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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090045
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】クレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 5/08 20060101AFI20240627BHJP
   B66C 7/10 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B66C5/08
B66C7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205683
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】元田 貴之
【テーマコード(参考)】
3F202
【Fターム(参考)】
3F202AD02
(57)【要約】
【課題】ブームが動いたときに当該ブームを支持する部材に不要な荷重がかかることを抑制できる。
【解決手段】クレーン100では、リンク機構33は、橋脚1と第2の部分22とを、ブーム3の起伏時において第2の部分22を支持するように連結される。これにより、ブーム3が起伏しているときに、リンク機構33が第2の部分22を支持することができる。一方、第1の部分21及び第2の部分22が直線状に延びる状態において、リンク機構33はジョイント部43,44にて折れ曲がっている。これにより、トロリ4の移動や風などの影響でブームが比較的大きく上下に動いた場合であっても、リンク部材61,62の角度が変化することで、リンク機構33に荷重がかかることを回避することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋脚で支持され、海陸方向に延びるガーダーと、
前記ガーダーの先端部から延びる、中折れ可能なブームと、を備え、
前記ブームは、
前記ガーダーの前記先端部から延びる陸側の第1の部分と、
前記第1の部分の先端部から延びる海側の第2の部分と、を有し、
前記橋脚と前記第2の部分とは、前記ブームの起伏時において前記第2の部分を支持するリンク機構で連結され、
前記リンク機構は、
前記橋脚に連結される第1のリンク部材と、
前記第2の部分に連結される第2のリンク部材と、
前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材との間でピンによって回転可能に連結される少なくとも一つのジョイント部と、を有し、
前記第1の部分及び前記第2の部分が直線状に延びる状態において、前記リンク機構は前記ジョイント部にて折れ曲がっている、クレーン。
【請求項2】
前記第1の部分及び前記第2の部分が直線状に延びる状態において、前記第1の部分を支持する第1のテンションバー、及び前記第2の部分を支持する第2のテンションバーを更に備え、
前記第1のテンションバー及び前記第2のテンションバーに対する支持荷重が解除されている状態では、前記第1のリンク部材及び前記第2のリンク部材が直線状に延びる、請求項1に記載されたクレーン。
【請求項3】
前記リンク機構は、前記第1のリンク部材と前記第2のリンク部材との間に、複数の前記ジョイント部を有する、請求項1又は2に記載されたクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、以下の特許文献1に記載のように、橋脚で支持されるガーダーと、ガーダーの先端部から延びる、中折れ可能なブームと、を備えるものが知られている。このブームは、ガーダーの先端部から延びる第1の部分と、第1の部分の先端部から延びる第2の部分と、を有する。このクレーンは、第2の部分と橋脚とを接続して第2の部分を支持する補助ステーを有する。補助ステーと第2の部分との接続箇所には、補助ステーに長孔が設けられる。当該長孔にピンが挿入されて、補助ステーと第2の部分とが接続される。特許文献2には、第2の部分と橋脚とを接続して第2の部分を支持するロッドが設けられる。ロッドは、第2の部分及び第1の部分に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-156617号公報
【特許文献2】特開2003-312981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1においては、想定以上の圧縮荷重がかかり、長孔の隙間以上にピンが移動しようとすると、補助ステーに圧縮荷重がかかって構造がダメージを受けることがある。特許文献2においては、トロリの移動や風などの影響によりブームが上下に動いた場合、ロッドに荷重がかかってしまう。
【0005】
本発明は、ブームが動いたときに当該ブームを支持する部材に不要な荷重がかかることを抑制できるクレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るクレーンは、橋脚で支持され、海陸方向に延びるガーダーと、ガーダーの先端部から延びる、中折れ可能なブームと、を備え、ブームは、ガーダーの先端部から延びる陸側の第1の部分と、第1の部分の先端部から延びる海側の第2の部分と、を有し、橋脚と第2の部分とは、ブームの起伏時において第2の部分を支持するリンク機構で連結され、リンク機構は、橋脚に連結される第1のリンク部材と、第2の部分に連結される第2のリンク部材と、第1のリンク部材と第2のリンク部材との間でピンによって回転可能に連結される少なくとも一つのジョイント部と、を有し、第1の部分及び第2の部分が直線状に延びる状態において、リンク機構はジョイント部にて折れ曲がっている。
【0007】
このクレーンでは、リンク機構は、橋脚と第2の部分とを、ブームの起伏時において第2の部分を支持するように連結される。これにより、ブームが起伏しているときに、リンク機構が第2の部分を支持することができる。一方、第1の部分及び第2の部分が直線状に延びる状態において、リンク機構はジョイント部にて折れ曲がっている。これにより、トロリの移動や風などの影響でブームが比較的大きく上下に動いた場合であっても、リンク部材の角度が変化することで、リンク機構に荷重がかかることを回避することができる。
【0008】
第1の部分及び第2の部分が直線状に延びる状態において、第1の部分を支持する第1のテンションバー、及び第2の部分を支持する第2のテンションバーを更に備え、第1のテンションバー及び第2のテンションバーに対する支持荷重が解除されている状態では、第1のリンク部材及び第2のリンク部材が直線状に延びてよい。これにより、リンク機構は、第1のテンションバー及び第2のテンションバーの支持荷重が解除されることに代えて、第2の部分を支持することができる。
【0009】
リンク機構は、第1のリンク部材と第2のリンク部材との間に、複数のジョイント部を有してよい。この場合、リンク機構が折れ曲がり易くなるため、更に荷重を回避することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブームが動いたときに当該ブームを支持する部材に不要な荷重がかかることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るクレーンの全体構成を説明する概略図である。
図2】ブームを中折れさせる前段階のクレーンの状態を示す概略図である。
図3】クレーンの平面視である。
図4】ブームを中折れさせる様子を示す概略図である。
図5】ブームを中折れさせる様子を示す概略図である。
図6】ブームを中折れさせる様子を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係るクレーンの実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るクレーンの構造について説明する。図1は、本実施形態に係るクレーンの全体構成を説明する概略図である。
【0014】
クレーン100は、岸壁などに配置されて、貨物船の荷の積み卸しなどを行う装置である。図1に示すように、クレーン100は、橋脚1と、ガーダー2と、ブーム3と、トロリ4と、機械室6と、を備える。なお、以降の説明では、岸壁に対して貨物船が配置される海へ向かう方向(図の紙面左側)を「海側」と称し、陸へ向かう方向(図の紙面右側)を「陸側」と称する。
【0015】
橋脚1は、岸壁上に配置されると共に、クレーン100全体を支持するフレーム体である。橋脚1は、上下方向に延びる脚部11,12を有する。脚部11,12の下端には、岸壁に設けられたレールを走行する、走行装置が設けられている。これにより、クレーン100は、岸壁に沿ってレール上を走行可能である。
【0016】
ガーダー2は、橋脚1で支持される部材である。ガーダー2は、橋脚1の上方において、水平方向に延びる部材である。ガーダー2は、岸壁の上空の位置で、陸側から海側に向かって延びる。ガーダー2は、橋脚1の海側に設けられる脚部11及び陸側に設けられる脚部12によって支持される。なお、海側の脚部11の上部11aは、ガーダー2よりも更に上方へ延びている。
【0017】
ブーム3は、ガーダー2の海側の先端部2aから、更に海側へ延びる部材である。ブーム3は、中折れ可能となっている(図2図4図6参照)。ブーム3は、第1の部分21と、第2の部分22と、第1の折れ部23と、第2の折れ部24と、を有する。第1の部分21は、ガーダー2の先端部2aから延びる部分である。第2の部分22は、第1の部分21の先端部21aから延びる部分である。第2の部分22の陸側の端部には、上方に突出するように連結部25が設けられる。第1の折れ部23は、ガーダー2と第1の部分21との間に形成される。第1の折れ部23は、ガーダー2の先端部2aの位置にて、第1の部分21が回動することを可能とする。第2の折れ部24は、第1の部分21と第2の部分22との間に形成される。第2の折れ部24は、第1の部分21の先端部21aの位置にて、第2の部分22が回動することを可能とする。なお、折れ部23,24は、ヒンジ構造によって構成される(図2図4図6参照)。
【0018】
通常状態(図1及び図2の状態)では、ガーダー2、第1の部分21、及び第2の部分22は、水平方向に直線状に延びた構造となる。中折れ状態(図6の状態)では、ガーダー2は水平方向の延び、第1の部分21は、上方に立ち上がるように延び、第2の部分22は、ガーダー2よりも高い位置にて水平方向に延びる。このような中折れ状態とすることで、荷役動作を行わない状態において、貨物船とブーム3との干渉を避けることができる。
【0019】
トロリ4は、ブーム3及びガーダー2に沿って走行する荷役装置である。また、トロリ4は、吊り具26を吊り下げた状態で備えている。これにより、通常状態において、トロリ4は、対象物の上方までブーム3に沿って移動し、吊り具26を降ろして対象物を吊り下げた後、吊り具26と共に貨物船上の対象物を吊り上げ、陸上に移動させることができる。
【0020】
機械室6は、ブーム3を中折れさせるための起伏ドラム、トロリ4を横行させるための横行ドラム、及び吊り具26を巻上げるための巻上ドラム当該配置される区域である。機械室6は、脚部12の上端部に配置される。
【0021】
次に、ブーム3の中折れに関する機構について説明する。クレーン100は、起伏機構30と、平面視においてブーム3に沿って配置される、一対の第1のテンションバー31と、一対の第2のテンションバー32と、一対のリンク機構33と、を備える(図3参照)。一対の第1のテンションバー31は、一対の第2のテンションバー32と重なるため、図3には示されない。なお、これらの部材の位置及び数は図3の態様に限られない。例えば、の第1のテンションバー31と、一対の第2のテンションバー32とは、ブームの中央に1本のみ配置してもよい。
【0022】
起伏機構30は、機械室6に設置される起伏ドラムと、脚部11のガーダー2よりも上側のフレーム28の上部11aに設置される滑車36と、第1の部分21の海側の先端部21aの近傍の上面に設置される滑車37と、滑車36を介して起伏ドラムと滑車37とに掛け回される起伏ロープ38とで構成される。起伏ドラムは、起伏ロープ38を巻き上げることで中折れ状態とすることができ、起伏ロープ38を繰り出すことで第1の部分21を通常状態とすることができる。
【0023】
第1のテンションバー31は、第1の部分21及び第2の部分22が直線状に延びる通常状態において、第1の部分21を支持する(図2参照)。第1のテンションバー31は、ブーム3が上方に移動すると、第1の部分21を支持する支持荷重が解除される(図4図6参照)。第1のテンションバー31は、リンク部材41,42と、ジョイント部43,44と、接続部材46と、を備える。リンク部材41は、橋脚1の上部11a付近にピンを介して連結される。リンク部材42は、第1の部分21の先端部21a付近にピンを介して連結される。ジョイント部43,44は、リンク部材41とリンク部材42との間でピンによって回転可能に連結される部分である。接続部材46は、リンク部材41とジョイント部43を介して連結され、リンク部材42とジョイント部44を介して連結される。第1のテンションバー31は、通常状態では第1の部分21を支持することによるテンションがかかることで、リンク部材41,42が直線状に延びる(図2参照)。ブーム3が上方に移動すると、支持荷重が解除されて、リンク部材41,42がジョイント部43,44にて折れ曲がる(図4図6参照)。
【0024】
第2のテンションバー32は、第1の部分21及び第2の部分22が直線状に延びる通常状態において、第2の部分22を支持する(図2参照)。第2のテンションバー32は、ブーム3が上方に移動すると、第2の部分22を支持する支持荷重が解除される(図4図6参照)。第2のテンションバー32は、リンク部材51,52,53と、ジョイント部54,56,57と、接続部材58と、を備える。リンク部材51は、橋脚の上部11a付近にピンを介して連結される。リンク部材53は、第2の部分22の先端側にピンを介して連結される。リンク部材52は、リンク部材51とリンク部材53との間に配置される。ジョイント部54,56,57は、リンク部材51とリンク部材53との間でピンによって回転可能に連結される部分である。接続部材58は、リンク部材51とジョイント部54を介して連結され、リンク部材52とジョイント部56を介して連結される。リンク部材52は、リンク部材53とジョイント部57を介して連結される。第2のテンションバー32は、通常状態では第2の部分22を支持することによるテンションがかかることで、リンク部材51,52,53が直線状に延びる(図2参照)。ブーム3が上方に移動すると、支持荷重が解除されて、リンク部材51,52,53がジョイント部54,56,57にて折れ曲がる(図4図6参照)。
【0025】
リンク機構33は、中折状態において、第2の部分22を支持する(図4図6参照)。リンク機構33は、第1の部分21及び第2の部分22が直線状に延びる通常状態において、テンションが作用していない状態となる(図2参照)。リンク機構33は、第1のリンク部材61と、第2のリンク部材62と、ジョイント部63,64と、接続部材66と、を備える。リンク部材61は、ガーダー2よりいくらか上方で橋脚1にピンを介して連結される。リンク部材62は、第2の部分22の陸側の端部の連結部25にピンを介して連結される。ジョイント部63,64は、リンク部材61とリンク部材62との間でピンによって回転可能に連結される部分である。接続部材66は、リンク部材61とジョイント部63を介して連結され、リンク部材62とジョイント部64を介して連結される。リンク機構33は、通常状態から中折状態に向けてブーム3が上方に移動すると、第2の部分22を支持することによるテンションがかかることで、リンク部材61,62が直線状に延びる(図4図6参照)。通常状態では、テンションがかかっていないため、リンク部材61,62がジョイント部63,64にて折れ曲がる(図2参照)。
【0026】
次に、通常状態にあるブーム3を中折状態にするまでの起立動作について説明する。まず、通常状態においては、図2に示すように、第1の部分21及び第2の部分22が直線状に延びている。このとき、第1のテンションバー31は、第1の部分21を支持することによる支持荷重によって、直線状に延びた状態となる。第2のテンションバー32は、第2の部分22を支持することによる支持荷重によって、直線状に延びた状態となる。リンク機構33は、第2の部分22を支持しておらず支持荷重が作用していない状態であるため、直線状には延びておらず、ジョイント部63,64にて折れ曲がる。
【0027】
次に、起伏ドラムが起伏ロープ38をいくらか巻き上げると、図4に示すように、第1の部分21が僅かに起立する。このとき、第1の部分21は、先端側が上方へ移動するように僅かに傾斜する。第2の部分22は、先端側が下方へ移動するように僅かに傾斜する。第1の部分21の水平方向に対する角度θ増加してリンク機構33の第1のリンク部材61及び第2のリンク部材62が直線状に延びると、リンク機構33に支持荷重が作用する。これにより、第1のテンションバー31及び第2のテンションバー32に対する支持荷重が解除される。これにより、第1のテンションバー31及び第2のテンションバー32は各ジョイント部にて僅かに折れ曲がる。
【0028】
起伏ドラムが起伏ロープ38を更に巻き上げると、図5に示すように、第1の部分21が更に起伏する。これにより、第1のテンションバー31及び第2のテンションバー32の折れ曲がりが大きくなる。この状態では、リンク機構33が第2の部分22を支持し続けているため、リンク機構33の第1のリンク部材61及び第2のリンク部材62とが直線状に延びた状態が維持される。
【0029】
起伏ドラムが起伏ロープ38を更に巻き上げると、図6に示すように、第1の部分21が略垂直に近い角度(角度θ=75°)に起立し、中折れ状態となる。このとき、第2の部分22は水平に延びる。第1のテンションバー31及び第2のテンションバー32の折れ曲がりは更に大きくなる。この状態では、リンク機構33が第2の部分22を支持し続けているため、リンク機構33の第1のリンク部材61及び第2のリンク部材62が直線状に延びた状態が維持される。
【0030】
次に、本実施形態に係るクレーン100の作用・効果について説明する。
【0031】
本実施形態に係るクレーン100では、リンク機構33は、橋脚1と第2の部分22とを、ブーム3の起伏時において第2の部分22を支持するように連結される。これにより、中折れ状態において、リンク機構33が第2の部分22を支持することができる。一方、第1の部分21及び第2の部分22が直線状に延びる状態において、リンク機構33はジョイント部43,44にて折れ曲がっている。これにより、トロリ4の移動や風などの影響でブームが比較的大きく上下に動いた場合であっても、リンク部材61,62の角度が変化することで、リンク機構33に荷重がかかることを回避することができる。
【0032】
第1の部分21及び第2の部分22が直線状に延びる状態において、第1の部分21を支持する第1のテンションバー31、及び第2の部分22を支持する第2のテンションバー32を更に備え、第1のテンションバー31及び第2のテンションバー32に対する支持荷重が解除されている状態では、第1のリンク部材61及び第2のリンク部材62が直線状に延びてよい。これにより、リンク機構33は、第1のテンションバー31及び第2のテンションバー32の支持荷重が解除されることに代えて、第2の部分22を支持することができる。
【0033】
リンク機構33は、第1のリンク部材61と第2のリンク部材62との間に、複数のジョイント部63,64を有してよい。この場合、リンク機構33が折れ曲がり易くなるため、更に荷重を回避することができる。
【0034】
例えば、特許文献2においては、トロリの移動や風などでブームが上下に動いた場合には、第1の部分を支持する部材に荷重がかかる。例えば、風などにより先端ブームが上方に移動するような荷重を受けた場合、連結リンクに圧縮荷重がかかり、その結果、支持部材にも荷重がかかる。これに対し、本実施形態に係るクレーン100では、リンク機構33の角度を変化するとことができる。
【0035】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0036】
また、リンク機構の構成は、上述の実施形態に限定されるものではなく、機能さえ同じであれば、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…橋脚、2…ガーダー、3…ブーム、21…第1の部分、22…第2の部分、31…第1のテンションバー、32…第2のテンションバー、33…リンク機構、61…第1のリンク部材、62…第2のリンク部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6