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特開2024-90011情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090011
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240627BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205629
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】515114289
【氏名又は名称】株式会社ラフール
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】結城 啓太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】求職者の適正を正確に予測することを支援する技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、取得ステップと、特定ステップと、を備える。取得ステップでは、ユーザに対して実施された、第1の検査に対する複数の第1の回答と第2の検査に対する複数の第2の回答とを取得する。回答は、検査に含まれる質問に対する回答を含む。特定ステップでは、第1の回答と第2の回答と参照情報とに基づいて、質問の組み合わせを特定する。組み合わせは、少なくとも一つの第1の質問および少なくとも1つの第2の質問からなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
取得ステップと、特定ステップと、を備え、
前記取得ステップでは、ユーザに対して実施された、前記第1の検査に対する複数の第1の回答と前記第2の検査に対する複数の第2の回答とを取得し、
前記回答は、前記検査に含まれる質問に対する回答を含み、
前記特定ステップでは、前記第1の回答と前記第2の回答と参照情報とに基づいて、前記質問の組み合わせを特定し、
前記組み合わせは、少なくとも一つの前記第1の質問および少なくとも1つの前記第2の質問からなる、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記回答は、前記質問に対して設定された評価段階のなかから選択された選択結果である、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
分類ステップをさらに備え、
前記分類ステップでは、前記第1の回答を前記評価段階に応じて複数のグループに分類し、
前記特定ステップでは、設定された前記評価段階のうち相対的に高い段階が選択されたグループに分類された前記第1の回答と前記第2の回答とに基づいて、回答が相関関係にある前記質問の組み合わせを特定する、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記特定ステップでは、前記機械学習により生成された学習モデルに基づいて、前記回答が相関関係にある前記質問の組み合わせを特定する、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の検査に含まれる第1の質問と前記第2の検査に含まれる第2の質問は、少なくとも一つが異なる、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記特定ステップでは、前記ユーザが前記第2の検査を複数回受験していた場合、第1の回答と過去の前記第2の回答との統計値(中央値、平均値)とに基づいて、前記質問の組み合わせを特定する、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の検査は、就職活動を行うユーザに対して実施される検査である、
前記第2の検査は、特定の組織に属するユーザの健康状態を測定することを目的として実施される検査である、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記参照情報は、前記第1の回答と前記第2の回答とを教師データとして学習させた学習済みモデルである、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記学習済みモデルは、前記ユーザに対して再度実施された前記第2の検査に対する第2の回答を新たな教師データとして更新される、
情報処理方法。
【請求項10】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~9の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、
情報処理システム。
【請求項11】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~9の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、求職者と企業とのミスマッチを防止すべく、適性検査を実施するのが一般的である。特許文献1には求人求職支援システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されるシステムは、通信回線を介して求人者に自身情報と採用条件とを入力させる求人情報入力手段と、通信回線を介して求職者に自身情報と就労条件とを入力させると共に適性検査に関する質問を与えて回答を入力させる求職情報入力手段と、前記入力された適性検査の回答を分析する分析手段と、求人者採用条件に合致する求職者の検索を行う求職者検索手段と、検索された求職者の自身情報と就労条件と分析結果とを通信回線を介して前記求人者に通知する手段と、求職者の就労条件および該求職者の分析結果に合致する求人者の検索を行う求人者検索手段と、検索された求人者の自身情報と採用条件と前記求職者の分析結果とを通信回線を介して前記求職者に通知する手段と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-133169
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ここ数十年の間で新規就職者の離職率は変わらないことから、既存の適性検査によって離職率低下が実現されたとは言えない。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、求職者の適正を正確に予測することを支援する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、取得ステップと、特定ステップと、を備える。取得ステップでは、ユーザに対して実施された、第1の検査に対する複数の第1の回答と第2の検査に対する複数の第2の回答とを取得する。回答は、検査に含まれる質問に対する回答を含む。特定ステップでは、第1の回答と第2の回答と参照情報とに基づいて、質問の組み合わせを特定する。組み合わせは、少なくとも一つの第1の質問および少なくとも1つの第2の質問からなる。
【0008】
本開示によれば、求職者の適正を正確に予測することを支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態における情報処理システム1の全体構成を示す図である。
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
図4】情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5】求職者端末2に表示される第1の質問71の一例を示すイメージ図である。
図6】第1の検査61においてユーザに回答8を求める第1の質問71の例を示す図である。
図7】求職者端末2および管理者端末5に表示される評価結果の一例を示す図である。
図8】従業者端末4に表示される第2の質問72の一例を示すイメージ図である。
図9】従業者端末4または管理者端末5に表示される評価結果の一例を示す図である。
図10】「チャレンジ精神」に係る評価項目10と関連性のある第2の質問72の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成(第1の実施形態)
本節では、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。図1は、第1の実施形態における情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0015】
1.1 情報処理システム1
情報処理システム1は、求職者端末2と、情報処理装置3と、従業者端末4と、管理者端末5とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。これらの構成要素についてさらに説明する。
【0016】
1.2 求職者端末2
求職者端末2は、求職者であるユーザが操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。ここで、行政サービスは、例えば、マイナンバーカードを活用した住民通知である。住民通知とは、
【0017】
求職者端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が求職者端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0018】
表示部及び入力部は、例えば、求職者端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。
【0019】
通信部、記憶部及び制御部は、情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0020】
1.3 情報処理装置3
情報処理装置3は、図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33を備え、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0021】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0022】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0023】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
1.4 従業者端末4
従業者端末4は、企業に属する従業者であるユーザが操作するものである。従業者端末4は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0025】
従業者端末4は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が従業者端末4の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。従業者端末4は、性能及び細かな仕様等は異なっていてもよいが、求職者端末2及び情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。
【0026】
1.5 管理者端末5
管理者端末5は、企業の採用担当者または従業員を管理する立場にあるユーザが操作するものである。管理者端末5は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が管理者端末5の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。管理者端末5は、性能及び細かな仕様等は異なっていてもよいが、求職者端末2及び情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。
【0027】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現される。後述する情報処理方法は、情報処理システム1によって実行される。
【0028】
ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置3単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。本実施形態に係る情報処理方法は、後述する各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える少なくとも1つの装置により実現される。プログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、後述する情報処理方法の各ステップを実行させる。以下、情報処理システム1に含まれる各構成要素についてさらに説明する。
【0029】
図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0030】
具体的には、情報処理装置3(制御部33)は、各機能部として、取得部331と、分類部332と、特定部333と、学習部334と、表示制御部335と、評価部336とを備える。
【0031】
取得部331は、取得ステップを実行可能に構成される。取得ステップにおいて、取得部331は、通信部31または記憶部32を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、取得部331は、通信ネットワークおよび通信部31を介して種々の情報を取得するように構成される。本実施形態では、取得部331が取得した種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。特に、取得部331は、求職者端末2および従業者端末4から質問7に対する回答8を取得する。回答8は、例えば、質問7に対して設定された評価段階のなかから選択された選択結果である。
【0032】
分類部332は、分類ステップを実行可能に構成される。取得ステップにおいて、分類部332は、種々の情報を予め設定された条件又は機械学習モデルに基づいて分類する。
【0033】
特定部333は、特定ステップを実行可能に構成される。特定部333は、ユーザの回答8に基づき、条件を満たす質問7の組み合わせを特定する。詳細は後述する。
【0034】
学習部334は、学習ステップを実行可能に構成される。学習ステップにおいて、学習部334は、種々の情報を利用した機械学習を実行する。種々の情報は、例えば、第1の回答81、第2の回答82等である。なお、学習モデルは記憶部32に記憶されていてもよい。
【0035】
表示制御部335は、表示制御ステップを実行可能に構成される。表示制御ステップにおいて、表示制御部335は、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、求職者端末2、従業者端末4または管理者端末5等の端末で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部335は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、上記の端末のディスプレイに表示させるように制御する。表示制御部335は、視覚情報を上記の端末に表示させるためのレンダリング情報だけを生成するものであってもよい。
【0036】
評価部336は、評価ステップを実行可能に構成される。具体的には、評価部336は、求職者端末2または従業者端末4から取得した回答8に基づきユーザの適性または健康状態を評価可能に構成される。
【0037】
3.情報処理の詳細
第3節では、イメージ図を参照しながら、アクティビティ図に沿って情報処理装置3により実行される情報処理方法について説明する。
3.1 第1の検査61および第2の検査62の実施
図4は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【0038】
まず、求職者であるユーザに第1の検査61を実施する。具体的には、表示制御部335は、求職者端末2に第1の質問71を表示させる(アクティビティA101)。図5は、求職者端末2に表示される第1の質問71の一例を示すイメージ図である。図5に示すように、求職者は、第1の質問71に対して設定された評価段階のなかからいずれか一つを選択する。選択結果は、求職者端末2によって、第1の回答81として情報処理装置3に送信される。このように、情報処理システム1は、就職活動を行うユーザに対して求職者の性格や適性を測定することを目的として実施される検査6である第1の検査61を実施する。
【0039】
ここで、検査6に含まれる各質問7は、複数の評価段階に分類分けされている。図6は、第1の検査61においてユーザに回答8を求める第1の質問71の例を示す図である。図6で示すように、第1の質問71および後述の第2の質問72は、分類分けされた評価項目10のうちいずれかに分類される。具体的には例えば、評価項目10は、大分類91、中分類92および小分類93に分類分けされる。
【0040】
次に、取得部331は、取得部331は、求職者に対して実施された、第1の検査61に対する複数の第1の回答81を取得する。(アクティビティA102)。そして、評価部336は、第1の回答81に基づいて求職者を評価する(アクティビティA103)。図7は、求職者端末2および管理者端末5に表示される評価結果の一例を示す図である。図7に示すように、評価部336は、第1の質問71が属する評価項目10の分類段階ごとにユーザの適性が評価される。図7では、中分類92および小分類93ごとにユーザの性格が評価された場合の例が示される。また、分類部332は、評価結果に基づいて、「チャレンジ精神」をはじめとする評価項目10ごとに、求職者を複数のグループに分類する。図7では、「弱い」「普通」「強い」の3つのグループに分類される場合の例が示される。このように、分類部332は、評価項目10ごとに、第1の回答81を評価段階に応じて複数のグループに分類する。そして、表示制御部335は、評価結果を管理者端末5に表示させる(アクティビティA104)。企業の採用担当者は、この評価結果を用いて求職者の採用可否を決定することができる。
【0041】
続いて、第1の検査61を受けた求職者が第1の検査61の評価結果を活用した企業に入社し、従業員となった元求職者であるユーザに第2の検査62を実施する場合を例に説明する。
【0042】
表示制御部335は、求職者端末2に第2の質問72を表示させる(アクティビティA105)。図8は、従業者端末4に表示される第2の質問72の一例を示すイメージ図である。図8で示すように、第1の検査61に含まれる第1の質問71と第2の検査62に含まれる第2の質問72は、少なくとも一つが異なる。かかる従業員は、第2の質問72に対して設定された評価段階のなかからいずれか一つを選択する。選択結果は、第1の回答81として従業者端末4から情報処理装置3に送信される。このように、情報処理システム1は、特定の組織に属するユーザである従業員の健康状態を測定することを目的として実施される検査6である第2の検査62を実施する。
【0043】
次に、取得部331は、第2の検査62に対する複数の第2の回答82を取得する(アクティビティA106)。そして、評価部336は、第2の回答82に基づいて従業員の健康状態を評価する(アクティビティA107)。図9は、従業者端末4または管理者端末5に表示される評価結果の一例を示す図である。図9に示すように、評価部336は、第1の回答81が属する評価項目10の分類段階ごとにユーザの健康状態を評価する。図9では、中分類92および小分類93ごとにユーザの性格が評価された場合の例が示される。そして、表示制御部335は、評価結果を従業者端末4および管理者端末5に表示させる(アクティビティA108)。なお、かかる評価結果は、部署ごとに平均化された数値が管理者端末5に表示されることが好ましい。これにより、企業の管理者は、この評価結果を用いて従業員の健康状態を把握することができる。
【0044】
3.2 学習済みモデルの生成
次に、学習部334は、第1の回答81と第2の回答82とを教師データとして機械学習を実行し、学習済みモデルを生成する(アクティビティA108)。下、「チャレンジ精神」の評価項目10について学習を実行する場合を例にさらに説明する。
【0045】
ここで、第1の検査61に含まれる評価項目10と、かかる評価項目10と関連性のある第2の質問72とは関連付けられて記憶されている。図10は、「チャレンジ精神」に係る評価項目10と関連性のある第2の質問72の一例を示す図である。図10で示される第2の質問72のそれぞれは、第2の検査62において「メンタル」に係る中分類92に含まれる第2の質問72の群に含まれる第2の質問72の一部である。このように、第1の検査61の各評価項目10と関連性のある第2の質問72との組み合わせは、予めデータベース化されて記憶部32に記憶されているものとする。
【0046】
まず、学習部334は、分類部332によって分類されたユーザ群ごとに、評価項目10と関連性のある第2の質問72との相関関係を分析する。具体的には、第1の検査61において、「チャレンジ精神」が「弱い」ユーザ群、「普通」のユーザ群、「高い」ユーザ群の3つのグループそれぞれについて、第2の検査62において「チャレンジ精神」と関連のある第2の質問72に対する回答結果(第2の回答82)との相関関係を分析する。なお、ここで分析対象とされる第2の質問72は、例えば、図10で示された「現状に満足している。」、「もっとハイレベルな仕事にチャレンジしたい。」、「最近物事に対して関心がもてない。」等の質問群である。
【0047】
そして、学習部334は、例えば、「チャレンジ精神」が「高い」ユーザ群の第2の回答82が他のユーザ群と比べて有意に相関係数が高い第2の回答82を特定する。また、学習部334は、「チャレンジ精神」に属する第1の回答81の群と、特定された第2の回答82との相関関係を分析する。具体的には、「チャレンジ精神」に属する複数の第1の回答81のうち、特定された第2の回答82との相関関係が他の第1の検査61と比べて有意に高い第1の回答81を特定する。
【0048】
そして、特定された第1の検査61および第2の回答82は、参照情報として記憶部32に記憶される。すなわち、参照情報は、第1の回答81と第2の回答82とを教師データとして学習させた学習済みモデルである。なお、この学習済みモデルは、ユーザに対して再度実施された第2の検査62に対する第2の回答82を新たな教師データとして更新され得る。
【0049】
次に、特定部333は、機械学習により生成された学習モデルに基づいて、回答8が相関関係にある質問7の組み合わせを特定する。(アクティビティA109)この組み合わせは、少なくとも一つの第1の質問71および少なくとも1つの第2の質問72からなる。
【0050】
例えば、特定部333は、学習部334によって特定された第1の回答81および第2の回答82のうち、最も相関関係の高い第1の質問71と第2の質問72との組み合わせを特定する。このように、特定部333は、第1の回答81と第2の回答82と参照情報とに基づいて、質問7の組み合わせを特定する。具体的には、特定部333は、設定された評価段階のうち相対的に高い段階が選択されたグループに分類された第1の回答81と第2の回答82とに基づいて、回答8が相関関係にある質問7の組み合わせを特定する。なお、特定部333は、ユーザが第2の検査62を複数回受験していた場合、第1の回答81と過去の第2の回答82との統計値とに基づいて、質問7の組み合わせを特定してもよい。統計値は、例えば、中央値、平均値である。
【0051】
このような態様によれば、以後の第1の検査61および第2の検査62において、特定された第1の質問71と第2の質問72との組み合わせを用いるとともに、相関関係のない他の第1の質問71または第2の質問72を以後の検査6に用いないこととすることができる。
【0052】
<まとめ>
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理方法は、取得ステップと、特定ステップと、を備える。取得ステップでは、ユーザに対して実施された、第1の検査61に対する複数の第1の回答81と第2の検査62に対する複数の第2の回答82とを取得する。回答8は、検査6に含まれる質問7に対する回答8を含む。特定ステップでは、第1の回答81と第2の回答82と参照情報とに基づいて、質問7の組み合わせを特定する。組み合わせは、少なくとも一つの第1の質問71および少なくとも1つの第2の質問72からなる。
【0053】
このような態様によれば、情報処理システム1は、求職者の適正を正確に予測することを支援する技術を提供することができる。具体的には、入社前にチェックされたユーザの適性と、入社後のユーザの状態とを考慮した上で、適性検査で実施する質問事項を決定し、ユーザの適性をより正確に把握することができる。
【0054】
4.その他
情報処理システム1は、以下の構成を含む態様で提供されてもよい。
【0055】
本実施形態では、取得部331、分類部332、特定部333、学習部334および表示制御部335を、情報処理装置3の制御部33によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、従業者端末4の制御部によって実現される機能部として実施してもよい。
【0056】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0057】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、取得ステップと、特定ステップと、を備え、前記取得ステップでは、ユーザに対して実施された、前記第1の検査に対する複数の第1の回答と前記第2の検査に対する複数の第2の回答とを取得し、前記回答は、前記検査に含まれる質問に対する回答を含み、前記特定ステップでは、前記第1の回答と前記第2の回答と参照情報とに基づいて、前記質問の組み合わせを特定し、前記組み合わせは、少なくとも一つの前記第1の質問および少なくとも1つの前記第2の質問からなる、情報処理方法。
【0058】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記回答は、前記質問に対して設定された評価段階のなかから選択された選択結果である、情報処理方法。
【0059】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、分類ステップをさらに備え、前記分類ステップでは、前記第1の回答を前記評価段階に応じて複数のグループに分類し、前記特定ステップでは、設定された前記評価段階のうち相対的に高い段階が選択されたグループに分類された前記第1の回答と前記第2の回答とに基づいて、回答が相関関係にある前記質問の組み合わせを特定する、情報処理方法。
【0060】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記特定ステップでは、前記機械学習により生成された学習モデルに基づいて、前記回答が相関関係にある前記質問の組み合わせを特定する、情報処理方法。
【0061】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第1の検査に含まれる第1の質問と前記第2の検査に含まれる第2の質問は、少なくとも一つが異なる、情報処理方法。
【0062】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記特定ステップでは、前記ユーザが前記第2の検査を複数回受験していた場合、第1の回答と過去の前記第2の回答との統計値(中央値、平均値)とに基づいて、前記質問の組み合わせを特定する、情報処理方法。
【0063】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記第1の検査は、就職活動を行うユーザに対して実施される検査である、前記第2の検査は、特定の組織に属するユーザの健康状態を測定することを目的として実施される検査である、情報処理方法。
【0064】
(8)上記(1)~(7)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記参照情報は、前記第1の回答と前記第2の回答とを教師データとして学習させた学習済みモデルである、情報処理方法。
【0065】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記学習済みモデルは、前記ユーザに対して再度実施された前記第2の検査に対する第2の回答を新たな教師データとして更新される、情報処理方法。
【0066】
(10)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0067】
(11)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0068】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
1 :情報処理システム
2 :求職者端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :取得部
332 :分類部
333 :特定部
334 :学習部
335 :表示制御部
336 :評価部
4 :従業者端末
5 :管理者端末
6 :検査
61 :第1の検査
62 :第2の検査
7 :質問
71 :第1の質問
72 :第2の質問
8 :回答
81 :第1の回答
82 :第2の回答
91 :大分類
92 :中分類
93 :小分類
10 :評価項目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。