(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089805
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】サーバー、印刷システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240627BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G06F3/12 350
G06F3/12 305
G06F3/12 335
G06F3/12 369
B41J29/38 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205234
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 聡
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】地域の班長が広域情報とは別に狭域情報を印刷して回覧物とするのは手間が掛かる。更に印刷物の回覧は、手間が掛かる上、情報伝達に遅延が生じる。
【解決手段】ネットワークに接続されたサーバーは、前記ネットワークに接続された第1情報端末から送信された第1情報を受信し、前記第1情報を前記ネットワークに接続された第2情報端末へ送信する処理と、前記第2情報端末から送信された情報であって前記第1情報を含む第2情報を受信し、前記第2情報をもとに印刷データを生成する処理と、前記ネットワークに接続された複数の印刷装置へ前記印刷データを送信する処理と、を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたサーバーであって、
前記ネットワークに接続された第1情報端末から送信された第1情報を受信し、前記第1情報を前記ネットワークに接続された第2情報端末へ送信する処理と、
前記第2情報端末から送信された情報であって前記第1情報を含む第2情報を受信し、前記第2情報をもとに印刷データを生成する処理と、
前記ネットワークに接続された複数の印刷装置へ前記印刷データを送信する処理と、
を実行する、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバーにおいて、前記第2情報端末に紐づいた第3情報端末に、前記第1情報が前記サーバーへ送信された旨を通知する処理を実行する、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバーにおいて、前記印刷データを前記複数の印刷装置へ送信する処理と併せて、前記印刷装置に紐づいた第4情報端末に前記印刷データを送信した旨を通知する処理を実行する、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項4】
請求項3に記載のサーバーにおいて、前記印刷装置のステータスを取得して前記ステータスに係わる情報を前記第2情報端末及び前記第3情報端末の少なくともいずれかへ送信する処理を実行する、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項5】
請求項4に記載のサーバーにおいて、前記第4情報端末に対し、前記印刷装置から出力された印刷物を確認した旨を入力して送信する為のユーザーインターフェースを提供可能であり、
更に前記第2情報端末及び前記第3情報端末の少なくともいずれかに、前記確認に係わる情報を提供可能である、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のサーバーにおいて、前記印刷データを、前記第2情報端末を介して指定されたタイミングで前記複数の印刷装置へ送信する、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項7】
ネットワークに接続されたサーバーと、
前記ネットワークに接続された第1情報端末と、
前記ネットワークに接続された第2情報端末と、
前記ネットワークに接続された複数の印刷装置と、を含む印刷システムであって、
前記第1情報端末は、前記サーバーへ第1情報を送信可能であり、
前記サーバーは、前記第1情報端末から前記第1情報を受信した場合、前記第1情報を前記第2情報端末へ送信し、
前記第2情報端末は、前記サーバーへ前記第1情報を含む第2情報を送信可能であり、
前記サーバーは、前記第2情報端末から前記第2情報を受信した場合、前記第2情報をもとに印刷データを生成し、前記複数の印刷装置へ前記印刷データを送信する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
ネットワークに接続されたクラウドサーバーと、
前記ネットワークに接続された端末であって自治体に属する第1情報端末と、
前記ネットワークに接続された端末であって地域の代表者が所有する第2情報端末と、
前記ネットワークに接続された印刷装置であって地域の構成員が所有する印刷装置と、を含む印刷システムであって、
前記第1情報端末は、前記クラウドサーバーへ広域情報である第1情報を送信可能であり、
前記クラウドサーバーは、前記第1情報端末から前記第1情報を受信した場合、前記第1情報を前記第2情報端末へ送信し、
前記第2情報端末は、前記クラウドサーバーへ前記第1情報に狭域情報を付加した第2情報を送信可能であり、
前記クラウドサーバーは、前記第2情報端末から前記第2情報を受信した場合、前記第2情報をもとに印刷データを生成し、前記印刷装置へ前記印刷データを送信する、
ことを特徴とする印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続されたサーバーに関する。また本発明は、印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下、回覧物によって地域情報を伝達する地域情報伝達システムを従来技術の一例として説明する。特許文献1には、地域情報伝達システムの一例が開示されている。特許文献1記載の地域情報伝達システムでは、自治体等の地域情報発信センタにおいて回覧物が作成されると、地域情報発信センタからコンビニエンスストアなどに設置されている複合機に回覧物を印刷出力するためのデータが送信され、複合機に当該データが格納される。また、回覧物が作成された旨が、地域の班長などの、回覧物を回覧させる者に連絡される。
【0003】
回覧物がデータで送信された旨の連絡を受けた班長は、自宅近くのコンビニエンスストアなどに設置されている複合機を操作して回覧物を印刷出力して取得し、回覧物を回覧させる。
この様な地域情報伝達システムによれば、地域情報発信センタによる回覧物の印刷および配送のコストを削減できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地域情報発信センタから発信された地域情報は、比較的広いエリアの情報、即ち広域情報であり、実際に回覧物を回覧する地域に特有の情報、即ち狭域情報が含まれていない。この場合、地域の班長は広域情報とは別に狭域情報を印刷する必要があり、手間が掛かる。更に印刷物の回覧は、回覧物を受け取った家庭が次の家庭に回覧物を届けるという手順を繰り返すものであり、この様な観点においても手間が掛かる上、情報伝達に遅延が生じ易い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為の、本発明のサーバーは、ネットワークに接続されたサーバーであって、前記ネットワークに接続された第1情報端末から送信された第1情報を受信し、前記第1情報を前記ネットワークに接続された第2情報端末へ送信する処理と、前記第2情報端末から送信された情報であって前記第1情報を含む第2情報を受信し、前記第2情報をもとに印刷データを生成する処理と、前記ネットワークに接続された複数の印刷装置へ前記印刷データを送信する処理と、を実行することを特徴とする。
【0007】
また本発明の印刷システムは、ネットワークに接続されたサーバーと、前記ネットワークに接続された第1情報端末と、前記ネットワークに接続された第2情報端末と、前記ネットワークに接続された複数の印刷装置と、を含む印刷システムであって、前記第1情報端末は、前記サーバーへ第1情報を送信可能であり、前記サーバーは、前記第1情報端末から前記第1情報を受信した場合、前記第1情報を前記第2情報端末へ送信し、前記第2情報端末は、前記サーバーへ前記第1情報を含む第2情報を送信可能であり、前記サーバーは、前記第2情報端末から前記第2情報を受信した場合、前記第2情報をもとに印刷データを生成し、前記複数の印刷装置へ前記印刷データを送信することを特徴とする。
【0008】
また本発明の印刷システムは、ネットワークに接続されたクラウドサーバーと、前記ネットワークに接続された端末であって自治体に属する第1情報端末と、前記ネットワークに接続された端末であって地域の代表者が所有する第2情報端末と、前記ネットワークに接続された印刷装置であって地域の構成員が所有する印刷装置と、を含む印刷システムであって、前記第1情報端末は、前記クラウドサーバーへ広域情報である第1情報を送信可能であり、前記クラウドサーバーは、前記第1情報端末から前記第1情報を受信した場合、前記第1情報を前記第2情報端末へ送信し、前記第2情報端末は、前記クラウドサーバーへ前記第1情報に狭域情報を付加した第2情報を送信可能であり、前記クラウドサーバーは、前記第2情報端末から前記第2情報を受信した場合、前記第2情報をもとに印刷データを生成し、前記印刷装置へ前記印刷データを送信することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図6】サーバーが行う処理、ユーザー操作、及びその他機器による処理の関連を示すシーケンス図。
【
図7】第2情報が印刷出力された印刷物の例を示す図。
【
図8】携帯情報端末に表示されるUIの一例を示す図。
【
図9】携帯情報端末に表示されるUIの一例を示す図。
【
図10】携帯情報端末に表示されるUIの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係るサーバーは、ネットワークに接続されたサーバーであって、前記ネットワークに接続された第1情報端末から送信された第1情報を受信し、前記第1情報を前記ネットワークに接続された第2情報端末へ送信する処理と、前記第2情報端末から送信された情報であって前記第1情報を含む第2情報を受信し、前記第2情報をもとに印刷データを生成する処理と、前記ネットワークに接続された複数の印刷装置へ前記印刷データを送信する処理と、を実行することを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記第1情報端末から送信された前記第1情報は、そのまま印刷データに生成されて前記複数の印刷装置へ送信されるのではなく、前記第2情報端末へ送信される。この為、前記第1情報に不足がある場合に、前記第2情報端末において情報を付加して前記第2情報とし、これを送信することができる。
そして前記第1情報を含む前記第2情報が前記第2情報端末から送信されると、前記サーバーはこれをもとに印刷データを生成し、前記複数の印刷装置へと送信する。
以上により、前記第1情報と、前記第1情報に付加する情報とを別々に印刷出力する手間を省くことができる。加えて前記第2情報が、前記複数の印刷装置へ送信されることで一つの印刷物を回覧する必要がなくなり、一つの印刷物を回覧する手間を省くことができるとともに、情報伝達の遅延も抑制できる。
【0012】
第2の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記第2情報端末に紐づいた第3情報端末に、前記第1情報が前記サーバーへ送信された旨を通知する処理を実行することを特徴とする。
本態様によれば、前記サーバーは、前記第2情報端末に紐づいた第3情報端末に、前記第1情報が前記サーバーへ送信された旨を通知する処理を実行することから、前記第2情報端末の所有者や操作者等は前記第1情報が前記サーバーへ送信された旨を前記第3情報端末を介して知ることができ、情報伝達の遅延を抑制できる。
【0013】
第3の態様は、第2の態様に従属する態様であって、前記印刷データを前記複数の印刷装置へ送信する処理と併せて、前記印刷装置に紐づいた第4情報端末に前記印刷データを送信した旨を通知する処理を実行することを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、前記印刷データを前記複数の印刷装置へ送信する処理と併せて、前記印刷装置に紐づいた第4情報端末に前記印刷データを送信した旨を通知する処理を実行することから、例えば前記印刷装置の所有者や操作者等は前記印刷データが前記サーバーから送信されたことを前記第4情報端末を介して知ることができる。その結果、例えば前記印刷装置の準備ができていなかった場合には前記印刷装置の準備をすることで速やかに印刷を行うことができ、ひいては情報伝達の遅延を抑制できる。
尚、本態様は上記第2の態様に限らず、上記第1の態様に従属しても良い。
【0015】
第4の態様は、第3の態様に従属する態様であって、前記印刷装置のステータスを取得して前記ステータスに係わる情報を前記第2情報端末及び前記第3情報端末の少なくともいずれかへ送信する処理を実行することを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、前記サーバーは、前記印刷装置のステータスを取得して前記ステータスに係わる情報を前記第2情報端末及び前記第3情報端末の少なくともいずれかへ送信する処理を実行する。これにより、前記印刷装置において正しく印刷出力されたか、前記印刷装置において消耗品切れ等のエラーが生じていないか等を、前記第2情報端末の所有者や操作者等が把握することができる。その結果、前記第2情報端末の所有者や操作者等は、前記印刷装置の所有者や操作者等に赴いてエラーの解消を図る等を行うことができ、ひいては情報伝達の確実性を向上させることができる。
尚、本態様は上記第3の態様に限らず、上記第2の態様に従属しても良い。
【0017】
第5の態様は、第4の態様に従属する態様であって、前記第4情報端末に対し、前記印刷装置から出力された印刷物を確認した旨を入力して送信する為のユーザーインターフェースを提供可能であり、更に前記第2情報端末及び前記第3情報端末の少なくともいずれかに、前記確認に係わる情報を提供可能であることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記印刷装置の所有者や操作者等は、前記第4情報端末を介して前記印刷物を確認した旨を前記サーバーへ送信することができる。そして前記サーバーは、前記第2情報端末及び前記第3情報端末の少なくともいずれかに、前記確認に係わる情報を提供可能であることから、前記第2情報端末の所有者や操作者等は、情報伝達の状況を把握することができ、情報伝達の確実性を向上させることができる。
尚、本態様は上記第4の態様に限らず、上記第3の態様に従属しても良い。
【0019】
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかに従属する態様であって、前記印刷データを、前記第2情報端末を介して指定されたタイミングで前記複数の印刷装置へ送信することを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記印刷データを、前記第2情報端末を介して指定されたタイミングで前記複数の印刷装置へ送信することから、前記第2情報の印刷のタイミングの自由度を得ることができる。例えば、夕方の時間帯に前記印刷データを前記複数の印刷装置へ送信すれば、前記印刷装置から前記第2情報が印刷されたことが気づかれ易くなる。
【0021】
第7の態様に係る印刷システムは、ネットワークに接続されたサーバーと、前記ネットワークに接続された第1情報端末と、前記ネットワークに接続された第2情報端末と、前記ネットワークに接続された複数の印刷装置と、を含む印刷システムであって、前記第1情報端末は、前記サーバーへ第1情報を送信可能であり、前記サーバーは、前記第1情報端末から前記第1情報を受信した場合、前記第1情報を前記第2情報端末へ送信し、前記第2情報端末は、前記サーバーへ前記第1情報を含む第2情報を送信可能であり、前記サーバーは、前記第2情報端末から前記第2情報を受信した場合、前記第2情報をもとに印刷データを生成し、前記複数の印刷装置へ前記印刷データを送信することを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、前記第1情報端末から送信された前記第1情報は、そのまま印刷データに生成されて前記複数の印刷装置へ送信されるのではなく、前記第2情報端末へ送信される。この為、前記第1情報に不足がある場合に、前記第2情報端末において情報を付加して前記第2情報とし、これを送信することができる。
そして前記第1情報を含む前記第2情報が前記第2情報端末から送信されると、前記サーバーはこれをもとに印刷データを生成し、前記複数の印刷装置へと送信する。
以上により、前記第1情報と、前記第1情報に付加する情報とを別々に印刷出力する手間を省くことができる。加えて前記第2情報が、前記複数の印刷装置へ送信されることで一つの印刷物を回覧する必要がなくなり、一つの印刷物を回覧する手間を省くことができるとともに、情報伝達の遅延も抑制できる。
【0023】
第8の態様に係る印刷システムは、ネットワークに接続されたクラウドサーバーと、前記ネットワークに接続された端末であって自治体に属する第1情報端末と、前記ネットワークに接続された端末であって地域の代表者が所有する第2情報端末と、前記ネットワークに接続された印刷装置であって地域の構成員が所有する印刷装置と、を含む印刷システムであって、前記第1情報端末は、前記クラウドサーバーへ広域情報である第1情報を送信可能であり、前記クラウドサーバーは、前記第1情報端末から前記第1情報を受信した場合、前記第1情報を前記第2情報端末へ送信し、前記第2情報端末は、前記クラウドサーバーへ前記第1情報に狭域情報を付加した第2情報を送信可能であり、前記クラウドサーバーは、前記第2情報端末から前記第2情報を受信した場合、前記第2情報をもとに印刷データを生成し、前記印刷装置へ前記印刷データを送信することを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、前記第1情報端末から送信された前記第1情報即ち広域情報は、そのまま印刷データに生成されて地域の構成員が所有する印刷装置へ送信されるのではなく、地域の代表者が所有する第2情報端末へ送信される。
そして前記第1情報即ち広域情報に狭域情報が付加された前記第2情報が前記第2情報端末から送信されると、前記クラウドサーバーはこれをもとに印刷データを生成し、前記印刷装置へと送信する。
以上により、地域の代表者が広域情報と狭域情報とを別々に印刷出力する手間を省くことができる。加えて前記第2情報が、前記複数の印刷装置へ送信されることで一つの印刷物を回覧する必要がなくなり、一つの印刷物を回覧する手間を省くことができるとともに、情報伝達の遅延も抑制できる。
【0025】
以下、本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム1のシステム構成を示しており、ネットワークの一例であるインターネット2を介して各機器が相互に通信可能である。
本実施形態では、一例として印刷システム1が地域における回覧物の回覧に代わる手段を提供する場合について説明する。但し本発明に係る印刷システム1はこの様な形態に限定されるものではない。
【0026】
符号3は、インターネット2を介して情報の送受信が可能なサーバーである。サーバー3は、本実施形態ではクラウドサービスを提供するクラウドサーバーである。但しサーバー3はこれに限られるものではない。
符号21は自治体(例えば市役所)の庁舎であり、庁舎21において第1送信者P1が第1情報端末4を用いて第1情報を送信するものとする。第1送信者P1は、一例として自治体の職員である。第1情報端末4は、一例としてパーソナルコンピュータである。第1情報は、一例として自治体が地域の居住者に向けて発信する情報であり、更に一例として広域情報である。
【0027】
符号23、24、25、26は自治体に属する居住者の居所であり、地域22に属している。ここでの「地域」は、自治会や町内会などと読み替えても良い。居所23、24、25にはそれぞれ構成員PA、PB、PCが居住しており、また居所26には第2送信者P2が居住している。第2送信者P2は、地域22の構成員であって、代表者である。ここでの「第2送信者」は、自治会長、町内会長、班長などと読み替えても良い。
【0028】
各居所には、少なくとも印刷装置が設置されるとともに、設置された印刷装置がインターネット2に接続されている。符号11、12、13、14はそれぞれ、居所23、24、25、26に設置された印刷装置である。尚、第2送信者P2は後述する第2情報に接することができる為、必ずしも印刷装置14を所有している必要はない。以下、印刷装置11、12、13、14を区別する必要のない場合、「各印刷装置」と総称する場合がある。
各印刷装置は、一例として記録用紙に代表される媒体にインクジェット記録が可能なインクジェットプリンターである。
【0029】
また構成員PA、PB、PCと第2送信者P2は、携帯情報端末を所有している。構成員PAは携帯情報端末16を所有し、構成員PBは携帯情報端末17を所有し、構成員PCは携帯情報端末18を所有し、第2送信者P2は携帯情報端末19を所有している。
各携帯情報端末は、一例としてスマートフォンであり、無線LANや移動体通信網を介してインターネット2に接続できる。構成員PA、PB、PCがそれぞれ所持する携帯情報端末16、17、18は、各印刷装置に紐づいた第4情報端末の一例である。また第2送信者P2が所持する携帯情報端末19は、第2情報端末5に紐づいた第3情報端末の一例である。
【0030】
次に、
図2を参照してサーバー3の構成について説明する。
サーバー3は、操作部30、表示部31、CPU32、RAM33、ROM34、ストレージ36、インターフェース(以下「I/F」と記載する)35を備えている。
ストレージ36は、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)等で構成される。ストレージ36には、オペレーティングシステム(以下「OS」と記載する)37、サーバープログラム38、サーバー制御プログラム39等の各種プログウラムと、データベース40等の各種データが格納されている。
【0031】
サーバープログラム38は、OS37のもと動作するプログラムであって、サーバー3がクラウドサーバーとして機能するためのプログラムである。サーバー制御プログラム39は、OS37のもと動作するプログラムであって、後述するサーバー3による各種処理を実行するためのプログラムであり、クラウドサービスを提供する為のプログラムが含まれる。
データベース40には、後述する第1情報及び第2情報、印刷装置11、12、13、14に印刷データを送信する為の各印刷装置の機器情報やアドレス等の情報、携帯情報端末16、17、18、19に各種情報を送信する為のアドレス等の情報、各端末からクラウドサービスを利用する為の認証情報等が格納される。
【0032】
CPU32は、ROM34やストレージ36に格納された各種プログラム等を揮発性メモリであるRAM33に展開し、実行する。
操作部30は、キーボードと、マウスやタッチパッド等のポインティングデバイスによって構成される。
表示部31は、液晶ディスプレイ等によって構成される。この表示部31には、OS37、サーバー制御プログラム39等により各種ユーザーインターフェースが生成される。尚、以下においてユーザーインターフェースの用語は「UI」と略称する。
I/F35は、サーバー3をインターネット2に接続するための通信インターフェースである。
【0033】
次に、
図3を参照して第1情報端末4の構成について説明する。
第1情報端末4は、操作部45、表示部46、CPU47、RAM48、ROM49、ストレージ51、I/F50を備えている。
ストレージ51は、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)等で構成される。ストレージ51には、OS52、アプリケーションプログラム53等の各種プログラムと、各種データが格納されている。
【0034】
アプリケーションプログラム53はOS52のもと動作するプログラムであって、Webブラウザが含まれる。サーバー3により提供されるクラウドサービスは、Webブラウザを介して利用することができる。
【0035】
CPU47は、ROM49やストレージ51に格納された各種プログラム等を揮発性メモリであるRAM48に展開し、実行する。
操作部45は、キーボードと、マウスやタッチパッド等のポインティングデバイスによって構成される。
表示部46は、液晶ディスプレイ等によって構成される。この表示部46には、OS52、アプリケーションプログラム53等により各種UIが生成される。
I/F50は、第1情報端末4をインターネット2に接続するための通信インターフェースである。
尚、第2情報端末5も、上述した第1情報端末4と同様の構成を有しており、ここでは重複する説明は避けるものとする。
【0036】
次に、
図4を参照して印刷装置11の構成について説明する。
印刷装置11は、操作部61、表示部62、CPU63、RAM64、不揮発性メモリ65、I/F66、記録部67、及び用紙搬送部68を備えている。
CPU63は、不揮発性メモリ65に格納された各種制御プログラム等を揮発性メモリであるRAM64に展開し、実行する。
【0037】
操作部61は、不図示の電源ボタン、テンキー、十字ボタン、決定ボタン、戻るボタン等によって構成される。
表示部62は、液晶ディスプレイ等によって構成される。この表示部62には、各種UIが表示される。
I/F66には、印刷装置11をインターネット2に接続するための通信インターフェースが含まれる。
記録部67は、不図示のインクジェット記録ヘッドで構成される。用紙搬送部68には、不図示の用紙搬送ローラー等が含まれる。
尚、他の印刷装置12、13、14も、上述した印刷装置11と同様の構成を有しており、ここでは重複する説明は避けるものとする。
【0038】
次に、
図5を参照して携帯情報端末16の構成について説明する。
携帯情報端末16は、表示部70、通信部74、CPU72、RAM77、及び不揮発性メモリ73を備えている。
表示部70は、一例としてタッチパネルで構成され、各種情報を表示するとともに、ユーザーによる各種設定操作を受け付けるUIが実現される。ユーザーは、表示部70に表示されたUIに従って各種設定操作や実行操作を行う。
【0039】
不揮発性メモリ73には、OS76、アプリケーションプログラム75等の各種プログラムと、各種データが格納されている。
アプリケーションプログラム75はOS76のもと動作するプログラムであって、Webブラウザが含まれる。サーバー3により提供されるクラウドサービスは、Webブラウザを介して利用することができる。
【0040】
CPU72は、不揮発性メモリ73に格納された各種プログラム等を揮発性メモリであるRAM77に展開し、実行する。
通信部74には、移動体通信を行う為の通信モジュールに加え、Wi-Fi方式に従った無線通信を行う為の通信モジュールも含まれる。
尚、他の携帯情報端末17、18、19も、上述した携帯情報端末16と同様の構成を有しており、ここでは重複する説明は避けるものとする。
【0041】
続いて
図6を参照して、主としてサーバー3が行う処理の流れを、ユーザー操作と他の機器が行う処理とを交えて説明する。
庁舎21において第1送信者P1は、自治体が居住者に知らせる第1情報を、第1情報端末4を用いて作成し(ステップS1)、次いで第1情報をサーバー3即ちクラウドサービスに送信する(ステップS2)。第1情報は上述した様に一例として広域情報であって、自治体の全体に知らせることが好適な情報である。第1情報の送信先候補は予め登録されており、第1送信者P1はクラウドサービス上で第1情報の送信先を選択することができる。本実施例において第1情報の送信先には、第2送信者P2が含まれるものとする。
【0042】
サーバー3は、受信した第1情報を保持した上で、クラウド上に第1情報が送信されたことを、地域22に属する第2送信者P2が所有する携帯情報端末19へ送信する(ステップS3)。これを受けた第2送信者P2は、第2情報端末5を介してサーバー3即ちクラウドサービスへ第1情報のデータを要求する(ステップS4)。これを受けてサーバー3は、第1情報を第2情報端末5へ送信する(ステップS5)。
【0043】
第1情報は広域情報である為、第2送信者P2は第1情報に狭域情報、一例として地域22に特有の情報を付加して第2情報を作成する(ステップS6)。尚、第2情報は、第1情報にその他の情報が付加されたものに限らず、第1情報そのものであっても構わない。
そして第2送信者P2は第2情報を、第2情報端末5を介してサーバー3即ちクラウドサービスに送信する(ステップS7)。第2情報の送信は、クラウドサービスにより提供されるUI(不図示)を介して行うことができる。尚このUI(不図示)において、後述する印刷データの送信先を地域22の構成員全てとするか、或いは任意の構成員とするかを第2送信者P2が選択可能とされていても良い。
【0044】
第2情報を受けたサーバー3は、印刷データを生成する(ステップS8)。尚、サーバー3は各印刷装置の機器情報を有しているとともに、各印刷装置に適したプリンタドライバを有しており、印刷データは各印刷装置に適したデータとされる。
次いでサーバー3は、生成した印刷データを各印刷装置へ送信する(ステップS9)。またサーバー3は、印刷データを送信した旨を各携帯情報端末へ送信する(ステップS10)。尚、第2送信者P2が有する印刷装置14への印刷データの送信(ステップS9)及び携帯情報端末19への通知(ステップS10)は省略しても良い。
【0045】
印刷データを受信した各印刷装置は、印刷を実行する(ステップS11)。これにより、一例として
図7に示す様な印刷物M1、M2が印刷される。印刷物M2は、第1情報即ち広域情報の内容を示すものであり、印刷物M1は、第1情報に付加された情報即ち狭域情報の内容を示すものである。
【0046】
図6に戻り、各印刷装置は、印刷が実行されたか否か、及び装置状態を示すステータス情報をサーバー3へ通知する(ステップS12)。ステータス情報には、例えばインク残量や紙詰まり等の情報が含まれる。
【0047】
ステップS10の送信通知は、構成員PA、PB、PCがそれぞれ所有する携帯情報端末19、17、18に、一例として
図8に示す様なUI100によって表示される。
各構成員が、表示されたUI100において「はい」を押下すると、
図6のステップS13に示す様に各携帯情報端末はその旨をサーバー3に通知する。
【0048】
地域22の代表者である第2送信者P2は、所有する携帯情報端末19を介してサーバー3へステータス送信要求を行うと(ステップS14)、これに応じてサーバー3は携帯情報端末S19へステータスを送信する(ステップS15)。
図9のUI101は、ステップS15に基づいて携帯情報端末19に表示されるUIの一例を示しており、図示する様に送信された印刷データ即ち第2情報を識別する情報(日付)とともに、各構成員での印刷物確認状況が「確認済」、「未確認」のいずれかによって示される。また「確認済」の場合は、確認された日付が示される。
【0049】
各構成員名にはリンクが付与されており、各構成員名をタップすることで、一例として
図10に示す様なUI102が表示される。UI102は、各構成員が所有する印刷装置のステータスを示すものであり、第2送信者P2はUI102によって、特に各構成員が印刷物を確認していない場合にその理由を把握することができる。また各構成員が所有する印刷装置の電源がオフにされていて当該印刷装置のステータスを取得できない場合も、その旨がUI102に表示される。
また
図9に示す様に、印刷装置に何らかの問題、例えばインク切れや紙詰まりが生じている場合には、構成員名に警告マークが表示される。
【0050】
尚、第1情報端末4或いは第2情報端末5を介した設定により、
図6のステップS2によって第1情報を受信したサーバー3が、それをもとに直ちに印刷データを生成して各印刷装置に印刷データを送信しても良い。
また
図6のステップS10、S12、S13、S14、S15の処理は適宜省略しても良い。
【0051】
以上説明した様にインターネット2に接続されたサーバー3は、インターネット2に接続された第1情報端末4から送信された第1情報を受信し、第1情報をインターネット2に接続された第2情報端末5へ送信する処理(
図6のステップS5)と、第2情報端末5から送信された情報であって第1情報を含む第2情報を受信し、第2情報をもとに印刷データを生成する処理(
図6のステップS8)と、インターネット2に接続された複数の印刷装置へ印刷データを送信する処理(
図6のステップS9)と、を実行する。
即ち第1情報端末4から送信された第1情報は、そのまま印刷データに生成されて複数の印刷装置へ送信されるのではなく、第2情報端末5へ送信される。この為、第1情報に不足がある場合に、第2情報端末5において情報を付加して第2情報とし、これを送信することができる。
そして第1情報を含む第2情報が第2情報端末5から送信されると、サーバー3はこれをもとに印刷データを生成し、複数の印刷装置へと送信する。
以上により地域22の代表者である第2送信者P2は、第1情報と、第1情報に付加する情報とを別々に印刷出力する手間を省くことができる。加えて第2情報が、各構成員の印刷装置へ送信されて印刷されることで一つの印刷物を回覧する必要がなくなり、一つの印刷物を回覧する手間を省くことができるとともに、情報伝達の遅延も抑制できる。
【0052】
またサーバー3は、第2情報端末5に紐づいた第3情報端末である携帯情報端末19に、第1情報が送信された旨を通知する処理を実行する(
図6のステップS3)。これにより、第2送信者P2は第1情報がサーバー3へ送信された旨を携帯情報端末19を介して知ることができ、情報伝達の遅延を抑制できる。
【0053】
またサーバー3は、印刷データを複数の印刷装置へ送信する処理(
図6のステップS9)と併せて、各印刷装置に紐づいた第4情報端末である携帯情報端末16、17、18、19に印刷データを送信した旨を通知する処理を実行する(
図6のステップS10)。これにより、各印刷装置の所有者である構成員PA、PB、PCは印刷データがサーバー3から送信されたことを知ることができる。その結果、所有する印刷装置の準備ができていなかった場合にはその準備をすることで速やかに印刷を行うことができ、ひいては情報伝達の遅延を抑制できる。
【0054】
またサーバー3は、各印刷装置のステータスを取得してステータスに係わる情報を第2送信者P2に紐づいた携帯情報端末19へ送信する(
図6のステップS15)。これにより、各印刷装置において正しく印刷出力されたか、また各印刷装置において消耗品切れ等のエラーが生じていないか等を、第2送信者P2が把握することができる。その結果、第2送信者P2は、該当する構成員の居所に赴いてエラーの解消を図る等を行うことができ、ひいては情報伝達の確実性を向上させることができる。特に、該当する構成員が印刷装置の操作等に不慣れな場合には、より一層好適となる。
尚、本実施形態では各印刷装置のステータスに係わる情報は携帯情報端末19へ送信されるが、第2情報端末5へ送信されても良い。
【0055】
またサーバー3は、携帯情報端末16、17、18に対し、出力された印刷物を確認した旨を入力して送信する為のUI100(
図8参照)を提供可能であり、更に携帯情報端末19に、上記の確認に係わる情報を提供可能である(
図6のステップS15)。これにより第2送信者P2は、情報伝達の状況を把握することができ、情報伝達の確実性を向上させることができる。
【0056】
尚、各印刷装置の排紙トレイに不図示のセンサーを設け、このセンサーによって排紙トレイ上から印刷物が取り除かれたことを検出し、その検出結果をサーバー3に送信しても良い。また前記検出結果に係る情報を、第2送信者P2の携帯情報端末19に送信しても良い。
【0057】
尚、サーバー3から各印刷装置への印刷データの送信(
図6のステップS9)を、第2情報端末5を介して指定したタイミングで実行可能とすることも好適である。これにより、各印刷装置での印刷のタイミングの自由度を得ることができる。例えば、サーバー3が夕方の時間帯に印刷データを各印刷装置へ送信すれば、各印刷装置から第2情報が印刷されたことが気づかれ易くなる。
【0058】
本発明は上記において説明した実施形態や変形例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では印刷システム1が居住地域における回覧物の回覧に代わる手段を提供する場合について説明したが、これに限らず、印刷システム1は例えば職場等における回覧物の回覧に代わる手段を提供することもできる。
【符号の説明】
【0059】
1…印刷システム、2…インターネット、3…サーバー、4…第1情報端末、5…第2情報端末、
11、12、13、14…印刷装置、16、17、18、19…携帯情報端末、
21…庁舎、22…地域、23、24、25、26…居所、
30…操作部、31…表示部、32…CPU、33…RAM、34…ROM、35…I/F、36…ストレージ、37…OS、38…サーバープログラム、39…サーバー制御プログラム、40…データベース、
45…操作部、46…表示部、47…CPU、48…RAM、49…ROM、50…I/F、51…ストレージ、52…OS、53…アプリケーションプログラム、54…プリンタドライバ、
61…操作部、62…表示部、63…CPU、64…RAM、65…不揮発性メモリ、66…I/F、67…記録部、68…用紙搬送部、
70…表示部、71…制御部、72…CPU、73…不揮発性メモリ、74…通信部、75…アプリケーションプログラム、76…OS、77…RAM、
P1…第1送信者、P2…第2送信者、PA、PB、PC…構成員