(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089836
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】衣類乾燥暖房システム
(51)【国際特許分類】
F24D 5/00 20220101AFI20240627BHJP
F24H 15/10 20220101ALI20240627BHJP
F24H 15/254 20220101ALI20240627BHJP
F24H 15/325 20220101ALI20240627BHJP
D06F 58/02 20060101ALI20240627BHJP
F24H 15/235 20220101ALI20240627BHJP
F24H 15/345 20220101ALI20240627BHJP
【FI】
F24D5/00 A
F24H15/10
F24H15/254
F24H15/325
D06F58/02 C
F24H15/235
F24H15/345
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205290
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】太田 将嵩
【テーマコード(参考)】
3B166
3L071
【Fターム(参考)】
3B166AA24
3B166AB24
3B166AB29
3B166AE05
3B166AE07
3B166BA22
3B166BA43
3B166BA92
3B166EA03
3B166EA15
3B166EE04
3B166JM02
3B166JM03
3L071AA01
3L071AB03
3L071AC06
3L071AD02
3L071AD03
3L071AF03
3L071AG01
3L071AG03
(57)【要約】
【課題】燃焼式加熱源の燃焼排気を用いて衣類の乾燥を効率よく行うことができ、しかも、室内の空気の鮮度を低下させることなく衣類乾燥装置から排出される燃焼排気を用いて暖房を行うことができる衣類乾燥暖房システムを提供する。
【解決手段】衣類乾燥暖房システムは、収容室6に収容した衣類を乾燥させる衣類乾燥装置1と、収容室6の内部へ衣類乾燥用の燃焼排気を供給する燃焼式加熱源7と、収容室6から燃焼排気を導出する排気通路9と、排気通路9に接続されて焼排気が内部を通過することで当該燃焼排気の放熱により加温された空気を供給する排気熱交換器15を備えた暖房装置2とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室に収容した衣類を乾燥させる衣類乾燥装置と、
前記収容室の内部へ衣類乾燥用の燃焼排気を供給する燃焼式加熱源と、
前記収容室から燃焼排気を導出する排気通路と、
前記排気通路に接続されて燃焼排気が内部を通過することで当該燃焼排気の放熱により加温された空気を供給する放熱装置とを備えることを特徴とする衣類乾燥暖房システム。
【請求項2】
請求項1記載の衣類乾燥暖房システムにおいて、
前記放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出する排気温度検出装置と、
前記放熱装置を迂回して燃焼排気を流動させるべく前記放熱装置の上流側で前記排気通路から分岐するバイパス通路と、
前記放熱装置と前記バイパス通路との間で燃焼排気の流動を切り換える切換装置と、
前記衣類乾燥装置及び前記切換装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記排気温度検出装置による検出温度が前記切換装置の制御用に予め設定された温度以下であるとき、燃焼排気が前記放熱装置を迂回して前記バイパス通路を流れるように前記切換装置を制御することを特徴とする衣類乾燥暖房システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の衣類乾燥暖房システムにおいて、
前記放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出する排気温度検出装置と、
前記放熱装置を通過する空気流を発生させる送風装置と、
前記衣類乾燥装置及び前記送風装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記排気温度検出装置による検出温度が前記送風装置の制御用に予め設定された温度以下であるとき、前記送風装置の運転を禁止することを特徴とする衣類乾燥暖房システム。
【請求項4】
請求項1記載の衣類乾燥暖房システムにおいて、
前記放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出する排気温度検出装置と、
前記燃焼式加熱源とは異なる他の加熱源を有する他の放熱装置と、
前記衣類乾燥装置、前記放熱装置、及び前記他の放熱装置を夫々制御する制御装置と、
操作により前記制御装置に対して放熱指示を出力する操作装置とを備え、
前記制御装置は、前記操作装置から放熱指示が入力されたとき、
前記衣類乾燥装置が動作中、且つ前記排気温度検出装置による検出温度が前記制御装置の制御のために予め設定された制御温度を超えている場合に、前記放熱装置を動作させ、
前記衣類乾燥装置が動作中、且つ前記排気温度検出装置による検出温度が前記制御温度以下の場合に、前記他の放熱装置を動作させ、
前記衣類乾燥装置が非動作中の場合に、他の放熱装置を動作させることを特徴とする衣類乾燥暖房システム。
【請求項5】
請求項1記載の衣類乾燥暖房システムにおいて、
前記放熱装置が設置された室内温度を検出する室温検出装置と、
前記放熱装置を通過する空気流を発生させる送風装置と、
前記衣類乾燥装置と前記送風装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記衣類乾燥装置が動作中、且つ前記室温検出装置による検出温度が予め設定された暖房必要温度以下の場合、前記送風装置を動作させることを特徴とする衣類乾燥暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類乾燥暖房システムに関し、詳しくは、衣類乾燥装置による衣類乾燥を行うだけでなく衣類乾燥装置から排出された温風の熱を利用して暖房を行う衣類乾燥暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
衣類乾燥装置は、衣類(主に脱水後の洗濯物)を収容する収容室を備え、この収容室に加熱された乾燥用空気を供給することにより収容室に収容された衣類を乾燥させる。
【0003】
従来、収容室に供給して衣類を乾燥させる乾燥用空気を加熱生成するために、給湯器等からの温水の熱を用いる衣類乾燥装置が知られており、更に、このように温水を用いる衣類乾燥装置においては、衣類乾燥に使用した後の乾燥用空気を、例えば浴室或いは脱衣室等の室内に吹き出すことで、暖房を行うものが提案されている(下記特許文献1参照)。
【0004】
ところで、衣類乾燥装置における乾燥用空気としては、温水以外に、ガス等の燃料を燃焼させて得られる燃焼排気を用いたものも知られている。この衣類乾燥装置は、燃焼式加熱源の燃焼排気を収容室に供給して衣類乾燥を行う。これによれば、燃焼排気の比較的高い温度により短時間で衣類を乾燥させることができ、また、燃焼排気に含まれる水分の作用により衣類の過剰乾燥が防止でき、衣類の傷みが少なく肌触りのよい仕上がりが得られる。そのため、近年では、燃焼式加熱源の燃焼排気を用いた衣類乾燥装置が広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、燃焼式加熱源の燃焼排気を用いる衣類乾燥装置においては、衣類乾燥に使用した燃焼排気を浴室等の室内に吹き出して暖房を行うと、室内の空気の鮮度を低下させるおそれがある。
【0007】
上記の点に鑑み、本発明は、燃焼式加熱源の燃焼排気を用いて衣類の乾燥を効率よく行うことができ、しかも、室内の空気の鮮度を低下させることなく衣類乾燥装置から排出される燃焼排気を用いて暖房を行うことができる衣類乾燥暖房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、第1発明による衣類乾燥暖房システムは、収容室に収容した衣類を乾燥させる衣類乾燥装置と、前記収容室の内部へ衣類乾燥用の燃焼排気を供給する燃焼式加熱源と、前記収容室から燃焼排気を導出する排気通路と、前記排気通路に接続されて燃焼排気が内部を通過することで当該燃焼排気の放熱により加温された空気を供給する放熱装置とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記第1発明によれば、衣類乾燥装置が燃焼式加熱源の燃焼排気を収容室に供給して、燃焼排気による衣類の乾燥を行うことにより、衣類の乾燥を高効率に行うことができる。そして、衣類の乾燥に使用された燃焼排気は、収容室から排出されて排気通路を流れる。排気通路には、放熱装置が接続されている。放熱装置は、排気通路から燃焼排気が流れ込むことで、燃焼排気の熱を放出させる。これにより、放熱装置が設けられた空間の空気が暖められる。
【0010】
このように、衣類乾燥装置で衣類の乾燥に用いられた後の燃焼排気は、暖房により再利用することができる。このとき、放熱装置によって、燃焼排気から熱のみが取り出される室内の暖房が行われ、燃焼排気の成分や湿気が暖房時の室内に放出されることがないので、室内の空気の鮮度の低下や不要な湿度の上昇を防止して燃焼排気の熱を再利用することができる。
【0011】
また、第2発明による衣類乾燥暖房システムは、前記第1発明において、前記放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出する排気温度検出装置と、前記放熱装置を迂回して燃焼排気を流動させるべく前記放熱装置の上流側で前記排気通路から分岐するバイパス通路と、前記放熱装置と前記バイパス通路との間で燃焼排気の流動を切り換える切換装置と、前記衣類乾燥装置及び前記切換装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記排気温度検出装置による検出温度が前記切換装置の制御用に予め設定された制御温度以下であるとき、燃焼排気が前記放熱装置を迂回して前記バイパス通路を流れるように前記切換装置を制御することを特徴とする。
【0012】
燃焼排気の温度が低い場合には、燃焼排気を放熱装置に導入しても放熱装置からは十分に放熱されず、所望の暖房効果が得られない。そこで、上記第2発明は、排気温度検出装置により放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出し、このときの検出温度が例えば放熱装置の放熱で暖房が行える最低温度(切換装置の制御用に予め設定された制御温度に相当)以下のときは、燃焼排気をバイパス通路に流す。
【0013】
これにより、放熱装置の無駄な作動を防止することができるだけでなく、燃焼排気の流れに抵抗が付与されるおそれのある放熱装置を迂回して、バイパス通路により燃焼排気を円滑に流動させて排出することができる。
【0014】
また、第3発明による衣類乾燥暖房システムは、前記第1発明又は前記第2の発明において、前記放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出する排気温度検出装置と、前記放熱装置を通過する空気流を発生させる送風装置と、前記衣類乾燥装置及び前記送風装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記排気温度検出装置による検出温度が前記送風装置の制御用に予め設定された制御温度以下であるとき、前記送風装置の運転を禁止することを特徴とする。
【0015】
放熱装置によって放熱された燃焼排気の熱は、自然対流により室内に拡散するようにしてもよいが、送風装置により放熱装置の熱を温風として強制的に室内に送出することで、室内温度が円滑に上昇して暖房時の効率が向上する。その反面、空気流に触れた時の体感温度は実際の温度よりも低く感じられるため、放熱装置の熱が不十分であると、送風装置による温風に触れたときに冷たく感じるおそれがある。
【0016】
そこで、上記第3発明は、排気温度検出装置により放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出し、このときの検出温度が例えば放熱装置の放熱で十分に暖かい温風が生成される最低温度(送風装置の制御用に予め設定された制御温度に相当)以下のときは、制御装置が送風装置の運転を禁止する。
【0017】
これにより、十分に暖かい温風が生成される場合にのみ送風装置が作動するので、暖房中に冷たく感じるような温風が送風装置により送出されることを防止することができる。
【0018】
また、第4発明による衣類乾燥暖房システムは、前記第1発明において、前記放熱装置の上流側で燃焼排気の温度を検出する排気温度検出装置と、前記燃焼式加熱源とは異なる他の加熱源を有する他の放熱装置と、前記衣類乾燥装置、前記放熱装置、及び前記他の放熱装置を夫々制御する制御装置と、操作により前記制御装置に対して放熱指示を出力する操作装置とを備え、前記制御装置は、前記操作装置から放熱指示が入力されたとき、前記衣類乾燥装置が動作中、且つ前記排気温度検出装置による検出温度が前記制御装置の制御のために予め設定された制御温度を超えている場合に、前記放熱装置を動作させ、前記衣類乾燥装置が動作中、且つ前記排気温度検出装置による検出温度が前記制御温度以下の場合に、前記他の放熱装置を動作させ、前記衣類乾燥装置が非動作中の場合に、他の放熱装置を動作させることを特徴とする。なお、第4発明は、前記第2発明又は前記第3発明にも適用可能である。
【0019】
燃焼式加熱源とは異なる他の加熱源として、例えば温水を生成する給湯器を挙げることができる。そして、他の放熱装置としては、例えば給湯器から供給される温水から放熱することで空気を加温する放熱装置を挙げることができる。
【0020】
上記第4発明によれば、操作装置の操作により制御装置に対して放熱指示が入力されると、次の条件に応じて暖房が行われる。即ち、衣類乾燥装置による衣類の乾燥運転が行われていて且つ排気温度検出装置による検出温度が例えば放熱装置の放熱で十分に暖かい温風が生成される最低温度(制御装置の制御のために予め設定された制御温度に相当)を超えている場合、放熱装置による暖房が行われる。一方、衣類乾燥装置による衣類の乾燥運転が行われていて且つ排気温度検出装置による検出温度が例えば放熱装置の放熱で十分に暖かい温風が生成される最低温度以下の場合、又は、衣類乾燥装置による衣類の乾燥運転が行われていない場合、他の放熱装置による暖房が行われる。
【0021】
このように、衣類乾燥装置からの燃焼排気を用いて暖房が行える場合には、放熱装置によって燃焼排気の熱を再利用し、衣類乾燥装置からの燃焼排気を用いた暖房を行うことができない場合には、他の放熱装置によって暖房を行う。これによれば、暖房が所望される場合には、できるだけ燃焼排気の熱を再利用することができ、しかも、燃焼排気の熱が再利用できない場合でも、暖房を行うことができるので、使い勝手がよい。
【0022】
また、第5発明による衣類乾燥暖房システムは、前記第1発明において、前記放熱装置が設置された室内温度を検出する室温検出装置と、前記放熱装置を通過する空気流を発生させる送風装置と、前記衣類乾燥装置と前記送風装置の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記衣類乾燥装置が動作中、且つ前記室温検出装置による検出温度が予め設定された暖房必要温度以下の場合、前記送風装置を動作させることを特徴とする。なお、第5発明は、前記第2発明、前記第3発明、及び前記第4発明の何れかにおいても適用可能である。
【0023】
上記第5発明によれば、制御装置は、衣類乾燥装置による衣類の乾燥運転が行われていて且つ室温検出装置による検出温度が暖房必要温度以下の場合、放熱装置による暖房を行う。これによれば、制御装置が、室内の温度が低いために暖房が所望される状況であると判断して、自動的に放熱装置による暖房が開始されるので、例えば、入室に先立って当該室内の暖房を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態の衣類乾燥暖房システムの概略構成を示す図。
【
図3】第1実施形態における放熱装置の構成を模式的に示す図。
【
図4】本発明の第2実施形態における放熱装置の構成を模式的に示す図。
【
図5】本発明の第3実施形態の衣類乾燥暖房システムの概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。第1実施形態の衣類乾燥暖房システムは、
図1に示すように、衣類乾燥装置1と、暖房装置2とを備えている。暖房装置2は、脱衣室3の天井に設けられている。更に、浴室4の天井にも、同じ構成の暖房装置2を設けることができる。
【0026】
本実施形態においては、衣類乾燥装置1は、脱衣室3に設置されている。ただし、ベランダ等の別の場所に設置されていてもよい。
【0027】
衣類乾燥装置1は、
図2に示すように、内部に衣類5(洗濯によって脱水された後の洗濯物であり、衣服に限らずタオルやシーツ等も含むものとする)を収容する回転ドラム6と、回転ドラム6に燃焼排気を供給するガスバーナ7と、回転ドラム6に気流を生成すると共に回転ドラムから燃焼排気及び湿気を強制的に排出する排気ファン8とを備えている。回転ドラム6から排出された燃焼排気及び湿気は、排気ファン8の下流に接続された排気ダクト9により、例えば屋外の排気口へ向かって導出される。回転ドラム6、ガスバーナ7、排気ダクト9は、夫々、本発明における収容室、燃焼式加熱源、排気通路に相当する。
【0028】
回転ドラム6と排気ファン8とは、ベルト10a、10bを介してモータ11により回転駆動される。ガスバーナ7は、弁装置12を介して供給される燃料ガスにより燃焼し、このとき発生する燃焼排気が回転ドラム6の内部へ送り出されて乾燥用空気として使用される。
【0029】
また、衣類乾燥装置1には、各種の運転指示を行う操作装置13と、衣類乾燥装置1や後述する各部の制御を行う制御装置14が設けられている。操作装置13は、衣類の乾燥運転のON/OFFスイッチや、暖房のON/OFFスイッチ等を備えている。なお、操作装置13や制御装置14は、図示しないが、脱衣室3や浴室4に設置されるリモコン等の形態により衣類乾燥装置1の外部に設けられていてもよい。
【0030】
暖房装置2は、
図3に示すように、排気ダクト9に介設された排気熱交換器15を備えている。排気熱交換器15は、燃焼排気が内部を通過することにより、放熱による熱交換を行って暖房用空気を生成する。排気熱交換器15が生成した暖房用空気は、送風ファン16とファンモータ17からなる送風装置により強制的に室内に放出される。排気熱交換器15は、本発明における放熱装置に該当する。
【0031】
衣類乾燥装置1から導出された燃焼排気は、排気熱交換器15により熱交換されて室内に流入することなく、排気ダクト9により排気口から屋外へ排出される。これにより、室内の空気の鮮度を低下させることなく暖房を行うことができる。
【0032】
また、排気ダクト9における排気熱交換器15よりも上流側には、排気ダクト9を流れる燃焼排気の温度を検出する排気温度センサ18(排気温度検出装置)が設けられている。また、脱衣室3(及び浴室4)には、室内の温度を検出する室温センサ19(室温検出装置)が設けられている。排気温度センサ18と室温センサ19との検出温度は制御装置14(
図2参照)に入力される。
【0033】
第1実施形態に係るシステムの運転について説明する。暖房装置2は、操作装置13による暖房ON(放熱指示)又は、室温センサ19の検出温度が暖房必要温度(例えば19℃)以下となったとき、作動を開始する。
【0034】
暖房装置2は、衣類乾燥装置1から排出される燃焼排気が排気熱交換器15を通過することで放熱する。このとき、排気熱交換器15により暖められた空気を送風ファン16により室内に送出させることで、暖められた空気が室内全体に広がり、暖房効率が向上する。
【0035】
一方、衣類乾燥装置1から排出される燃焼排気の温度が低いと、排気熱交換器15での放熱量が少なくなり、この状態で送風ファン16により室内に送出される空気に触れると、冷風感により不快となるおそれがある。
【0036】
そこで、制御装置14は、排気温度センサ18の温度が比較的低いとき(送風装置の制御用に予め設定された温度以下のとき)、送風ファン16を駆動させない(送風装置の運転を禁止する)。これにより、暖房装置2における冷風感の発生を防止することができる。
【0037】
具体的には、本実施形態では、制御装置14は、排気温度センサ18の温度が40℃(送風装置の制御用に予め設定された温度の一例)を超えているときに送風ファン16を駆動させ、排気温度センサ18の温度が40℃以下のときは、送風ファン16を作動させないようにした。なお、本発明における送風装置を制御するために予め設定された温度は、40℃に限るものではなく、排気熱交換器15の容量等や設置環境に応じて適宜設定される。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態について
図4A及び
図4Bを参照して説明する。第2実施形態の衣類乾燥暖房システムは、前述した第1実施形態と同様の衣類乾燥装置1と暖房装置2とを備えているが、
図4A及び
図4Bに示すように、排気ダクト9がバイパス通路20とダンパ21(切換装置)を備え、制御装置14にダンパ21を制御する機能を備える点が第1実施形態と異なっている。
【0039】
バイパス通路20は、上流端が、暖房装置2の排気熱交換器15の上流側の排気ダクト9から分岐して接続され、下流端が、排気熱交換器15の下流側で排気ダクト9に合流する。
【0040】
ダンパ21は、
図4Aに示すように、バイパス通路20の上流端を遮断することで燃焼排気が暖房装置2の排気熱交換器15へ流れるようにする。また、ダンパ21は、
図4Bに示すように、暖房装置2の排気熱交換器15の上流側の排気ダクト9を遮断することでバイパス通路20の上流端を開放し、燃焼排気をバイパス通路20へ流す。
【0041】
制御装置14は、排気温度センサ18の温度が比較的低いとき(切換装置の制御用に予め設定された温度以下のとき)、
図4Bに示すように、ダンパ21により暖房装置2の排気熱交換器15の上流側の排気ダクト9を遮断し、バイパス通路20の上流端を開放する。これにより、暖房装置2の無駄な作動を防止し、燃焼排気の流れに抵抗が付与されるおそれのある排気熱交換器15を迂回して、バイパス通路20により燃焼排気を円滑に流動させて排出することができる。
【0042】
具体的には、本実施形態では、制御装置14は、排気温度センサ18の温度が40℃(切換装置の制御用に予め設定された温度の一例)を超えているときに、ダンパ21によりバイパス通路20を遮断し、排気温度センサ18の温度が40℃以下のときは、ダンパ21によりバイパス通路20を開放して暖房装置2の排気熱交換器15の上流側の排気ダクト9を遮断するようにした。なお、本発明における切換装置の制御用に予め設定された温度は、40℃に限るものではなく、排気熱交換器15の容量等や設置環境に応じて適宜設定される。
【0043】
更に、制御装置14は、ダンパ21がバイパス通路20の上流端を開放するときには、送風ファン16の駆動を禁止する。これによれば、暖房装置2における冷風感の発生を防止することができる。
【0044】
次に、本発明の第3実施形態について
図5を参照して説明する。第3実施形態においては、衣類乾燥装置1及び暖房装置2は第2実施形態と同じであるが、
図5に示すように、暖房装置2とは別に脱衣室の暖房を行う暖房装置22を備え、暖房装置22に浴室暖房乾燥装置23が接続されている点が第2実施形態と異なっている。暖房装置22は、浴室暖房乾燥装置23を介して、給湯器等(図示しない)で生成された温水が供給されるようになっている。暖房装置22は、本発明の他の放熱装置に該当し、温水を生成する給湯器等は、本発明の他の加熱源に該当する。
【0045】
第3実施形態のシステム構成は、暖房装置2と暖房装置22とは脱衣室3に設けられており、浴室暖房乾燥装置23は浴室4に設けられている。暖房装置22は、浴室暖房乾燥装置23から延びる温水配管24に接続されている。暖房装置22の上流側の温水配管24には切換え弁25が介設されている。
【0046】
また、暖房装置22は、詳しくは図示省略するが、内部に温水熱交換器を備えている。温水熱交換器は、浴室暖房乾燥装置23を介して供給される温水を放熱させ、これによって暖房を行うことができるものとなっている。暖房装置22は、衣類乾燥装置1の燃焼排気により暖房を行う暖房装置2を補うように作動する。このため、衣類乾燥装置1に設けた制御装置14に暖房装置22を制御する機能が設けられる。
【0047】
第3実施形態に係るシステムの運転について説明する。制御装置14は、操作装置13により暖房ONが入力されると以下のようにして暖房用の制御を行う。
【0048】
即ち、制御装置14は、衣類乾燥装置1が動作中であって、且つ、排気温度センサ18による検出温度が、例えば40℃(制御装置の制御のために予め設定された制御温度)を超えている場合に、暖房装置2を動作させる。また、制御装置14は、衣類乾燥装置1が動作中であって、且つ、排気温度センサ18による検出温度が、例えば40℃(制御装置の制御のために予め設定された制御温度)以下の場合には、暖房装置22を動作させる。また、制御装置14は、衣類乾燥装置1が作動していないときには、暖房装置22を動作させる。
【0049】
このように、暖房装置22を設けることにより、暖房が所望される場合には衣類乾燥装置1の燃焼排気の温度が低くても暖房を行うことができる。
【0050】
以上のように本発明の実施形態を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、第3実施形態では他の加熱源を給湯器の温水を供給する給湯器としたが、別途設けた燃焼式加熱源を他の加熱源とし、燃焼排気を他の放熱装置での放熱に利用してもよい。また、第3実施形態では暖房装置22は浴室暖房乾燥装置23を介して温水が供給されているが、浴室暖房乾燥装置23を介さずに給湯器から直接温水が供給されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…衣類乾燥装置、2…暖房装置、3…脱衣室、4…浴室、6…回転ドラム(収容室)、7…ガスバーナ(燃焼式加熱源)、9…排気ダクト(排気通路)、13…操作装置、14…制御装置、15…排気熱交換器(放熱装置)、16…送風ファン(送風装置)、18…排気温度センサ(排気温度検出装置)、19…室温センサ(室温検出装置)、20…バイパス通路、21…ダンパ(切換装置)、22…暖房装置(他の放熱装置)、23…浴室暖房乾燥装置。