構成される。メモリー40は、記憶部の一例に対応する。
【0066】
制御プログラムCPは、制御ユニット30で実行されることによって、各種機能部を動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット30を検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37として動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット30を検出制御部31、データ処理部33、表示制御部35、及び判別部37以外の機能部として動作させてもよい。
【0067】
校正テーブルPTは、変動成分振幅比と酸素飽和濃度とを関連付けて記憶するテーブルである。校正テーブルPTは、変動成分振幅比と酸素飽和濃度との関係を示している。校正テーブルPTは、予め測定装置100の製造者によって作成される。データ処理部33は、校正テーブルPTを参照することによって、算出された変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度を決定する。
【0068】
メモリー40は、校正テーブルPTに代えて、校正式を記憶してもよい。校正式は、変動成分振幅比と酸素飽和濃度との間の関係式である。データ処理部33は、校正式を用いて、算出された変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度を測定する。
【0069】
表示パネル4は、各種画像を表示する。表示パネル4は、表示制御部35の制御によって、脈波、酸素飽和濃度等を表示する。表示パネル4は、表示制御部35の制御によって、信頼度データを表示してもよい。表示パネル4は、表示制御部35から出力された表示データに基づいて、脈拍数を表示する。表示パネル4は、酸素飽和濃度等を表示してもよい。表示パネル4は、液晶ディスプレイや有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等で構成される。
【0070】
温度検出センサー50は、外気温、もしくは使用者Mの体温を測定する。第1測定装置100aに設けられる温度検出センサー50は、使用者Mの体温を測定する。温度検出センサー50は、外気温、もしくは使用者Mの体温を測定し、温度データを生成する。温度データは、所定の時間間隔で測定される温度の集合データである。温度検出センサー50は、接触式でもよいし、非接触式でもよい。温度検出センサー50が接触式の場合、熱電対、白金測温抵抗体等が検出部50Sに設けられる。熱電対、白金測温抵抗体等は使用者Mと接触する。温度検出センサー50が非接触式の場合、赤外線を照射する照射器が検出部50Sに設けられる。照射器は使用者Mに向けて赤外線を発光させる。温度検出センサー50は、温度データを制御ユニット30に出力する。温度検出センサー50は、温度センサーの一例に対応する。
【0071】
通信インターフェイス60は、タブレット端末200と通信接続するインターフェイス回路である。通信インターフェイス60は、タブレット端末200と所定のプロトコルに従って、有線、もしくは無線で接続する。通信インターフェイス60は、例えば、有線通信用の接続ポート、無線通信用のアンテナ等を備える。通信インターフェイス60は、タブレット端末200から制御データ、使用者Mに係る情報等を受信する。通信インターフェイス60は、タブレット端末200に脈波、酸素飽和濃度等の各種生体情報を送信する。通信インターフェイス60は、赤色光検出信号、赤外光検出信号等の各種測定データを送信する。通信インターフェイス60は、タブレット端末200以外の外部装置と通信接続してもよい。通信インターフェイス60は、通信ユニットの一例に対応する。
【0072】
バッテリー70は、第1測定装置100aの各種ユニット等に電力を供給する。バッテリー70は、リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池等で構成される。バッテリー70は、充電式のリチウムイオン二次電池であることが好ましい。リチウムイオン二次電池は、有線、もしくは無線で充電される。
【0073】
図8は、脈波を測定するフローチャートを示している。図8に示すフローチャートは、生体情報測定方法の一例を示している。図8は、第1測定装置100aで実行される生体情報測定方法を示している。第1測定装置100aは、酸素飽和濃度を測定してもよい。
【0074】
制御ユニット30は、ステップS101で、温度変化率を算出する。温度検出センサー50は、使用者Mの体表温度を測定し、温度データを生成する。制御ユニット30の判別部37は、温度検出センサー50から温度データを取得する。判別部37は、温度データに基づいて温度変化率を算出する。判別部37は、単位時間当たりの温度変化を温度変化率として算出する。
【0075】
制御ユニット30は、温度変化率を算出したのち、ステップS103で、発光素子11の発光強度を調整する。判別部37は、温度変化率が正の値か、負の値かを判別する。温度変化率が負の値であるとき、判別部37は、温度変化率と第1変化率閾値とを比較する。温度変化率が正の値であるとき、判別部37は、温度変化率と第2変化率閾値とを比較する。判別部37は、温度変化率と変化率閾値の絶対値と比較してもよい。判別部37は、判別結果に基づいて、検出制御部31に発光素子11の発光強度を調整させる。検出制御部31は、温度変化率に基づいて、発光素子11の発光強度を増加、もしくは減少させる。検出制御部31は、赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11bのうちの少なくとも一方の発光強度を調整する。発光強度の調整量は、赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11bともに同じでもよいし、異なっていてもよい。発光強度の調整量は、赤色光発光素子11aと赤外光発光素子11bとで異ならせることが好ましい。発光強度の調整量は、予め温度変化率と対応付けて、メモリー40に予め記憶される。
【0076】
制御ユニット30は、発光強度を調整したのち、ステップS105で、脈波を測定する。検出制御部31は、調整した発光強度で発光素子11を発光させる。発光素子11は、調整された発光強度で発光する。受光素子ユニット20は、検出信号を生成する。データ処理部33は、検出信号を取得する。データ処理部33は、検出信号に基づいて、脈波を測定する。データ処理部33は、赤色光検出信号、もしくは赤外光検出信号に基づいて脈波を測定する。データ処理部33は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号に基づいて酸素飽和濃度を測定してもよい。データ処理部33は、脈波、及び酸素飽和濃度を表示制御部35、もしくは通信インターフェイス60に出力する。
【0077】
図9は、発光強度を調整するフローチャートを示している。図9に示すフローチャートは、図8のステップS103で行われる発光強度の調整方法の詳細を示している。図9は、発光強度を調整する方法の一例を示している。図9は、制御ユニット30内の判別部37、及び検出制御部31で行われる調整方法を示している。
【0078】
制御ユニット30の判別部37は、ステップS201で、温度変化率を取得する。判別部37は、温度検出センサー50から取得した温度データに基づいて、温度変化率を取得する。
【0079】
判別部37は、温度変化率を取得したのち、ステップS203で、温度変化率と第1変化率閾値と比較する。第1変化率閾値は、負の値である。温度変化率が負の値であり、第1変化率閾値以下であるとき、判別部37は、発光素子11の発光強度を増加させると判別する。制御ユニット30は、ステップS205に進む(ステップS203:YES)。温度変化率が正の値、もしくは第1変化率閾値よりも大きいとき、制御ユニット30は、ステップS207に進む(ステップS203:NO)。
【0080】
制御ユニット30の検出制御部31は、ステップS205で、発光強度を増加させる。検出制御部31は、発光素子11の発光強度を増加させる。検出制御部31は、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bの発光強度を増加させる。赤色光発光素子11aの発光強度の調整量は、赤外光発光素子11bの発光強度の調整量と異なることが好ましい。赤色光発光素子11aの発光強度の調整量、及び赤外光発光素子11bの発光強度の調整量は、温度変化率に対応して予め定められる。
【0081】
制御ユニット30の判別部37は、ステップS207で、温度変化率と第2変化率閾値とを比較する。第2変化率閾値は、正の値である。温度変化率が正の値であり、第2変化率閾値以上であるとき、判別部37は、発光素子11の発光強度を低下させると判別する。制御ユニット30は、ステップS209に進む(ステップS207:YES)。温度変化率が第2変化率閾値よりも小さいとき、判別部37は、発光素子11の発光強度を変更しないと判別する。制御ユニット30は、発光素子11の発光強度の調整を終了する(ステップS207:NO)。
【0082】
制御ユニット30の検出制御部31は、ステップS209で、発光強度を減少させる。検出制御部31は、発光素子11の発光強度を減少させる。検出制御部31は、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bの発光強度を減少させる。赤色光発光素子11aの発光強度の調整量は、赤外光発光素子11bの発光強度の調整量と異なることが好ましい。赤色光発光素子11aの発光強度の調整量、及び赤外光発光素子11bの発光強度の調整量は、温度変化率に対応して予め定められる。
【0083】
制御ユニット30は、温度変化率と相関係数とに基づいて、発光素子11の発光強度を調整してもよい。図10は、発光強度を調整するフローチャートを示している。図10は、図9と異なる発光強度の調整方法を示している。
【0084】
制御ユニット30の判別部37は、ステップS301で、温度変化率を取得する。判別部37は、温度検出センサー50から取得した温度データに基づいて、温度変化率を取得する。
【0085】
判別部37は、温度変化率を取得したのち、ステップS303で、温度変化率の絶対値と変化率閾値とを比較する。温度変化率の絶対値が変化率閾値以上であるとき、制御ユニット30は、ステップS305に進む(ステップS303:YES)。温度変化率の絶対値が変化率閾値よりも小さいとき、制御ユニット30は、発光素子11の発光強度の調整を終了する(ステップS303:NO)。
【0086】
判別部37は、ステップS305で、相関係数を取得する。データ処理部33は、温度検出センサー50が温度データを測定するときの赤色光検出信号及び赤外光検出信号を取得する。データ処理部33は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて相関係数を算出する。判別部37は、データ処理部33で算出された相関係数を取得する。
【0087】
判別部37は、相関係数を算出したのち、ステップS307で、相関係数と相関係数閾値とを比較する。判別部37は、メモリー40から相関係数閾値を読み出す。相関係数閾値は、予めメモリー40に記憶される。相関係数が相関係数閾値以上であると判別部37が判別したとき、制御ユニット30は、発光素子11の発光強度の調整を終了する(ステップS307:YES)。検出制御部31は、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bの発光強度を変更しない。相関係数が相関係数閾値よりも小さいと判別部37が判別したとき、制御ユニット30は、ステップS309に進む(ステップS307:NO)。相関係数が相関係数閾値よりも小さい場合、赤色光検出信号の交流成分の信号強度もしくは赤外光検出信号の交流成分の信号強度が、所定量よりも小さい。交流成分の信号強度が低くなると、脈波の検出精度は低下する。
【0088】
検出制御部31は、ステップS309で、発光強度を調整する。検出制御部31は、発光素子11の発光強度を増加もしくは減少させる。温度変化率が負の値であるとき、検出制御部31は、発光素子11の発光強度を増加させる。温度変化率が正の値であるとき、検出制御部31は、発光素子11の発光強度を減少させる。検出制御部31は、赤色光発光素子11aの発光強度、赤外光発光素子11bの発光強度の少なくとも一方を調整する。赤色光発光素子11aの発光強度の調整量は、赤外光発光素子11bの発光強度の調整量と異なることが好ましい。赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bのそれぞれに対して、発光強度を調整することによって、脈波及び酸素飽和濃度の測定精度が向上する。
【0089】
第1測定装置100aは、赤色光RLを発光する赤色光発光素子11aを有する第1発光素子ユニット10aと、使用者Mを経由した赤色光RLを受光して赤色光検出信号を生成する第1受光素子ユニット20aと、使用者Mの体温を測定し、温度データを生成する温度検出センサー50と、赤色光発光素子11aの発光強度を調整する制御ユニット30と、を備える。制御ユニット30は、温度データを用いて温度変化率を算出し、温度変化率に基づいて、発光強度を調整する。
検出信号は、体温の変化によって変動する。第1測定装置100aは、体温の変化が生じるときに発光強度を調整することによって、脈波等の測定精度が低下することを抑えることができる。
【0090】
温度変化率が、負の値であるとき、制御ユニット30は、発光強度を増加させることが好ましい。
使用者Mの体温が低下するときに、発光強度を増加させることによって、検出信号の検出強度を確保することができる。脈波等の測定精度の低下が抑えられる。
【0091】
温度変化率が、正の値であるとき、制御ユニット30は、発光強度を減少させることが好ましい。
使用者Mの体温が上昇するときに、発光強度を減少させることによって、検出信号の信号ばらつきを抑えることができる。脈波等の測定精度の低下が抑えられる。
【0092】
第1発光素子ユニット10aは、赤色光RLと波長が異なる赤外光NLを発光する赤外光発光素子11bを有する。第1受光素子ユニット20aは、赤外光NLを受光することによって赤外光検出信号を生成する。制御ユニット30は、赤色光検出信号と赤外光検出信号との相関係数を算出し、相関係数に基づいて、発光強度を調整する。
温度変化率と相関係数とが用いられることによって、検出信号の検出強度を確認しながら発光強度を調整することが可能となる。
【0093】
生体情報測定方法は、使用者Mの生体情報を測定する生体情報測定方法であって、使用者Mの体温を測定して温度データを生成し、使用者Mに光を発光し、使用者Mを経由した光を受光して検出信号を生成し、温度データを用いて温度変化率を算出し、温度変化率に基づいて、光を発光するときの発光強度を調整する。
検出信号は、体温の変化によって変動する。体温の変化が生じるときに発光強度を調整することによって、脈波等の測定精度が低下することを抑えることができる。
【0094】
第2実施形態
第2実施形態は、測定装置100の一例である第2測定装置100bの構成を示している。第2実施形態は、第2測定装置100bを用いた生体情報測定方法を示している。第2実施形態に示す第2測定装置100bは、脈波及び酸素飽和濃度を測定する。第2測定装置100bは、測定した脈波及び酸素飽和濃度をタブレット端末200に送信する。タブレット端末200は、脈波及び酸素飽和濃度を受信し、睡眠時無呼吸症候群等の評価を行う。
【0095】
図11は、測定装置100の測定面1aの概略構成を示している。図11は、測定装置100の一例である第2測定装置100bの測定面1aを外部から見たときの概略構成を示している。測定面1aには、第2検出ユニット3bが配置される。第2検出ユニット3bは、検出ユニット3の一例である。第2検出ユニット3bは、第2発光素子ユニット10bと、第2受光素子ユニット20bと、を有する。第2発光素子ユニット10bは、発光素子ユニット10の一例である。第2受光素子ユニット20bは、受光素子ユニット20の一例である。第2検出ユニット3bは、温度検出センサー50の検出部50Sを有する。
【0096】
第2発光素子ユニット10bは、使用者Mの測定部位に向けて光を発光する。第2発光素子ユニット10bは、3つの発光素子11を有する。3つの発光素子11は、赤色光発光素子11aと赤外光発光素子11bと緑色光発光素子11cとである。緑色光発光素子11cは、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bと異なる波長域の光を発光する。
【0097】
第2受光素子ユニット20bは、第2発光素子ユニット10bで発光された各種光を受光する。第2受光素子ユニット20bは、各種光を受光する受光素子21を有する。受光素子21は、第2発光素子ユニット10bで発光された光の透過光、もしくは反射光を受光する。
【0098】
図12は、測定装置100のブロック構成を示している。図12は、測定装置100の一例である第2測定装置100bのブロック構成を示している。図12は、ベルト2を除く第2測定装置100bを示している。第2測定装置100bは、筐体1内に各種ユニット等を収容する。第2測定装置100bは、第2検出ユニット3bと、制御ユニット30と、メモリー40と、表示パネル4と、温度検出センサー50と、通信インターフェイス60と、バッテリー70と、を備える。第2測定装置100bの制御ユニット30、メモリー40、表示パネル4、通信インターフェイス60、及びバッテリー70は、第1測定装置100aの制御ユニット30、メモリー40、表示パネル4、通信インターフェイス60、及びバッテリー70と同じである。第2測定装置100bの温度検出センサー50は、第1温度検出部51と第2温度検出部52とを有する。
【0099】
第1温度検出部51は、使用者Mの体温を測定する。第1温度検出部51は、使用者Mの体表温度を体温として測定し、第1温度データを生成する。第1温度データは、温度データの一例である。第1温度データは、所定の時間間隔で測定された使用者Mの体表温度の集合データである。第1温度検出部51は、使用者Mと接触する検出部50Sと接続する。検出部50Sは、使用者Mと対向する位置に設けられる。第1温度検出部51は、第1温度データを制御ユニット30に出力する。
【0100】
第2温度検出部52は、第2測定装置100bの外気温を測定する。外気温は、環境温度の一例に対応する。第2温度検出部52は、外気温を測定し、第2温度データを生成する。第2温度データは、温度データの一例である。第2温度データは、所定の時間間隔で測定された外気温の集合データである。第2温度検出部52の測定部は、使用者Mと接触しない位置に設けられる。測定部は、筐体1の一部に設けられる。測定部は、図示されない。第2温度検出部52は、第2温度データを制御ユニット30に出力する。
【0101】
第2測定装置100bは、第1温度検出部51もしくは第2温度検出部52のいずれかを用いて、外気温もしくは使用者Mの体温を測定させる。第2測定装置100bは、第1温度検出部51及び第2温度検出部52を用いて、外気温及び使用者Mの体温を測定させる。第2測定装置100bは、第1温度検出部51及び第2温度検出部52のうちの少なくとも一方を用いて、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかを温度データとして生成させる。
【0102】
第2検出ユニット3bの駆動回路13、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bは、第1検出ユニット3aの駆動回路13、赤色光発光素子11a、及び赤外光発光素子11bと同じである。第2検出ユニット3bは、緑色光発光素子11cを有する第2発光素子ユニット10bを備える。
【0103】
緑色光発光素子11cは、520nm~550nmの波長域の緑色光GLを使用者Mの測定部位に向けて発光する。緑色光GLは、一例として、ピーク波長が520nmの光である。緑色光発光素子11cは、第3発光素子の一例に対応する。緑色光発光素子11cは、赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bと同様に駆動回路13によって駆動される。
【0104】
第2検出ユニット3bに含まれる第2受光素子ユニット20bは、受光素子21と、出力回路23と、を備える。受光素子21は、発光素子11で発光され、使用者Mの測定部位で反射された光を受光する。受光素子21は、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RL、赤外光NL、及び緑色光GLを受光する。受光素子21は、複数の領域に分割される。受光素子21は、図示しない光学フィルターを用いて複数の領域に区画されてもよい。図12に示す受光素子21は、第1受光エリア21aと、第2受光エリア21bとに分割される。
【0105】
第1受光エリア21aは、赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。第1受光エリア21aは、赤色光発光素子11aで発光され、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RLを受光する。第1受光エリア21aは、赤外光発光素子11bで発光され、使用者Mの測定部位で反射された赤外光NLを受光する。第1受光エリア21aは、光学フィルターを介して、赤色光RL、赤外光NLのうちの少なくとも一方を受光してもよい。第1受光エリア21aは、赤色光RL、及び赤外光NLを時分割で交互に受光してもよい。
【0106】
第2受光エリア21bは、緑色光GLを受光する。第2受光エリア21bは、緑色光発光素子11cで発光され、使用者Mの測定部位で反射された緑色光GLを受光する。第2受光エリア21bは、光学フィルターを介して緑色光GLを受光してもよい。
【0107】
図12は、第1受光エリア21aで、赤色光RL、及び赤外光NLを受光したが、これに限定されない。第1受光エリア21a、及び第2受光エリア21bと異なる第3受光エリアが設けられてもよい。第3受光エリアで赤色光RL、もしくは赤外光NLが受光されてもよい。第3受光エリアで赤外光NLが受光される場合、第1受光エリア21aは、赤色光RLを受光する。受光素子21は、複数の領域に分割されなくてもよい。受光素子21は、時分割で赤色光RL、赤外光NL、及び緑色光GLを受光してもよい。
【0108】
出力回路23は、受光素子21で受光した光に基づく検出信号を制御ユニット30に出力する。出力回路23は、受光素子21で受光した光の受光強度データに対してアナログ-デジタル変換等の処理を行うことによって検出信号を生成する。出力回路23は、第1受光エリア21aで受光した赤色光RLに基づいて赤色光検出信号を生成する。出力回路23は、第1受光エリア21aで受光した赤外光NLに基づいて赤外光検出信号を生成する。出力回路23は、第2受光エリア21bで受光した緑色光GLに基づいて緑色光検出信号を生成する。緑色光検出信号は、検出信号の一例である。
【0109】
出力回路23は、バンドパスフィルター25を有してもよい。バンドパスフィルター25は、受光強度データから交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、受光強度データから交流成分を抽出することによって、交流成分と直流成分とに分離する。交流成分は、図5に示す交流成分データ83に対応する。直流成分は、図5に示す直流成分データ81に対応する。バンドパスフィルター25は、分離した交流成分と直流成分とを検出信号として制御ユニット30に出力する。
【0110】
バンドパスフィルター25は、第1受光エリア21aで受光した赤色光RLから赤色光交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、赤色光交流成分を抽出することによって、受光強度データを赤色光交流成分と赤色光直流成分とに分離する。バンドパスフィルター25は、第1受光エリア21aで受光した赤外光NLから赤外光交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、赤外光交流成分を抽出することによって、受光強度データを赤外光交流成分と赤外光直流成分とに分離する。出力回路23は、赤色光交流成分、及び赤色光直流成分を赤色光検出信号として、制御ユニット30に出力する。出力回路23は、赤外光交流成分、及び赤外光直流成分を赤外光検出信号として、制御ユニット30に出力する。
【0111】
バンドパスフィルター25は、第2受光エリア21bで受光した緑色光GLから緑色光交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、緑色光交流成分を抽出することによって、受光強度データを緑色光交流成分と緑色光直流成分とに分離する。出力回路23は、緑色光交流成分、及び緑色光直流成分を緑色光検出信号として、制御ユニット30に出力する。
【0112】
第2測定装置100bの制御ユニット30は、第1測定装置100aと同様に、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定する。第2測定装置100bの制御ユニット30は、第1測定装置100aの制御ユニット30と同様の制御を行い、酸素飽和濃度を測定する。
【0113】
第2測定装置100bの制御ユニット30は、緑色光検出信号を用いて脈波を測定する。緑色光検出信号は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号に比べ、使用者Mの体動等による影響を受け難い。第2測定装置100bは、緑色光検出信号を用いて脈波を測定することによって、脈波の測定精度を向上させることができる。
【0114】
判別部37は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかを取得する。判別部37は、第1温度検出部51から第1温度データを取得する。もしくは、判別部37は、第2温度検出部52から第2温度データを取得する。判別部37は、第1温度検出部51から第1温度データを取得し、かつ第2温度検出部52から第2温度データを取得してもよい。判別部37は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくとも一方を用いて温度変化率を算出する。
【0115】
判別部37は、緑色光検出信号の検出信号比率を算出してもよい。判別部37は、温度変化率と緑色光検出信号の検出信号比率とに基づいて、緑色光発光素子11cの発光強度を調整する。判別部37は、一例として、温度変化率の絶対値が変化率閾値以上であるとき、緑色光検出信号の検出信号比率を算出する。判別部37は、検出信号比率と予め定めた比率閾値とを比較する。検出信号比率が比率閾値よりも小さいとき、判別部37は、検出制御部31に緑色光発光素子11cの発光強度を調整させる。検出信号比率は、信号比率の一例に対応する。比率閾値は、予め定めた値の一例に対応する。
【0116】
図13は、脈波を測定するフローチャートを示している。図13に示すフローチャートは、生体情報測定方法の一例を示している。図13は、第2測定装置100bで実行される生体情報測定方法を示している。第2測定装置100bは、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を測定してもよい。
【0117】
制御ユニット30は、ステップS401で、温度変化率を算出する。第1温度検出部51は、使用者Mの体表温度を測定し、第1温度データを生成する。第2温度検出部52は、外気温を測定し、第2温度データを生成してもよい。制御ユニット30の判別部37は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかを取得する。判別部37は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかに基づいて温度変化率を算出する。判別部37は、単位時間当たりの温度変化を温度変化率として算出する。
【0118】
制御ユニット30は、温度変化率を算出したのち、ステップS403で、緑色光発光素子11cの発光強度を調整する。判別部37は、温度変化率が正の値か、負の値かを判別する。温度変化率が負の値であるとき、判別部37は、温度変化率と第1変化率閾値とを比較する。温度変化率が正の値であるとき、判別部37は、温度変化率と第2変化率閾値とを比較する。判別部37は、温度変化率と変化率閾値の絶対値と比較してもよい。判別部37は、判別結果に基づいて、検出制御部31に緑色光発光素子11cの発光強度を調整させる。検出制御部31は、温度変化率に基づいて、緑色光発光素子11cの発光強度を増加、もしくは減少させる。検出制御部31は、赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11bのうちの少なくとも一方の発光強度を調整してもよい。
【0119】
制御ユニット30は、緑色光発光素子11cの発光強度を調整したのち、ステップS405で、脈波を測定する。検出制御部31は、調整した発光強度で緑色光発光素子11cを発光させる。緑色光発光素子11cは、調整された発光強度で発光する。第2受光素子ユニット20bは、緑色光検出信号を生成する。データ処理部33は、緑色光検出信号を取得する。データ処理部33は、緑色光検出信号に基づいて、脈波を測定する。検出制御部31は、調整した発光強度で赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bを発光させてもよい。赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bは、調整された発光強度で発光する。第2受光素子ユニット20bは、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を生成する。データ処理部33は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号に基づいて酸素飽和濃度を測定する。データ処理部33は、脈波、及び酸素飽和濃度を表示制御部35、もしくは通信インターフェイス60に出力する。
【0120】
制御ユニット30は、温度変化率と緑色光検出信号の検出信号比率とに基づいて、緑色光発光素子11cの発光強度を調整してもよい。図14は、発光強度を調整するフローチャートを示している。制御ユニット30は、温度変化率と検出信号比率とに基づいて、赤色光発光素子11aの発光強度及び赤外光発光素子11bの発光強度を調整してもよい。制御ユニット30は、赤色光検出信号の検出信号比率、及び赤外光検出信号の検出信号比率を算出する。制御ユニット30は、温度変化率と赤色光検出信号の検出信号比率とに基づいて、赤色光発光素子11aの発光強度を調整する。制御ユニット30は、温度変化率と赤外光検出信号の検出信号比率とに基づいて、赤外光発光素子11bの発光強度を調整する。
【0121】
制御ユニット30の判別部37は、ステップS501で、温度変化率を取得する。判別部37は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかに基づいて、温度変化率を取得する。
【0122】
判別部37は、温度変化率を取得したのち、ステップS503で、温度変化率の絶対値と変化率閾値とを比較する。温度変化率の絶対値が変化率閾値以上であるとき、制御ユニット30は、ステップS505に進む(ステップS503:YES)。温度変化率の絶対値が変化率閾値よりも小さいとき、制御ユニット30は、緑色光発光素子11cの発光強度の調整を終了する(ステップS503:NO)。
【0123】
判別部37は、ステップS505で、検出信号比率を取得する。判別部37は、温度検出センサー50が温度データを測定するときの緑色光検出信号を取得する。判別部37は、緑色光検出信号の直流成分及び交流成分を用いて検出信号比率を算出する。判別部37は、赤色光検出信号の検出信号比率及び赤外光検出信号の検出信号比率を、それぞれ算出してもよい。
【0124】
判別部37は、検出信号比率を算出したのち、ステップS507で、検出信号比率と比率閾値とを比較する。判別部37は、メモリー40から比率閾値を読み出す。比率閾値は、予めメモリー40に記憶される。緑色光検出信号の検出信号比率が比率閾値以上であると判別部37が判別したとき、制御ユニット30は、緑色光発光素子11cの発光強度の調整を終了する(ステップS507:YES)。検出制御部31は、緑色光発光素子11cの発光強度を変更しない。緑色光検出信号の検出信号比率が比率閾値よりも小さいと判別部37が判別したとき、制御ユニット30は、ステップS509に進む(ステップS507:NO)。検出信号比率が比率閾値よりも小さい場合、検出信号の交流成分の信号強度が、所定量よりも小さい。交流成分の信号強度が低くなると、脈波の測定精度は低下する。判別部37は、赤色光検出信号の検出信号比率、赤外光検出信号の検出信号比率のそれぞれに対して、比率閾値との比較を行なってもよい。
【0125】
検出制御部31は、ステップS509で、発光強度を調整する。検出制御部31は、緑色光発光素子11cの発光強度を増加もしくは減少させる。温度変化率が負の値であるとき、検出制御部31は、緑色光発光素子11cの発光強度を増加させる。温度変化率が正の値であるとき、検出制御部31は、緑色光発光素子11cの発光強度を減少させる。検出制御部31は、赤色光発光素子11aの発光強度及び赤外光発光素子11bの発光強度を調整してもよい。
【0126】
第2測定装置100bは、緑色光GLを発光する緑色光発光素子11cを有する第2発光素子ユニット10bと、使用者Mを経由した緑色光GLを受光して緑色光検出信号を生成する第2受光素子ユニット20bと、外気温及び使用者Mの体温のうちの少なくとも一方を測定し、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくとも一方を温度データとして生成する温度検出センサー50と、緑色光発光素子11cの発光強度を調整する制御ユニット30と、を備える。制御ユニット30は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくとも一方を用いて温度変化率を算出し、温度変化率に基づいて、発光強度を調整する。
緑色光検出信号は、体温の変化によって変動する。第2測定装置100bは、体温の変化が生じるときに発光強度を調整することによって、脈波等の測定精度が低下することを抑えることができる。
【0127】
制御ユニット30は、緑色光検出信号の直流成分に対する交流成分の検出信号比率を算出し、算出された検出信号比率に基づいて、発光強度を調整する。
第2測定装置100bは、温度変化率と検出信号比率とを用いることによって、緑色光検出信号の検出強度を確認しながら発光強度を調整することが可能となる。
【0128】
検出信号比率が比率閾値よりも小さいとき、制御ユニット30は、発光強度を増加させることが好ましい。
検出信号比率が比率閾値よりも小さいと、緑色光検出信号の交流成分が所定量よりも小さい。第2測定装置100bは、発光強度を上げることによって、脈波等の検出精度を向上させることができる。
【0129】
第3実施形態
第3実施形態は、タブレット端末200で不整脈等の解析を行う測定システム1000の一例を示している。第3実施形態の測定システム1000は、第2測定装置100bとタブレット端末200とで構成される。測定システム1000は、第2測定装置100bに代えて第1測定装置100aを備えてもよい。
【0130】
図15は、測定システム1000のブロック構成を示している。図15に示す第2測定装置100bの構成は、図12に示す第2測定装置100bの構成と同じである。第2測定装置100bは、制御ユニット30の制御によって検出信号を生成する。制御ユニット30は、緑色光検出信号等を生成する。第2測定装置100bは、通信インターフェイス60を介して緑色光検出信号をタブレット端末200に送信する。通信インターフェイス60は、タブレット端末200に緑色光検出信号を送信する。制御ユニット30は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号を生成させてもよい。第2測定装置100bは、通信インターフェイス60を介して赤色光検出信号及び赤外光検出信号をタブレット端末200に送信する。通信インターフェイス60は、タブレット端末200に赤色光検出信号及び赤外光検出信号を送信する。
【0131】
タブレット端末200は、脈波及び酸素飽和濃度を算出することができる。タブレット端末200は、脈波に基づいて不整脈の評価を行う。タブレット端末200は、酸素飽和濃度に基づいて睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。タブレット端末200は、ディスプレイ210と、端末制御ユニット220と、端末メモリー230と、端末通信インターフェイス240と、を備える。
【0132】
端末制御ユニット220は、タブレット端末200内の各種ユニットの動作を制御する端末制御コントローラーである。端末制御ユニット220は、使用者Mの生体情報を解析する。端末制御ユニット220は、一例として、CPUを有する端末プロセッサーである。端末制御ユニット220は、1又は複数のプロセッサーで構成されてもよい。端末制御ユニット220は、RAM、ROM等の半導体メモリーを有してもよい。半導体メモリーは、端末制御ユニット220のワークエリアとして機能する。端末制御ユニット220は、端末メモリー230に記憶される解析アプリAPを実行することによって、データ生成部221、解析部223、及び通信制御部225として機能する。
【0133】
データ生成部221は、端末制御ユニット220で動作する機能部である。データ生成部221は、脈波、及び酸素飽和濃度等の生体情報を算出する。データ生成部221は、第2測定装置100bから緑色光検出信号を取得したとき、緑色光検出信号を用いて脈波を算出する。データ生成部221は、第2測定装置100bから赤色光検出信号もしくは赤外光検出信号を取得したとき、赤色光検出信号もしくは赤外光検出信号を用いて脈波を算出してもよい。データ生成部221は、第2測定装置100bから赤色光検出信号及び赤外光検出信号を取得したとき、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を算出する。データ生成部221は、データ処理部33で実行される方法と同様な方法で酸素飽和濃度を算出する。データ生成部221は、算出した脈波、酸素飽和濃度を解析部223に出力する。
【0134】
解析部223は、端末制御ユニット220で動作する機能部である。解析部223は、データ生成部221から出力された脈波を取得する。解析部223は、脈波を解析することによって不整脈の評価を行う。解析部223は、不整脈の評価結果をディスプレイ210に出力する。解析部223は、不整脈の評価結果を端末メモリー230に記憶させてもよい。
【0135】
解析部223は、データ生成部221から出力された酸素飽和濃度等の生体情報を取得する。解析部223は、一例として、酸素飽和濃度を解析することによって、睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。解析部223は、睡眠時無呼吸症候群の評価結果をディスプレイ210に出力する。解析部223は、端末メモリー230に睡眠時無呼吸症候群の評価結果を記憶させてもよい。解析部223は、酸素飽和濃度を用いた図表データを生成してもよい。解析部223は、生成した図表データをディスプレイ210に出力する。ディスプレイ210は、図表データに基づいて、各種図表を表示する。
【0136】
通信制御部225は、端末制御ユニット220で動作する機能部である。通信制御部225は、第2測定装置100bとの通信を制御する。通信制御部225は、第2測定装置100bとの通信接続を確立する。通信制御部225は、第2測定装置100bに所定のタイミングで各種データを送信させる。通信制御部225は、第2測定装置100bに所定のタイミングで赤色光検出信号、赤外光検出信号、及び緑色光検出信号を送信させる。
【0137】
端末メモリー230は、各種データを記憶する。端末メモリー230は、タブレット端末200内の各種ユニットを動作させる制御データを記憶する。端末メモリー230は、端末制御ユニット220で解析された各種解析データ等を記憶してもよい。端末メモリー230は、端末制御ユニット220で動作する解析アプリAPを記憶する。端末メモリー230は、データ生成部221で参照される校正テーブルPTを記憶する。端末メモリー230は、ROMやRAM等で構成される。端末メモリー230は、端末記憶部の一例に対応する。
【0138】
解析アプリAPは、端末制御ユニット220で実行されることによって、各種機能部を動作させる。解析アプリAPは、端末制御ユニット220をデータ生成部221、解析部223、及び通信制御部225として動作させる。解析アプリAPは、端末制御ユニット220をデータ生成部221、解析部223、及び通信制御部225以外の機能部として動作させてもよい。
【0139】
端末通信インターフェイス240は、第2測定装置100bと通信接続する端末インターフェイス回路である。端末通信インターフェイス240は、第2測定装置100bと所定のプロトコルに従って、有線、もしくは無線で接続する。端末通信インターフェイス240は、例えば、有線通信用の接続ポート、無線通信用のアンテナ等を備える。端末通信インターフェイス240は、第2測定装置100bから赤色光検出信号、赤外光検出信号、緑色光検出信号等の各種データを受信する。端末通信インターフェイス240は、第2測定装置100bの動作を制御する各種制御データ、使用者Mに係る情報等を第2測定装置100bに送信する。端末通信インターフェイス240は、第2測定装置100b以外の外部装置と通信接続してもよい。端末通信インターフェイス240は、端末通信回路の一例に対応する。
【0140】
図16は、検出信号を測定するフローチャートを示している。図16に示すフローチャートは、生体情報測定方法の一部を示している。図16は、第2測定装置100bで実行される検出信号の測定方法を示している。第2測定装置100bは、緑色光発光素子11cの発光強度を調整して、緑色光検出信号を生成する。第2測定装置100bは、赤色光発光素子11aの発光強度及び赤外光発光素子11bの発光強度を調整して、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を測定してもよい。
【0141】
制御ユニット30は、ステップS601で、温度変化率を算出する。第1温度検出部51は、使用者Mの体表温度を測定し、第1温度データを生成する。第2温度検出部52は、外気温を測定し、第2温度データを生成してもよい。制御ユニット30の判別部37は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかを取得する。判別部37は、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかに基づいて温度変化率を算出する。
【0142】
制御ユニット30は、温度変化率を算出したのち、ステップS603で、発光素子11の発光強度を調整する。制御ユニット30の検出制御部31は、緑色光発光素子11cの発光強度を調整する。判別部37は、温度変化率が正の値か、負の値かを判別する。温度変化率が負の値であるとき、判別部37は、温度変化率と第1変化率閾値とを比較する。温度変化率が正の値であるとき、判別部37は、温度変化率と第2変化率閾値とを比較する。判別部37は、温度変化率と変化率閾値の絶対値とを比較してもよい。判別部37は、判別結果に基づいて、検出制御部31に緑色光発光素子11cの発光強度を調整させる。検出制御部31は、温度変化率に基づいて、緑色光発光素子11cの発光強度を増加、もしくは減少させる。検出制御部31は、赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11bのうちの少なくとも一方の発光強度を調整してもよい。
【0143】
制御ユニット30は、発光素子11の発光強度を調整したのち、ステップS605で、検出信号を測定する。検出制御部31は、調整した発光強度で緑色光発光素子11cを発光させる。緑色光発光素子11cは、調整された発光強度で発光する。第2受光素子ユニット20bは、緑色光検出信号を生成する。データ処理部33は、緑色光検出信号を取得する。検出制御部31は、調整した発光強度で赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bを発光させてもよい。赤色光発光素子11a及び赤外光発光素子11bは、調整された発光強度で発光する。第2受光素子ユニット20bは、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を生成する。データ処理部33は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を取得する。データ処理部33は、通信インターフェイス60を介してタブレット端末200に緑色光検出信号を出力する。データ処理部33は、通信インターフェイス60を介してタブレット端末200に赤色光検出信号及び赤外光検出信号を出力する。
【0144】
図17は、測定システム1000内のタブレット端末200の動作を示している。図17は、第3実施形態のタブレット端末200の動作をフローチャートで示している。図17に示すフローチャートは、測定システム1000で実行される生体情報測定方法の一部を示している。
【0145】
タブレット端末200は、ステップS701で、検出信号を受信する。タブレット端末200の端末通信インターフェイス240は、通信インターフェイス60を介して送信された検出信号を受信する。端末通信インターフェイス240は、検出信号として緑色光検出信号を受信する。端末通信インターフェイス240は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信する。端末通信インターフェイス240は、所定のタイミングで、緑色光検出信号等を受信する。端末通信インターフェイス240は、赤色光検出信号、赤外光検出信号、及び緑色光検出信号をデータ生成部221に送信する。
【0146】
タブレット端末200は、検出信号を受信したのち、ステップS703で、脈波を算出する。データ生成部221は、緑色光検出信号を受信し、緑色光検出信号を用いて脈波を算出する。データ生成部221は、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を受信し、赤色光検出信号及び赤外光検出信号を用いて酸素飽和濃度を算出する。酸素飽和濃度は、第1実施形態のデータ処理部33で実行される方法と同様な手法でデータ生成部221によって算出される。データ生成部221は、生成した脈波、及び酸素飽和濃度を解析部223に送信する。
【0147】
タブレット端末200は、脈波を算出したのち、ステップS705で、不整脈の評価を実行する。解析部223は、脈波を解析する。解析部223は、脈波を解析することによって、不整脈の評価を行う。解析部223は、不整脈の評価結果を解析結果として、ディスプレイ210もしくは端末メモリー230に送信する。
【0148】
タブレット端末200は、ステップS705で、酸素飽和濃度等の生体情報を解析する。解析部223は、一例として、酸素飽和濃度を用いて睡眠時無呼吸症候群の評価を行う。解析部223は、睡眠時無呼吸症候群の評価結果を、ディスプレイ210もしくは端末メモリー230に送信する。
【0149】
タブレット端末200は、不整脈の評価を実行したのち、ステップS707で、解析結果を出力する。ディスプレイ210は、解析結果の出力として、不整脈の評価結果を表示する。タブレット端末200は、音声等によって不整脈の評価結果を出力してもよい。タブレット端末200は、ディスプレイ210に解析結果と脈波の変化を示す図表等を表示してもよい。
【0150】
タブレット端末200は、ステップS707で、生体情報の解析結果を出力してもよい。タブレット端末200は、一例として、睡眠時無呼吸症候群の評価結果をディスプレイ210に表示する。タブレット端末200は、赤色光検出信号、赤外光検出信号、及び緑色光検出信号を用いて算出された各種生体情報の評価結果を出力する。
【0151】
測定システム1000は、第2測定装置100bとタブレット端末200とを有する。第2測定装置100bは、緑色光GLを発光する緑色光発光素子11cを有する第2発光素子ユニット10bと、使用者Mを経由した緑色光GLを受光して緑色光検出信号を生成する第2受光素子ユニット20bと、外気温及び使用者Mの体温のうちの少なくとも一方を測定し、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくとも一方を温度データとして生成する温度検出センサー50と、第1温度データ及び第2温度データのうちの少なくともいずれかを用いて温度変化率を算出し、算出された温度変化率に基づいて緑色光発光素子11cの発光強度を調整する制御ユニット30と、緑色光検出信号を送信する通信インターフェイス60と、を備える。タブレット端末200は、緑色光検出信号を受信する端末通信インターフェイス240と、緑色光検出信号を用いて使用者Mの生体情報を解析する端末制御ユニット220と、を備える。
緑色光検出信号は、体温の変化によって変動する。第2測定装置100bは、体温の変化が生じるときに発光強度を調整することによって、脈波等の測定精度が低下することを抑えることができる。測定システム1000は、不整脈等を高精度で評価することができる。
【符号の説明】
【0152】
1…筐体、1a…測定面、1b…表示面、2…ベルト、3…検出ユニット、3a…第1検出ユニット、3b…第2検出ユニット、4…表示パネル、10…発光素子ユニット、10a…第1発光素子ユニット、10b…第2発光素子ユニット、11…発光素子、11a…赤色光発光素子、11b…赤外光発光素子、11c…緑色光発光素子、13…駆動回路、20…受光素子ユニット、20a…第1受光素子ユニット、20b…第2受光素子ユニット、21…受光素子、21a…第1受光エリア、21b…第2受光エリア、23…出力回路、25…バンドパスフィルター、30…制御ユニット、31…検出制御部、33…データ処理部、35…表示制御部、37…判別部、40…メモリー、50…温度検出センサー、50S…検出部、51…第1温度検出部、52…第2温度検出部、60…通信インターフェイス、70…バッテリー、81…直流成分データ、83…交流成分データ、100…測定装置、100a…第1測定装置、100b…第2測定装置、200…タブレット端末、210…ディスプレイ、220…端末制御ユニット、221…データ生成部、223…解析部、225…通信制御部、230…端末メモリー、240…端末通信インターフェイス、1000…測定システム、AP…解析アプリ、CP…制御プログラム、F1…第1周波数、F2…第2周波数、GL…緑色光、L…光量、M…使用者、NL…赤外光、NW…赤外光データ、RL…赤色光、RW…赤色光データ、P1…第1ピーク値、P2…第2ピーク値、PT…校正テーブル、T…時間、ΔT…発光周期。
図1
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