(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090150
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】画像処理装置及びジョブ履歴の呼び出し方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240627BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240627BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/04842
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205846
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】野田 昌嗣
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061CQ04
2C061CQ10
2C061CQ24
2C061CQ44
2C061CQ45
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
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5E555AA12
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5E555BA27
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5E555BC17
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5E555DC32
5E555DC35
5E555DC40
5E555EA02
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ジョブ履歴を呼び出す前にその設定の全容をユーザが容易に確認できるようにし、ジョブ履歴の有用性を担保する。
【解決手段】操作画面を表示しユーザの操作を受け付ける操作部と、画像処理に係るジョブを実行する画像処理部と、実行された1以上のジョブに係る設定をそれぞれのジョブのジョブ履歴として格納する記憶部と、制御部とを備え、制御部は、記憶部に格納された何れかのジョブ履歴を呼び出すためのジョブ履歴画面を操作部に表示させ、ジョブ履歴画面の1画面に少なくとも1つのジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を表示させて、表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を操作部に受け付けさせる画像処理装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を表示しユーザの操作を受け付ける操作部と、
画像処理に係るジョブを実行する画像処理部と、
実行された1以上のジョブに係る設定をそれぞれのジョブのジョブ履歴として格納する記憶部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記記憶部に格納された何れかのジョブ履歴を呼び出すためのジョブ履歴画面を前記操作部に表示させ、
前記ジョブ履歴画面の1画面に少なくとも1つのジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を表示させて、表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を前記操作部に受け付けさせる画像処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ジョブ履歴画面に何れか1つのジョブ履歴を表示させ、前記表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を受け付ける操作オブジェクト、異なるジョブ履歴に表示を切り替える操作を受け付ける操作オブジェクトを表示させそれらの操作を受け付けさせる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ジョブ履歴画面の1画面に複数のジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値をそれぞれ表示させると共に、複数のジョブ履歴のうちの何れが選択された状態かを表示させて、選択されたジョブ履歴を呼び出す操作を受け付ける操作オブジェクト、異なるジョブ履歴に表示を切り替える操作を受け付ける操作オブジェクトを表示させてそれらの操作を受け付けさせる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
異なるジョブ履歴に表示を切り替える操作を受け付ける操作オブジェクトが、スクロールバーまたはジョブ履歴の数に対応し並置されるボタンである請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画面を表示しユーザの操作を受け付け可能な外部機器と通信する通信部と、
画像処理に係るジョブを実行する画像処理部と、
実行された1以上のジョブに係る設定をそれぞれのジョブのジョブ履歴として格納する記憶部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記記憶部に格納された何れかのジョブ履歴を呼び出すためのジョブ履歴画面を、前記通信部を介して前記外部機器の画面に表示させ、
前記ジョブ履歴画面の1画面に少なくとも1つのジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を表示させて、表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を受け付けさせる画像処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ジョブ履歴画面に何れか1つのジョブ履歴を表示させ、前記表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を受け付ける操作オブジェクト、異なるジョブ履歴に表示を切り替える操作を受け付ける操作オブジェクトを表示させ前記通信部を介してそれらの操作を受け付けさせる請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置の制御部が、
操作部または通信を介した外部機器を用いて操作画面を表示させてユーザの操作を受け付けるステップと、
画像処理部を用いて画像処理に係るジョブを実行するステップと、
メモリを用いて、実行された1以上のジョブに係る設定をそれぞれのジョブのジョブ履歴として呼出し可能に格納するステップと、
前記メモリに格納された何れかのジョブ履歴を呼び出すためのジョブ履歴画面を前記操作部または通信を介した外部機器の画面に表示させるステップとを備え、
前記ジョブ履歴画面は、少なくとも1つのジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を1画面に表示し、表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を前記操作部に受け付けさせるジョブ履歴の呼び出し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実行されたジョブに係る設定をジョブ履歴として呼び出す機能を有する画像処理装置およびジョブ履歴の呼び出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークスキャナ、プリンタやそれらの機能を備える複合機等の画像処理装置が知られている。近年は、ドットマトリックスディスプレイの画面上にソフトキーを表示してユーザの操作を受け付けるユーザインターフェースが多くの画像処理装置に用いられている。
そのような画像処理装置であって、複数のアプリケーション(ジョブともいう)を実行する画像処理装置において、アプリケーションに対する設定を容易にする以下のものが知られている。画像処理装置は、1以上の原稿の画像や1以上の頁からなる画像データを一纏まりの処理として扱い、その一纏まりの処理の単位がジョブと呼ばれる。
【0003】
実行されたジョブの設定内容と実行されたジョブにおいて利用された機能を示す情報とを対応付けて記憶手段に記憶し、呼び出す機能を有する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のものは、記憶された設定内容と機能を示す情報を呼び出す第一のソフトキーを操作画面に表示する。第一のソフトキーには、それが呼び出す設定内容と呼び出す機能を示す情報に対応するアイコンを表示する。
記憶された設定内容と機能を示す情報を呼び出す操作画面に関して、さらに次のようなものが提案されている。表示が本来的な機能でない画像処理装置では、スペースやコストの制約により画面の大きさは限られており、画面に配置できるソフトキーの数は実用面で上限がある。そこで、一度に表示させるソフトキーの数に上限を設けるというものである(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-62886
【特許文献2】特開2018-133091
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実行されたジョブの設定内容(設定値)と機能(設定項目)を対応付けて記憶し呼び出す機能を、この明細書でジョブ履歴と呼ぶ。画像処理装置の機能が高度化するにつれて、ジョブ履歴に含まれる設定の項目数は増大する。設定項目の数が増えれば増えるほど、それらをユーザがその都度設定するのは煩雑であり、ジョブ履歴の有用性が高まる。
記憶手段に記憶されているジョブ履歴を表示する際に、ジョブ履歴の一覧性を重視すると、一度に画面に表示可能な情報に限りがあるため、各ジョブ履歴の設定項目はその一部しか表示できない場合がある。また、例えば、メール等の宛先情報が長い場合や宛先の数が多い場合はその一部しか表示できない場合がある。
【0006】
その場合、ユーザはジョブ履歴を呼び出す前に、その設定の全容を操作画面上で確認できず、呼び出した後で設定の詳細を確認しなければならない。それは、ユーザにとって煩雑な操作となって、ジョブ履歴の有用性を減殺することになりかねない。
本開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、ジョブ履歴を呼び出す前にその設定の全容をユーザが容易に確認できるようにし、ジョブ履歴の有用性を担保する手法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、操作画面を表示しユーザの操作を受け付ける操作部と、画像処理に係るジョブを実行する画像処理部と、実行された1以上のジョブに係る設定をそれぞれのジョブのジョブ履歴として格納する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記記憶部に格納された何れかのジョブ履歴を呼び出すためのジョブ履歴画面を前記操作部に表示させ、前記ジョブ履歴画面の1画面に少なくとも1つのジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を表示させて、表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を前記操作部に受け付けさせる画像処理装置を提供する。
【0008】
さらに、本開示は、画面を表示しユーザの操作を受け付け可能な外部機器と通信する通信部と、画像処理に係るジョブを実行する画像処理部と、実行された1以上のジョブに係る設定をそれぞれのジョブのジョブ履歴として格納する記憶部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記記憶部に格納された何れかのジョブ履歴を呼び出すためのジョブ履歴画面を、前記通信部を介して前記外部機器の画面に表示させ、前記ジョブ履歴画面の1画面に少なくとも1つのジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を表示させて、表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を受け付けさせる画像処理装置を提供する。
【0009】
また、異なる観点から本開示は、画像処理装置の制御部が、操作部または通信を介した外部機器を用いて操作画面を表示させてユーザの操作を受け付けるステップと、画像処理部を用いて画像処理に係るジョブを実行するステップと、メモリを用いて、実行された1以上のジョブに係る設定をそれぞれのジョブのジョブ履歴として呼出し可能に格納するステップと、前記メモリに格納された何れかのジョブ履歴を呼び出すためのジョブ履歴画面を前記操作部または通信を介した外部機器の画面に表示させるステップとを備え、前記ジョブ履歴画面は、少なくとも1つのジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を1画面に表示し、表示されたジョブ履歴を呼び出す操作を前記操作部に受け付けさせるジョブ履歴の呼び出し方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示による画像処理装置において、ユーザはジョブ履歴を呼び出す前にその設定の全容を容易に確認できる。
本開示によるジョブ履歴の呼び出し方法も同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示による画像処理装置およびそのユーザが使用する情報処理装置の外観例を示す説明図である。
【
図2】
図1に示す画像処理装置および情報処理装置の構成例を示す説明図である。
【
図3】
図2に示す制御部が操作ユニットに表示させるホーム画面の例を示す説明図である。
【
図4】
図2に示す制御部が操作ユニットに表示させるジョブ履歴画面の例を示す説明図である。
【
図5】
図2に示す制御部が操作ユニットに表示させる、本開示の特徴的なジョブ履歴画面の例を示す説明図である。
【
図6】
図2に示す制御部が操作ユニットに表示させる、本開示の特徴的なジョブ履歴画面の異なる例を示す説明図である。
【
図7】
図2に示す制御部が実行するジョブ履歴画面に関する処理の例を示すフローチャート(前半)である。
【
図8】
図2に示す制御部が実行するジョブ履歴画面に関する処理の例を示すフローチャート(後半)である。
【
図9】
図2に示す制御部が実行するジョブ履歴画面に関する処理の例を示すフローチャート([全削除]キーに係る処理)である。
【
図10】本開示の特徴的なジョブ履歴画面の
図5、6と異なる例を示す第1の説明図である。(実施の形態2)
【
図11】本開示の特徴的なジョブ履歴画面の
図5、6と異なる例を示す第2の説明図である。(実施の形態2)
【
図12】本開示の特徴的なジョブ履歴画面の
図5、6と異なる例を示す第2の説明図である。(実施の形態2)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本開示を限定するものと解されるべきではない。
≪画像処理装置の構成≫
図1は、本開示による画像処理装置およびそのユーザが使用する情報処理装置の外観例を示す説明図である。
図1は、画像処理装置の一例として複合機を、情報処理装置の一例としてスマートフォンを示している。なお、本開示において、ユーザが情報処理装置を使用するか否かは任意である。
図2は、
図1に示す画像処理装置および情報処理装置の構成例を示す説明図である。
【0013】
図1に示すように、画像処理装置200は、操作ユニット240、画像入力部252、原稿送り装置254、エンジン部260、給紙トレイ262および排出トレイ264を備える。また、
図2に示すように、画像処理装置200は、制御部210、記憶部230、画像処理部250および通信回路270をさらに備える。制御部210は、操作制御部212、ジョブ制御部214、ジョブ履歴制御部216および画像制御部220を備える。記憶部230は、ジョブ履歴記憶部232を備える。画像処理部250は、
図1にも示されている画像入力部252およびエンジン部260を備える。
【0014】
また、
図2に示すように情報処理装置300は、モバイル制御部310、モバイル記憶部330、モバイルUIユニット340およびモバイル通信部370を備える。モバイル制御部310は、モバイルUI制御部312およびモバイルアプリ実行部314を備える。情報処理装置300は、通信を介して画像処理装置200とやり取りすることができる。
【0015】
制御部210は、ハードウェア資源としてプロセッサおよびメモリを中心に構成される。プロセッサがメモリに格納された制御プログラムを実行することによって、上述した操作制御部212、ジョブ制御部214、ジョブ履歴制御部216、画像制御部220のそれぞれの機能が実現される。
操作制御部212は、操作ユニット240の表示を制御し、操作ユニット240により検出されたユーザの操作を処理する。
【0016】
ジョブ制御部214は、画像処理に係るジョブを制御する。原稿を読み取ってその画像データを印刷するコピージョブ、原稿を読み取って画像データを出力しまたは格納するスキャンジョブ、外部から受信した印刷データを展開して画像データを印刷するプリントジョブ等のジョブである。
ジョブ履歴制御部216は、実行したジョブに係る設定をジョブ履歴としてジョブ履歴記憶部232に格納し、格納されたジョブ履歴をユーザの操作に応じて呼び出す処理を行う。
画像制御部220は、画像入力部252およびエンジン部260の動作および画像処理に係る制御を行う。
【0017】
記憶部230は、制御部210からアクセス可能なRAMおよび不揮発性メモリの組み合わせとして構成されている。RAMには、DDR4やDDR5などのDDR SDRAM(Double-Data-Rage Synchronous Dynamic Random Access Memory)が適用されてもよい。不揮発性メモリには、SSD(Solid State Disk)やHDD(Hard Disk Drive)が適用されてもよい。制御部210のメモリと記憶部230の少なくとも一部のハードウェアが共通であってもよい。
ジョブ履歴記憶部232は、記憶部230のうちジョブ履歴を格納する記憶領域である。
【0018】
操作ユニット240は、画像処理装置200の状態や操作に係る操作画面をユーザに提供するLCD(Liquid Cristal Display)やOLED(Organic Light Emitting Display)などの表示デバイスと、ユーザの操作を検出するタッチパネルなどの入力検出デバイスを含んで構成される。操作ユニット240は、操作画面を表示しユーザの操作を受け付ける操作部として機能する。
【0019】
画像処理部250を構成する画像入力部252およびエンジン部260について述べる。
画像入力部252は、例えばスキャナであって、原稿を走査して読み取るための機構、回路およびイメージセンサを含み、原稿を読み取る部分である。
図1に示す原稿送り装置254は画像入力部252に含まれる。画像入力部252は、例えば、USB(Universal serial bus)メモリ等の可搬性記憶媒体に記憶された画像データや、外部端末装置(情報処理装置)から送信された画像データを取得可能なインタフェースとして構成することも可能である。
エンジン部260は、本開示において電子写真方式の帯電、露光、現像、転写、定着を行うための機構および回路、印刷用紙を収容する給紙トレイおよび収容された印刷用紙を給紙搬送する給紙搬送機構を含み、印刷を行なう。電子写真方式は一例であり他の方式により印刷を行ってもよい。
【0020】
画像処理装置200の画像入力部252(スキャナ)は、ジョブ制御部214の制御下で原稿の画像を読取って、画像信号に変換する。即ち、コピージョブ、ファックス送信ジョブおよびスキャンジョブにおける原稿の読み取り、画像データを生成する。また、通信回路270を介して外部の機器から印刷データを受信し、印刷用の画像データを生成する。エンジン部260は、給紙トレイ262に収容された用紙に画像データに基づく印刷を行い、印刷された用紙を排出トレイ264へ排出する。
通信回路270は、イーサネット等の有線通信や無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信により外部の機器との通信するための回路である。
【0021】
情報処理装置300の構成要素(
図2参照)について述べる。
モバイル制御部310は、ハードウェア資源としてプロセッサおよびメモリを中心に構成される回路である。モバイル制御部310は、モバイルUI制御部312およびモバイルアプリ実行部314を備える。プロセッサがメモリに格納された制御プログラムを実行することによって、モバイルUI制御部312およびモバイルアプリ実行部314のそれぞれの機能が実現される。
【0022】
モバイル記憶部330は、モバイル制御部310が実行するアプリ(アプリケーション)のプログラムやデータ、モバイルUIユニット340に表示させるデータ等を格納する。その記憶装置には、例えばSSDが適用されてもよい。
モバイルUIユニット340は、操作画面をユーザに提供するLCD(Liquid Cristal Display)やOLED(Organic Light Emitting Display)などの表示デバイスと、ユーザの操作を検出するタッチパネルなどの入力検出デバイスを含んで構成される。
モバイル通信部370は、イーサネット等の有線通信や無線LANやBluetooth等の無線通信により画像処理装置200をはじめとする外部の機器と情報処理装置300が通信するための回路である。
【0023】
(実施の形態1)
≪ジョブ履歴画面≫
続いて、ジョブ履歴記憶部232に格納されたジョブ履歴を選択して呼び出すためのジョブ履歴画面について述べる。
まず、ジョブ履歴画面を呼び出す操作の例について述べる。
図3は、制御部210が画像処理装置200の操作ユニット240に表示させる操作画面において、ジョブ履歴の呼出しに係る操作の一態様を示す説明図である。
図3に示すホーム画面30は、操作ユニット240に表示される操作画面の一例である。ホーム画面30は、ユーザがよく使用するジョブの設定やジョブの実行を受け付けるための画面へ操作画面を遷移させるアイコンが登録された画面である。本開示において、ユーザは予め用意されたアイコンのうち何れのアイコンをホーム画面に表示させるか、また、どの並びで表示させるかを設定でき、変更できる。
【0024】
図3に示すように、ホーム画面30は、登録されたアイコンが並ぶアイコン表示域31、アイコンを切り替えて表示させるためのアイコン切替ボタン32、各種の機能の設定を受け付ける機能アイコンが並ぶ機能アイコン表示域33を有する。アイコン切替ボタン32は、アイコン表示域31に一度に表示可能な4つのアイコンを超えるアイコンが登録されている場合に、表示するアイコンを切り替える操作を受け付ける操作オブジェクトである。
図3に示すように、ホーム画面30に[最近のジョブ]アイコン31Jが登録されておりそれがタッチされると、操作制御部212として制御部210は、それに応答してジョブ履歴記憶部232に格納されているジョブ履歴を操作ユニット240に表示させる。
【0025】
図4は、
図3に示す[最近のジョブ]アイコン31Jがタッチされる等のジョブ履歴の呼出し操作に応答して操作制御部212が操作ユニット240に表示させる従来と同様のジョブ履歴画面の例を示す説明図である。ここでいう、従来と同様のジョブ履歴画面は、ジョブ履歴のすべての設定項目と各設定項目の設定値を同一画面に表示せずに省略することを前提とするジョブ履歴画面である。操作画面の画素数やサイズが十分でない従来の操作画面で採用されている表示態様と同様であるという意味で、従来と同様のジョブ履歴画面と呼んでいる。
ところで、ジョブ履歴記憶部232へのジョブの登録はジョブ履歴制御部216が行う。ジョブ履歴制御部216は、ジョブ制御部214がジョブを実行すると、実行されたジョブに係る設定をジョブ履歴記憶部232に格納する。
【0026】
図4に示すジョブ履歴画面40は、ジョブ履歴記憶部232に格納されているジョブ履歴が直近のものから順に一覧表示されるジョブ履歴表示域41を有する。
図4に示すように、操作制御部212は、ジョブ履歴表示域41に、各ジョブ履歴に係るジョブが実行された日時を表示する。また、各ジョブの設定の概要を表示する。例えばコピージョブについて、選択された給紙トレイ、片面/両面の設定、仕上げの設定を表示する。また、例えばファックス送信やイメージ送信では、宛先と共に宛先の数を表示する。複数の宛先がある場合は、少なくとも1つの宛先と共に宛先の数を示す数字を表示する。さらに、各ジョブ履歴を削除する操作を受付ける[削除]アイコン17を表示する。
ジョブ履歴表示域41に一覧表示されたジョブ履歴の何れかがタッチされると、操作制御部212はそのジョブ履歴が選択されたものと認識して対象のジョブ履歴の背景色を変えるなどして選択された状態をユーザに認識させる(
図4に不図示)。
【0027】
ジョブ履歴記憶部232に格納されているジョブ履歴がジョブ履歴表示域41に一度に表示可能な数を超える場合、ジョブ履歴制御部216はジョブ履歴表示域41の右側に、スクロールバー16を表示させる。スクロールバー16の操作に応答してジョブ履歴制御部216は、ジョブ履歴表示域41に表示するジョブ履歴の一覧をスクロールアップまたはスクロールダウンさせる。スクロールバー16は、ジョブ履歴表示域41に表示するジョブ履歴の一覧を切り替える操作オブジェクトである。スクロール操作によって、ユーザはジョブ履歴記憶部232に格納されているすべてのジョブ履歴をジョブ履歴表示域41に表示させることができる。
この態様によれば、ユーザはスクロールバーを操作するという直感的な操作によって、ジョブ履歴の表示を切り替えることができる。
【0028】
ジョブ履歴表示域41の上方には、[すべて]タブ12、[コピー]タブ13、[送信/保存]タブ14の操作オブジェクトが横に並んで表示されている。
図4は、[すべて]タブ12が択一的に選択された状態を示している。その場合、操作制御部212はジョブ履歴記憶部232に登録されているすべてのジョブをジョブ履歴表示域41の表示対象とする。[コピー]タブ13が選択されると、操作制御部212はジョブ履歴記憶部232に登録されているジョブのうちでコピージョブだけをジョブ履歴表示域41の表示対象とする。[送信/保存]タブ14が選択されると、操作制御部212はジョブ履歴記憶部232に登録されているジョブのうちファックス送信ジョブおよびスキャンジョブをジョブ履歴表示域41の表示対象とする。
【0029】
[送信/保存]タブ14の上方に、[全削除]キー21および[呼び出し]キー22および[×]キー23の操作オブジェクトが配置されている。
[全削除]キー21がタッチされると、操作制御部212は、[OK]キーおよび[キャンセル]キーを含む確認のポップアップウィンドウ(
図4に不図示)を表示させる。[OK]キーが押されたら、ジョブ履歴制御部216は、ジョブ履歴記憶部232に格納されたジョブ履歴をすべて削除する。
【0030】
[呼び出し]キー22がタッチされると、操作制御部212は、[OK]キーおよび[キャンセル]キーを含む確認のポップアップウィンドウ(
図4に不図示)を表示させる。[OK]キーが押されたら、ジョブ履歴制御部216は、選択されているジョブ履歴の設定を呼び出して現在の設定として適用する。
なお、
図4に示す[呼び出し]キー22を設ける代わりに、例えばジョブ履歴がタッチされるとそれに応答してタッチされたジョブ履歴の設定を呼び出し、現在の設定として適用してもよい。
[×]キーがタッチされると、操作制御部212は、ジョブ履歴画面40を表示する前の状態に操作画面に戻す。上述の例では、ホーム画面30に操作画面を戻す。
【0031】
なお、操作制御部212は、ホーム画面30およびジョブ履歴画面40を含むほぼすべての操作画面の上端部にトップバー18を表示させる。トップバー18は、ホーム画面または代表的な4つのジョブ(
図4に示す例では、シンプルコピー、シンプルファクス、シンプルスキャン、サードパーティーアプリ(OSA))に係る操作画面に遷移させる操作オブジェクト(ショートカットアイコン)が配置されている。さらに、システム情報の表示を受け付けるキー、ジョブ状況の表示を受け付けるキーが操作オブジェクトとして配置されている。
【0032】
図5は、
図4と異なるジョブ履歴画面の一例を示す説明図である。
図4に示すジョブ履歴表示域41に代えて
図5のジョブ履歴画面50では、ジョブ履歴制御部216が1つのジョブ履歴について、標準の状態(初期値)から変更されているすべての設定項目と各項目の設定内容をジョブ履歴表示域51に表示させる。ジョブ履歴表示域51に表示されているジョブ履歴は、
図4のジョブ履歴画面40において選択された状態のジョブ履歴に相当する。ジョブ履歴画面50において、別のジョブ履歴を選択する操作は、ジョブ履歴表示域51の下方に表示されるスクロールバー16により行う。ジョブ履歴制御部216は、ジョブ履歴画面50を表示させる場合、直近のジョブ履歴を選択してジョブ履歴表示域51に表示させる。スクロールバー16が右にスクロールされると、ジョブ履歴制御部216は順次古いジョブ履歴に選択を切り替えてジョブ履歴表示域51にその設定項目と設定内容を表示させる。逆に、スクロールバー16が左にスクロールされると、ジョブ履歴制御部216は順次新しいジョブ履歴に選択を切り替える。スクロールバー16は、ジョブ履歴表示域51に表示するジョブ履歴を切り替える操作オブジェクトである。
【0033】
図5に示す例では、選択されたジョブ履歴は、コピージョブであって給紙トレイとしてトレイ3が選択され、両面設定として片面原稿を両面印刷することが設定されている。さらに、縦向き1カ所のステープル綴じが設定され、濃度が標準の3.0より濃い4.0に設定されている。他の設定項目は標準状態のままである。標準状態から変更された項目が多くてジョブ履歴表示域51に一度に表示できない場合は
図4に示すような縦スクロールバーを用いてスクロール可能とし、すべての設定項目および設定値をジョブ履歴表示域51に表示できるようにすればよい。
この態様によれば、ジョブ履歴画面でジョブ履歴を呼び出す前に、ユーザはすべての設定項目と設定値を確認できる。よって、ジョブ履歴を呼び出してから設定を確認する必要がなくなる。また、スクロールバー16を操作することによって異なるジョブ履歴に表示を切り替えることができ、ジョブ履歴記憶部232に格納されている何れのジョブ履歴をもジョブ履歴画面に表示させ、そのすべての設定項目と設定値を確認できる。
【0034】
ここで、標準状態は操作制御部212がジョブに係る操作画面を表示する際に初期値として設定されている内容である。操作画面で初期値が変更されないままジョブが実行された設定項目は標準状態のままである。
少なくとも一部の初期値をユーザが選択あるいは設定できてもよい。その場合、現在選択あるいは設定されている初期値と実行されたジョブの設定値が同一であればその設定項目は標準状態である。
【0035】
図5は、コピージョブのジョブ履歴である。それに対して
図6は、スキャンジョブ(イメージ送信)のジョブ履歴の例を示している。
図6に示す例の場合、宛先(送信先)の初期値が空であり、他の設定項目は標準状態のままであるので、ジョブ履歴表示域61には2件の宛先が表示されている。2件の宛先のメールアドレスの全体がジョブ履歴表示域61に一度に表示されている。
【0036】
図5で述べたように、標準状態から変更された項目が多い場合や宛先の数が多くてジョブ履歴表示域61に一度に表示できない場合は
図4に示すような縦スクロールバーを用いてスクロール可能とし、すべての設定項目および設定値をジョブ履歴表示域61に表示できるようにすればよい。また、宛先のアドレスが長くてジョブ履歴表示域61の一行に表示できない場合は2行に折り返してもよいし、横スクロールバーを用いてスクロール可能としてもよい。
【0037】
図5に示す例では、横スクロールバーを用いてジョブ履歴の選択を切り替える態様を示している。
図6に示す例では、ジョブ履歴の選択を切り替える操作の異なる態様として、ジョブ履歴選択ボタン19を示している。横に並ぶ複数のボタンは、ジョブ履歴記憶部232に格納されている何れかのジョブ履歴に対応する。ジョブ履歴制御部216は格納されたジョブ履歴の数に応じたジョブ履歴選択ボタン19をジョブ履歴画面60に並置する。左端の黒いボタンは選択された状態にあってジョブ履歴表示域61に表示されているジョブ履歴に対応する。グレーのボタンは選択されていない他のジョブ履歴に対応する。
ジョブ履歴選択ボタン19を用いることにより、ジョブ履歴表示域61の表示を横スクロールさせる操作との区別が明確になる。また、各ジョブ履歴を直接的に選択する直感的な操作が可能になる。
【0038】
≪フローチャート≫
続いて、本開示において、ジョブ履歴画面に関して制御部210が実行する処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
図7および
図8は、制御部210が実行するジョブ履歴画面に関する処理の例を示すフローチャートである。
【0039】
操作制御部212として制御部210は、処理の実行を開始する時点で、画像処理装置200の操作ユニット240が有する表示デバイスの画面の画素数および画面のサイズに係るデータを取得する(
図7のステップS11)。そのデータは、操作ユニット240が有する表示デバイスの属性を示すものであって、操作ユニット240の表示デバイスから、あるいは記憶部230から取得可能であるとする。
操作制御部212は、表示画面の横方向の画素数(横画素数)が所定の値(一例として400画素)以上か否かを判定する(ステップS13)。
【0040】
横画素数が所定値以上の場合、続いて操作制御部212は、表示画面の縦方向の画素数(縦画素数)が所定の値(一例として200画素)以上か否かを判定する(ステップS15)。
縦画素数が所定値以上の場合、次に操作制御部212は、表示画面の横方向のサイズが所定の値(一例として150mm)以上か否かを判定する(ステップS17)。
【0041】
ステップS13、S15における縦横の画素数がいずれも所定値以上(判定がYes)であり、かつステップS17におけるサイズが所定値以上(判定がYes)の場合、操作画面に表示できる情報量が十分であると制御部210は判定する。そして、
図5および
図6に示すような態様のジョブ履歴画面を操作ユニット240に表示させることを決定する(ステップS19)。すなわち、選択されたジョブ履歴のすべての設定項目および設定値を一度に表示する態様のジョブ履歴画面を表示させるようにする。
【0042】
一方、ステップS13、S15における縦横の画素数の判定、ステップS17におけるサイズの判定の少なくとも何れかが条件を満たさない(判定がNo)の場合、操作画面に表示できる情報量が十分でないと制御部210は判定する。そして、
図4に示すような従来と同様の態様でジョブ履歴画面を操作ユニット240に表示させることを決定する(ステップS21)。すなわち、選択されたジョブ履歴の設定項目および設定値の何れかの表示を省略する可能性のある態様でジョブ履歴画面を表示させるようにする。
【0043】
図7に示すフローチャートは、その制御プログラムが複数種類の画像処理装置に適用されることを前提にしたものである。その制御プログラムが特定の機種の画像処理装置200にインストールされると、その操作ユニット240は決まっているので、ステップS13ないしS17に示す判定は常に同じ結果になる。しかし、異なる機種間においては、その制御プログラムの判定は異なる結果になり得る。また、実施の形態3として後述するように、ジョブ履歴画面を外部のデバイスに表示させる場合は、表示させるデバイスに応じて異なる判定結果になる。
【0044】
以上のようにして、ジョブ履歴画面に適用する表示態様を決定した後に、ジョブ履歴制御部216として制御部210は、ジョブ履歴画面を表示させる操作に応答してジョブ履歴画面を表示させる。そして、表示したジョブ履歴画面でユーザの操作がなされるのを待つ(ステップS23のNoのループ)。
以下の説明では、本開示に特徴的な
図5のジョブ履歴画面50を表示しているものとする。ただし、処理の内容は
図6に示すジョブ履歴画面60または
図4に示す従来と同様のジョブ履歴画面40についても同様である。
【0045】
ジョブ履歴画面50でユーザの操作を受け付けた場合、ジョブ履歴制御部216として制御部210は、受け付けた操作に応じた処理を行う。
図8に示すように、ジョブ履歴制御部216は[コピー]タブ13が操作されたか否かを判定する(ステップS31)。
[コピー]タブ13が操作された場合(ステップS31のYes)、ジョブ履歴表示域51に表示させているジョブ履歴がコピージョブに係るものでない場合、表示対象のジョブ履歴をコピージョブに係るものに切り替える(ステップS33)。すなわち、表示対象のジョブ履歴をコピージョブに係るものに絞り込む。そして、処理を
図7のステップS23に戻して、他の操作を待つ。
【0046】
ユーザにより行われた操作が[コピー]タブ13に対する操作でなかった場合(ステップS31のNo)、続いてジョブ履歴制御部216は[送信/保存]タブ14が操作されたか否かを判定する(ステップS35)。
[送信/保存]タブ14が操作された場合(ステップS35のYes)、ジョブ履歴表示域51に表示させているジョブ履歴がスキャンジョブ等、原稿を読み取って送信あるいは保存するジョブでない場合、表示対象のジョブ履歴を送信あるいは保存に係るものに切り替える(ステップS37)。すなわち、表示対象のジョブ履歴を送信あるいは保存に係るものに絞り込む。そして、処理を
図7のステップS23に戻して、他の操作を待つ。
【0047】
ユーザにより行われた操作が[送信/保存]タブ14に対する操作でなかった場合(ステップS35のNo)、続いてジョブ履歴制御部216はスクロールバー16が操作されたか否かを判定する(ステップS39)。
スクロールバー16が操作された場合(ステップS39のYes)、選択されたジョブ履歴をスクロール操作に応じたものに切り替えて、ジョブ履歴表示域51に表示させているジョブ履歴を選択されたジョブ履歴に更新する(ステップS41)。そして、処理を
図7のステップS23に戻して、他の操作を待つ。
【0048】
ユーザにより行われた操作がスクロールバー16に対する操作でなかった場合(ステップS39のNo)、続いてジョブ履歴制御部216は[削除]アイコン17が操作されたか否かを判定する(ステップS43)。
[削除]アイコン17が操作された場合(ステップS43のYes)、選択されたジョブ履歴を削除して新たなジョブ履歴を選択し、ジョブ履歴表示域51に新たに選択されたジョブ履歴を表示させる(ステップS45)。そして、処理を
図7のステップS23に戻して、他の操作を待つ。
【0049】
ユーザにより行われた操作が[削除]アイコン17に対する操作でなかった場合(ステップS43のNo)、続いてジョブ履歴制御部216は[全削除]キー21が操作されたか否かを判定する(ステップS51)。
[全削除]キー21が操作された場合(ステップS51のYes)、ジョブ履歴制御部216は、ジョブ履歴をすべて削除してよいかを確認する不図示のポップアップウィンドウを表示させる(ステップS53)。ポップアップウィンドウは、[OK]キーおよび[キャンセル]キーを含むものとする。ジョブ履歴制御部216は[OK]キーまたは[キャンセル]キーが操作されるのを待つ(
図9に示すステップS71のNo,S75のNoを経てS71へ戻るループ)。
【0050】
[OK]キーが押されたら(ステップS71のYes)、ジョブ履歴制御部216は、ジョブ履歴記憶部232に格納されているすべてのジョブ履歴を削除する(ステップS73)。全削除に伴い、ジョブ履歴表示域51は空白に更新する。そして、処理を
図7のステップS23に戻して、他の操作を待つ。
[キャンセル]キーが押された場合は(ステップS75のYes)、ジョブ履歴制御部216は、ポップアップウィンドウを削除する(ステップS77)。そして、処理を
図7のステップS23に戻して、他の操作を待つ。
【0051】
図8の説明に戻り、ユーザにより行われた操作がステップS51の[全削除]キー21に対する操作でなかった場合(ステップS51のNo)、続いてジョブ履歴制御部216は[呼び出し]キー22が操作されたか否かを判定する(ステップS59)。
[呼び出し]キー22が操作された場合(ステップS59のYes)、ジョブ履歴制御部216は選択されたジョブ履歴を呼び出して現在の設定に適用する。そして、表示しているジョブ履歴画面50を閉じて、呼び出されたジョブ履歴の設定が適用された操作画面を表示させる(ステップS65)。そして、処理を終了する。
【0052】
ユーザにより行われた操作が[呼び出し]キー22に対する操作でなかった場合(ステップS59のNo)、続いてジョブ履歴制御部216は[×]キー23が操作されたか否かを判定する(ステップS63)。
[×]キー23が操作された場合(ステップS63のYes)、ジョブ履歴制御部216は表示しているジョブ履歴画面50を閉じて、ジョブ履歴画面50を表示する前の操作画面に戻す(ステップS65)。そして、処理を終了する。
【0053】
ユーザにより行われた操作が[×]キー23に対する操作でなく、他の操作がなされた場合(ステップS67のNo)、操作されたキーに応じた処理および操作画面の更新を行って(ステップS69)、処理を終了する。
他の操作もなされず、ユーザの操作を待っている場合(ステップS67のNo)、ジョブ履歴制御部216は処理を
図7のステップS23に戻してユーザの操作を待つ。
以上が、ジョブ履歴画面の操作に係る処理の流れである。
【0054】
(実施の形態2)
実施の形態1で、操作画面に表示できる情報量が十分だと操作制御部212が判定した場合、
図5および
図6に示すように選択された1つのジョブ履歴のすべての設定項目および設定値を一度に表示する態様のジョブ履歴画面を表示させることを述べた。この実施の形態では、操作画面に表示できる情報量が複数のジョブ履歴のすべての設定項目および設定値を一度に表示可能と判定した場合のジョブ履歴画面の例を示す。
図10乃至
図12は、この実施形態に係るジョブ履歴画面の例を示す説明図である。
図10に示すように、ジョブ履歴制御部216は、ジョブ履歴画面100のジョブ履歴表示域101に2つのジョブ履歴103および104を表示させる。ジョブ履歴103および104の何れについても、すべての設定項目および設定値を一度に表示する。
【0055】
ジョブ履歴表示域101に複数のジョブ履歴103および104を表示させているので、何れのジョブ履歴が選択された状態かを示す必要がある。そこで、ジョブ履歴103の表示域に太い枠線を表示し、かつジョブ履歴103の表示域に選択状態アイコン102を表示させることにより、ジョブ履歴103が選択された状態であることを示している。太い枠線および選択状態アイコンが表示されていないジョブ履歴104は非選択の状態である。
【0056】
その状態で、ジョブ履歴104の表示域がタッチされると、ジョブ履歴制御部216は、選択状態のジョブ履歴をジョブ履歴104に切り替える。
図11は、ジョブ履歴104がタッチされて、選択された状態に切り替わった状態を示している。ジョブ履歴制御部216は、ジョブ履歴104の表示域に太い枠線を表示し、かつジョブ履歴104の表示域に選択状態アイコン102を表示させる。太い枠線および選択状態アイコンが表示されていないジョブ履歴103は非選択の状態である。
【0057】
図11に示す状態のジョブ履歴画面100で、スクロールバー16によってスクロールの操作がなされると、ジョブ履歴制御部216はジョブ履歴表示域101に表示させるジョブ履歴を更新する。具体的には、
図11でスクロールバー16の右端にある矢印キーが操作された場合、ジョブ履歴表示域101の表示を左側に一段階シフトさせる。即ち、左側に表示させていたジョブ履歴103を消し、その場所に右側に表示させていたジョブ履歴104を表示させる。そして、右側のジョブ履歴表示域に、ジョブ履歴105を表示させる。ジョブ履歴103は直近のジョブ履歴であり、ジョブ履歴104、105はその順にジョブ履歴103よりも古いジョブ履歴である。
選択状態アイコン102は、ジョブ履歴表示域101の右側に表示されるジョブ履歴に対して表示される。スクロール操作によって選択状態のジョブ履歴が切り替わるのは、
図5に示す例と同様である。
この実施の形態のように、操作画面に表示できる情報量が十分であれば、複数のジョブ履歴の設定項目および設定値を一度に表示させてもよい。そうすることで、ジョブ履歴画面でジョブ履歴を呼び出す前に、ユーザは複数のジョブ履歴のすべての設定項目と設定値を、画面を切り替えることなく一画面上で確認できる。よって、ジョブ履歴を呼び出してから設定を確認する必要がなくなる。また、スクロールバー16を操作することによって異なるジョブ履歴に表示を切り替えることができ、ジョブ履歴記憶部232に格納されている何れのジョブ履歴をもジョブ履歴画面に表示させ、そのすべての設定項目と設定値を確認できる。
【0058】
(実施の形態3)
実施の形態1では、画像処理装置200の操作ユニット240に表示させるジョブ履歴画面について述べた。しかし、本開示においてジョブ履歴画面を表示する対象はそれに限るものでなく、画像処理装置200と通信可能な外部の情報処理装置に表示させてもよい。画像処理装置200と通信し、表示デバイスと入力検出デバイスを有する情報処理装置であれば、画像処理装置200の制御部210が遠隔制御で情報処理装置にジョブ履歴画面を表示させ、表示されたジョブ履歴画面でユーザの操作を受け付けてもよい。
【0059】
図1および
図2に示す情報処理装置300(一例としてスマートフォン)は、この実施形態においてジョブ履歴画面を表示させる外部の情報処理装置を想定している。モバイルUIユニット340は、画像処理装置200の操作ユニット240に相当する。画面表示に係る指示は操作制御部212が行い、通信を介したモバイルUI制御部312が、その指示に応じた画面をモバイルUIユニット340に表示させる。モバイルUIユニット340が検出したユーザの操作は、モバイルUI制御部312が通信を介して操作制御部212に通知する。
【0060】
制御部210が遠隔制御でモバイルUIユニット340に表示させるジョブ履歴画面は、
図4乃至
図6と同様のものであってもよい。あるいは、
図10乃至
図12と同様のものであってもよい。
遠隔制御でモバイルUIユニット340にジョブ履歴画面を表示させる場合、
図7に示すフローチャートのステップS11の処理の前に、ジョブ履歴画面を表示させる対象をユーザに選択させるようにしてもよい。操作ユニット240に表示させるか、ユーザが使用するスマートフォン等の情報処理装置に表示させるかの選択である。ジョブ履歴画面を情報処理装置300に表示させる選択を受け付けた場合、制御部210は、モバイルUIユニット340を対象としてステップS11~S17の縦横の画素数およびサイズの判定を行う。
【0061】
あるいは、ジョブ履歴画面を表示させる操作を受け付けた際に、その時点でジョブ履歴画面を表示させる対象をユーザに選択させ、選択されたデバイスを対象に縦横の画素数およびサイズの判定を行うようにしてもよい。
図7に示すように処理の開始時点で縦横の画素数およびサイズの判定を行うのに代えて、ジョブ履歴画面を表示させる操作を受け付けた際に縦横の画素数およびサイズの判定を行うようにする。
この態様によれば、画像処理装置200の操作ユニット240の操作画面に表示できる情報量が十分でなくとも、十分な情報量を画面に表示できる情報処理装置があれば、その情報処理装置にジョブ履歴のすべての設定項目と設定値を表示させることができる。そうすれば、ジョブ履歴画面でジョブ履歴を呼び出す前に、ユーザはすべての設定項目と設定値を確認できる。よって、ジョブ履歴を呼び出してから設定を確認する必要がなくなる。
【0062】
以上の本開示において、1画面あるいは同一画面は、スクロール操作により表示域を移動させることにより表示可能な画面を含むものとする。表示デバイスの縦横の画素数に表示すべき情報が収まるか否かを予め判断できない場合がある。通常はスクロールをさせずに表示できる十分な画素数を有する表示デバイスであっても、表示すべき情報が常にその画素数に収まることを保証するのは困難だからである。例えば、同報送信の宛先が通常使用で想定される数件よりも多く、数十件ある場合などである。
【0063】
本開示には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれると解されるべきである。
前述した実施の形態の他にも、本開示についての種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。本開示に係る発明には、請求の範囲と均等の意味および本開示の範囲に属するすべての変形が含まれるべきである。
【符号の説明】
【0064】
12:[すべて]タブ、 13:[コピー]タブ、 14:[送信/保存]タブ、 16:スクロールバー、 17:[削除]アイコン、 18:トップバー、 19:ジョブ履歴選択ボタン、 21:[全削除]キー、 22:[呼び出し]キー、 23:[×]キー
30:ホーム画面、 31:アイコン表示域、 31J:[最近のジョブ]アイコン、 32: アイコン切替ボタン、 33:機能アイコン表示域、 40,50,60,100:ジョブ履歴画面、 41,51,61,101:ジョブ履歴表示域、 102:選択状態アイコン、 103,104,105:ジョブ履歴
200:画像処理装置、 210:制御部、 212:操作制御部、 214:ジョブ制御部、 216:ジョブ履歴制御部、 220:画像制御部、 230:記憶部、 232:ジョブ履歴記憶部、 240:操作ユニット、 250:画像処理部、 252:画像入力部、 254:原稿送り装置、 260:エンジン部、 262:給紙トレイ、 264:排出トレイ、 270:通信回路、 300:情報処理装置、 310:モバイル制御部、 312:モバイルUI制御部、 314:モバイルアプリ実行部、 330:モバイル記憶部、 340:モバイルUIユニット、 370:モバイル通信部