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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089891
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】FAX管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205408
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000238049
【氏名又は名称】冨士電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】山下 仁
(72)【発明者】
【氏名】小松 誠也
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】複数の拠点で受信したFAXの処理作業をより効率良く実施可能な手段を提供すること。
【解決手段】各拠点のFAX装置で受信したFAXデータBを集約する集約部10、集約したFAXデータBに対し、ユーザ操作による加工を可能とする、加工部20、および所定の拠点のFAX装置に対し加工後のFAXデータCを用いたFAX送信をユーザ操作によって指示可能な送信指示部30を少なくとも具備して構成するFAX管理システムAである。各拠点に送信されたFAXデータを集約して管理するため、各拠点と各担当者の間で地理的な制約を全く受ける事なく、受信FAXの処理作業を進めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各拠点に送信されたFAXデータを集約して管理するためのFAX管理システムであって、
各拠点のFAX装置で受信したFAXデータを集約する、集約部、
集約したFAXデータに対し、ユーザ操作による加工を可能とする、加工部、および、
所定の拠点のFAX装置に対し、加工後のFAXデータを用いたFAX送信をユーザ操作によって指示可能な、送信指示部、
を少なくとも具備することを特徴とする、
FAX管理システム。
【請求項2】
前記集約部に、
集約したFAXデータを、所定の分類条件に基づいて自動分類する、自動分類部、および、
自動分類後のFAXデータに対し、ユーザ操作による振分作業を可能とする、手動振分部、
を設けることを特徴とする、
請求項1に記載のFAX管理システム。
【請求項3】
管理画面表示部を更に具備し、
前記管理画面表示部は、
ユーザの使用端末上に、管理画面を表示する機能を有し、
前記管理画面は、
前記管理画面に受信未確認管理欄を表示させる、第1のボタン、および
前記管理画面に作業未確認管理欄を表示させる、第2のボタン、
を少なくとも配置し、
前記受信未確認管理欄は、
前記自動分類部によるFAXデータの分類状況を表示する、分類状況表示欄、および、
前記分類状況表示欄からユーザによって選択されたFAXデータを表示しつつ、当該選択されたFAXデータに対して、前記手動振分部での振分作業に係るユーザ操作を受け付ける、振分設定欄、を少なくとも含み、
前記作業未確認管理欄は、
前記手動振分部によるFAXデータの振分状況を表示する、振分状況表示欄、および、
前記振分状況表示欄からユーザによって選択されたFAXデータを表示しつつ、当該選択されたFAXデータに対して、前記加工部での加工作業に係るユーザ操作と、前記送信指示部でのFAX送信指示に係るユーザ操作を受け付ける、送信内容設定欄、を少なくとも含むことを特徴とする、
請求項2に記載のFAX管理システム。
【請求項4】
前記送信内容設定欄に、さらに、
前記振分状況表示欄からユーザによって選択されたFAXデータを、自動分類後かつ振分作業前の状態に戻す処理を実行する、再振分ボタンが含まれていることを特徴とする、
請求項3に記載のFAX管理システム。
【請求項5】
件数表示部を更に具備し、
前記件数表示部は、
前記自動分類部による自動分類後のFAXデータの件数、および、前記手動振分部による振分作業後のFAXデータの件数を、前記ユーザの使用端末上にウィジェット形式で表示可能な機能を有することを特徴とする、
請求項2に記載のFAX管理システム。
【請求項6】
前記手動振分部が、少なくとも、発注書に該当するFAXデータおよび発注書に該当しないFAXデータのうち一方に振分可能に構成されており、
前記件数表示部による振分後のFAXデータの件数として、発注書に該当するFAXデータの件数のみを用いることを特徴とする、
請求項5に記載のFAX管理システム。
【請求項7】
分類条件設定部を更に具備し、
前記分類条件設定部は、
前記自動分類部での分類条件を設定可能な機能を有することを特徴とする、
請求項2に記載のFAX管理システム。
【請求項8】
権限設定部を更に具備し、
前記権限設定部は、
各ユーザに対するFAXデータの使用権限を設定可能な機能を有することを特徴とする、
請求項1に記載のFAX管理システム。
【請求項9】
加工用情報登録部を更に具備し、
前記加工用情報登録部は、
前記加工部で使用可能な加工用情報の登録機能を有することを特徴とする、
請求項1に記載のFAX管理システム。
【請求項10】
各拠点で受信したFAXデータのファイル名に、FAX送信元のFAX番号が含まれており、
前記自動分類部は、少なくとも前記FAX番号を用いて自動分類を実行することを特徴とする、
請求項2に記載のFAX管理システム。
【請求項11】
前記送信指示部が、FAX送信対象となる加工後のFAXデータのファイル名に、FAX送信先のFAX番号を含めることを特徴とする、
請求項1に記載のFAX管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各拠点に設けてあるFAX装置で受信したFAXデータを集約して管理するためのFAX管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
受信したFAXを、所定の条件に応じて自動で振り分けるサービスとして、以下の先行技術文献に記載のFAX管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-165076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のFAX管理システムは一つの拠点に配備したFAX装置で受信したFAXを振り分けるに過ぎず、複数の拠点で受信したFAXを集約する機能を想定するものではなかった。
【0005】
よって、本発明は、複数の拠点で受信したFAXの処理作業をより効率良く実施可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべくなされた本願発明は、各拠点に送信されたFAXデータを集約して管理するためのFAX管理システムであって、各拠点のFAX装置で受信したFAXデータを集約する、集約部、集約したFAXデータに対し、ユーザ操作による加工を可能とする、加工部、および、所定の拠点のFAX装置に対し、加工後のFAXデータを用いたFAX送信をユーザ操作によって指示可能な、送信指示部、を少なくとも具備することを特徴とする。
また、本願発明は、前記発明において、前記集約部に、集約したFAXデータを、所定の分類条件に基づいて自動分類する、自動分類部、および、自動分類後のFAXデータに対し、ユーザ操作による振分作業を可能とする、手動振分部、を設けるよう構成することができる。
また、本願発明は、前記発明において、管理画面表示部を更に具備し、前記管理画面表示部は、ユーザの使用端末上に、管理画面を表示する機能を有し、前記管理画面は、前記管理画面に受信未確認管理欄を表示させる、第1のボタン、および前記管理画面に作業未確認管理欄を表示させる、第2のボタン、を少なくとも配置し、前記受信未確認管理欄は、前記自動分類部によるFAXデータの分類状況を表示する、分類状況表示欄、および、前記分類状況表示欄からユーザによって選択されたFAXデータを表示しつつ、当該選択されたFAXデータに対して、前記手動振分部での振分作業に係るユーザ操作を受け付ける、振分設定欄、を少なくとも含み、前記作業未確認管理欄は、前記手動振分部によるFAXデータの振分状況を表示する、振分状況表示欄、および、前記振分状況表示欄からユーザによって選択されたFAXデータを表示しつつ、当該選択されたFAXデータに対して、前記加工部での加工作業に係るユーザ操作と、前記送信指示部でのFAX送信指示に係るユーザ操作を受け付ける、送信内容設定欄、を少なくとも含むよう構成することができる。
また、本願発明は、前記発明において、前記送信内容設定欄に、さらに、前記振分状況表示欄からユーザによって選択されたFAXデータを、自動分類後かつ振分作業前の状態に戻す処理を実行する、再振分ボタンを含むよう構成することができる。
また、本願発明は、前記発明において、件数表示部を更に具備し、前記件数表示部は、前記自動分類部による自動分類後のFAXデータの件数、および、前記手動振分部による振分作業後のFAXデータの件数を、前記ユーザの使用端末上にウィジェット形式で表示可能な機能を有するよう構成することができる。
また、本願発明は、前記発明において、前記手動振分部が、少なくとも、発注書に該当するFAXデータおよび発注書に該当しないFAXデータのうち一方に振分可能に構成されており、前記件数表示部による振分後のFAXデータの件数として、発注書に該当するFAXデータの件数のみを用いるよう構成することができる。 また、本願発明は、前記発明において、分類条件設定部を更に具備し、前記分類条件設定部は、前記自動分類部での分類条件を設定可能な機能を有するよう構成することができる。
また、本願発明は、前記発明において、権限設定部を更に具備し、前記権限設定部は、各ユーザに対するFAXデータの使用権限を設定可能な機能を有するよう構成することができる。
また、本願発明は、前記発明において、加工用情報登録部を更に具備し、前記加工用情報登録部は、前記加工部で使用可能な加工用情報の登録機能を有するよう構成することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を奏する。
(1)各拠点のFAX装置で受信したFAXデータを集約して管理するため、各拠点と各担当者の間で地理的な制約を全く受ける事なく、受信FAXの処理作業を進めることができる。
(2)集約したFAXデータに対し、自動分類および手動振分の二段階の管理を行うことで、より効率良く受信FAXの処理作業を進めることができる。
(3)種々のユーザ操作を受け付ける管理画面表示部を設けることで、ユーザによるFAXデータの振分作業、加工作業およびFAX送信指示をより効率良く進めることができる。
(4)管理画面中に再振分ボタンを別途設けておくことで、ユーザによる振分作業によって振分先を誤った場合や、事後的に振分先の修正を要することになった場合などの作業負担を軽減できる。
(5)件数表示部を設けることで、ユーザが所属する拠点での受信したFAXデータの受信未確認状況や作業未確認状況をより明確に把握することができる。
(6)件数表示部に表示する手動振分による振分作業後のFAXデータの件数として、発注書に該当するFAXデータの件数のみを用いることで、ユーザに対する営業目的のFAXなどによって表示件数が増加することが無く、ユーザにとって、受信FAXの受付処理(発注対応など)の作業量の見通しが立てやすくなる。
(7)分類条件設定部、権限設定部、加工用情報登録部を設けることで、分類条件、ユーザ毎のFAXデータの使用権限、加工用情報を細かくカスタマイズでき、企業ルールに準じた設定や、各ユーザの好みに応じた設定などが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】FAX管理システムの機能ブロック図。
図2】FAXデータの自動分類および手動振分のイメージ図。
図3】管理画面のイメージ図(1)。
図4】管理画面のイメージ図(2)。
図5】管理画面のイメージ図(3)。
図6】デスクトップ画面のイメージ図。
図7】管理画面のイメージ図(4)。
図8】管理画面のイメージ図(5)。
図9】管理画面のイメージ図(6)。
図10】FAX管理システムのシステム構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の構成および実施例について説明する。
【0010】
<1>全体構成(図1
本発明に係るFAX管理システムは、各拠点で受信するFAXデータを集約して管理するためのシステムである。
本発明に係るFAX管理システムは、例えば、顧客から商品の発注書をFAXで受領する場合の受注処理などで使用することができる。
【0011】
図1に、本発明に係るFAX管理システムの機能ブロック図を示す。
本発明に係るFAX管理システムAは、集約部10、加工部20および送信指示部30を少なくとも具備し、その他、必要に応じて、管理画面表示部40、件数表示部50、分類条件設定部60、権限設定部70および加工用情報登録部80から任意の各部を追加して構成することができる。
【0012】
各部は、ハードウェアおよびソフトウェアを任意に組み合わせて構成することができ、その他、各部を個別の装置とする構成や、一つの装置で複数の各部を兼用する構成など、種々の構成を採用することができる。
本発明では、拠点の数、FAX装置の数、各部の数、各部の配置場所、および各拠点における構成の異同などは特段限定しない。
以下、各部の詳細について説明する。
【0013】
<2>集約部(図1
集約部10は、各拠点のFAX装置で受信したFAXデータBを集約する機能を有する要素である。
集約部10は、各拠点に設置されているFAX装置との間で情報の送受信を可能に構成しており、各FAX装置で受信したFAXデータBの転送を受ける形で、各拠点で受信したFAXデータBを集約する。
【0014】
<2.1>FAXデータ(図1
以下、FAXデータBの詳細について説明する。
【0015】
<2.1.1>データ形式
本発明において、集約部10でFAXデータBを取り扱う際のデータ形式は特段限定しないが、例えば、FAX装置で受信したFAX信号をTIFF形式などの画像ファイルに変換したデータや、pdf形式やXPS形式などの文書ファイルに変換したデータなどがある。この変換作業は、FAX装置に予め備えてある機能で実現してもよいし、FAX装置と集約部との間に介在させた新規の装置で実現してもよい。
【0016】
<2.1.2>ファイル名
本発明において、集約部10で取り扱うFAXデータBのファイル名は特段限定しないが、例えば、後述する自動分類部11でファイル名による自動分類を行う際には、FAX装置側でFAXデータBを転送する際に、FAX装置側でファイル名の中に[送信元のFAX番号]、[送信元の会社名]、[FAXの受信日時]などを予め付与させておくことが好ましい。
このうち、[送信元の会社名]には、FAX装置内で登録される顧客の住所録において、送信元のFAX番号が登録されている会社名を用いてもよい。
なお、送信元のFAX番号がこれらの住所録に登録されていない場合には、ファイル名中の[送信元の会社名]の箇所を「不明」としておいてもよい。
【0017】
<2.2>FAXデータの整理機能(図1
本発明では、集約部10によるFAXデータBの集約を行う際に、各FAXデータBの整理を行うべく、以下の自動分類部11および手動振分部12を用意することができる。
以下、各部の詳細について説明する。
【0018】
<2.2.1>自動分類部(図1
自動分類部11は、集約したFAXデータBを、所定の分類条件に基づいて自動分類するための要素である。
分類条件の項目としては、例えばFAXデータBのファイル名などから取得可能な、FAX送信元の情報(送信元のFAX番号、送信元の会社名など)を使用することができる。
図1では、FAXデータBのファイル名を「[送信元FAX番号]_[会社名]_[受信日時].tiff」と設定している。
自動分類部11では、FAX送信元の情報に基づき、予め設定されている分類条件に従って、FAXデータBを所定のフォルダに適宜保存する。
分類条件の設定には、後述する分類条件設定部60を用いることができる。
【0019】
<2.2.2>手動振分部(図1
手動振分部12は、自動分類部11によって自動分類されたFAXデータに対し、ユーザ操作による振分作業を行うための要素である。
この振分項目は、本発明に係るシステムの使用用途に応じて、受信側のユーザで適宜設定可能に構成することが好ましい。
例えば、本発明に係るFAX管理システムAを、顧客からの商品の発注書をFAXで受領する際の受注処理に使用する場合には、商品の出荷便別などで項目分けすることが考えられ、その他にも、例えば、担当者別、緊急度別などで項目分けを行ってもよい。
ユーザ操作によって振分作業が行われたFAXデータBは、自動分類部11によって保存されていたフォルダから、別のフォルダへと移動することになる。
【0020】
<2.3>FAXデータの保存態様(図2
図2に、受信したFAXデータBに対し、自動分類および手動振分が行われる際の各フォルダ内への保存態様の一例を示す。
図2に示した各フォルダの詳細は以下の通りである。
(1)ルートフォルダ
本発明に係るFAX管理システムAにおいてFAXデータBの管理領域の最上位フォルダである。図2では[ルートフォルダ]の名称が付されている。
(2)拠点名
FAXを受信した拠点毎に用意されるフォルダである。図2では[ルートフォルダ]の直下に[拠点X]~[拠点Z]までのフォルダが用意されている。
(3)受信フォルダ
自動分類部11による自動分類後のFAXデータBが保存される親フォルダである。図2では、[拠点名]に係るフォルダの直下に[受信フォルダ]が用意されている。
(4)会社名
送信元の情報毎に用意されるフォルダである。当該フォルダ内に保存されたFAXデータBが、フォルダ名に係る会社から送信されたものであることを示す。図2では[甲会社]、[乙会社]および[不明]のフォルダが用意されている。
(5)振分フォルダ
手動振分部12による振分後のFAXデータBが保存される親フォルダである。図2では、[拠点名]に係るフォルダの直下に[振分フォルダ]が用意されている。
(6)振分項目
ユーザによって設定された振分項目毎に用意されるフォルダである。図2では、[振分フォルダ]の直下に、[AM便]および[PM便]のフォルダが用意されている。[AM便]は、例えば午前中に到着予定の案件を指している。
【0021】
<2.3.1>自動分類例(図2
例えば、FAXデータBが、拠点Xで受信した甲会社からのFAXによるものである場合、拠点XのFAX装置は、該当するFAXデータを[ルートフォルダ/拠点X/受信フォルダ]に転送する。
自動分類部11は、転送されてきたFAXデータBのファイル名から[送信元FAX番号(03・・・)]をデータベース検索して取得した会社名、またはFAXデータBのファイル名に付されている[会社名(甲会社)]に基づき、予め設定されている分類条件と照合して、FAXデータBを甲会社からのFAXと判断して[ルートフォルダ/拠点X/受信フォルダ/甲会社]へと分類する。
【0022】
<2.3.2>手動振分例(図2
次に、ユーザは、[ルートフォルダ/拠点X/受信フォルダ/甲会社]にある自動分類後のFAXデータを閲覧し、発注内容を確認し、受注番号の確保や手配準備を進める。
ユーザは、確認した発注内容によってAM便として処理すべき内容と判断した場合には、手動振分部12は、ユーザによる振分操作を受け付けて、該当するFAXデータを[ルートフォルダ/拠点X/振分フォルダ/甲会社/AM便]へと移動させる。
<3>加工部(図1
加工部20は、集約したFAXデータに対し、ユーザ操作による加工機能を有する要素である。
加工部20は、後述する管理画面表示部40によってユーザの使用端末に表示させる管理画面上で、選択したFAXデータに対し、テキストデータやスタンプ画像、定型文の追加などの各種の加工処理を施すことができる。
加工処理の詳細なイメージは、後述する管理画面表示部40の欄で説明する。
【0023】
<4>送信指示部(図1
送信指示部30は、所定の拠点のFAX装置に対し、加工後のFAXデータCを用いたFAX送信をユーザ操作によって指示可能な機能を有する。
このFAX送信の送信先となる拠点は、通常、加工後のFAXデータCの元となったFAXデータBを受信した拠点となるが、本発明では上記態様に特段限定するものではない。
FAX送信の指示方法としては、加工後のFAXデータCのファイル名に、FAX送信先のFAX番号を含めておき、送信指示部30によって、拠点のFAX装置に対して、加工後のFAXデータCを送信する方法などが考えられる。
FAX装置では、送信指示部30によって送信された加工後のFAXデータのファイル名から、送信先のFAX番号を取得して、FAX送信を行えばよい。
送信指示の詳細なイメージは、後述する管理画面表示部40の欄で説明する。
【0024】
<5>管理画面表示部(図1
管理画面表示部40は、ユーザの使用端末上に管理画面41を表示する機能を有する要素である。
管理画面表示部40は、ユーザの使用端末から操作可能なアプリケーションによって実現することができる。
ユーザは、使用端末からアプリケーションの起動およびユーザ認証によるログイン後に本発明に係るFAX管理システムAにアクセスすることができ、使用端末上に表示される管理画面41を閲覧しながら各種の操作を行うことができる。
【0025】
<5.1>管理画面(図3
管理画面41は、自動分類後のFAXデータBの分類状況の確認作業や、手動振分部12を用いたFAXデータBの振分作業、加工部20を用いたFAXデータBの加工作業、送信指示部30を用いたFAX送信指示作業、などの各種作業にかかるユーザ操作を受け付ける画面である。
図3に示す管理画面41は、ユーザ認証によるログイン後に表示される管理画面である。この管理画面内には第1のボタン42と第2のボタン43が配置されている。
第1のボタン42をクリックした際には、ユーザがアクセス可能な拠点で受信したFAXの集約後、自動分類部11によって分類された状態の各FAXデータにアクセス可能な画面へと遷移する。
また、第2のボタン43をクリックした際には、ユーザがアクセス可能な拠点で受信したFAXについて手動振分部12によって振分作業が行われた状態の各FAXデータにアクセス可能な画面へと遷移する。
【0026】
<5.1.1>各ボタンでのバッジ表示
各ボタンには、FAXデータBの保存件数をバッジ形式で表示させておくこともできる。
図3では、第1のボタン42に、自動分類部11によって自動分類されたFAXデータのうち、ログイン中のユーザがアクセス権限を有する受信フォルダ以下に保存されたFAXデータの件数(例:5件)がバッジ形式で表示されており、第2のボタン43には、ログイン中のユーザがアクセス権限を有する振分フォルダ以下であって、且つ指定された振分項目に保存されたFAXデータの件数(例:2件)が、バッジ形式で表示されている。
【0027】
<5.2>受信未確認管理欄(図3
図3は、ユーザによるログイン後に表示される管理画面41のイメージ図である。本実施例では、ユーザのログイン後に表示される管理画面41を、第1のボタン42が選択されている場合と同じ画面イメージとしている。
この管理画面41では、第1のボタン42および第2のボタン43の下方の領域に、受信未確認管理欄44が配置されている。
受信未確認管理欄44では、画面左側に分類状況表示欄441、画面中央から右側にかけて振分設定欄442が配置されている。
【0028】
<5.2.1>分類状況表示欄(図3
分類状況表示欄441は、自動分類部11によるFAXデータBの分類状況を示す欄である。
図2に示したフォルダ構成の場合、ユーザは、分類状況表示欄441から、少なくとも各拠点の[受信フォルダ]以下に保存されたFAXデータBを確認することができる。
例えば、図3では、受信したFAXデータBが、顧客である甲会社から拠点Xに対して送信されたFAXだった場合を示している。
また、受信したFAXデータBが、拠点Xに対して送信されたものの、拠点XのFAX装置の住所録に登録されていないFAX番号から送信されたものである場合には、[拠点X/不明]のフォルダにFAXデータを保存しておくことになる。
【0029】
<5.2.2>振分設定欄(図3
振分設定欄442は、分類状況表示欄441からユーザによって選択されたFAXデータを表示しつつ、当該選択されたFAXデータBに対して、手動振分部12での振分作業に係るユーザ操作を受け付ける欄である。
管理画面41の略中央には、分類状況表示欄441で選択されたFAXデータBが表示されており、ユーザはFAXデータBの内容を確認し、画面右側に表示される振分項目の選択フィールドから任意の振分項目を選択して、振分作業を行うことになる。
例えば、図3では、受信したFAXデータBが、顧客である甲会社から拠点Xに対して送信された発注書であることをユーザが確認し、AM便へと振分を行う場合を指している。
【0030】
なお、図示しないが、受信したFAXデータが、自動分類部11によって「不明」のフォルダに保存されている場合、例えばユーザへの営業目的のFAXだった場合には、画面右側に表示される振分項目の選択フィールドの「その他」の欄に振分したり、別途削除可能に構成してもよい。そして、さらに本発明では、「その他」のフォルダに振り分けられたFAXデータを上述した第2のボタンで表示するバッジの件数に含めないよう構成しておくこともできる。
【0031】
<5.3>作業未確認管理欄(図4図5
図4は、管理画面41において第2のボタン43が選択されている場合の画面イメージである。
この管理画面41には、第1のボタン42および第2のボタン43の下方の領域に、作業未確認管理欄45が配置されている。
作業未確認管理欄45では、画面左側に振分状況表示欄451、画面中央から右側にかけて送信内容設定欄452が配置されている。
【0032】
<5.3.1>振分状況表示欄(図4
振分状況表示欄451は、手動振分部12によるFAXデータBの振分状況を示す欄である。
例えば、図2に示したフォルダ構成の場合、ユーザは、少なくとも各拠点の振分フォルダ以下に保存されているFAXデータBを確認することができる。
【0033】
<5.3.2>送信内容設定欄(図4図5
送信内容設定欄452は、振分状況表示欄451からユーザによって選択されたFAXデータBを表示しつつ、当該選択されたFAXデータBに対して、加工部20での加工作業に係るユーザ操作、および送信指示部30でのFAX送信指示に係るユーザ操作を受け付ける欄である。
画面中央には、振分状況表示欄からユーザによって選択されたFAXデータBが表示されており、画面右側には、加工内容設定欄453が表示されている。
加工内容設定欄453は、加工内容の種類や送信指示などのユーザ操作の内容に応じて、適宜表示が切り替わるように構成されている。
【0034】
<5.3.2.1>発注内容の入力欄(図4
図4に示す管理画面41では、加工内容設定欄453に、受注番号などを含む各種情報の入力欄や、営業担当や入力者の氏名を選択可能な選択フィールド、追加するスタンプや定型文の選択フィールド、その他欄などを設けている。
これらの各項目の入力に連動して、画面中央に表示したFAXデータに自動的に入力内容がテキストまたは画像形式で追加され、顧客へ注文請書に相当するFAXデータ(加工後のFAXデータC)として加工されることになる。
これらの加工情報は、貼付位置の調整や拡大縮小を可能に構成してもよい。
そして、図4に示す「次へ」のボタンを選択すると、図5に示す管理画面41へと遷移する。
【0035】
<5.3.2.2>送信指示(図5
図5に示す管理画面41では、ユーザは、画面中央の送信内容と画面右側に表示した顧客名やFAX受信番号(加工後のFAXデータCのFAX送信先のFAX番号に相当)、営業担当者の氏名などを照らし合わせながら最終チェックを行ったのち、送信ボタンを選択することで、送信指示部30により、所定の拠点のFAX装置に対して、加工後のFAXデータCでのFAX送信の指示が行われる。
FAX送信の指示が完了した加工後のFAXデータCは、図示しない送信済みフォルダへと移動される。
送信作業の完了に伴い、第2のボタン43にバッジ形式で表示される作業未確認件数は1件減少することになる。
【0036】
<5.3.3>再振分ボタン(図4
本発明は、図4に示すように、送信内容設定欄452に、ユーザによって振分状況表示欄451から選択されたFAXデータを、自動分類後かつ振分作業前の状態に戻す処理を実行する、再振分ボタンを設けておいてもよい。
【0037】
<5.4>まとめ
このように、ユーザは、自身の使用端末に表示される管理画面41から、新たなFAXデータBの受信件数や、受信したFAXデータBに対する受付処理が行われていない未着手件数を常時把握でき、さらに画面中央に表示したFAXデータBの内容を確認しながら、適宜振分作業や、受信したFAXデータに適宜加工を施した注文請書などを送信元への顧客に向けてFAX送信することで、効率良く受注処理を進めることができる。
したがって、ユーザは、所定の拠点のFAX装置で紙出力されたFAXを当該拠点に足を運んで確認することなく、遠隔地から種々の作業を進めることができる。
【0038】
<6>件数表示部(図1図6
件数表示部50は、自動分類部11による分類後のFAXデータBの保存件数と、手動振分部12による振分後のFAXデータBの保存件数の両方を表示する機能を有する要素である。
本発明において、件数表示部50による各保存件数の表示態様は特段限定しないが、例えば、図6に示すように、ユーザの使用端末にインストールしたアプリケーションの起動およびログイン後に、受信側のユーザの使用端末のデスクトップ画面51などに、表示ウィジェット52として表示可能な常駐構成としておき、表示ウィジェット52内の各ボタンを選択することで、前記した管理画面41を表示するように構成することができる。
また、表示ウィジェット52内の二つの件数表示は、前記した管理画面41上の第1のボタン42および第2のボタン43でバッジ表示した件数表示とリンクさせておいてもよい。
【0039】
本構成によれば、ユーザにとって、処理すべき案件の消化度や進捗状況、新規案件の増加状況などを視覚的に理解することができる点で好ましい。
【0040】
<7>分類条件設定部(図1図7
分類条件設定部60は、システム管理者や各ユーザによる操作によって、自動分類部11での分類条件を設定可能な機能を有する要素である。
図7は、管理画面41上に、分類条件の設定を行うための欄(分類条件設定欄46)を表示させた場合のイメージ図である。
図7は、ユーザが「マスタ管理」のボタンを選択したあと、「顧客マスタ」を選択した状態を示している。
新規の顧客を追加する場合には、顧客情報として、顧客名、FAX番号、担当拠点などを入力し、「保存」ボタンを選択する。
【0041】
例えば、担当拠点を「拠点X」、顧客名を「丙会社」と入力した場合、図2におけるフォルダ構造において[ルートフォルダ/拠点X/受信フォルダ]の直下に「丙会社」のフォルダが新たに生成されることになり、その後丙会社から受信したFAXデータは上記した「丙会社」のフォルダに保存されることになる。
【0042】
<8>権限設定部(図1図8
権限設定部70は、各ユーザに対するFAXデータBに対する使用権限を設定可能な機能を有する要素である。
使用権限には、FAXデータBについての、閲覧権限、加工権限、削除権限等を含めることができる。
図8は、管理画面41上に、権限設定を行うための画面(権限設定欄47)を表示させた場合のイメージ図である。
図8では、システム管理者が「マスタ管理」のボタンを選択したあと、「ユーザマスタ」を選択した状態を示している。
新規のユーザを追加する場合には、ユーザ情報としてユーザの氏名、システム上でのユーザ名、営業担当者であるか否かのチェックボックス、当該ユーザのシステム権限(管理者またはスタッフ)、所属拠点などを設定し、「保存」ボタンを選択する。
【0043】
例えば、新規登録したユーザについて、拠点を「拠点X」、システム権限を「スタッフ」に設定した場合、当該ユーザがアクセス可能な領域は、図2におけるフォルダ構造において[ルートフォルダ/拠点X]以下のフォルダとなる。
【0044】
<9>加工用情報登録部(図1図9
加工用情報登録部80は、加工部20で使用可能な加工用情報を登録可能な機能を有する。
加工用情報とは、顧客に対しFAXデータBに基づいてFAX送信を行うための加工作業を行う際に使用される定型文やスタンプ画像などが含まれる。
図9は、管理画面上に、加工用情報の登録を行うための画面(加工用情報登録欄48)を表示させた場合のイメージ図である。
図9では、ユーザが「マスタ管理」のボタンを選択したあと、「スタンプマスタ」を選択した状態を示しており、既に登録済みのスタンプが表示されている。
新規のスタンプ画像を追加する場合には、「新規スタンプ作成」のボタンを選択し、図示しない登録画面上で、スタンプ名や使用する画像ファイルの選択を行って新規登録を行うことになる。
同様に、定型文を確認・登録する際には、管理画面41上の「マスタ管理」のボタンを選択したあと、「スタンプマスタ」を選択し、図示しない登録画面上で、定型文の新規登録を行えばよい。
【実施例0045】
<1>システム構成の具体例(図10
図10は、本発明に係るFAX管理システムAを用いる場合の構成イメージ図である。
拠点側には、顧客側から送信されたFAXデータを受信するためのFAX装置A1が設置されている。
集約側には、各FAX装置A1からのFAXデータを受信するサーバA2が設置されている。
ユーザ側では、サーバにアクセス可能なアプリケーションをインストールしてあるユーザ端末A3を用意している。
本実施例における構成では、サーバA2が、本発明に係るFAX管理システムシステムAにおける集約部10、自動分類部11および送信指示部30として機能し、ユーザ端末A3にインストールしたアプリケーションが、手動振分部12、加工部20、分類条件設定部60、権限設定部70、および加工用情報登録部80として機能するイメージとなる。
【0046】
<2>使用イメージ(図10
次に、本発明に係るFAX管理システムの使用イメージについて説明する。
【0047】
(1)前提
システム管理者またはユーザは、ユーザ端末A3にインストールしたアプリケーションから、自身に付与されている権限の範囲で、自動分類のための分類条件の設定や、各ユーザの使用権限の設定、加工部20で使用する加工用情報の登録などを適宜行っておくものとする。
【0048】
(2)FAXデータの集約・自動分類
各拠点に設けたFAX装置A1で受信したFAXデータBは、送信元のFAX番号を含んだファイル名が付与された態様で転送され、サーバA2に集約される。
サーバA2に集約されたFAXデータBは、ファイル名に含まれる送信元のFAX番号に基づいてデータベース内で自動分類される。
【0049】
(3)FAXデータの振分、加工、送信指示
ユーザは、ユーザ端末A3にインストールしたアプリケーションからサーバA2にログインし、ユーザが使用権限を有する拠点で受信したFAXデータBの受信件数や、発注の受付処理が未着手状態のFAXデータBの件数を確認しながら、アプリケーション上から、振分作業、加工作業、送信指示作業などを適宜実行する。
送信指示が実行された加工後のFAXデータCのファイル名には、送信先のFAX番号を付与しておく。
サーバA2は、ユーザから送信指示を受けた加工後のFAXデータCを用いて、所定の拠点のFAX装置に対しFAX送信の指示を行う。
【0050】
(4)FAX送信
FAX送信の指示を受けたFAX装置A1は、加工後のFAXデータCのファイル名から、送信先のFAX番号を取得し、顧客に向けてFAX送信を実行する。
【符号の説明】
【0051】
A:FAX管理システム
B:FAXデータ
C:加工後のFAXデータ
10:集約部
11:自動分類部
12:手動振分部
20:加工部
30:送信指示部
40:管理画面表示部
41:管理画面
42:第1のボタン
43:第2のボタン
44:受信未確認管理欄
441:分類状況表示欄
442:振分設定欄
45:作業未確認管理欄
451:振分状況表示欄
452:送信内容設定欄
453:加工内容設定欄
46:分類条件設定欄
47:権限設定欄
48:加工用情報登録欄
50:件数表示部
51:デスクトップ画面
52:表示ウィジェット
60:分類条件設定部
70:権限設定部
80:加工用情報登録部
A1:FAX装置
A2:サーバ
A3:ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10