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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090122
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/569 20210101AFI20240627BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20240627BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240627BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240627BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240627BHJP
【FI】
H01M50/569
H01M50/557
H01M10/04 Z
H01M50/548 101
H01M50/534
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205797
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 夕紀
(72)【発明者】
【氏名】石黒 文彦
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
【テーマコード(参考)】
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H028AA07
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC19
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA04
5H043CA13
5H043DA08
5H043DA20
5H043DA27
5H043JA13D
5H043LA21D
(57)【要約】
【課題】電圧の測定精度の低下を抑制することが可能な蓄電モジュールを提供すること。
【解決手段】蓄電モジュール1は、複数のバイポーラ電極100と、正極終端電極200と、負極終端電極300と、正極集電板620と、負極集電板630と、正極終端電極と正極集電板とを電気的に接続する正極側短絡部材820と、負極終端電極と負極集電板とを電気的に接続する負極側短絡部材830と、を備える。正極集電板620は、正極側電圧検出部622を有し、正極側短絡部材820は、正極終端電極200と正極側電圧検出部622とを電気的に接続している。負極集電板630は、負極側電圧検出部632を有し、負極側短絡部材830は、負極終端電極300と負極側電圧検出部632とを電気的に接続している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積層された複数のバイポーラ電極と、
前記複数のバイポーラ電極の積層方向における前記複数のバイポーラ電極の一方側に配置された正極終端電極と、
前記積層方向における前記複数のバイポーラ電極の他方側に配置された負極終端電極と、
前記積層方向における前記正極終端電極の前記バイポーラ電極と対向する面と反対側の面に正極側導電性接着材を介して又は直接接触するように当該正極終端電極に積層配置され、前記正極終端電極と電気的に接続された正極集電板と、
前記積層方向における前記負極終端電極の前記バイポーラ電極と対向する面と反対側の面に負極側導電性接着材を介して又は直接接触するように前記負極終端電極に積層配置され、前記負極終端電極と電気的に接続された負極集電板と、
一端が前記正極終端電極に接続されるとともに他端が前記正極集電板に接続され、前記正極終端電極と前記正極集電板とを電気的に接続する正極側短絡部材と、
一端が前記負極終端電極に接続されるとともに他端が前記負極集電板に接続され、前記負極終端電極と前記負極集電板とを電気的に接続する負極側短絡部材と、を備え、
前記正極集電板は、前記積層方向に前記正極終端電極と重ならない位置に設けられた正極側電圧検出部を有し、
前記正極側短絡部材の前記他端は、前記正極側電圧検出部に接続されており、
前記負極集電板は、前記積層方向に前記負極終端電極と重ならない位置に設けられた負極側電圧検出部を有し、
前記負極側短絡部材の前記他端は、前記負極終端電極と前記負極側電圧検出部に接続されている、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記正極終端電極及び前記正極集電板が前記正極側導電性接着材を介して又は直接接触する接触領域における前記正極終端電極及び前記正極集電板間の電気抵抗は、前記正極側短絡部材を介した前記正極終端電極及び前記正極側電圧検出部間の電気抵抗よりも小さく、
前記負極終端電極及び前記負極集電板が前記負極側導電性接着材を介して又は直接接触する接触領域における前記負極終端電極及び前記負極集電板間の電気抵抗は、前記負極側短絡部材を介した前記負極終端電極及び前記負極側電圧検出部間の電気抵抗よりも小さい、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-37493号公報には、複数の蓄電モジュールと、複数の導電板と、を備える蓄電装置が開示されている。各導電板は、互いに隣接する蓄電モジュール間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-37493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2022-37493号公報に記載される蓄電装置において、各蓄電モジュールの電圧を検出するために、蓄電モジュールの最外層に接続されている各導電板に電圧検出端子を接続することが考えられる。しかしながら、各導電板は、蓄電モジュールの電流経路であるため、蓄電モジュール及び導電板間における電圧降下の影響を受けて電圧の測定精度が低下する。
【0005】
本開示の目的は、電圧の測定精度の低下を抑制することが可能な蓄電モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従った蓄電モジュールは、互いに積層された複数のバイポーラ電極と、前記複数のバイポーラ電極の積層方向における前記複数のバイポーラ電極の一方側に配置された正極終端電極と、前記積層方向における前記複数のバイポーラ電極の他方側に配置された負極終端電極と、前記積層方向における前記正極終端電極の前記バイポーラ電極と対向する面と反対側の面に正極側導電性接着材を介して又は直接接触するように当該正極終端電極に積層配置され、前記正極終端電極と電気的に接続された正極集電板と、前記積層方向における前記負極終端電極の前記バイポーラ電極と対向する面と反対側の面に負極側導電性接着材を介して又は直接接触するように前記負極終端電極に積層配置され、前記負極終端電極と電気的に接続された負極集電板と、一端が前記正極終端電極に接続されるとともに他端が前記正極集電板に接続され、前記正極終端電極と前記正極集電板とを電気的に接続する正極側短絡部材と、一端が前記負極終端電極に接続されるとともに他端が前記負極集電板に接続され、前記負極終端電極と前記負極集電板とを電気的に接続する負極側短絡部材と、を備え、前記正極集電板は、前記積層方向に前記正極終端電極と重ならない位置に設けられた正極側電圧検出部を有し、前記正極側短絡部材の前記他端は、前記正極側電圧検出部に接続されており、前記負極集電板は、前記積層方向に前記負極終端電極と重ならない位置に設けられた負極側電圧検出部を有し、前記負極側短絡部材の前記他端は、前記負極終端電極と前記負極側電圧検出部に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電圧の測定精度の低下を抑制することが可能な蓄電モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態における蓄電モジュールを概略的に示す平面図である。
図2図1におけるII-II線での断面図である。
図3】蓄電モジュールの変形例を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態における蓄電モジュールを概略的に示す平面図である。図2は、図1におけるII-II線での断面図である。図1及び図2に示されるように、蓄電モジュール1は、複数のバイポーラ電極100と、正極終端電極200と、負極終端電極300と、複数のセパレータ400と、封止部500と、正極集電板620と、負極集電板630と、正極側導電性接着材720と、負極側導電性接着材730と、内側電圧検出部810と、正極側短絡部材820と、負極側短絡部材830と、を備えている。
【0011】
複数のバイポーラ電極100は、互いに積層されている。各バイポーラ電極100は、集電体110と、正極活物質層120と、負極活物質層130と、を有している。
【0012】
集電体110は、金属からなり、例えば矩形状に形成されている。集電体110は、正極集電箔(図示略)と、負極集電箔(図示略)と、を有している。正極集電箔は、例えばアルミニウムからなる。負極集電箔は、例えば銅箔からなる。負極集電箔は、導電性接着材によって正極集電箔に接着されている。
【0013】
正極活物質層120は、集電体110における一方の面、すなわち、正極集電箔の表面に設けられている。負極活物質層130は、集電体110における他方の面、すなわち、負極集電箔の表面に設けられている。
【0014】
複数のバイポーラ電極100は、一のバイポーラ電極100における正極活物質層120と、前記一のバイポーラ電極100に隣接するバイポーラ電極100における負極活物質層130と、が互いに対向するように積層されている。
【0015】
正極終端電極200は、積層方向(図2における上下方向)における複数のバイポーラ電極100の一方側(図2では上側)に配置されている。正極終端電極200は、正極集電箔112と、正極集電箔112に設けられた正極活物質層120と、を有している。正極終端電極200における正極集電箔112及び正極活物質層120の構成は、バイポーラ電極100における正極集電箔及び正極活物質層120の構成と同じである。
【0016】
負極終端電極300は、積層方向における複数のバイポーラ電極100の他方側(図2では下側)に配置されている。負極終端電極300は、負極集電箔113と、負極集電箔113に設けられた負極活物質層130と、を有している。負極終端電極300における負極集電箔113及び負極活物質層130の構成は、バイポーラ電極100における負極集電箔及び負極活物質層130と同じである。
【0017】
各セパレータ400は、各電極間、より詳細には、正極活物質層120及び負極活物質層130間に配置されている。各セパレータ400は、各電極間を絶縁している。各セパレータ400は、絶縁材料からなり、イオンの透過を許容する。セパレータ400として、ポリオレフィン微多孔膜等が挙げられる。
【0018】
封止部500は、各電極間に形成される領域を封止している。この領域には、電解液が充填されている。封止部500は、絶縁材料からなる。封止部500は、各バイポーラ電極100における集電体110の周縁部、正極終端電極200における正極集電箔112の周縁部、負極終端電極300における負極集電箔113の周縁部、及び、各セパレータ400の周縁部を保持している。
【0019】
正極集電板620は、積層方向における正極終端電極200の外側(図2では上側)に配置されている。正極集電板620は、正極終端電極200のうち積層方向にバイポーラ電極100と対向する面と反対側の面に正極側導電性接着材720を介して接触するように当該正極終端電極200に積層配置されている。正極集電板620は、集電板本体621と、正極側電圧検出部622と、を有している。
【0020】
集電板本体621は、矩形状に形成されている。図1に示されるように、平面視における集電板本体621の外形は、平面視における封止部500の外形より一回り小さい。平面視における集電板本体621の外形は、積層方向に正極活物質層120及び負極活物質層130と重なる領域と同じかそれよりも大きい。
【0021】
正極側電圧検出部622は、電圧計が接続される部位である。正極側電圧検出部622は、集電板本体621から積層方向と直交する方向に突出する形状を有している。図1及び図2に示されるように、正極側電圧検出部622は、積層方向と直交する方向における封止部500の端部よりも外側に張り出す形状を有している。
【0022】
正極側導電性接着材720は、正極終端電極200と正極集電板620とを電気的に接続している。より詳細には、正極側導電性接着材720は、集電板本体621と正極終端電極200における正極集電箔112との間に設けられている。つまり、正極側電圧検出部622は、積層方向に正極側導電性接着材720と重ならない部位である。図2に示されるように、正極側導電性接着材720は、積層方向における正極終端電極200の正極集電箔112の外面のうち、少なくとも積層方向に正極活物質層120及び負極活物質層130と重なる領域に設けられており、封止部500から露出した領域の全域に設けられることが好ましい。
【0023】
負極集電板630は、積層方向における負極終端電極300の外側(図2では下側)に配置されている。負極集電板630は、負極終端電極300のうち積層方向にバイポーラ電極100と対向する面と反対側の面に負極側導電性接着材730を介して接触するように当該負極終端電極300に積層配置されている。負極集電板630は、集電板本体631と、負極側電圧検出部632と、を有している。負極側電圧検出部632は、電圧計が接続される部位である。集電板本体631の構造及び負極側電圧検出部632の構造は、正極集電板620における集電板本体621の構造及び正極側電圧検出部622の構造と実質的に同じである。
【0024】
負極側導電性接着材730は、負極終端電極300と負極集電板630とを電気的に接続している。より詳細には、負極側導電性接着材730は、集電板本体631と負極終端電極300における負極集電箔113との間に設けられている。つまり、負極側電圧検出部632は、積層方向に負極側導電性接着材730と重ならない部位である。図2に示されるように、負極側導電性接着材730は、積層方向における負極終端電極300の負極集電箔113の外面のうち、少なくとも積層方向に正極活物質層120及び負極活物質層130と重なる領域に設けられており、封止部500から露出した領域の全域に設けられることが好ましい。
【0025】
内側電圧検出部810は、各バイポーラ電極100における集電体110に電気的に接続されている。内側電圧検出部810は、封止部500の外部に引き出されている。内側電圧検出部810は、例えば、積層方向と直交する方向に封止部500から突出している。なお、内側電圧検出部810が接続されない集電体110が存在してもよい。各内側電圧検出部810の端部は、コネクタ(図示略)によって保持されてもよい。
【0026】
正極側短絡部材820は、正極終端電極200と正極側電圧検出部622とを電気的に接続している。より詳細には、正極側短絡部材820は、正極終端電極200における正極集電箔112と正極側電圧検出部622とを電気的に接続している。すなわち、正極側短絡部材820の一端は、正極終端電極200における正極集電箔112に接続されており、正極側短絡部材820の他端は、正極側電圧検出部622に接続されている。このため、例えば、各内側電圧検出部810の端部が前記コネクタにより保持される場合、正極側短絡部材820の前記他端が正極側電圧検出部622に接続されておらず、前記コネクタによって正極側短絡部材820の前記他端も保持される場合に比べ、積層方向におけるコネクタの大型化が回避される。正極側短絡部材820と正極終端電極200における正極集電箔112との接続部(正極側短絡部材820の前記一端)は、封止部500によって被覆されている。正極側導電性接着材720を介した正極終端電極200及び正極集電板620の集電体本体621間の電気抵抗は、正極側短絡部材820を介した正極終端電極200及び電圧検出部622間の電気抵抗よりも小さい。このような電気抵抗の関係となるように、正極側短絡部材820の材質や断面積等が設定される。
【0027】
負極側短絡部材830は、負極終端電極300と負極側電圧検出部632とを電気的に接続している。より詳細には、負極側短絡部材830は、負極終端電極300における負極集電箔113と負極側電圧検出部632とを電気的に接続している。すなわち、負極側短絡部材830の一端は、負極終端電極300における負極集電箔113に接続されており、負極側短絡部材830の他端は、負極側電圧検出部632に接続されている。負極側短絡部材830と負極終端電極300における負極集電箔113との接続部(負極側短絡部材830の前記一端)は、封止部500によって被覆されている。負極側導電性接着材730を介した負極終端電極300及び負極集電板630の集電体本体631間の電気抵抗は、負極側短絡部材830を介した負極終端電極300及び電圧検出部632間の電気抵抗よりも小さい。このような電気抵抗の関係となるように、負極側短絡部材830の材質や断面積等が設定される。
【0028】
以上に説明したように、本実施形態における蓄電モジュール1では、正極側短絡部材820によって電気的に接続された正極側電圧検出部622及び正極終端電極200が互いに同電位になり、負極側短絡部材830によって電気的に接続された負極側電圧検出部632及び負極終端電極300が互いに同電位になるため、正極側電圧検出部622及び負極側電圧検出部632間の電圧を測定することにより、電圧の測定精度の低下を抑制しながら蓄電モジュールの1の電圧を測定することができる。
【0029】
さらに、例えば正極終端電極200及び正極集電板620間の接続状態に異常(正極側導電性接着材720の剥離等)が生じた場合、集電板本体621及び正極終端電極200間の電気抵抗が上昇するため、正極側短絡部材820を流れる電流が急激に増加する。その結果、正極側短絡部材820が溶断する。よって、正極側短絡部材820及び負極側短絡部材830を設けた状態で正極側電圧検出部622及び負極側電圧検出部632間の電圧を測定することにより、正極終端電極200及び正極集電板620間の接続状態や、負極終端電極300及び負極集電板630間の接続状態の異常を検知することが可能となる。
【0030】
上記実施形態において、図3に示されるように、正極側導電性接着材720及び負極側導電性接着材730は、省略されてもよい。この場合、正極終端電極200における正極集電箔112が正極集電板620に直接接続されるとともに、負極終端電極300における負極集電箔113が負極集電板630に直接接続される。
【0031】
上述した例示的な実施形態及び実施例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0032】
[態様1]
互いに積層された複数のバイポーラ電極と、
前記複数のバイポーラ電極の積層方向における前記複数のバイポーラ電極の一方側に配置された正極終端電極と、
前記積層方向における前記複数のバイポーラ電極の他方側に配置された負極終端電極と、
前記積層方向における前記正極終端電極の前記バイポーラ電極と対向する面と反対側の面に正極側導電性接着材を介して又は直接接触するように当該正極終端電極に積層配置され、前記正極終端電極と電気的に接続された正極集電板と、
前記積層方向における前記負極終端電極の前記バイポーラ電極と対向する面と反対側の面に負極側導電性接着材を介して又は直接接触するように前記負極終端電極に積層配置され、前記負極終端電極と電気的に接続された負極集電板と、
一端が前記正極終端電極に接続されるとともに他端が前記正極集電板に接続され、前記正極終端電極と前記正極集電板とを電気的に接続する正極側短絡部材と、
一端が前記負極終端電極に接続されるとともに他端が前記負極集電板に接続され、前記負極終端電極と前記負極集電板とを電気的に接続する負極側短絡部材と、を備え、
前記正極集電板は、前記積層方向に前記正極終端電極と重ならない位置に設けられた正極側電圧検出部を有し、
前記正極側短絡部材の前記他端は、前記正極側電圧検出部に接続されており、
前記負極集電板は、前記積層方向に前記負極終端電極と重ならない位置に設けられた負極側電圧検出部を有し、
前記負極側短絡部材の前記他端は、前記負極終端電極と前記負極側電圧検出部に接続されている、蓄電モジュール。
【0033】
この蓄電モジュールでは、正極側短絡部材によって電気的に接続された正極側電圧検出部及び正極終端電極が互いに同電位になり、負極側短絡部材によって電気的に接続された負極側電圧検出部及び負極終端電極が互いに同電位になるため、正極側電圧検出部及び負極側電圧検出部間の電圧を測定することにより、電圧の測定精度の低下が抑制される。
【0034】
さらに、例えば正極終端電極及び正極集電板間の接続状態に異常(正極側導電性接着材の剥離等)が生じた場合、正極集電板及び正極終端電極間の電気抵抗が上昇するため、正極側短絡部材を流れる電流が急激に増加する。よって、正極側電圧検出部及び負極側電圧検出部間の電圧を測定することにより、正極終端電極及び正極集電板間の接続状態や、負極終端電極及び負極集電板間の接続状態の異常を検知することが可能となる。
【0035】
[態様2]
前記正極終端電極及び前記正極集電板が前記正極側導電性接着材を介して又は直接接触する接触領域における前記正極終端電極及び前記正極集電板間の電気抵抗は、前記正極側短絡部材を介した前記正極終端電極及び前記正極側電圧検出部間の電気抵抗よりも小さく、
前記負極終端電極及び前記負極集電板が前記負極側導電性接着材を介して又は直接接触する接触領域における前記負極終端電極及び前記負極集電板間の電気抵抗は、前記負極側短絡部材を介した前記負極終端電極及び前記負極側電圧検出部間の電気抵抗よりも小さい、態様1に記載の蓄電モジュール。
【0036】
この態様では、正極側短絡部材及び負極側短絡部材を流れる電流が減少するため、正極側電圧検出部及び負極側電圧検出部間の電圧の測定精度の低下がより確実に抑制される。
【0037】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1 蓄電モジュール、100 バイポーラ電極、110 集電体、112 正極集電箔、113 負極集電箔、120 正極活物質層、130 負極活物質層、200 正極終端電極、300 負極終端電極、400 セパレータ、500 封止部、620 正極集電板、621 集電体本体、622 正極側電圧検出部、630 負極集電板、631 集電板本体、632 負極側電圧検出部、720 正極側導電性接着材、730 負極側導電性接着材、810 内側電圧検出部、820 正極側短絡部材、830 負極側短絡部材。
図1
図2
図3