特開 2024-90128 生産物選別設備

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024090128

(43)【公開日】2024-07-04

(54)【発明の名称】生産物選別設備

(51)【国際特許分類】

   B07C 5/02 20060101AFI20240627BHJP

【ＦＩ】

B07C5/02

【審査請求】未請求

【請求項の数】2

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022205810

(22)【出願日】2022-12-22

(71)【出願人】

【識別番号】000000125

【氏名又は名称】井関農機株式会社

(72)【発明者】

【氏名】半田 茂雄

(72)【発明者】

【氏名】坂本 賢一

【テーマコード（参考）】

3F079

【Ｆターム（参考）】

3F079AC23

3F079CB05

3F079CB18

3F079CB19

3F079DA12

3F079DA21

(57)【要約】

【課題】
本発明は、生産物に混じる異物や、生産物に付着する土、皮を効率よく除去することで、作業者が作業しやすい選別設備を提供することを課題とする。
【解決手段】
荷受した生産物を搬送する荷受搬送コンベア（１）を備える荷受部（Ｎ）と、荷受搬送コンベア（１）で搬送された生産物から所定より小さい生産物を選別する選別コンベア（６）を備える選別部（Ｓ）と、作業者が出荷対象外の生産物を取り出す作業用コンベア（１１）を備える作業部（Ｒ）とを設け、
荷受部（Ｎ）で生産物に混じる異物を風選除去する風選装置（２）と、作業用コンベア（１１）で生産物に付着する皮と土をエアで除去するエア供給装置（１２）を設けることを特徴とする生産物選別設備とする。
【選択図】 図７

【特許請求の範囲】

【請求項1】

荷受した生産物を搬送する荷受搬送コンベア（１）を備える荷受部（Ｎ）と、荷受搬送コンベア（１）で搬送された生産物から所定より小さい生産物を選別する選別コンベア（６）を備える選別部（Ｓ）と、作業者が出荷対象外の生産物を取り出す作業用コンベア（１１）を備える作業部（Ｒ）とを設け、
荷受部（Ｎ）で生産物に混じる異物を風選除去する風選装置（２）と、作業用コンベア（１１）で生産物に付着する皮と土をエアで除去するエア供給装置（１２）を設けることを特徴とする生産物選別設備。

【請求項2】

荷受部（Ｎ）の後工程に選別部（Ｓ）を設け、選別部（Ｓ）の後工程に作業部（Ｒ）を設けることを特徴とする請求項１記載の生産物選別設備。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、収穫した根菜等を選別する選別設備に関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１には、外観品質装置へ供給する前に一個ずつの青果物の皮を除去する装置が記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２２－２９３８１

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１においては、一個ずつの皮を除去するので時間を要する。

【0005】

本発明は、生産物に混じる異物や、生産物に付着する土、皮を効率よく除去することで、作業者が作業しやすい選別設備を提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

かかる課題を解決するために、
請求項１記載の発明は、
荷受した生産物を搬送する荷受搬送コンベア（１）を備える荷受部（Ｎ）と、荷受搬送コンベア（１）で搬送された生産物から所定より小さい生産物を選別する選別コンベア（６）を備える選別部（Ｓ）と、作業者が出荷対象外の生産物を取り出す作業用コンベア（１１）を備える作業部（Ｒ）とを設け、
荷受部（Ｎ）で生産物に混じる異物を風選除去する風選装置（２）と、作業用コンベア（１１）で生産物に付着する皮と土をエアで除去するエア供給装置（１２）を設けることを特徴とする生産物選別設備とする。

【0007】

請求項２記載の発明は、請求項１の発明において、荷受部（Ｎ）の後工程に選別部（Ｓ）を設け、選別部（Ｓ）の後工程に作業部（Ｒ）を設けることを特徴とする請求項１記載の生産物選別設備とする。

【発明の効果】

【0008】

本発明により、荷受時の風選装置で生産物に混じって荷受される異物を風選した後、選別部で規格よりも小さい生産物を選別したり出荷対象外の選別部を取り出すことができるため、選別や取り出しがし易い。

【0009】

また、選別部で規格よりも小さい生産物を選別した後に、作業部で出荷対象外の選別部を取り出すことで、作業者の目視の負担を少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】荷受部を説明する図

【図2】選別部を説明する図

【図3】偏心カムを説明する図

【図4】選別コンベアを説明する図

【図5】側面から見た作業部を説明する図

【図6】平面から見た作業部を説明する図

【図7】選別設備の工程図

【発明を実施するための形態】

【0011】

本発明である選別設備の実施の形態について、以下図面に基づいて詳細に説明する。

【0012】

収穫した根菜ｔは荷受部Ｎの荷受搬送コンベア１で荷受される。

【0013】

荷受部Ｎの風選装置２は荷受搬送コンベア１上に設ける荷受収容体３内を送風する送風ファン２ａであり、送風ファン２ａの送風先、すなわち、荷受搬送コンベア１の搬送始端側に風選された異物を案内する異物案内通路４と、異物を収容する異物収容体５を設ける。送風ファン２ａの送風方向は荷受搬送コンベア１の搬送方向と反対方向に設けている。荷受収容体３内に落下供給して荷受された根菜ｔに混じる雑草等の異物は送風ファン２ａの作用で異物案内通路４へ送られ、異物収容体５へ収容される。

【0014】

荷受搬送コンベア１で搬送された根菜ｔは小玉を選別する選別部Ｓの選別コンベア６に供給される。

【0015】

選別コンベア６は選別ベルト６ａを複数のプーリ６ｂに巻回し、図２のように選別ベルト６ａは、搬送始端部から搬送方向に向かって上り傾斜に形成する上り小玉選別部ｋと、上り小玉選別部ｋの終端部から下がり傾斜に形成する下り小玉選別部ｉを形成する。選別ベルト６ａには、小玉が通過できる程度の小玉選別孔６ｃを選別ベルト６ａに多数形成し、上り小玉選別部ｋと下り小玉選別部ｉの境目には偏心カム７を当接させている。

【0016】

偏心カム７は図３に示すように偏心カム７を取り付ける偏心カム駆動軸８と偏心カム用駆動モータ９により、選別ベルト６ａに当接しながら回転する。

【0017】

選別ベルト６ａの内部で、かつ、小玉選別部ｋの下方に小玉選別孔６ｃを通過した小玉を受けて搬送する小玉搬送コンベア１０を設けている。小玉搬送コンベア１０の搬送方向と選別コンベア６の搬送方向は交差する方向であり、小玉搬送コンベア１０の周辺には小玉選別孔６ｃを通過して落下した根菜ｔを案内する小玉案内板１０ａを設ける。小玉案内板１０ａは上り小玉選別部ｋから下り小玉選別部ｉにわたって延出する。

【0018】

選別コンベア６に供給された根菜ｔは上り小玉選別部ｋを上り搬送されながら小玉が小玉選別孔６ｃを通過して小玉搬送コンベア１０に落下する。上り小玉選別部ｋで搬送速度を抑制させるため、偏心カム７の作用と相まって多くの小玉を通過させやすい。また、偏心カム７とは異なる位置に小玉搬送コンベア１０を設けるため、通過した小玉を円滑に小玉搬送コンベア１０に案内しやすい。

【0019】

下り小玉選別部ｉで移送された根菜は、次の作業部Ｒの作業用コンベア１１に供給される。

【0020】

作業用コンベア１１は作業者Ｐが目視で傷物等の商品にならない根菜ｔを手動で取り出すためのものであり、ローラコンベア１１ａで形成されている。

【0021】

作業用コンベア１１の上方には根菜ｔにエアを吹き付けるためのエア供給装置１２を設け、作業者Ｐが把持して根菜ｔに吹き付けるエアコンプレッサ１２ａを複数吊り下げる。

【0022】

作業用コンベア１１の下方にはエア供給装置１２で吹き付けられて除去されて飛散した根菜ｔの皮や根菜ｔに付着する土を案内する案内ホッパ１３を設けている。作業者は作業用コンベア１１をランダムに多量に流れる根菜ｔから商品対象外となる不良品の根菜ｔを取り出しながら、エアコンプレッサ１２ａを把持し、商品対象となる根菜に不要な土や皮を視認して必要に応じてエアを供給する。

【0023】

案内ホッパ１３の下方には案内ホッパ１３に収容された皮や土を搬送する除去物コンベア１４を設ける。除去物コンベア１４の搬送終端側には皮と土を分離する除去物分離部１５を設け、除去物分離部１５の上方には皮を吸引する吸引ファン１６を設け、除去物分離部１５の下方には、吸引ファン１６で吸引されない土を収容する土収容体１７を設ける。符号１８は案内ホッパ１３の下端部を開閉する開閉弁である。

【0024】

作業用コンベア１１を通過した根菜ｔは、後工程の出荷部Ｗへ搬送されて出荷される。

【0025】

本実施の形態では、荷受部Ｎの荷受収容体３に多量に供給される根菜ｔに混じる雑草や異物を送付ファン２ａで除去してから選別コンベア６に供給されるので、小玉選別孔６ｃに雑草類が詰まる等の不具合を防止することができる。

【0026】

また、選別コンベア６で小玉の根菜ｔを選別してから作業用コンベア１１で不良品の根菜ｔを取り出せるので作業効率が良い。また、作業者が土や皮を除去する必要のある根菜ｔを選択してエアを供給できるので、ランダムに流れる根菜に対応しやすい。

【0027】

本実施の形態では選別部Ｓの後工程に作業部Ｒを設けているが、反対でも良い。

【符号の説明】

【0028】

１ 荷受搬送コンベア
２ 風選装置
６ 選別コンベア
１２ エア供給装置
Ｎ 荷受部
Ｓ 選別部
Ｒ 作業部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】