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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090120
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G01R15/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205795
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 稜
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 章人
【テーマコード(参考)】
2G025
【Fターム(参考)】
2G025AA00
2G025AA02
2G025AA04
2G025AB01
2G025AC01
(57)【要約】
【課題】電流検出精度の低下を抑制する電流センサを提供する。
【解決手段】電流センサ20は、第1バスバ21と、第2バスバ22と、コア25と、検出素子31と、を備え、コア25のギャップ265を形成するギャップ形成部26の第1端面261および第2端面262は、幅方向DWにおいて、第1バスバ21の第1対向面211および第2バスバ22の第2対向面222の間に位置しており、ギャップ形成部26は、コア内面271、272と、コア突起281、282と、を含み、コア内面271、272は、ギャップ形成部26のうち厚み方向DT内側を向いている面であって、コア突起281、282は、コア内面271、272のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲から厚み方向DTに突出している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流センサであって、
板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、
前記第1バスバと間隔を空けて前記第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、前記第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、
前記第1バスバおよび前記第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、前記幅方向を向いている第1端面(261)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(262)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第1端面から前記第2端面に向かう方向(Dm1)の磁界と、前記第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第2端面から前記第1端面に向かう方向(Dm2)の磁界とが合わされた磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する検出素子(31)と、
を備え、
前記第1バスバは、前記第2バスバと前記幅方向に対向する第1対向面(211)を有し、
前記第2バスバは、前記第1バスバと前記幅方向に対向する第2対向面(222)を有し、
前記第1端面および前記第2端面は、前記幅方向において、前記第1対向面および前記第2対向面の間に位置しており、
前記ギャップ形成部は、コア内面(271、272)と、コア突起(281、282)と、を含み、
前記コア内面は、前記ギャップ形成部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、
前記コア突起は、前記コア内面のうち、前記第1対向面および前記ギャップ形成部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S1)ならびに前記第2対向面および前記ギャップ形成部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S2)の間の範囲から前記厚み方向に突出している電流センサ。
【請求項2】
前記コア突起は、前記厚み方向において前記コア底部と離れている請求項1に記載の電流センサ。
【請求項3】
前記幅方向における前記コア突起の長さ(Wp1、Wp2)は、前記幅方向における前記第1対向面から前記第1端面までの距離(Wb1、Wb2)以下とされている請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項4】
前記検出素子は、前記厚み方向における前記第1端面の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(So_Gap)上に配置されている請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項5】
前記検出素子は、前記厚み方向における前記第1端面の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(So_Gap)よりも前記コア穴とは反対側に配置されている請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項6】
前記コア突起は、前記幅方向を向いている突起面(2810、2820)を含み、
前記検出素子は、前記突起面および前記第1端面を合わせた面の前記厚み方向における中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(Sop)上に配置されている請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項7】
前記コア突起は、前記幅方向を向いている突起面(2810、2820)を含み、
前記検出素子は、前記突起面および前記第1端面を合わせた面の前記厚み方向における中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(Sop)よりも前記コア穴とは反対側に配置されている請求項1または2に記載の電流センサ。
【請求項8】
前記第1バスバは、電源の一端および負荷の一端と接続されており、
前記第2バスバは、前記電源の他端および前記負荷の他端と接続されており、
前記電流センサは、前記検出素子から出力された信号に基づいて、前記電源および前記負荷の間において異常があるか否かを判定する判定部(45)をさらに備える請求項1または2に記載の電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電流センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1の記載のように、電流が流れるバスバと、バスバが挿入されているとともにバスバを流れる電流によって発生する磁界が通過するコアと、コアのギャップに配置された検出素子としてのセンサチップとを備える電流センサが知られている。この電流センサでは、ギャップを通過する磁界の強さがセンサチップにて検出されることにより、バスバに流れる電流が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-51704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された電流センサにおいて、電流検出のために、コアに挿入されるバスバが2つ備えられることがある。この場合、例えば、電流方向が互いに異なる2つのバスバに流れる電流によって発生する磁界の強さがセンサチップにて検出されることにより、バスバに流れる電流が検出される。このとき、ギャップ内において、2つのバスバに流れる電流によって発生する磁界の方向が互いに逆方向となる箇所が生じることから、2つの磁界が互いに打ち消し合う箇所が生じる。また、ギャップ内において、2つのバスバに流れる電流によって発生する磁界の方向がギャップからギャップとは反対側に位置するコアの底部に向かう方向となる箇所が生じることから、2つの磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所が生じる。これらのため、ギャップ内の磁界の勾配が大きくなる。これにより、センサチップの位置がずれることで、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
【0005】
本開示は、電流検出精度の低下を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、電流センサであって、板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、第1バスバと間隔を空けて第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、第1バスバおよび第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、幅方向を向いている第1端面(261)、第1端面と幅方向に対向している第2端面(262)、および、第1端面と第2端面とによって形成されているとともにコア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、ギャップ形成部に接続されているとともに第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、コア横部に接続されて幅方向に延びているとともにギャップ形成部およびコア横部とでコア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、ギャップに配置されているとともに、第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち第1端面から第2端面に向かう方向(Dm1)の磁界と、第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち第2端面から第1端面に向かう方向(Dm2)の磁界とが合わされた磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する検出素子(31)と、を備え、第1バスバは、第2バスバと幅方向に対向する第1対向面(211)を有し、第2バスバは、第1バスバと幅方向に対向する第2対向面(222)を有し、第1端面および第2端面は、幅方向において、第1対向面および第2対向面の間に位置しており、ギャップ形成部は、コア内面(271、272)と、コア突起(281、282)と、を含み、コア内面は、ギャップ形成部のうち厚み方向内側を向いている面であって、コア突起は、コア内面のうち、第1対向面およびギャップ形成部を通るとともに幅方向と直交する面(S1)ならびに第2対向面およびギャップ形成部を通るとともに幅方向と直交する面(S2)の間の範囲から厚み方向に突出している電流センサである。
【0007】
これにより、第1バスバおよび第2バスバによって発生する磁界の磁力線は、コア突起を通過する。このため、コア突起周辺が、第1バスバおよび第2バスバに流れる電流によって発生する磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所となる。また、コア突起がコア内面から厚み方向に突出しているため、検出素子は、コア突起が形成されていない場合と比較して、第1バスバおよび第2バスバに流れる電流によって発生する磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所から離れやすい。したがって、検出素子の位置のずれによって生じる検出素子の信号値の変化が、コア突起が形成されていない場合と比較して小さくなる。よって、検出素子による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制されるため、電流検出精度の低下が抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の電流センサが用いられるオンボードチャージャの構成図。
図2】電流センサの斜視図。
図3図2のIII-III線断面図。
図4】比較例の電流センサの断面図。
図5】第1実施形態の電流センサの断面図。
図6】検出素子の基準位置からのずれ量と、基準位置における検出素子の信号値に対する基準位置からのずれによる信号値の変化の割合との関係図。
図7】検出素子の基準位置からのずれ量と、基準位置における検出素子の信号値に対する基準位置からのずれによる信号値の変化の割合との関係図。
図8】第2実施形態の電流センサの断面図。
図9】第3実施形態の電流センサの断面図。
図10】第4実施形態の電流センサの断面図。
図11】第5実施形態の電流センサの断面図。
図12】第6実施形態の電流センサの断面図。
図13】第7実施形態の電流センサの断面図。
図14】第8実施形態の電流センサの断面図。
図15】検出素子の基準位置からのずれ量と、基準位置における検出素子の信号値に対する基準位置からのずれによる信号値の変化の割合との関係図。
図16】第9実施形態の電流センサの断面図。
図17】第10実施形態の電流センサの断面図。
図18】第11実施形態の電流センサの断面図。
図19】第12実施形態の電流センサの斜視図。
図20図19のXX-XX線断面図。
図21図20のXXI-XXI線断面図。
図22】第12実施形態の変形例における電流センサの断面図。
図23】第12実施形態の変形例における電流センサの断面図。
図24】第12実施形態の変形例における電流センサの断面図。
図25】第12実施形態の変形例における電流センサの断面図。
図26】第12実施形態の変形例における電流センサの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の電流センサは、例えば、図1に示すようなオンボードチャージャ10に用いられる。まず、このオンボードチャージャ10について説明する。
【0012】
オンボードチャージャ10は、バッテリ12、充電器14および電流センサ20を備える。
【0013】
バッテリ12は、充放電可能な二次電池であって、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池である。また、バッテリ12は、ここでは、負荷に相当する。
【0014】
充電器14は、ACDCコンバータ等を備えていることにより、系統電力源からの交流電力を直流電力に変換する。さらに、充電器14は、この変換した直流電力をバッテリ12に供給することにより、バッテリ12を充電させる。また、充電器14は、ここでは、電源に相当する。
【0015】
電流センサ20は、バッテリ12および充電器14の間に流れる電流を検出する。また、電流センサ20は、この検出した電流に基づいて、例えば、バッテリ12および充電器14の間において漏電異常があるか否かを判定する。この電流センサ20の詳細については、後述する。
【0016】
以上のように、オンボードチャージャ10は、構成されている。次に、電流センサ20について説明する。
【0017】
電流センサ20は、図2および図3に示すように、第1バスバ21、第2バスバ22、コア25、検出部30、リード線35、基板40、判定部45およびケース50等を備える。
【0018】
第1バスバ21は、板状に形成されている。また、第1バスバ21は、銅等で形成されていることにより、導電性を有する。さらに、第1バスバ21の表面には、必要に応じて表面の酸化を防ぐためのメッキが施されている。また、第1バスバ21の一端は、充電器14の一端に接続されている。さらに、第1バスバ21の他端は、バッテリ12の一端に接続されている。また、第1バスバ21には、後述するように、第1バスバ21の長手方向DLのうち一方向の電流が流れる。
【0019】
ここで、以下では、便宜的に、第1バスバ21の長手方向DLを、単に長手方向DLと記載する。さらに、第1バスバ21の幅方向DWを、単に幅方向DWと記載する。また、第1バスバ21の厚み方向DTを、単に厚み方向DTと記載する。
【0020】
さらに、第1バスバ21は、第1対向面211を含む。第1対向面211は、後述の第2バスバ22と幅方向DWに対向している。また、第1対向面211は、幅方向DWと直交する面であって、幅方向DWと交差する面に対応する。
【0021】
第2バスバ22は、第1バスバ21と間隔を空けて幅方向DWに並んでいる。また、第2バスバ22は、第1バスバ21と同様に、板状に形成されている。さらに、第2バスバ22は、銅等で形成されていることにより、導電性を有する。また、第2バスバ22の表面には、必要に応じて表面の酸化を防ぐためのメッキが施されている。さらに、第2バスバ22の一端は、バッテリ12の他端に接続されている。また、第2バスバ22の他端は、充電器14の他端に接続されている。したがって、バッテリ12、充電器14および電流センサ20によって直列回路が形成されている。さらに、第2バスバ22には、後述するように、第1バスバ21に流れる電流の方向とは逆方向の電流が流れる。
【0022】
また、第2バスバ22は、第2対向面222を含む。第2対向面222は、第1バスバ21の第1対向面211と幅方向DWに対向している。さらに、第2対向面222は、幅方向DWと直交する面であって、幅方向DWと交差する面に対応する。
【0023】
コア25は、パーマロイや方向性電磁鋼板等の軟磁性材料でC字状に形成されている。また、コア25は、例えば、板状の軟磁性材料がC字状に曲げ加工されることにより形成されている。さらに、コア25は、ギャップ形成部26、コア横部27、コア底部28およびコア穴29を有する。
【0024】
ギャップ形成部26は、幅方向DWに延びる板状に形成されている。また、ギャップ形成部26は、厚み方向DTにおいて第1バスバ21および第2バスバ22と離れている。さらに、ギャップ形成部26は、第1端面261、第2端面262、ギャップ265、第1コア内面271、第1コア突起281、第2コア内面272および第2コア突起282を含む。
【0025】
第1端面261は、幅方向DWを向いている。第2端面262は、幅方向DWを向いているとともに、第1端面261と幅方向DWに対向している。また、第2端面262は、第1端面261を幅方向DWに投影したとき、投影した第1端面261と重なる。ギャップ265は、第1端面261および第2端面262によって区画形成されている空間である。さらに、ギャップ265は、後述のコア穴29およびコア25の外部に連通している。また、第1端面261、第2端面262およびギャップ265は、幅方向DWにおいて、第1対向面211および第2対向面222の間に位置している。
【0026】
第1コア内面271は、ギャップ形成部26のうち、厚み方向DT内側を向いているとともに第1バスバ21と厚み方向DTに対向している面である。さらに、第1コア内面271は、第1バスバ21を厚み方向DTに投影したとき、投影した第1バスバ21と重なる。
【0027】
ここで、第1対向面211およびギャップ形成部26を通るとともに幅方向DWと直交する面を第1面S1とする。また、第2対向面222およびギャップ形成部26を通るとともに幅方向DWと直交する面を第2面S2とする。
【0028】
そして、第1コア突起281は、第1コア内面271のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲、ここでは、第1面S1および第1端面261の間の範囲から厚み方向DTに突出している。さらに、第1コア突起281は、例えば、四角柱状に形成されている。なお、第1コア突起281は、四角柱状に形成されていることに限定されないで、例えば、多角柱状、円柱状、楕円柱状、半球状、半楕円球状等に形成されてもよい。
【0029】
また、ここで、幅方向DWにおける第1コア突起281の最大長さを第1突起幅Wp1とする。さらに、幅方向DWにおける第1対向面211から第1端面261までの距離を第1距離Wb1とする。そして、第1突起幅Wp1は、第1距離Wb1以下とされている、すなわち、Wp1≦Wb1とされている。
【0030】
第2コア内面272は、ギャップ形成部26のうち、厚み方向DT内側を向いているとともに第2バスバ22と厚み方向DTに対向している面である。さらに、第2コア内面272は、第2バスバ22を厚み方向DTに投影したとき、投影した第2バスバ22と重なる。
【0031】
第2コア突起282は、第2コア内面272のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲、ここでは、第2面S2および第2端面262の間の範囲から厚み方向DTに突出している。さらに、第2コア突起282は、例えば、四角柱状に形成されている。なお、第2コア突起282は、四角柱状に形成されていることに限定されないで、例えば、多角柱状、円柱状、楕円柱状、半球状、半楕円球状等に形成されてもよい。
【0032】
また、ここで、幅方向DWにおける第2コア突起282の最大長さを第2突起幅Wp2とする。さらに、幅方向DWにおける第2対向面222から第2端面262までの距離を第2距離Wb2とする。そして、第2突起幅Wp2は、第2距離Wb2以下とされている、すなわち、Wp2≦Wb2とされている。
【0033】
コア横部27は、ギャップ形成部26に接続されている。また、コア横部27は、コア横部27とギャップ形成部26との境界部から厚み方向DTに延びている。さらに、コア横部27とギャップ形成部26との境界部における内側の角部である横内側角部C_in_topがR形状になっている。また、コア横部27は、幅方向DWにおいて第1バスバ21および第2バスバ22と離れている。
【0034】
コア底部28は、コア横部27に接続されている。さらに、コア底部28は、幅方向DWに延びていることにより、第1面S1および第2面S2を通る。また、コア底部28とコア横部27との境界部における内側の角部である底内側角部C_in_btmがR形状になっている。さらに、コア底部28の透磁率は、コア横部27の透磁率よりも小さくなっている、すなわち、コア横部27の透磁率がコア底部28の透磁率よりも大きくなっている。これにより、磁界の強さに対するコア横部27の磁束密度の線形領域は、磁界の強さに対するコア底部28の磁束密度の線形領域よりも大きくなる。このため、コア横部27の磁気飽和が抑制されやすくなっている。なお、透磁率とは、例えば、磁界の強さに対する磁束密度の変化量の最大値である最大透磁率をいう。
【0035】
また、コア底部28は、底部内面280を含む。底部内面280は、厚み方向DT内側を向いている。さらに、底部内面280は、第1バスバ21および第2バスバ22と厚み方向DTに対向している。
【0036】
コア穴29は、ギャップ形成部26、コア横部27およびコア底部28によって形成されている空間である。また、コア穴29には、第1バスバ21および第2バスバ22の一部が挿入されている。
【0037】
ここで、幅方向DWにおける第1端面261から第2端面262までの最小距離をギャップ距離Gapとする。さらに、厚み方向DTにおけるギャップ形成部26の内面からコア底部28の内面までの最大距離を内面間距離Tchとする。また、幅方向DWに互いに対向しているコア横部27の内面同士の間の最大距離を横部間距離Wsiとする。
【0038】
そして、内面間距離Tchは、ギャップ距離Gapよりも大きくなっている、すなわち、Tch>Gapとされている。さらに、横部間距離Wsiは、内面間距離Tchよりも大きくなっている、すなわち、Wsi>Tchとされている。したがって、Wsi>Tch>Gapとされている。
【0039】
検出部30は、ギャップ265に配置されている。このため、検出部30は、第1端面261を幅方向DWに投影したとき、投影した第1端面261と重なる。また、検出部30は、第2端面262を幅方向DWに投影したとき、投影した第2端面262と重なる。さらに、検出部30は、検出素子31および図示しないIC等を含む。なお、ICは、Integrated Circuitの略である。
【0040】
検出素子31は、ホール素子、TMR素子、GMR素子およびAMR素子等である。また、検出素子31は、幅方向DWの磁界の強さ、ここでは、後述するように、第1方向Dm1の磁界と第2方向Dm2の磁界とが合わされた磁界の強さを検出する。さらに、検出素子31は、この検出した磁界の強さに応じた信号、例えば、この検出した磁界の強さに応じた電圧を外部に出力する。なお、TMRは、Tunnel Magneto Resistiveの略である。GMRは、Giant Magneto Resistiveの略である。AMRは、Anisotropic Magneto Resistiveの略である。第1方向Dm1は、第1端面261から第2端面262に向かう方向である。第2方向Dm2は、第2端面262から第1端面261に向かう方向である。
【0041】
ここで、厚み方向DTにおける第1端面261の中心を通るとともに厚み方向DTと直交する面をギャップ中心面So_Gapとする。そして、検出素子31は、ギャップ中心面So_Gap上に配置されている。なお、ギャップ中心面So_Gapは、厚み方向DTにおける第2端面262の中心を通るとともに厚み方向DTと直交する面であってもよい。
【0042】
リード線35は、検出部30と接続されている。基板40は、プリント基板である。また、基板40は、はんだ付け等によりリード線35と接続されている。
【0043】
判定部45は、ICおよびマイコン等を主体として構成されており、CPU、ROM、フラッシュメモリ、RAM、I/O、駆動回路、ADコンバータ、ローパスフィルタ、通信回路およびこれらの構成を接続するバスライン等を備えている。また、判定部45は、基板40に配置されている。さらに、判定部45は、判定部45のROMに記憶されたプログラムを実行することにより、リード線35および基板40を介して、検出素子31からの信号を取得する。また、判定部45は、この取得した信号に基づいて、バッテリ12および充電器14の間にて生じた漏電量M_leakを算出するとともに、漏電異常があるか否かを判定する。さらに、判定部45は、この判定結果に応じた信号を、図示しないターミナル等を介して、図示しない警報装置等の外部装置に出力する。
【0044】
ケース50は、例えば、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂で射出成形されることにより形成されている。また、ケース50には、図示しないカラーが形成されている。このカラーに外部のシャフト等が挿入されることによって、ケース50と外部とが接続される。これにより、電流センサ20と外部とが固定される。
【0045】
さらに、ケース50は、コア収容室52、基板収容室54、第1開口部61および第2開口部62を有する。
【0046】
コア収容室52には、コア25が収容されている。また、ケース50の内面とコア25の表面との間には、図示しないウレタン等の樹脂が、インサート成形等されることによりコア収容室52に充填されている。これにより、コア収容室52が封止されることから、コア25等の各部品が保護される。
【0047】
基板収容室54では、検出部30、リード線35、基板40および判定部45が収容されている。また、検出部30がギャップ265に配置されるため、基板収容室54は、ケース50のうちギャップ265側に形成されている。
【0048】
第1開口部61の一部は、コア穴29のうち第1バスバ21側に挿入されている。また、第1開口部61の空間には、第1バスバ21の一部が挿入されている。さらに、第1開口部61は、第1開口部面610および第1開口部突起612を含む。
【0049】
第1開口部面610は、幅方向DWおよび厚み方向DTに第1バスバ21と対向している。第1開口部突起612は、第1開口部面610から第1バスバ21に向かって突出している。これにより、第1開口部突起612は、第1バスバ21と接触している。このため、ケース50と第1バスバ21との位置決めがされる。さらに、第1開口部面610および第1バスバ21の間に空間が形成されている。
【0050】
第2開口部62の一部は、コア穴29のうち第2バスバ22側に挿入されている。また、第2開口部62の空間には、第2バスバ22の一部が挿入されている。さらに、第2開口部62は、第2開口部面620および第2開口部突起622を含む。
【0051】
第2開口部面620は、幅方向DWおよび厚み方向DTに第2バスバ22と対向している。第2開口部突起622は、第2開口部面620から第2バスバ22に向かって突出している。これにより、第2開口部突起622は、第2バスバ22と接触している。このため、ケース50と第2バスバ22との位置決めがされる。さらに、第2開口部面620および第2バスバ22の間に空間が形成されている。
【0052】
以上のように、第1実施形態の電流センサ20は、構成されている。次に、電流センサ20による電流検出および漏電異常判定について説明する。
【0053】
図1に示すように、第1バスバ21の一端は、充電器14の一端に接続されている。また、第1バスバ21の他端は、バッテリ12の一端に接続されている。さらに、第2バスバ22の一端は、バッテリ12の他端に接続されている。また、第2バスバ22の他端は、充電器14の他端に接続されている。このため、バッテリ12が充電器14により充電されるとき、図1および図3に示すように、充電器14から第1バスバ21を経由してバッテリ12に第1電流Ic1が流れる。また、バッテリ12から第2バスバ22を経由して充電器14に第2電流Ic2が流れる。
【0054】
このとき、第1バスバ21を流れる第1電流Ic1により、第1バスバ21を通るとともに長手方向DLに延びる軸を中心とする周方向の磁界が発生する。この発生した磁界により、磁力線がギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過する。このギャップ形成部26を通過した磁力線の一部は、第1コア突起281およびコア穴29を経由してコア底部28のうち第1バスバ21側を通過する。また、このギャップ形成部26を通過した磁力線の一部は、第1端面261からギャップ265および検出素子31を経由して第2端面262を通過する。
【0055】
また、このとき、第2バスバ22を流れる第2電流Ic2により、第2バスバ22を通るとともに長手方向DLに延びる軸を中心とする周方向の磁界が発生する。この発生した磁界により、磁力線がギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過する。このギャップ形成部26を通過した磁力線の一部は、第2コア突起282およびコア穴29を経由してコア底部28の第2バスバ22側を通過する。また、このギャップ形成部26を通過した磁力線の一部は、第2端面262からギャップ265および検出素子31を経由して第1端面261を通過する。
【0056】
したがって、このとき、第1方向Dm1の磁力線と第2方向Dm2の磁力線とが検出素子31を通過するため、検出素子31は、第1方向Dm1の磁界と第2方向Dm2の磁界とが合わされた磁界の強さを検出する。これにより、検出素子31は、第1電流Ic1および第2電流Ic2を検出する。また、検出素子31は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、リード線35および基板40を介して判定部45に出力する。
【0057】
ここで、バッテリ12および充電器14の間における電流の流れが正常である場合、例えば、漏電等が生じていない場合、バッテリ12、充電器14および電流センサ20が直列に接続されていることから、第1電流Ic1と第2電流Ic2とは同じである。このため、検出素子31にかかる第1方向Dm1の磁界の強さと第2方向Dm2の磁界の強さとが同じになる。さらに、第1方向Dm1は、第2方向Dm2と逆方向である。したがって、この場合、検出素子31にかかる第1方向Dm1の磁界と第2方向Dm2の磁界とが合わされた磁界の強さは、ゼロになる。
【0058】
また、バッテリ12および充電器14の間において漏電が生じた場合、第1電流Ic1と第2電流Ic2とが異なる。このため、検出素子31にかかる第1方向Dm1の磁界の強さと第2方向Dm2の磁界の強さとが異なる。よって、検出素子31にかかる第1方向Dm1の磁界と第2方向Dm2の磁界とが合わされた磁界の強さの絶対値がゼロよりも大きくなる。
【0059】
したがって、判定部45は、検出素子31からの信号に基づいて漏電量M_leakを算出するとともに、この算出した漏電量M_leakと閾値M_leak_thとを比較する。これにより、判定部45は、バッテリ12および充電器14の間において漏電異常があるか否かを判定する。なお、閾値M_leak_thは、漏電異常が判定されるように、実験やシミュレーション等により設定される。
【0060】
具体的には、判定部45は、検出素子31の信号とマップとから、漏電量M_leakを算出する。なお、漏電量M_leakを算出するためのマップは、実験やシミュレーション等により設定されている。例えば、このマップにより、上記絶対値が大きくなることに伴って、算出される漏電量M_leakは、大きくなる。
【0061】
そして、判定部45は、この算出した漏電量M_leakが閾値M_leak_th未満であるとき、漏電異常がない、すなわち、バッテリ12および充電器14の間における電流の流れが正常であると判定する。また、判定部45は、この算出した漏電量M_leakが閾値M_leak_th以上であるとき、バッテリ12および充電器14の間において漏電異常があると判定する。さらに、判定部45は、この判定結果に応じた信号を、図示しないターミナル等を介して、図示しない警報装置等の外部装置に出力する。
【0062】
以上のように、電流センサ20は、電流検出および漏電異常判定を行う。次に、電流センサ20により、電流検出精度の低下が抑制されることについて説明する。
【0063】
ここで、図4に示すように、比較例として、第1コア突起281および第2コア突起282が形成されていないとする。この場合、ギャップ265内において、第1電流Ic1および第2電流Ic2によって発生する磁界の方向が互いに逆方向となる箇所が生じることから、2つの磁界が互いに打ち消し合う箇所が生じる。また、ギャップ265内において、第1バスバ21および第2バスバ22に流れる電流によって発生する磁界の方向がギャップ265からコア底部28に向かう方向となる箇所が生じることから、2つの磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所が生じる。ここでは、第1端面261および第2端面262のコア穴29側の端周辺の磁界密度が比較的大きくなる。これらのため、ギャップ265内の磁界の勾配が大きくなる。これにより、検出素子31の位置がずれることで、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。なお、図4において、2つの磁界が互いに打ち消し合う箇所および打ち消し合いにくい箇所を示すため、磁界密度が比較的大きい箇所がドット柄で示されている。
【0064】
これに対して、本実施形態の電流センサ20では、ギャップ形成部26は、第1コア内面271、第1コア突起281、第2コア内面272および第2コア突起282を含む。第1コア内面271および第2コア内面272は、厚み方向DT内側を向いている面である。第1コア突起281は、第1コア内面271のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲から厚み方向DTに突出している。第2コア突起282は、第2コア内面272、第1面S1および第2面S2の間の範囲から厚み方向DTに突出している。
【0065】
これにより、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線の一部は、第1コア突起281を通過する。第1コア突起281を通過した磁力線は、コア穴29およびコア底部28の第1バスバ21側を通過する。このため、第1電流Ic1および第2電流Ic2によって発生する磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所が、図5に示すように、第1コア突起281周辺となる。なお、図5において、2つの磁界が互いに打ち消し合う箇所および打ち消し合いにくい箇所を示すため、磁界密度が比較的大きい箇所がドット柄で示されている。
【0066】
また、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線の一部は、第2コア突起282を通過する。第2コア突起282を通過した磁力線は、コア穴29およびコア底部28の第2バスバ22側を通過する。このため、第1電流Ic1および第2電流Ic2によって発生する磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所が、第2コア突起282周辺となる。
【0067】
さらに、第1コア突起281は、第1コア内面271から厚み方向DTに突出しているとともに、第2コア突起282が第2コア内面272から厚み方向DTに突出している。このため、検出素子31は、第1コア突起281および第2コア突起282が形成されていない場合と比較して、第1電流Ic1および第2電流Ic2によって発生する磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所から離れやすい。
【0068】
したがって、図6に示すように、幅方向DWにおける検出素子31の位置が基準位置からずれることによって生じる検出素子31の信号値の変化が、第1コア突起281および第2コア突起282が形成されていない場合と比較して小さい。よって、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制されるため、電流検出精度の低下が抑制される。なお、図6において、ΔXは、幅方向DWにおける検出素子31の基準位置からのずれ量である。また、ここでは、第1方向Dm1のずれ量が、ΔXの正方向のずれ量とされている。さらに、検出素子31の基準位置は、例えば、ギャップ265の中心である。Sは、検出素子31の信号値である。Sbは、基準位置における検出素子31の信号値である。ΔSは、基準位置における検出素子31の信号値に対する基準位置からのずれによって生じる信号値の変化の割合であって、(S-Sb)/Sbで表される。第1コア突起281および第2コア突起282が形成されていない場合のΔXに対するΔSがREFと破線とで示されている。第1コア突起281および第2コア突起282が形成されている場合のΔXに対するΔSが実線で示されている。
【0069】
また、電流センサ20では、下記に記載する効果も奏する。
【0070】
[1-1]第1コア突起281は、厚み方向DTにおいてコア底部28と離れている。また、第2コア突起282は、厚み方向DTにおいてコア底部28と離れている。
【0071】
これにより、第1コア突起281とコア底部28とが接触している場合と比較して、第1コア突起281およびコア底部28の間の磁気抵抗が大きくなる。このため、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線は、第1コア突起281を通過するだけでなく、第1端面261からギャップ265および検出素子31を経由して第2端面262を通過しやすくなる。また、第2コア突起282とコア底部28とが接触している場合と比較して、第2コア突起282およびコア底部28の間の磁気抵抗が大きくなる。このため、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線は、第2コア突起282を通過するだけでなく、第2端面262からギャップ265および検出素子31を経由して第1端面261を通過しやすくなる。したがって、検出素子31を通過する磁力線の数が多くなることから、検出素子31の感度が大きくなる。このため、SNRが大きくなる。よって、検出素子31による磁界の強さの検出精度の低下が抑制されることから、電流検出精度の低下が抑制される。なお、SNRは、Signal Noise Ratioの略である。
【0072】
[1-2]第1突起幅Wp1は、第1距離Wb1以下とされている、すなわち、Wp1≦Wb1とされている。また、第2突起幅Wp2は、第2距離Wb2以下とされている、すなわち、Wp2≦Wb2とされている。
【0073】
これにより、第1コア突起281の磁気抵抗が、Wp1>Wb1である場合と比較して大きくなる。このため、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線は、第1コア突起281を通過するだけでなく、第1端面261からギャップ265および検出素子31を経由して第2端面262を通過しやすくなる。また、第2コア突起282の磁気抵抗が、Wp2>Wb2である場合と比較して大きくなる。このため、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線は、第2コア突起282を通過するだけでなく、第2端面262からギャップ265および検出素子31を経由して第1端面261を通過しやすくなる。したがって、検出素子31を通過する磁力線の数が多くなることから、検出素子31の感度が大きくなる。このため、SNRが大きくなる。よって、検出素子31による磁界の強さの検出精度の低下が抑制されることから、電流検出精度の低下が抑制される。
【0074】
[1-3]検出素子31は、ギャップ中心面So_Gap上に配置されている。これにより、検出素子31は、ギャップ中心面So_Gapよりもコア穴29側に配置されている場合と比較して、第1コア突起281および第2コア突起282と離れやすい。このため、検出素子31は、第1電流Ic1および第2電流Ic2によって発生する磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所から離れやすい。したがって、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制されるため、電流検出精度の低下が抑制される。
【0075】
[1-4]判定部45は、検出素子31から出力された信号に基づいて、バッテリ12および充電器14の間において異常があるか否かを判定する。これにより、バッテリ12および充電器14の間において異常が検出される。
【0076】
[1-5]内面間距離Tchは、ギャップ距離Gapよりも大きくなっている、すなわち、Tch>Gapとされている。
【0077】
これにより、内面間距離Tchがギャップ距離Gap以下である場合と比較して、コア穴29の磁気抵抗が大きくなる。このため、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線は、コア穴29を通過するだけでなく、第1端面261からギャップ265および検出素子31を経由して第2端面262を通過しやすくなる。また、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線は、コア穴29を通過するだけでなく、第2端面262からギャップ265および検出素子31を経由して第1端面261を通過しやすくなる。
【0078】
したがって、検出素子31を通過する磁力線の数が多くなることから、検出素子31の感度が大きくなるため、SNRが大きくなる。よって、図7に示すように、幅方向DWにおける検出素子31の位置が基準位置からずれることによって生じる検出素子31の信号値の変化が、内面間距離Tchがギャップ距離Gap以下である場合と比較して小さい。したがって、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制されるため、電流検出精度の低下が抑制される。なお、図7において、ΔX、S、Sb、ΔSは、上記と同様である。また、内面間距離Tchがギャップ距離Gap以下である場合、すなわち、Tch≦Gapである場合のΔXに対するΔSがREFと破線とで示されている。さらに、内面間距離Tchがギャップ距離Gapよりも大きい場合、すなわち、Tch>Gapである場合のΔXに対するΔSが実線で示されている。
【0079】
[1-6]横部間距離Wsiは、内面間距離Tchよりも大きくなっている、すなわち、Wsi>Tchとされている。
【0080】
これにより、横部間距離Wsiが内面間距離Tch以下である場合と比較して、ギャップ形成部26における磁界の幅方向DWの成分が大きくなる。このため、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線は、第1端面261からギャップ265および検出素子31を経由して第2端面262を通過しやすくなる。また、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線は、第2端面262からギャップ265および検出素子31を経由して第1端面261を通過しやすくなる。したがって、検出素子31を通過する磁力線の数が多くなることから、検出素子31の感度が大きくなる。このため、SNRが大きくなる。よって、検出素子31による磁界の強さの検出精度の低下が抑制されることから、電流検出精度の低下が抑制される。
【0081】
[1-7]横内側角部C_in_topは、R形状になっている。また、底内側角部C_in_btmは、R形状になっている。
【0082】
これにより、コア25の内部の磁路長が短くなることから、コア25の内部の反磁界の強さが大きくなる。このため、コア25の磁束密度が抑制される。したがって、コア25の磁気飽和が抑制される。
【0083】
[1-8]ケース50は、第1開口部61および第2開口部62を有する。第1開口部61は、第1開口部面610および第1開口部突起612を含む。第1開口部突起612が第1バスバ21と接触していることにより、ケース50と第1バスバ21との位置決めがされているとともに、第1開口部面610および第1バスバ21の間に空間が形成されている。第2開口部62は、第2開口部面620および第2開口部突起622を含む。第2開口部突起622が第2バスバ22と接触していることにより、ケース50と第2バスバ22との位置決めがされているとともに、第2開口部面620および第2バスバ22の間に空間が形成されている。これらの空間により、第1バスバ21および第2バスバ22に電流が流れることによって発生した熱がケース50に伝わりにくくなる。このため、ケース50から検出素子31に熱が伝わりにくくなる。したがって、検出素子31の特性変化および故障が抑制される。
【0084】
(第2実施形態)
第2実施形態では、検出素子31の配置が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0085】
検出素子31は、図8に示すように、ギャップ中心面So_Gapよりもコア穴29とは反対側に配置されている。
【0086】
以上のように、第2実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0087】
(第3実施形態)
第3実施形態では、検出素子31の配置が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0088】
ここで、図9に示すように、第1コア突起281は、第1突起面2810を含む。第1突起面2810は、幅方向DWを向いている。また、第1突起面2810は、幅方向DWと直交する面であって、幅方向DWと交差する面に対応する。さらに、ここでは、第1突起面2810は、第1端面261と同一面上に位置している。なお、第1突起面2810は、第1端面261と同一面上に位置していることに限定されないで、第1端面261と同一面上に位置していなくてもよい。
【0089】
また、第2コア突起282は、第2突起面2820を含む。第2突起面2820は、幅方向DWを向いている。さらに、第2突起面2820は、幅方向DWと直交する面であって、幅方向DWと交差する面に対応する。また、第2突起面2820は、第1端面261および第1突起面2810と幅方向DWに対向している。さらに、ここでは、第2突起面2820は、第2端面262と同一面上に位置している。なお、第2突起面2820は、第2端面262と同一面上に位置していることに限定されないで、第2端面262と同一面上に位置していなくてもよい。
【0090】
また、ここで、第1突起面2810および第1端面261を合わせた面の厚み方向DTにおける中心を通るとともに厚み方向DTと直交する面を中心面Sopとする。そして、検出素子31は、中心面Sop上に配置されている。なお、中心面Sopは、第2突起面2820および第2端面262を合わせた面の厚み方向DTにおける中心を通るとともに厚み方向DTと直交する面であってもよい。
【0091】
以上のように、第3実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0092】
(第4実施形態)
第4実施形態では、検出素子31の配置が第3実施形態と異なる。これ以外は、第3実施形態と同様である。
【0093】
検出素子31は、図10に示すように、中心面Sopよりもコア穴29とは反対側に配置されている。
【0094】
以上のように、第4実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第4実施形態においても、第3実施形態と同様の効果を奏する。
【0095】
(第5実施形態)
第5実施形態では、コア25の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0096】
具体的には、図11に示すように、ギャップ形成部26は、第1コア突起281および第2コア突起282を含まない。また、コア底部28は、底部内面280に加えて、凹部605を含む。
【0097】
ここで、幅方向DWにおける第1バスバ21の中心を通るとともに幅方向DWと直交する面を第1中心面Sob1とする。さらに、幅方向DWにおける第2バスバ22の中心を通るとともに幅方向DWと直交する面を第2中心面Sob2とする。
【0098】
そして、凹部605は、底部内面280のうち第1中心面Sob1および第2中心面Sob2の間の範囲から厚み方向DTに凹んでいる。
【0099】
また、ここで、幅方向DWにおける凹部605の最大長さを凹部幅Wcrとする。さらに、幅方向DWにおける第1中心面Sob1から第2中心面Sob2までの距離を中心間距離Wobとする。また、厚み方向DTにおけるギャップ形成部26の内面から凹部605の底面606までの最大距離を凹部距離Tcbとする。
【0100】
そして、凹部幅Wcrは、中心間距離Wob以下とされている、すなわち、Wcr≦Wobとされている。さらに、凹部距離Tcbは、ギャップ距離Gapよりも大きくなっている、すなわち、Tcb>Gapとされている。
【0101】
以上のように、第5実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第5実施形態では、下記に記載する効果も奏する。
【0102】
[2]コア底部28は、底部内面280と、凹部605と、を含む。底部内面280は、厚み方向DTを向いている面である。凹部605は、底部内面280のうち、第1中心面Sob1および第2中心面Sob2の間の範囲から厚み方向DTに凹んでいる。また、凹部幅Wcrは、中心間距離Wob以下とされている。さらに、凹部距離Tcbは、ギャップ距離Gapよりも大きくなっている。
【0103】
これにより、コア穴29の磁気抵抗が、凹部605が形成されていない場合と比較して大きくなる。このため、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線は、コア穴29を通過するだけでなく、第1端面261からギャップ265および検出素子31を経由して第2端面262を通過しやすくなる。また、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線は、コア穴29を通過するだけでなく、第2端面262からギャップ265および検出素子31を経由して第1端面261を通過しやすくなる。したがって、検出素子31を通過する磁力線の数が多くなることから、検出素子31の感度が大きくなる。このため、SNRが大きくなる。よって、検出素子31による磁界の強さの検出精度の低下が抑制されることから、電流検出精度の低下が抑制される。
【0104】
(第6実施形態)
第6実施形態では、凹部605の形態が第5実施形態と異なる。これ以外は、第5実施形態と同様である。
【0105】
具体的には、図12に示すように、凹部605は、底部内面280のうち第1面S1および第2面S2の間の範囲から厚み方向DTに凹んでいる。
【0106】
ここで、幅方向DWにおける第1対向面211から第2対向面222までの最大距離をバスバ間距離Wbbとする。そして、凹部幅Wcrは、バスバ間距離Wbb以下とされている、すなわち、Wcr≦Wbbとされている。
【0107】
以上のように、第6実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第6実施形態においても、第5実施形態と同様の効果を奏する。
【0108】
(第7実施形態)
第7実施形態では、凹部605の形態が第5実施形態と異なる。これ以外は、第5実施形態と同様である。
【0109】
ここで、図13に示すように、第1端面261およびコア底部28を通るとともに幅方向DWと直交する面を第1通過面Si1とする。また、第2端面262およびコア底部28を通るとともに幅方向DWと直交する面を第2通過面Si2とする。
【0110】
そして、凹部605は、底部内面280のうち第1通過面Si1および第2通過面Si2の間の範囲から厚み方向DTに凹んでいる。さらに、凹部幅Wcrは、ギャップ距離Gap以下とされている、すなわち、Wcr≦Gapとされている。
【0111】
以上のように、第7実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第7実施形態においても、第5実施形態と同様の効果を奏する。
【0112】
(第8実施形態)
第8実施形態では、第1コア突起281および第2コア突起282の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0113】
具体的には、図14に示すように、第1コア突起281は、第1コア内面271から突出していることに代えて、第1コア外面291から厚み方向DTに突出している。また、第1コア突起281は、第1コア外面291のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲、ここでは、第1面S1および第1端面261の間の範囲から厚み方向DTに突出している。なお、第1コア外面291は、ギャップ形成部26の第1バスバ21側の外面であって、ギャップ形成部26のうち厚み方向DT外側を向いている面である。
【0114】
第2コア突起282は、第2コア内面272から突出していることに代えて、第2コア外面292から厚み方向DTに突出している。また、第2コア突起282は、第2コア外面292のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲、ここでは、第2面S2および第2端面262の間の範囲から厚み方向DTに突出している。なお、第2コア外面292は、ギャップ形成部26の第2バスバ22側の外面であって、ギャップ形成部26のうち厚み方向DT外側を向いている面である。
【0115】
以上のように、第8実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第8実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第8実施形態では、下記に記載する効果も奏する。
【0116】
[3]ギャップ形成部26は、第1コア外面291、第1コア突起281、第2コア外面292および第2コア突起282を含む。第1コア外面291および第2コア外面292は、厚み方向DT外側を向いている面である。第1コア突起281は、第1コア外面291のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲から厚み方向DTに突出している。第2コア突起282は、第2コア外面292のうち、第1面S1および第2面S2の間の範囲から厚み方向DTに突出している。
【0117】
これにより、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線の一部は、第1コア突起281を通過する。第1コア突起281を通過した磁力線は、ギャップ265を経由して第2端面262を通過する。このとき、第1コア突起281を通過した磁力線は、検出素子31を通過する。このため、検出素子31には、第1端面261からの磁力線に加えて、第1コア突起281からの磁力線が通過する。また、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線の一部は、第2コア突起282を通過する。第2コア突起282を通過した磁力線は、ギャップ265を経由して第1端面261を通過する。このとき、第2コア突起282を通過した磁力線は、検出素子31を通過する。このため、検出素子31には、第2端面262からの磁力線に加えて、第2コア突起282からの磁力線が通過する。したがって、検出素子31を通過する磁力線の数が多くなることから、検出素子31の感度が大きくなる。このため、SNRが大きくなる。
【0118】
よって、図15に示すように、幅方向DWにおける検出素子31の位置が基準位置からずれることによって生じる検出素子31の信号値の変化が、第1コア突起281および第2コア突起282が形成されていない場合と比較して小さい。したがって、検出素子31による磁界の強さの検出精度が低下することが抑制されるため、電流検出精度の低下が抑制される。なお、図15において、ΔX、S、Sb、ΔSは、上記と同様である。また、第1コア突起281および第2コア突起282が形成されていない場合のΔXに対するΔSがREFと破線とで示されている。さらに、第1コア突起281および第2コア突起282が形成されている場合のΔXに対するΔSが実線で示されている。
【0119】
(第9実施形態)
第9実施形態では、検出素子31の配置が第8実施形態と異なる。これ以外は、第8実施形態と同様である。
【0120】
検出素子31は、図16に示すように、ギャップ中心面So_Gapよりもコア穴29とは反対側に配置されている。
【0121】
以上のように、第9実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第9実施形態においても、第8実施形態と同様の効果を奏する。
【0122】
(第10実施形態)
第10実施形態では、検出素子31の配置が第8実施形態と異なる。これ以外は、第8実施形態と同様である。
【0123】
検出素子31は、図17に示すように、中心面Sop上に配置されている。なお、上記したように、中心面Sopは、第1突起面2810および第1端面261を合わせた面の厚み方向DTにおける中心を通るとともに厚み方向DTと直交する面である。また、第1突起面2810は、第1コア突起281のうち幅方向DWを向いている面である。
【0124】
以上のように、第10実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第10実施形態においても、第8実施形態と同様の効果を奏する。
【0125】
(第11実施形態)
第11実施形態では、検出素子31の配置が第10実施形態と異なる。これ以外は、第10実施形態と同様である。
【0126】
検出素子31は、図18に示すように、中心面Sopよりもコア穴29とは反対側に配置されている。
【0127】
以上のように、第11実施形態の電流センサ20は、構成されている。この第11実施形態においても、第10実施形態と同様の効果を奏する。
【0128】
(第12実施形態)
第12実施形態では、コア25の形態が第1実施形態と異なる。さらに、検出部30の形態が第1実施形態と異なる。また、電流センサ20は、リード線35に代えて、第1リード線351および第2リード線352を備える。さらに、基板40の配置および基板収容室54の形態が第1実施形態と異なる。また、電流センサ20による電流検出および漏電異常判定が第1実施形態と異なる。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0129】
具体的には、図19図21に示すように、コア底部28は、底部内面280に加えて、第1底部突起601、第2底部突起602および凹部605を含む。
【0130】
第1底部突起601は、底部内面280のうち第1面S1および第1通過面Si1の間の範囲から厚み方向DTに突出している。さらに、第1底部突起601は、第1コア突起281を厚み方向DTに投影したとき、投影した第1コア突起281と重なる。
【0131】
また、ここで、幅方向DWにおける第1底部突起601の最大長さを第1幅Wx1とする。そして、第1幅Wx1は、第1距離Wb1以下とされている、すなわち、Wx1≦Wb1とされている。さらに、第1幅Wx1は、第1突起幅Wp1と同じとされている。なお、ここでは、「同じ」は、製造誤差範囲を含む。また、第1幅Wx1は、第1突起幅Wp1と同じであることに限定されないで、第1突起幅Wp1と異なっていてもよい。
【0132】
第2底部突起602は、底部内面280のうち第2面S2および第2通過面Si2の間の範囲から厚み方向DTに突出している。さらに、第2底部突起602は、第2コア突起282を厚み方向DTに投影したとき、投影した第2コア突起282と重なる。
【0133】
また、ここで、幅方向DWにおける第2底部突起602の最大長さを第2幅Wx2とする。そして、第2幅Wx2は、第2距離Wb2以下とされている、すなわち、Wx2≦Wb2とされている。さらに、第2幅Wx2は、第2突起幅Wp2と同じとされている。なお、第2幅Wx2は、第2突起幅Wp2と同じであることに限定されないで、第2突起幅Wp2と異なっていてもよい。
【0134】
凹部605は、底部内面280のうち第1底部突起601および第2底部突起602の間の範囲から厚み方向DTに凹んでいる。
【0135】
ここで、幅方向DWにおける第1底部突起601から第2底部突起602までの最小距離を突起間距離Wpbとする。そして、凹部幅Wcrは、突起間距離Wpb以下とされている、すなわち、Wcr≦Wpbとされている。
【0136】
検出部30は、ここでは、コア穴29に配置されている。さらに、検出部30は、検出素子31に代えて、第1検出素子311および第2検出素子312を含む。第1検出素子311および第2検出素子312は、検出素子31と同様に、ホール素子、TMR素子、GMR素子およびAMR素子等である。
【0137】
また、第1検出素子311は、第1コア突起281および第1底部突起601の間に配置されている。さらに、第1検出素子311は、厚み方向DTの磁界の強さ、ここでは、後述するように、第1コア突起281から第1底部突起601に向かう方向の磁界の強さを検出する。また、第1検出素子311は、この検出した磁界の強さに応じた信号、例えば、この検出した磁界の強さに応じた電圧を外部に出力する。
【0138】
第2検出素子312は、第2コア突起282および第2底部突起602の間に配置されている。さらに、第2検出素子312は、厚み方向DTの磁界の強さ、ここでは、後述するように、第2コア突起282から第2底部突起602に向かう方向の磁界の強さを検出する。また、第2検出素子312は、この検出した磁界の強さに応じた信号、例えば、この検出した磁界の強さに応じた電圧を外部に出力する。
【0139】
第1リード線351は、図21に示すように、第1検出素子311と接続されている。第2リード線352は、第2検出素子312と接続されている。さらに、第1リード線351および第2リード線352は、はんだ付け等により基板40と接続されている。
【0140】
判定部45は、判定部45のROMに記憶されたプログラムを実行することにより、第1リード線351および基板40を介して、第1検出素子311からの信号を取得する。また、判定部45は、第2リード線352および基板40を介して、第2検出素子312からの信号を取得する。さらに、判定部45は、これらの取得した信号に基づいて、バッテリ12および充電器14の間に生じた漏電量M_leakを算出するとともに、漏電異常があるか否かを判定する。また、判定部45は、この判定結果に応じた信号を、図示しないターミナル等を介して、図示しない警報装置等の外部装置に出力する。
【0141】
基板収容室54では、検出部30、第1リード線351、第2リード線352および基板40が収容されている。また、検出部30がコア穴29の中央付近に配置されるため、基板収容室54は、ケース50のうち長手方向DL側に形成されている。
【0142】
以上のように、第12実施形態の電流センサ20は、構成されている。次に、電流センサ20による電流検出および漏電異常判定について説明する。
【0143】
バッテリ12が充電器14により充電されるとき、図20に示すように、第1バスバ21を流れる第1電流Ic1により、第1バスバ21を通るとともに長手方向DLに延びる軸を中心とする周方向の磁界が発生する。この発生した磁界により、磁力線がギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過する。このギャップ形成部26を通過した磁力線の一部は、第1コア突起281、コア穴29、第1検出素子311および第1底部突起601を経由して、コア底部28のうち第1バスバ21側を通過する。
【0144】
したがって、このとき、第1コア突起281から第1底部突起601に向かう方向の磁力線が第1検出素子311を通過するため、第1検出素子311は、第1電流Ic1によって発生する磁界のうち厚み方向DTの磁界の強さを検出する。これにより、第1検出素子311は、第1電流Ic1を検出する。また、第1検出素子311は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、第1リード線351および基板40を介して判定部45に出力する。
【0145】
また、このとき、第2バスバ22を流れる第2電流Ic2により、第2バスバ22を通るとともに長手方向DLに延びる軸を中心とする周方向の磁界が発生する。この発生した磁界により、磁力線がギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過する。このギャップ形成部26を通過した磁力線の一部は、第2コア突起282、コア穴29、第2検出素子312および第2底部突起602を経由して、コア底部28のうち第2バスバ22側を通過する。
【0146】
よって、このとき、第2コア突起282から第2底部突起602に向かう方向の磁力線が第2検出素子312を通過するため、第2検出素子312は、第2電流Ic2によって発生する磁界のうち厚み方向DTの磁界の強さを検出する。これにより、第2検出素子312は、第2電流Ic2を検出する。また、第2検出素子312は、この検出した磁界の強さに応じた信号を、第2リード線352および基板40を介して判定部45に出力する。
【0147】
ここで、バッテリ12および充電器14の間における電流の流れが正常である場合、例えば、漏電等が生じていない場合、バッテリ12、充電器14および電流センサ20が直列に接続されていることから、第1電流Ic1と第2電流Ic2とは同じである。このため、第1検出素子311にかかる厚み方向DTの磁界の強さと、第2検出素子312にかかる厚み方向DTの磁界の強さとが同じになる。また、第1コア突起281から第1底部突起601に向かう方向は、第2コア突起282から第2底部突起602に向かう方向と同じである。したがって、この場合、第1検出素子311の信号値から第2検出素子312の信号値を減算した値は、ゼロになる。
【0148】
また、バッテリ12および充電器14の間において漏電が生じた場合、第1電流Ic1と第2電流Ic2とが異なる。このため、第1検出素子311の信号値と第2検出素子312の信号値が異なる。よって、第1検出素子311の信号値から第2検出素子312の信号値を減算した値の絶対値がゼロよりも大きくなる。
【0149】
よって、判定部45は、第1検出素子311の信号に関する値から第2検出素子312の信号に関する値を減算した値を算出する。また、判定部45は、この減算した値に基づいて漏電量M_leakを算出するとともに、この算出した漏電量M_leakと閾値M_leak_thとを比較する。これにより、判定部45は、バッテリ12および充電器14の間において漏電異常があるか否かを判定する。
【0150】
具体的には、判定部45は、この減算した値の絶対値とマップとから、漏電量M_leakを算出する。なお、漏電量M_leakを算出するためのマップは、実験やシミュレーション等により設定されている。例えば、このマップにより、上記減算した値の絶対値が大きくなることに伴って、算出される漏電量M_leakは、大きくなる。
【0151】
そして、判定部45は、この算出した漏電量M_leakが閾値M_leak_th未満であるとき、漏電異常がない、すなわち、バッテリ12および充電器14の間における電流の流れが正常であると判定する。また、判定部45は、この算出した漏電量M_leakが閾値M_leak_th以上であるとき、バッテリ12および充電器14の間において漏電異常があると判定する。さらに、判定部45は、この判定結果に応じた信号を、図示しないターミナル等を介して、図示しない警報装置等の外部装置に出力する。
【0152】
以上のように、第12実施形態の電流センサ20は、電流検出および漏電異常判定を行う。この第12実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第12実施形態では、下記に記載する効果も奏する。
【0153】
[4-1]ここで、第1検出素子311は、第1バスバ21に流れる電流によって発生する磁界の強さを検出するところ、第1バスバ21に流れる電流によって発生する磁界は、第2バスバ22に流れる電流によって発生する磁界の影響を受ける。このため、第1検出素子311から出力される信号には、第2バスバ22に流れる電流によって発生する磁界ノイズが含まれる。また、第2検出素子312は、第2バスバ22に流れる電流によって発生する磁界の強さを検出するところ、第2バスバ22に流れる電流によって発生する磁界は、第1バスバ21に流れる電流によって発生する磁界の影響を受ける。このため、第2検出素子312から出力される信号には、第1バスバ21に流れる電流によって発生する磁界ノイズが含まれる。したがって、これらの磁界ノイズにより、第1検出素子311および第2検出素子312による磁界の強さの検出精度が低下するため、電流検出精度が低下する。
【0154】
これに対して、第12実施形態の電流センサ20では、判定部45は、第1検出素子311の信号に関する値から第2検出素子312の信号に関する値を減算する。これにより、判定部45は、第1バスバ21および第2バスバ22に流れる電流に関する値、ここでは、漏電量M_leakに関する値を算出する算出部としての役割を果たす。
【0155】
上記減算により、第1バスバ21に流れる電流によって発生する磁界ノイズと、第2バスバ22に流れる電流によって発生する磁界ノイズとが互いに打ち消し合う。このため、第1バスバ21および第2バスバ22に流れる電流に関する値に含まれるノイズが減少することから、SNRが大きくなる。よって、電流検出精度の低下が抑制される。
【0156】
[4-2]判定部45は、第1検出素子311の信号に関する値から第2検出素子312の信号に関する値を減算した値に基づいて、バッテリ12および充電器14の間における異常があると判定する。これにより、バッテリ12および充電器14の間において異常が検出される。
【0157】
[4-3]ギャップ形成部26は、第1コア内面271、第1コア突起281、第2コア内面272および第2コア突起282を含む。また、第1検出素子311は、第1コア突起281およびコア底部28の間に配置されている。さらに、第2検出素子312は、第2コア突起282およびコア底部28の間に配置されている。
【0158】
これにより、ギャップ形成部26のうち第1バスバ21側を通過した磁力線の一部は、第1コア突起281を通過する。また、第1コア突起281およびコア底部28の間の磁気抵抗は、第1コア突起281が形成されていない場合と比較して小さくなる。このため、第1コア突起281を通過した磁力線は、コア穴29および第1検出素子311を経由して、コア底部28を通過しやすくなる。したがって、第1検出素子311を通過する磁力線の数が多くなることから、第1検出素子311の感度が大きくなる。さらに、ギャップ形成部26のうち第2バスバ22側を通過した磁力線の一部は、第2コア突起282を通過する。また、第2コア突起282およびコア底部28の間の磁気抵抗は、第2コア突起282が形成されていない場合と比較して小さくなる。このため、第2コア突起282を通過した磁力線は、コア穴29および第2検出素子312を経由して、コア底部28を通過しやすくなる。よって、第2検出素子312を通過する磁力線の数が多くなることから、第2検出素子312の感度が大きくなる。これらのため、判定部45によって減算される値のSNRが大きくなる。したがって、電流検出精度の低下が抑制される。
【0159】
[4-4]コア底部28は、底部内面280と、第1底部突起601と、第2底部突起602と、を含む。また、第1検出素子311は、第1コア突起281および第1底部突起601の間に配置されている。さらに、第2検出素子312は、第2コア突起282および第2底部突起602の間に配置されている。
【0160】
第1コア突起281およびコア底部28の間の磁気抵抗は、第1底部突起601が形成されていない場合と比較して小さくなる。このため、第1コア突起281を通過した磁力線は、コア穴29および第1検出素子311を経由して、第1底部突起601を通過しやすくなる。したがって、第1検出素子311を通過する磁力線の数が多くなることから、第1検出素子311の感度が大きくなる。また、第2コア突起282およびコア底部28の間の磁気抵抗は、第2底部突起602が形成されていない場合と比較して小さくなる。このため、第2コア突起282を通過した磁力線は、コア穴29および第2検出素子312を経由して、第2底部突起602を通過しやすくなる。よって、第2検出素子312を通過する磁力線の数が多くなることから、第2検出素子312の感度が大きくなる。これらのため、判定部45によって減算される値のSNRが大きくなる。したがって、電流検出精度の低下が抑制される。
【0161】
[4-5]コア底部28は、凹部605を含む。凹部605は、底部内面280のうち、第1底部突起601および第2底部突起602の間の範囲から厚み方向DTに凹んでいる。
【0162】
これにより、第1底部突起601および第2底部突起602の間の磁気抵抗は、凹部605が形成されていない場合と比較して大きくなる。このため、第1コア突起281を通過した磁力線は、コア穴29を経由して第2底部突起602を通過しにくくなることから、コア穴29および第1検出素子311を経由して、第1底部突起601を通過しやすくなる。したがって、第1検出素子311を通過する磁力線の数が多くなることから、第1検出素子311の感度が大きくなる。また、第2コア突起282を通過した磁力線は、コア穴29を経由して第1底部突起601を通過しにくくなることから、コア穴29および第2検出素子312を経由して、第2底部突起602を通過しやすくなる。よって、第2検出素子312を通過する磁力線の数が多くなることから、第2検出素子312の感度が大きくなる。これらのため、判定部45によって減算される値のSNRが大きくなる。したがって、電流検出精度の低下が抑制される。
【0163】
(第12実施形態の変形例)
第12実施形態において、凹部605は、底部内面280から凹んでいることに代えて、例えば、図22に示すように、底部外面285から厚み方向DTに凹んでいてもよい。また、この場合、凹部605は、底部外面285のうち第1底部突起601および第2底部突起602の間の範囲から厚み方向DTに凹んでいる。このような形態であっても、第12実施形態と同様の効果を奏する。なお、底部外面285は、コア底部28のうち厚み方向DT外側を向いている面である。
【0164】
また、図23に示すように、コア底部28は、凹部605に代えて、穴287を有してもよい。穴287は、コア底部28のうち第1底部突起601および第2底部突起602の間の範囲に形成されているとともに、長手方向DLに延びている有底穴または貫通穴である。このような形態であっても、第12実施形態と同様の効果を奏する。
【0165】
また、図24に示すように、コア底部28は、第1底部突起601、第2底部突起602および凹部605を有していなくてもよい。この場合、第1検出素子311は、コア穴29のうち第1コア突起281およびコア底部28の間の範囲に配置される。さらに、第2検出素子312は、コア穴29のうち第2コア突起282およびコア底部28の間の範囲に配置される。このような形態であっても、第12実施形態と同様の効果を奏する。
【0166】
また、図25に示すように、ギャップ形成部26は、第1コア突起281および第2コア突起282を有していなくてもよい。この場合、第1検出素子311は、コア穴29のうちギャップ形成部26および第1底部突起601の間の範囲に配置される。さらに、第2検出素子312は、コア穴29のうちギャップ形成部26および第2底部突起602の間の範囲に配置される。このような形態であっても、第12実施形態と同様の効果を奏する。
【0167】
また、図26に示すように、ギャップ形成部26は、第1コア突起281および第2コア突起282を有していない、かつ、コア底部28が第1底部突起601、第2底部突起602および凹部605を有していなくてもよい。この場合、第1検出素子311は、コア穴29のうち、第1面S1および第1通過面Si1の間の範囲に配置される。さらに、第2検出素子312は、コア穴29のうち、第2面S2および第2通過面Si2の間の範囲に配置される。このような形態であっても、第12実施形態と同様の効果を奏する。なお、上記したように、第1面S1は、第1対向面211を通るとともに幅方向DWと直交する面である。また、第2面S2は、第2対向面222を通るとともに幅方向DWと直交する面である。さらに、第1通過面Si1は、第1端面261を通るとともに幅方向DWと直交する面である。また、第2通過面Si2は、第2端面262を通るとともに幅方向DWと直交する面である。
【0168】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0169】
本開示に記載の判定部、算出部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の判定部、算出部およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の判定部、算出部およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0170】
上記各実施形態では、電流センサ20は、オンボードチャージャ10に用いられている。これに対して、電流センサ20は、オンボードチャージャ10に用いられることに限定されない。例えば、電流センサ20は、電源から製造設備等の負荷に流れる電流を検出することにより、電源および製造設備等の負荷の間において漏電異常があるか否かを判定してもよい。また、例えば、電流センサ20は、住宅等の建物に用いられてもよく、建物の電源から電気機器等の負荷に流れる電流を検出することにより、電源および電気機器等の負荷の間において漏電異常があるか否かを判定してもよい。
【0171】
上記各実施形態では、コア25は、板状の軟磁性材料がC字状に曲げ加工されることにより形成されているところ、これに限定されない。例えば、コア25は、板状の軟磁性材料がワイヤカットされることにより形成されてもよい。また、コア25は、シート状の軟磁性材料が巻き付けられることにより形成されてもよい。この場合、軟磁性材料間の剥離を防ぐために接着材料が用いられる。さらに、コア25は、シート状の軟磁性材料が重ね合わされて積層されることにより形成されてもよい。この場合、複数の軟磁性材料がプレス加工されることによりシート状に形成され、シート状の軟磁性材料がダボカシメされることにより、積層される。
【0172】
また、コア25が板状のパーマロイで積層されたとする。このとき、コア25が板状の方向性電磁鋼板で積層されるときと比較して、コア25のヒステリシス特性が向上する。さらに、コア25が板状の方向性電磁鋼板で形成されたとする。このとき、コア25がパーマロイで形成されるときと比較して、材料費が削減されるため、電流センサ20のコストを削減することができる。
【0173】
上記各実施形態では、判定部45は、基板40に配置されているところ、これに限定されない。判定部45は、例えば、電流センサ20の外部に配置されるECU等の外部装置に備えられてもよい。なお、ECUは、Electronic Control Unitの略である。
【0174】
上記実施形態において、コア突起および底部突起は、それぞれ2つ形成されているところ、コア突起および底部突起の数は、2つであることに限定されない。コア突起および底部突起の数は、少なくとも1つあればよい。また、凹部605の数は、1つであるところ、これに限定されないで、2つ以上であってもよい。
【0175】
上記各実施形態では、充電器14から第1バスバ21、バッテリ12、第2バスバ22の順に電流が流れる。これに対して、充電器14から第2バスバ22、バッテリ12、第1バスバ21の順に電流が流れてもよい。この場合、第1バスバ21および第2バスバ22に流れる電流の方向が上記各実施形態とは逆方向となることから、第1バスバ21および第2バスバ22によって発生する磁界の向きは、上記各実施形態とは逆方向となる。この場合であっても、上記各実施形態と同様の効果を奏する。
【0176】
上記各実施形態では、第1バスバ21および第2バスバ22は、板状に形成されているところ、これに限定されないで、棒状や柱状等に形成されてもよい。したがって、ここでは、第1バスバ21および第2バスバ22が板状に形成されていることは、第1バスバ21および第2バスバ22が棒状や柱状等に形成されていることの意味も含むものとする。
【0177】
上記各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【0178】
(本開示の観点)
上記の通りの実施形態および変形例についての説明から明らかなように、本明細書による開示は、少なくとも、以下の観点を含む。
【0179】
(課題)
特許文献1に記載された電流センサにおいて、電流検出のために、コアに挿入されるバスバが2つ備えられることがある。この場合、例えば、電流方向が互いに異なる2つのバスバに流れる電流によって発生する磁界の強さがセンサチップにて検出されることにより、バスバに流れる電流が検出される。このとき、ギャップ内において、2つのバスバに流れる電流によって発生する磁界の方向が互いに逆方向となる箇所が生じることから、2つの磁界が互いに打ち消し合う箇所が生じる。また、ギャップ内において、2つのバスバに流れる電流によって発生する磁界の方向がギャップからギャップとは反対側に位置するコアの底部に向かう方向となる箇所が生じることから、2つの磁界が互いに打ち消し合いにくい箇所が生じる。これらのため、ギャップ内の磁界の勾配が大きくなる。これにより、センサチップの位置がずれることで、センサチップによる磁界の強さの検出精度が低下する。したがって、このとき、電流検出精度が低下する。
本開示は、電流検出精度の低下を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0180】
[観点1-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、
前記第1バスバと間隔を空けて前記第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、前記第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、
前記第1バスバおよび前記第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、前記幅方向を向いている第1端面(261)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(262)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第1端面から前記第2端面に向かう方向(Dm1)の磁界と、前記第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第2端面から前記第1端面に向かう方向(Dm2)の磁界とが合わされた磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する検出素子(31)と、
を備え、
前記第1バスバは、前記第2バスバと前記幅方向に対向する第1対向面(211)を有し、
前記第2バスバは、前記第1バスバと前記幅方向に対向する第2対向面(222)を有し、
前記第1端面および前記第2端面は、前記幅方向において、前記第1対向面および前記第2対向面の間に位置しており、
前記ギャップ形成部は、コア内面(271、272)と、コア突起(281、282)と、を含み、
前記コア内面は、前記ギャップ形成部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、
前記コア突起は、前記コア内面のうち、前記第1対向面および前記ギャップ形成部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S1)ならびに前記第2対向面および前記ギャップ形成部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S2)の間の範囲から前記厚み方向に突出している電流センサ。
[観点1-2]
前記コア突起は、前記厚み方向において前記コア底部と離れている観点1-1に記載の電流センサ。
[観点1-3]
前記幅方向における前記コア突起の長さ(Wp1、Wp2)は、前記幅方向における前記第1対向面から前記第1端面までの距離(Wb1、Wb2)以下とされている観点1-1または1-2に記載の電流センサ。
[観点1-4]
前記検出素子は、前記厚み方向における前記第1端面の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(So_Gap)上に配置されている観点1-1ないし1-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点1-5]
前記検出素子は、前記厚み方向における前記第1端面の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(So_Gap)よりも前記コア穴とは反対側に配置されている観点1-1ないし1-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点1-6]
前記コア突起は、前記幅方向を向いている突起面(2810、2820)を含み、
前記検出素子は、前記突起面および前記第1端面を合わせた面の前記厚み方向における中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(Sop)上に配置されている観点1-1ないし1-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点1-7]
前記コア突起は、前記幅方向を向いている突起面(2810、2820)を含み、
前記検出素子は、前記突起面および前記第1端面を合わせた面の前記厚み方向における中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(Sop)よりも前記コア穴とは反対側に配置されている観点1-1ないし1-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点1-8]
前記第1バスバは、電源の一端および負荷の一端と接続されており、
前記第2バスバは、前記電源の他端および前記負荷の他端と接続されており、
前記電流センサは、前記検出素子から出力された信号に基づいて、前記電源および前記負荷の間において異常があるか否かを判定する判定部(45)をさらに備える観点1-1ないし1-7のいずれか1つに記載の電流センサ。
【0181】
[観点2-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、
前記第1バスバと間隔を空けて前記第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、前記第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、
前記第1バスバおよび前記第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、前記幅方向を向いている第1端面(261)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(262)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第1端面から前記第2端面に向かう方向(Dm1)の磁界と、前記第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第2端面から前記第1端面に向かう方向(Dm2)の磁界とが合わされた磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する検出素子(31)と、
を備え、
前記厚み方向における前記ギャップ形成部の内面から前記コア底部の内面までの距離である内面間距離(Tch)は、前記幅方向における前記第1端面から前記第2端面までの距離(Gap)よりも大きくなっている電流センサ。
[観点2-2]
前記幅方向に互いに対向している前記コア横部の内面同士の間の距離(Wsi)は、前記内面間距離よりも大きくなっている観点2-1に記載の電流センサ。
[観点2-3]
前記ギャップ形成部と前記コア横部との境界部における内側の角部である横内側角部(C_in_top)は、R形状になっている観点2-1または2-2に記載の電流センサ。
[観点2-4]
前記コア横部と前記コア底部との境界部における内側の角部である底内側角部(C_in_btm)は、R形状になっている観点2-1ないし2-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
[観点2-5]
前記第1バスバは、電源の一端および負荷の一端と接続されており、
前記第2バスバは、前記電源の他端および前記負荷の他端と接続されており、
前記電流センサは、前記検出素子から出力された信号に基づいて、前記電源および前記負荷の間において異常があるか否かを判定する判定部(45)をさらに備える観点2-1ないし2-4のいずれか1つに記載の電流センサ。
【0182】
[観点3-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、
前記第1バスバと間隔を空けて前記第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、前記第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、
前記第1バスバおよび前記第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、前記幅方向を向いている第1端面(261)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(262)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第1端面から前記第2端面に向かう方向(Dm1)の磁界と、前記第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第2端面から前記第1端面に向かう方向(Dm2)の磁界とが合わされた磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する検出素子(31)と、
を備え、
前記第1バスバは、前記第2バスバと前記幅方向に対向する第1対向面(211)を有し、
前記第2バスバは、前記第1バスバと前記幅方向に対向する第2対向面(222)を有し、
前記第1端面および前記第2端面は、前記幅方向において、前記第1対向面および前記第2対向面の間に位置しており、
前記コア底部は、底部内面(280)と、凹部(605)と、を含み、
前記底部内面は、前記厚み方向内側を向いている面であって、
前記凹部は、前記底部内面のうち、前記幅方向における前記第1バスバの中心を通るとともに前記幅方向と直交する面である第1中心面(Sob1)および前記幅方向における前記第2バスバの中心を通るとともに前記幅方向と直交する面である第2中心面(Sob2)の間の範囲から前記厚み方向に凹んでおり、
前記幅方向における前記凹部の長さである凹部幅(Wcr)は、前記幅方向における前記第1中心面から前記第2中心面までの距離(Wob)以下とされており、
前記厚み方向における前記ギャップ形成部の内面から前記凹部の底面(606)までの距離(Tcb)は、前記幅方向における前記第1端面から前記第2端面までの距離であるギャップ距離(Gap)よりも大きくなっている電流センサ。
[観点3-2]
前記凹部は、前記底部内面のうち、前記第1対向面および前記コア底部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S1)ならびに前記第2対向面および前記コア底部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S2)の間の範囲から前記厚み方向に凹んでおり、
前記凹部幅は、前記幅方向における前記第1対向面から前記第2対向面までの距離(Wbb)以下とされている観点3-1に記載の電流センサ。
[観点3-3]
前記凹部は、前記底部内面のうち、前記第1端面および前記コア底部を通るとともに前記幅方向と直交する面(Si1)ならびに前記第2端面および前記コア底部を通るとともに前記幅方向と直交する面(Si2)の間の範囲から前記厚み方向に凹んでおり、
前記凹部幅は、前記ギャップ距離以下とされている観点3-1に記載の電流センサ。
[観点3-4]
前記第1バスバは、電源の一端および負荷の一端と接続されており、
前記第2バスバは、前記電源の他端および前記負荷の他端と接続されており、
前記電流センサは、前記検出素子から出力された信号に基づいて、前記電源および前記負荷の間において異常があるか否かを判定する判定部(45)をさらに備える観点3-1ないし3-3のいずれか1つに記載の電流センサ。
【0183】
[観点4-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、
前記第1バスバと間隔を空けて前記第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、前記第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、
前記第1バスバおよび前記第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、前記幅方向を向いている第1端面(261)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(262)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、
前記ギャップに配置されているとともに、前記第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第1端面から前記第2端面に向かう方向(Dm1)の磁界と、前記第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記第2端面から前記第1端面に向かう方向(Dm2)の磁界とが合わされた磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する検出素子(31)と、
を備え、
前記第1バスバは、前記第2バスバと前記幅方向に対向する第1対向面(211)を有し、
前記第2バスバは、前記第1バスバと前記幅方向に対向する第2対向面(222)を有し、
前記第1端面および前記第2端面は、前記幅方向において、前記第1対向面および前記第2対向面の間に位置しており、
前記ギャップ形成部は、コア外面(291、292)と、コア突起(272、282)と、を含み、
前記コア外面は、前記ギャップ形成部のうち前記厚み方向外側を向いている面であって、
前記コア突起は、前記コア外面のうち、前記第1対向面および前記ギャップ形成部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S1)ならびに前記第2対向面および前記ギャップ形成部を通るとともに前記幅方向と直交する面(S2)の間の範囲から前記厚み方向に突出している電流センサ。
[観点4-2]
前記幅方向における前記コア突起の長さ(Wp1、Wp2)は、前記幅方向における前記第1対向面から前記第1端面までの距離(Wb1、Wb2)以下とされている観点4-1に記載の電流センサ。
[観点4-3]
前記検出素子は、前記厚み方向における前記第1端面の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(So_Gap)上に配置されている観点4-1または4-2に記載の電流センサ。
[観点4-4]
前記検出素子は、前記厚み方向における前記第1端面の中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(So_Gap)よりも前記コア穴とは反対側に配置されている観点4-1または4-2に記載の電流センサ。
[観点4-5]
前記コア突起は、前記幅方向を向いている突起面(2810、2820)を含み、
前記検出素子は、前記突起面および前記第1端面を合わせた面の前記厚み方向における中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(Sop)上に配置されている観点4-1または4-2に記載の電流センサ。
[観点4-6]
前記コア突起は、前記幅方向を向いている突起面(2810、2820)を含み、
前記検出素子は、前記突起面および前記第1端面を合わせた面の前記厚み方向における中心を通るとともに前記厚み方向と直交する面(Sop)よりも前記コア穴とは反対側に配置されている観点4-1または4-2に記載の電流センサ。
[観点4-7]
前記第1バスバは、電源の一端および負荷の一端と接続されており、
前記第2バスバは、前記電源の他端および前記負荷の他端と接続されており、
前記電流センサは、前記検出素子から出力された信号に基づいて、前記電源および前記負荷の間において異常があるか否かを判定する判定部(45)をさらに備える観点4-1ないし4-6のいずれか1つに記載の電流センサ。
【0184】
(課題)
特許文献1に記載された電流センサにおいて、電流検出のために、コアに挿入されるバスバとセンサチップとがそれぞれ2つ備えられることがある。この場合、例えば、2つのバスバに流れる電流の方向は、互いに異なる。また、第1のセンサチップは、第1のバスバに流れる電流によって発生する磁界の強さを検出し、第2のセンサチップが第2のバスバに流れる電流によって発生する磁界の強さを検出する。これにより、第1のバスバおよび第2のバスバに流れる電流が検出される。しかし、第1のセンサチップは、第1のバスバに流れる電流によって発生する磁界の強さを検出するところ、第1のバスバに流れる電流によって発生する磁界は、第2のバスバに流れる電流によって発生する磁界の影響を受ける。このため、第1のセンサチップから出力される信号には、第2のバスバに流れる電流によって発生する磁界ノイズが含まれる。また、第2のセンサチップは、第2のバスバに流れる電流によって発生する磁界の強さを検出するところ、第2のバスバに流れる電流によって発生する磁界は、第1のバスバに流れる電流によって発生する磁界の影響を受ける。このため、第2のセンサチップから出力される信号には、第1のバスバに流れる電流によって発生する磁界ノイズが含まれる。したがって、これらの磁界ノイズにより、第1のセンサチップおよび第2のセンサチップによる磁界の強さの検出精度が低下するため、電流検出精度が低下する。
本開示は、電流検出精度の低下を抑制する電流センサを提供することを目的とする。
【0185】
[観点5-1]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、
前記第1バスバと間隔を空けて前記第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、前記第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、
前記第1バスバおよび前記第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、前記幅方向を向いている第1端面(261)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(262)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、
前記第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記厚み方向の磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する第1検出素子(311)と、
前記第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記厚み方向の磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する第2検出素子(312)と、
前記第1検出素子および前記第2検出素子からの信号に基づいて、前記第1バスバおよび前記第2バスバに流れる電流に関する値を算出する算出部(45)と、
を備え、
前記第1バスバは、前記第2バスバと前記幅方向に対向する第1対向面(211)を有し、
前記第2バスバは、前記第1バスバと前記幅方向に対向する第2対向面(222)を有し、
前記第1端面および前記第2端面は、前記幅方向において、前記第1対向面および前記第2対向面の間に位置しており、
前記第1検出素子は、前記コア穴のうち、前記第1対向面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第1面(S1)および前記第1端面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第1通過面(Si1)の間の範囲に配置されており、
前記第2検出素子は、前記コア穴のうち、前記第2対向面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第2面(S2)および前記第2端面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第2通過面(Si2)の間の範囲に配置されており、
前記算出部は、前記第1検出素子の信号に関する値から前記第2検出素子の信号に関する値を減算することにより、前記第1バスバおよび前記第2バスバに流れる電流に関する値を算出する電流センサ。
[観点5-2]
前記第1バスバは、電源の一端および負荷の一端と接続されており、
前記第2バスバは、前記電源の他端および前記負荷の他端と接続されており、
前記算出部は、前記第1検出素子の信号に関する値から前記第2検出素子の信号に関する値を減算した値に基づいて、前記電源および前記負荷の間において異常があるか否かを判定する観点5-1に記載の電流センサ。
[観点5-3]
前記ギャップ形成部は、第1コア内面(271)と、第1コア突起(281)と、第2コア内面(272)と、第2コア突起(282)と、を含み、
前記第1コア内面は、前記ギャップ形成部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、前記第1バスバを前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第1バスバと重なり、
前記第1コア突起は、前記第1コア内面のうち前記第1面および前記第1端面の間の範囲から前記厚み方向に突出しており、
前記第1検出素子は、前記第1コア突起および前記コア底部の間に配置されており、
前記第2コア内面は、前記ギャップ形成部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、前記第2バスバを前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第2バスバと重なり、
前記第2コア突起は、前記第2コア内面のうち前記第2面および前記第2端面の間の範囲から前記厚み方向に突出しており、
前記第2検出素子は、前記第2コア突起および前記コア底部の間に配置されている観点5-1または5-2に記載の電流センサ。
[観点5-4]
前記コア底部は、底部内面(280)と、第1底部突起(601)と、第2底部突起(602)と、を含み、
前記底部内面は、前記コア底部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、
前記第1底部突起は、前記底部内面から前記厚み方向に突出しているとともに、前記第1コア突起を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第1コア突起と重なり、
前記第2底部突起は、前記底部内面から前記厚み方向に突出しているとともに、前記第2コア突起を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第2コア突起と重なり、
前記第1検出素子は、前記第1コア突起および前記第1底部突起の間に配置されており、
前記第2検出素子は、前記第2コア突起および前記第2底部突起の間に配置されている観点5-3に記載の電流センサ。
[観点5-5]
前記第1通過面および前記第2通過面は、前記コア底部を通り、
前記コア底部は、底部内面(280)と、第1底部突起(601)と、第2底部突起(602)と、を含み、
前記底部内面は、前記コア底部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、
前記第1底部突起は、前記底部内面のうち前記第1面および前記第1通過面の間の範囲から前記厚み方向に突出しており、
前記第2底部突起は、前記底部内面のうち前記第2面および前記第2通過面の間の範囲から前記厚み方向に突出しており、
前記第1検出素子は、前記ギャップ形成部および前記第1底部突起の間に配置されており、
前記第2検出素子は、前記ギャップ形成部および前記第2底部突起の間に配置されている観点5-1または5-2に記載の電流センサ。
[観点5-6]
前記コア底部は、凹部(605)を含み、
前記凹部は、前記底部内面のうち前記第1底部突起および前記第2底部突起の間の範囲から前記厚み方向に凹んでいる観点5-4または5-5に記載の電流センサ。
[観点5-7]
前記コア底部は、底部外面(285)と、凹部(605)と、を含み、
前記底部外面は、前記コア底部のうち前記厚み方向外側を向いている面であって、
前記凹部は、前記底部外面のうち前記第1底部突起および前記第2底部突起の間の範囲から前記厚み方向に凹んでいる観点5-4または5-5に記載の電流センサ。
[観点5-8]
前記コア底部は、穴(287)を含み、
前記穴は、前記コア底部のうち前記第1底部突起および前記第2底部突起の間の範囲に形成されているとともに前記長手方向に延びている観点5-4または5-5に記載の電流センサ。
[観点5-9]
電流センサであって、
板状に形成されているとともに、長手方向(DL)のうち一方向の電流(Ic1)が流れる第1バスバ(21)と、
前記第1バスバと間隔を空けて前記第1バスバの幅方向(DW)に並んで板状に形成されているとともに、前記第1バスバに流れる電流の方向とは逆方向の電流(Ic2)が流れる第2バスバ(22)と、
前記第1バスバおよび前記第2バスバが挿入されているコア穴(29)と、前記幅方向を向いている第1端面(261)、前記第1端面と前記幅方向に対向している第2端面(262)、および、前記第1端面と前記第2端面とによって形成されているとともに前記コア穴と外部とに連通するギャップ(265)を含むギャップ形成部(26)と、前記ギャップ形成部に接続されているとともに前記第1バスバの厚み方向(DT)に延びているコア横部(27)と、前記コア横部に接続されて前記幅方向に延びているとともに前記ギャップ形成部および前記コア横部とで前記コア穴を形成するコア底部(28)と、を有するコア(25)と、
前記第1バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記厚み方向の磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する第1検出素子(311)と、
前記第2バスバに流れる電流によって発生する磁界のうち前記厚み方向の磁界の強さを検出し、検出した磁界の強さに応じた信号を出力する第2検出素子(312)と、
前記第1検出素子および前記第2検出素子からの信号に基づいて、前記第1バスバおよび前記第2バスバに流れる電流に関する値を算出する算出部(45)と、
を備え、
前記第1バスバは、前記第2バスバと前記幅方向に対向する第1対向面(211)を有し、
前記第2バスバは、前記第1バスバと前記幅方向に対向する第2対向面(222)を有し、
前記第1端面および前記第2端面は、前記幅方向において、前記第1対向面および前記第2対向面の間に位置しており、
前記第1検出素子は、前記コア穴のうち、前記第1対向面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第1面(S1)および前記第1端面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第1通過面(Si1)の間の範囲に配置されており、
前記第2検出素子は、前記コア穴のうち、前記第2対向面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第2面(S2)および前記第2端面を通るとともに前記幅方向と直交する面である第2通過面(Si2)の間の範囲に配置されており、
前記算出部は、前記第1検出素子の信号に関する値から前記第2検出素子の信号に関する値を減算することにより、前記第1バスバおよび前記第2バスバに流れる電流に関する値を算出し、
前記ギャップ形成部は、第1コア内面(271)と、第1コア突起(281)と、第2コア内面(272)と、第2コア突起(282)と、を含み、
前記第1コア内面は、前記ギャップ形成部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、前記第1バスバを前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第1バスバと重なり、
前記第1コア突起は、前記第1コア内面のうち前記第1面および前記第1端面の間の範囲から前記厚み方向に突出しており、
前記第2コア内面は、前記ギャップ形成部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、前記第2バスバを前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第2バスバと重なり、
前記第2コア突起は、前記第2コア内面のうち前記第2面および前記第2端面の間の範囲から前記厚み方向に突出しており、
前記コア底部は、底部内面(280)と、第1底部突起(601)と、第2底部突起(602)と、を含み、
前記底部内面は、前記コア底部のうち前記厚み方向内側を向いている面であって、
前記第1底部突起は、前記底部内面から前記厚み方向に突出しているとともに、前記第1コア突起を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第1コア突起と重なり、
前記第2底部突起は、前記底部内面から前記厚み方向に突出しているとともに、前記第2コア突起を前記厚み方向に投影したとき、投影した前記第2コア突起と重なり、
前記第1検出素子は、前記第1コア突起および前記第1底部突起の間に配置されており、
前記第2検出素子は、前記第2コア突起および前記第2底部突起の間に配置されている電流センサ。
[観点5-10]
前記コア底部は、凹部(605)を含み、
前記凹部は、前記底部内面のうち前記第1底部突起および前記第2底部突起の間の範囲から前記厚み方向に凹んでいる観点5-9に記載の電流センサ。
【符号の説明】
【0186】
21 第1バスバ
22 第2バスバ
25 コア
26 ギャップ形成部
27 コア横部
28 コア底部
31 検出素子
40 基板
45 判定部
50 ケース
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