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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090138
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】温度センサユニット
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20240627BHJP
   G01K 7/22 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G01K1/14 E
G01K7/22 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205827
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 陽
(72)【発明者】
【氏名】今野 勇喜
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056CE01
2F056QF02
2F056QF04
2F056QF05
(57)【要約】
【課題】温度センサが保持部における所望の位置に適切かつ確実に保持され得る温度センサユニットを提供する。
【解決手段】温度センサユニット1は、対象物100の温度を検出する温度センサ2と、温度センサ2を保持する保持部3と、を備えている。保持部3は、互いに対向していると共に温度センサ2を挟持する部分31及び部分32と、部分31と部分32とを連結する部分33と、を有している。部分31は、温度センサ2と接触する面31cを含むと共に、第一方向D1に弾性変形可能である。部分32は、温度センサ2と接触する面32cを含んでいる。保持部3は、部分31の弾性変形に伴う反力を面31cから温度センサ2に作用させて、面31cと面32cとの間で温度センサ2を挟持している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサを保持する保持部と、を備え、
前記保持部は、
互いに対向していると共に前記温度センサを挟持する第一部分及び第二部分と、
前記第一部分と前記第二部分とを連結する第三部分と、を有し、
前記第一部分は、前記温度センサと接触する第一面を含むと共に、前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している方向に弾性変形可能であり、
前記第二部分は、前記温度センサと接触する第二面を含み、
前記保持部は、前記第一部分の弾性変形に伴う反力を前記第一面から前記温度センサに作用させて、前記第一面と前記第二面との間で前記温度センサを挟持している、温度センサユニット。
【請求項2】
前記第一面は、
前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向において、前記温度センサから離れるように湾曲していると共に前記温度センサと離間する第一領域と、
前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向において、前記温度センサに向かうように湾曲していると共に前記温度センサと接触する第二領域と、を含む、請求項1に記載の温度センサユニット。
【請求項3】
前記温度センサは、互いに対向している第一主面及び第二主面を含み、
前記第三部分は、前記温度センサと接触する第三面を含み、
前記第一主面は前記第三面と接触し、前記第二主面は前記対象物と接触する、請求項1に記載の温度センサユニット。
【請求項4】
前記第三面と前記温度センサとの第三接触面積は、前記第一面と前記温度センサとの第一接触面積及び前記第二面と前記温度センサとの第二接触面積のそれぞれより大きい、請求項3に記載の温度センサユニット。
【請求項5】
前記第一接触面積は、前記第二接触面積より小さい、請求項4に記載の温度センサユニット。
【請求項6】
前記第一面と前記温度センサとの第一接触面積は、前記第二面と前記温度センサとの第二接触面積より小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載の温度センサユニット。
【請求項7】
前記温度センサは、互いに対向している第一主面及び第二主面を含み、
前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している方向は、前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向に交差している、請求項1~3のいずれか一項に記載の温度センサユニット。
【請求項8】
前記保持部は、
前記第三部分の前記第一部分寄りの端から、前記第一部分から離間して、前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向に交差する方向に延在していると共に、前記温度センサから離間している第四部分と、
前記温度センサと対向していると共に、前記対象物に接触する第五部分と、
前記第四部分と前記第五部分とを連結すると共に、前記第四部分が延在している方向に交差する方向に延在している第六部分と、を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の温度センサユニット。
【請求項9】
前記保持部は、前記第三部分に連結されていると共に前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向に交差する方向で前記温度センサと当接する第七部分を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の温度センサユニット。
【請求項10】
前記保持部は、複数の前記第一部分を有し、
前記複数の前記第一部分は、互いに離間している、請求項1~3のいずれか一項に記載の温度センサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
知られている温度センサユニットは、対象物の温度を検出する温度センサと、筒形状を呈している保持部と、を備えている(たとえば、特許文献1参照)。温度センサは、筒形状を呈している保持部に挿入されている。保持部に挿入された温度センサは、保持部に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-132431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
温度センサが、対象物の温度を適切に検出するためには、温度センサは、保持部における所望の位置に保持される必要がある。温度センサが上記所望の位置に適切に保持されない場合、温度センサによる温度検出の精度が低下するおそれがある。
たとえば、温度センサを製造する際には、温度センサの形状にばらつきが生じることがある。温度センサが形状ばらつきを有する場合、温度センサは、保持部における所望の位置に保持されない傾向がある。保持部が筒形状を呈している構成では、たとえば、温度センサは、所望の位置まで挿入されないおそれがある。この構成では、たとえば、温度センサが保持部から容易に脱落するおそれがある。
【0005】
本発明の一つの態様は、温度センサが保持部における所望の位置に適切かつ確実に保持され得る温度センサユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様に係る温度センサユニットは、対象物の温度を検出する温度センサと、温度センサを保持する保持部と、を備える。保持部は、互いに対向していると共に温度センサを挟持する第一部分及び第二部分と、第一部分と第二部分とを連結する第三部分と、を有する。第一部分は、温度センサと接触する第一面を含むと共に、第一部分と第二部分とが互いに対向している方向に弾性変形可能である。第二部分は、温度センサと接触する第二面を含む。保持部は、第一部分の弾性変形に伴う反力を第一面から温度センサに作用させて、第一面と第二面との間で温度センサを挟持している。
【0007】
上記一つの態様では、第一部分は、第一部分と第二部分とが互いに対向している方向に弾性変形可能である。温度センサは、第一面から作用される第一部分の弾性変形に伴う反力によって、第一面と第二面との間で挟持されている。したがって、温度センサが保持部における所望の位置に適切かつ確実に保持され得る。たとえば、温度センサが形状ばらつきを有する場合でも、形状ばらつきは、第一部分の弾性変形により吸収され得る。
【0008】
上記一つの態様では、第一面は、第一領域と、第二領域と、を含んでもよい。第一領域は、第一部分と第二部分とが互いに対向している方向において、温度センサから離れるように湾曲していると共に温度センサと離間してもよい。第二領域は、第一部分と第二部分とが互いに対向している方向において、温度センサに向かうように湾曲していると共に温度センサと接触してもよい。
第一部分が、上記第一及び第二領域を含む構成は、第一部分と温度センサとが互いに接触している領域を狭くする傾向がある。第一部分と温度センサとが互いに接触している領域が狭い構成は、第一面から温度センサに作用する、第一部分の弾性変形に伴う反力を高める傾向がある。したがって、第一部分が、上記第一及び第二領域を含む構成では、温度センサが保持部における所望の位置に、より一層確実に保持され得る。
【0009】
上記一つの態様では、温度センサは、互いに対向している第一主面及び第二主面を含んでもよい。第三部分は、温度センサと接触する第三面を含んでもよい。第一主面は第三面と接触してもよく、第二主面は対象物と接触してもよい。
第三部分に含まれる第三面が、温度センサに含まれる第一主面と接触する構成では、第三面が、第一部分と第二部分とが互いに対向している上記方向に交差する方向での、温度センサの位置を規定し得る。したがって、本構成では、温度センサが保持部における所望の位置に、より一層適切に保持され得る。
温度センサに含まれる第二主面が、対象物と接触する構成は、温度センサによる温度検出の精度を低下させがたい。
【0010】
上記一つの態様では、第三面と温度センサとの第三接触面積は、第一面と温度センサとの第一接触面積及び第二面と温度センサとの第二接触面積のそれぞれより大きいてもよい。
第三接触面積が、第一接触面積及び第二接触面積のそれぞれより大きい構成は、第一部分と第二部分とが互いに対向している上記方向に交差する上記方向での、温度センサの位置を、確実に規定し得る。
【0011】
上記一つの態様では、第一面と温度センサとの第一接触面積は、第二面と温度センサとの第二接触面積より小さくてもよい。
第一接触面積が第二接触面積より小さい構成では、第一面から温度センサに作用する、第一部分の弾性変形に伴う反力が増大する。したがって、本構成では、温度センサが保持部における所望の位置に、より一層確実に保持され得る。
【0012】
上記一つの態様では、温度センサは、互いに対向している第一主面及び第二主面を含んでもよい。第一主面と第二主面とが互いに対向している方向は、第一部分と第二部分とが互いに対向している上記方向に交差していてもよい。
第一主面と第二主面とが互いに対向している方向が、第一部分と第二部分とが互いに対向している上記方向に交差している構成では、第一主面又は第二主面が、対象物と接触する面に採用され得る。本構成では、保持部による温度センサの挟持が、温度センサと対象物との接触に影響を与えがたい。したがって、本構成は、温度センサによる温度検出の精度を低下させがたい。
【0013】
上記一つの態様では、保持部は、第四部分と、第五部分と、第六部分と、を有してもよい。第四部分は、第三部分の第一部分寄りの端から、第一部分から離間して、第一部分と第二部分とが互いに対向している方向に交差する方向に延在していると共に、温度センサから離間していてもよい。第五部分は、温度センサと対向していると共に、対象物に接触してもよい。第六部分は、第四部分と第五部分とを連結すると共に、第四部分が延在している方向に交差する方向に延在していてもよい。
保持部が上記第五部分を有する構成では、対象物は、温度センサと第五部分との間に配置される。保持部が上記第四部分と上記第六部分とを更に有する構成では、第四部分が、上述したように延在していると共に温度センサから離間し、かつ、第四部分と第六部分とが互いに交差する方向に延在しているので、温度センサと第五部分との間に配置されている対象物から、第一部分に、第一部分と第二部分とが離れる方向に力が作用しがたい。温度センサと第五部分との間に対象物を配置する場合にも、第四部分から、第一部分に、第一部分と第二部分とが離れる方向に力が作用しがたく、第四部分が温度センサと当接しがたい。
これらの結果、温度センサは、保持部における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【0014】
上記一つの態様では、保持部は、第七部分を有してもよい。第七部分は、第三部分に連結されていると共に第一部分と第二部分とが互いに対向している方向に交差する方向で温度センサと当接してもよい。
保持部が、上記第七部分を有する構成は、第一部分と第二部分とが互いに対向している方向に交差する上記方向での、温度センサの位置を規定する。したがって、温度センサは、保持部における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【0015】
上記一つの態様では、保持部は、複数の第一部分を有してもよい。複数の第一部分は、互いに離間していてもよい。
保持部が、上記複数の第一部分を有する構成では、温度センサは、離れた複数の位置で、各第一部分の弾性変形に伴う反力を受ける。したがって、温度センサは、保持部における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一つの態様は、温度センサが保持部における所望の位置に適切かつ確実に保持され得る温度センサユニットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施形態に係る温度センサユニットの斜視図である。
図2図2は、温度センサの構成を示す図である。
図3図3は、温度センサの斜視図である。
図4図4は、保持部の斜視図である。
図5図5は、保持部の平面図である。
図6図6は、対象物に温度センサユニットを取り付けた状態を示す図である。
図7図7は、対象物に温度センサユニットを取り付けた状態を示す図である。
図8図8は、保持部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
図1図5を参照して、本実施形態に係る温度センサユニットの構成を説明する。図1は、本実施形態に係る温度センサユニットの斜視図である。図2は、温度センサの構成を示す図である。図3は、温度センサの斜視図である。図4は、保持部の斜視図である。図5は、保持部の平面図である。
【0020】
図1に示されるように、温度センサユニット1は、対象物100に取り付けられ、対象物100の温度を検出する。本実施形態では、対象物100は、筒形状を呈している。対象物100は、筒形状以外を呈していてもよい。対象物100は、たとえば、配管用のパイプを含む。上述した機能を実現するために、温度センサユニット1は、図1に示されるように、対象物100の温度を検出する温度センサ2と、温度センサ2を保持する保持部3と、を備えている。
【0021】
図2に示されるように、温度センサ2は、検知部21と、導線22,23と、リード線24,25と、ケース26と、を有している。検知部21は、温度が高くなると抵抗が低くなる特性を有する素子である。上記素子は、たとえば、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ素子を含む。導線22,23は、検知部21に設けられている不図示の二つの電極にそれぞれ接続されている。リード線24,25は、導線22,23にそれぞれ電気的に接続されている。
【0022】
ケース26は、検知部21、導線22,23、及びリード線24,25の一部を収容する。図3に示されるように、ケース26は、直方体の有底筒状である。本実施形態では、直方体は、角部及び稜線部が面取りされている直方体、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体を含む。ケース26は、長手方向の一端に底部26aを有し、長手方向の他端に開口部26bを有している。本実施形態では、ケース26は、金属からなる。上記金属は、たとえば、アルミニウムを含む。
【0023】
ケース26は、互いに対向している側面26c及び側面26d、及び互いに対向している主面26e及び主面26fを含んでいる。すなわち、温度センサ2は、互いに対向している側面26c及び側面26d、及び互いに対向している主面26e及び主面26fを含んでいる。本実施形態では、側面26c,26d及び主面26eは、保持部3が温度センサ2を保持している状態において、保持部3と接触する。主面26fは、対象物100に温度センサ2が取り付けられた状態において、対象物100と接触する。
たとえば、主面26eが第一主面を構成する場合、主面26fが第二主面を構成する。
【0024】
ケース26は、開口部26bから検知部21、導線22,23、及びリード線24,25が挿入された状態で、樹脂が充填された樹脂部26gを有している。検知部21は、硬化した樹脂によって、ケース26の底部26a付近で位置決めされている。検知部21に電気的に接続されているリード線24、25は、開口部26bからケース26の外部に延在している。たとえば、ケース26は熱可塑性樹脂からなり、樹脂部26gは熱硬化性樹脂からなる。熱硬化性樹脂は、たとえば、エポキシ樹脂を含む。
【0025】
図1及び図4に示されるように、保持部3は、互いに対向していると共に温度センサ2を挟持する部分31及び部分32と、部分31と部分32とを連結する部分33と、を有している。本実施形態では、部分31と部分32とは、互いに離間していると共に部分33のみによって連結されている。図1に示されるように、部分33は、部分31及び部分32が温度センサ2を挟持している状態において、温度センサ2と対向している。
【0026】
本実施形態では、部分31と部分32とが互いに対向している方向が第一方向D1であり、部分33と温度センサ2とが互いに対向している方向が第二方向D2であり、第一方向D1及び第二方向D2に交差する方向が第三方向D3である。第三方向D3は、たとえば、第一方向D1及び第二方向D2のそれぞれと直交する。本実施形態では、ケース26の長手方向は、第三方向D3に対応する。したがって、ケース26は、第三方向D3の一端に底部26aを有し、第三方向D3の他端に開口部26bを有している。側面26cと側面26dとは第一方向D1で互いに対向し、主面26eと主面26fとは第二方向D2で互いに対向している。
【0027】
図4及び図5に示されるように、部分31は、部分33に連結されている基端31aと、基端31aとは反対側に位置する先端31bと、基端31aと先端31bとの間かつ部分32寄りに位置する面31cと、面31cとは反対側に位置する面31dと、を含んでいる。面31cと面31dとは、第一方向D1で互いに対向している。本実施形態では、面31c及び面31dは、基端31aと先端31bとを連結するように延在している。
【0028】
図5に示されるように、面31cは、第一方向D1において部分32から離れるように湾曲している領域R1と、第一方向D1において部分32に向かうように湾曲している領域R2と、を含んでいる。本実施形態では、領域R1は、第一方向D1において部分32から離れるように円弧状に湾曲している。領域R2は、第一方向D1において部分32に向かうように円弧状に湾曲している。本実施形態では、面31cは、領域R1と領域R2とからなる。面31cは、領域R1及び領域R2以外の領域を含んでいてもよい。
本実施形態では、面31dも、第一方向D1において部分32から離れるように円弧状に湾曲している領域と、第一方向D1において部分32に向かうように円弧状に湾曲している領域と、からなる。したがって、本実施形態では、部分31は、第三方向D3から見て、略S字状を呈している。
【0029】
部分31は、部分31と部分32とが互いに対向している方向に弾性変形可能である。すなわち、部分31は、第一方向D1に弾性変形可能である。部分31は、バネ性を有している。例えば、部分31が部分32から離れる方向に押された場合、部分31は、面31cが部分32から離れるように、弾性変形する。この場合、部分31の弾性変形に伴う反力が、面31cから、部分31を押す対象に作用する。すなわち、部分31を押す対象には、部分31から部分32に向かう方向への力が作用する。
【0030】
部分32は、部分33に連結されている基端32aと、基端32aとは反対側に位置する先端32bと、基端32aと先端32bとの間かつ部分31寄りに位置する面32cと、面32cとは反対側に位置する面32dと、を含んでいる。面32cと面32dとは、第一方向D1で互いに対向している。本実施形態では、面32cと面32dとは、基端32aと先端32bとを連結するように延在している。面32c及び面32dは、先端32b寄りにおいて、第一方向D1で部分31から離れるように屈曲している。すなわち、部分32は、先端32b寄りにおいて、先端32bに近付くにつれて部分31から離れる形状を呈している。
【0031】
本実施形態では、部分32も、部分31と部分32とが互いに対向している方向に弾性変形可能である。すなわち、部分32も、第一方向D1に弾性変形可能である。部分32も、バネ性を有している。例えば、部分32が部分31から離れる方向に押された場合、部分32は、面32cが部分31から離れるように、弾性変形する。この場合、部分32の弾性変形に伴う反力が、面32cから、部分32を押す対象に作用する。すなわち、部分32を押す対象には、部分32から部分31に向かう方向への力が作用する。
【0032】
上述したように、部分31及び部分32は第一方向D1に弾性変形可能であるので、部分31の面31cと部分32の面32cとの、第一方向D1での最短距離は、部分31及び部分32の弾性変形に伴って、変化する。たとえば、部分31及び部分32が温度センサ2を挟持している状態における、面31cと面32cとの、第一方向D1での最短距離d1は、温度センサ2の第一方向D1での長さd2より小さい。
【0033】
部分33は、矩形板状を呈しており、第三方向D3に延在している。部分33の第一方向D1の両端のうち、一方の端に部分31が連結されており、他方の端に部分32が連結されている。これにより、部分33は、部分31と部分32とを連結する。部分33は、互いに対向している一対の面33a,33bを含んでいる。一対の面33a,33bは、第二方向D2で互いに対向している。本実施形態では、面33aは先端31b及び先端32b寄りに位置しており、面33bは面33aと反対側に位置している。
たとえば、面31cが第一面を構成する場合、面32cが第二面を構成し、面33aが第三面を構成する。
【0034】
図4に示されるように、保持部3は、部分33の部分31寄りの端から、部分31から離間して、第一方向D1に交差する方向に延在している部分34と、対象物100に接触する部分35と、部分34と部分35とを連結すると共に部分34が延在している方向に交差する方向に延在している部分36と、を更に有している。
【0035】
本実施形態では、保持部3は、二つの部分34を有している。二つの部分34は、第三方向D3で、部分31を挟んで、互いに離間するように位置している。上述したように、部分34は、部分33の部分31寄りの端から、部分31から離間して、第一方向D1に交差する方向に延在している。図4及び図5に示されるように、本実施形態では、部分34は、第一方向D1及び第二方向D2のそれぞれに交差する方向に延在している。部分34が延在している方向は、第一方向D1に対して傾斜している。部分34が延在している方向の第一方向D1に対する傾斜角度は、対象物100の形状又はサイズに対応して、調整され得る。
【0036】
部分35は、第二方向D2で、部分33と対向している。部分35の形状は、取り付けられる対象物100の形状に対応する。上述したように、本実施形態では、対象物100は、筒形状を呈している。したがって、本実施形態では、部分35は、第二方向D2から見て、略円弧状を呈している。
【0037】
部分35は、部分36に連結されている基端35aと、基端35aとは反対側に位置している先端35bと、基端35aと先端35bとの間かつ部分33寄りに位置する面35cと、面35cとは反対側に位置する面35dと、を含んでいる。先端35bは、部分32の先端32bと第二方向D2で離間している。面35cと面35dとは、第二方向D2で互いに対向している。本実施形態では、面35c及び面35dは、基端35aと先端35bとを連結するように延在している。面35c及び面35dは、先端35b寄りにおいて、第二方向D2において部分33から離れるように屈曲している。部分35には、貫通孔35eが形成されている。貫通孔35eは、面35cと面35dとに開口している。貫通孔35eは、部分35を第三方向D3から見たときに、たとえば、部分35の略中央に形成されている。
【0038】
本実施形態では、部分35は、第二方向D2に弾性変形可能である。部分35は、バネ性を有している。例えば、部分35が部分33から離れる方向に押された場合、部分35は、面35cが部分33から離れるように、弾性変形する。この場合、部分35の弾性変形に伴う反力が、面35cから、部分35を押す対象に作用する。すなわち、部分35を押す対象には、部分35から部分33に向かう方向への力が作用する。
【0039】
上述したように、部分35の先端35bと部分32の先端32bとは第二方向D2で互いに離間している。部分35は、第二方向D2に弾性変形可能である。したがって、部分35の面35cと部分32の面32cとの、第二方向D2での最短距離は、部分35の弾性変形に伴って、変化する。たとえば、対象物100に温度センサユニット1が取り付けられていない状態における、面35cと面32cとの、第二方向D2での最短距離d3は、対象物100の第二方向D2での長さd4より小さい。上述したように、先端35bと先端32bとは第二方向D2で互いに離間している。したがって、面35cと面32cとの、第二方向D2での最短距離は、先端35bと先端32bとの間の開口の幅であるともいえる。
【0040】
上述したように、部分36は、部分34が延在している方向に交差する方向に延在している。すなわち、部分34と部分36とは、互いに交差する方向に延在している。図5に示されるように、本実施形態では、部分36は、第二方向D2に延在している。本実施形態では、部分36の第二方向D2での一端が部分34に連結されており、部分36の第二方向D2での他端が部分35に連結されている。これにより、部分36は、部分34と部分35とを連結する。
【0041】
保持部3は、部分33に連結されている部分37を、更に有している。本実施形態では、部分37は、部分33の第三方向D3における両端のうち一方の端に連結されている。部分37は、部分33寄りに屈曲した形状を呈しつつ、全体として第二方向D2のうち部分33から部分35に向かう方向に延在している。
たとえば、部分31が第一部分を構成する場合、部分32が第二部分を構成し、部分33が第三部分を構成し、部分34~37が第四部分~第七部分を構成する。
【0042】
次に、図1図6、及び図7を参照して、対象物100に温度センサユニット1を取り付けた状態について説明する。図6及び図7は、対象物に温度センサユニットを取り付けた状態を示す図である。
【0043】
図1及び図6に示されるように、対象物100に温度センサユニット1が取り付けられた状態では、保持部3の部分31及び部分32が、温度センサ2を挟持している。部分31及び部分32に温度センサ2を挟持させる際には、温度センサ2を、部分31と部分32との間に押し込む。本実施形態では、温度センサ2の主面26eが部分33の面33aと接触するまで、温度センサ2を、部分31と部分32との間に押し込む。上述したように、部分31及び部分32は第一方向D1に弾性変形可能であるので、温度センサ2が部分31と部分32との間に押し込まれることによって、部分31は部分32から離れるように弾性変形し、部分32は部分31から離れるように弾性変形する。これにより、部分31の弾性変形に伴う反力が面31cから温度センサ2に作用し、部分32の弾性変形に伴う反力が面32cから温度センサ2に作用する。このようにして、部分31及び部分32は、温度センサ2を挟持する。すなわち、本実施形態では、保持部3は、部分31の弾性変形に伴う反力を面31cから温度センサ2に作用させ、かつ、部分32の弾性変形に伴う反力を面32cから温度センサ2に作用させて、面31cと面32cとの間で温度センサ2を挟持している。
【0044】
保持部3が温度センサ2を保持している状態では、部分31及び部分32は、第一方向D1において、互いに反対方向に弾性変形している。したがって、保持部3が温度センサ2を保持している状態における、面31cと面32cとの、第一方向D1での最短距離d5は、面31cと面32cとの最短距離d1より大きい。たとえば、保持部3が温度センサ2を保持している状態では、最短距離d5と温度センサ2の第一方向D1での長さd2とは同じである。
【0045】
保持部3が温度センサ2を保持している状態では、部分31の面31cが温度センサ2と接触し、部分32の面32cが温度センサ2と接触する。図6に示されるように、面31cのうち領域R2が温度センサ2の側面26cと接触し、面32cが温度センサ2の側面26dと接触する。すなわち、面31cのうち領域R1は、温度センサ2と離間している。本実施形態では、領域R2は側面26cと略線接触し、面32cは側面26dと略面接触する。領域R2は、側面26cと略点接触してもよく、略面接触してもよい。
【0046】
面31cと温度センサ2との接触面積と面32cと温度センサ2との接触面積とは互いに異なっている。本実施形態では、面31cと温度センサ2との接触面積は、面32cと温度センサ2との接触面積より小さい。上述したように、領域R2が側面26cと接触し、面32cが側面26dと接触する。したがって、本実施形態では、面31cと温度センサ2との接触面積は領域R2と側面26cとが接触している面積によって規定され、面32cと温度センサ2との接触面積は面32cと側面26dとが接触している面積によって規定される。
【0047】
上述したように、領域R1は第一方向D1において部分32から離れるように湾曲し、領域R2は第一方向D1において部分32に向かうように湾曲している。したがって、保持部3が温度センサ2を保持している状態では、領域R1は第一方向D1において温度センサ2から離れるように湾曲し、領域R2は第一方向D1において温度センサ2に向かうように湾曲している。さらに、領域R1は温度センサ2と離間し、領域R2は温度センサ2と接触している。このことから、面31cは、第一方向D1において温度センサ2から離れるように湾曲していると共に温度センサ2と離間する領域R1と、第一方向D1において温度センサ2に向かうように湾曲していると共に温度センサ2と接触する領域R2と、を含んでいるともいえる。
【0048】
さらに、保持部3が温度センサ2を保持している状態では、部分33の面33aが温度センサ2と接触する。図6に示されるように、面33aは、温度センサ2の主面26eと接触する。本実施形態では、面33aは、主面26eと略面接触する。上述したように、部分33と部分35とは、互いに対向している。したがって、保持部3が温度センサ2を保持している状態では、部分33と部分35とは、温度センサ2を挟んで、互いに対向している。すなわち、部分35は、温度センサ2と対向している。本実施形態では、部分33と部分35とは、第二方向D2で、互いに対向しているので、部分35と温度センサ2とは、第二方向D2で互いに対向している。
【0049】
面33aと温度センサ2との接触面積は、面31cと温度センサ2との接触面積及び面32cと温度センサ2との接触面積のそれぞれより大きい。上述したように、面33aは、温度センサ2の主面26eと接触する。したがって、本実施形態では、面33aと温度センサ2との接触面積は、面33aと主面26eとが接触している面積によって規定される。
たとえば、面31cと温度センサ2との接触面積が第一接触面積として規定される場合、面32cと温度センサ2との接触面積が第二接触面積として規定され、面33aと温度センサ2との接触面積が第三接触面積として規定される。
【0050】
部分37は、第一方向D1に交差する方向で温度センサ2と当接する。対象物100に温度センサユニット1が取り付けられた状態では、図1及び図7に示されるように、部分37は、第三方向D3で温度センサ2と当接する。本実施形態では、部分37の先端が温度センサ2の底部26aと当接する。これにより、対象物100に温度センサユニット1が取り付けられた状態において、部分37は、温度センサ2の第三方向D3での動きを規制する。
【0051】
対象物100に温度センサユニット1が取り付けられた状態では、温度センサ2は、対象物100及び部分33と接触する。温度センサ2の主面26eが部分33の面33aと接触し、主面26fが対象物100と接触する。したがって、対象物100に温度センサユニット1が取り付けられた状態では、部分33と対象物100とによって、温度センサ2は保持されている。本実施形態では、主面26fの一部が対象物100と接触する。すなわち、主面26fは、対象物100と接触している領域と、対象物100と離間している領域と、を含んでいる。
【0052】
対象物100に温度センサユニット1が取り付けられた状態では、部分35が対象物100と接触する。対象物100に温度センサユニット1を取り付ける際には、部分35の先端35bと部分32の先端32bとの間から、対象物100を押し込む。この際、対象物100によって、先端35bと先端32bとの間が押し拡げられる。本実施形態では、部分35の面35cと接触するまで、対象物100を押し込む。これにより、第二方向D2のうち部分33から部分35に向かう方向に、部分35が押される。上述したように、部分35は、第二方向D2に弾性変形可能であるので、対象物100が部分35を押すことによって、部分35は部分33から離れるように弾性変形する。これにより、部分35の弾性変形に伴う反力が面35cから対象物100に作用し、対象物100を温度センサ2の主面26fに押し付ける。このようにして、部分35が対象物100に取り付けられる。
対象物100に温度センサユニット1が取り付けられている状態では、部分36及び部分37は、温度センサ2及び対象物100から離間している。
【0053】
対象物100に温度センサユニット1が取り付けられた状態では、上述したように、部分35が部分33から離れるように弾性変形している。したがって、対象物100に温度センサユニット1が取り付けられている状態における、部分35の面35cと部分32の面32cとの、第二方向D2での最短距離d6は、面35cと面32cとの最短距離d3より大きい。
【0054】
以上説明したように、温度センサユニット1では、部分31は、第一方向D1に弾性変形可能である。温度センサ2は、面31cから作用される部分31の弾性変形に伴う反力によって、面31cと面32cとの間で挟持されている。したがって、温度センサ2が保持部3における所望の位置に適切かつ確実に保持され得る。たとえば、温度センサ2が形状ばらつきを有する場合でも、形状ばらつきは、部分31の弾性変形により吸収され得る。
【0055】
温度センサユニット1では、面31cは、第一方向D1において、温度センサ2から離れるように湾曲していると共に温度センサ2と離間する領域R1と、第一方向D1において、温度センサ2に向かうように湾曲していると共に温度センサ2と接触する領域R2と、を含んでいる。
温度センサユニット1は、部分31と温度センサ2とが互いに接触している領域を狭くする傾向がある。部分31と温度センサ2とが互いに接触している領域が狭い構成は、面31cから温度センサ2に作用する、部分31の弾性変形に伴う反力を高める傾向がある。したがって、温度センサユニット1では、温度センサ2が保持部3における所望の位置に、より一層確実に保持され得る。
【0056】
温度センサユニット1では、温度センサ2は、互いに対向している主面26e及び主面26fを含んでいる。部分33は、温度センサ2と接触する面33aを含んでいる。主面26eは面33aと接触し、主面26fは対象物100と接触する。
温度センサユニット1では、面33aが、第二方向D2での、温度センサ2の位置を規定し得る。したがって、温度センサユニット1では、温度センサ2が保持部3における所望の位置に、より一層適切に保持され得る。
温度センサユニット1は、温度センサ2による温度検出の精度を低下させがたい。
【0057】
温度センサユニット1では、面33aと温度センサ2との接触面積は、面31cと温度センサ2との接触面積及び面32cと温度センサ2との接触面積のそれぞれより大きい。
温度センサユニット1は、第二方向D2での、温度センサ2の位置を、確実に規定し得る。
【0058】
温度センサユニット1では、面31cと温度センサ2との接触面積は、面32cと温度センサ2との接触面積より小さい。
温度センサユニット1では、面31cから温度センサ2に作用する、部分31の弾性変形に伴う反力が増大する。したがって、温度センサユニット1では、温度センサ2が保持部3における所望の位置に、より一層確実に保持され得る。
【0059】
温度センサユニット1では、主面26eと主面26fとが互いに対向している方向である第二方向D2は、部分31と部分32とが互いに対向している方向である第一方向D1に交差している。
温度センサユニット1では、主面26fが、対象物100と接触する面に採用される。温度センサユニット1では、保持部3による温度センサ2の挟持が、温度センサ2と対象物100との接触に影響を与えがたい。したがって、温度センサユニット1は、温度センサ2による温度検出の精度を低下させがたい。
【0060】
温度センサユニット1では、保持部3は、部分34と、部分35と、部分36と、を有している。部分34は、部分33の部分31寄りの端から部分31から離間して、第一方向D1に交差する方向に延在していると共に、温度センサ2から離間している。部分35は、温度センサ2と対向していると共に、対象物100に接触している。部分36は、部分34と部分35とを連結すると共に、部分34が延在している方向に交差する方向に延在している。
温度センサユニット1では、対象物100は、温度センサ2と部分35との間に配置される。温度センサユニット1では、部分34が、上述したように延在していると共に温度センサ2から離間し、かつ、部分34と部分36とが互いに交差する方向に延在しているので、温度センサ2と部分35との間に配置されている対象物100から、部分31に、部分31と部分32とが離れる方向に力が作用しがたい。温度センサ2と部分35との間に対象物100を配置する場合にも、部分34から、部分31に、部分31と部分32とが離れる方向に力が作用しがたく、部分34が温度センサ2と当接しがたい。
これらの結果、温度センサユニット1では、温度センサ2が、保持部3における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【0061】
温度センサユニット1では、保持部3は、部分37を有している。部分37は、部分33に連結されていると共に第三方向D3で温度センサ2と当接する。
温度センサユニット1は、第三方向D3での、温度センサ2の位置を規定する。したがって、温度センサユニット1では、温度センサ2が、保持部3における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【0062】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る温度センサユニット1の変形例の構成を説明する。図8は、保持部の斜視図である。本変形例では、保持部3の構成に関して、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
【0063】
図8に示されるように、保持部3は、複数の部分31と、一つの部分34を有している。すなわち、上述した実施形態と本変形例とでは、保持部3が有する部分31及び部分34の数が異なる。本変形例では、保持部3は、二つの部分31を有している。二つの部分31は、部分33の第三方向D3における端寄りにそれぞれ連結されている。二つの部分31は、第三方向D3で互いに離間している。部分34は、部分33の第三方向D3における略中央に連結されている。部分34は、第三方向D3において、二つの部分31の間に位置していると共に、二つの部分31のそれぞれと離間している。すなわち、二つの部分31は、部分34を挟んで、第三方向D3で互いに離間している。
【0064】
本変形例では、保持部3は、互いに離間している各部分31の弾性変形に伴う反力を対応する面31cから温度センサ2に作用させて、面31cと面32cとの間で温度センサ2を挟持している。したがって、本変形例では、温度センサ2には、第三方向D3で離れた複数の位置から、各部分32の弾性変形に伴う反力が作用している。
【0065】
本変形例では、保持部3は、複数の部分31を有している。複数の部分31は、互いに離間している。
本変形では、温度センサ2は、離れた複数の位置で、各部分31の弾性変形に伴う反力を受ける。したがって、温度センサ2は、保持部3における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0067】
温度センサユニット1では、面31cは、第一方向D1において、温度センサ2から離れるように湾曲していると共に温度センサ2と離間する領域R1と、第一方向D1において、温度センサ2に向かうように湾曲していると共に温度センサ2と接触する領域R2と、を含んでいなくてもよい。
面31cが、領域R1と領域R2とを含んでいる、温度センサユニット1では、上述したように、温度センサ2が保持部3における所望の位置に、より一層確実に保持され得る。
【0068】
温度センサユニット1では、主面26eは面33aと接触しなくてもよく、主面26fは対象物100と接触しなくてもよい。
主面26eが面33aと接触する、温度センサユニット1では、上述したように、温度センサ2が保持部3における所望の位置に、より一層適切に保持され得る。
主面26fが対象物100と接触する、温度センサユニット1は、上述したように、温度センサ2による温度検出の精度を低下させがたい。
【0069】
温度センサユニット1では、面33aと温度センサ2との接触面積は、面31cと温度センサ2との接触面積及び面32cと温度センサ2との接触面積のそれぞれより大きくなくてもよい。
面33aと温度センサ2との接触面積が、面31cと温度センサ2との接触面積及び面32cと温度センサ2との接触面積のそれぞれより大きい、温度センサユニット1は、上述したように、第三方向D3での、温度センサ2の位置を、確実に規定し得る。
【0070】
温度センサユニット1では、面31cと温度センサ2との接触面積は、面32cと温度センサ2との接触面積より小さくなくてもよい。
面31cと温度センサ2との接触面積が、面32cと温度センサ2との接触面積より小さい、温度センサユニット1では、上述したように、温度センサ2が保持部3における所望の位置に、より一層確実に保持され得る。
【0071】
温度センサユニット1では、主面26eと主面26fとが互いに対向している方向である第二方向D2は、部分31と部分32とが互いに対向している方向である第一方向D1に交差していなくてもよい。
第二方向D2が第一方向D1に交差している、温度センサユニット1は、上述したように、温度センサ2による温度検出の精度を低下させがたい。
【0072】
温度センサユニット1では、保持部3は、部分34と、部分35と、部分36と、を有していなくてもよい。
保持部3が、部分34と、部分35と、部分36と、を有している、温度センサユニット1では、上述したように、温度センサ2が、保持部3における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【0073】
温度センサユニット1では、保持部3は、部分33に連結されていると共に第三方向D3で温度センサ2と当接する部分37を有していなくてもよい。
保持部3が、部分33に連結されていると共に第三方向D3で温度センサ2と当接する部分37を有している、温度センサユニット1では、上述したように、温度センサ2が、保持部3における所望の位置に、より一層、適切かつ確実に保持され得る。
【0074】
温度センサユニット1では、部分31に加えて、部分32も第一方向D1に弾性変形可能であるが、部分32は、第一方向D1に弾性変形可能でなくてもよい。この場合、部分32は、先端32b寄りにおいて、先端32bに近付くにつれて部分31から離れる形状を呈していなくてもよい。部分32が第一方向D1に弾性変形可能でない場合、部分32は、たとえば、第二方向D2に延在する矩形板状を呈していてもよい。
【0075】
上述した実施形態及び変形例の記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
対象物の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサを保持する保持部と、を備え、
前記保持部は、
互いに対向していると共に前記温度センサを挟持する第一部分及び第二部分と、
前記第一部分と前記第二部分とを連結する第三部分と、を有し、
前記第一部分は、前記温度センサと接触する第一面を含むと共に、前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している方向に弾性変形可能であり、
前記第二部分は、前記温度センサと接触する第二面を含み、
前記保持部は、前記第一部分の弾性変形に伴う反力を前記第一面から前記温度センサに作用させて、前記第一面と前記第二面との間で前記温度センサを挟持している、温度センサユニット。
(付記2)
前記第一面は、
前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向において、前記温度センサから離れるように湾曲していると共に前記温度センサと離間する第一領域と、
前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向において、前記温度センサに向かうように湾曲していると共に前記温度センサと接触する第二領域と、を含む、付記1に記載の温度センサユニット。
(付記3)
前記温度センサは、互いに対向している第一主面及び第二主面を含み、
前記第三部分は、前記温度センサと接触する第三面を含み、
前記第一主面は前記第三面と接触し、前記第二主面は前記対象物と接触する、付記1又は2に記載の温度センサユニット。
(付記4)
前記第三面と前記温度センサとの第三接触面積は、前記第一面と前記温度センサとの第一接触面積及び前記第二面と前記温度センサとの第二接触面積のそれぞれより大きい、付記3に記載の温度センサユニット。
(付記5)
前記第一接触面積は、前記第二接触面積より小さい、付記4に記載の温度センサユニット。
(付記6)
前記第一面と前記温度センサとの第一接触面積は、前記第二面と前記温度センサとの第二接触面積より小さい、付記1~3のいずれか一つに記載の温度センサユニット。
(付記7)
前記温度センサは、互いに対向している第一主面及び第二主面を含み、
前記第一主面と前記第二主面とが互いに対向している方向は、前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向に交差している、付記1~6のいずれか一つに記載の温度センサユニット。
(付記8)
前記保持部は、
前記第三部分の前記第一部分寄りの端から、前記第一部分から離間して、前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向に交差する方向に延在していると共に、前記温度センサから離間している第四部分と、
前記温度センサと対向していると共に、前記対象物に接触する第五部分と、
前記第四部分と前記第五部分とを連結すると共に、前記第四部分が延在している方向に交差する方向に延在している第六部分と、を有する、付記1~7のいずれか一つに記載の温度センサユニット。
(付記9)
前記保持部は、前記第三部分に連結されていると共に前記第一部分と前記第二部分とが互いに対向している前記方向に交差する方向で前記温度センサと当接する第七部分を有する、付記1~8のいずれか一つに記載の温度センサユニット。
(付記10)
前記保持部は、複数の前記第一部分を有し、
前記複数の前記第一部分は、互いに離間している、付記1~9のいずれか一つに記載の温度センサユニット。
【符号の説明】
【0076】
1…温度センサユニット、2…温度センサ、3…保持部、26e,26f…主面、31,32,33,34,35,36,37…部分、31c,32c,33a…面、100…対象物、R1,R2…領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8