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特開2024-90132空調管理方法、プログラム、空調管理装置及び空調管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090132
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】空調管理方法、プログラム、空調管理装置及び空調管理システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
F24F7/007 101
F24F7/007 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205817
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】土居 敦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真之介
(72)【発明者】
【氏名】大井 聡美
【テーマコード(参考)】
3L056
【Fターム(参考)】
3L056BA06
3L056BD02
3L056BD03
3L056BD07
3L056BF06
3L056BG02
3L056BG09
(57)【要約】
【課題】建物内における空気環境を好適に管理することができる空調管理方法等を提供する。
【解決手段】空調管理方法は、第1センサにより検出された建物内に設けられる検出体に関する第1検出値と、第2センサにより検出された前記建物内に関する第2検出値とを取得し、取得した前記第1検出値及び前記第2検出値に基づいて、前記建物内の結露発生の可能性を予測し、予測結果に応じて前記建物内に設けられた送風機の稼働制御情報を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1センサにより検出された建物内に設けられる検出体に関する第1検出値と、第2センサにより検出された前記建物内に関する第2検出値とを取得し、
取得した前記第1検出値及び前記第2検出値に基づいて、前記建物内の結露発生の可能性を予測し、
予測結果に応じて前記建物内に設けられた送風機の稼働制御情報を出力する
空調管理方法。
【請求項2】
結露発生の可能性が高いと予測した場合、前記送風機を稼働させるための稼働制御情報を出力する
請求項1に記載の空調管理方法。
【請求項3】
前記第1検出値は前記検出体の温度を含み、前記第2検出値は前記建物内の温度及び湿度を含む
請求項1又は請求項2に記載の空調管理方法。
【請求項4】
前記第1検出値は前記検出体の表面の温度を含み、前記第2検出値は前記建物内の温度及び湿度を含み、
前記第2検出値に基づき算出される前記建物内の露点温度と、前記検出体の表面の温度との比較に基づいて、前記建物内の結露発生の可能性を予測する
請求項1又は請求項2に記載の空調管理方法。
【請求項5】
前記検出体は、前記建物内における空調装置、換気口又は防煙壁の近傍に設けられる
請求項1又は請求項2に記載の空調管理方法。
【請求項6】
前記第1センサは、前記検出体における前記建物の内側を向く面に設けられる
請求項1又は請求項2に記載の空調管理方法。
【請求項7】
第1検出値及び第2検出値を入力した場合に結露発生の可能性に関する情報を出力する学習モデルに、取得した前記第1検出値及び前記第2検出値を入力して、結露発生の可能性を予測する
請求項1又は請求項2に記載の空調管理方法。
【請求項8】
前記送風機は、長辺方向に延びる開口部を備え、前記建物内に設けられたショーケースの上側に配置されており、
前記長辺方向は、前記ショーケースにおける天面部の長手方向に沿っている
請求項1又は請求項2に記載の空調管理方法。
【請求項9】
前記第1センサ又は前記第2センサは磁石を備え、前記磁石により前記建物内の所定箇所に取り付けられる
請求項1又は請求項2に記載の空調管理方法。
【請求項10】
空調装置を備える複数の建物について、各建物内に設けられたセンサにより検出された建物内に関する検出値の時系列データを取得し、
取得した複数の建物内に関する検出値の時系列データに基づいて、空調装置の温度設定に関する警告要否を推定し、
温度設定に関する警告が必要と推定した場合、前記複数の建物のうちの温度設定に関する警告が必要と推定された建物に対する警告情報を出力する
空調管理方法。
【請求項11】
複数の建物内に関する検出値の時系列データを入力した場合に温度設定に関する警告要否を出力する学習モデルに、取得した複数の建物内に関する検出値の時系列データを入力して、温度設定に関する警告要否を推定する
請求項10に記載の空調管理方法。
【請求項12】
第1センサにより検出された建物内に設けられる検出体に関する第1検出値と、第2センサにより検出された前記建物内に関する第2検出値とを取得し、
取得した前記第1検出値及び第2検出値に基づいて、前記建物内の結露発生の可能性を予測し、
予測結果に応じて前記建物内に設けられた送風機の稼働制御情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
第1センサにより検出された建物内に設けられる検出体に関する第1検出値と、第2センサにより検出された前記建物内に関する第2検出値とを取得し、
取得した前記第1検出値及び前記第2検出値に基づいて、前記建物内の結露発生の可能性を予測し、
予測結果に応じて前記建物内に設けられた送風機の稼働制御情報を出力する
処理を実行する制御部を備える
空調管理装置。
【請求項14】
建物内に設けられた検出体、第1センサ及び第2センサと、空調管理装置とを備え、
前記空調管理装置は、
前記第1センサにより検出された前記検出体に関する第1検出値と、前記第2センサにより検出された前記建物内に関する第2検出値とを取得し、
取得した前記第1検出値及び前記第2検出値に基づいて、前記建物内の結露発生の可能性を予測し、
予測結果に応じて前記建物内に設けられた送風機の稼働制御情報を出力する
処理を実行する制御部を備える
空調管理システム。
【請求項15】
空調装置を備える複数の建物について、各建物内に設けられたセンサにより検出された建物内に関する検出値の時系列データを取得し、
取得した複数の建物内に関する検出値の時系列データに基づいて、空調装置の温度設定に関する警告要否を推定し、
温度設定に関する警告が必要と推定した場合、前記複数の建物のうちの温度設定に関する警告が必要と推定された建物に対する警告情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
空調装置を備える複数の建物について、各建物内に設けられたセンサにより検出された建物内に関する検出値の時系列データを取得し、
取得した複数の建物内に関する検出値の時系列データに基づいて、空調装置の温度設定に関する警告要否を推定し、
温度設定に関する警告が必要と推定した場合、前記複数の建物のうちの温度設定に関する警告が必要と推定された建物に対する警告情報を出力する
処理を実行する制御部を備える
空調管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調管理方法、プログラム、空調管理装置及び空調管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等の建物内において空気の温度や湿度等を調整する空調方法が提案されている。特許文献1に開示される室内空調方法は、空調装置における室内機の内部に加湿装置を内蔵させ、空調対象の室内においてその壁面と床面及び天井面とにそれぞれ温湿度センサを設置し、前記温湿度センサの温湿度データにより前記空調装置と前記加湿装置とを運転制御することで、前記室内の所定の範囲を設定の温湿度になるように空調管理する。また、温湿度データを常にフィードバックさせて、室内機の上下・左右に風向を規制するルーバを所望方向に向けて回動させ、室内における所望範囲の空調管理をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-229031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物内における空気環境を好適な状態にするために、空調装置が設けられている場合においてはその設定温度を適切に調整すること、また、建物内における結露の発生を抑制することが重要である。結露の発生はカビの発生に繋がる。カビが発生した状態でルーバ等の送風機を稼働させた場合、建物内にカビをまき散らす恐れがある。
【0005】
本開示の目的は、建物内における空気環境を好適に管理することができる空調管理方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る空調管理方法は、第1センサにより検出された建物内に設けられる検出体に関する第1検出値と、第2センサにより検出された前記建物内に関する第2検出値とを取得し、取得した前記第1検出値及び前記第2検出値に基づいて、前記建物内の結露発生の可能性を予測し、予測結果に応じて前記建物内に設けられた送風機の稼働制御情報を出力する。
【0007】
本開示の一態様に係る空調管理方法は、空調装置を備える複数の建物について、各建物内に設けられたセンサにより検出された建物内に関する検出値の時系列データを取得し、取得した複数の建物内に関する検出値の時系列データに基づいて、空調装置の温度設定に関する警告要否を推定し、温度設定に関する警告が必要と推定した場合、前記複数の建物のうちの温度設定に関する警告が必要と推定された建物に対する警告情報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、建物内における空気環境を好適に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】空調管理システムの概要図である。
図2】空調管理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】管理DBに記憶される情報の内容例である。
図4】検出値DBに記憶される情報の内容例を示す図である。
図5】ユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図6】センサの構成例を示すブロック図である。
図7】空調管理装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】結露発生の可能性の有無の予測の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態の第1学習モデルの概要を示す説明図である。
図10】第2実施形態における結露発生の可能性の有無の予測の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
図11】第3実施形態の空調管理装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】温度設定に関する警告要否の推定の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
図13】第4実施形態の第2学習モデルの概要を示す説明図である。
図14】第4実施形態における温度設定に関する警告要否の推定の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、空調管理システム100の概要図である。空調管理システム100は、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア等の店舗S内の空調管理を行うシステムである。店舗Sは、空調管理の対象となる建物の一例である。
【0012】
空調管理システム100は、空調管理装置1と、店舗S内に設けられた複数のセンサ2とを主たる装置として備える。空調管理装置1は、インターネット等のネットワークNに接続されている。ネットワークNには、店舗S内に設けられた中継装置3が接続されている。各センサ2は、中継装置3と通信可能に接続されている。空調管理装置1及び各センサ2は、中継装置3を介して通信接続し、情報を送受信することが可能である。またネットワークNには、ユーザ端末4が接続されている。店舗S内には、当該店舗S内において所定の温度環境を構築するための検出体6が設けられている。
【0013】
空調管理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、量子コンピュータ等である。空調管理装置1は、中継装置3を介して、各センサ2により検出された検出値を取得する。空調管理装置1は、取得した検出値に基づき、店舗S内の空調を管理するための情報を生成し、生成した情報をユーザ端末4又は後述する店舗S内の送風機54へ送信することで、空調管理サービスを実現する。第1実施形態では、店舗S内の空調を管理するための情報として、店舗S内における結露の発生の可能性の予測結果を提供する。
【0014】
センサ2は、第1センサ2a及び第2センサ2bを含む。第1センサ2aは、温度を検出可能なセンサであり、検出体6の表面の温度を検出する。第1センサ2aにより検出される温度は、第1検出値に相当する。第2センサ2bは、温度及び湿度を検出可能なセンサであり、店舗S内の温度及び湿度を検出する。第2センサ2bにより検出される温度及び湿度は、第2検出値に相当する。
【0015】
店舗Sはまた、空調装置51、ショーケース52、什器53、及び送風機54等を備える。店舗Sは、防煙壁55、換気口56を備えてもよい。
【0016】
空調装置51は、不図示の熱交換器、ファン等を備え、熱交換器により所定温度に調整されたエアをファンから吹き出させることで、店舗S内の空気調和を制御する。
【0017】
ショーケース52及び什器53は、例えば店頭において食品等の商品を陳列するためのものである。ショーケース52は、冷蔵用又は冷凍冷蔵用であり、商品を保温する機能を有する。ショーケース52は、直方体状の本体521、天面部522、及び不図示の電源部等を有している。
【0018】
図1に示す例では、空調装置51を店舗Sの天井に設置し、ショーケース52及び什器53を壁沿いに設置しているが、それらの設置位置は限定されず、店舗S内の適宜の場所に設置してよい。
【0019】
送風機54は、店舗S内の空気を攪拌する。送風機54は、直方体状の本体541、開口部542、及び制御ユニット543と、不図示の羽根部、モータ、及び電源部等とを備える。開口部542は、本体541の一面に形成されており、長辺方向に延びる。モータの駆動により羽根部が回転して、気流を発生させる。送風機54で発生した気流は、開口部542を通じて店舗S内へ向けて吐出される。羽根部は、上下方向又は左右方向に首振り可能に構成され、店舗S内の広範囲へ向けて送風するものであってよい。送風機54の送風可能領域内に、後述する検出体6の設置領域が含まれるよう、送風機54の設置位置及び送風方向を調節することが好ましい。
【0020】
本実施形態の送風機54は、図1に示すように、ショーケース52の上側に設置されている。天面部522の長手方向に沿うよう、開口部542の長辺方向を配置する。送風機54は、取り付け状態で前方に開口するように設けられている。これにより、送風機54を用いて、ショーケース52から吐出される冷気を効率的に攪拌することができる。
【0021】
制御ユニット543は、制御部、記憶部、通信部等を備える。制御ユニット543は、通信部により、中継装置3を介して空調管理装置1との間でデータの送受信が可能である。制御ユニット543は、空調管理装置1から受信した駆動制御情報に基づいて、モータの駆動を制御する。送風機54の構成は、店舗S内の空気を攪拌可能であれば限定されない。送風機54は、店舗S内において複数設置されてもよい。
【0022】
店舗Sの天井において空調装置51に隣り合うよう、板状の検出体6が設けられている。検出体6における店舗Sの内側を向く面に、第1センサ2aが取り付けられている。検出体6は、店舗S内において結露を発生し易い環境を構築する。検出体6は、例えば金属製、ガラス製等、非透湿材料製が好ましく、金属製がより好ましい。金属材料としては、例えばアルミニウム、ステンレス等が挙げられる。空調装置51の周囲は、空調装置51の停止後、温かく湿った空気により結露が発生し易い。空調装置51における吹出口の隣にアルミニウム板のような検出体6を設置することで、店舗S内において、結露が最も発生し易い環境を構築することができる。検出体6の表面で検出した温度を指標として用いることで、店舗Sの結露発生の可能性を好適に予測可能となる。なお検出体6の形状は、板状に限らず、取り付け箇所への取り付けが容易な適宜の形状を用いることができる。
【0023】
検出体6の設置位置は、図1に示す例に限らず、店舗S内において結露が発生し易い位置であればよい。検出体6は、空調装置51の周囲、近傍に設置されてもよい。検出体6は、防煙壁55又は換気口56の周囲、近傍に設置されてもよく、ショーケース52上の天井に設置されてもよい。検出体6の数は2以上であってもよい。
【0024】
第2センサ2bは、店舗S内の温度及び湿度を検出可能であれば、店舗Sの天井、壁、及び器具等における適宜の位置に設置することができる。第2センサ2bは、例えばショーケース52、什器53、店舗S内に配置している照明装置(不図示)等に取り付けられてもよい。本実施形態では、図2に示すように、ショーケース52及び什器53に第2センサ2bを取り付ける。
【0025】
本実施形態のように、ショーケース52の近傍にセンサ2及び送風機54を設置する場合、センサ2及び送風機54の電源部は、ショーケース52の電源系統に接続されてもよい。通常、24時間通電されるショーケース52と同じ電源系統を利用することで、営業終了後に電源がオフされることによる電力供給の停止を防止でき、センサ2及び送風機54を確実に24時間駆動させることができる。
【0026】
中継装置3は、店舗S内の通信ネットワークに接続される各通信装置(例えばセンサ2、制御ユニット543等)と、ネットワークNに接続される空調管理装置1との間の通信を中継する中継装置であり、例えばルータ、ゲートウェイ等である。
【0027】
なお、センサ2及び制御ユニット543等がネットワークNに接続されている場合には、空調管理装置1は、中継装置3を介することなくセンサ2及び制御ユニット543等と通信する構成であってもよい。この場合、空調管理システム100は中継装置3を備えなくてよい。
【0028】
空調管理システム100の適用対象となる建物は店舗に限らず、天井、壁及び床で囲まれたものであればよい。空調管理システム100は、例えば工場、倉庫等にも適用可能である。建物が倉庫である場合、検出体6は、倉庫の開閉扉付近に設置されてもよい。倉庫などでは大量の段ボールが配置されており、結露発生による段ボールの腐食を防ぐことは大変有効である。本実施形態の空調管理システム100では、複数の店舗S(建物)を管理対象とするが、空調管理システム100の管理対象となる建物の数は1つでもよい。
【0029】
ユーザ端末4は、種々の情報処理、情報の送受信を行う情報処理端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。空調管理サービスを享受するユーザは、ユーザ端末4を用いて空調管理装置1から提供される情報を得ることができる。ユーザ端末4の数は2以上でもよい。
【0030】
図2は、空調管理装置1の構成例を示すブロック図である。空調管理装置1は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を備える。空調管理装置1は、複数台のコンピュータで構成し分散処理する構成でもよく、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されていてもよく、クラウドサーバを用いて実現されていてもよい。
【0031】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いたプロセッサを備える。制御部11は、内蔵するROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリ、クロック、カウンタ等を用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0032】
記憶部12は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリを備える。記憶部12は、空調管理装置1に接続された外部記憶装置であってもよい。記憶部12は、制御部11が参照する各種プログラム及びデータを記憶する。
【0033】
本実施形態の記憶部12は、店舗Sの結露発生の予測及び温度管理に関する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム1Pと、このプログラム1Pの実行に必要なデータとしての管理DB(Data Base :データベース)121及び検出値DB122とを記憶している。記憶部12にはさらに、第1学習モデル123及び第2学習モデル124が記憶されていてもよい。第1学習モデル123及び第2学習モデル124については他の実施形態で詳述する。
【0034】
プログラム1Pを含むプログラム(プログラム製品)は、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体1Aにより提供されてもよい。記憶部12は、不図示の読出装置によって記録媒体1Aから読み出されたプログラムを記憶する。記録媒体1Aは、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等である。また、通信ネットワークに接続されている外部サーバからプログラムをダウンロードし、記憶部12に記憶させてもよい。プログラム1Pは、単一のコンピュータプログラムでも複数のコンピュータプログラムにより構成されるものでもよく、また、単一のコンピュータ上で実行されても通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されてもよい。
【0035】
通信部13は、ネットワークNを介して外部装置と通信するための通信モジュールを備える。制御部11は、通信部13を通して、センサ2、送風機54及びユーザ端末4それぞれとの間でデータを送受信する。
【0036】
空調管理装置1の構成は上述の例に限定されず、例えばユーザの操作を受け付けるための操作部、各種情報を表示するための表示部等を備えてもよい。
【0037】
図3は、管理DB121に記憶される情報の内容例を示す図である。管理DB121は、店舗Sの空調管理を行うための管理情報を記憶するデータベースである。管理DB121には、例えば、店舗情報、センサ情報、送風機情報、及びユーザ端末情報等の情報を紐付けたレコードが格納されている。
【0038】
店舗情報は、店舗Sを識別するための識別情報であり、例えば店舗Sの店舗IDを含む。センサ情報は、店舗Sに設置されるセンサ2の情報であり、例えば検出対象の種類(検出体用又は建物内用)、センサ2を識別するための識別情報(例えばセンサ2のIPアドレス、機器ID、MACアドレス等)を含む。送風機情報は、店舗Sに設置される送風機54を識別するための識別情報であり、例えば送風機54のIPアドレス、機器ID、MACアドレス等を含む。ユーザ端末情報は、店舗Sに対応付けられるユーザ端末4を識別するための識別情報であり、例えばユーザ端末4のIPアドレス、機器ID、MACアドレス等を含む。
【0039】
管理情報は、例えばユーザが初めて空調管理サービスを利用する際に、ユーザ端末4を用いて、空調管理装置1から提供される登録用の画面を利用してユーザの登録操作を受け付けることによって収集される。
【0040】
図4は、検出値DB122に記憶される情報の内容例を示す図である。検出値DB122は、センサ2により検出された検出値に関する情報を記憶するデータベースである。検出値DB122には、例えば、検出値を識別するための検出値IDをキーに、検出値を検出したセンサ2のセンサ識別情報、検出日時、及び検出値等の情報を紐付けたレコードが時系列順に格納されている。検出値は、温度の検出値及び相対湿度の検出値の少なくとも1つを含む。空調管理装置1は、センサ2及び中継装置3を通じて検出値を取得する度、検出値DB122に記憶する。検出値DB122の内容は随時更新される。
【0041】
図5は、ユーザ端末4の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末4は、制御部41、記憶部42、通信部43、表示部44及び操作部45を備える。制御部41は、一又は複数のCPU、GPU等を用いたプロセッサを備える。制御部41は、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0042】
記憶部42は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備える。記憶部42は、制御部41が参照するプログラム及びデータが記憶されている。通信部43は、ネットワークNを介した通信を実現するための通信デバイスである。制御部41は、通信部43を介して空調管理装置1との間の情報の送受信を行う。
【0043】
表示部44は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備える。表示部44は、制御部41からの指示に従って、空調管理装置1から受信した各種情報を表示する。
【0044】
操作部45は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースである。操作部45は、例えばキーボード、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を備える。操作部45は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作内容に応じた制御信号を制御部41へ送出する。
【0045】
図6は、センサ2の構成例を示すブロック図である。センサ2は、筐体20、制御部21、通信部22、検知部23、電源部24、及び収容部25等を備える。制御部21、通信部22、電源部24及び収容部25は、センサ2の本体を構成する筐体20内に収容されている。
【0046】
制御部21は、CPUなどで構成され、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用い、センサ2の動作を制御する。通信部22は、例えばWiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(BLE)等の近距離無線通信による通信に関する処理を行うための通信モジュールを備える。制御部21は、通信部22及び中継装置3を通して、空調管理装置1との間でデータを送受信する。通信部22の通信規格は上述の例に限らない。
【0047】
検知部23は、センサ2の検知機能を発揮するための部位であり、温度センサ231及び湿度センサ232を備える。なお、センサ2が第1センサ2aである場合、湿度センサ232は省略してもよい。温度センサ231としては、温度を検出し得るセンサであれば特に限定されないが、例えばサーミスタを用いることができる。サーミスタは、周囲の温度に応じて抵抗値が変化する。温度センサ231の抵抗値に基づいて、センサ2が配置された環境の温度を測定することができる。温度センサ231は、非接触式の温度センサであってもよい。湿度センサ232としては、湿度(相対湿度)を検出し得るセンサであれば特に限定されないが、例えば高分子静電容量式センサ、高分子抵抗式センサ等を用いることができる。なお検知部23は、温湿度を測定可能な温湿度センサを備えてもよい。
【0048】
図6に概念的に示すように、本実施形態の検知部23は、筐体20の外部に設けられており、引き出し線26を介して制御部21に接続されている。引き出し線26は、例えばリード配線であってもよい。なお検知部23は、筐体20に内包される構成であってもよい。
【0049】
電源部24は、センサ2の各機能要素に電力を供給する。電源部24は、ボタン電池、リチウムイオン電池等を備える。電源部24は、商用電源に接続され、商用電源から得られる電力を供給する構成であってもよい。
【0050】
収容部25は、磁石251を収容する。収容部25に収容される磁石251により、取り付け対象となる機器に対し、着脱可能にセンサ2を取り付けることが可能である。磁石251は、ネオジム磁石等の強力磁石が好ましい。なお本実施形態では、取付部材として磁石251を設けているが、これに限定されない。取付部材は、例えば、粘着テープ、フックや凹凸嵌合の差し込み等であってもよい。磁石251を用いることで、センサ2の配置の配置が容易となる。電源系統に接続されている機器にセンサ2を取り付け、電源部24を上記電源系統に接続することで、上記電源系統からの電力を利用可能となり、配策が容易となる。
【0051】
図1に示すように、本実施形態では、磁石251を用いて第1センサ2a本体を検出体6に取り付けるとともに、検出体6における店舗Sの内側を向く面に検知部23を取り付ける。第1センサ2aにより、検出体6における店舗Sの内側を向く面の温度を検出する。また、磁石251を用いて、第2センサ2b本体を、ショーケース52の側面外側及び什器53の上側に取り付ける。第2センサ2bにより、店舗S内の空気の温度及び相対湿度を検出する。
【0052】
空調管理装置1は、センサ2により検出された温度及び湿度に基づいて、結露発生の可能性の予測処理を実行する。以下、第1実施形態における結露発生の可能性の予測手法を説明する。
【0053】
空調管理装置1は、中継装置3を通じて、第1センサ2aにより検出された検出体6の表面の温度と、第2センサ2bにより検出された店舗S内の温度及び湿度とを取得する。
【0054】
第2センサ2bにより検出された温度及び湿度に基づいて、店舗S内の露点温度が求められる。得られた店舗S内の露点温度と、検出体6の表面の温度との差分(検出体6の表面の温度から露点温度を減じた値)を算出する。店舗S内の露点温度と、検出体6の表面の温度との差分(温度差)が大きい程、結露が発生しにくいことを意味する。
【0055】
算出した温度差と、予め設定される閾値との比較に基づいて、結露発生の可能性を予測する。算出した温度差が予め設定される閾値以上である場合、結露発生の可能性が無いと予測することができる。算出した温度差が予め設定される閾値未満である場合、結露発生の可能性が有ると予測することができる。
【0056】
空調管理装置1は、例えば、新たな検出体6の表面の温度が検出される度、上述の予測処理を実行する。なお、第1センサ2aと第2センサ2bとの検出時点が同期されていない場合には、第1センサ2a及び第2センサ2bの両方の検出値を取得したタイミングで上述の予測処理を実行してもよい。新たな検出値の検出に応じてリアルタイムで予測処理を実行することで、早期の予測が可能となり好ましいが、予め収集された検出値に基づき所定の予測タイミングで予測処理を実行してもよい。
【0057】
同一の店舗S内に複数の第2センサ2bが設けられる場合には、各第2センサ2bによる温度及び湿度に基づき、各検出箇所に応じた露点温度をそれぞれ計算し、計算した各露点温度に対する温度差に基づき、結露発生の可能性の有無をそれぞれ予測してもよい。あるいは、各第2センサ2bによる温度及び湿度から求められる露点温度を平均した平均露点温度を計算し、計算した平均露点温度に対する温度差に基づき、結露発生の可能性の有無を予測してもよい。各第2センサ2bによる温度を平均した平均温度及び湿度を平均した平均湿度を求め、求めた平均温度及び平均湿度に基づき露点温度を計算し、計算した平均温度及び平均湿度に基づく露点温度に対する温度差に基づき、結露発生の可能性の有無を予測してもよい。
【0058】
空調管理装置1は、結露発生の可能性の予測結果に応じて、送風機54の稼働を制御するための稼働制御情報を生成し、生成した稼働制御情報を送風機54へ送信する。結露発生の可能性が有ると予測した場合、空調管理装置1は、稼働制御情報として、送風機54を稼働させる制御指示(稼働指示)を送信する。
【0059】
結露発生の可能性が無いと予測した場合、空調管理装置1は、稼働制御情報として、送風機54を稼働させない、すなわち送風機54の回転数をゼロとする制御指示(停止指示)を送信する。
【0060】
送風機54の制御ユニット543は、空調管理装置1から送信される稼働制御情報を受信した場合、受信した稼働制御情報に従い、送風機54の稼働を制御する。制御ユニット543は、稼働指示の受け付けに応じて送風機54を所定の回転数で稼働させる。制御ユニット543は、停止指示の受け付けに応じて送風機54を停止させる。
【0061】
なお、空調管理装置1は、結露発生の可能性が有ると予測した場合には、所定時間に亘る稼働指示を出力し、結露発生の可能性が無いと予測した場合には、稼働制御情報を送信しない構成であってもよい。送風機54は、稼働指示を受け付けた場合、予め設定される稼働時間に亘り送風機54を稼働させた後、送風機54の稼働を停止させる。
【0062】
また、結露発生の可能性の予測において、複数の閾値を設定し、各閾値との比較に基づいて、結露発生の可能性を複数レベルで予測してもよい。例えば、第1閾値と、第1閾値よりも大きい値である第2閾値とを用意する。上述した温度差が第1閾値未満である場合、空調管理装置1は、結露発生の可能性が有り、可能性レベル高と予測する。温度差が第1閾値以上第2閾値未満である場合、空調管理装置1は、結露発生の可能性が有り、可能性レベル低と予測する。温度差が第2閾値以上である場合、空調管理装置1は、結露発生の可能性が無いと予測する。
【0063】
結露発生の可能性を複数レベルで予測した場合、可能性レベルに応じた稼働制御情報が生成されてもよい。例えば、可能性レベル高と予測した場合、空調管理装置1は、第1回転数で送風機54を稼働させるよう、制御指示を送信する。可能性レベル低と予測した場合、空調管理装置1は、第1回転数よりも小さい第2回転数で送風機54を稼働させるよう、制御指示を送信する。
【0064】
空調管理装置1は、所定の検出間隔で取得した検出データに基づき上述の予測処理を実行し、店舗Sの空調管理を行う。
【0065】
図7は、空調管理装置1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の各フローチャートにおける処理は、空調管理装置1の記憶部12に記憶するプログラム1Pに従って制御部11により実行されてもよく、制御部11に備えられた専用のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)により実現されてもよく、それらの組合せによって実現されてもよい。空調管理装置1は、例えば、第1センサ2aから新たな温度の検出値を受け付けたタイミング又は予め設定される予測タイミングで、以下の処理を繰り返し実行する。
【0066】
空調管理装置1の制御部11は、第1センサ2aによる検出体6の表面の温度の検出値と、第2センサ2bによる店舗S内の温度及び湿度の検出値とを取得する(ステップS11)。制御部11は、取得した各検出値を検出値DB122に記憶する。なお制御部11は、検出値DB122に記憶する情報に基づき、検出値を取得してもよい。
【0067】
制御部11は、取得した検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度とに基づいて、結露発生の可能性の有無を予測する(ステップS12)。図8は、結露発生の可能性の有無の予測の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す処理手順は、図7のフローチャートにおけるステップS12の詳細に対応する。
【0068】
制御部11は、取得した店舗S内の温度と湿度とに基づいて、店舗S内の露点温度を導出する(ステップS21)。制御部11は、導出した露点温度と、検出体6の表面の温度との差分(温度差)を導出する(ステップS22)。
【0069】
制御部11は、導出した温度差が予め設定される閾値未満であるか否かを判定する(ステップS23)。温度差が予め設定される閾値以上であると判定した場合(ステップS23:NO)、制御部11は、結露発生の可能性が無いと予測する(ステップS24)。温度差が予め設定される閾値未満であると判定した場合(ステップS23:YES)、制御部11は、結露発生の可能性が有ると予測する(ステップS25)。なお制御部11は、複数の閾値に基づき、結露発生の可能性の有無とともに、結露発生の可能性が有る場合における可能性レベルを予測してもよい。制御部11は、図7のフローチャートにおけるステップS13へ処理を戻す。
【0070】
図7に戻り説明を続ける。制御部11は、結露発生の可能性の有無の予測結果に基づいて、結露発生の可能性が有るか否かを判定する(ステップS13)。結露発生の可能性が無いと予測されたことにより、結露発生の可能性が無いと判定した場合(ステップS13:NO)、制御部11は、送風機54を稼働させないための稼働制御情報を送風機54の制御ユニット543へ送信する(ステップS14)。結露発生の可能性が有ると予測されたことにより、結露発生の可能性が有ると判定した場合(ステップS13:YES)、制御部11は、送風機54を稼働させるための稼働制御情報を制御ユニット543へ送信する(ステップS15)。制御部11は、一連の処理を終了する。
【0071】
上述の処理において、ステップS12の予測処理とステップS13の判定処理とは同一の処理により行われてもよい。また、制御部11は、稼働制御情報を制御ユニット543へ送信するものに限らず、ユーザ端末4へ送信してもよい。
【0072】
本実施形態によれば、店舗S内の空気環境に応じて送風機54の稼働を制御することで、効率的且つ効果的に送風機54を稼働させることができる。結露発生の可能性が高い場合には、速やかに送風機54を稼働させることで、結露の発生を抑制し、結露の発生に起因するカビの発生を防止することができる。カビの発生した状態で送風機54を稼働することによる、カビのまき散らしを防止することができる。
【0073】
店舗S内に検出体6を設けることで、予め結露の発生し易い環境を構築することができる。検出体6の表面温度と、店舗S内の露点温度との比較により結露発生の可能性を予測することで、より早期に結露発生の可能性を検知することができ、店舗Sの空気環境の状態を好適に管理することができる。
【0074】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1学習モデル123を用いて結露発生の可能性を予測する構成を説明する。以下の各実施形態では主に第1実施形態との相違点を説明し、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0075】
第2実施形態における空調管理装置1の記憶部12には、図2に示す様に、第1学習モデル123が記憶されている。第1学習モデル123は、所定の訓練データを学習済みの機械学習モデルである。第1学習モデル123は、人工知能ソフトウェアの一部を構成するプログラムモジュールとしての利用が想定される。
【0076】
図9は、第2実施形態の第1学習モデル123の概要を示す説明図である。第1学習モデル123は、第1センサ2aによる検出体6の表面の温度と、第2センサ2bによる店舗S内の温度及び湿度とを入力した場合に、店舗S内の結露発生の可能性に関する情報を出力するモデルである。本実施形態では一例として、第1学習モデル123は店舗S内の結露発生の可能性の有無を出力するものとする。第1学習モデル123は、例えばニューラルネットワークを用いた深層学習の手法により構築されたモデルである。時系列の検出値データを用いる場合、第1学習モデル123はRNN(Recurrent Neural Network)であってもよい。
【0077】
第1学習モデル123は、検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度とを入力する入力層と、結露発生の可能性の有無を示す情報を出力する出力層と、特徴量を抽出する中間層(隠れ層)とを備える。中間層は、入力データの特徴量を抽出する複数のノードを有し、各種パラメータを用いて抽出された特徴量を出力層に受け渡す。入力層に検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度とが入力された場合、学習済みパラメータによって中間層で演算が行なわれ、出力層から、結露発生の可能性の有無に関する出力情報が出力される。
【0078】
第1学習モデル123の入力層へ入力される温度及び湿度は、所定期間における温度及び湿度の時系列データであってもよい。例えば、前回の予測時点から現在までに取得した検出体6の表面の温度の時系列データと、店舗S内の温度及び湿度の時系列データとを第1学習モデル123への入力としてもよい。制御部11は、時系列で記憶されてあった温度データ又は湿度データをグラフ化して画像として入力層へ入力してもよい。
【0079】
第1学習モデル123の出力層は、結露発生の可能性の有無に各々対応する複数のノードを有する。結露発生の可能性の有無に対応するノードはそれぞれ、結露発生の可能性の有無の確度を出力する。出力層から出力される確度の最も高い出力情報を、第1学習モデル123の出力とすることができる。なお、予測すべき結露発生の可能性に関する情報を得ることができれば、出力層の構成は特に限定されない。
【0080】
なお、第1学習モデル123の出力は、結露発生の可能性の有無に限定されない。第1学習モデル123は、例えば複数レベルに分類される結露発生の可能性レベルを出力するよう構成されてもよい。第1学習モデル123は、結露発生の可能性を示す数値を出力するよう構成されてもよい。
【0081】
空調管理装置1は、多様な店舗Sに関する検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度との検出値の実測データに、実際の店舗S内を観察することにより特定される結露発生の可能性の有無が付与された情報群を訓練データとして予め収集する。空調管理装置1は、収集した訓練データを用いて第1学習モデル123を学習する。空調管理装置1は、検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度とに応じた結露発生の可能性の有無の推定結果を出力するよう、例えば誤差逆伝播法を用いて、空調管理装置1を構成する各種パラメータを学習する。当該パラメータは、例えばニューロン間の重み(結合係数)などである。学習が完了すると、検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度とに対し結露発生の可能性の有無を適切に推定可能に学習された第1学習モデル123が構築される。なお第1学習モデル123は、外部装置で構築され、当該外部装置から送信された第1学習モデル123を空調管理装置1の記憶部12に記憶させてもよい。
【0082】
第1学習モデル123の構成は上述の例に限定されるものではない。第1学習モデル123は、検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度とに対し、結露発生の可能性に関する情報を推定可能であればよい。第1学習モデル123は、CNN(Convolution Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)、Transformer、サポートベクタマシン、決定木等、その他の学習アルゴリズムに基づくモデルであってもよい。
【0083】
第2実施形態の空調管理装置1は、上述の第1学習モデル123を用いて、結露発生の可能性の有無を予測する。第2実施形態の空調管理装置1は、結露発生の可能性の有無の予測処理以外は、第1実施形態と同様の処理を実行するものであってよい。
【0084】
図10は、第2実施形態における結露発生の可能性の有無の予測の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートに示す処理手順は、図7のフローチャートにおけるステップS12の詳細に対応する。
【0085】
空調管理装置1の制御部11は、図7のフローチャートにおけるステップS11の処理により取得した検出体6の表面の温度と、店舗S内の温度及び湿度とを、第1学習モデル123に入力する(ステップS31)。制御部11は、第1学習モデル123から出力される結露発生の可能性の有無を取得する(ステップS32)。以降、制御部11は、第1実施形態と同様の処理を実行し、得られた結露発生の可能性の有無の予測結果に応じて、稼働制御情報を送信する。
【0086】
本実施形態によれば、第1学習モデル123を用いて、結露発生の可能性の有無をより容易且つ精度よく判定することができる。
【0087】
(第3実施形態)
第3実施形態では、店舗S内における空調装置51の温度設定に関する警告要否を推定する構成を説明する。
【0088】
第3実施形態の空調管理装置1が実行する温度設定に関する警告要否の推定手法を説明する。空調装置51の温度設定に関する警告要否とは、空調装置51を用いて空調制御される各店舗S内の温度に関する警告要否に対応する。
【0089】
空調管理装置1は、温度設定に関する警告要否の推定にあたり、検出値DB122に複数の店舗Sにおいて検出された検出値を収集しておく。空調管理装置1は、予め設定される推定タイミング(例えば毎日9時及び15時、毎日12時等)において、前回の推定時点から現在までに取得した検出値の時系列データを用いて、温度設定に関する警告の要否を推定する。以下では、検出値のうち第2センサ2bにより検出された各店舗S内の温度を用いて警告要否の推定を行う例を説明するが、警告要否の推定には、第1センサ2aにより検出された検出体6の表面の温度を用いてもよく、各店舗S内の温度及び検出体6の表面の温度を用いてもよい。
【0090】
空調管理装置1は、検出値DB122を参照して、各店舗Sに設置されている第2センサ2bで検出された、所定期間における温度の時系列データを受け付ける。空調管理装置1は、各店舗Sにおける温度の時系列データに基づき、温度設定に関する警告の要否を推定する。具体的には、各店舗Sにおける温度を比較することにより、各店舗Sにおける温度の適否を判定する。
【0091】
温度の適否の判定方法は限定的ではないが、一例として、各店舗Sにおける温度を比較することにより、いずれかの店舗Sの温度が、他の店舗Sの温度から離れているか否かを判定する。
【0092】
例えば、第1店舗から第5店舗までの5つの店舗Sを比較する場合を想定する。初めに、店舗S毎に、時系列データにおける複数の温度の検出値を平均した店舗平均温度を算出する。次いで、第1店舗の店舗平均温度と、第2店舗から第5店舗までの各店舗の店舗平均温度それぞれとの温度差(差分の絶対値)を求める。求めた各温度差の少なくとも1つが予め設定される閾値以上である場合、第1店舗の店舗平均温度が他の店舗Sの店舗平均温度から離れていると判定することができる。あるいは、第1店舗の店舗平均温度と、第2店舗から第5店舗までの各店舗の店舗平均温度の平均値との温度差を求める。求めた温度差が予め設定される閾値以上である場合、第1店舗の店舗平均温度が他の店舗Sの店舗平均温度から離れていると判定することができる。以下、第2店舗から第5店舗までについても同様に判定を行う。
【0093】
いずれかの店舗Sの店舗平均温度が他の店舗Sの店舗平均温度から離れている場合、温度が適切でなく、温度設定に関する警告が必要であると推定することができる。いずれかの店舗Sの店舗平均温度が他の店舗Sの店舗平均温度から離れていない場合、温度が適切であり、温度設定に関する警告が不要であると推定することができる。
【0094】
同一の店舗S内に複数の第2センサ2bが設けられる場合には、第2センサ2bの設置環境(例えば部屋中央、ショーケース付近、什器付近)が類似する第2センサ2bによる温度同士を比較することにより、店舗平均温度から離れているか否かを判定してもよい。
【0095】
また、第3実施形態の警告要否の推定では、1つの店舗Sに第1実施形態又は第2実施形態で記述している検出体6を設けることにより予め結露の発生し易い環境を構築しておき、検出体6を設けていない他の店舗Sに対し、より早期に結露発生の可能性を検知し、温度設定に関する警告要否を推定してもよい。空調管理装置1は、検出体6を備える店舗Sにおいて結露発生の可能性が有ると判定した場合、検出体6を設けていない他の店舗Sのうち、当該検出体6を備える店舗Sと温度の時系列データが近似する他の店舗Sを特定する。例えば、検出体6を備える店舗Sと他の店舗Sとの店舗平均温度の差分(差分の絶対値)が所定閾値未満である場合、温度の時系列データが近似すると判定してもよい。空調管理装置1は、検出体6を備える店舗Sにおける結露発生の可能性の検知に連動させて、特定した他の店舗Sへ温度設定に関する警告を出力してもよい。
【0096】
空調管理装置1は、温度設定に関する警告の要否の推定結果に応じて、温度設定に関する警告情報を生成し、生成した警告情報をユーザ端末4へ送信する。特定の店舗Sについて温度設定に関する警告が必要であると推定した場合、空調管理装置1は、特定の店舗Sに対応するユーザ端末4へ、空調装置51の温度設定が適切でないことを通知する警告情報を送信する。ユーザは、ユーザ端末4を用いて警告情報を確認することで、店舗Sの空調装置51の温度設定を見直し、店舗S内の温度を好適に維持することができる。
【0097】
図11は、第3実施形態の空調管理装置1が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。空調管理装置1は、例えば予め設定される推定タイミングで以下の処理を繰り返し実行する。
【0098】
空調管理装置1の制御部11は、検出値DB122に記憶する情報に基づき、複数の店舗Sに係る店舗S内の温度の時系列データを取得する(ステップS41)。
【0099】
制御部11は、取得した各店舗S内の温度の時系列データに基づいて、温度設定に関する警告の要否を推定する(ステップS42)。図12は、温度設定に関する警告要否の推定の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示す処理手順は、図11のフローチャートにおけるステップS42の詳細に対応する。
【0100】
制御部11は、店舗S毎に、時系列データにおける複数の温度の検出値を平均した店舗平均温度を導出する(ステップS51)。制御部11は、導出した一の店舗Sの店舗平均温度と、他の店舗Sの店舗平均温度との差分(温度差)を導出する(ステップS52)。
【0101】
制御部11は、導出した温度差が予め設定される閾値以上であるか否かを判定する(ステップS53)。温度差が予め設定される閾値未満であると判定した場合(ステップS53:NO)、制御部11は、温度設定に関する警告が不要と推定する(ステップS54)。温度差が予め設定される閾値以上であると判定した場合(ステップS53:YES)、制御部11は、温度設定に関する警告が必要と推定する(ステップS55)。制御部11は、各店舗Sの店舗平均温度に対して上述の処理を実行し、各店舗Sについて警告要否を推定する。制御部11は、図11のフローチャートにおけるステップS43へ処理を戻す。
【0102】
図11に戻り説明を続ける。制御部11は、温度設定に関する警告要否の推定結果に基づいて、温度設定に関する警告が必要か否かを判定する(ステップS43)。温度設定に関する警告が不要と推定されたことにより、温度設定に関する警告が不要であると判定した場合(ステップS43:NO)、制御部11は、警告情報の送信処理をスキップする。
【0103】
温度設定に関する警告が必要と推定されたことにより、温度設定に関する警告が必要であると判定した場合(ステップS43:YES)、制御部11は、温度設定に関する警告情報を生成する(ステップS44)。警告情報は、例えば店舗S内の温度が適切でないこと、空調装置51の温度設定が適切でないこと等を通知する情報を含む。警告情報は、他の店舗Sとの温度差を示す情報を含んでもよい。
【0104】
制御部11は、生成した警告情報を、特定の店舗Sに対応するユーザのユーザ端末4へ送信し(ステップS45)、一連の処理を終了する。上記特定の店舗Sとは、温度設定に関する警告が必要と推定された店舗平均温度に対応する店舗Sである。制御部11は、管理DB121に記憶する情報に基づき、警告情報を送信すべきユーザ端末4を特定するとよい。ユーザ端末4は、空調管理装置1から受信した警告情報を表示部44へ表示させる。
【0105】
上述の処理において、制御部11は、空調管理システム100に含まれる全店舗Sを予め複数グループに分類しておき、グループ毎の温度データを用いて警告要否の推定処理を実行してもよい。
【0106】
本実施形態によれば、店舗S内の空調を管理するための情報として、温度設定に関する警告情報が出力される。複数の店舗Sから収集した温度のデータを相対比較することで、各店舗Sにおける温度の適否を適正に判定することができる。温度設定が適切でない店舗Sには、警告を出力することで、空調装置51による過剰冷却又は過剰暖房を抑制し、店舗S内の空気環境を好適に管理することができる。
【0107】
(第4実施形態)
第4実施形態では、第2学習モデル124を用いて温度設定に関する警告要否を推定する構成を説明する。
【0108】
第4実施形態における空調管理装置1の記憶部12には、図2に示すように、第2学習モデル124が記憶されている。第2学習モデル124は、所定の訓練データを学習済みの機械学習モデルである。第2学習モデル124は、人工知能ソフトウェアの一部を構成するプログラムモジュールとしての利用が想定される。
【0109】
図13は、第4実施形態の第2学習モデル124の概要を示す説明図である。第2学習モデル124は、複数の店舗Sに係る店舗S内の温度の時系列データを入力した場合に、温度設定に関する警告の要否を出力するモデルである。第2学習モデル124は、例えばニューラルネットワークを用いた深層学習の手法により構築されたモデルであり、RNNである。
【0110】
第2学習モデル124の構成は、第1学習モデル123と同様であるため、詳細な説明は省略するが、第2学習モデル124は、複数の店舗Sに係る店舗S内の温度の時系列データを入力する入力層と、温度設定に関する警告の要否を示す情報を出力する出力層と、特徴量を抽出する中間層(隠れ層)とを備える。
【0111】
第2学習モデル124の入力層は、各店舗S内の温度の時系列データを受け付ける複数のノードを有する。第2学習モデル124の入力層へ入力される温度の時系列データは、例えば、前回の推定時点から現在までに取得した温度の時系列データであってよい。第2学習モデル124へはさらに、複数の店舗Sに係る検出体6の表面の温度の時系列データが入力されてもよい。制御部11は、時系列の温度の検出値をグラフ化して画像として入力層へ入力してもよい。
【0112】
第2学習モデル124の出力層は、各店舗Sについての温度設定に関する警告の要否を示す情報を出力する。第2学習モデル124は、各店舗Sに対応する複数の出力層を備え、各出力層から対応する店舗Sの温度設定に関する警告の要否を出力するよう構成されてもよい。なお、推定すべき温度設定に関する警告の要否の情報を得ることができれば、出力層の構成は特に限定されない。
【0113】
第2学習モデル124の出力は、温度設定に関する警告の要否に限定されず、例えば複数レベルに分類される警告レベルを出力するよう構成されてもよい。
【0114】
空調管理装置1は、多様な店舗Sに関する店舗S内の温度の時系列データの実測値に、既知の温度設定に関する警告の要否が付与された情報群を訓練データとして予め収集する。正解値となる温度設定に関する警告の要否は、例えば第3実施形態で説明した判定手法による判定結果を用いてもよい。空調管理装置1は、収集した訓練データを用いて第2学習モデル124を学習する。空調管理装置1は、複数の店舗S内の温度の時系列データに応じた温度設定に関する警告の要否の推定結果を出力するよう、例えば誤差逆伝播法を用いて、空調管理装置1を構成する各種パラメータを学習する。学習が完了すると、複数の店舗S内の温度の時系列データに対し温度設定に関する警告の要否を適切に推定可能に学習された第2学習モデル124が構築される。
【0115】
第2学習モデル124の構成は上述の例に限定されるものではない。第2学習モデル124は、複数の店舗S内の温度の時系列データに対し、温度設定に関する警告の要否を推定可能であればよい。第2学習モデル124は、CNN、LSTM、Transformer、サポートベクタマシン、決定木等、その他の学習アルゴリズムに基づくモデルであってもよい。
【0116】
第4実施形態の空調管理装置1は、上述の第2学習モデル124を用いて、温度設定に関する警告の要否を推定する。第4実施形態の空調管理装置1は、温度設定に関する警告要否の推定処理以外は、第3実施形態と同様の処理を実行するものであってよい。
【0117】
図14は、第4実施形態における温度設定に関する警告要否の推定の詳細な手順の一例を示すフローチャートである。図14のフローチャートに示す処理手順は、図11のフローチャートにおけるステップS42の詳細に対応する。
【0118】
空調管理装置1の制御部11は、図11のフローチャートにおけるステップS41の処理により取得した複数の店舗S内の温度の時系列データを、第2学習モデル124に入力する(ステップS61)。制御部11は、第2学習モデル124から出力される温度設定に関する警告要否を取得する(ステップS62)。以降、制御部11は、第3実施形態と同様の処理を実行し、得られた温度設定に関する警告要否の推定結果に応じて、警告情報を送信する。
【0119】
本実施形態によれば、第2学習モデル124を用いて、温度設定に関する警告要否をより容易且つ精度よく判定することができる。
【0120】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
各実施形態に示すシーケンスは限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各処理手順はその順序を変更して実行されてもよく、また並行して複数の処理が実行されてもよい。各処理の処理主体は限定されるものではなく、矛盾の無い範囲で、各装置の処理を他の装置が実行してもよい。
【0121】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0122】
100 空調管理システム
S 店舗
1 空調管理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
121 管理DB
122 検出値DB
123 第1学習モデル
124 第2学習モデル
1P プログラム
1A 記録媒体
2 センサ
2a 第1センサ
2b 第2センサ
251 磁石
3 中継装置
4 ユーザ端末
51 空調装置
52 ショーケース
522 天面部
53 什器
54送風機
541開口部
543 制御ユニット
55 防煙壁
56 換気口
6 検出体
図1
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