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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090075
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】配車システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20240627BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240627BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205725
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 涼々
(72)【発明者】
【氏名】奥村 孝
(72)【発明者】
【氏名】望月 綾子
(72)【発明者】
【氏名】浜中 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】笹川 祐一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181BB04
5H181BB15
5H181MA07
5H181MA10
5H181MA14
5H181MA15
5H181MA18
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】簡易な操作により配車サービスを受けることが可能な配車システムを提供する。
【解決手段】配車システムは、1つ以上の端末装置と、施設に設けられ端末装置との間で通信可能なサーバ装置と、サーバ装置との間で通信可能な車両と、を備える配車システムであって、端末装置は、操作ボタンを有し、操作ボタンが操作された場合に端末装置を識別する識別情報をサーバ装置に送信し、サーバ装置は、端末装置から送信された識別情報を受信した場合、識別情報を送信した端末装置の利用者を搭乗させるように指示する配車指示を車両に送信すると共に、車両の手配により発生する配車料金を、施設を利用する際の端末装置の利用者への請求情報として生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の端末装置と、施設に設けられ前記端末装置との間で通信可能なサーバ装置と、前記サーバ装置との間で通信可能な車両と、を備える配車システムであって、
前記端末装置は、操作ボタンを有し、前記操作ボタンが操作された場合に前記端末装置を識別する識別情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記端末装置から送信された前記識別情報を受信した場合、前記識別情報を送信した前記端末装置の利用者を搭乗させるように指示する配車指示を前記車両に送信すると共に、前記車両の手配により発生する配車料金を、前記施設を利用する際の前記端末装置の利用者への請求情報として生成する
配車システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記配車指示が送信されてから前記識別情報を送信した前記端末装置の数が所定数を超えるまでの間、又は前記配車指示が送信されてから所定時間が経過するまでの間、手配した前記車両を待機させる待機指示を送信し、前記識別情報を送信した前記端末装置の数が閾値を超えた場合、又は前記配車指示が送信されてから所定時間が経過した場合、前記車両を出発させる出発指示を送信し、
前記車両は、前記待機指示を受信した場合に出発を待機し、前記出発指示を受信した場合に出発する
請求項1に記載の配車システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記出発指示を送信した後、前記端末装置に対して前記車両が出発したことを含む出発連絡情報を送信し、
前記端末装置は、前記サーバ装置から送信された前記出発連絡情報を受信した場合、前記車両が前記施設を出発したことを報知する
請求項2に記載の配車システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記識別情報を送信した前記端末装置の利用者ごとの前記配車料金を設定する
請求項2に記載の配車システム。
【請求項5】
前記車両には、搭乗者を検出して検出結果を前記サーバ装置に送信する検出部が搭載され、
前記サーバ装置は、前記端末装置の前記識別情報と前記端末装置の利用者に関する利用者情報とが対応付けて記憶され、前記検出部からの検出結果に基づいて、前記車両に搭乗する搭乗者と前記識別情報を送信した前記端末装置の利用者とを照合する
請求項1に記載の配車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどを用いたタクシーの配車サービスが普及している。例えば、特許文献1には、タクシーの配車サービスにおいて、施設等の共通の目的地に向かうユーザに対して、相乗りを希望するユーザに相乗り可能な車両を配車するサービスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-168047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムは、例えばスマートフォンの操作が困難と感じる高齢者等にとっては、サービスを利用することが困難となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、簡易な操作により配車サービスを受けることが可能な配車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配車システムは、1つ以上の端末装置と、施設に設けられ前記端末装置との間で通信可能なサーバ装置と、前記サーバ装置との間で通信可能な車両と、を備える配車システムであって、前記端末装置は、操作ボタンを有し、前記操作ボタンが操作された場合に前記端末装置を識別する識別情報を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記端末装置から送信された前記識別情報を受信した場合、前記識別情報を送信した前記端末装置の利用者を搭乗させるように指示する配車指示を前記車両に送信すると共に、前記車両の手配により発生する配車料金を、前記施設を利用する際の前記端末装置の利用者への請求情報として生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な操作により配車サービスを受けることが可能な配車システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る配車システムの一例を模式的に示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る配車システムの一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る配車システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本実施形態に係る配車システムの動作の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る配車システムの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
図1は、本実施形態に係る配車システム100の一例を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係る配車システム100の一例を示す機能ブロック図である。図1及び図2に示すように、図1及び図2に示す配車システム100は、自宅から各種施設までの送迎車両の手配を行うことが可能なシステムである。各種施設としては、例えば病院等の医療施設、公民館、公園、図書館等の公共施設、老人ホーム、デイサービス等の福祉施設、スーパーマーケット、飲食店、観光地等の他の施設等が挙げられる。配車システム100は、端末装置10と、サーバ装置20と、車両30とを備える。
【0011】
端末装置10は、本実施形態に係る配車システム100において、1つ以上設けられる。端末装置10は、操作ボタン11と、通信部12と、制御部13と、報知部14とを有する。端末装置10は、サーバ装置20との間で情報をやり取りするための専用装置を用いることができる。なお、端末装置10は、専用の装置とすることはもとより、例えばスマートフォン、タブレット、ノート型パソコン等の携帯型情報端末、デスクトップ型パソコン等の据え置き型の情報端末であってもよい。端末装置10としてスマートフォン等の携帯型情報が用いられる場合、高齢者等が容易に操作可能となるようにアプリケーションの画面が設定されることが好ましい。また、端末装置10は、例えば施設から提供されるカード(診察券、施設利用者証、等)に、操作ボタン11、通信部12、制御部13及び報知部14の機能を持たせた構成としてもよい。端末装置10は、施設ごとのサーバ装置20に対して専用に設けられた構成とすることができる。なお、端末装置10は、複数の施設のサーバ装置20に対して共用できる構成であってもよい。
【0012】
操作ボタン11は、利用者が操作することで所定の操作信号が出力される。操作ボタン11は、例えば利用者が押圧することで操作信号を出力する構成であってもよいし、スマートフォン等の携帯型情報端末のアプリケーションにおける操作アイコンのように情報端末のタッチパネル等に表示され利用者がタッチすることで操作信号を出力する構成であってもよい。出力された操作信号は、制御部13に入力される。
【0013】
通信部12は、外部機器との間で有線又は無線による通信を行う。通信部12は、ネットワークインタフェースカード等のインタフェースを含む。
【0014】
報知部14は、画像情報、音声情報等の情報を出力する情報出力部である。報知部14としては、例えば表示部、音声出力部等を用いることができる。
【0015】
制御部13は、処理部15及び記憶部16を有する。処理部15は、各種の情報処理を行う。処理部15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリとを含む。
【0016】
処理部15は、通信制御部17と、報知制御部18とを有する。通信制御部17は、操作ボタン11からの操作信号が入力された場合、通信部12からサーバ装置20に対して端末装置10の識別情報を送信する。通信制御部17は、識別情報に加えて、端末装置10の位置情報、車両30の予約時間、施設の予約日時、車両30の搭乗者の情報等、各種情報を併せて送信することができる。この場合、送信対象となる各種情報については、例えば記憶部16に記憶させておくことができる。
【0017】
通信制御部17は、端末装置10の識別情報に加えて、端末装置10の位置情報をサーバ装置20に送信させてもよい。報知制御部18は、サーバ装置20から後述する出発情報を受信した場合、報知部14を介して利用者に出発情報を報知する。
【0018】
記憶部16は、各種プログラム、データ等の情報を記憶する。記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージを含む。記憶部16は、端末装置10を識別するための識別情報を含む。
【0019】
制御部13では、処理部15においてプロセッサが各種プログラムを読み出してメモリに展開することで、上記各部の機能に対応した情報処理を実行する。各種プログラムとしては、例えば通信部12が受信したプログラム、記憶部16に記憶されたプログラム、外部の記録媒体に記録されたプログラム等が挙げられる。制御部13は、各種の情報処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)として機能する。なお、制御部13とは異なる他の情報処理装置が各種プログラムを実行してもよいし、制御部13と他の情報処理装置とが協働して各種プログラムを実行してもよい。
【0020】
サーバ装置20は、各種施設に設けられる。サーバ装置20は、通信部22と、制御部23とを有する。
【0021】
通信部22は、外部機器との間で有線又は無線による通信を行う。通信部22は、ネットワークインタフェースカード等のインタフェースを含む。
【0022】
制御部23は、処理部25及び記憶部26を有する。処理部25は、各種の情報処理を行う。処理部25は、CPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリとを含む。処理部25は、配車制御部27と、施設制御部28と、通信制御部29とを有する。
【0023】
配車制御部27は、施設を利用する利用者に対して車両30を手配するための各種処理を行う。配車制御部27は、端末装置10から送信された識別情報を受信した場合、識別情報を送信した端末装置10の利用者を搭乗させるように指示する配車指示を車両30に送信する。配車制御部27は、配車指示が送信されてから識別情報を送信した端末装置10の数が所定数を超えるまでの間、又は配車指示が送信されてから所定時間が経過するまでの間、手配した車両30を待機させる待機指示を送信する。配車制御部27は、例えば配車指示と待機指示とを併せて送信することができる。
【0024】
施設制御部28は、施設に関する統括的な制御を行う。施設制御部28は、端末装置10から送信された識別情報を受信した場合、車両30の手配により発生する配車料金を、施設を利用する際の端末装置10の利用者への請求情報として生成する。施設制御部28は、請求情報を生成する際、配車料金については、利用者ごとの料金として設定する。例えば、施設制御部28は、配車指示が送信されてから出発指示を送信するまでの間に識別情報を送信した端末装置10の数に応じて、端末装置10の利用者ごとの配車料金を設定する。この場合、施設制御部28は、1台の車両30を配車するために必要な金額を端末装置10の数で割った値を、利用者ごとの配車料金とすることができる。利用者ごとの配車料金は、利用者毎の乗車距離に応じた配車料金とするなど他の方法で設定してもよい。施設制御部28は、後述する車両30の検出部38の検出結果に基づいて、車両30に搭乗する搭乗者と、識別情報を送信した端末装置10の利用者とを照合する。
【0025】
また、利用者が施設を利用することで施設に利用料金の支払いが生じる場合、施設制御部28は、利用料金に配車料金を加算した加算料金を請求情報として生成することができる。例えば、施設が病院等の医療施設である場合、施設制御部28は、医療費を利用料金として設定することができる。この場合、医療費と配車料金との加算料金が請求情報として生成される。また、施設がスーパーマーケット、飲食店、観光地等の施設である場合、施設制御部28は、当該施設で購入した商品やサービスの料金、施設に入場するための料金等を利用料金として設定することができる。この場合、商品又はサービスの料金、入場料金と配車料金との加算料金が請求情報として生成される。なお、公民館、公園、図書館等の公共施設を利用する場合や、病院に入院患者の面会に行く場合、老人ホーム、デイサービス等の福祉施設に入居者の面会に行く場合等、施設を利用する際の費用が発生しない場合がある。この場合、施設制御部28は、配車料金を請求情報として生成する。
【0026】
通信制御部29は、通信部22を介した情報の通信を制御する。通信制御部29は、出発指示を送信した後、端末装置10に対して車両30が出発したことを含む出発連絡情報を送信する。
【0027】
記憶部26は、各種プログラム、データ等の情報を記憶する。記憶部26は、HDD、SSD等のストレージを含む。記憶部26は、施設の利用者に関する利用者情報を記憶する。記憶部26は、端末装置10の識別情報と、利用者情報とを対応付けて記憶する。利用者情報は、利用者の氏名、年齢、住所、利用目的等を含む。また、利用者情報は、利用者の顔写真等、利用者の外見を示す情報を含む。なお、本実施形態において、利用者の住所は、端末装置10が設置された位置情報として取り扱うことができる。
【0028】
制御部23では、処理部25においてプロセッサが各種プログラムを読み出してメモリに展開することで、上記各部の機能に対応した情報処理を実行する。各種プログラムとしては、例えば通信部22が受信したプログラム、記憶部26に記憶されたプログラム、外部の記録媒体に記録されたプログラム等が挙げられる。制御部23は、各種の情報処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)として機能する。なお、制御部23とは異なる他の情報処理装置が各種プログラムを実行してもよいし、制御部23と他の情報処理装置とが協働して各種プログラムを実行してもよい。
【0029】
車両30は、軽車両、マイクロバス、バン、マイクロモビリティ、タクシー等、各種の車両を用いることができる。車両30は、自動運転が可能な車両であってもよい。車両30は、通信部31と、情報出力部32と、撮影部33と、制御部34とを有する。
【0030】
通信部31は、サーバ装置20との間で情報の通信を行う。情報出力部32は、各種情報を出力する。情報出力部32としては、例えば表示部、音声出力部等が挙げられる。情報出力部32は、例えばサーバ装置20から受信した指示(待機指示、出発指示等)を出力することができる。車両30には、例えばナビゲーション装置(不図示)が設けられてもよい。この場合、ナビゲーション装置の通信部、表示部、音声出力部等を通信部31、情報出力部32等として用いてもよい。
【0031】
撮影部33は、車両30の車室内を撮影する。撮影部33は、例えばカメラ等が用いられる。撮影部33は、搭乗者の目につきにくいように、例えば小型のカメラ等を用いてもよい。
【0032】
制御部34は、処理部35及び記憶部36を有する。処理部35は、各種の情報処理を行う。処理部35は、CPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリとを含む。処理部35は、車両制御部37と、検出部38と、通信制御部39とを有する。
【0033】
車両制御部37は、車両30における各種動作を制御する。車両制御部37は、サーバ装置20から配車指示、待機指示、出発指示等の各指示を情報出力部32に出力させる。車両制御部37は、サーバ装置20から送信される端末装置10の利用者の位置情報に基づいて、走行経路を設定する。車両30が自動運転を行う車両である場合、車両制御部37は、車両30による自動運転を制御することができる。
【0034】
検出部38は、撮影部33で撮影された画像に基づいて搭乗者の顔部分を検出する。検出部38は、例えば公知の顔認識システム等の技術を用いた画像処理を行うことにより、搭乗者の顔部分の画像を検出することができる。
【0035】
通信制御部39は、検出部38における検出結果を通信部31からサーバ装置20に送信させる。
【0036】
記憶部36は、各種プログラム、データ等の情報を記憶する。記憶部26は、HDD、SSD等のストレージを含む。記憶部36は、車両10の運転、搭乗者の検出等の各動作に必要な情報及びプログラム等を記憶する。
【0037】
次に、上記のように構成された配車システム100の動作を説明する。本実施形態において、施設が病院である場合を例に挙げて説明する。施設を利用しようとする端末装置10の利用者は、端末装置10の操作ボタン11を押すことにより、施設側において迎えの車両30が手配される。このように、利用者の操作としては、端末装置10の操作ボタン11を押せばよい。
【0038】
利用者により端末装置10の操作ボタン11が押された場合、端末装置10の制御部13に操作信号が出力される。出力された操作信号は、制御部13に入力される。操作信号が入力された場合、制御部13の通信制御部17は、端末装置10の識別情報を通信部12からサーバ装置20に送信させる。
【0039】
サーバ装置20では、端末装置10から送信された識別情報を通信部22で受信する。識別情報を受信した場合、制御部23において、配車制御部27は、識別情報を送信した端末装置10の利用者を搭乗させるように指示する配車指示を車両30に送信する。配車制御部27は、配車指示と共に待機指示を車両30に送信することができる。待機指示は、車両30を停止させた状態又は走行させた状態で待機させる指示である。待機指示は、配車指示が送信されてから識別情報を送信した端末装置10の数が所定数を超えるまでの間、又は配車指示が送信されてから所定時間が経過するまでの間、車両30を待機させる。車両30が出発を待機している間、他の端末装置10からサーバ装置20に識別情報が送信される場合、当該他の端末装置10の利用者についても同一の車両30を手配することにより、車両30を効率的に運用することができる。上記の所定数については、例えば車両30の乗員定数に基づく値を設定することができる。また、上記の所定時間については、最初に端末装置10から識別情報を送信した利用者を待たせ過ぎないように、適切な時間を設定することができる。
【0040】
識別情報を受信した場合、施設制御部28は、記憶部26に記憶される識別情報と利用者情報との対応関係に基づいて、識別情報に対応付けられた利用者情報を抽出する。施設制御部28は、抽出した利用者情報に基づいて、当該利用者情報に係る利用者が、これから施設を訪れて利用しようとしている旨の利用予定情報を生成する。施設制御部28は、生成した利用予定情報を記憶部26に記憶させる。利用予定情報は、例えばサーバ装置20と通信可能な処理装置等を用いて、利用者に対応する施設側の担当者等が把握することができる。
【0041】
また、施設制御部28は、車両30の手配により発生する配車料金を、施設を利用する際の端末装置10の利用者への請求情報として生成する。請求情報は、利用者が施設を利用した後に施設に料金を支払う際、利用者に対して請求する料金の情報である。本実施形態では、施設が病院である場合を例に挙げているが、この場合、施設の利用により医療費が発生する場合がある。この場合、施設制御部28は、医療費を利用料金として設定することができる。施設制御部28は、当該利用料金に配車料金を加算した加算料金を請求情報として生成することができる。このように、施設の利用による利用料金が発生する場合、利用料金と共に配車料金を請求することができるため、請求に要する手間を簡素化することができる。
【0042】
配車制御部27は、待機指示を送信する。配車制御部27は、配車指示と併せて待機指示を車両30に送信することができる。車両30において、通信部31により待機指示を受信した場合、車両制御部37は、車両30を待機させる旨の指示を情報出力部32に出力させる。この場合、車両30を運転する運転者は、当該待機指示に基づいて待機させることができる。
【0043】
配車制御部27は、識別情報を送信した端末装置10の数が閾値を超えた場合、又は配車指示が送信されてから所定時間が経過した場合、車両30を出発させる出発指示を送信する。配車制御部27は、端末装置10の位置情報、つまり利用者が搭乗する場所の位置情報を出発指示に含めるようにする。複数の端末装置10から識別情報が送信された場合、端末装置10ごとの位置情報を出発指示に含めるようにする。
【0044】
車両30において、通信部31により出発指示を受信した場合、車両制御部37は、車両30を出発させる旨の指示を情報出力部32に出力させる。車両制御部37は、サーバ装置20から送信される端末装置10の位置情報に基づいて、走行経路及び経由地を設定する。経由地は、端末装置10の位置情報又は当該位置情報に対応する場所である。端末装置10の位置情報が複数含まれる場合、車両制御部37は、複数の端末装置10の位置から走行経路に沿った経由地を設定する。なお、走行経路の終点、すなわち車両30の目的地は、施設の場所である。車両制御部37は、設定した走行経路、経由地及び目的地を情報出力部32に出力する。車両30を運転する運転者は、当該出発指示に基づいて車両30を出発させ、走行経路に基づいて車両30を走行させる。
【0045】
通信制御部29は、出発指示が送信された後、端末装置10に対して車両30が出発したことを含む出発連絡情報を送信する。端末装置10では、当該サーバ装置20から送信された出発連絡情報を通信部12で受信する。出発連絡情報を受信した場合、報知制御部18は、報知部14により車両30が施設を出発したことを報知させる。なお、車両30は、当該車両30の位置情報をサーバ装置20にリアルタイムで送信する。
【0046】
車両30が出発した後、サーバ装置20の配車制御部27は、車両30の位置情報に基づいて、車両30が経由地に近づいたか否かを判定する。配車制御部27は、例えば車両30と経由地との距離に基づいて到達時間を算出し、到達時間が閾値以下となった場合に車両30が経由地に近づいたと判定することができる。
【0047】
車両30が経由地に近づいたと判定した場合、通信制御部29は、当該経由地に対応する端末装置10に対して、車両30が間もなく到着する旨の到着予定情報を送信する。端末装置10において、通信部12は、到着予定情報を受信する。報知制御部18は、到着予定情報を受信した場合、車両30が間もなく到着する旨を報知部24から報知させる。
【0048】
車両30が所定位置に到着し、搭乗者が車両30に搭乗した場合、撮影部33は、搭乗者を撮影する。撮影部33は、撮影結果を制御部34に入力する。検出部38は、撮影された映像に基づいて、画像処理等により車両30に搭乗した搭乗者の顔画像を検出する。通信制御部39は、検出結果である搭乗者の顔画像を通信部31からサーバ装置20に送信させる。なお、通信制御部39は、撮影部33で撮影された映像をサーバ装置20にリアルタイムで送信するようにしてもよい。この場合、サーバ装置20側では、送信された映像を表示することで、搭乗者の様子等を確認することができる。例えば、表示される映像から搭乗者に非常事態が発生した場合には、当該非常事態に対する対策を講じることができる。
【0049】
サーバ装置20において、通信部22は、車両30から送信された検出結果を受信する。施設制御部28は、検出部38の検出結果の顔画像と、記憶部26に記憶される識別情報及び利用者情報の顔画像とに基づいて、車両30に搭乗する搭乗者と識別情報を送信した端末装置10の利用者とを照合する。施設制御部28は、例えば画像処理等に基づいて顔画像同士を照合し、一致率が閾値を超えた場合に両者が一致すると判定することができる。照合の結果、車両30の搭乗者と端末装置10の利用者とが一致した場合、施設制御部28は、利用者が施設を利用する旨の予約情報を生成する。また、照合の結果、車両30の搭乗者と端末装置10の利用者とが一致しない場合、一致しない旨の情報(不一致情報)を生成する。不一致情報については、施設側で予め確認することができる。生成した予約情報又は不一致情報は、記憶部26に記憶させるようにする。
【0050】
図3は、本実施形態に係る配車システムの動作の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、端末装置10の利用者により操作ボタン11が押された場合、端末装置10の制御部13に操作信号が出力される(ステップS101)。出力された操作信号は、制御部13に入力される。操作信号が入力された場合、制御部13の通信制御部17は、端末装置10の識別情報を通信部12からサーバ装置20に送信させる(ステップS102)。
【0051】
サーバ装置20では、端末装置10から送信された識別情報を通信部22で受信する(ステップS103)。識別情報を受信した場合、制御部23において、配車制御部27は、識別情報を送信した端末装置10の利用者を搭乗させるように指示する配車指示及び出発を待機する待機指示を車両30に送信する(ステップS104)。車両30は、配車指示及び待機指示を受信し(ステップS105)、受信した配車指示及び待機指示に基づいて配車可能な状態で待機する(ステップS106)。
【0052】
また、施設制御部28は、車両30の手配により発生する配車料金を、施設を利用する際の端末装置10の利用者への請求情報として生成する(ステップS107)。
【0053】
配車制御部27は、配車指示が送信されてから識別情報を送信した端末装置10の数、すなわち利用者の数が所定数を超えたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS106において所定数を超えていないと判定した場合(ステップS108のNo)、配車指示が送信されてから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS109)。所定時間が経過したと判定されない場合(ステップS109のNo)、ステップS108に戻って処理を行う。
【0054】
ステップS108において所定数を超えたと判定した場合(ステップS108のYes)又はステップS109において所定時間が経過したと判定された場合(ステップS109のYes)、車両30を出発させる出発指示を送信する(ステップS110)。車両30は、出発指示を受信した場合(ステップS111)、当該出発指示に基づいて所定の送迎場所に向けて出発する(ステップS112)。
【0055】
通信制御部29は、出発指示が送信された後、端末装置10に対して車両30が出発したことを含む出発連絡情報を送信する(ステップS113)。端末装置10では、当該サーバ装置20から送信された出発連絡情報を通信部12で受信する(ステップS114)。出発連絡情報を受信した場合、報知制御部18は、報知部14により車両30が施設を出発したことを報知させる(ステップS115)。
【0056】
図4は、本実施形態に係る配車システムの動作の他の例を示すフローチャートである。車両30が出発した後、図4に示すように、サーバ装置20は、車両30が経由地に近づいた場合、当該経由地に対応する端末装置10に対して車両30が間もなく到着する旨の到着予定情報を送信する(ステップS201)。
【0057】
端末装置10において、通信部12は、到着予定情報を受信する(ステップ202)。報知制御部18は、到着予定情報を受信した場合、車両30が間もなく到着する旨を報知部24から報知させる(ステップS203)。
【0058】
車両30が所定位置に到着し(ステップS204)、搭乗者が車両30に搭乗した場合(ステップS205)、撮影部33は、車両30の内部を撮影して撮影結果を制御部34に入力する(ステップS206)。検出部38は、撮影された映像に基づいて、車両30に搭乗した搭乗者の顔部分の画像を検出し(ステップS207)、検出結果をサーバ装置20に送信する(ステップS208)。
【0059】
サーバ装置20において、通信部22は、車両30から送信された検出結果を受信する(ステップS209)。施設制御部28は、検出部38の検出結果と、記憶部26に記憶される識別情報及び利用者情報とに基づいて、車両30に搭乗する搭乗者と識別情報を送信した端末装置10の利用者とを照合する(ステップS210)。照合の結果、車両30の搭乗者と端末装置10の利用者とが一致した場合(ステップS211のYes)、施設制御部28は、利用者が施設を利用する旨の予約情報を生成して(ステップS212)、処理を終了する。照合の結果、車両30の搭乗者と端末装置10の利用者とが一致しない場合(ステップS211のNo)、一致しない旨の情報を生成して(ステップS213)、処理を終了する。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る配車システム100は、1つ以上の端末装置10と、施設に設けられ端末装置10との間で通信可能なサーバ装置20と、サーバ装置20との間で通信可能な車両30と、を備える配車システム100であって、端末装置10は、操作ボタン11を有し、操作ボタン11が操作された場合に端末装置10を識別する識別情報をサーバ装置20に送信し、サーバ装置20は、端末装置10から送信された識別情報を受信した場合、識別情報を送信した端末装置10の利用者を搭乗させるように指示する配車指示を車両30に送信すると共に、車両30の手配により発生する配車料金を、施設を利用する際の端末装置10の利用者への請求情報として生成する。
【0061】
この構成によれば、操作ボタン11を操作することで、施設に対して車両30の手配を行うことができる。これにより、簡易な操作により配車サービスを受けることが可能な配車システム100を提供することができる。また、施設の利用により利用料金が発生する場合、当該利用料金を支払う際に車両30の配車料金を併せて支払うことができるため、利便性の高い配車サービスを提供することができる。
【0062】
本実施形態に係る配車システム100において、サーバ装置20は、配車指示が送信されてから識別情報を送信した端末装置10の数が所定数を超えるまでの間、又は配車指示が送信されてから所定時間が経過するまでの間、手配した車両30を待機させる待機指示を送信し、識別情報を送信した端末装置10の数が閾値を超えた場合、又は配車指示が送信されてから所定時間が経過した場合、車両30を出発させる出発指示を送信し、車両30は、待機指示を受信した場合に出発を待機し、出発指示を受信した場合に出発する。この構成によれば、利用者の最大待ち時間と車両30の乗車定員とに応じて、効率的に車両30を運用することができる。
【0063】
本実施形態に係る配車システム100において、サーバ装置20は、出発指示を送信した後、端末装置10に対して車両30が出発したことを含む出発連絡情報を送信し、端末装置10は、サーバ装置20から送信された出発連絡情報を受信した場合、車両30が施設を出発したことを報知する。この構成によれば、端末装置10の利用者は、車両30が施設を出発したことを容易に知ることができる。
【0064】
本実施形態に係る配車システム100において、サーバ装置20は、配車指示が送信されてから出発指示を送信するまでの間に識別情報を送信した端末装置10の数に応じて配車料金を設定する。この構成によれば、車両30の利用者数に応じて配車料金を設定するため、例えば利用者数が多いほど配車料金を低額に設定する、といった運用が可能となる。
【0065】
本実施形態に係る配車システム100において、車両30には、搭乗者を検出して検出結果をサーバ装置20に送信する検出部38が搭載され、サーバ装置20は、端末装置10の識別情報と端末装置10の利用者に関する利用者情報とが対応付けて記憶され、検出部38からの検出結果に基づいて、車両30に搭乗する搭乗者と識別情報を送信した端末装置10の利用者とを照合する。この構成によれば、車両30の搭乗時に搭乗者を照合することにより、施設に到着する前に施設側に搭乗者の情報を伝えることができる。
【0066】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0067】
10…端末装置、11…操作ボタン、12,22,31…通信部、13,23,34…制御部、14…報知部、15,25,35…処理部、16,26,36…記憶部、17,29,39…通信制御部、18…報知制御部、20…サーバ装置、27…配車制御部、28…施設制御部、30…車両、32…情報出力部、33…撮影部、37…車両制御部、38…検出部、100…配車システム
図1
図2
図3
図4