(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089968
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】対処情報提供システム及び対処情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G07C 11/00 20060101AFI20240627BHJP
G07C 5/08 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G07C11/00
G07C5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205554
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 守広
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138CC01
3E138DA01
3E138DA02
3E138DA06
3E138DA07
3E138DB01
3E138DB09
3E138GA01
3E138GA03
3E138MA10
3E138MC01
3E138MD05
3E138MF08
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して適切な対処情報を提供可能な対処情報提供システム及び対処情報提供方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係る対処情報提供システム1は、対象となる装置2においてエラーが発生した場合に、ユーザに対して対処情報を提供する。対処情報提供システム1は、エラー識別情報取得部11、動作記録情報特定部12、動作記録情報取得部13、対処情報決定部14、及び出力制御部15を備える。エラー識別情報取得部11は、エラー識別情報を装置2から取得する。動作記録情報特定部12は、取得したエラー識別情報に関連する動作記録情報を特定する。動作記録情報取得部13は、特定した動作記録情報を取得する。対処情報決定部14は、取得したエラー識別情報及び取得した動作記録情報に基づいてユーザに提供する対処情報を決定する。出力制御部15は、決定した対処情報について、ユーザに対する提供を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、ユーザに対して提供する対処情報提供システムであって、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得するエラー識別情報取得部と、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、前記エラー識別情報取得部が取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定する動作記録情報特定部と、
前記動作記録情報特定部が特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得する動作記録情報取得部と、
前記動作記録情報取得部が取得した前記動作記録情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記対処情報を決定する対処情報決定部と、
前記対処情報決定部が決定した前記対処情報について、前記ユーザに対する提供を制御する出力制御部と、を備える、
対処情報提供システム。
【請求項2】
前記動作記録情報特定部が、前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報として特定された回数の多い前記動作記録情報を、優先して前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報として特定する、
請求項1に記載の対処情報提供システム。
【請求項3】
前記装置が、自動車に備えられた装置であり、
前記自動車の走行状態に関する車両状態情報を取得する車両状態情報取得部をさらに備え、
前記出力制御部が、取得した車両状態情報に更に基づいて、前記対処情報の提供を制御する、
請求項1又は2に記載の対処情報提供システム。
【請求項4】
前記装置が、自動車に備えられた装置であり、
前記自動車内に、前記ユーザがいるか否かを判定する在否判定部を更に備え、
前記自動車内に前記ユーザがいないと前記在否判定部が判定した場合、前記出力制御部が、前記ユーザが有する携帯端末に前記対処情報を提供する、
請求項1又は2に記載の対処情報提供システム。
【請求項5】
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、ユーザに対して提供する対処情報提供方法であって、
コンピュータが、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得し、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定し、
特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得し、
取得した前記動作記録情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記対処情報を決定し、
決定した前記対処情報について、前記ユーザに対する提供を制御する、
対処情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対処情報提供システム及び対処情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オンラインマニュアル表示処理装置が記載されている。特許文献1に記載のオンラインマニュアル表示処理装置は、装置の故障発生時に、当該装置が出力する故障情報に基づいて、当該故障を解決するためのマニュアルを特定する。そして、特許文献1に記載のオンラインマニュアル表示処理装置は、特定したマニュアルを表示する。
より具体的には、特許文献1に記載のオンラインマニュアル表示処理装置は、故障情報に含まれるエラー番号に基づいてマニュアルを特定し、当該マニュアルを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、装置に発生するエラーの種類によっては、エラーが発生する原因として、状況に応じたいくつかのケースが考えられる場合がある。このような場合においては、ユーザは、エラーが発生した原因ごとに、異なる対処を行う必要がある。
【0005】
前述したように、特許文献1に記載のオンラインマニュアル表示処理装置は、エラー番号に基づいて、故障に対応するマニュアルを特定している。そのため、特許文献1に記載のオンラインマニュアル表示処理装置は、発生したエラーの原因にいくつかのケースが考えられるような場合においては、エラーの原因を特定できず、ユーザに対してエラーの原因に応じた対処マニュアルを提供できなかった。
つまり、特許文献1に記載のオンラインマニュアル表示処理装置には、適切な対処情報をユーザに提供できない場合があるという課題があった。
【0006】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、ユーザに対して適切な対処情報を提供可能な対処情報提供システム及び対処情報提供方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る対処情報提供システムは、
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、ユーザに対して提供する対処情報提供システムであって、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得するエラー識別情報取得部と、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、前記エラー識別情報取得部が取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定する動作記録情報特定部と、
前記動作記録情報特定部が特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得する動作記録情報取得部と、
前記動作記録情報取得部が取得した前記動作記録情報に基づいて、ユーザに提供する前記対処情報を決定する対処情報決定部と、
前記対処情報決定部が決定した前記対処情報について、ユーザに対する提供を制御する出力制御部と、を備える、
対処情報提供システムである。
【0008】
本開示に係る対処情報提供方法は、
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、ユーザに対して提供する対処情報提供方法であって、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得し、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定し、
特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得し、
取得した前記動作記録情報に基づいて、ユーザに提供する前記対処情報を決定し、
決定した前記対処情報について、ユーザに対する提供を制御する、
対処情報提供方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によって、ユーザに対して適切な対処情報を提供可能な対処情報提供システム及び対処情報提供方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る対処情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る対処情報提供装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る動作記録情報特定部の構成の一例を説明するための表である。
【
図4】第1の実施形態に係る対処情報決定部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係る対処情報決定部の構成を説明するための表である。
【
図6】第1の実施形態に係る対処情報提供システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】第2の実施形態に係る対処情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】その他の実施形態に係る対処情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
<対処情報提供システムの構成>
以下、図面を参照しながら、本開示に係る第1の実施形態について詳細に説明する。まず始めに、本実施形態に係る対処情報提供システムの構成について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る対処情報提供システムの構成を示すブロック図である。
より詳細には、
図1は、本実施形態に係る対処情報提供システム1と、対処情報提供システム1の対象となる装置2とを図示したブロック図である。
【0012】
装置2は、対処情報提供システムが対象とする、電子機器や電気製品などの装置であり、一例として、自動車に備えられ、対処情報提供システム1の一例となるサーバと通信可能に構成されたドライブレコーダである。
装置2は、自身においてエラーが発生した場合、当該エラーの種類を識別するエラー識別情報を、対処情報提供システム1に対して出力するように構成されている。なお、ここでいうエラー識別情報とは、例えば、エラーコードであってもよい。
装置2は、自身の動作を、動作記録情報として記録している。動作記録情報は、例えば、装置2が有する種々の部品の出力値を含んでもよい。装置2は、動作記録情報を、適宜対処情報提供システム1に対して出力する。
【0013】
本実施形態に係る対処情報提供システム1は、対象となる装置2においてエラーが発生した場合に、エラーに対処するための対処情報を、ユーザに対して提供する。
【0014】
本実施形態に係る対処情報提供システム1は、装置2においてエラーが発生した場合、当該エラーに関するエラー識別情報を、装置2から取得する。
次に、対処情報提供システム1は、取得したエラー識別情報に関連する動作記録情報を特定し、当該動作記録情報を、装置2から取得する。
そして、対処情報提供システム1は、取得した動作記録情報に基づいて、ユーザに提供する対処情報を決定する。対処情報提供システム1は、決定した対処情報について、ユーザに対する提供を制御する。
【0015】
つまり、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、エラー識別情報に関連する動作記録情報を、装置2から取得する。そして、対処情報提供システム1は、当該エラー識別情報及び当該動作記録情報に基づいて、ユーザに対して提供する対処情報を決定する。
【0016】
対処情報提供システム1が取得する動作記録情報は、装置2が出力したエラー識別情報と関連する動作記録情報である。そのため、対処情報提供システム1が取得する動作記録情報は、発生したエラーの原因を特定するための情報を含む。
対処情報提供システム1は、発生したエラーの原因を特定するための情報を含む当該動作記録情報に基づいて、ユーザに対して提供する対処情報を決定する。
このような構成によって、対処情報提供システム1は、発生したエラーの原因に関連した対処情報をユーザに対して提供できる。つまり、このような構成によって、対処情報提供システム1は、ユーザに対して適切な対処情報を提供できる。
【0017】
本実施形態に係る対処情報提供システム1は、例えば、単一の装置として構成されてもよい。つまり、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、対処情報提供装置として構成されてもよい。
ただし、本実施形態に係る対処情報提供システム1の装置構成は上記に限定されず、例えば、対処情報提供システム1は、2以上の装置を組み合わせて構成されてもよい。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る対処情報提供装置の構成を示すブロック図である。より詳細には、
図2は、対処情報提供システム1が、対処情報提供装置100として実現された場合の構成を示すブロック図である。
【0019】
対処情報提供装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算部101と、対処情報提供装置100を制御するためのプログラムやデータ等が格納されたRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部102と、を備える。即ち、対処情報提供装置100は、コンピュータとしての機能を有しており、上記プログラムに基づいて、後述する動作を実行する。
【0020】
そのため、
図1に示す対処情報提供システム1を構成する各機能ブロックは、ハードウェア的には、上記CPU、記憶部、その他の回路等によって構成でき、ソフトウェア的には、記憶部に格納された対処情報提供システム1の動作を制御するためのプログラムなどによって実現できる。即ち、対処情報提供システム1は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいは両者の組み合わせによって、様々な形態で実現できる。
【0021】
なお、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0022】
図1の説明に戻る。
図1に示すように、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、エラー識別情報取得部11、動作記録情報特定部12、動作記録情報取得部13、対処情報決定部14、及び出力制御部15を備える。
【0023】
エラー識別情報取得部11は、装置2において発生したエラーに関するエラー識別情報を、装置2から取得する。エラー識別情報取得部11は、取得したエラー識別情報を、動作記録情報特定部12に対して出力する。
例えば、エラー識別情報取得部11は、装置2との間で有線又は無線通信を行う通信部であってもよい。また、エラー識別情報取得部11は、装置2との間で通信を行う通信部を制御する通信制御部として構成されてもよい。
【0024】
動作記録情報特定部12は、前述したエラー識別情報取得部11から、エラー識別情報を取得する。動作記録情報特定部12は、装置2の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、エラー識別情報取得部11が取得したエラー識別情報に関連する動作記録情報を特定する。動作記録情報特定部12は、特定した動作記録情報を、動作記録情報取得部13に対して出力する。
【0025】
例えば、動作記録情報特定部12は、エラー識別情報と動作記録情報とを対応付けて記録するデータベースを参照して、エラー識別情報取得部11が取得したエラー識別情報に関連する動作記録情報を特定してもよい。
【0026】
図3は、第1の実施形態に係る動作記録情報特定部の構成の一例を説明するための表である。より詳細には、
図3は、動作記録情報特定部12が参照するデータベースを例示的に説明するための表である。
前述したデータベースは、例えば、
図3に示すような表を記録していてもよい。
図3に示す表は、エラー識別情報と、動作記録情報とが対応付けられて記録されている。
【0027】
例えば、
図3に示す表のエラー識別情報の列には、エラーコード101(SDカードへの書き込みエラー)や、エラーコード102(高温による動作停止)等の項目が記載されている。これらの項目は、動作記録情報特定部12がエラー識別情報取得部11から取得するエラー識別情報の例を示している。
また、
図3に示す表の動作記録情報の列には、書き込み量や、キャッシュ使用率、ファン稼働量、内部電流量等の項目が記載されている。これらの項目は、動作記録情報特定部12が、エラー識別情報に関連する動作記録情報として特定する動作記録情報の候補、言い換えると、エラー識別情報ごとに、エラー原因や対処方法を特定するために必要または重要である追加情報の候補の例を示している。
【0028】
ここで、
図3に示す表の行に注目すると、エラーコード101には、書き込み量及びキャッシュ使用率が対応付けられている。また、エラーコード102には、ファン稼働量及び内部電流量が対応付けられている。これらの表は、例えば、エラーコード101であるSDカードへの書き込みエラーが発生した際には、SDカードへの書き込み量やキャッシュ使用率の情報をさらに取得することによって、SDカードへの書き込みエラーが発生した要因や対処方法をさらに詳細に特定することができ、これらの動作記録情報を取得することが必要または重要であることを示す。
【0029】
図3によって示される例において、動作情報特定部12が、エラー識別情報としてエラーコード101を取得した場合、動作情報特定部12は、書き込み量及びキャッシュ使用率を、エラー識別情報に関連する動作記録情報として特定する。
また、
図3によって示される例において、動作情報特定部12が、エラー識別情報としてエラーコード102を取得した場合、動作情報特定部12は、ファン稼働量及び内部電流量を、エラー識別情報に関連する動作記録情報として特定する。
【0030】
具体的には、ファンの稼働有無やファンの累積動作時間などを、エラー識別情報に関連する動作記録情報として特定する。このほかに、装置内温度や各部品の温度などを、エラー識別情報に関連する動作記録情報として特定してもよい。
例えば、エラーコード102である高温による動作停止が発生した際に、ファンが稼働しているか否か、内部電流量が適切な範囲内であるか否か、装置内温度が異常値を示すか否かの情報をさらに取得することによって、高温による動作停止が発生した要因や対処方法をさらに詳細に特定することができる。
【0031】
つまり、動作情報特定部12は、エラー識別情報と動作記録情報とを対応付けて記録するデータベースを参照し、取得したエラー識別情報と対応付けて記録されている動作記録情報を、エラー識別情報に関連する動作記録情報として特定してもよい。
例えば、このような構成によって、動作情報特定部12は、エラー識別情報に関連する動作記録情報を特定できる。
【0032】
また、動作情報特定部12は、エラー識別情報と動作記録情報とを対応付けて記録するデータベースを適宜更新するような構成であってもよい。この場合、動作情報特定部12は、装置2から得られたデータを用いて、当該データベースを更新してもよいし、外部から取得したデータを用いて、当該データベースを更新してもよい。
【0033】
なお、動作記録情報特定部12は、上述したデータベースを用いる以外の手法を用いて、エラー識別情報に関連する動作記録情報を特定してもよい。例えば、動作記録情報特定部12は、人工知能(AI、Artificial Intelligence)を用いて、エラー識別情報に関連する動作記録情報を特定してもよい。
【0034】
この場合、動作記録情報特定部12は、エラー識別情報と、後述する動作記録情報取得部13が取得した動作記録情報と、を入力として受け付け、受け付けたエラー識別情報及び動作記録情報に応じて、エラー識別情報と動作記録情報の関連度合いを教師データとして学習させた学習済みモデルを有していてもよい。そして、動作記録情報特定部12は、当該学習済みモデルに対して取得したエラー識別情報及び動作記録情報を入力し、当該学習済みモデルから出力された関連度合いに基づいて、エラー識別情報に関連する可能性が高い動作記録情報を特定してもよい。
【0035】
なお、動作情報特定部12は、エラー識別情報に関連する動作記録情報として特定された回数の多い動作記録情報を、優先してエラー識別情報に関連する動作記録情報として特定してもよい。このような構成によると、動作除法特定部12は、エラー識別情報に関連する動作記録情報を特定する動作の精度を向上できる。
【0036】
図1の説明に戻る。
動作記録情報取得部13は、動作記録情報特定部12が特定した動作記録情報を、装置2から取得する。動作記録情報取得部13は、動作記録情報に記録された動作が正常であるか否かに関する情報を、装置2から取得してもよい。動作記録情報取得部13は、取得した動作記録情報を、対処情報決定部14に対して出力する。
【0037】
また、動作記録情報取得部13は、装置2の動作記録情報を予め全て取得し、動作記録情報特定部12が、そのうちからエラー識別情報に関連する動作記録情報を特定する形態であってもよい。
【0038】
また、動作記録情報取得部13は、装置2との間で有線又は無線通信を行う通信部であってもよい。また、エラー識別情報取得部11は、装置2との間で通信を行う通信部を制御する通信制御部として構成されてもよい。
なお、エラー識別情報取得部11及び動作記録情報取得部13は、同一のハードによって実現される機能ブロックであってもよい。
【0039】
対処情報決定部14は、エラー識別情報を、エラー識別情報取得部11から取得する。また、対処情報決定部14は、動作記録情報を、動作記録情報取得部13から取得する。
対処情報決定部14は、動作記録情報取得部13が取得した動作記録情報に基づいて、ユーザに提供する対処情報を決定する。より詳細には、本実施形態に係る対処情報決定部14は、エラー識別情報取得部11が取得したエラー識別情報及び動作記録情報取得部13が取得した動作記録情報に基づいて、ユーザに提供する対処情報を決定する。
対処情報決定部14は、決定した対処情報を、出力制御部15に対して出力する。
【0040】
例えば、対処情報決定部14は、エラー識別情報がSDカードへの書き込みエラーが発生したことを示し、動作記録情報がSDカードへの書き込み量が想定範囲を超えていることを示す場合、エラー識別情報及び動作記録情報と、対処情報とを対応付けて記録するデータベースを参照する。このとき、対応づけられた対処方法として、例えば書き込み量を低減するための処置を、ユーザに提供する対処情報として決定する。
【0041】
図4は、第1の実施形態に係る対処情報決定部の構成の一例を示すブロック図である。より詳細には、
図4は、対処情報決定部14が、ユーザに提供する対処情報を決定する場合の、対処情報決定部14の構成の例を示すブロック図である。
図4に示す対処情報決定部14は、動作判定部141と、決定部142とを備える。
【0042】
動作判定部141は、動作記録情報取得部13から、動作記録情報を取得する。
動作判定部141は、取得した動作記録情報に記録された動作が正常であるか否かを判定する。動作判定部141は、複数の動作記録情報それぞれに設定された閾値を記録したデータベースを有していてもよい。そして、動作判定部141は、取得した動作記録情報とデータベースに記録された閾値とを比較し、取得した動作記録情報に記録された動作が正常であるか否かを判定してもよい。
例えば、エラー識別情報が高温による動作停止が発生したことを示しており、ファン稼働量を動作記録情報として取得した場合、動作判定部141は、ファン稼働量をその閾値と比較して、取得した動作記録情報に記録された動作が正常であるか否かを判定する。
動作判定部141は、記録された動作が正常でないと判定した動作記録情報を決定部142に対して出力する。
【0043】
決定部142は、記録された動作が正常でないと判定された動作記録情報を、動作判定部141から取得する。
決定部142は、エラー識別情報及び動作記録情報と、対処情報とを対応付けて記録するデータベースを参照し、記録された動作が正常でないと動作判定部が判定した動作記録情報に対応する対処情報を、ユーザに提供する対処情報として決定してもよい。
【0044】
図5は、第1の実施形態に係る決定部の構成の一例を説明するための表である。より詳細には、
図5は、決定部142が参照するデータベースを例示的に説明するための表である。前述したデータベースは、例えば、
図5に示すような表を記録していてもよい。
図5に示す表は、エラー識別情報及び動作記録情報と、対処情報とが対応付けられて記録されている。
【0045】
例えば、
図5に示す表のエラー識別情報の列には、SDカードへの書き込みエラーや、高温による動作停止等の項目が記載されている。
また例えば、
図5に示す表の動作記録情報の列には、書き込み量や、キャッシュ使用率、ファン稼働量、内部電流量等の項目が記載されている。これらの項目は、決定部142が動作判定部141から取得するエラー識別情報及び動作記録情報の例を示している。
また、
図5に示す表の対処情報の列には、対処情報1や、対処情報2、対処情報3、対処情報4等の項目が記載されている。これらの項目は、決定部12が、ユーザに対して提供する対処情報の候補の例を示している。
【0046】
ここで、
図5に示す表の行に注目すると、例えば、書き込み量には対処情報1が、キャッシュ使用率には対処情報2が、ファン稼働量には対処情報3が、内部電流量には対処情報4が、それぞれ対応付けられて記録されている。
【0047】
図5によって示される例において、決定部142が、記録された動作が正常でないと判定された動作記録情報として書き込み量を取得した場合、決定部142は、対処情報1を、ユーザに提供する対処情報として特定する。
また、
図5によって示される例において、決定部142が、記録された動作が正常でないと判定された動作記録情報としてキャッシュ使用率を取得した場合、決定部142は、対処情報2を、ユーザに提供する対処情報として特定する。
例えば、このような構成によって、決定部142は、ユーザに対して提供する対処情報を決定できる。
【0048】
なお、対処情報決定部14は、上述したデータベースを用いる以外の手法を用いて、ユーザに提供する対処情報を決定してもよい。例えば、対処情報決定部14は、人工知能(AI)を用いて、ユーザに対して提供する対処情報を決定してもよい。
【0049】
この場合、対処情報決定部14は、エラー識別情報及び動作記録情報を入力として受け付け、受け付けた動作記録情報に応じて、対処情報を出力する学習済みモデルを有していてもよい。そして、対処情報決定部14は、当該学習済みモデルに対して取得した動作記録情報を入力し、当該学習済みモデルから出力された対処情報を、ユーザに対して提供する対処情報として決定してもよい。
このような構成によっても、対処情報決定部14は、ユーザに対して提供する対処情報を決定できる。
【0050】
上述したように、本実施形態に係る対処情報決定部14は、エラー識別情報及び動作記録情報に基づいて、ユーザに対して提供する対処情報を決定するが、本開示に係る対処情報決定部の構成はこれに限定されない。
例えば、本開示に係る対処情報決定部は、動作記録情報のみに基づいてユーザに対して提供する対処情報を決定してもよい。また、本開示に係る対処情報決定部は、動作記録情報、及びエラー識別情報を除くその他の情報に基づいて、ユーザに対して提供する対処情報を決定してもよい。
つまり、本開示に係る対処情報決定部14は、少なくとも動作記録情報に基づいてユーザに対して提供する対処情報を決定する構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0051】
図1の説明に戻る。
出力制御部15は、対処情報決定部14から、ユーザに対して提供する対処情報として決定された対処情報を取得する。出力制御部15は、対処情報決定部14が決定した対処情報について、ユーザに対する提供を制御する。
【0052】
例えば、出力制御部15は、ユーザに対して対処情報を表示する図示しない表示部を制御してもよい。この場合、出力制御部15は、当該表示部を制御し、対処情報決定部14が決定した対処情報をユーザに対して表示させてもよい。
また、例えば、出力制御部15は、ユーザに対して対処情報を表示する図示しない音声出力部を制御してもよい。この場合、出力制御部15は、当該音声出力部を制御し、対処情報決定部14が決定した対処情報をユーザに対して音声にて案内させてもよい。
また、例えば、出力制御部15は、装置2との間で有線又は無線通信を行う通信部であってもよい。また、出力制御部15は、装置2との間で通信を行う通信部を制御する通信制御部として構成されてもよい。
【0053】
<対処情報提供システムの動作>
続いて、対処情報提供システム1の動作、即ち、第1の実施形態に係る対処情報提供方法について詳細に説明する。
図6は、第1の実施形態に係る対処情報提供システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0054】
まず始めに、エラー識別情報取得部11が、装置2から、エラー識別情報を取得する(ステップST1)。エラー識別情報取得部11が取得したエラー識別情報は、動作記録情報特定部12に対して出力される。
【0055】
次に、動作記録情報特定部12が、取得したエラー識別情報に関連する動作記録情報を特定する(ステップST2)。そして、動作記録情報取得部13が、特定した動作記録情報を取得する(ステップST3)。取得した動作記録情報は、対処情報決定部14に対して出力される。
【0056】
次に、対処情報決定部14が、取得したエラー識別情報及び取得した動作記録情報に基づいて、ユーザに提供する対処情報を決定する(ステップST4)。
最後に、出力制御部15が、決定した対処情報について、ユーザに対する提供を制御して(ステップST5)、対処情報提供システム1は一連の動作を終了する。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、装置2においてエラーが発生した場合、装置2が出力したエラー識別情報に基づいて装置2の動作記録情報を特定し、特定した動作記録情報に基づいてユーザに対して対処情報を提供する。
このような構成によると、対処情報提供システム1は、エラーの発生原因を特定可能な情報を含む動作記録情報に基づいて、ユーザに提示する対処情報を決定できる。その結果として、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、ユーザに対してより適切な対処情報を提示できる。
【0058】
(第2の実施形態)
<対処情報提供システムの構成>
以下、図面を参照しながら、本開示に係る第2の実施形態について詳細に説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に係る対処情報提供システム1の応用例である。
図7は、第2の実施形態に係る対処情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【0059】
本実施形態に係る装置2は、自動車に備えられた装置として構成されている。そして、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、装置2においてエラーが発生した場合に、当該自動車のドライバ、つまりユーザに対して対処情報を提供する。
第2の実施形態に係る対処情報提供システム1は、車両状態情報取得部16、対処時間予測部17、及び在否判定部18を備える点で、第1の実施形態に係る対処情報提供システム1と異なる。
【0060】
車両状態情報取得部16は、自動車の走行状態に関する車両状態情報を取得する。車両状態情報取得部16は、取得した車両状態情報を、出力制御部15に対して出力する。
ここで、車両状態情報は、例えば、自動車が走行しているか否かに関する情報を含んでもよい。自動車が走行している場合、車両状態情報は、例えば、走行速度に関する情報等を含んでもよい。
車両状態情報取得部16は、例えば、加速度センサなどのセンサ類の出力や、自動車の制御信号を取得することで、車両状態を取得してもよい。
【0061】
対処時間予測部17は、発生したエラーに対処するために必要となる時間である対処時間を予測する。対処時間予測部17は、予測した対処時間を出力制御部15に対して出力する。
【0062】
対処時間予測部17は、対処時間を予測するために、例えば、対処情報決定部14から、ユーザに対して提示すると決定された対処情報を取得してもよい。そして、取得した対処情報に基づいて、対処時間を予測してもよい。
この場合、対処時間予測部は、例えば、複数の対処情報と、時間とをそれぞれ対応付けて記録するテーブルを記憶していてもよい。そして、対処時間予測部17は、取得した対処情報に対応づけられた時間を、対処時間として予測してもよい。
【0063】
対処時間予測部17は、例えば、自動車に備えられた装置が機能を停止している場合や、自動車の走行に支障をきたすことを示す対処情報を取得した場合に、対処時間をゼロ又はゼロの近似値として予測してもよい。そして、対処時間予測部17が対処時間をゼロ又はゼロの近似値として予測した場合、当該予測値は、すぐに車両走行を停止して対処すべきことを示す情報であってもよい。
また自動車の安全な走行にとって好ましくないエラーが発生していることを示す対処情報を取得した場合に、エラーに対処するために必要となる対処時間を、緊急ではないができるだけ早く車両を停止させるべきことを示す、1分または3分などの値として予測してもよい。
つまり、対処時間予測部17は、ユーザに対して警告を通知する必要がある場合に、特定の値を有する対処時間を予測して、出力してもよい。
このような構成によると、対処時間予測部17は、自動車の走行に深刻なエラーが発生した場合に、ユーザに対して適切に警告を行うことができる。
【0064】
在否判定部18は、自動車内に、ユーザがいるか否かを判定する。在否判定部18は、当該判定結果を、出力制御部15に対して出力する。
在否判定部18は、例えば、自動車に取り付けられた着座センサであってもよい。
【0065】
第2の実施形態に係る出力制御部15は、車両状態情報取得部16から車両状態情報を取得する。本実施形態に係る出力制御部15は、取得した車両状態情報に基づいて対処情報の提供を制御する。
例えば、出力制御部15は、自動車が走行している場合、対処情報のユーザに対する提供を保留するようにしてもよい。そして、自動車が停止したタイミングにおいて、ユーザに対して対処情報を提供するようにしてもよい。
このような構成によると、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、ユーザに対して安全に対処情報を提供できる。
【0066】
また、第2の実施形態に係る出力制御部15は、対処時間予測部17から、予測した対処時間を取得する。
本実施形態に係る出力制御部15は、自動車が走行しており、取得した対処時間が所定の値以下である場合、ユーザに対して、対処時間に関する情報を提供する。例えば、出力制御部15は、対処時間の長さをユーザに対して提供してもよい。
また、本実施形態に係る出力制御部15は、自動車が走行しており、取得した対処時間が所定の値以下である場合や、取得した対処時間が前述した特定の値である場合に、ユーザに対して、車両をすぐに停止させた上でエラーに対処するように、または、車両をなるべく早めに停止させた上でエラーに対処するように、通知してもよい。
このような構成によると、装置2において発生したエラーに対して応急処置を行うか否かを、ユーザが対処時間に応じて適宜判断できる。
【0067】
また、第2の実施形態に係る出力制御部15は、在否判定部18から、ドライバの在否に関する判定結果を取得する。
本実施形態に係る出力制御部15は、ユーザが有する携帯端末と通信可能に構成されており、自動車内にユーザがいないと在否判定部18が判定した場合、自動車に備えられた装置2に向けてではなく、ユーザが有する携帯端末に向けて対処情報を出力するようにしてもよい。
このような構成によると、本実施形態に係る対処情報提供システム1は、ユーザ不在時に発生したエラーの対処情報を、ユーザが確認しやすい装置または端末に対して提供できる。
【0068】
(その他の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本開示に係るその他の実施形態について詳細に説明する。
図8は、その他の実施形態に係る対処情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【0069】
図8は、複数の装置によって構成される対処情報提供システム1の構成の例を示す図である。本実施形態に係る対処情報提供システム1は、自動車に設置される車載装置3と、車載装置3と通信可能に構成されているサーバ装置4とを備える。
図8において示した対処情報提供システム1においては、車載装置3が、エラー識別情報取得部11、動作記録情報特定部12、及び動作記録情報取得部13を備え、サーバ装置4が、対処情報決定部14及び出力制御部15を備える。
このような装置構成によっても、対処情報提供システム1は実現できる。
【0070】
なお、
図8に図示した装置構成は、本開示に係る対処情報提供システムの装置構成の一例を示すに過ぎず、本開示に係る対処情報提供システム1の装置構成は、その他の装置構成によっても実現可能である。
例えば、本開示に係る対処情報提供システム1は、第1及び第2の実施形態に記載したように、単一の装置として実現されてもよいし、2以上の装置の組み合わせとして実現されてもよい。
また、対処情報提供システム1の一部または全部、例えば対処情報決定部14及び出力制御部15のいずれかまたは双方が、装置2に組み込まれているような構成であってもよい。
また、対処情報提供システム1を構成する装置の位置は特に限定されず、構成要素の全てが装置2の近傍に位置する構成であってもよいし、一部が装置2の近傍に位置する構成であってもよいし、全てが装置2の近傍に存在しない構成であってもよい。
【0071】
本開示に係る実施形態において、エラー識別情報取得部11、動作記録情報取得部13、出力制御部15を、装置2との間で有線又は無線通信を行う通信部または通信制御部であってよいものとした。通信部または通信制御部は、装置2と直接通信を行ってもよく、ユーザが有する携帯端末と通信可能に構成され、携帯端末を介して装置2との間で情報通信を行うものであってもよい。
【0072】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【0073】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、ユーザに対して提供する対処情報提供システムであって、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得するエラー識別情報取得部と、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、前記エラー識別情報取得部が取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定する動作記録情報特定部と、
前記動作記録情報特定部が特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得する動作記録情報取得部と、
前記動作記録情報取得部が取得した前記動作記録情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記対処情報を決定する対処情報決定部と、
前記対処情報決定部が決定した前記対処情報について、前記ユーザに対する提供を制御する出力制御部と、を備える、
対処情報提供システム。
(付記2)
前記対処情報決定部が、前記エラー識別情報取得部が取得した前記エラー識別情報に更に基づいて、前記ユーザに提供する前記対処情報を決定する、
付記1に記載の対処情報提供システム。
(付記3)
前記動作記録情報特定部が、前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報として特定された回数の多い前記動作記録情報を、優先して前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報として特定する、
付記1又は2に記載の対処情報提供システム。
(付記4)
前記動作記録情報特定部が、前記エラー識別情報と前記動作記録情報とを対応付けて記録するデータベースを参照して、前記エラー識別情報取得部が取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定する、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の対処情報提供システム。
(付記5)
前記動作記録情報特定部が、
前記エラー識別情報を入力として受け付け、受け付けた前記エラー識別情報に応じて、前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定する学習済みモデルを有する、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の対処情報提供システム。
(付記6)
前記対処情報決定部が、
前記動作記録情報に記録された動作が正常であるか否かを判定する動作判定部と、
前記動作記録情報と前記対処情報とを対応付けて記録するデータベースを参照し、記録された動作が正常でないと前記動作判定部が判定した前記動作記録情報に対応する前記対処情報を、前記ユーザに提供する前記対処情報として決定する決定部とを有する、
付記1乃至5のいずれか1つに記載の対処情報提供システム。
(付記7)
前記対処情報決定部が、前記動作記録情報を入力として受け付け、受け付けた前記動作記録情報に応じて、前記対処情報を出力する学習済みモデルを有し、前記学習済みモデルが出力した前記対処情報を前記ユーザに対して提供する対処情報として決定する、
付記1乃至5のいずれか1つに記載の対処情報提供システム。
(付記8)
前記装置が、自動車に備えられた装置であり、
前記自動車の走行状態に関する車両状態情報を取得する車両状態情報取得部をさらに備え、
前記出力制御部が、取得した車両状態情報に基づいて、前記対処情報の提供を制御する、
付記1乃至7のいずれか1つに記載の対処情報提供システム。
(付記9)
前記車両状態情報が、前記自動車が走行しているか否かに関する情報を含み、
前記出力制御部が、前記自動車が走行している場合、前記対処情報の提供を保留する、
付記8に記載の対処情報提供システム。
(付記10)
発生したエラーに対処するために必要となる時間である対処時間を予測する対処時間予測部を更に備え、
前記自動車が走行しており、前記対処時間が所定の値以下である場合、前記出力制御部が、前記ユーザに対して、前記対処時間に関する情報を提供する、
付記8又は9に記載の対処情報提供システム。
(付記11)
前記自動車が走行しており、前記対処時間が所定の値以下である場合、前記出力制御部が、前記ユーザに対して、車両を停止した上でエラーに対処するように通知する、
付記10に記載の対処情報提供システム。
(付記12)
前記装置が、自動車に備えられた装置であり、
前記自動車内に、前記ユーザがいるか否かを判定する在否判定部を更に備え、
前記自動車内に前記ユーザがいないと前記在否判定部が判定した場合、前記出力制御部が、前記ユーザが有する携帯端末に前記対処情報を提供する、
付記1乃至11のいずれか1つに記載の対処情報提供システム。
(付記13)
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、前記ユーザに対して提供する対処情報提供装置であって、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得するエラー識別情報取得部と、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、前記エラー識別情報取得部が取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定する動作記録情報特定部と、
前記動作記録情報特定部が特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得する動作記録情報取得部と、
前記動作記録情報取得部が取得した前記動作記録情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記対処情報を決定する対処情報決定部と、
前記対処情報決定部が決定した前記対処情報について、前記ユーザに対する提供を制御する出力制御部と、を備える、
対処情報提供装置。
(付記14)
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、前記ユーザに対して提供する対処情報提供方法であって、
コンピュータが、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得し、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定し、
特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得し、
取得した前記動作記録情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記対処情報を決定し、
決定した前記対処情報について、前記ユーザに対する提供を制御する、
対処情報提供方法。
(付記15)
対象となる装置においてエラーが発生した場合に、前記エラーに対処するための対処情報を、前記ユーザに対して提供する動作をコンピュータに実行させる対処情報提供プログラムであって、
前記装置において発生したエラーに関するエラー識別情報を、前記装置から取得し、
前記装置の動作を記録した複数の動作記録情報の内から、取得した前記エラー識別情報に関連する前記動作記録情報を特定し、
特定した前記動作記録情報を、前記装置から取得し、
取得した前記動作記録情報に基づいて、前記ユーザに提供する前記対処情報を決定し、
決定した前記対処情報について前記ユーザに対する提供を制御する、動作をコンピュータに実行させる、
対処情報提供プログラム。
【符号の説明】
【0074】
1 対処情報提供システム
11 エラー識別情報取得部
12 動作記録情報特定部
13 動作記録情報取得部
14 対処情報決定部
141 動作判定部
142 決定部
15 出力制御部
16 車両状態情報取得部
17 対処時間予測部
18 在否判定部
2 装置
3 車載装置
4 サーバ装置
100 対処情報提供装置
101 演算部
102 記憶部