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  • 特開-熱源機 図1
  • 特開-熱源機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090163
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】熱源機
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/16 20220101AFI20240627BHJP
   F24H 9/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
F24H9/16 D
F24H9/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205871
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】中村 政晴
(72)【発明者】
【氏名】田村 竹年
(72)【発明者】
【氏名】川村 祐一
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AB04
3L037CB08
(57)【要約】
【課題】前板の下部の端部に錆が発生するのを防止できる熱源機を提供する。
【解決手段】
天板4と、右側面板と左側面板と背面板とからなる胴板6と、底板5と、天板4と胴板6と底板5により形成される開口部を覆う前板3とによりケース2が構成され、バーナ及び熱交換器を備えた燃焼装置をケース2に内蔵する熱源機に於いて、前板3の下部には底板5と接触する底面部13を設けると共に、底板5には前板3の底面部13と接触する受け部9を設け、底面部13の先端には受け部9と接触しない延長部15を形成したので、ケース2内部に侵入し前板3の下部に到達した雨水は、底面部13から延長部15に案内され、延長部15の先端に達して水滴となって流れるので、底板5と前板3の下面が接する端面にケース2内部に侵入した雨水が留まることがなく、底板5と前板3の下面が接する端面に錆が発生するのを防止できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、右側面板と左側面板と背面板とからなる胴板と、底板と、前記天板と前記胴板と前記底板により形成される開口部を覆う前板とによりケースが構成され、バーナ及び熱交換器を備えた燃焼装置を前記ケースに内蔵する熱源機に於いて、前記前板の下部には前記底板と接触する底面部を設けると共に、前記底板には前記前板の前記底面部と接触する受け部を設け、前記底面部の先端には前記受け部と接触しない延長部を形成したことを特徴とする熱源機。
【請求項2】
前記底板の先端部分は、前記底板の端部を立設した立ち上がり部と、該立ち上がり部の先端を水平方向に曲げて前記前板の前記底面部と接触する受け部と、該受け部に立設し前記前板の前記底面部と係合する係合部とを備え、前記底面部の先端に前記延長部を形成したことを特徴とする請求項1記載の熱源機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯装置や温水ボイラ等の熱源機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、燃焼部を備えた熱交換器を内蔵する筐体に、外部方向に向かって窪んでいる凹部と、その凹部と電装部品との間でその凹部を覆うカバー部とが設けられ、その凹部には、凹部の内部と筐体の外部とを連通している第1連通孔が設けられ、カバー部には、凹部の内部と筐体の内部とを連通している第2連通孔が設けられている。
そして、第1連通孔と第2連通孔とは、凹部とカバー部とが重なる方向から見て、互いにずれた位置に設けられているものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-183881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものでは、ケース内部に侵入した雨水が第2連通孔まで到達すれば、外部から雨水が侵入することなく第2連通孔から第1連通孔を通過してケースの外に排水することができるが、ケースを据置き設置する場合、設置作業やメンテナンス作業での作業性等をよくするために、ケースの底板の上にケースを構成する前板の下面が接する構造とすることが考えられる。
この場合、底板と前板の下面が接する端面にケース内部に侵入した雨水が留まり、ケース内部に侵入した雨水が排水用の孔まで到達せず、底板と前板の下面が接する端面に錆が発生してしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、天板と、右側面板と左側面板と背面板とからなる胴板と、底板と、天板と胴板と底板により形成される開口部を覆う前板とによりケースが構成され、バーナ及び熱交換器を備えた燃焼装置をケースに内蔵する熱源機に於いて、前板の下部には底板と接触する底面部を設けると共に、底板には前板の底面部と接触する受け部を設け、底面部の先端には受け部と接触しない延長部を形成したものである。
【0006】
又、請求項2では、受け部は、底板の端部を立設した立ち上がり部と、立ち上がり部の先端を水平方向に曲げて前板の底面部と接触する受け部と、受け部に立設し前板の底面部と係合する係合部とを備え、底面部の先端に延長部を形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の請求項1によれば、前板の下部には底板と接触する底面部を設けると共に、底板には前板の底面部と接触する受け部を設け、底面部の先端には受け部と接触しない延長部を形成したので、ケース内部に侵入し前板の下部に到達した雨水は、底面部から延長部に案内され、延長部の先端に達して水滴となって流れるので、底板と前板の下面が接する端面にケース内部に侵入した雨水が留まることがなく、底板と前板の下面が接する端面に錆が発生するのを防止できる。
【0008】
又、請求項2によれば、受け部は、底板の端部を立設した立ち上がり部と、立ち上がり部の先端を水平方向に曲げて前板の底面部と接触する受け部と、受け部に立設し前板の底面部と係合する係合部とを備え、底面部の先端に延長部を形成したので、ケース内部に侵入し前板の下部に到達した雨水は、底面部から延長部に案内され、延長部の先端に達して水滴となる。延長部は立ち上がり部の高さだけ底板より高いので、延長部の先端の水滴は自重により下に落下する。これにより、底板と前板の下面が接する端面にケース内部に侵入した雨水が留まることがなく、底板と前板の下面が接する端面に錆が発生するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の一実施形態の外観斜視図。
図2】同側面図。
図3】同前板と底板の係合箇所の要部断面図。
【0010】
??本発明の実施形態に係る熱源機の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
??本実施形態は、給湯用の熱源機としての給湯装置1に本発明を適用したものであり、バーナ(図示せず)及び熱交換器(図示せず)等を備えた燃焼装置(図示せず)と、燃焼装置等の動作の制御する基板ユニット(図示せず)とが給湯装置1の筐体をなすケース2に内蔵されている。
【0011】
燃焼装置は、送風ファン(図示せず)からの燃焼用空気の供給を受けて燃料を燃焼させるバーナと、バーナの燃焼により発生した燃焼排気から熱を回収して被加熱流体(例えば、水)を加熱する熱交換器(図示せず)と、熱交換器通過後の燃焼排気が流通する排気流路(図示せず)と、排気流路の最下流端に燃焼排気を外部に排気する排気口(図示せず)とを備えている。
【0012】
給湯装置1のケース2は、前板3と、天板4と、底板5と、右側面板及び左側面及び背面板を一体で形成した胴板6とで構成されているものであり、ケース2の前板3を外すと、ケース2の前面側が開口されて開口部(図示せず)を形成し、このケース2の前板3を外した状態において、基板ユニットは、ケース2内の上部側でかつ開口部に面した姿勢で設けられているものである。なお、通常、給湯装置1を使用する場合、開口部は前板3で閉じられている。
【0013】
??ここで、図3は前記開口部が前板3で閉じられている状態で、前板3の下部と底板5の係合状態を示す要部断面図である。
【0014】
図3に示すように、底板5の手前側の先端部分は、まず底板5のベース部7から略直角に立ち上がっている立ち上がり部8と、この立ち上がり部8を略直角に曲げて水平部分を形成している受け部9と、その受け部9の一部を上方に立ち上げて前板3の下部と係合する係合部10が設けられている。
【0015】
又、前板3は、断面略コの字状で、正面部11と、その左右の側面部12と、底面部13とからなり、底面部13は底板5の受け部9と接すると共に、底板5の係合部10が差し込まれる係合孔14が形成されている。
【0016】
又、前板3の底面部13の先端には延長部15が設けられている。
この延長部15は底板5の立ち上がり部8よりも奥側に形成されて、底板5の受け部9とは接しないように設けられている。
【0017】
次に、前板3の内側に雨水等が侵入した場合について説明する。
前板3の内側に侵入した雨水は、自重により前板3の内側を伝って前板3の底面部13に流れ落ちる。
【0018】
前板3の底面部13に流れ落ちた水は、一部が底板5の係合部10と係合孔14との隙間からケース2外に排水されるが、その隙間は狭いために僅かしか排水されず、残りの大部分の水は底面部13に沿って延長部15に向かって移動する。
【0019】
延長部15の先端に達した水は、延長部15の下面を伝って底板5の立ち上がり部8に移動し、そのままを伝って底板5のベース部7まで流れ、ベース部7に設けた排水口(図示せず)からケース2外に排水される。
【0020】
又、延長部15の先端に達した水が水滴となった場合は、その自重により延長部15の先端から下に落ちて底板5のベース部7に達し、ベース部7に設けた排水口(図示せず)からケース2外に排水される。
【0021】
以上のように、前板3の下部に底板5と接触する底面部13を設けると共に、底板5には前板3の底面部13と接触する受け部9を設け、底面部13の先端には受け部9と接触しない延長部15を形成したので、ケース2内に侵入し前板3の底面部13に到達した水は、延長部15が受け部9と接触しないために水が留まらずに流れていき、底板5と前板3の下面の底面部13が接する部分に錆が発生するのを防止できる。
【0022】
又、底板5の先端部分は、底板5の端部を立設した立ち上がり部8と、立ち上がり部8の先端を水平方向に曲げて前板3の底面部13と接触する受け部9と、受け部9に立設し前板3の底面部13と係合する係合部10とを備え、底面部13の先端に延長部15を形成したので、水が延長部15から立ち上がり部8に伝って流れ落ちたり、延長部15と底板5との間の落差で水の自重により延長部15から落下する。
それにより前板3の底面部13に水が留まらずに流れていき、底板5と前板3の下面の底面部13が接する部分に錆が発生するのを防止できる。
【0023】
??なお、本発明は、先に説明した一実施形態に限定されるものでなく、本実施形態では、ケース2内部に燃焼装置と燃焼装置等の動作の制御する基板ユニットを備える熱源機としての給湯装置1に本発明を適用したが、ケース2内部に燃焼装置と燃焼装置等の動作の制御する基板ユニットを備える熱源機としての温水ボイラーに本発明を適用してもよいものである。
【符号の説明】
【0024】
1 給湯装置
2 ケース
3 前板
4 天板
5 底板
6 胴板
9 受け部
13 底面部
15 延長部
図1
図2
図3