(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090002
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】排土システム
(51)【国際特許分類】
E02D 23/06 20060101AFI20240627BHJP
E02F 7/00 20060101ALI20240627BHJP
E02D 23/08 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
E02D23/06 Z
E02F7/00 A
E02D23/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205613
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 泰司
(57)【要約】
【課題】簡単な構造で土砂ホッパー内の貯留土量を算出できる排土システムを提供する。
【解決手段】排土システム1であって、土砂を貯留可能であるとともに、土砂を下方に向けて排出可能な土砂ホッパー10と、土砂ホッパー10の投入口11よりも上方に設置された測距センサ40と、土砂ホッパー10内の貯留土量を算出する貯留土量算出装置50と、を備えている。貯留土量算出装置50は、測距センサ40から土砂ホッパー10内の土砂の上面までの距離に基づいて、貯留土量を算出する演算手段51を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土砂を貯留可能であるとともに、前記土砂を下方に向けて排出可能な土砂ホッパーと、
前記土砂ホッパーの上部に形成された投入口よりも上方に設置された測距センサと、
前記土砂ホッパー内の貯留土量を算出する貯留土量算出装置と、を備え、
前記貯留土量算出装置は、
前記測距センサから前記土砂ホッパー内の前記土砂の上面までの距離に基づいて、前記貯留土量を算出する演算手段を備えていることを特徴とする排土システム。
【請求項2】
複数の前記測距センサを備え、
前記貯留土量算出装置は、
前記各測距センサから前記土砂ホッパー内の前記土砂の上面までの距離の平均値に基づいて、前記貯留土量を算出することを特徴とする請求項1に記載の排土システム。
【請求項3】
前記貯留土量算出装置は、
前記測距センサから前記土砂ホッパー内の前記土砂の上面までの距離と、前記貯留土量との関係が規定された貯留土量データを記憶する記憶手段を備え、
前記演算手段は、前記貯留土量データに基づいて、前記貯留土量を算出することを特徴とする請求項1に記載の排土システム。
【請求項4】
複数の前記土砂ホッパーを備え、
前記各土砂ホッパーにそれぞれ前記測距センサが設置されており、
前記演算手段は、
前記土砂ホッパーごとに前記貯留土量を算出することを特徴とする請求項1に記載の排土システム。
【請求項5】
前記貯留土量算出装置が算出した前記貯留土量を表示する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の排土システム。
【請求項6】
前記表示手段は、
前記土砂ホッパーの外部に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の排土システム。
【請求項7】
前記貯留土量算出装置は、
前記土砂ホッパーに前記土砂を投入する前の前記貯留土量と、
前記土砂ホッパーに前記土砂を投入した後の前記貯留土量と、を比べて、
前記土砂ホッパーへの前記土砂の投入量を算出する投入量算出手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の排土システム。
【請求項8】
前記土砂を搬送するバケットを備え、
前記土砂ホッパーの前記投入口の上方で前記バケットが傾動することで、前記バケット内の前記土砂が前記土砂ホッパー内に投入されるように構成されており、
前記貯留土量算出装置は、
前記バケットの傾動を検出する検出センサと、
前記バケットの傾動回数に基づいて、前記土砂ホッパー内に投入された前記土砂の総投入量を算出するバケット投入量算出手段と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載の排土システム。
【請求項9】
前記土砂を搬送するバケットと、
前記土砂ホッパーよりも上方に設置された傾動用部材と、を備え、
前記土砂ホッパーの前記投入口の上方で前記バケットが傾動することで、前記バケット内の前記土砂が前記土砂ホッパー内に投入されるように構成されており、
前記バケットは、搬送装置から吊り下げられ、
前記バケットの下部には、前記傾動用部材に係合する係合部が設けられており、
前記バケットを前記土砂ホッパーの前記投入口の上方に向けて移動させつつ、前記傾動用部材に前記係合部を係合させることで、前記係合部を中心に前記バケットが傾動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の排土システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排土システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーソン工事やシールド工事などの掘削工事では、地上に設置した土砂ホッパーに掘削土砂を投入し、土砂ホッパーに土砂を一旦貯留した後に、土砂ホッパーの下方に配置したダンプトラックの積載部に排出している。
施工現場では、土砂ホッパー内の貯留土量に応じて、土砂の搬出に必要なダンプトラックの台数を算出している。
土砂ホッパー内の貯留土量を算出する方法としては、土砂ホッパーを支持する支柱の中間部にロードセルを組み込み、土砂ホッパーに土砂が投入される前後の荷重の変化に基づいて、貯留土量を算出する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の貯留土量の算出方法では、土砂ホッパーを支持する支柱にロードセルを組み込むため、構造が複雑でコストが高くなるとともに、既存の土砂ホッパーに適用するのが難しいという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、簡単な構造で土砂ホッパー内の貯留土量を算出できる排土システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、排土システムであって、土砂を貯留可能であるとともに、前記土砂を下方に向けて排出可能な土砂ホッパーと、前記土砂ホッパーの上部に形成された投入口よりも上方に設置された測距センサと、前記土砂ホッパー内の貯留土量を算出する貯留土量算出装置と、を備えている。前記貯留土量算出装置は、前記測距センサから前記土砂ホッパー内の前記土砂の上面までの距離に基づいて、前記貯留土量を算出する演算手段を備えている。
本発明の排土システムでは、土砂ホッパーの上方に設置した測距センサを用いて、土砂ホッパー内の貯留土量を算出するため、構造が簡単でコストを抑えるとともに、既存の土砂ホッパーに対して容易に適用できる。
そして、本発明の排土システムを用いて、一日の掘削作業終了時に土砂ホッパー内の貯留土量を算出することで、翌日の作業開始時に必要なダンプトラックの台数を正確に計画できる。
【0006】
前記した排土システムにおいて、複数の前記測距センサを設け、前記貯留土量算出装置が、前記各測距センサから前記土砂ホッパー内の前記土砂の上面までの距離の平均値に基づいて、前記貯留土量を算出することが好ましい。この構成では、土砂ホッパー内の貯留土量の算出精度を高めることができる。
前記した排土システムにおいて、前記貯留土量算出装置に、前記測距センサから前記土砂ホッパー内の前記土砂の上面までの距離と、前記貯留土量との関係が規定された貯留土量データを記憶する記憶手段を設けると、前記演算手段が前記貯留土量データに基づいて、前記貯留土量を容易に算出できる。
【0007】
前記した排土システムが複数の前記土砂ホッパーを備えている場合には、前記各土砂ホッパーにそれぞれ前記測距センサを設置し、前記演算手段が前記土砂ホッパーごとに前記貯留土量を算出することが好ましい。この構成では、各土砂ホッパー内の貯留土量を把握できるようになるので、各土砂ホッパーにダンプトラックを向かわせる頻度を調整することができるようになり、ひいては、排土作業を最適化することができる。
前記貯留土量算出装置が算出した前記貯留土量を表示する表示手段を設けることで、各土砂ホッパー内の貯留土量を外部から把握できるように構成することが好ましい。
前記表示手段を前記土砂ホッパーの外部に設けることで、ダンプトラックの運転手から土砂ホッパー内の貯留土量を確認し易くすることが好ましい。
なお、表示手段としては、例えば、貯留土量を段階的に色分けして表示する掲示板や、貯留土量を画面に表示するタブレット等の移動通信端末がある。
【0008】
前記した排土システムにおいて、前記貯留土量算出装置に、前記土砂ホッパーに前記土砂を投入する前の前記貯留土量と、前記土砂ホッパーに前記土砂を投入した後の前記貯留土量と、を比べて、前記土砂ホッパーへの前記土砂の投入量を算出する投入量算出手段を設けた場合には、土砂ホッパーへの土砂の投入量を把握できる。
前記した排土システムが前記土砂を搬送するバケットを備え、前記土砂ホッパーの前記投入口の上方で前記バケットが傾動することで、前記バケット内の前記土砂が前記土砂ホッパー内に投入される場合には、前記貯留土量算出装置に、前記バケットの傾動を検出する検出センサと、前記バケットの傾動回数に基づいて、前記土砂ホッパー内に投入された前記土砂の総投入量を算出するバケット投入量算出手段と、を設ける。
この構成では、掘削作業の進捗状況やバケットの稼働率などを把握できるようになる。また、測距センサを用いて算出した土砂ホッパーへの土砂の総投入量と、バケットの傾動回数から推定される土砂ホッパーへの土砂の総投入量との差が大きい(例えば、バケットに積載する土砂の量が計画量に満たない回数が多い)ことが把握された場合には、バケットに積載する土砂の量を最適化するように、作業員に指示することが可能になるので、排土作業の効率を高めることができる。
【0009】
前記した排土システムにおいて、前記土砂を搬送するバケットと、前記土砂ホッパーよりも上方に設置された傾動用部材と、を設け、前記土砂ホッパーの前記投入口の上方で前記バケットが傾動することで、前記バケット内の前記土砂が前記土砂ホッパー内に投入されるように構成してもよい。この構成では、前記バケットを搬送装置から吊り下げ、前記バケットの下部には、前記傾動用部材に係合する係合部を設け、前記バケットを前記土砂ホッパーの前記投入口の上方に向けて移動させつつ、前記傾動用部材に前記係合部を係合させることで、前記係合部を中心に前記バケットを傾動させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の排土システムでは、測距センサを用いて土砂ホッパー内の貯留土量を算出するため、構造が簡単でコストを抑えるとともに、既存の土砂ホッパーに対して容易に適用できる。そして、土砂ホッパー内の貯留土量を把握することで、土砂の搬出作業を精度良く計画できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る排土システムを示した図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る排土システムの土砂ホッパーを示した図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る排土システムのバケットを示した図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る排土システムを示した全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る排土システムを示した図である。
本実施形態では、ニューマチックケーソン工法に適用した排土システム1について説明する。ニューマチックケーソン工法における排土作業では、
図1に示すように、掘削した土砂をバケット20に積載し、バケット20によって土砂を搬送して、バケット20から土砂ホッパー10に投入している。さらに、土砂ホッパー10内に貯留した土砂を、土砂ホッパー10の下方に配置したダンプトラックTの積載部に排出し、ダンプトラックTによって土砂を搬送している。
【0013】
本実施形態の排土システム1は、複数の土砂ホッパー10と、土砂ホッパー10ごとに設けられたバケット20と、を備えている。
図4は、本発明の実施形態に係る排土システムを示した全体構成図である。
排土システム1は、
図4に示すように、土砂ホッパー10の上方に設置された複数の測距センサ40と、土砂ホッパー10内の貯留土量を算出する貯留土量算出装置50と、貯留土量を表示する表示手段60と、を備えている。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係る排土システムの土砂ホッパーを示した図である。
土砂ホッパー10は、
図2に示すように、上端部よりも下端部が小さく形成された漏斗状の容器であり、土砂を貯留可能であるとともに、貯留した土砂を下方に向けて排出可能である。
土砂ホッパー10の上端面には投入口11が開口し、土砂ホッパー10の下端面には開閉可能な排出口12が形成されている。
土砂ホッパー10では、排出口12を閉じた状態で内部に土砂を貯留し、排出口12を開けることで、土砂を下方に向けて排出する。
土砂ホッパー10は、
図1に示すように、複数の脚部によって所定の高さに支持されている。土砂ホッパー10の排出口12の直下には、ダンプトラックTを停車可能な空間が確保されている。また、土砂ホッパー10は、タワー形状の支持体30の下部の内部に配置されている。
【0015】
測距センサ40は、
図2に示すように、土砂ホッパー10の投入口11の直上に設置されている。本実施形態では、三つの測距センサ40が横方向に間隔を空けて配置されているが、測距センサ40の数は限定されるものではない。
測距センサ40は、光学式や電波式などの公知のセンサである。測距センサ40では、レーザー光やミリ波などの電磁波を土砂ホッパー10の投入口11に向けて出力し、土砂ホッパー10内の土砂の上面で反射した電磁波を受信して解析することで、測距センサ40から土砂ホッパー10内の土砂の上面までの距離を測定する。
【0016】
バケット20は、
図1に示すように、土砂を積載可能な有底筒状の容器である。バケット20は、支持体30の上部から横方向に張り出したアーム31に設けられた搬送装置32のワイヤ33によって吊り下げられている。搬送装置32は、支持体30の上部から横方向に張り出したアーム31に設けられている。
バケット20は、搬送装置32によってアーム31に沿って横方向に移動可能であるとともに、搬送装置32によってワイヤ33を繰り出し、または巻き取ることで昇降可能である。バケット20は、掘削現場と土砂ホッパー10の投入口11の直上との間を移動可能である。
図3は、本発明の実施形態に係る排土システムのバケットを示した図である。
バケット20の下端部には、
図3に示すように、係合部21が吊り下げられている。本実施形態の係合部21は、チェーンの下端部に錘を付けたものである。
本実施形態の排土システム1では、土砂ホッパー10よりも上方で、バケット20の移動経路に傾動用部材22が設けられている。バケット20を土砂ホッパー10の投入口11の直上に向けて移動させると、投入口11の手前でバケット20の係合部21が傾動用部材22の窪み部に引っ掛かるように構成されている。
バケット20の係合部21が傾動用部材22に係合した状態で、バケット20を投入口11の直上に向けて更に移動させつつ、ワイヤ33を繰り出してバケット20の上部を下降させると、係合部21を中心にして、バケット20の上部が下がるように、バケット20が傾動する。これにより、バケット20の上面の開口部が下向きになり、バケット20内の土砂が投入口11から土砂ホッパー10内に投入される。
【0017】
排土システム1には、バケット20の傾動を検出する検出センサ23が設けられている。検出センサ23は、光やレーザーを用いた非接触型センサである。バケット20が傾動したときに、バケット20の一部が検出センサ23の検出領域に入り込むことで、検出センサ23がバケット20の傾動を検出するように構成されている。
【0018】
貯留土量算出装置50は、
図4に示すように、土砂ホッパー10内の貯留土量を算出する演算手段51と、土砂ホッパー10への土砂の投入量を算出する投入量算出手段52と、土砂ホッパー10内に投入された土砂の総投入量を算出するバケット投入量算出手段53と、記憶手段54と、を備えている。
貯留土量算出装置50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、I/F(インターフェイス)等によって構成されている。そして、貯留土量算出装置50の各手段は、ROMやHDD等の記憶手段54に格納されている所定の制御プログラムをCPUによって実行することで具現化される。
【0019】
演算手段51は、測距センサ40から土砂ホッパー10内の土砂の上面までの距離に基づいて、土砂ホッパー10内の貯留土量を算出する。
演算手段51では、一つの土砂ホッパー10に設けられた複数の測距センサ40がそれぞれ測定した距離の平均値に基づいて、その土砂ホッパー10内の貯留土量を算出している。
記憶手段54には、測距センサ40から土砂ホッパー10内の土砂の上面までの距離と、土砂ホッパー10内の貯留土量との関係が規定された貯留土量データが予め記憶されている。
演算手段51では、各測距センサ40がそれぞれ測定した距離の平均値に対応する貯留土量を、貯留土量データから選択することで、土砂ホッパー10の貯留土量を算出している。
【0020】
投入量算出手段52は、土砂ホッパー10に土砂を投入する前に、各測距センサ40の測定結果に基づいて演算手段51が算出した貯留土量と、バケット20が傾動して土砂ホッパー10に土砂が投入された後の時点において、各測距センサ40の測定結果に基づいて演算手段51が算出した貯留土量と、を比べることで、バケット20による土砂ホッパー10への1回の土砂の投入量を算出している。
バケット投入量算出手段53は、検出センサ23によって検出されたバケット20の傾動回数に基づいて、土砂ホッパー10内に投入された土砂の総投入量を算出している。なお、バケット投入量算出手段53では、予め設定した計画量の土砂がバケット20内に積載されているものとして、土砂ホッパー10内に投入された土砂の総投入量を推定している。
【0021】
表示手段60は、貯留土量算出装置50が算出した土砂ホッパー10内の貯留土量を、ダンプトラックT(
図1参照)の運転手が確認できるように表示するものである。
表示手段60としては、例えば、支持体30(
図1参照)に設けた掲示板(電光掲示板やモニタ等)に、貯留土量を段階的に色分けして表示する構成がある。
また、表示手段60としては、ダンプトラックT(
図1参照)の運転席に設置したタブレット等の移動通信端末の画面に、貯留土量を表示する構成もある。
【0022】
以上のような排土システム1では、
図1に示すように、土砂ホッパー10の上方に設置した測距センサ40を用いて、土砂ホッパー10内の貯留土量を算出するため、構造が簡単でコストを抑えるとともに、既存の土砂ホッパー10に対して容易に適用できる。
そして、本実施形態の排土システム1を用いて、一日の掘削作業終了時に各土砂ホッパー10内の貯留土量(土砂の残量)を算出することで、翌日の作業開始時に必要なダンプトラックTの台数を正確に計画できる。
また、本実施形態の排土システム1では、複数の測距センサ40から土砂ホッパー10内の土砂の上面までの距離の平均値に基づいて、貯留土量を算出しているため、貯留土量の算出精度を高めることができる。
また、本実施形態の排土システム1では、土砂ホッパー10ごとに貯留土量を算出しており、各土砂ホッパー10内の貯留土量をそれぞれ正確に把握できるため、各土砂ホッパー10にダンプトラックTを向かわせる頻度を調整できるようになり、ひいては、排土作業を最適化できる。
【0023】
本実施形態の排土システム1では、
図4に示す貯留土量算出装置50の投入量算出手段52およびバケット投入量算出手段53によって、土砂ホッパー10への土砂の総投入量(累積投入量)を把握できる。そして、土砂ホッパー10への土砂の総投入量に基づいて、掘削作業の進捗状況やバケット20の稼働率などを把握できる。
さらに、測距センサ40を用いて投入量算出手段52により算出した土砂ホッパー10への土砂の総投入量と、バケット20の傾動回数からバケット投入量算出手段53により推定された土砂ホッパー10への土砂の総投入量との差を把握できる。
例えば、バケット20に積載する土砂の量が計画量に満たない回数が多かった場合には、測距センサ40を用いて算出した土砂ホッパー10への土砂の総投入量が、バケット20の傾動回数から推定された土砂ホッパー10への土砂の総投入量よりも少ないことになる。このような場合には、バケット20に積載する土砂の量を最適化するように、作業員に指示することで、排土作業の効率を高めることができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態の排土システム1では、
図2に示すように、土砂ホッパー10の投入口11の直上に複数の測距センサ40が配置されているが、測距センサ40の配置は限定されるものではない。例えば、土砂ホッパー10の投入口11よりも上方で、投入口11よりも外側となる位置に測距センサ40を配置し、投入口11に対して斜め下向きに信号を出力して、土砂ホッパー10内の土砂の上面までの距離を測定してもよい。
本実施形態の排土システム1では、
図1に示すように、バケット20を用いて土砂ホッパー10に土砂を投入しているが、土砂ホッパー10内に土砂を投入する構成は限定されるものではない。
【符号の説明】
【0025】
1 排土システム
10 土砂ホッパー
11 投入口
12 排出口
20 バケット
21 係合部
22 傾動用部材
23 検出センサ
30 支持体
31 アーム
32 搬送装置
33 ワイヤ
40 測距センサ
50 貯留土量算出装置
51 演算手段
52 投入量算出手段
53 バケット投入量算出手段
54 記憶手段
60 表示手段
T ダンプトラック