(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089987
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01F 12/10 20060101AFI20240627BHJP
A01D 61/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A01F12/10 D
A01D61/00 301K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205588
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】折坂 康介
(72)【発明者】
【氏名】山内 一樹
(72)【発明者】
【氏名】種市 遥香
【テーマコード(参考)】
2B084
【Fターム(参考)】
2B084AA01
2B084AC05
2B084BB03
2B084BB61
2B084BB70
2B084BH02
2B084BH13
(57)【要約】
【課題】ガイド部の脱着の際に、ハーネスの脱着を必要としないコンバインを提供する。
【解決手段】植立穀稈を切断する刈取装置13と、刈取穀稈を後方に向けて挟持搬送する搬送装置21を有する刈取部4と、が備えられ、搬送装置21は、無端回動チェーン21と、刈取部4に設けられた刈取フレーム16に脱着可能に支持され、刈取穀稈を無端回動チェーン21側に押し付けるガイド部と、を有し、センサー50は、ハーネスによって制御装置と接続された本体部51と、本体部51によって検出される被検出部52と、を有し、本体部51は、刈取フレーム16に支持されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植立穀稈を切断する刈取装置と、刈取穀稈を後方に向けて挟持搬送する搬送装置を有する刈取部と、
前記刈取部から供給された刈取穀稈を後方に向けて挟持搬送するフィードチェーンと、
前記刈取部の後方に設けられ、前記フィードチェーンによって挟持搬送される刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、
前記搬送装置から前記フィードチェーンへの受け渡し箇所に設けられ、前記フィードチェーンの前端部の上方を閉塞することによって手扱ぎ作業を禁止にする第一状態と、前記前端部の上方を開放することによって手扱ぎ作業を可能にする第二状態と、に状態変更可能なゲート部と、
前記ゲート部が前記第二状態であることを検出するセンサーと、
前記センサーによる前記ゲート部が前記第二状態であることの検出結果を基に前記フィードチェーンを減速制御する制御装置と、が備えられ、
前記搬送装置は、無端回動チェーンと、前記刈取部に設けられた刈取フレームに脱着可能に支持され、刈取穀稈を前記無端回動チェーン側に押し付けるガイド部と、を有し、
前記センサーは、ハーネスによって前記制御装置と接続された本体部と、前記本体部によって検出される被検出部と、を有し、
前記本体部は、前記刈取フレームに支持されているコンバイン。
【請求項2】
前記ゲート部の前部に揺動支点が設定され、
前記ゲート部の前記揺動支点周りの揺動により、前記本体部と前記被検出部とが近接離間移動する請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記刈取フレームに固定された取付部材を介して前記刈取フレームに支持され、
前記本体部は、前記取付部材の横外側部分に対応する位置に位置する請求項1に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記本体部は、ステーを介して前記取付部材に支持され、
前記ステーは、前記取付部材の横内側部分に連結されている請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記ステーは、前記取付部材と連結する第一部と、前記本体部が設けられている第二部と、を備えるL字型部材によって構成され、
前記ステーに、前記第一部と前記第二部とに亘って設けられている補強部材が備えられている請求項4に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記補強部材は、前記ステーの下側部分に配置されている請求項5に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記ゲート部が前記第二状態のときに、前記ステーと前記ゲート部とが当接する請求項4から6のいずれか一項に記載のコンバイン。
【請求項8】
前記ゲート部は、前記被検出部を前記ゲート部に支持する支持部材を有し、
前記ゲート部が前記第二状態のときに、前記支持部材と前記ステーとが当接する請求項4から6のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀稈を脱穀処理する脱穀装置を有するコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなコンバインとして、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。特許文献1に記載のコンバインは、穀稈がフィードチェーンによって挟持搬送されながら脱穀装置により脱穀処理が行われる。このコンバインは、手扱ぎ作業が可能なように構成されており、作業者が手扱ぎ作業を行う際には、フィードチェーンの前端部の上方に設けられているゲート部を上方に揺動して、フィードチェーンの前端部の上方を開放する。ゲート部が上方に揺動されると、センサー(文献では「検出部」)によって検知される。
【0003】
ここで、無端回動チェーンと、無端回動チェーンに対向する状態で設けられ、刈取穀稈を無端回動チェーン側へ案内するガイド部とを有し、刈取部により刈り取られた刈取穀稈を後方へ向けて挟持搬送する搬送装置が備えられたコンバインにおいては、上記のセンサーは、脱着可能に構成されているガイド部に取り付けられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、センサーには、制御装置等へ検出結果を送信するためのハーネスが接続されており、メンテナンス等においてガイド部を取り外す際には、ハーネスを外す作業を必要とするものであった。さらに、ガイド部を取り付ける際には、ハーネスを検出部へ接続させる作業を必要とするものであった。つまり、従来のコンバインでは、ガイド部の脱着の際には、ハーネスを脱着する煩わしい手間を要するものであった。
【0006】
本発明の目的は、ガイド部の脱着の際に、ハーネスの脱着を必要としないコンバインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンバインは、植立穀稈を切断する刈取装置と、刈取穀稈を後方に向けて挟持搬送する搬送装置を有する刈取部と、前記刈取部から供給された刈取穀稈を後方に向けて挟持搬送するフィードチェーンと、前記刈取部の後方に設けられ、前記フィードチェーンによって挟持搬送される刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、前記搬送装置から前記フィードチェーンへの受け渡し箇所に設けられ、前記フィードチェーンの前端部の上方を閉塞することによって手扱ぎ作業を禁止にする第一状態と、前記前端部の上方を開放することによって手扱ぎ作業を可能にする第二状態と、に状態変更可能なゲート部と、前記ゲート部が前記第二状態であることを検出するセンサーと、前記センサーによる前記ゲート部が前記第二状態であることの検出結果を基に前記フィードチェーンを減速制御する制御装置と、が備えられ、前記搬送装置は、無端回動チェーンと、前記刈取部に設けられた刈取フレームに脱着可能に支持され、刈取穀稈を前記無端回動チェーン側に押し付けるガイド部と、を有し、前記センサーは、ハーネスによって前記制御装置と接続された本体部と、前記本体部によって検出される被検出部と、を有し、前記本体部は、前記刈取フレームに支持されている。
【0008】
この発明によれば、センサーの本体部は、刈取フレームに支持されているため、ハーネスがセンサーの本体部に接続されたままの状態で、ガイド部を脱着させることが可能となる。したがって、ガイド部の脱着の際に、ハーネスの脱着を必要としない構成とすることが可能となる。
【0009】
本発明においては、前記ゲート部の前部に揺動支点が設定され、前記ゲート部の前記揺動支点周りの揺動により、前記本体部と前記被検出部とが近接離間移動すると好適である。
【0010】
この構成によれば、ゲート部を揺動させることによって本体部と被検出部とが近接離間するという簡易な構成で、センサーはゲート部が第二状態であることを検出する構成とすることが可能となる。
【0011】
本発明においては、前記ガイド部は、前記刈取フレームに固定された取付部材を介して前記刈取フレームに支持され、前記本体部は、前記取付部材の横外側部分に対応する位置に位置すると好適である。
【0012】
この構成によれば、センサーの本体部は横外側部分に位置するため、作業者がアクセスし易く、メンテナンス作業を容易なものとすることが可能となる。
【0013】
本発明においては、前記本体部は、ステーを介して前記取付部材に支持され、前記ステーは、前記取付部材の横内側部分に連結されていると好適である。
【0014】
この構成によれば、本体部が取付部材の横内側部分に連結されていることにより、取付部材の横外側部分には、本体部が存在しない構成となる。この構成により、ガイド部を脱着させる際に、作業者は、本体部によって邪魔されることなく、ガイド部の脱着作業を行うことが可能となる。
【0015】
本発明においては、前記ステーは、前記取付部材と連結する第一部と、前記本体部が設けられている第二部と、を備えるL字型部材によって構成され、前記ステーに、前記第一部と前記第二部とに亘って設けられている補強部材が備えられていると好適である。
【0016】
この構成によれば、センサーの本体部が、L字型部材によって構成されているステーに支持されていることにより、本体部の脱着作業に際に、本体部が通過する空間を、より大きく確保することが可能となる。この構成により、本体部やステーによって邪魔されることなく、ガイド部の脱着作業を行うことが可能となる。また、本体部は、補強部材が設けられているステーによって、より強固に支持される。
【0017】
本発明においては、前記補強部材は、前記ステーの下側部分に配置されていると好適である。
【0018】
この構成によれば、補強部材がステーの下側部分に配置されていることにより、本体部の脱着作業に際に、ステーの上側部分における本体部が通過する空間を、より大きく確保することが可能となる。この構成により、ステーや補強部材によって邪魔されることなく、ガイド部の脱着作業を行うことが可能となる。
【0019】
本発明においては、前記ゲート部が前記第二状態のときに、前記ステーと前記ゲート部とが当接すると好適である。
【0020】
この構成によれば、ステーとゲート部が当接した状態で、ゲート部の第二状態が維持される構成となる。この構成により、別途ステーとゲート部とが当接する当接部材を設けることなく、安定した状態でゲート部の第二状態を維持することが可能となる。
【0021】
本発明においては、前記ゲート部は、前記被検出部を前記ゲート部に支持する支持部材を有し、前記ゲート部が前記第二状態のときに、前記支持部材と前記ステーとが当接すると好適である。
【0022】
この構成によれば、ステーと支持部材が当接した状態で、ゲート部の第二状態が維持される構成となる。この構成により、別途ステーとゲート部とが当接する当接部材を設けることなく、安定した状態でゲート部の第二状態を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】供給ガイド部とゲート部(手扱ぎ作業禁止状態)との構成を示す左側面図である。
【
図4】供給ガイド部とゲート部との構成を示す平面図である。
【
図5】供給ガイド部とゲート部(手扱ぎ作業可能状態)との構成を示す左側面図である。
【
図6】ゲート部(手扱ぎ作業可能状態)とセンサーとの構成を示すの断面図である。
【
図8】センサー及び制御装置の制御の形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0025】
〔コンバインの全体構成について〕
図1には、自脱型コンバインを示している。本コンバインには、走行機体1が備えられている。走行機体1には、クローラ式の走行装置2と、走行装置2に支持される機体フレーム3と、が備えられている。走行機体1の前方には、植立穀稈を刈り取って刈取穀稈を機体後方に向けて搬送する刈取部4が設けられている。走行機体1の前部における右側部分には、運転部5が設けられている。運転部5の下方には、エンジンE(
図8参照)が設けられている。
【0026】
刈取部4の後方には、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置6が設けられている。脱穀装置6の左側部には、刈取部4から供給された刈取穀稈を後方に向けて挟持搬送するフィードチェーン7が設けられている。脱穀装置6は、フィードチェーン7によって挟持搬送される刈取穀稈を脱穀処理する。脱穀装置6の右隣には、脱穀処理後の穀粒を貯留する穀粒貯留タンク8が設けられている。穀粒貯留タンク8には、穀粒貯留タンク8内の穀粒を排出する穀粒排出装置9が接続されている。
【0027】
〔刈取部について〕
図1及び
図2に示すように、刈取部4は、複数条(本実施形態では、四条)の植立穀稈を刈り取って刈取穀稈を合流させて脱穀装置6に向けて搬送するように構成されている。刈取部4は、機体左右方向に沿って延びる揺動軸芯X1周りにおいて、植立穀稈の刈取作業を行う刈取作業位置(下降位置)と、植立穀稈の刈取作業を行わない非刈取作業位置(上昇位置)とに亘って揺動可能に構成されている。刈取部4には、植立穀稈を分草する複数(本実施形態では、五つ)の分草具10と、植立穀稈を引き起こす複数(本実施形態では、四つ)の引き起こし装置11と、植立穀稈を切断する刈取装置13と、刈取穀稈の株元を掻き込む複数(本実施形態では、四つ)の掻き込みパッカ14と、刈取穀稈を後方に向けて挟持搬送する搬送装置15と、これらを支持する刈取フレーム16と、が備えられている。
【0028】
〔搬送装置について〕
図2に示すように、搬送装置15には、左搬送装置17と、右搬送装置19と、扱深さ搬送装置20と、供給搬送装置21(本発明に係る「搬送装置」に相当)と、補助搬送装置27と、が備えられている。
【0029】
左搬送装置17は、四条のうち左側二条の刈取穀稈を搬送するように構成されている。左搬送装置17には、刈取穀稈の株元側部分を挟持搬送する左株元搬送装置17aと、刈取穀稈の穂先側部分を係止搬送する左穂先搬送装置17bと、が備えられている。
【0030】
右搬送装置19は、四条のうち右側二条の刈取穀稈を搬送するように構成されている。右搬送装置19には、刈取穀稈の株元側部分を挟持搬送する右株元搬送装置19aと、刈取穀稈の穂先側部分を係止搬送する右穂先搬送装置19bと、が備えられている。
【0031】
扱深さ搬送装置20は、左株元搬送装置17a及び右株元搬送装置19aから刈取穀稈の株元側部分を受け継いで挟持搬送するように構成されている。扱深さ搬送装置20は、前支点で上下揺動可能に構成されている。扱深さ搬送装置20を上下揺動させることにより、扱深さを調節することができる。
【0032】
供給搬送装置21は、扱深さ搬送装置20から刈取穀稈の株元側部分を受け継いで挟持搬送するように構成されている。供給搬送装置21には、突起付きの供給チェーン21A(本発明に係る「無端回動チェーン」に相当)と、供給チェーン21Aに対向して設けられ、刈取穀稈の株元を案内する供給ガイド部21B(本発明に係る「ガイド部」に相当)と、供給チェーン21Aが巻き付けられる駆動スプロケット21C等と、が備えられている。供給チェーン21A及び供給ガイド部21Bによって刈取穀稈の株元が挟持搬送される。供給チェーン21Aは、刈取穀稈を搬送する搬送経路R1(
図4参照)側の部分が機体外側(左側)に位置し、かつ、刈取穀稈を搬送しない戻り経路R2(
図4参照)側の部分が機体内側(右側)に位置するように構成されている。
【0033】
補助搬送装置27は、供給搬送装置21から刈取穀稈の株元側部分を受け継いで挟持搬送するように構成されている。補助搬送装置27には、補助搬送チェーン27aと、補助搬送チェーン27aに対向する状態で設けられ、刈取穀稈を補助搬送チェーン27a側に案内する補助搬送チェーンガイド27bと、が備えられている。
【0034】
〔供給ガイド部について〕
図3から
図5に示すように、供給ガイド部21Bは、供給チェーン21Aのうち刈取穀稈を搬送する搬送経路R1側の部分に対向して設けられ、刈取穀稈の株元を案内するように構成されている。供給ガイド部21Bは、刈取穀稈を供給チェーン21A側に押し付けるガイド部材31と、ガイド部材31を供給チェーン21A側に移動付勢する押さえ装置32と、を備える。
【0035】
供給ガイド部21Bは、刈取フレーム16に固定された供給フレーム22を介して刈取フレーム16に脱着可能に支持されている。供給フレーム22は、前端部分が刈取フレーム16に支持され、後方に延びるように設けられている。供給フレーム22には、刈取穀稈をフィードチェーン7の搬送始端部に案内するフィードチェーンガイド23が連結されている。
【0036】
押さえ装置32は、ガイド部材31を供給チェーン21A側に移動付勢するように構成されている。押さえ装置32には、本体33と、一対のロッド34と、一対のスプリング35と、脱着レバー36と、が備えられている。
【0037】
図5に示すように、本体33には、天板部33Aと、天板部33Aの左縁部から垂下する左側壁部33Bと、天板部33Aの右縁部から垂下する右側壁部33Cと、が備えられている。
【0038】
図3から
図5に示すように、本体33は、取付部材24を介して供給フレーム22に支持されている。具体的には、供給フレーム22の後端部には、取付部材24が取り付けられる第一取り付け部22Aが設けられており、取付部材24は、第一取り付け部22Aにボルト固定されている。供給フレーム22のうち、供給フレーム22に対して第一取り付け部22Aは反対側の位置に、第二取り付け部22Bが設けられている。フィードチェーンガイド23は第二取り付け部22Bに支持されている。
【0039】
取付部材24には、底部24Aと、底部24Aの左縁部から上方に延びる左側壁部24Bと、底部24Aの右縁部から上方に延びる右側壁部24Cと、が備えられている。左側壁部24Bの左側面には、ピン71が二つ設けられている。
【0040】
本体33の左側壁部33Bには、ピン71が貫通する貫通孔(図示せず)が二つ形成されている。また、本体33の右側壁部33Cには、取付部材24の右側壁部24Cに形成された貫通孔74に貫通する突起部(図示せず)が設けられている。
【0041】
図3から
図5及び
図7に示すように、本体33の左側壁部33Bは、取付部材24の左側壁部24Bの左側に隣接するように取り付けられ、本体33の右側壁部33Cは、取付部材24の右側壁部24Cの左側に隣接するように取り付けられる。つまり、本体33の左側壁部33Bは、取付部材24の左側壁部24Bと右側壁部24Cとの間の空間の外に位置し、本体33の右側壁部33Cは、取付部材24の左側壁部24Bと右側壁部24Cとの間に位置する。
【0042】
図3から
図5に示すように、ロッド34は、左側壁部24B及び右側壁部24Cを貫通する状態で左側壁部24B及び右側壁部24Cにスライド可能に支持されている。ロッド34のうち供給チェーン21A側の端部は、ガイド部材31に連結されている。
【0043】
スプリング35は、本体33の内部において、ロッド34の外周に設けられている。スプリング35は、ロッド34を供給チェーン21A側に向けて移動付勢するように構成されている。
【0044】
脱着レバー36は、左側の側壁部68Bに揺動軸芯X2周りで揺動可能に支持されている。脱着レバー36には、ピン71に係合する係合溝71aが二つ形成されている。本体33の右側壁部33Cに設けられた突起部(図示せず)が貫通孔74に挿通した状態で、係合溝71aがピン71に上側から係合することにより、ピン71が貫通孔(図示せず)から外れない状態で本体33が取付部材24に取り付けられることになる。この構成により、供給ガイド部21Bは、供給フレーム22を介して刈取フレーム16に脱着可能に支持されている。
【0045】
〔ゲート部について〕
図2に示すように、搬送装置15からフィードチェーン7への受け渡し箇所に、ゲート部40が備えられている。
図3から
図5に示すように、ゲート部40は、取付部材24に揺動可能に支持されている。
【0046】
図3から
図5に示すように、ゲート部40は、フィードチェーン7の前端部の上方に位置しており、
図3に示すように、フィードチェーン7の前端部の上方を閉塞することによって手扱ぎ作業を禁止にする手扱ぎ作業禁止状態(本発明に係る「第一状態」に相当)と、
図5に示すように、フィードチェーン7の前端部の上方を開放することによって手扱ぎ作業を可能にする手扱ぎ作業可能状態(本発明に係る「第二状態」)と、に状態変更可能に構成されている。
【0047】
具体的には、本実施形態では、ゲート部40は、後述するセンサー50の本体部51を支持するステー25と、ゲート部40を揺動可能に支持するアーム部26とを介して、取付部材24に支持されている。
【0048】
図3から
図5及び
図7に示すように、ステー25は、取付部材24の右側壁部24Cから後方に向けて延びる第一部25aと、第一部25aの後側端部から第一部25aと直交する方向に延びる第二部25bとを有する板状のL字型部材によって構成されている。また、ステー25に、第一部25aと第二部25bとに亘って設けられている補強部材25cが備えられている。補強部材25cは、第一部25aの下縁と第二部25bの下縁とに連結され、ステー25の下側部分に配置されている。
【0049】
第一部25aの前側部分は、取付部材24の右側壁部24Cの右側面に連結されている。つまり、ステー25は、取付部材24の横内側部分に連結されている。第一部25aの後側部分には、ロッド34が通過するための凹部75が形成されている。
【0050】
第二部25bは、本体33の後方に位置し、本体33の後端から間隔を開けて配置されている。第二部25bの左側端部部分には、センサー50の本体部51が取り付けられている。
【0051】
アーム部26は、2つの直線状の棒状部分を有するL字形状の棒状部材からなる。アーム部26の2つの棒状部分のうち一方の棒状部分は、ステー25の第一部25aの右側面に固定されている。アーム部26の2つの棒状部分のうち他方の棒状部分は、第二部25bの後方に位置し、ゲート部40が揺動可能に支持されている。
【0052】
ゲート部40は、板状部材からなり、天板部40Aと、天板部40Aの左縁部から垂下する左側壁部40Bと、天板部40Aの右縁部から垂下する右側壁部40Cと、を有する。
【0053】
左側壁部40Bと右側壁部40Cとの前部に、アーム部26が挿通する挿通孔が形成されている。つまり、ゲート部40は、ゲート部40の前部に揺動支点Yが設定されている。
【0054】
左側壁部24Bには、人為操作によりゲート部40を揺動させるための操作具41が設けられている。操作具41は、操作具41の前端部に下向き開放のチャンネル状に形成された連結部41aを有し、連結部41aのうちの右側面が左側壁部24Bに当接する状態で、左側壁部24Bに固定されている。詳しくは説明しないが、供給フレーム22の第二取り付け部22Bに支持されているスプリング42が連結部41aの左側面に連結されており、スプリング42の引っ張り力が作用することにより、手扱ぎ作業禁止状態及び手扱ぎ作業可能状態が維持される。
【0055】
ゲート部40の天板部40Aの下側面に、手扱ぎ作業禁止状態のときにフィードチェーンガイド23と当接する当接部材43が設けられている。当接部材43は、板状部材を屈曲させ、屈曲部分が下方側に位置する三角形状に形成されている。当接部材43は、ゲート部40が手扱ぎ作業禁止状態のとき、屈曲部分がフィードチェーンガイド23に当接する。このとき、スプリング42の引っ張り力が作用により、フィードチェーンガイド23は、フィードチェーン7側に向けて付勢する。
【0056】
〔センサーについて〕
図3から
図5に示すように、センサー50は、ゲート部40が手扱ぎ作業可能状態であることを検出する。センサー50は、供給ガイド部21Bに取り付けられ、磁性体を検出する非接触式の検出装置である本体部51と、磁性体で構成され、本体部51に検出される被検出部52と、を有する。
【0057】
本体部51の右側側面に、磁性体を検出する検出部50sが設けられている。検出部50sは、被検出部52と対向する状態となったときに、被検出部52を検知する。
【0058】
本体部51は、ステー25の第二部25bの左側端部分に設けられており、取付部材24の横外側部分に対応する位置に位置する。本体部51は、ステー25を介して取付部材24に支持されている。つまり、本体部51は、ステー25と取付部材24と供給フレーム22とを介して刈取フレーム16に支持されている。
【0059】
被検出部52は、ゲート部40に板状部材からなる支持部材44に支持されている。支持部材44は、操作具41の連結部41aの上面に設けられている。被検出部52は、支持部材44のうち天板部40Aよりも上方に位置する箇所に設けられている。また、被検出部52は、支持部材44の左側面に設けられている。
【0060】
ゲート部40の揺動支点Y周りの揺動により、本体部51と被検出部52とが近接離間移動するように構成されている。
図6に示すように、ゲート部40が手扱ぎ作業可能状態のとき、検出部50sは、被検出部52と対向する状態となる。この構成により、検出部50sは、ゲート部40が手扱ぎ作業可能状態であることを検出する。このとき、本実施形態では、ステー25と支持部材44とは当接している。
【0061】
図8に示すように、本体部51は、ハーネスHによって制御装置Cと接続されている。センサー50によりゲート部40が手扱ぎ作業可能状態であることを検出すると、この検出結果を制御装置Cに送信する。制御装置Cは、手扱ぎ作業可能状態であることの検出結果を受信すると、エンジンEを減速制御する。エンジンEが減速することにより、フィードチェーン7が減速する。つまり、センサー50によりゲート部40が手扱ぎ作業可能状態であることを検出すると、フィードチェーン7は、制御装置Cにより減速制御される。
【0062】
〔別実施形態〕
以下、上記実施形態に変更を加えた別実施形態を例示する。
【0063】
(1)上記実施形態では、センサー50の本体部51はステー25に支持されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、センサー50の本体部51は取付部材24に直接支持されていてもよく、また、刈取フレーム16に直接支持されていてもよい。
【0064】
(2)上記実施形態では、ゲート部40は、ゲート部40の前部に揺動支点Yが設定されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、ゲート部40は、ゲート部40の後部に揺動支点Yが設定されていてもよい。
【0065】
(3)上記実施形態では、供給ガイド部21Bは、供給フレーム22を介して刈取フレーム16に支持されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、直接刈取フレーム16に支持されていてもよい。
【0066】
(4)上記実施形態では、本体部51は、ステー25の第二部25bの左側端部分に設けられており、取付部材24の横外側部分に対応する位置に位置する構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本体部51は、ステー25の第二部25bの右側端部分に設けられており、取付部材24の横内側部分に対応する位置に位置する構成としてもよい。
【0067】
(5)上記実施形態では、本体部51は、本体部51は、ステー25に設けられ、ステー25と取付部材24と供給フレーム22とを介して刈取フレーム16に支持されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本体部51は、取付部材24に設けられ、供給フレーム22を介して刈取フレーム16に支持されている構成としてもよい。また、本体部51は、供給フレーム22又は刈取フレーム16に支持されている構成としてもよい。
【0068】
(6)上記実施形態では、ステー25は、第一部25aと第二部25bとを有する板状のL字型部材によって構成されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、ステー25は、棒状部材によって構成されていてもよく、また、直線状の部材によって構成されていてもよい。
【0069】
(7)上記実施形態では、ステー25の下側部分に、補強部材25cが備えられている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、ステー25の上側部分に、補強部材25cが備えられている構成としてもよい。また、ステー25に、補強部材25cが備えられていない構成としてもよい。
【0070】
(8)上記実施形態では、手扱ぎ作業可能状態のとき、ステー25と支持部材44とが当接している構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、ステー25とゲート部40とが当接している構成としてもよい。
【0071】
(9)上記実施形態では、走行装置2は、クローラ式である構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、走行装置2は、ホイール式であってもよく、セミクローラ式であってもよい。
【0072】
尚、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、自脱型コンバインの他、普通型コンバインにも利用可能である。
【符号の説明】
【0074】
4 :刈取部
6 :脱穀装置
7 :フィードチェーン
15 :搬送装置
16 :刈取フレーム
21 :供給搬送装置(搬送装置)
21A :供給チェーン(無端回動チェーン)
21B :供給ガイド部(ガイド部)
24 :取付部材
25 :ステー
25a :第一部
25b :第二部
25c :補強部材
40 :ゲート部
44 :支持部材
50 :センサー
50s :検出部
51 :本体部
52 :被検出部
C :制御装置
H :ハーネス
Y :揺動支点