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特開2024-90102情報処理システムおよびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090102
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0483 20130101AFI20240627BHJP
【FI】
G06F3/0483
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205766
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 一郎
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555AA72
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555CB37
5E555CB55
5E555CB56
5E555CB58
5E555DB03
5E555DC21
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザに負担をかけずに、ユーザの関心が高いと推定される複数の情報を比較し易いようにユーザに提供する。
【解決手段】情報処理システム10は、操作情報取得部と、スコア算出部と、表示態様決定部を備える。操作情報取得部は、表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する。スコア算出部は、ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出する。表示態様決定部は、過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象とし、表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する表示対象の組み合わせを決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出するスコア算出部と、
過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象とし、前記表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する表示態様決定部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記表示態様決定部は、スコアが高い前記表示対象ほど表示順序が先になるように、前記表示対象の組み合わせを決定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示態様決定部は、複数の前記表示対象それぞれのデータの長さに基づいて、同時に表示する前記表示対象のデータの長さの差が小さくなるように前記表示対象の組み合わせを決定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表示態様決定部は、一の表示対象のスコアが高いほど、前記一の表示対象と同時に表示する他の表示対象の数を少なくする、
請求項1から3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する処理と、
前記ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出する処理と、
過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象とし、前記表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する処理と、
を1つまたは複数のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のウィンドウを整列表示する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、整列処理開始指示を受け付けると、直近に使用したものから順番にN番目までのウィンドウを選択し、N個のウィンドウを整列して表示する。これにより、ユーザは細かい操作を行うことなく、複数のウィンドウを同時に見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-323343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは複数のウィンドウ(複数の情報)の内容を比較したり、複数の情報の関連性を把握するために、複数のウィンドウを同時に表示したい場合がある。特許文献1では、直近で使用したN個の情報を比較することができるが、これらは必ずしもユーザの関心が高い情報であるとは限らない。例えば、インターネットの検索エンジンの検索結果を閲覧する場合、先に閲覧(使用)したページの方が、後に閲覧したページよりも、ユーザの関心が高い場合がある。また先行文献1では、ユーザが比較し易いように情報を表示することは必ずしも十分には考慮されていない。
【0005】
本発明は、ユーザに負担をかけずに、ユーザの関心が高いと推定される複数の情報を比較し易いようにユーザに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の情報処理システムは、表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する操作情報取得部と、ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出するスコア算出部と、過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象とし、表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する表示対象の組み合わせを決定する表示態様決定部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、装置、方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザに負担をかけずに、ユーザの関心が高いと推定される複数の情報を比較し易いようにユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の情報処理システム全体の構成図である。
図2】表示制御装置の機能ブロックを示すブロック図である。
図3A】表示制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図3B】表示制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図4】データ属性テーブルの一例を示す図である。
図5】操作情報テーブルの一例を示す図である。
図6】比較表示条件入力画面の一例を示す図である。
図7】スコアテーブルの一例を示す図である。
図8】ページ構成テーブルの一例を示す図である。
図9】比較表示画面の一例を示す図である。
図10】ページ構成テーブル作成方法の詳細を示すフローチャートである。
図11】ページ構成テーブルの一例を示す図である。
図12図12(A)と図12(B)と図12(C)は、比較表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
図1は、本実施形態の情報処理システム10全体の構成図である。情報処理システム10は、情報提供サーバ14aと、情報提供サーバ14bと、表示制御装置12(クライアント)とを備える。これらの装置は、ネットワーク16を介して接続されている。情報提供サーバ14aと情報提供サーバ14bを総称する場合、「情報提供サーバ14」とも呼ぶ。情報提供サーバ14の数は任意であり、1つであっても複数であってもよい。情報提供サーバ14は、例えば、インターネットの検索エンジンやWebサーバであるが、これらに限定されるものではない。ネットワーク16は、インターネットやLAN等であり、有線であっても無線であってもよい。
【0011】
表示制御装置12は、情報の表示を制御する情報処理装置である。表示制御装置12は、ユーザが使用する情報機器やモバイル端末であってもよい。図2は、表示制御装置12の構成図であり、具体的には、表示制御装置12の機能ブロックを示すブロック図である。表示制御装置12は、操作部20、表示部22、記憶部24、通信部26、音声入力部28、音声出力部30、制御部32を備える。
【0012】
本明細書のブロック図で示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0013】
通信部26は、ネットワーク16を介して、情報提供サーバ14からユーザが閲覧する情報を取得する。この情報を閲覧対象情報あるいは閲覧対象と呼ぶこともある。閲覧対象は、テキスト、静止画、動画、音声などのデータを含んでいてよい。通信部26は、データを送信する送信部と、データを受信する受信部を含んでいる。
【0014】
制御部32は、表示制御装置12全体を制御するとともに、情報提供サーバ14から取得した情報を表示部22に表示させる。表示部22はディスプレイ等で構成されており、本実施形態では表示制御装置12に含まれている。ただし、これに限定される訳ではなく、表示制御装置12とは別の表示装置(ディスプレイ等)を表示制御装置12に接続してもよく、その場合は表示部22を省略できる。
【0015】
操作部20は、キーボード、ボタン、マウス、トラックボール等であり、ユーザからの操作を受け付ける。なお、タッチパネルを用いて、表示部22と操作部20を一体的に構成してもよい。
【0016】
記憶部24は、半導体メモリ、SSD、HDD等で構成されており、各種のデータやプログラムを記憶する。記憶部24の少なくとも一部は、表示制御装置12の電源を切ってもデータが保持されるように、不揮発性のメモリで構成される。記憶部24は、ブラウザ(インターネットブラウザ)、ワードプロセッサー、表計算などのプログラム(アプリ)やそれらのアプリで必要なデータを記憶してもよい。記憶部24は、情報提供サーバ14から取得した閲覧対象のデータ(閲覧対象データ)やその他のファイルを記憶してもよい。
【0017】
音声入力部28は、マイク等で構成されており、ユーザが発した音声を収音(取得)する。ユーザは操作部20を操作するだけでなく、音声によって閲覧対象に対する操作を行うこともできる。音声入力部28は、ユーザの発した音声をテキストや所定の指示(コマンド)に変換する音声認識部を含んでいてもよい。
【0018】
音声出力部30は、閲覧対象データに音声が含まれている場合にそれを出力(再生)する。また音声出力部30は、音声入力部28において取得されたユーザの音声に対する表示制御装置12の応答を音声として出力してもよい。なお、音声入力部28と音声出力部30を省略することも可能である。
【0019】
制御部32は、操作情報取得部34、スコア算出部36、表示対象特定部38、表示態様決定部40、表示制御部42を含む。これら複数の機能ブロックの機能が実装されたコンピュータプログラムは、記録媒体に格納されてもよく、その記録媒体を介して表示制御装置12のストレージにインストールされてもよい。また、上記コンピュータプログラムは、ネットワーク16を介してダウンロードされ、表示制御装置12のストレージにインストールされてもよい。表示制御装置12のプロセッサ(CPU等)は、上記コンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、上記複数の機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0020】
操作情報取得部34は、表示部22に表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する。スコア算出部36は、ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出する。スコア算出部36は、各閲覧対象に対する順方向のスクロール操作の情報と、逆方向のスクロール操作の情報とに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する。その際、スコア算出部36は、順方向のスクロール操作よりも逆方向のスクロール操作に対して大きな重み付けをする。
【0021】
表示対象特定部38は、過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象として特定する。表示態様決定部40は、特定された表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する表示対象の組み合わせを決定する。表示制御部42は、表示部22の表示内容を制御する。表示制御部42は、表示態様決定部40により決定された表示対象の組み合わせを含む比較表示画面(後述)を表示部22に表示させる。なお、操作情報取得部34~表示制御部42は全て制御部32に含まれているため、各々の機能分担を柔軟に変えて構成することも容易である。例えば、表示対象特定部38と表示態様決定部40を一体的に構成し、表示態様決定部40に表示対象特定部38の機能を実行させてもよい。
【0022】
説明を簡潔にするため、以下では、ユーザがブラウザを操作して閲覧対象を閲覧し、ブラウザの操作情報および閲覧対象に関する情報を記憶部24の操作情報テーブルに記録する例を用いて説明するが、これに限定されるものではない。閲覧対象データは、例えば、ウェブページのデータであるが、ウェブページとは異なる様々な文書データであってもよい。また、例えば、ブラウザ、テキストエディタ―、ワードプロセッサー、表計算などの複数のアプリ(アプリケーションソフト)の操作情報を記録してもよい。すなわち、操作情報の記録は各々のアプリ単位で行ってもよく、複数のアプリに対する操作情報の記録をOSが行ってもよい。
【0023】
本実施形態では、制御部32はブラウザの機能を実行しており、ユーザがブラウザを介して検索エンジンにアクセスし、ブラウザが検索結果の一覧を表示部22に表示している状況を例にして説明する。検索結果の一覧には、各々の情報提供サーバ14にアクセスするためのリンク(URL)と、各々の情報の要約(見出しなど)が記載されている。ユーザは、検索結果の一覧を閲覧し、各々の情報(閲覧対象)の詳細を得るためにリンクをクリックする等の所定の操作を行う。
【0024】
図3A図3Bは、表示制御装置12における処理の流れを示すフローチャートである。ステップS10において、制御部32は、操作情報を記録するための指示(記録開始指示)を受け付けたか否かを判定する。ユーザが操作部20に対して所定の操作を行うことにより、操作部20は制御部32に対して記録開始指示を通知する。所定の操作としては、例えば、キーボードの「Ctrl-A」キーの押下(「Ctrl」キーを押しながら「A」キーを押下)や、所定のメニューを選択する操作を用いることができる。また例えば、ユーザが「操作情報の記録を開始」といった音声コマンドを発声し、音声入力部28がそれを認識して、記録開始指示として制御部32に通知してもよい。ただしこれらに限らず、ブラウザを起動した際に、あるいはOSにログインした際に自動的に記録開始指示が発行されるようにしてもよい。
【0025】
記録開始指示がある場合(ステップS10:Yes)、制御部32は記録開始指示を受け付けた日時を記憶部24に記憶させ、ステップS20に進む。記録開始指示がない場合(ステップS10:No)、ステップS10に戻り、判定処理を繰り返す。すなわち、制御部32は、記録開始指示があるまで待機する。
【0026】
ステップS20において、制御部32は、操作部20を介してユーザからの操作を受け付け、それに従って通信部26を介して情報提供サーバ14から閲覧対象データを取得する。具体的には、制御部32は、ユーザが検索結果の一覧の中からあるリンクを選択する操作を契機として、そのリンクに該当する閲覧対象データを取得する。
【0027】
ステップS30において、制御部32は、取得した閲覧対象データの属性情報を記憶部のデータ属性テーブルに記録する。制御部32は、閲覧対象データを解析して、属性情報を作成する。例えば、制御部32は、閲覧対象データであるHTML(HyperText Markup Language)およびCSS(Cascading Style Sheets)を解析し、閲覧対象の長さなどを算出し、属性情報を作成する。制御部32は、作成した属性情報を記憶部24のデータ属性テーブルに記録する。
【0028】
図4は、データ属性テーブルの一例を示す図である。本図に示すように、データ属性テーブルは、データIDと、URLと、長さと、横幅と、付加情報とが関連付けられたデータである。データIDは、閲覧対象データを識別するためのIDであり、例えば連番を用いればよい。もちろんデータIDは数字に限らず、文字や記号であってもよい。
【0029】
URLは、閲覧対象データの参照先を示すURLである。本実施形態では情報提供サーバ14のURLであるが、これに限らず、表示制御装置12の記憶部24のファイルを示すURLであってもよい。また本実施形態では、検索結果の一覧に含まれるURLが示す参照先のデータを閲覧対象データとするが、検索結果の一覧(検索エンジンが返したページ)そのものを閲覧対象データに含めてもよい。制御部32は、属性情報をデータ属性テーブルに記録する際に、既に同じURLが記録されている否かを判定する。同じURLが記録されている場合には、新しいデータで上書き(更新)し、同じURLが記録されていない場合には、新たなレコード(行)を追加して記録する。
【0030】
長さは、閲覧対象の長さ(縦の長さ)を示す情報である。長さの単位は任意であるが、ここでは文字の行数を用いる。本実施形態では、閲覧対象は、横書きの文字(文章)含んでいることを想定しており、その行数で閲覧対象の長さを表す。もちろんこれに限らず、例えば、ブラウザがHTMLおよびCSSに従って、閲覧対象データを仮想画面(大きさが無制限の画面)にレンダリングした場合のピクセル数、またはインチやセンチメートル単位の長さを用いてもよい。
【0031】
横幅は、閲覧対象の横幅を示す情報である。横幅の単位は任意であるが、ここではブラウザがHTMLおよびCSSに従って、閲覧対象データを仮想画面(大きさが無制限の画面)にレンダリングした場合のピクセル数(画素数)を用いる。もちろんこれに限らず、1行の文字数またはインチやセンチメートル単位の長さを横幅に用いてもよい。
【0032】
付加情報は、閲覧対象データの付加的な情報である。具体的には、制御部32は、閲覧対象データをレンダリングしたページにおける広告領域の位置を特定し、広告領域に関する情報を付加情報に記録する。ただし、広告領域に限らず、ユーザにとって重要性が低いと推定される領域の情報を記録してもよい。また、付加情報の記録を省略してもよい。
【0033】
ステップS40において、制御部32は、閲覧対象を表示部22に表示する。すなわち、制御部32は、閲覧対象データであるHTMLおよびCSSに従って、閲覧対象データをレンダリングし、所定のウィンドウに閲覧対象を表示させる。ユーザは閲覧対象を閲覧する際に、このウィンドウに対して操作を行う。なお、本実施形態におけるウィンドウは、独立したウィンドウに限らず、いわゆる「タブ」も含む概念である。例えば、ユーザが検索結果一覧から、あるリンクを選択(クリック)した場合、ブラウザすなわち制御部32は、所定のウィンドウあるいは所定のタブに、選択されたリンクに該当する閲覧対象を表示させる。
【0034】
ステップS50において、制御部32の操作情報取得部34は、閲覧対象を表示したウィンドウに対するユーザの操作情報を取得する。操作情報取得部34は、取得したユーザの操作情報を記憶部24の操作情報テーブルに記録する。図5は、操作情報テーブルの一例を示す図である。本図に示すように、操作情報テーブルは、操作IDと、データIDと、アプリ名と、操作日時と、操作種別と、付加情報とを関連付けたデータである。
【0035】
操作IDは、操作情報テーブルの各々のデータ(各々の行)を識別するためのIDであり、例えば連番を用いればよい。操作情報取得部34は、ユーザが新たな操作を行うごとに、操作情報テーブルに新たなレコード(行)を追加する。
【0036】
データIDは、図4に示すデータ属性テーブルのデータIDと同じであり、閲覧対象データを一意に識別する情報である。図5の例では、2つのデータIDが示されているが、以下の説明において、データID「1」の閲覧対象を「閲覧対象1」と呼び、データID「2」の閲覧対象を「閲覧対象2」と呼ぶこともある。同様に、データID「1」の閲覧対象データに基づいて出力された閲覧対象を「閲覧対象1」と呼び、データID「2」の閲覧対象データに基づいて出力された閲覧対象を「閲覧対象2」と呼ぶこともある。
【0037】
アプリ名は、閲覧対象を表示部22に表示するために使用したアプリケーションの名称である。本図に示す例では、全て「ブラウザA」となっており、全ての閲覧対象が「ブラウザA」によって表示されたことを示す。このように1種類のアプリのみを用いる場合には、アプリ名を省略してもよい。もちろん、この例に限らず、「ブラウザA」の他に「ブラウザB」や「ブラウザC」を用いて閲覧対象を表示してもよい。また、ブラウザに限らず、テキストエディタ―、pdfビューワー、ワードプロセッサー、表計算などの多様なアプリを用いて閲覧対象を表示し、それに関する操作情報を操作情報テーブルに記録してもよい。
【0038】
操作日時は、ユーザが操作を行った日時である。本図において、例えば、「2022/7/17 10:05:20」は、「2022年7月17日 10時5分20秒」を示す。時刻の単位は任意であり、秒単位に限らず、ミリ秒単位等までを記録してもよい。なお制御部32は、操作日時が所定の基準よりも古いデータ(例えば、30日以上経過したデータ)を削除してもよい。
【0039】
操作種別は、閲覧対象に関してユーザが行った操作の種別を示す。操作種別は、本図に示すように例えば、「ウィンドウ表示」、「順方向スクロール開始」、「逆方向スクロール開始」、「スクロール停止」、「リンククリック」、「ウィンドウ非表示」、「ウィンドウ再表示」などである。「ウィンドウ表示」とは、ユーザが閲覧対象を表示するための操作を行い、閲覧対象を表示したウィンドウが表示部22の画面に表示された状態である。
【0040】
「順方向スクロール開始」とは、順方向のスクロールを開始した状態である。本実施形態では、閲覧対象は、横書きの文字で構成されており、文章の開始点はウィンドウの左上部であり、文章の終了点はウィンドウの下部あるいはウィンドウの下端よりも下の位置にあることを想定している。つまり、ユーザはウィンドウ上部から下部に向かって文章を読むが、文章全体がウィンドウに表示されていない場合には、縦方向のスクロールを使用して、ウィンドウに表示される文章の位置をずらすことを想定している。
【0041】
以下では説明を簡潔にするため、横方向のスクロールは想定しないが、もちろんこれに限定されるものではなく、横方向のスクロール情報を操作情報テーブルに記録してもよい。順方向スクロールとは、ユーザが文章を読み進めるために、スクロールバー等を操作して、ウィンドウの下端よりも下の位置にあって表示されていない文章を上にずらしてウィンドウ内に表示させる操作である。なお、横方向のスクロール情報を操作情報テーブルに記録する場合、順方向スクロールは、ウィンドウの右端よりも右の位置にあって表示されていない文章を左にずらしてウィンドウ内に表示させる操作である。
【0042】
「逆方向スクロール開始」とは逆方向のスクロールを開始した状態である。逆方向のスクロールとは、順方向とは逆向きのスクロールであり、ウィンドウの上端よりも上の位置にあって表示されていない文章を下にずらしてウィンドウ内に表示させる操作である。例えば、ユーザは既に閲覧した文章を読み直したい場合に、逆方向のスクロール操作を行う。なお、横方向のスクロール情報を操作情報テーブルに記録する場合、逆方向スクロールは、ウィンドウの左端よりも左の位置にあって表示されていない文章を右にずらしてウィンドウ内に表示させる操作である。
【0043】
「スクロール停止」とは、スクロール操作を停止した状態である。なお、スクロール操作は、マウスやトラックボールを用いて行うこともできるが、キーボードのショートカットキー等で行うこともできる。また、音声コマンドによりスクロール操作を行ってもよい。
【0044】
「リンククリック」とは、閲覧対象に含まれるリンク(他のURL)をクリックした状態である。ユーザがリンクをクリックすると、ブラウザは同一あるいは新たなウィンドウ(タブを含む)に、該当するURLの閲覧対象を表示する。
【0045】
ここで、同一のウィンドウに新たな閲覧対象を表示すると、先に表示されていた閲覧対象は「非表示」状態になる。また、新たなウィンドウに新たな閲覧対象を表示する場合であっても、新たなウィンドウを画面の前面に表示し、先に表示されていたウィンドウがその背面に隠される場合には、先に表示されていた閲覧対象は「非表示」状態になる。「ウィンドウ非表示」とは、このようにウィンドウが非表示になる状態である。もちろん、これに限らず、例えば、ユーザがウィンドウを閉じる等の明示的な操作を行った場合にも「ウィンドウ非表示」を記録してよい。
【0046】
「ウィンドウ再表示」とは、一度「非表示」になったウィンドウが再度表示された状態である。例えば、他のウィンドウの背面に隠されていたウィンドウを前面に表示させた場合や、ブラウザの「戻る」ボタンを押して先に表示されていた閲覧対象を再表示させた場合がこれに該当する。
【0047】
付加情報は、操作種別の付加的(補助的)な情報である。例えば、操作種別が「ウィンドウ表示」または「ウィンドウ再表示」である場合に、そのウィンドウの大きさを示す情報が付加情報に記録される。ウィンドウの大きさを示す単位は任意であるが、本実施形態では、ウィンドウに表示される文章の行数(縦方向の行数)を用いる。例えば、図5において、操作ID「1」のデータは、操作種別が「ウィンドウ表示」であり、付加情報が「25行」となっている。これは、閲覧対象の最初の25行分がウィンドウに表示された状態であることを示す。図5では省略しているが、ウィンドウの大きさを示す情報として、縦方向の行数だけでなく、さらに横方向の文字数を用いてもよい。また、操作種別として、さらに「ウィンドウ大きさ変更(リサイズ)」を記録し、付加情報として新たなウィンドウの大きさを記録してもよい。
【0048】
また、操作ID「2」のデータは、操作種別が「順方向スクロール開始」であり、付加情報が「30行」となっている。これは、操作ID「3」の「スクロール停止」までの間に、閲覧対象の30行分が順方向にスクロールされたことを示す。つまり、操作ID「3」の「スクロール停止」の時点までに、閲覧対象1は、合計55行分(25+30=55)ウィンドウに表示された状態であることが分かる。また更に、操作ID「5」の「スクロール停止」の時点において、閲覧対象1の21行目から45行目(25+30-10=45)までがウィンドウに表示されていることが分かる。
【0049】
図3Aの説明に戻る。ステップS60において、制御部32は、比較表示を行うための指示(比較表示指示)を受け付けたか否かを判定する。ユーザが操作部20に対して所定の操作を行うことにより、操作部20は制御部32に対して比較表示指示を通知する。所定の操作としては、例えば、キーボードの「Ctrl-Z」キーの押下(「Ctrl」キーを押しながら「Z」キーを押下)や、所定のメニューを選択する操作を用いることができる。また例えば、ユーザが「比較表示を開始」といった音声コマンドを発声し、音声入力部28がそれを認識して、比較表示指示として制御部32に通知してもよい。
【0050】
比較表示指示がある場合(ステップS60:Yes)、制御部32は比較表示指示を受け付けた日時を記憶部24に記憶し、ステップS70に進む。記録開始指示がない場合(ステップS60:No)、ステップS20に戻り、処理を繰り返す。すなわち、制御部32は、ユーザの操作が行われた場合に、新たな閲覧対象データを取得する。
【0051】
ステップS70において、制御部32は、比較表示条件を取得する。まず制御部32は、図6に示すような比較表示条件入力画面を表示部22に表示させる。本図に示すように、記録開始指示を受け付けた日時(2022年7月17日の10時1分)と、比較表示指示を受け付けた日時(2022年7月17日の11時5分)が表示され、その間の期間に表示された情報(閲覧対象)の件数(個数)が表示される。図6の例では20件である。また、後述する比較表示において、合計何件の表示を行うかを指定させるための入力フィールドが表示される。本図の例では、比較表示の候補となる20件のうち10件を表示させることが指定されている。
【0052】
また、比較表示条件入力画面は、後述する比較表示において1画面に表示させる情報の件数を指定させるための入力フィールドを含む。本図の例では、1画面に2件ずつ情報を表示させることが指定されている。なお、各入力フィールドには、初期値(デフォルト値)が設定されてもよい。ユーザはそれぞれの入力フィールドの値を設定し、「決定」ボタンを押すことにより、これらの比較表示条件が制御部32に通知される。つまり、比較表示対象の総件数と1画面での件数が制御部32に通知される。なお、「クリア」ボタンを押すと、入力フィールドの値が初期化(リセット)される。
【0053】
ステップS80において、制御部32のスコア算出部36は、閲覧対象ごとにスコアを算出する。このスコアは、ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象に対するユーザの関心の高さを推定した指標(数値)であり、優先度とも呼ばれる。まずスコア算出部36は、記憶部24の操作情報テーブルを参照して、記録開始指示を受けてから比較表示指示を受けるまでの期間(所定期間)に表示された閲覧対象を特定する。具体的には、操作種別が「ウィンドウ表示」であり、操作日時が記録開始指示の日時から比較表示指示の日時までの期間に該当するデータIDを全て抽出する。以下では、所定期間にデータID「1」~「20」の20個の閲覧対象が表示された場合を例に説明する。
【0054】
次にスコア算出部36は、所定期間に表示された閲覧対象(例えば20個の閲覧対象)それぞれについて、式1に従ってスコアSを算出する。
S=α1×R+α2×P+α3×Q+α4×1/V+α5×1/W+α6×D+α7×T ・・・(式1)
【0055】
Rは、閲覧対象全体のうちどれだけの部分が表示されたかを示す指標である。まずスコア算出部36は、データ属性テーブルを参照し、スコア算出対象であるデータの長さを取得する。図4において、例えば、データID「2」の長さである「50行」が取得される。次にスコア算出部36は、操作情報テーブルを参照し、ウィンドウに表示された行数の合計を算出する。図5において、例えば、操作ID「8」~「11」におけるデータID「2」に関するデータから、データID「2」で表示された行数は50行(30+20=50)であると算出される。次にスコア算出部36は、閲覧対象全体の行数に対する表示された行の割合をRとして算出する。例えば、データID「2」の全体の行数は50行であり、そのうちの50行が表示されているため、R=1(50/50=1.0)として算出される。つまり、Rは閲覧対象の全体が表示された場合には1となり、そうでない場合は1未満となる。閲覧対象全体に対する表示された部分の割合が高いほど、閲覧対象に対するユーザの関心が高いと推定できる。
【0056】
Pは、順方向のスクロール量の合計値である。図5の例では、操作ID「2」と「13」においてデータID「1」の順方向スクロール操作が行われており、この場合のスクロール量の合計値は55行(30+25=55)である。この値「55」は、絶対的な順方向のスクロール量なので、絶対順スクロール量と呼ぶこともある。P=55としてもよいが、閲覧対象全体の行数に対するスクロール量の割合をPとしてもよい。例えば、図4の例に示すように、データID「1」の全体の行数が100行であるとすると、P=0.55(55/100=0.55)となる。これは、閲覧対象全体に対する相対的な順方向のスクロール量(相対順スクロール量)といえる。順方向のスクロールと逆方向のスクロールを交互に繰り返したような場合には、相対順スクロール量は1より大きくなることもある。なお、絶対順スクロール量と相対順スクロール量をまとめて第1スクロール量と呼ぶこともある。スクロール操作はユーザにとって手間なので、スクロール量が多い場合は、ユーザは手間をかけてまで閲覧対象を閲覧したいと考えたと推定できる。つまり、順方向スクロール量が多いほど、閲覧対象に対するユーザの関心が高いと推定できる。
【0057】
Qは、逆方向のスクロール量の合計値である。図5の例では、操作ID「4」においてデータID「1」の逆方向スクロール操作が行われており、この場合のスクロール量の合計値は10行である。この値「10」は、絶対的な逆方向のスクロール量なので、絶対逆スクロール量と呼ぶこともある。逆方向のスクロール操作が複数回行われている場合には、それらの合計値を算出する。Q=10としてもよいが、閲覧対象全体の行数に対するスクロール量の割合(相対逆スクロール量)をQとしてもよい。例えば、データID「1」の全体の行数が100行であるとすると、Q=0.1(10/100=0.1)となる。なお、絶対逆スクロール量と相対逆スクロール量をまとめて第2スクロール量と呼ぶこともある。上述したようにスクロール操作はユーザにとって手間であることに加えて、逆方向のスクロール操作を行うのは、ユーザが閲覧対象の特定の部分を繰り返し閲覧したいためと推定できる。つまり、逆方向スクロール量が多いほど、閲覧対象に対するユーザの関心が高いと推定できる。
【0058】
Vは、順方向のスクロール速度である。スクロール速度の単位は任意であるが、例えば1秒間当たりに移動した行数を用いることができる。図5の例では、操作ID「9」において、データID「2」に関する順方向のスクロール操作が行われているが、操作ID「10」のスクロール停止までの20秒間に20行のスクロールが行われている。この場合、スクロール速度Vは「1」(20/20=1.0)と算出される。順方向のスクロール操作が複数回行われている場合には、それぞれのスクロール速度を算出し、それらの代表値(平均値、中央値、最頻値など)を算出してVとすればよい。式1において、1/V、つまりVの逆数はスクロール速度が遅いほど大きな値となる。スクロール速度が遅いほど、ユーザは閲覧対象の内容を確認しながらスクロール操作を行っていると推定できる。つまり、順方向スクロール速度が遅いほど、閲覧対象に対するユーザの関心が高いと推定できる。なお、順方向のスクロール操作が行われていない場合には、式1において1/Vを「0」とすればよい。
【0059】
Wは、逆方向のスクロール速度である。スクロール速度の単位は任意であるが、例えば1秒間当たりに移動した行数を用いることができる。図5の例では、操作ID「4」において、データID「1」に関する逆方向のスクロール操作が行われているが、操作ID「5」のスクロール停止までの20秒間に10行のスクロールが行われている。この場合、スクロール速度Vは「0.5」(10/20=0.5)と算出される。逆方向のスクロール操作が複数回行われている場合には、それぞれのスクロール速度を算出し、それらの代表値(平均値、中央値、最頻値など)を算出してWとすればよい。式1において、1/W、つまりWの逆数はスクロール速度が遅いほど大きな値となる。スクロール速度が遅いほど、ユーザは閲覧対象の内容を確認しながらスクロール操作を行っていると推定できる。つまり、逆方向スクロール速度が遅いほど、閲覧対象に対するユーザの関心が高いと推定できる。なお、逆方向のスクロール操作が行われていない場合には、式1において1/Wを「0」とすればよい。
【0060】
Dは、ウィンドウ(閲覧対象とも言える)が再表示された回数である。つまり、一旦は非表示状態になったウィンドウが再度表示された回数である。図5の例では、操作ID「12」において、データID「1」のウィンドウが再表示されており、このような場合はD=1となる。また、データID「2」のウィンドウが再表示されていないので、このような場合はD=0となる。再表示回数が多い場合には、ユーザは何回も閲覧対象を閲覧したと推定できる。つまり、再表示回数が多いほど、閲覧対象に対するユーザの関心が高いと推定できる。なお、再表示回数の代わりに、初回のウィンドウ表示を含めた表示回数を用いてもよい。
【0061】
Tは、ウィンドウ(閲覧対象とも言える)が表示された時間である。図5の例では、操作ID「8」においてデータID「2」のウィンドウが「2022/7/17 10:07:03」に表示され、操作ID「11」において「2022/7/17 10:09:03」に非表示になっているので、その間の2分間(120秒間)をウィンドウが表示された時間Tとする。表示時間の単位は任意であり、分単位であっても秒単位であってもよい。同じデータIDに関するウィンドウが複数回表示された場合(すなわち同じ閲覧対象が再表示された場合)には、それぞれの表示時間の合計値をTとする。ウィンドウの表示時間が短い場合には、ユーザは閲覧対象をあまり閲覧していないため、閲覧対象に対するユーザの関心はあまり高くないと推定できる。一方、ウィンドウの表示時間が長い場合には、ユーザが長時間閲覧している可能性もあるが、ウィンドウを表示した状態で放置して閲覧していない可能性(離席等の可能性)もある。このため、以下のいずれかの処理を行って表示時間Tを算出(補正)することが好ましい。
【0062】
(第1の補正方法)上述の方法で算出したTが予め定められた上限値θを超えた場合には、T=θとする。上限値θは、閲覧対象の特性(動画や音声データを含むか否か等)に応じて設定すればよいが、例えばθ=10分とすればよい。この方法は簡便であるが、ユーザがウィンドウを表示した状態で離席したような場合にも、実際の閲覧時間とTとの乖離をある程度抑えることができる。
【0063】
(第2の補正方法)操作情報テーブルを参照して、所定時間以上何も操作が行われていない時間をTから除外する。ユーザが閲覧対象を実際に閲覧している場合には、スクロール操作やクリック操作等がある程度規則的に行われる可能性が高い。逆に、所定時間以上何も操作が行われない場合は、ユーザが閲覧していない可能性が高い。このため、ウィンドウ表示からウィンドウ非表示までの期間において、各々の操作IDの操作日時から所定時間Δが経過するまでの時間を表示時間Tに算入する。つまり、各々の操作IDの操作日時から所定時間Δが経過するまでの時間を有効期間として算出し、閲覧対象に対する有効期間の合計値を表示時間Tとする。
【0064】
例えば、Δ=3分とし、「11時0分0秒」にウィンドウを表示し、「11時2分0秒」に1回目の順スクロールを開始し、「11時4分30秒」に2回目の順スクロールを開始し、「11時7分0秒」に3回目の順スクロールを開始し、「11時10分0秒」にウィンドウを非表示にした場合、先の操作から3分以内に次の操作を行っているため、T=10分と算出される。一方、「11時0分0秒」にウィンドウを表示し、「11時2分0秒」に1回目の順スクロールを開始し、「11時10分0秒」にウィンドウを非表示にした場合、ウィンドウ表示から1回目の順スクロールまでの時間は3分以内なので有効であるが、1回目の順スクロールからウィンドウ非表示までは8分で3分を超えるため、そのうちの3分間だけがTに参入される。つまり、T=5(2+3=5)と算出される。
【0065】
式1のα1~α7は、正の重み係数であり、それぞれの大小関係は任意である。スクロール量や表示時間の単位の取り方によってα1~α7の大きさも変わる。情報処理システム10の開発者の知見に基づいて、α1~α7が定められてもよい。ただし上述したように、逆方向のスクロールは、順方向のスクロールに比べてさらにユーザの関心の高さを示すと考えられるので、α2<α3、およびα4<α5の関係に設定するとよい。すなわち、順方向のスクロールよりも逆方向のスクロールの影響力を大きくして(重視して)スコアを算出することが好ましい。式1に従って算出されたスコアは、その値が大きい(高い)ほど、閲覧対象に対するユーザの関心が高いといえる。また、情報処理システム10を用いた実験の結果に基づいて、α1~α7が定められてもよい。例えば、被験者(ユーザ)に表示制御装置12を使用させて操作情報を収集するとともに、被験者の閲覧対象に対する関心の高さを示す情報をアンケート調査や生体計測(脳波や視線の計測)等により収集する。そして、制御部32は、操作情報とユーザの関心の高さを示す情報とを用いて統計処理や機械学習を行い、α1~α7を算出してもよい。また、スコア算出部36は、式1で示される線形演算に限らず、非線形演算やニューラルネットワーク等の機械学習手法を用いて、R、P、Q等のパラメータからスコアSを算出してもよい。
【0066】
図3Aの説明に戻る。ステップS90において、制御部32のスコア算出部36は、ステップS80で算出した複数の閲覧対象のスコアをもとにスコアテーブルを作成し、記憶部24に記憶させる。図7は、記憶部24に記憶されるスコアテーブルの一例を示す図である。本図に示すように、スコアテーブルは、閲覧対象データのデータIDとスコアを関連付けたデータである。本図は、記録開始指示から比較表示指示までの所定期間にデータID「1」~「20」の20個の閲覧対象が表示された場合の例であり、各データIDに対応してスコアが記録されている。
【0067】
図3Bの説明に移る。ステップS100において、制御部32の表示対象特定部38は、ステップS90で作成されたスコアテーブルのデータ数(データIDの数)が、ステップS70で指定された比較表示件数よりも多いか否かを判定する。上述の例では、スコアテーブルのデータ数は20であり、比較表示件数は10であるので、真と判定される。データ数が比較表示件数よりも多い場合(ステップS100:Yes)は、ステップS110に進み、データ数が比較表示件数以下である場合(ステップS100:No)は、ステップS120に進む。
【0068】
ステップS110において、制御部32の表示対象特定部38は、スコアテーブルを参照し、スコアが高い順に比較表示件数だけ閲覧対象データを表示対象として選択する。ここで選択される閲覧対象データは、後述の比較表示の対象となるデータである。一方、選択しなかったデータをスコアテーブルから削除する。つまり、表示対象特定部38は、スコアが相対的に高い比較表示件数だけのデータをスコアテーブルに残す。例えば、データ数が20件であり、比較表示件数が10件である場合、スコアの高い順に20件のデータをソートして、スコアが高い順に10件だけデータを残せばよい。
【0069】
ステップS120において、制御部32の表示態様決定部40は、比較表示における閲覧対象の組み合わせ、および表示の順番(表示順位)を決定し、ページ構成テーブルを作成する。ページ構成テーブルの作成方法については後述する。図8は、ページ構成テーブルの一例を示す図である。本図に示すように、ページ構成テーブルは、ページ番号と、同一ページ(同一画面)に表示する複数の閲覧対象データのデータIDとを関連付けたデータである。本図は、ステップS70において、比較表示件数が10、1画面の件数が2と指定された場合の例である。つまり、1ページに閲覧対象が2件ずつ表示され、合計5ページが表示される。このため、各ページにデータID1(ID1)とデータID2(ID2)が記録される。例えば、1ページ目には、データID「4」の閲覧対象とデータID「8」の閲覧対象とが同時に比較可能なように表示される。また例えば、1画面の件数が3である場合には、1つのページに3個のデータIDが紐づけられる。なお、説明を簡潔にするために、本実施形態における表示部22の画面は1つであるとするが、これに限定されるものではない。例えば、表示部22が複数の画面を備えていたり、表示制御装置12が複数の表示部22を備えていたり、表示制御装置12に複数の表示装置(ディスプレイ等)を接続してもよい。例えば、表示部22が2画面である場合、画面1にデータID1の閲覧対象を表示し、画面2にデータID2の閲覧対象を表示してもよい。複数の画面が存在する場合、1つの画面に複数の閲覧対象を表示してもよいし、複数の画面のそれぞれに1つずつ閲覧対象を表示してもよい。すなわち、1つ以上の画面に同時に複数の閲覧対象を表示すればよい。ページ構成テーブルは、以下のいずれかの方法で作成する。
【0070】
(方法1)表示日時に基づいて表示順位を決める方法
表示態様決定部40は、スコアテーブルおよび操作情報テーブルを参照し、閲覧対象の表示が早い順に、スコアテーブルのデータIDをソートする。つまり、操作種別が「ウィンドウ表示」であるデータの操作日時が早い順にデータIDをソートする。同一のデータIDが複数回表示されている場合は、最初に表示された日時を用いる。そして、ソートされた順番に従って、ページ番号の小さい順にページ構成テーブルのデータIDを記録する。
【0071】
図8の例では、表示日時が最も早いのはデータID「4」であり、2番目に早いのはデータID「8」であり、3番目に早いのはデータID「18」ということになる。この方法によれば、ユーザが閲覧対象を表示した順番に従って、比較ページを表示することができる。ユーザは、閲覧対象を閲覧した時間的な順序を記憶していることが多い。例えば、データ4を閲覧した後にデータ8を閲覧した等の記憶、あるいはデータ4を閲覧した後に、いくつか他のデータを閲覧してから、データ17を閲覧した等の記憶がある場合が多い。すなわち、この方法によれば、ユーザが最初に閲覧対象を閲覧した順序に即して比較表示を行うため、ユーザの記憶と合致し易く、ユーザの頭の中が整理され易い。
【0072】
(方法2)スコアに基づいて表示順位を決める方法
表示態様決定部40は、スコアテーブルを参照し、スコアが高い順にデータIDを取得し、その順番に従って、ページ番号の小さい順にページ構成テーブルのデータIDを記録する。図8の例では、スコアが最も高いのはデータID「4」であり、2番目に高いのはデータID「8」であり、3番目に高いのはデータID「18」ということになる。この方法によれば、ユーザの関心が高いと推定されるデータを先に表示することができる。このため、ユーザがページを最後まで閲覧せずに、途中で比較表示を中止した場合であっても、ユーザの満足感が得られやすい。また、ユーザの関心が高いと推定されるデータ同士を同一のページに表示するため、ユーザにとって分かり易い。
【0073】
(方法3)閲覧対象の長さに基づいて表示順位を決める方法
表示態様決定部40は、スコアテーブルおよびデータ属性テーブルを参照し、閲覧対象の長さが短い順、あるいは長さが長い順に、スコアテーブルのデータIDを取得する。そしてその順番に従って、ページ番号の小さい順にページ構成テーブルのデータIDを記録する。例えば、長さが短い順に取得したとすると、図8の例では、長さが最も短いのはデータID「4」であり、2番目に短いのはデータID「8」であり、3番目に短いのはデータID「18」ということになる。この方法によれば、同一ページに表示される(同時に表示される)閲覧対象の長さの差が小さくなるので、ユーザが閲覧し易い。特に後述するように、複数のウィンドウを連動させてスクロール(「連動スクロール」とも呼ぶ)する場合には、ユーザの利便性を高めることができる。
【0074】
(方法4)閲覧対象の横幅に基づいて表示順位を決める方法
表示態様決定部40は、スコアテーブルおよびデータ属性テーブルを参照しながら、以下の処理を行う。まず表示態様決定部40は、スコアテーブルのデータIDを対象にして、閲覧対象の横幅の平均値WAを算出する。またこの際に、データ属性テーブルの付加情報を参照して、広告領域を除外した上で、横幅の平均値WAを算出してもよい。次に表示態様決定部40は、スコアの最も高いデータIDと、その横幅W1を取得し、そのデータIDをページ構成テーブルのページ1のID1に記録する。次に表示態様決定部40は、横幅が(2×WA-W1)に最も近いデータIDを取得し、ページ1のID2に記録する。つまり、ページ1に表示する2つのデータの横幅の和がWAの2倍になるべく近くなるように組み合わせを決定する。
【0075】
次に表示態様決定部40は、まだページ構成テーブルに記録されていないデータIDを対象にしてスコアが2番目に高いデータIDと、その横幅W2を取得し、そのデータIDをページ構成テーブルのページ2のID1に記録する。次に表示態様決定部40は、まだページ構成テーブルに記録されていないデータIDを対象にして横幅が(2×WA-W2)に最も近いデータIDを取得し、ページ2のID2に記録する。つまり、ページ2に表示する2つのデータの横幅の和がWAの2倍になるべく近くなるように組み合わせを決定する。以下、同様に処理を繰り返す。この方法によれば、ページごとの横幅をおおよそ揃えることができる。このためページごとの拡大/縮小率(文字の大きさ)のバラツキがある程度抑えられるので、ユーザが閲覧し易い。もちろん、全てのページの横幅を完全に揃えるのは難しいが、スコアが高いデータが優先的に表示される番号が小さいページほどページ幅が揃い易いので、ユーザの満足感が得られやすい。
【0076】
なお、上述のページ構成テーブルの作成方法を組み合わせてもよい。例えば、方法1と方法2を組み合わせてもよい。具体的には、表示日時が早いほど、かつスコアが高いほど高い値となる指標を算出し、その指標の高い順にページを決定してもよい。また例えば、方法2と方法3を組み合わせてもよい。具体的には、まずスコアが所定値(しきい値)以上の閲覧対象を対象にして、長さが短い順あるいは長さが長い順に、ページ番号1から順にページ構成テーブルの前半を作成してもよい。次にスコアが所定値未満の閲覧対象を対象にして、長さが短い順あるいは長さが長い順に、ページ構成テーブルの後半を作成してもよい。もちろん、2つ以上のしきい値を用いて処理を行ってもよい。
【0077】
例えば、表示態様決定部40は、第1しきい値と第2しきい値(第1しきい値>第2しきい値)を用い、スコアが第1しきい値以上の閲覧対象を対象にして、同時に表示するデータの長さがなるべく同じになるようにページ構成テーブルの前半(序盤)を作成してもよい。また表示態様決定部40は、スコアが第1しきい値未満かつ第2しきい値以上である閲覧対象を対象にして、同時に表示するデータの長さがなるべく同じになるようにページ構成テーブルの中盤を作成してもよい。また表示態様決定部40は、スコアが第2しきい値未満である閲覧対象を対象にして、同時に表示するデータの長さがなるべく同じになるようにページ構成テーブルの後半(終盤)を作成してもよい。
【0078】
図3Bの説明に戻る。ステップS130において、制御部32の表示制御部42は、最初のページ(ページ1)を表示部22に表示させる。具体的には、表示制御部42は、ページ構成テーブルを参照し、ページ番号「1」のID1とID2のデータIDを取得する。そして、表示制御部42は、データ属性テーブルを参照し、ID1とID2に該当するURLを取得し、それを用いて閲覧対象データを取得し、比較表示画面(ここではページ1)を表示部22に表示する。
【0079】
図9は、比較表示画面の一例を示す図である。本図に示す例は、1画面の件数が2の場合であり、1ページにつき2つのウィンドウが表示される。画面上部にはページ番号が表示され、その下にはウィンドウ1とウィンドウ2の2つのウィンドウが表示される。例えば、ページ構成テーブルのID1をウィンドウ1に対応させ、ID2をウィンドウ2に対応させてもよいが、両者の対応関係は任意である。閲覧対象の長さがウィンドウの長さよりも長い場合、各ウィンドウの横にはスクロールバーが表示される。
【0080】
またウィンドウの下には、連動スクロール機能を設定するための連動スクロールボタンが配置される。ユーザが連動スクロールボタンを押す操作を入力すると、連動スクロール機能が有効(ON)になり、2つのウィンドウの一方のスクロールバーを操作すると、もう一方のスクロールバーも連動して移動する。連動スクロールボタンをもう一度押すと、連動スクロール機能が無効(OFF)になり、2つのウィンドウのスクロールバーはそれぞれ独立して操作できる。
【0081】
連動スクロール機能が有効な場合、単位当たりのスクロール移動量に対して、2つのウィンドウの表示位置の変化量(ピクセル数)を同じにしてもよいし、変化する行数を同じにしてもよい。例えば、画面上でスクロールバーを1インチ動かした場合に、ウィンドウ1とウィンドウ2のそれぞれにおいて、10行分に相当する移動を行う等の処理を行ってもよい。また、閲覧対象全体に対する表示位置の変化の割合を同じにしてもよい。例えば、画面上でスクロールバーを1インチ動かした場合に、ウィンドウ1とウィンドウ2のそれぞれにおいて、閲覧対象の長さの1%相当の移動を行う等の処理を行ってもよい。上述したように、第3の方法を用いてページ構成テーブルを作成した場合には特に、スクロール連動機能の利便性が高い。
【0082】
比較表示画面のページ下部には、次のページと前のページに遷移するためのボタン(ページ遷移ボタン)が配置される。図9の例では、ページ1が表示されているため、前のページに遷移するボタンは無効化されており、破線で示されている。また比較表示を終了するための終了ボタンが配置される。
【0083】
図3Bの説明に戻る。ステップS140において、制御部32の表示制御部42は、ページ変更指示があるか否かを判定する。ユーザがページ遷移ボタンを押下すると、操作部20を介してページ変更指示が表示制御部42に通知される。ページ変更指示がある場合(ステップS140:Yes)、ステップS150に進む。ページ変更指示がない場合(ステップS140:No)、ステップS160に進む。
【0084】
ステップS150において、表示制御部42は、ページ変更指示に従って、ページを変更する。具体的には、表示制御部42は、次のページへの遷移である場合には、現在のページ番号に1を加算して更新し、前のページへの遷移である場合には、現在のページ番号に1を減算して更新する。表示制御部42は、ページ構成テーブルおよびデータ属性テーブルを参照し、更新したページ番号に相当するID1とID2に対応する閲覧対象データを取得して、各ウィンドウに表示する。
【0085】
ステップS160において、制御部32は、終了指示があるか否かを判定する。ユーザが終了ボタンを押下すると、操作部20を介して終了指示が制御部32に通知される。終了指示がある場合(ステップS160:Yes)、処理を終了し、終了指示がない場合(ステップS160:No)、ステップS140に戻って処理を繰り返す。以上が、表示制御装置12における処理の説明である。
【0086】
なお上述の説明では、表示制御装置12は、Webサーバ等の情報提供サーバ14から取得した閲覧対象データ(Webページなど)を用いた。ただし、それに限定されるものではなく、表示制御装置12は、記憶部24に記憶されているファイル等のデータを表示部22に表示してもよい。例えば、テキストエディタ―やワードプロセッサー(ワープロ)アプリや表計算アプリで作成した複数のファイルを記憶部24に記憶しておき、それらを表示部22に表示した際の操作情報をもとに、比較表示を行ってもよい。そのような場合、情報提供サーバ14とネットワーク16と通信部26を省略することも可能である。
【0087】
以上、詳述したように、本実施形態の情報処理システムには、以下のような特徴がある。
(1)本実施形態の情報処理システムは、閲覧対象を表示したウィンドウに対するユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出する。
(2)本実施形態の情報処理システムは、過去に表示した閲覧対象の中から、相対的にスコアが高いものを表示対象として特定し、特定した表示対象を表示する。
(3)本実施形態の情報処理システムは、複数の表示対象を対比させて同時に表示する。
(4)本実施形態の情報処理システムは、スコアまたは表示対象の属性(長さや横幅など)に基づいて、同時に表示する表示対象の組み合わせを決定する。
(5)本実施形態の情報処理システムは、操作情報として、ウィンドウに対する順方向のスクロール操作および逆方向のスクロール操作の情報を用いてスコアを算出する。
(6)本実施形態の情報処理システムは、順方向のスクロール操作よりも逆方向のスクロール操作をより重視してスコアを算出する。
【0088】
本実施形態によれば、閲覧対象に対するユーザの操作情報をもとに、閲覧対象に対するスコアを算出し、スコアに基づいて閲覧対象を表示対象として選択するため、ユーザに負担をかけずに、ユーザの関心が高いと推定される閲覧対象を適切に選ぶことができる。また、スコアが高い閲覧対象を同時に複数表示するため、ユーザの関心が高い情報を比較し易いように表示することができる。操作情報として、順方向のスクロールと逆方向のスクロールの情報を用いるため、ユーザの関心の高さを精度よくスコアに反映することができる。また更に、順方向のスクロールよりも逆方向のスクロールをより重視してスコアを算出するため、ユーザの関心の高さを精度よくスコアに反映することができる。またスクロール速度の情報を用いるため、ユーザの関心の高さを精度よくスコアに反映することができる。特にスクロール速度が遅いほど、スコアが高くなるように算出するため、ユーザの関心の高さを精度よくスコアに反映することができる。なお、上述の説明では、複数の閲覧対象(表示対象)を同時に表示する比較表示を行っているが、これに限定される訳ではなく、比較表示を行わなくてもよい。例えば、スコアが相対的に高い閲覧対象を1つ以上(任意の数だけ)特定し、それらを1つずつ(1ページ当たり1つ)表示部22に表示してもよい。このような表示を行っても、ユーザに負担をかけずに、ユーザの関心が高いと推定される閲覧対象をユーザに提供(提示)することができる。
【0089】
またスコアが相対的に高い閲覧対象を閲覧した順序に従って同じ画面(ページ)に表示するため、ユーザの記憶と合致し易く、ユーザにとって分かり易い表示ができる。またスコアが近い閲覧対象同士を同じ画面(ページ)に表示するため、ユーザが比較し易く分かり易い表示ができる。また、長さ(行数)が近い閲覧対象同士を同じ画面(ページ)に表示するため、ユーザが比較し易く分かり易い表示ができる。また、複数のページの横幅のばらつきが少なくなるように閲覧対象の組み合わせを決めるため、ユーザが比較し易く分かり易い表示ができる
【0090】
ユーザは過去に個別のウィンドウに表示して閲覧した閲覧対象を、比較し易い形式で後からまとめて閲覧することができるため、効率的な復習が可能になり、各々の閲覧対象の位置づけや他の閲覧対象との関連性に関するユーザの理解が促進される。
【0091】
<実施形態2>
実施形態1では、1ページに表示する閲覧対象の数をユーザが指定した。本実施形態では、スコアに基づいて、1ページに表示する閲覧対象の数を制御し、言い換えれば、1ページに表示する閲覧対象の数を動的に決定する。
【0092】
本実施形態では、図3Aに示したステップS70において、1画面の件数をユーザに入力させる操作を省略してよい。つまり、図6に示す比較表示条件入力画面において、1画面の件数の入力フィールドを省略してよい。あるいは、1画面の件数の範囲をユーザに入力させてもよい。つまり、図6に示す比較表示条件入力画面において、1画面の件数の範囲(最小値および最大値)を入力させてもよい。例えば、1画面の件数の範囲を「最小2件~最大4件」などとユーザに指定させてもよい。制御部32の表示態様決定部40は、ユーザが1画面の件数の範囲を指定した場合には、その条件を用いて処理を行い、ユーザが指定しなかった場合には、記憶部に記憶されている所定(デフォルト)の範囲を用いて処理を行う。
【0093】
以下の説明において、デフォルトの範囲として、「最小2件~最大4件」が記憶部に記憶されているものとする。また以下の説明において、ユーザの指定またはデフォルト値による最小値をDL、最大値をDUとする。
【0094】
図10は、本実施形態のステップS120(図3B)におけるページ構成テーブル作成方法の詳細を示すフローチャートである。本実施形態では、上述したページ構成テーブル作成方法のうち、「(方法2)スコアに基づいて表示順位を決める方法」を用いる。
【0095】
ステップS200において、制御部32の表示態様決定部40は、スコアテーブルをスコアの高い(大きい)順にソートする。この結果、スコアテーブルには、スコアが高い順に比較表示件数だけデータが存在する状態になる。
【0096】
ステップS210において、表示態様決定部40は、スコアテーブルを参照し、スコアテーブルに記録されているスコアの範囲を算出する。具体的には、スコアのスコアの最大値SUおよび最小値SLを算出(取得)する。ただし、最小値および最大値に限らず、パーセンタイル値を用いてスコアの範囲を算出してもよい。例えば、スコアの大きい方から10%の順位に該当する値をSUとし、90%の順位に該当する値をSLとしてもよい。
【0097】
ステップS220において、表示態様決定部40は、スコアのしきい値βi(1≦i≦M)を算出する。具体的には、式2に従って、スコアのしきい値βiを算出する。
【数1】
【0098】
式2のMは1画面の件数(同時表示数)の種類数(バリエーションの数)である。例えば、1画面の件数が「最小2件~最大4件」の場合、種類数M=3(4-2+1=3)となる。つまり、β1とβ2とβ3が算出される。また、β1>β2>β3の関係にあり、添え字が小さいしきい値ほど大きな値となる。SLをスコアの最小値にした場合には、βM(例えばβ3)はスコアの最小値となる。また、SLをスコアの最小値よりも大きな値(パーセンタイル値など)にした場合には、βM(例えばβ3)だけは式2から変更し、βM(例えばβ3)をスコアの最小値に設定する。
【0099】
ステップS230において、表示態様決定部40は、変数を初期化する。具体的には、表示態様決定部40は、スコアのしきい値を切り替えるための変数iに1をセットし(i=1)、スコアテーブルの行(レコード)を示す変数jに1をセットする(j=1)。また、1画面の件数を示す変数(同時表示数)Dに、最小値DLをセットする(D=DL)。例えば、1画面の件数が「最小2件~最大4件」である場合、初期値としてD=2が設定される。
【0100】
ステップS240において、表示態様決定部40は、スコアテーブルのj行目のスコアSjがしきい値βi以上であるか否かを判定する。例えば、i=1、j=1である場合、スコアテーブルの1行目のスコア、つまり最も高いスコアがβ1以上であるか否かを判定する。この場合は、β1はスコアの最大値よりも小さいため、式2から真(Yes)となる。スコアSjがしきい値βi以上である場合(ステップS240:Yes)、ステップS250に進み、そうでない場合(ステップS240:No)、ステップS280に進む。
【0101】
ステップS250において、表示態様決定部40は、ページ構成テーブルに1行(1レコード)追加する。具体的には、表示態様決定部40は、スコアテーブルのj行目から(j+D-1)行目までのD個のデータIDを、ページ構成テーブルのID1、ID2、・・・に記録する。例えば、j=1でD=2である場合、表示態様決定部40は、スコアテーブルの1行目(最もスコアの高いデータ)と2行目(2番目にスコアの高いデータ)のデータIDを、ページ構成テーブルの1行目に記録する。
【0102】
図11は、本実施形態のページ構成テーブルの一例を示す図である。本図は、DL=2、DU=4の場合、つまり1ページ当たり最大4件の情報を表示する場合の例であり、各ページ(各行)にデータID1~データID4のフィールドが用意される。また、データIDなし(非該当)であることを示す「NULL」が記録される。
【0103】
例えば、ページ番号1において、データID1とデータID2には有効なデータIDが記録されているが、データID3とデータID4には「NULL」が記録されている。これは、ページ1において2つのデータのみが表示されることを示す。また、ページ3において、データID1~データID3には有効なデータIDが記録されているが、データID4には「NULL」が記録されている。これは、ページ3において3つのデータのみが表示されることを示す。一方、ページ4において、データID1~データID4には有効なデータIDが記録されており、ページ4において4つのデータが表示されることを示す。
【0104】
なお、スコアテーブルにD行分のデータ(未処理のデータ)が存在しない場合には、スコアテーブルに存在するデータの数だけデータIDを記録すればよい。例えば、D=4であっても、スコアテーブルに未処理データが3行しかない場合には、その3行のデータをページ構成テーブルのID1~ID3に記録し、ID4に「NULL」を記録する。また、ページ構成テーブルのデータID(データID1~データID4)の初期値を「NULL」にしておいてもよい。
【0105】
ステップS260において、表示態様決定部40は、スコアテーブルに未処理のデータがあるか否かを判定する。具体的には、スコアテーブルのデータIDの中でページ構成テーブルに記録されていないデータIDが存在する場合には、未処理のデータありと判定し、スコアテーブルの全てのデータIDがページ構成テーブルに記録された場合には、未処理のデータなしと判定する。未処理のデータがある場合(ステップS260:Yes)、ステップS270に進み、未処理のデータがない場合(ステップS260:No)、処理を終了する。
【0106】
ステップS270において、表示態様決定部40は、スコアテーブルの行を示す変数jを更新する。具体的には、jに同時表示数Dを加算する(j=j+D)。ステップS270からはステップS240に戻り、処理を繰り返す。
【0107】
ステップS280において、表示態様決定部40は、変数を更新する。具体的には、変数iの値を1増やし(i=i+1)、変数Dの値を1増やす(D=D+1)。例えば、iを1から2に変更し、Dを2から3に変更する。上述したように、β1>β2>β3の関係にあるため、スコアのしきい値を1段階小さな値にして、同時表示数を1つ増やすことになる。ステップS280からはステップS240に戻って処理を繰り返す。なお、βM(例えばβ3)をスコアの最小値に設定しているため、変数iを増やすにつれて最終的にはステップS240で必ずYesと判定される。
【0108】
以上が本実施形態におけるページ構成テーブルの作成方法の説明である。このようにページ構成テーブルを作成することにより、ページ番号が小さいページほど、スコアの高い閲覧対象が表示され、かつ同時に表示される閲覧対象の数が少なくなる。
【0109】
次に画面表示について説明する。図12は、本実施形態のステップS130およびS150(図3B)において表示部22に表示される比較表示画面の一例を示す図である。図12(A)は、同時表示数が2の場合の画面を示し、図12(B)は同時表示数が3の場合の画面を示し、図12(C)は同時表示数が4の場合の画面を示している。図12(A)は、スコアが相対的に高い閲覧対象を表示する際の画面を示している。また図12(B)は、スコアが中程度の閲覧対象を表示する際の画面を示している。また図12(C)は、スコアが相対的に低い閲覧対象を表示する際の画面を示している。なお、図12(A)~図12(C)におけるウィンドウの配置はあくまでも一例であり、複数のウィンドウの配置は任意であり、例えば図12(A)でウィンドウ1とウィンドウ2を上下に配置してもよい。
【0110】
上述したようにページ構成テーブルを作成し、画面表示をすることにより、スコアの高い閲覧対象(情報)ほど同時表示数を少なくし、スコアの低い閲覧対象ほど同時表示数を多くすることができる。すなわち、本実施形態の情報処理システムは、スコアが高いほど同時に表示する閲覧対象の数(同時表示数)を少なくし、スコアが低いほど同時表示数を多くするように制御する。換言すれば、一の閲覧対象(或る閲覧対象)のスコアが高いほど、一の閲覧対象と同時に表示する他の閲覧対象の数を少なくする。1ページに表示する閲覧対象が少ない場合には、閲覧対象をあまり縮小せずに画面に表示することができるため、ユーザは閲覧対象の詳細を把握し易い。例えば、閲覧対象に図が含まれている場合であっても内容を把握し易い。スコアが高い閲覧対象は、ユーザがその詳細を把握したいと考えている可能性が高いため、同時表示数を少なくする。このため、ユーザはスコアの高い閲覧対象同士を詳細に比較し易い。
【0111】
一方、1ページに表示する閲覧対象を多くした方が、全体のページ数が少なくなるので、閲覧対象の全体像(概要)を短時間で把握し易い。スコアが低い閲覧対象は、ユーザが詳細を把握したいと考えている可能性があまり高くないため、同時表示数を多くする。このように本実施形態では、ユーザの関心が高いと推定される閲覧対象については、ユーザがその詳細を把握し易いように表示し、ユーザの関心が低いと推定される閲覧対象については、ユーザが短時間で閲覧対象の全体像を把握し易いように表示する。すなわち、スコアに基づいて同時表示数を制御することにより、閲覧対象の位置づけや閲覧対象同士の関連性に関するユーザの理解が促進される。
【0112】
以上、本発明を実施形態1、実施形態2をもとに説明した。各実施形態に記載の内容は例示であり、各実施形態の構成要素や処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0113】
変形例を説明する。実施形態1および実施形態2において表示制御装置12が備えた複数の機能(例えば操作情報取得部34、スコア算出部36、表示対象特定部38、表示態様決定部40、表示制御部42)のうち少なくとも一部は、ネットワーク16を介して表示制御装置12と通信するサーバ(例えば情報提供サーバ14)に実装されてもよい。サーバは、表示制御装置12と同様に、CPU等で構成される制御部と、半導体メモリ等で構成される記憶部と、通信部とを備えており、サーバの記憶部には、各種のデータの他、上記の機能をサーバに実行するためのプログラム(ソフトウェア)が記憶されている。また、上記複数の機能は、表示制御装置12とサーバとに分散して配置されてもよい。また、上記複数の機能は、複数のサーバに分散されて配置されてもよい。
【0114】
例えば、表示制御装置12は、ユーザによる閲覧対象の閲覧状況に基づいて、操作情報テーブルを作成し、操作情報テーブルをサーバに送信してもよい。サーバは、表示制御装置12から送信された操作情報テーブルに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出してもよい。サーバは、各閲覧対象のスコアに基づいて、ページ構成テーブルを作成して表示制御装置12に送信してもよい。表示制御装置12は、サーバから送信されたページ構成テーブルに基づいて比較表示画面を生成し、比較表示画面を表示部22に表示してもよい。また、サーバは、ページ構成テーブルに基づいて、比較表示画面を生成して情報提供サーバ14に送信してもよい。表示制御装置12は、サーバから送信された比較表示画面を表示部22に表示してもよい。また、表示制御装置12は、ユーザが操作部20を操作した情報(例えば、キーボードの押下、マウスの移動量、トラックボールの回転角度など)をサーバに送信し、それをもとにサーバが操作情報テーブルを作成してもよい。この場合、サーバが操作情報取得部34、スコア算出部36、表示対象特定部38、表示態様決定部40を備えることになり、表示制御装置12はこれらを省略してよい。すなわち、情報処理システムにおいて、操作情報取得部34、スコア算出部36、表示対象特定部38、表示態様決定部40は、表示制御装置12が備えていてもよく、サーバが備えていてもよく、両者の機能分担を任意に設定することが可能である。
【0115】
上述した実施形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0116】
<付記>
以上の実施の形態および変形例の記載により、下記の技術が開示される。
[技術1-1]
表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出するスコア算出部と、
過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象とし、前記表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する表示態様決定部と、
を備える情報処理システム。
この情報処理システムによると、ユーザの関心が高い複数の情報を同時に比較しやすい態様でユーザに提示できる。
[技術1-2]
前記表示態様決定部は、複数の前記表示対象それぞれの過去に表示された日時に基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する、
技術1-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、ユーザが閲覧した情報の順序に即した、ユーザにとって分かり易い組み合わせでユーザに情報を提示できる。
[技術1-3]
前記表示態様決定部は、スコアが高い前記表示対象ほど表示順序が先になるように、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する、
技術1-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、スコア順に情報を提示することで、ユーザの満足感が得られやすい組み合わせでユーザに情報を提示できる。
[技術1-4]
前記表示態様決定部は、複数の前記表示対象それぞれのデータの長さに基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する、
技術1-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、ユーザが閲覧しやすい組み合わせでユーザに情報を提示できる。
[技術1-5]
前記表示態様決定部は、複数の前記表示対象それぞれの横幅に基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する、
技術1-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、ユーザが閲覧しやすい組み合わせでユーザに情報を提示できる。
[技術1-6]
前記表示態様決定部は、一の表示対象のスコアが高いほど、前記一の表示対象と同時に表示する他の表示対象の数を少なくする、
技術1-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、ユーザの関心が高いと推定される表示対象については、その詳細をユーザが把握し易いように提示できるとともに、ユーザが短時間で複数の表示対象の全体像を把握し易い態様で提示できる。
[技術1-7]
表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する処理と、
前記ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出する処理と、
過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象とし、前記表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定する処理と、
を1つまたは複数のコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
このコンピュータプログラムによると、1つのコンピュータにより、または、複数のコンピュータが連携することにより、ユーザの関心が高い複数の情報を同時に比較しやすい態様でユーザに提示できる。
【0117】
[技術2-1]
表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出するスコア算出部と、
過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象として特定する表示対象特定部と、
を備え、
前記スコア算出部は、各閲覧対象に対する順方向のスクロール操作の情報と、逆方向のスクロール操作の情報とに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出し、
前記スコア算出部は、前記順方向のスクロール操作よりも前記逆方向のスクロール操作に対して大きな重み付けをする、
情報処理システム。
この情報処理システムによると、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
[技術2-2]
前記スコア算出部は、各閲覧対象において表示された領域の大きさに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する、
技術2-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
[技術2-3]
前記スコア算出部は、各閲覧対象に対する順方向のスクロール量と逆方向のスクロール量とに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する、
技術2-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
[技術2-4]
前記スコア算出部は、各閲覧対象の長さに対する順方向のスクロール量の割合と、各閲覧対象の長さに対する逆方向のスクロール量の割合とに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する、
技術2-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
[技術2-5]
前記スコア算出部は、各閲覧対象に対する順方向のスクロール速度と逆方向のスクロール速度とに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する、
技術2-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
[技術2-6]
前記スコア算出部は、各閲覧対象の表示回数に基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する、
技術2-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
[技術2-7]
前記スコア算出部は、各閲覧対象が表示された時間のうち、閲覧対象に対する操作が行われてから所定時間が経過するまでの時間を有効期間として算出し、前記有効期間に基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する、
技術2-1に記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
[技術2-8]
前記表示対象のスコアまたは属性に基づいて、同時に表示する前記表示対象の組み合わせを決定し、一の表示対象のスコアが高いほど、前記一の表示対象と同時に表示する他の表示対象の数を少なくする表示態様決定部をさらに備える、
技術2-1から2-7のいずれかに記載の情報処理システム。
この情報処理システムによると、ユーザの関心が高いと推定される表示対象を、ユーザが短時間で全体像を把握し易い態様で提示できる。
[技術2-9]
表示された閲覧対象に対するユーザの操作情報を取得する処理と、
前記ユーザの操作情報をもとに、閲覧対象ごとにユーザの関心の高さを示すスコアを算出する処理と、
過去に表示された閲覧対象の中でスコアが相対的に高いものを表示対象として特定する処理と、
を1つまたは複数のコンピュータに実行させ、
前記算出する処理は、各閲覧対象に対する順方向のスクロール操作の情報と、逆方向のスクロール操作の情報とに基づいて、各閲覧対象のスコアを算出する処理を含み、
前記算出する処理は、前記順方向のスクロール操作よりも前記逆方向のスクロール操作に対して大きな重み付けをする、
コンピュータプログラム。
このコンピュータプログラムによると、1つのコンピュータにより、または、複数のコンピュータが連携することにより、各閲覧対象に対するユーザの関心の高さを、各閲覧対象のスコアに精度よく反映することができる。
【符号の説明】
【0118】
10 情報処理システム、 12 表示制御装置、 14 情報提供サーバ、 20 操作部、 22 表示部、 24 記憶部、 26 通信部、 28 音声入力部、 30 音声出力部、 32 制御部、 34 操作情報取得部、 36 スコア算出部、 38 表示対象特定部、 40 表示態様決定部、 42 表示制御部。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12