(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089833
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】埋込杭および埋込杭の施工方法
(51)【国際特許分類】
E02D 27/32 20060101AFI20240627BHJP
E02D 27/42 20060101ALI20240627BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
E02D27/32 A
E02D27/42 Z
E02D27/52 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205287
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 普史
(72)【発明者】
【氏名】朝山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】福山 純平
(72)【発明者】
【氏名】堀池 航
(72)【発明者】
【氏名】山田 亮一
(72)【発明者】
【氏名】綿地 規文
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046DA05
2D046DA31
2D046DA62
(57)【要約】
【課題】杭の浮力を利用することでクレーンへの負荷を軽減することを可能とし、かつ施工の手間および費用の低減化を可能とした埋込杭およびこの埋込杭の施工方法を提案する。
【解決手段】水底に形成された掘削孔に埋設される埋込杭2であって、中空の杭本体3と、杭本体3の下部を閉塞する下蓋4と、杭本体3の上部を閉塞する上蓋5と、杭本体3の内部において杭本体3の上部から下部に配管された充填管6とを備えている。杭本体3内に水を注水するための注水孔51が頭部に形成されており、充填管6は杭本体3の下部に形成された貫通孔32に連通している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底に形成された掘削孔に埋設される埋込杭であって、
中空の杭本体と、
前記杭本体の下部を閉塞する下蓋と、
前記杭本体の上部を閉塞する上蓋と、
前記杭本体の内部において前記杭本体の上部から下部に配管された充填管と、を備えており、
前記杭本体内に水を注水するための注水孔が頭部に形成されており、
前記充填管は、前記杭本体の下部に形成された貫通孔に連通していることを特徴とする、埋込杭。
【請求項2】
前記上蓋には、前記注水孔および排気孔が形成されており、
前記注水孔および前記排気孔には、バルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の埋込杭。
【請求項3】
前記充填管には、バルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の埋込杭。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の埋込杭を水底に設ける埋込杭の施工方法であって、
前記埋込杭の上端側を吊り上げることにより、前記埋込杭を水中で建て起こす建て起こし工程と、
前記埋込杭を前記掘削孔に挿入する挿入工程と、
前記埋込杭と前記掘削孔との隙間に充填材を充填する充填工程と、を備えており、
前記建て起こし工程では、前記杭本体の内部に水を注水することを特徴とする、埋込杭の施工方法。
【請求項5】
前記水の注水量を計量して、前記埋込杭の見かけの重さを管理することを特徴とする、請求項4に記載の埋込杭の施工方法。
【請求項6】
前記埋込杭を水上に浮かせた状態で、所定の位置に曳航する杭移送工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項4に記載の埋込杭の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水底に施工する埋込杭および埋込杭の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水上風力発電施設の基礎として、水底に設けられた1本の杭により風車塔を支持するモノパイル式基礎がある。
モノパイル式基礎では、既成杭を水底に打ち込むことにより設ける打設杭や、水底に形成された掘削孔に既成杭を埋設する埋込杭を使用する。
既成杭の施工方法として、クレーン船のクレーンを利用して既成杭を吊り下げるとともに、クレーン船に設けられたパイルグリッパーに既成杭をセットし、パイルグリッパーにより杭の傾き等を制御した状態で施工を行う場合がある。そのため、既成杭に対して十分な揚重能力を有しているクレーン船を使用する必要がある。一方、風力発電機の規格が大きくなるにつれて、モノパイル式基礎に使用する既成杭の重量も増加しており、既成杭を揚重可能なクレーン船を確保できないおそれがある。
既成杭を水上に浮かべた状態で、杭を建て起こせば、杭に作用する浮力により杭の見かけの重量が軽減する。例えば、特許文献1では、水上に横たわる既成杭の一端部をクレーンで吊り上げることで、杭を建て起こす方法が開示されている。既成杭の下端には、杭の内径よりも小径の流入口が形成されており、この流入口から水を杭の内部に流入させることで、クレーンに伝わる荷重を制御し、杭の建て起こし作業を効率的に行うものとしている。
特許文献1の杭を埋込杭に利用すると、杭の周囲に充填材を注入した際、杭の下端に形成された流入口から杭の内部に充填材が流入するおそれがある。杭に充填材が流入すると、充填材の注入量が増加してしまい、その結果、施工の手間および費用が増加する。また、杭内部に流入させる水は、杭の下端に形成された流入口から流入させるため、流入量の制御は流入口に設けられたバルブの操作により行う必要がある。そのため、杭の建て起こしに応じた水の流入量の調整が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、杭の浮力を利用することでクレーンへの負荷を軽減することを可能とし、かつ施工の手間および費用の低減化を可能とした埋込杭およびこの埋込杭の施工方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の埋込杭は、水底に形成された掘削孔に埋設されるものであって、中空の杭本体と、前記杭本体の下部を閉塞する下蓋と、前記杭本体の上部を閉塞する上蓋と、前記杭本体の内部において前記杭本体の上部から下部に配管された充填管とを備えている。前記杭本体内に水を注水するための注水孔が頭部に形成されており、前記充填管は前記杭本体の下部に形成された貫通孔に連通している。
また、本発明の埋込杭の施工方法は、前記埋込杭の上端側を吊り上げることにより前記埋込杭を水中で建て起こす建て起こし工程と、前記埋込杭を前記掘削孔に挿入する挿入工程と、前記埋込杭と前記掘削孔との隙間に充填材を充填する充填工程とを備えており、前記建て起こし工程では前記杭本体の内部に水を注水する。
かかる埋込杭および埋込杭の施工方法によれば、埋込杭を建て起こす際に、内部に水が注水され、埋込杭の下端側が重くなるため、建て起こしやすくなる。また、埋込杭の下部は下蓋により閉塞されているため、掘削孔内に注入した充填材が杭本体内に流入することが防止されている。そのため、充填材の注入量を必要最小限に抑えることが可能となり、その結果、施工の効率化および費用の低減化が可能となる。
【0006】
前記上蓋には、前記注水孔および排気孔が形成されており、前記注水孔および前記排気孔には、バルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていることが好ましい。このようにすると、杭の上端からの注水および排気が可能となる。また、上蓋に注水孔及び排気孔を形成することで、既成杭の加工に要する手間を最小限に抑えることが可能となる。
また、前記充填管にバルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていれば、充填管内に水が流入することを抑制できる。
また、建て起こし工程において、前記水の注水量を計量して、前記埋込杭の重さを管理すれば、埋込杭を建て起こす際のバランスが保たれるため、クレーン能力の範囲内に調整できる。
さらに、前記埋込杭を水上に浮かせた状態で、所定の位置に曳航すれば、別途杭を載せて運ぶような、鋼台船を必要としない。また、所定の位置に移動させた後は、積み替え作業などを要しない。また、埋込杭は、水上に浮かした状態で保管することも可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の埋込杭およびこの埋込杭の施工方法によれば、杭の浮力を利用することでクレーンへの負荷を軽減することを可能とし、かつ施工の手間および費用の低減化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る水上風力発電施設を示す正面図である。
【
図3】埋込杭の施工方法を示すフローチャートである。
【
図4】埋込杭の保管方法を示す側面図であって、(a)は埋込杭の水上への荷下ろし状況、(b)は埋込杭の保管状況である。
【
図5】掘削工程を示す側面図であって、(a)はテンプレート設置状況、(b)はケーシング設置状況である。
【
図6】
図5(b)に続く掘削工程を示す側面図であって、(a)は掘削前、(b)は掘削後である。
【
図9】挿入工程を示す側面図であって、(a)は埋込杭挿入時、(b)は埋込杭挿入後である。
【
図10】充填工程を示す側面図であって、(a)は充填状況、(b)はテンプレート撤去状況である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、水上風力発電施設1の基礎構造を施工する場合について説明する。
図1に本実施形態の水上風力発電施設1を示す。
図1に示すように、本実施形態の水上風力発電施設1は、杭基礎13に風車11の支柱12が支持されたいわゆるモノパイル基礎からなる。
水上風力発電施設1の基礎構造(杭基礎13)は、杭(埋込杭2)を水底GL(地盤G)に形成された掘削孔Hに埋め込むことにより形成する。
【0010】
図2に埋込杭2を示す。埋込杭2は、
図2に示すように、杭本体3と、下蓋4と、上蓋5と、充填管6と、注水管7とを備えている。
杭本体3は、中空の円筒状の鋼管からなる。杭本体3の側面には、一対のトラニオン31,31が固定されている。一対のトラニオン31,31は、高さ方向中央よりも上側において、一対のトラニオン31,31が杭本体3を挟んで対向する位置に配置されている。杭本体3の上部は、上端に行くに従って縮径している。一方、杭本体3のその他の部分では、同一の直径を有している。杭本体3の下部側面には、複数の貫通孔32が形成されている。
【0011】
下蓋4は、杭本体3の下部を水密に閉塞する。本実施形態の下蓋4は、円形の鋼板からなり、杭本体3の下端に固定(溶接)されている。
上蓋5は、杭本体3の上部を水密に閉塞する。本実施形態の上蓋5は、円形の鋼板からなり、杭本体3の上端に固定(止水機能を備えた水密ボルト取り付け等)されている。上蓋5には、注水孔51および排気孔52が形成されている。注水孔51は注水管7と連通していて、排気孔52は杭本体3の内空と連通している。注水孔51および排気孔52には、バルブ(図示せず)が設けられていて、バルブを閉じることで、杭本体3の上端が密閉される。
【0012】
充填管6は、充填材を輸送するための管路であって、杭本体3の内部において杭本体3の上部から下部に配管されている。充填管6の上端は、杭本体3の内部において上蓋5の下側に位置しており、充填管6の下端は貫通孔32と連通している。充填管6の下端部には、逆止弁(図示せず)が設けられている。
注水管7は、杭本体3内に水を送水する管路であって、杭本体3の内部において、杭本体3の上部から下部に配管されている。注水管7の上端は注水孔51に接続されていて、注水管7の下端は、杭本体3の内空下部であって、下蓋4の上方において開口している。
【0013】
以下、埋込杭2の施工方法について説明する。
図3に埋込杭2の施工方法の手順を示す。本実施形態の埋込杭2の施工方法は、
図3に示すように、準備工程S1と、掘削工程S2と、杭移送工程S3と、建て起こし工程S4と、挿入工程S5と、充填工程S6を備えている。
準備工程S1では、台船Bsを介して埋込杭2を所定の保管場所に移送する。
図4(a)および(b)に準備工程S1を示す。埋込杭2は、
図4(a)に示すように、クレーン船等を利用して台船Bsから保管場所の水上に荷下ろしする。水上に下ろした際に埋込杭2の水に浸かる側の側面には、水生生物付着防止用のカバー材(図示せず)を取り付けておく。また、注水孔51および排気孔52のバルブは閉じておき、埋込杭2の内部に水が浸入することを防止する。充填管6には逆止弁が設けられているため、充填管6内に水が浸入することが防止されている。
水上に荷下ろしされた埋込杭2は、
図4(b)に示すように、水上に浮かべた状態で係留する。このとき、埋込杭2は、水底に一端が固定された複数の係留索(ワイヤーやロープなど)などを利用して係留する。本実施形態の係留索Rは、水底に設けられたシンカーブロックSBを介して一端が水底に固定されている。また、シンカーブロックSBには、灯浮標LBが取り付けられている。さらに、係留索Rには、係留索Rが沈むことを塞ぐためのブイBUが取り付けられている。
【0014】
掘削工程S2では、水底に埋込杭を設置するための掘削孔Hを形成する。
図5、
図6に掘削工程を示す。掘削工程S2では、まず、
図5(a)に示すように、埋込杭2を施工する位置にテンプレートTを設置する。次に、
図5(b)に示すように、テンプレートTにケーシングPを設置する。次に、
図6(a)に示すように、ケーシングP内に掘削機Mを据え付けて掘削孔Hの削孔を行う。掘削機Mによる掘削孔Hの削孔に伴い、ケーシングPを下降させて、孔壁の崩落を防止する。掘削孔Hを形成したら、
図6(b)に示すように、掘削機Mを撤去する。
杭移送工程S3では、埋込杭2を水上に浮かせた状態で所定の位置(施工箇所)に曳航する。
図7に杭移送工程S3を示す。埋込杭2は、曳航船Btから延設されたワイヤーWを一対のトラニオン31,31に取り付けた状態で、施工箇所まで曳航する。このとき、杭本体3の側面に複数の回転防止用浮袋33,33,…を取り付けておき、曳航時の埋込杭2の回転(主として中心軸回りの回転)を抑制し、曳航用のワイヤーWにねじれが発生することを防止する。複数の回転防止用浮袋33,33,…は、ロープにより連結されており、杭本体3の側面に沿って連続して設けられている。回転防止用浮袋33は、杭本体3に金属バンドまたはマグネットを介して固定されている。
船とワイヤーの間には、サル管を設けてワイヤーWのねじれを防止する。
【0015】
建て起こし工程S4では、埋込杭2を水中で建て起こす。
図8に建て起こし工程S4を示す。建て起こし工程S4では、杭本体3の内部に水を注水するとともに、
図9に示すように、一対のトラニオン31,31に取り付けられたワイヤーW(杭本体3の上側)を吊り上げることにより建て起こす。このとき、水の注水量を計量して、埋込杭2の見かけの重さを管理し、クレーン能力を超えないようにする。注水を開始する前に、杭本体3の上側を吊り上げ、杭本体3を傾けておくとよい。杭本体3内への注水は、注水孔51のバルブを開口して、注水管7を介して杭本体3の底部から注水する。また、排気孔52のバルブも開口しておき、注水に伴って杭本体3内の空気を排気させる。こうすることで、杭本体3の下側が重くなり、杭本体3の建て起こしが容易になる。本実施形態では、真水を注水することで、杭本体3の内部の腐食を防止することができる。
【0016】
挿入工程S5では、埋込杭2を掘削孔Hに挿入する。
図9に挿入工程を示す。挿入工程では、
図9(a)および(b)に示すように、建て起こした埋込杭2をケーシングP(掘削孔H)に挿入する。埋込杭2をケーシングP(掘削孔H)に挿入したら、上蓋5を杭本体3から取り外す。
充填工程S6では、埋込杭2と掘削孔Hとの隙間に充填材を充填する。
図10に充填工程S6を示す。充填材Fは、
図10(a)に示すように、充填管6を介して、埋込杭2の下部に形成された貫通孔32(
図2参照)から注入する。充填材Fは、充填管6の上端に接続された圧送管(図示せず)を介して圧送し、掘削孔Hの底部に圧入する。充填材Fの注入(充填材の上端面の上昇)に伴って、ケーシングPを引き上げることにより、埋込材2と掘削孔Hとの隙間に充填材を充填する。充填材の充填後、
図10(b)に示すように、テンプレートTを撤去する。
【0017】
本実施形態の埋込杭2および埋込杭2の施工方法によれば、埋込杭2を建て起こす際に、内部に水を注水することで、埋込杭2の下端側を重くして埋込杭2を傾けるため、埋込杭2を建て起こしやすくなる。また、埋込杭2の内部に空気溜まりを確保しながら建て起こせば、埋込杭2の重量がクレーンの揚重能力を超える場合であっても、浮力を利用して建て起こすことが可能となる。
また、埋込杭2の下部は下蓋4により閉塞されているため、掘削孔H内に注入した充填材Fが杭本体3内に流入することが防止されている。そのため、充填材Fの注入量を必要最小限に抑えることが可能となり、その結果、施工の効率化および費用の低減化が可能となる。
【0018】
埋込杭2に注水することで、埋込杭2の重量を調節することができ、埋込杭2を確実に着底させることができる。
埋込杭2に注水しておくことで、充填材注入時の圧力によって埋込杭2が浮き上がることを防止できる。
また、上蓋5には、注水孔51および排気孔52が形成されているため、埋込杭2の上端からの注水および排気が可能となる。
また、充填管6に逆止弁が設けられていれば、充填管6内に水が流入すること、および、充填材が逆流することを抑制できる。
また、建て起こし工程S4において、水の注水量を計量して、埋込杭2の見かけの重さを管理すれば、埋込杭2を建て起こす際のバランスを保つことができるため、クレーンへの負荷を最小限に抑えることができる。
【0019】
埋込杭2を水上に浮かせた状態で、所定の位置に曳航するため、所定の位置に移動させた後は、積み替え作業などを要しない。また、保管本数に制限なく保管できる。
また、1本ずつ輸送できるため、クレーン船に積み込んで輸送する必要がない。そのため、作業船であるクレーン船を杭の輸送のために移動させる必要がなく、工期(施工サイクル)短縮化が可能となる。
また、埋込杭2を水上に浮かべた状態で保管するため、保管用の台船や用地を確保する必要がなく、費用の低減化が可能である。
【0020】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、埋込杭2を水上風力発電施設1の杭基礎13に使用する場合について説明したが、埋込杭2により支持する構造物は限定されるものではない。
また、杭本体3の形状は限定されるものではない。また、杭本体3は必ずしも上端が縮径されている必要はない。
【0021】
前記実施形態では、下蓋4が杭本体3の下端に固定されている場合について説明したが、下蓋4は、杭本体3の内部において、杭本体3の下部に固定されていてもよい。
同様に、前記実施形態では、上蓋5が杭本体3の上端に固定されている場合について説明したが、上蓋5は、杭本体3の内部において、杭本体3の上部に固定されていてもよい。
また、実施形態では、注水孔51および排気孔52にバルブが設けられている場合について説明したが、注水孔51および排気孔52には、バルブに代えて逆止弁や閉塞キャップが設けられていてもよい。
【0022】
前記実施形態では、充填管6に逆止弁が設けられている場合について説明したが、充填管6に水が入り込むことを防止できれば逆止弁に限定されるものではなく、例えば、バルブや閉塞キャップであってもよい。バルブを使用する場合には、充填材Fを注入する際に開き、それ以外は閉じておけばよい。また、閉塞キャップを使用する場合は、充填材Fを注入する際の充填材Fの圧力によって取り外されるようにすればよい。
充填管6は、上蓋5を貫通して配管されていてもよい。
注水管7は必要に応じて配管すればよい。
前記実施形態では、杭本体3に真水(淡水)を注水するものとしたが、杭本体3に注水する水は限定されるものではなく、例えば海水や脱塩海水であってもよい。
【符号の説明】
【0023】
1 水上風力発電施設
2 埋込杭
3 杭本体
31 トラニオン
32 貫通孔
4 下蓋
5 上蓋
51 注水孔
52 排気孔
6 充填管
7 注水管
G 地盤
GL 水底
H 掘削孔