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特開2024-90167製造制御装置、製造制御方法、製造制御プログラム、および製造システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090167
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】製造制御装置、製造制御方法、製造制御プログラム、および製造システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20240627BHJP
   G05B 19/042 20060101ALI20240627BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20240627BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G05B19/042
B25J13/00 Z
G07G1/12 361C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205877
(22)【出願日】2022-12-22
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】516207584
【氏名又は名称】システム・チューニング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166051
【弁理士】
【氏名又は名称】駒津 啓佑
(72)【発明者】
【氏名】柴山 公一
(72)【発明者】
【氏名】米本 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 義幸
【テーマコード(参考)】
3C100
3C707
3E142
5H220
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA29
3C100BB15
3C100BB39
3C100CC02
3C707AS05
3C707BS10
3C707BT01
3C707CV08
3C707CW08
3C707ES03
3C707HS27
3C707JS03
3C707MS27
3E142AA07
3E142CA13
3E142EA04
3E142FA02
3E142FA08
3E142GA23
5H220AA05
5H220BB18
5H220CC06
5H220CC08
5H220CX01
5H220CX09
5H220HH04
5H220JJ12
5H220JJ22
5H220JJ26
5H220JJ29
5H220JJ32
5H220JJ51
(57)【要約】
【課題】 1つのロボットアーム装置と既存の自動化装置を制御することで、大掛かりなシステムを新たに導入するよりもコストを抑え、より短い時間で商品の製造が可能な制御装置、制御方法、および製造システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、ロボットアームで仕掛品を第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、第一自動化装置が第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、第二自動化装置が処理する第二動作のうち、第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、ロボットアームと、を制御して仕掛品から製品を製造する製造制御装置において、
前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングを制御するタイミング制御部、
を備えることを特徴とする製造制御装置。
【請求項2】
前記タイミング制御部は、
あらかじめ記録された前記第一動作に必要な時間と、あらかじめ記録された前記第二自動化装置の前記事前動作に必要な時間と、によって前記事前動作を開始させるタイミングを制御すること、
を特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記第一自動化装置、前記第二自動化装置、または前記ロボットアームの動作状況を監視するステータス監視部を備え、
前記タイミング制御部は、
前記ステータス監視部監視した前記動作状況に応じて、前記事前動作を開始させるタイミングを制御することを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項4】
前記タイミング制御部は、
前記ステータス監視部が確認した所定の動作の完了後に、前記事前動作を開始させるタイミングを制御することを特徴とする請求項3記載の制御装置。
【請求項5】
前記タイミング制御部は、
前記ステータス監視部が確認した所定の動作に必要な時間に応じて、前記事前動作を開始させるタイミングを制御することを特徴とする請求項3記載の制御装置。
【請求項6】
仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、ロボットアームと、を制御して仕掛品から製品を製造する製造制御方法において、
前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御するステップ、
を備えることを特徴とする製造制御方法。
【請求項7】
仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、ロボットアームと、を制御して仕掛品から製品を製造する製造制御プログラムにおいて、
コンピューターを、
前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングを制御するタイミング制御部、
として機能させることを特徴とする製造制御プログラム。
【請求項8】
注文情報に基づきロボットアームを用いて仕掛品から製品を製造する製造システムにおいて、
仕掛品を処理する第一自動化装置と、
前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、
前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングを制御するタイミング制御部を具備する制御装置と、
を備えることを特徴とする製造システム。
【請求項9】
前記注文情報を注文者から受け付けて精算を行う自動受付精算装置を備え、
前記制御装置は、
前記自動受付精算装置が受け付けた前記注文情報を取得する注文情報取得部、
を備えることを特徴とする請求項8記載の製造システム。
【請求項10】
前記第一自動化装置、前記第二自動化装置、および前記ロボットアームを収容して、製造エリアを確保し、前記製造エリア外からの侵入を防止するパーテーション、
を備えることを特徴とする請求項8記載の製造システム。
【請求項11】
前記パーテーションを介して前記製造エリアの内部と外部とを仕切る仕切扉が設けられたテーブル本体部を具備する回転テーブルを備え、
前記制御装置は、前記回転テーブルを回転させて前記製品を提供すること、
を特徴とする請求項10記載の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、および制御プログラムに関し、特に仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、ロボットアームと、を制御する制御装置、制御方法、制御プログラム、および製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生産性の向上や、コストの削減、人件費の削減、品質の安定化などのため、様々な場面で自動化装置が利用されている。たとえば製氷機構により製氷した氷をカップ等の容器に排出する製氷機構付きアイスディスペンサや、コーヒー豆を挽くグラインダを備えたコーヒーマシンなどが挙げられる(たとえば、特許文献1、2参照)。
【0003】
一般的に小規模な飲食店等では、これらの自動化装置を人が利用して仕掛品から完成品を生産することで、生産性の向上や、コストの削減、人件費の削減、品質を安定させることができる。
【0004】
具体的には、容器を手で持った人が、アイスディスペンサによって氷を容器内に投入し、その氷が入った容器にコーヒーマシンにより製造されるコーヒー液を注ぐことでアイスコーヒーが製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018‐54158号公報
【特許文献2】特開2022‐144797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年の新型コロナウイルス感染症の流行によって、人と人との接触を減らすことが重要な新型コロナウイルス感染症の対策のひとつとされている。
しかし上記のように自動化装置を利用したとしても、容器を手で持つ人が介在することで、人と人との接触感染を回避することはできない。そこで人を介在させない方法としては、工場などで利用される自動ロボット等を利用した一連のシステムとして製造実行システムを新たに構築することが考えられる。
【0007】
ところが小規模な飲食店等でこのような製造実行システムを新たに構築するとコストが高くなり費用対効果が悪い問題や、既存の機械を利用することができないため既存の機械が無駄になってしまう問題、また小規模な飲食店等では利用できるスペースが限られているため大掛かりな製造実行システムが導入できない問題がある。
【0008】
そこで既存の自動化装置を利用でき、かつ人と人との接触を減らすことが可能な方法として、人間の手のような動作を行うことができるロボットアーム装置の導入が考えられる。
【0009】
たとえば、上記のような自動化装置を利用して注文を受けたアイスコーヒーを人間が製造する場合、手でカップを取る工程、カップに氷を入れる工程、氷が入ったカップにコーヒーを注いでアイスコーヒーを完成させる工程、完成したアイスコーヒーを注文者に提供する工程などがある。
【0010】
これらの工程のうち、人の手で行う動作をロボットアーム装置に置き換えることで、人と人との接触を減らすことはできるが、ロボットアーム装置による動作は人間と比較して、きめ細やかな動作が不得意であるため、現実問題としてロボットアーム装置を使うには動作を遅くするしかなく、注文者にアイスコーヒーなどの商品を提供するまでに時間がかかってしまう問題がある。
【0011】
ここでロボット装置の動作を早くすることで、商品を提供するまでの時間を短縮することも考えられるが、動作を速くすることでカップに注いだコーヒーが溢れてしまったり、カップへの氷の投入が完了する前に次の工程へ移動してしまったりすることが考えられるため実用化は難しい。
【0012】
また人間には2本の手があるため、同時に2つの動作を行うことができる。このため商品を素早く注文者に提供することができる。具体的には、左手で取ったカップに氷を投入させながら、右手でコーヒーマシンを操作して、氷が投入されたカップにコーヒーを注ぐことができる。
【0013】
そこで、この人間の2本の手の動作に代えて、2つのロボットアーム装置を導入することで、2つのロボットアーム装置が同時に異なる動作をすることができるため、注文者への商品の提供時間は短縮させることが可能になる。しかし、2つのロボットアーム装置を導入してしまうと、導入コストが高くなるため費用対効果が悪い。また2つのロボットアーム装置が動作可能なスペースも確保しなくてはならない。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、1つのロボットアーム装置と既存の自動化装置を制御することで、大掛かりなシステムを新たに導入するよりもコストを抑え、より短い時間で商品の製造が可能な制御装置、制御方法、制御プログラム、および製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では上記問題を解決するために、仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、ロボットアームと、を制御して仕掛品から製品を製造する製造制御装置において、前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングを制御するタイミング制御部を備えることを特徴とする製造制御装置が提供される。
【0016】
これにより、第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、ロボットアームで仕掛品を第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、第一自動化装置が第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、第二自動化装置が処理する第二動作のうち、第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御する。
【0017】
また、本発明では、仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、ロボットアームと、を制御して仕掛品から製品を製造する製造制御方法において、前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御するステップを備えることを特徴とする製造制御方法が提供される。
【0018】
これにより、第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、ロボットアームで仕掛品を第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、第一自動化装置が第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、第二自動化装置が処理する第二動作のうち、第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御する。
【0019】
また、本発明では、仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、ロボットアームと、を制御して仕掛品から製品を製造する製造制御プログラムにおいて、コンピューターを、前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングを制御するタイミング制御部として機能させることを特徴とする製造制御プログラムが提供される。
【0020】
これにより、第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、ロボットアームで仕掛品を第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、第一自動化装置が第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、第二自動化装置が処理する第二動作のうち、第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御する。
【0021】
また、本発明では、注文情報に基づきロボットアームを用いて仕掛品から製品を製造する製造システムにおいて、仕掛品を処理する第一自動化装置と、前記第一自動化装置が処理した仕掛品を処理する第二自動化装置と、前記第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、前記ロボットアームで仕掛品を前記第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、前記第一自動化装置が前記第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、前記第二自動化装置が処理する第二動作のうち、前記第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングを制御するタイミング制御部を具備する制御装置とを備えることを特徴とする製造システムが提供される。
【0022】
これにより、仕掛品を第一自動化装置が処理し、第一自動化装置が処理した仕掛品を第二自動化装置が処理し、制御装置で、第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、ロボットアームで仕掛品を第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、第一自動化装置が第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、第二自動化装置が処理する第二動作のうち、第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の製品制御装置、製品制御方法、製品制御プログラム、および製造システムによれば、第一自動化装置に仕掛品を処理させた後に、ロボットアームで仕掛品を第二自動化装置に受け渡す動作である第一動作に対して、第一自動化装置が第二自動化装置に仕掛品を受け渡すタイミングに合わせて、第二自動化装置が処理する第二動作のうち、第二自動化装置が受け渡された仕掛品の処理を開始する前工程の動作である事前動作を開始させるタイミングをタイミング制御部が制御するので、第一動作と第二動作とを同時に進行させることがき、第一自動化装置から第二自動化装置に受け渡すタイミングに待機時間が生じることがない。
【0024】
このため、1つのロボットアーム装置と既存の自動化装置を制御することで、大掛かりなシステムを新たに導入するよりもコストを抑え、より短い時間で商品の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の実施の形態に係る制御装置および受注製造提供システム全体の概念を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態の自動化装置動作命令手段の詳細を示すブロック図である。
図3】情報記憶手段の詳細を示すブロック図である。
図4】自動受付精算装置が備える注文情報記憶手段が記憶する注文情報の情報構造例を示す図である。
図5】製造工程命令情報記憶部が記憶する製造工程命令情報の情報構造例を示す図である。
図6】自動化装置動作命令情報記憶部が記憶する自動化装置動作命令情報の情報構造例を示す図である。
図7】注文情報受付手段が注文情報を受け付けてから、受け付けた注文情報を自動化装置動作命令手段に送信するまでの処理を示すフローチャートである。
図8】受注製造提供システムに注文情報が入力されてから、注文商品が提供されるまでの処理を示すフローチャートである。
図9】制御装置、ロボットアーム装置、カップディスペンサー、自動製氷装置、自動コーヒーマシン、および自動回転テーブルの間において、カップディスペンサーからカップを取り出す動作の自動化装置動作命令をロボットアーム装置に制御装置が送信してから、自動回転テーブルを介して製造した商品であるアイスコーヒーを提供するまでの各装置の動作を示すシーケンスフローチャートである。
図10】第2の実施の形態における自動化装置動作命令手段の詳細を示すブロック図である。
図11】タイミング制御部が、自動化装置命令部に最初の自動化装置命令を命令させてから、次の自動化装置命令を自動化装置命令部に命令させるまでの処理を示すフローチャートである。
図12】タイミング制御部が、自動化装置命令部に最初の自動化装置命令を命令させてから、次の自動化装置命令を自動化装置命令部に命令させるまでの処理を示すフローチャートである。
図13】制御装置、ロボットアーム装置、カップディスペンサー、自動製氷装置、自動コーヒーマシン、および自動回転テーブルの間において、制御装置が自動化装置のステータスを監視するなか、カップディスペンサーからカップを取り出す動作の自動化装置動作命令をロボットアーム装置に制御装置が送信してから、自動回転テーブルを介して製造した商品であるホットコーヒーを提供するまでの各装置の動作を示すシーケンスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る制御装置および受注製造提供システム全体の概念を示すブロック図である。
【0027】
本発明の受注製造提供システム1000は、たとえば喫茶店やレストランなどの飲食店で利用されている自動化された製氷機やコーヒーマシンなどの自動化装置を利用して、人を介することなく自動で製品の受注を受けてから仕掛品を完成品に仕上げて注文者に製品を提供するためのシステムである。
【0028】
なお、本実施の形態では、注文者からの注文を受けて、あらかじめ用意された仕掛品であるカップに氷や飲料を注ぐことで完成品に仕上げた製品を注文者に提供するまでの工程を受注製造提供システム1000が行う例で以下を説明する。
【0029】
図1に示すように、受注製造提供システム1000は、制御装置100、自動受付精算装置200、ロボットアーム装置300、カップディスペンサー400、自動製氷装置500、自動コーヒーマシン600、および自動回転テーブル700を備えている。
【0030】
また、制御装置100、自動受付精算装置200、ロボットアーム装置300、自動コーヒーマシン600、および自動回転テーブル700は、たとえばイントラネットや、インターネット、または移動体通信ネットワークなどのネットワーク800を介して接続され、互いに通信することができる。
【0031】
また、仕掛品から完成品を製造するための製造エリアを区分けし、人と人との接触や飛沫拡散、吸入を軽減するためのパーテーションPが設置され、パーテーションPで区切られた製造エリアの内側に、ロボットアーム装置300、カップディスペンサー400、自動製氷装置500、自動コーヒーマシン600が設置されている。
【0032】
パーテーションPの一部には、製造エリアから完成品を注文者に提供するための受渡口Dが設けられ、受渡口Dと同じ大きさの後述する仕切扉720を備えた自動回転テーブル700が受渡口Dに設置されて回転することで、ロボットアーム装置300と人とが接触することなく完成品を注文者に提供することができる。
【0033】
制御装置100は、ネットワーク800を介して接続された自動受付精算装置200、ロボットアーム装置300、自動コーヒーマシン600、および自動回転テーブル700の動作を制御するためのものであって、注文情報受付手段110、自動化装置動作命令手段120、および情報記憶手段130を備えている。制御装置100の各構成については後述する。
【0034】
自動受付精算装置200は、注文者が注文を入力することで後に製造エリアで製造する注文情報が入力され、その入力された注文情報に基づいて注文者と決済を自動で行うための装置である。
【0035】
たとえば自動受付精算装置200はタッチパネル式の入力画面を備えており、タッチパネル式の入力画面には、製造エリアで製造可能な製品であるホットコーヒー、アイスコーヒー、ホットカフェラテ、およびアイスカフェラテの各種注文ボタンと価格が表示される。この他、製造エリアで製造しない既製品であるパック製品や焼成菓子など注文ボタンと価格を表示することもできる。
【0036】
注文者が任意の注文ボタンをタッチし、入力画面に表示された精算ボタンをタッチし、必要な金銭を自動受付精算装置200に投入することで決済が完了となる。自動受付精算装置200は必要に応じて注文者に対してお釣りを返金したり、領収書を発行したりすることができる。
【0037】
また自動受付精算装置200は金銭による決済だけでなく、金銭を伴わない決済、いわゆるキャッスレス決済機能を備えることで、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード、バーコード、または電子マネーによる決済を行うことができる。
【0038】
注文者が自動受付精算装置200に入力した注文情報は、ここでは図示しない自動受付精算装置200が備える注文情報記憶手段に記憶される。本実施の形態では、注文者が自動受付精算装置200に入力した注文情報が注文情報記憶手段に蓄積される例で示すが、注文情報記憶手段に入力された注文情報を制御装置100に自動受付精算装置200が送信してもよい。
【0039】
ロボットアーム装置300は複数の可動部を備え、パーテーションPによって囲まれた製造エリア内で稼働し、後述する制御装置100によって送信された命令プログラムによって、人間の腕のように動作するロボットである。
【0040】
ロボットアーム装置300の先端部には把持機構310が設けられ、仕掛品であるカップを把持し、把持したカップを移動させることができる。また、ロボットアーム装置300の先端部に備えられる把持機構310を利用して、カップディスペンサー400や自動製氷装置500を動作させるスイッチを押下することができる。
【0041】
具体的に、ロボットアーム装置300は、把持機構310、第一旋回部320、第一アーム部330、第一可動部340、第二アーム部350、第二可動部360、第三アーム部370、第三可動部380、および第二旋回部390を備えている。
【0042】
把持機構310は、ロボットアーム装置300の先端に備えられた、仕掛品であるカップなど様々な部材を把持することができる機構を備えたものである。また、把持機構310の先端部を介してボタンなどの対象物を押下することができる。
【0043】
第一旋回部320は、把持機構310を旋回させるためのものであり、モーターなどの動作により、把持機構310を360度任意の向きに旋回させることができる。把持機構310は、第一旋回部320の動作により任意の向きで各部材を把持することができる。
【0044】
第一アーム部330は、把持機構310、および第一旋回部320を支持するためのものであって所望の長さの剛体で形成されている。
【0045】
第一可動部340は、第一アーム部330および把持機構310を垂直方向に首振り可動させるためのものであり、モーターなどの動作により、第一アーム部330および把持機構310を任意の角度に傾斜させることができる。把持機構310は、第一可動部340の動作により任意の角度で対象物を把持または押下することができる。
【0046】
第二アーム部350は、把持機構310、第一旋回部320、第一アーム部330、および第一可動部340を支持するためのものであり、所望の長さの剛体で形成されている。
【0047】
第二可動部360は、第二アーム部350を垂直方向に首振り可動させるためのものであり、モーターなどの動作により、第二アーム部350を任意の角度に傾斜させることができる。把持機構310は、第一可動部340および第二可動部360の動作により任意の角度で対象物を把持または押下することができる。
【0048】
第三アーム部370は、把持機構310、第一旋回部320、第一アーム部330、第一可動部340、第二アーム部350、および第二可動部360を支持するためのものであり、所望の長さの剛体で形成されている。
【0049】
第三可動部380は、第三アーム部370を垂直方向に首振り可動させるためのものであり、モーターなどの動作により、第三アーム部370を任意の角度に傾斜させることができる。把持機構310は、第一旋回部320、第一可動部340、および第二可動部360の動作により任意の角度で対象物を把持または押下することができる。
【0050】
第二旋回部390は、第三アーム部370を旋回させるためのものであり、モーターなどの動作により、第三アーム部370を360度任意の向きに旋回させることができる。把持機構310は、第一旋回部320、第一可動部340、および第二可動部360、第二旋回部390の動作により任意の向きで対象物を把持または押下することができる。
【0051】
ロボットアーム装置300は、製造エリア内の床や壁などの任意の場所に固定され、制御装置100によって送信された命令プログラムによって動作を行なう。なお、本実施の形態のロボットアーム装置300は、人間の腕のように動作するロボット装置の一例であり、他の形態のロボット装置を採用することもできる。
【0052】
カップディスペンサー400は、内部に収納されたカップCを供給するための装置であって、本実施の形態のカップディスペンサー400は、カップ収納部410、カップ取出ボタン420、およびカップホルダー部430を備えている。
【0053】
カップ収納部410は、カップCの呑口部を上方に向けて複数重ねられたカップCを収納するための筒状の収納体である。
カップ取出ボタン420は、カップ取出ボタン420を押下することで、重ねてカップ収納部410に収納されたカップCのうち、最下層のカップCの呑口部と、その上層のカップCの呑口部とを切り離すための切り離し機構が連動して動作する構成となっている。カップ取出ボタン420を押下することで、切り離し機構が動作し、切り離された最下層のカップCだけが下方に落下する。
【0054】
カップホルダー部430は、カップ取出ボタン420を押下することで落下した最下層のカップCを保持するためのものであり、たとえばカップCの呑口部の外径よりも弾性力によって保持可能なホルダー機構を備えている。このホルダー機構によって落下した1つカップCは保持される。
【0055】
カップホルダー部430に保持されたカップCは、引き抜く動作をすることで弾性力によって保持されたホルダー機構が広がり、カップホルダー部430から最下層のカップCだけを引き抜くことができる。なお、本実施の形態のカップディスペンサー400は、カップを提供するカップ提供装置の一例であり、他の形態のカップ提供装置を採用することもできる。
【0056】
自動製氷装置500は、本体内部で製造した氷を供給するための装置であって、本実施の形態の自動製氷装置500は、製氷部本体510、氷排出ボタン520、氷排出口530、およびカップ台540を備えている。
【0057】
製氷部本体510は、ここでは図示しない氷を製氷する製氷機構と、製氷機構により製氷された氷を貯える貯氷槽と、貯氷槽内に貯えた氷を排出する排出機構と、貯氷槽内の氷を排出機構に搬送する搬送機構とを備えており、カップ台540は、氷排出口530から排出された氷を受けるカップを載置するためのものである。
【0058】
氷を製氷する製氷機構は、ここでは図示しない氷を製氷する製氷部と、製氷部で製氷するための製氷水を貯えるタンクと、タンク内の製氷水を製氷部との間で循環させる製氷水回路を備えている。
【0059】
製氷部に送られる製氷水を漸次凍結させて氷を製造する製氷運転と、製氷運転の後に製氷部で凍結させた氷の表面を融かして製氷部から氷を貯氷槽に落下させる除氷運転とを交互に実行させることで貯氷槽内に貯える氷が製氷される。
【0060】
氷排出ボタン520を押下すると、ここでは図示しない制御装置がモーターなどの動作により氷が定量収容された氷定量器が回転し、氷排出口530からカップ台540の上に
載置したカップ等の容器に氷を排出させる。なお、本実施の形態の自動製氷装置500は、製氷した氷を提供する製氷装置の一例であり、他の形態の製氷装置を採用することもできる。
【0061】
自動コーヒーマシン600は、本体内部で製造したコーヒー等の飲料を供給するための装置であって、本実施の形態の自動コーヒーマシン600は、飲料製造部本体610、飲料供給ボタン620、飲料排出口630、カップ台640、およびネットワーク800に接続可能な制御部650を備えている。
【0062】
飲料製造部本体610は、ここでは図示しない焙煎コーヒー豆から挽き豆を生成する豆処理部と、豆処理装置が生成した挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出部とを備えており、カップ台640は、飲料排出口630から排出された飲料を受けるカップを載置するためのものである。
【0063】
抽出部は、ここでは図示しない豆処理装置から供給される挽き豆が投入される抽出容器と、挽き豆が投入された抽出容器にお湯を投入するための流体供給ユニットとを備えている。
【0064】
飲料供給ボタン620を押下すると、豆処理部によって挽き豆が生成され、挽き豆が投入された抽出容器にお湯が投入されることで、抽出容器内で挽き豆からコーヒー液が抽出され、飲料排出口630からカップ台640の上に載置したカップ等の容器にコーヒー等の飲料が排出される。
【0065】
また、自動コーヒーマシン600は、ネットワーク800に接続可能かつ飲料の製造を、ネットワーク800を介して接続された端末機器から指示可能な制御部650を備えている。
【0066】
これにより、ネットワーク800および制御装置100を介して接続された端末機器から飲料製造の指示を自動コーヒーマシン600に対して命令することで、自動コーヒーマシン600は、命令に基づいた飲料を製造することができる。なお、本実施の形態の自動コーヒーマシン600は、製造したコーヒー等の飲料氷を提供する自動飲料製造装置の一例であり、他の形態の自動飲料製造装置を採用することもできる。
【0067】
自動回転テーブル700は、製造エリアで製造された完成品を注文者に提供するための装置であって、本実施の形態の自動回転テーブル700は、テーブル本体部710、仕切扉720、およびネットワーク800に接続可能な制御部730を備えている。
【0068】
テーブル本体部710は、製造エリアで製造された完成品を載置するための円盤状の平板材である。
【0069】
仕切扉720は、製造エリアを区切るための仕切材であって、パーテーションPの一部に設けられた受渡口Dと同じ大きさで形成され、テーブル本体部710の中心部から垂直方向に向けて、受渡口Dを閉口可能に設けられる。
【0070】
仕切扉720が設けられたテーブル本体部710の中心には、ここでは図示しない回転軸が設けられており、この回転軸をモーターなどの動作により回転させることで、仕切扉720が設けられたテーブル本体部710の回転軸を中心に任意の角度で回転させることができる。
【0071】
制御部730は、回転軸を回転させるためのモーターを制御するための装置であって、ネットワーク800を介して接続された端末機器からテーブル本体部710を回転させる指示を自動回転テーブル700に対して命令することで、自動回転テーブル700は、命令に基づいて回転する。
【0072】
具体的に自動回転テーブル700は、仕切扉720が受渡口Dを閉口している状態を基準として、テーブル本体部710の回転軸を中心にしてテーブル本体部710を180度ずつ回転するように制御部730によって制御されている。
【0073】
テーブル本体部710のうち、製造エリアで製造された完成品をロボットアーム装置300の動作により製造エリア側に載置し、テーブル本体部710の回転軸を中心にしてテーブル本体部710を180度回転させることで、回転後に完成品は製造エリアから注文者側に移動し、かつ仕切扉720が受渡口Dを閉口した状態となる。これにより、ロボットアーム装置300と人とが接触することなく完成品を注文者に提供することができる。
【0074】
制御装置100は、製造エリア内でネットワーク800を介して接続された自動化装置およびロボットアーム装置300の動作を制御するための装置であって、注文情報受付手段110、自動化装置動作命令手段120、および情報記憶手段130を備えており、製造エリア内に設置されたロボットアーム装置300、自動コーヒーマシン600、および自動回転テーブル700にネットワーク800を介して接続されている。また制御装置100は、製造エリア外でネットワーク800を介して自動受付精算装置200にも接続されている。
【0075】
注文情報受付手段110は、制御装置100に入力された注文情報を受け付けるためのものであって、自動化装置動作命令手段120およびネットワーク800を介して自動受付精算装置200に接続されており、自動受付精算装置200から制御装置100に入力された注文情報または自動受付精算装置200から取得した注文情報を受け付ける。
具体的に注文情報受付手段110は、注文情報を取得するための注文情報取得部111および注文情報受付部112を備えている。
【0076】
注文情報取得部111は、ネットワーク800を介して接続された自動受付精算装置200から注文情報を取得するためのものである。具体的に、注文者が自動受付精算装置200に入力した注文情報は、ここでは図示しない自動受付精算装置200が備える注文情報記憶手段に蓄積されており、注文情報取得部111は定期的に自動受付精算装置200が備える注文情報記憶手段にネットワーク800を介して定期的に、たとえば1秒毎にアクセスして注文情報が追加されていないか確認する。
【0077】
注文情報記憶手段に新たな注文情報が追加されていたら、追加された注文情報を取得する。取得した注文情報は注文情報受付手段110が備える注文情報受付部112に送信する。
【0078】
注文情報取得部111が注文情報記憶手段から注文情報を取得したら、注文情報記憶手段に記憶された取得済みの注文情報に注文情報取得部111が注文情報を取得したことを示すフラグをたてるか、取得した注文情報を削除することができる。または、制御装置100が備える情報記憶手段130に取得した注文情報を記憶させ、情報記憶手段130に記憶させた注文情報に対して製造エリア内の機器に製造を開始する指示を出したことを示すフラグをたててもよい。
【0079】
注文情報受付部112は、注文情報受付手段110が備える注文情報受付部112、ネットワーク800を介して接続された自動受付精算装置200、あるいはここでは図示しない注文情報入力手段から入力された注文情報を受け付けるためのものである。
【0080】
注文情報取得部111が自動受付精算装置200から取得した注文情報は、注文情報受付部112に送信され、注文情報取得部111が送信した注文情報を注文情報受付部112が受け付ける。注文情報受付部112が受け付けた注文情報は自動化装置動作命令手段120に送信される。
【0081】
また注文情報受付部112は、注文情報取得部111が送信した注文情報を受け付けるだけでなく、注文情報記憶手段に入力された注文情報を制御装置100に自動受付精算装置200が送信する機能を有する場合には、自動受付精算装置200が送信した注文情報を注文情報受付部112が受け付けることができる。
【0082】
また、ここでは図示しないキーボードやスキャナーなどの注文情報入力手段を介して制御装置100に入力された注文情報を注文情報受付部112が受け付けることができる。たとえば口頭で受け付けた注文をキーボードで受注者が注文情報を入力する場合は、スキャナーを介して紙などに記入された注文情報を読み取り、そのスキャナーが読み取った注文情報を注文情報受付部112が受け付けてもよい。
【0083】
自動化装置動作命令手段120は、注文情報受付手段110が受け付けた注文情報に基づいて、パーテーションPで区切られた製造エリアの内側に設置されてネットワーク800を介して接続されたロボットアーム装置300と自動コーヒーマシン600と、およびパーテーションPを跨ぐように設置されてネットワーク800を介して接続された自動回転テーブル700の動作を命令するためのものであって、注文情報受付手段110および情報記憶手段130に接続されている。また、自動化装置動作命令手段120が注文情報受付手段110より送信された注文情報は、接続された情報記憶手段130に記憶させることができる。
【0084】
具体的に自動化装置動作命令手段120は、ネットワーク800を介して接続された自動化装置であるロボットアーム装置300、自動コーヒーマシン600、および自動回転テーブル700に対して動作を命令するための自動化装置命令部121、および自動化装置命令部121が自動化装置に対して行う命令を制御するための自動化装置命令制御部122を備えている。
【0085】
自動化装置命令部121は、ネットワーク800を介して接続されたロボットアーム装置300、自動コーヒーマシン600、および自動回転テーブル700に対して、自動化装置命令制御部122による制御に基づいて動作を命令するためのものである。
【0086】
自動化装置命令制御部122は、注文情報受付手段110が受け付けた注文情報に関連し、かつ情報記憶手段130に記憶された商品製造工程命令プログラムに基づいて、ネットワーク800を介して接続された自動化装置を最適なタイミングで動作させる命令プログラムを自動化装置命令部121に命令させる制御を行うためのものである。
【0087】
たとえば一般的な工程で製造エリア内の自動化装置でアイスコーヒーを製造する場合、カップディスペンサー400からロボットアーム装置300の動作によってカップを把持し、ロボットアーム装置300が把持したカップを自動製氷装置500に載置し、ロボットアーム装置300の動作によって自動製氷装置500を操作して載置したカップに氷を投入し、ロボットアーム装置300が把持した氷入りのカップを自動コーヒーマシン600に載置し、ロボットアーム装置300の動作によって自動コーヒーマシン600が動作を開始し、挽き豆処理や、抽出処理が行われた後に、載置した氷入のカップにコーヒーが注がれる。
【0088】
本実施の形態の受注製造提供システム1000では、自動化装置命令制御部122が自動化装置を動作させる命令プログラムを最適なタイミングで自動化装置命令部121に命令させる制御を行うため、同じアイスコーヒーを製造エリア内の自動化装置でアイスコーヒーを製造する場合、以下のような工程で製造することができる。
【0089】
まずカップディスペンサー400からロボットアーム装置300の動作によってカップを把持し、ロボットアーム装置300が把持したカップを自動製氷装置500に載置する。
【0090】
ロボットアーム装置300の動作によって自動製氷装置500を操作して載置したカップに氷を投入している間に、自動化装置動作命令手段120による動作命令によって自動コーヒーマシン600が挽き豆処理や、抽出処理を開始する。
【0091】
ロボットアーム装置300が把持した氷入りのカップを自動コーヒーマシン600に載置するとすぐに、自動コーヒーマシン600から抽出されたコーヒーが載置されたカップに注がれる。
【0092】
上記のように、本実施の形態の受注製造提供システム1000では、自動化装置命令制御部122が自動化装置を動作させる命令プログラムを最適なタイミングで自動化装置命令部121に命令させる制御を行うことができるため、ロボットアーム装置300による動作と、自動コーヒーマシン600の動作を同時に進行させることができる。これにより各自動化装置による待機時間が短縮され、商品の提供時間が短縮される。またできたての状態で商品を提供することができる。
【0093】
情報記憶手段130は、注文情報受付手段110、および自動化装置動作命令手段120に必要な様々な情報を記憶するための記憶媒体である。
また情報記憶手段130には、コンピューターを注文情報受付手段110、および自動化装置動作命令手段120として機能させるためのプログラムを記憶することができる。
【0094】
以上のように、本実施の形態の受注製造提供システム1000では、自動化装置命令制御部122が自動化装置を動作させる命令プログラムを最適なタイミングで自動化装置命令部121に命令させる制御を行うことができるため、ロボットアーム装置300による動作と、自動コーヒーマシン600の動作を同時に進行させることができる。これにより各自動化装置による待機時間が短縮され、商品の提供時間が短縮される。またできたての状態で商品を提供することができる。
【0095】
なお、本実施の形態の受注製造提供システム1000では、自動コーヒーマシン600がネットワーク800に接続可能な制御部650を備える例で説明したが、自動コーヒーマシン600が制御部650を備えていない場合には、自動コーヒーマシン600とネットワーク800とを接続して自動コーヒーマシン600を操作可能な制御部品を後付けでも受けてもよい。
【0096】
図2は、第1の実施の形態の自動化装置動作命令手段の詳細を示すブロック図である。
図2に示すように、自動化装置動作命令手段は、自動化装置命令部121と自動化装置命令制御部122とを備えており、自動化装置命令制御部122は製造工程命令情報取得部122Aおよびタイミング制御部122Bで構成されている。
【0097】
製造工程命令情報取得部122Aは、注文を受けた商品に関連付けられた製造工程において自動化装置に対して行う命令が記憶された製造工程命令情報を取得するためのものであって、注文情報受付手段110および情報記憶手段130に接続されている。
【0098】
注文情報受付手段110が受け付けた注文情報を自動化装置動作命令手段120に送信すると、製造工程命令情報取得部122Aは注文情報を受け付けて、接続された情報記憶手段130から注文情報に含まれる商品に関する製造工程命令情報を取得する。
【0099】
タイミング制御部122Bは、注文情報受付手段110が取得した製造工程命令情報に含まれる自動化装置を動作させる複数の命令と、その命令を自動化装置命令部121によって各自動化装置に対して命令を送信するタイミングを制御するためにものである。
【0100】
タイミング制御部122Bが、自動化装置を動作させるための命令のタイミングを制御することで、自動化装置を動作させる命令プログラムを最適なタイミングで自動化装置命令部121に命令させる制御することができる。
【0101】
これにより、ロボットアーム装置300による動作と、自動コーヒーマシン600の動作を同時に進行させることができる。これにより各自動化装置による待機時間が短縮され、商品の提供時間が短縮される。またできたてのコーヒーを注文者に提供することができる。
【0102】
図3は、情報記憶手段の詳細を示すブロック図である。
図3に示すように、情報記憶手段130は、製造工程命令情報記憶部131、自動化装置動作命令情報記憶部132、およびプログラム情報記憶部133を備えている。
【0103】
製造工程命令情報記憶部131に記憶される製造工程命令情報は、製造する所望の商品に関連付けられた製造工程において複数の自動化装置に対して行うそれぞれの命令情報、およびその自動化装置に対して命令するタイミングを決定するための情報である。
【0104】
自動化装置動作命令情報記憶部132に記憶される自動化装置動作命令情報は、自動化装置を動作させるための具体的な命令情報である。
プログラム情報記憶部133は、制御装置100を機能させるために必要なプログラムを記憶するためのものである。この他、情報記憶手段130は、注文情報受付手段110が受け付けた注文情報の履歴情報である注文履歴情報など、必要に応じて任意の情報も記憶することができる。
【0105】
図4は、自動受付精算装置が備える注文情報記憶手段が記憶する注文情報の情報構造例を示す図である。
図4に示すように、注文情報記憶手段が記憶する注文情報には、注文ID(identifiCation)欄、商品名欄、数量欄、単価欄、および注文日時欄の各欄が設けられている。
【0106】
「注文ID」の欄には、注文情報を識別するための識別情報である注文情報固有の文字情報が設定されている。
「商品名」の欄には、注文を受ける商品を識別するために、受注者が商品に任意に設定した商品固有の文字情報が設定されている。
【0107】
「数量」の欄には、注文者が注文した商品の数量である数値情報が設定されている。
「注文日時」の欄には、注文者が商品を注文した日付情報および時間情報が設定されている。
【0108】
注文情報記憶手段が記憶する注文情報は具体的に、注文IDが「A00001」であり、商品名が「アイスコーヒー」であり、数量が「1」であり、単価が「200」であり、注文日時が「2022.10.25 10:10」であるという情報が記憶されている。
【0109】
図5は、製造工程命令情報記憶部が記憶する製造工程命令情報の情報構造例を示す図である。
図5に示すように、製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報には、製造工程ID欄、商品名欄、および製造工程命令欄の各欄が設けられている。
【0110】
「製造工程ID」の欄には、製造する商品に関連付けられた製造工程を識別するための識別情報である製造工程命令情報固有の文字情報が設定されている。
「商品名」の欄には、注文を受ける商品を識別するために、受注者が商品に任意に設定した商品固有の文字情報が設定されている。
【0111】
「製造工程命令」の欄には、製造する商品の製造工程において、複数の自動化装置に対して行うそれぞれの命令情報、およびその自動化装置に対して命令するタイミング情報に関する情報が設定されている。
【0112】
製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報は具体的に、製造工程IDが「B00001」であり、商品名が「アイスコーヒー」であり、製造工程命令が「1:カップ取り出しボタン位置にアームを移動(C00001)させて、カップ排出ボタンを押す…(中略)…(1の命令開始30秒後)コーヒーマシン動作開始命令…(以下省略)」という情報が記憶されている。
【0113】
なお、製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報の製造工程命令に記載された「C00001」は、後に説明する自動化装置動作命令情報を識別するために設定された自動化装置動作命令情報固有の文字情報である。
【0114】
図6は、自動化装置動作命令情報記憶部が記憶する自動化装置動作命令情報の情報構造例を示す図である。
図6は、自動化装置動作命令情報記憶部132が記憶する自動化装置動作命令情報には、動作命令ID欄、自動化装置名欄、動作概要欄、および動作命令欄の各欄が設けられている。
【0115】
「動作命令ID」の欄には、動作する自動化装置に対して命令される自動化装置動作命令を識別するための識別情報である自動化装置動作命令情報固有の文字情報が設定されている。
【0116】
「自動化装置名」の欄には、動作させる対象である自動化装置を識別するために、受注者が自動化装置に任意に設定した自動化装置固有の文字情報が設定されている。
「動作概要」の欄には、自動化装置動作命令による自動化装置の動作の概要が設定されている。
【0117】
「動作命令」の欄には、製造する商品の製造工程において、動作させる自動化装置に対して行う命令情報に関する情報が設定されている。
自動化装置動作命令情報記憶部132が記憶する自動化装置動作命令情報は具体的に、動作命令IDが「C00001」であり、自動化装置名が「ロボットアーム」であり、動作概要が「カップ取出ボタン位置にアームを移動」であり、動作命令が「初期位置から、ベースを角度180で回転させ、第一アーム部を角度60で上昇させ…」という情報が記憶されている。
【0118】
図7は、注文情報受付手段が注文情報を受け付けてから、受け付けた注文情報を自動化装置動作命令手段に送信するまでの処理を示すフローチャートである。以下、図7に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0119】
〔ステップS11〕
注文情報受付手段110は、現在が注文情報を取得する時間であるかどうかを確認する。具体的には、注文情報取得部111が、あらかじめ設定された注文情報を取得する時間と現在時間とを比較し、現在が注文情報を取得する時間であるかどうかを確認する。
【0120】
現在が注文情報を取得する時間であると注文情報取得部111が判断したときは、処理をステップS12に進め、現在が注文情報を取得する時間ではないと注文情報取得部111が判断したときは、ステップS11の処理を繰り返す。
【0121】
〔ステップS12〕
注文情報受付手段110は、注文情報を確認する。具体的には、自動受付精算装置200が備える注文情報記憶手段に注文情報取得部111が接続して、注文情報記憶手段に記憶された注文情報を確認する。
【0122】
〔ステップS13〕
注文情報受付手段110は、取得していない注文情報があるかどうかを判断する。具体的には、自動受付精算装置200が備える注文情報記憶手段に記憶された注文情報のうち、注文情報取得部111が取得していない注文情報があるかどうかを注文情報取得部111が判断する。
【0123】
注文情報取得部111が取得していない注文情報があると注文情報取得部111が判断したときは、処理をステップS14に進め、注文情報取得部111が取得していない注文情報がないと注文情報取得部111が判断したときは、処理をステップS11に進める。
【0124】
〔ステップS14〕
注文情報受付手段110は、注文情報を取得する。具体的には、ステップS13で注文情報取得部111が取得していない注文情報を、注文情報取得部111が注文情報記憶手段から取得する。
【0125】
〔ステップS15〕
注文情報受付手段110は、取得した注文情報を送信する。具体的には、注文情報取得部111が取得した注文情報を注文情報受付部112に送信する。
【0126】
図8は、受注製造提供システムに注文情報が入力されてから、注文商品が提供されるまでの処理を示すフローチャートである。以下、図7に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0127】
〔ステップS21〕
注文者は、受注製造提供システム1000に注文情報を入力する。具体的には、自動受付精算装置200に対して注文者が所望の注文商品に関する情報を入力する。
【0128】
〔ステップS22〕
受注製造提供システム1000は注文情報を受け付ける。具体的には、自動受付精算装置200に対して注文者が入力した注文情報を制御装置100が受け付ける。
【0129】
〔ステップS23〕
受注製造提供システム1000は製造工程命令情報を抽出する。具体的には、製造工程命令情報記憶部131から、ステップS22で受け付けた注文情報の商品に該当する製造工程命令情報を制御装置100が備える自動化装置命令制御部122が抽出する。
【0130】
〔ステップS24〕
受注製造提供システム1000は商品を製造する。具体的には、ステップS23で自動化装置命令制御部122が抽出した製造工程命令情報に基づいて、最適なタイミングで自動化装置命令部121が製造エリアに設置された自動化装置に命令するように自動化装置命令制御部122が自動化装置命令部121を制御し、自動化装置命令部121が命令した自動化装置動作命令によって自動化装置が動作することで注文された商品が製造される。
【0131】
〔ステップS25〕
受注製造提供システム1000は商品に製造が完了したかどうかを確認する。具体的には、ステップS23で自動化装置命令制御部122が抽出した製造工程命令情報に基づいて、製造工程が完了したかどうかを制御装置100が確認する。
【0132】
製造工程が完了したと制御装置100が判断したときは、処理をステップS26に進め、製造工程が完了していないと制御装置100が判断したときは、商品の製造が完了するまでステップS24の処理を繰り返す。
【0133】
〔ステップS26〕
受注製造提供システム1000は製造が完了した商品を自動回転テーブル700に載置する。具体的には、ステップS25で製造工程が完了したと制御装置100が判断した商品が、制御装置100が制御したロボットアーム装置300の動作によって自動回転テーブル700に載置される。
【0134】
〔ステップS27〕
受注製造提供システム1000は商品を提供する。具体的には、ステップS26で自動回転テーブル700に載置された商品を、制御装置100が制御した自動回転テーブル700の回転動作によって、製造エリア内で製造された商品が製造エリア外の注文者に提供される。
【0135】
図9は、制御装置、ロボットアーム装置、カップディスペンサー、自動製氷装置、自動コーヒーマシン、および自動回転テーブルの間において、カップディスペンサーからカップを取り出す動作の自動化装置動作命令をロボットアーム装置に制御装置が送信してから、自動回転テーブルを介して製造した商品であるアイスコーヒーを提供するまでの各装置の動作を示すシーケンスフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0136】
〔ステップS31〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して自動化装置動作命令(以下、省略して命令1、命令2等とする)を送信する。具体的には、制御装置100は、カップディスペンサー400からカップCを取り出す一連の動作の命令1をロボットアーム装置300に対して送信する。なお、ここでいう一連の動作の命令とは、自動化装置動作命令情報記憶部132が記憶する自動化装置動作命令のうち、自動化装置に所望の動作をさせるために必要な複数の自動化装置動作命令を組み合わせたものである。
【0137】
〔ステップS32〕
ロボットアーム装置300はカップ取出ボタン420の位置にあわせて把持機構310を移動する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS31で制御装置100から送信された命令1に基づいて、各旋回部、各アーム部、および各可動部を動作させ、カップディスペンサー400が備えるカップ取出ボタン420のボタン位置にあわせて把持機構310を移動する。
【0138】
〔ステップS33〕
ロボットアーム装置300はカップ取出ボタン420を押下する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS31で制御装置100から送信された命令1に基づいて、各旋回部、各アーム部、および各可動部を動作させ、カップディスペンサー400が備えるカップ取出ボタン420を押下する。
【0139】
〔ステップS34〕
カップディスペンサー400からカップCが排出される。具体的には、ステップS33でロボットアーム装置300が行ったカップ取出ボタン420を押下する動作により、カップディスペンサー400からカップCが排出される。排出されたカップCはカップホルダー部430によって保持される。
【0140】
〔ステップS35〕
ロボットアーム装置300はカップホルダー部430の位置にあわせて把持機構310を移動する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS31で制御装置100から送信された命令1に基づいて、各旋回部、各アーム部、および各可動部を動作させ、カップディスペンサー400が備えるカップホルダー部430の位置にあわせて把持機構310を移動する。
【0141】
〔ステップS36〕
ロボットアーム装置300はカップCを把持する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS31で制御装置100から送信された命令1に基づいて、把持機構310を動作させ、ステップS34で排出されてカップホルダー部430によって保持されたカップCを保持する。
【0142】
〔ステップS37〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して命令2を送信する。具体的には、制御装置100は、カップCに自動製氷装置500から排出される氷を入れる一連の動作の命令2をロボットアーム装置300に対して送信する。
【0143】
〔ステップS38〕
ロボットアーム装置300はカップ台540にカップCを載置する動作をする。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS37で制御装置100から送信された命令2に基づいて、各旋回部、各アーム部、各可動部、および把持機構310を動作させ、自動製氷装置500が備える氷排出口530から氷が排出される位置にあわせてカップCをカップ台540に載置する。
【0144】
〔ステップS39〕
ロボットアーム装置300は氷排出ボタン520の位置にあわせて把持機構310を移動する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS37で制御装置100から送信された命令2に基づいて、各旋回部、各アーム部、および各可動部を動作させ、自動製氷装置500が備える氷排出ボタン520のボタン位置にあわせて把持機構310を移動する。
【0145】
〔ステップS40〕
ロボットアーム装置300は氷排出ボタン520を押下する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS37で制御装置100から送信された命令2に基づいて、各旋回部、各アーム部、および各可動部を動作させ、自動製氷装置500が備える氷排出ボタン520を押下する。
【0146】
〔ステップS41〕
制御装置100は、自動コーヒーマシン600に対して命令3を送信する。具体的には、制御装置100は、コーヒーを抽出する一連の動作の命令3を、ステップS40でロボットアーム装置300が動作をしている間に自動コーヒーマシン600に対して送信する。
【0147】
〔ステップS42〕
自動コーヒーマシン600は、挽き豆を生成する動作をする。具体的には、自動コーヒーマシン600はステップS41で制御装置100から送信された命令3に基づいて、焙煎コーヒー豆から挽き豆を生成する挽き豆処理を豆処理部が行う。
【0148】
〔ステップS43〕
自動製氷装置500から氷が排出される。具体的には、ステップS40でロボットアーム装置300が行った氷排出ボタン520を押下する動作により、自動製氷装置500が備える氷排出口530から氷が排出される。排出された氷はカップ台540に載置されたカップに入れられる。なお、ステップS43での自動製氷装置500による氷の排出動作中には、ステップS42の自動コーヒーマシン600による挽き豆生成動作が行われている。
【0149】
〔ステップS44〕
自動コーヒーマシン600は、コーヒーの抽出処理を行う。具体的には、自動コーヒーマシン600はステップS41で制御装置100から送信された命令3に基づいて、豆処理装置がステップS42で生成した挽き豆からコーヒー液を抽出する処理を抽出部が行う。
【0150】
〔ステップS45〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して命令4を送信する。具体的には、制御装置100は、ステップS43で中に氷が入れられたカップCを、自動コーヒーマシン600が備えるカップ台640に載置する一連の動作の命令4を、ステップS44で自動コーヒーマシン600が抽出処理をしている間にロボットアーム装置300に対して送信する。
【0151】
〔ステップS46〕
ロボットアーム装置300はカップCを把持する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS45で制御装置100から送信された命令4に基づいて、把持機構310を動作させ、ステップS43で排出されて中に氷が入れられたカップCを把持する。なお、ステップS46でのロボットアーム装置300によるカップCの把持動作中には、ステップS44の自動コーヒーマシン600による抽出処理動作が行われている。
【0152】
〔ステップS47〕
ロボットアーム装置300はカップ台640にカップCを載置する動作をする。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS45で制御装置100から送信された命令4に基づいて、各旋回部、各アーム部、各可動部、および把持機構310を動作させ、自動コーヒーマシン600が備える飲料排出口630から抽出されたコーヒー液が排出される位置にあわせてカップCをカップ台640に載置する。なお、ステップS47でのロボットアーム装置300によるカップCの移動動作中には、ステップS44の自動コーヒーマシン600による抽出処理動作が行われている。
【0153】
〔ステップS48〕
自動コーヒーマシン600からコーヒー液が排出される。ステップS44での自動コーヒーマシン600による抽出処理動作が完了した後に、飲料排出口630から抽出されたコーヒー液が排出される。排出されたコーヒー液は、ステップS47でカップ台640に載置されたカップCに入れられる。これにより注文者が注文した商品であるアイスコーヒーが完成する。
【0154】
〔ステップS49〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して命令5を送信する。具体的には、制御装置100は、ステップS48で完成したアイスコーヒーが収容されたカップCを、自動回転テーブル700が備えるテーブル本体部710に載置する一連の動作の命令5を、ロボットアーム装置300に対して送信する。
【0155】
〔ステップS50〕
ロボットアーム装置300はカップCを把持する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS49で制御装置100から送信された命令5に基づいて、把持機構310を動作させ、ステップS48で完成したアイスコーヒーが収容されたカップC把持する。
【0156】
〔ステップS51〕
ロボットアーム装置300は自動回転テーブル700の位置にあわせてカップCを把持した把持機構310を移動する。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS49で制御装置100から送信された命令5に基づいて、各旋回部、各アーム部、および各可動部を動作させ、自動回転テーブル700の位置にあわせて把持機構310を移動する。
【0157】
〔ステップS52〕
ロボットアーム装置300は自動回転テーブル700に完成したアイスコーヒーが収容されたカップCを載置する動作をする。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS49で制御装置100から送信された命令5に基づいて、各旋回部、各アーム部、各可動部、および把持機構310を動作させ、自動回転テーブル700が備えるテーブル本体部710の上に完成したアイスコーヒーが収容されたカップCを載置する
〔ステップS53〕
制御装置100は、自動回転テーブル700に対して命令6を送信する。具体的には、制御装置100は、ステップS52で完成したアイスコーヒーが収容されたカップCが載置された自動回転テーブル700を回転させる命令6を自動回転テーブル700に対して送信する。
【0158】
〔ステップS54〕
自動回転テーブル700は回転する。具体的には、自動回転テーブル700はステップS53で制御装置100から送信された命令6に基づいて、テーブル本体部710の回転軸を中心にして所望の角度で回転させる。これにより完成したアイスコーヒーが製造エリア外の注文者に提供される。
【0159】
本実施の形態の受注製造提供システム1000では、自動化装置命令制御部122が自動化装置を動作させる命令プログラムを最適なタイミングで自動化装置命令部121に命令させる制御を行うことができるため、ロボットアーム装置300によるカップ取出し動作および氷排出動作と、自動コーヒーマシン600によるコーヒー液抽出動作とを同時に進行させることができる。これにより各自動化装置による待機時間が短縮され、商品の提供時間が短縮される。またできたての状態で商品を提供することができる。
【0160】
なお、図9のシーケンスフローチャートにおける命令1を制御装置100がロボットアーム装置300に送信してから命令2を制御装置100がロボットアーム装置300に送信するまでの時間T1は、あらかじめ製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報に記憶されており、命令1によるロボットアーム装置300の動作が完了するまでに十分な時間が設定されている。
【0161】
また命令2を制御装置100がロボットアーム装置300に送信してから命令4を制御装置100がロボットアーム装置300に送信するまでの時間T2は、あらかじめ製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報に記憶されており、命令2によるロボットアーム装置300の動作および自動製氷装置500の動作が完了するまでに十分な時間が設定されている。また自動製氷装置500が排出する氷の量や、氷を排出する排出時間、または氷を製氷する製氷時間によって時間T2を調節することができる。
【0162】
また制御装置100が自動コーヒーマシン600に送信する命令3のタイミングは、まず制御装置100がロボットアーム装置300に命令4を送信し、命令4によるロボットアーム装置300の動作が完了して、カップ台640にカップCを載置されたことで自動コーヒーマシン600からのコーヒー液排出が可能なるまでの時間T3を算出する。
【0163】
その制御装置100がロボットアーム装置300に命令4を送信してから時間T3が経過した自動コーヒーマシン600からのコーヒー液排出が可能なタイミングから、ステップS42の挽き豆処理動作、ステップS43の抽出処理動作、およびステップS48のコーヒー液抽出処理動作に必要な時間T4を算出し、その時間T4逆算したタイミングで命令3を制御装置100が自動コーヒーマシン600に送信するように製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報に記憶される。
【0164】
また制御装置100が自動コーヒーマシン600に命令3を送信してから制御装置100がロボットアーム装置300に命令5を送信するまでの時間T5は、あらかじめ製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報に記憶されており、命令3による自動コーヒーマシン600の動作が完了するまでに十分な時間が設定されている。また自動コーヒーマシン600が製造する飲料の種類や排出量によって完了するまでの時間T5を調節することができる。
【0165】
また命令5を制御装置100がロボットアーム装置300に送信してから命令6を制御装置100が自動回転テーブル700に送信するまでの時間T6は、あらかじめ製造工程命令情報記憶部131が記憶する製造工程命令情報に記憶されており、命令5によるロボットアーム装置300の動作が完了するまでに十分な時間が設定されている。
【0166】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の受注製造提供システムは、自動化装置の動作状況を確認するステータス監視部を制御装置が有する自動化装置命令制御部が備え、タイミング制御部の動作が異なること以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0167】
図10は、第2の実施の形態における自動化装置動作命令手段の詳細を示すブロック図である。
図10に示すように、自動化装置動作命令手段120は、自動化装置命令部121と自動化装置命令制御部122とを備えており、自動化装置命令制御部122は製造工程命令情報取得部122A、タイミング制御部122B、およびステータス監視部122Cで構成されている。
【0168】
製造工程命令情報取得部122Aは、注文を受けた商品に関連付けられた製造工程において自動化装置に対して行う命令が記憶された製造工程命令情報を取得するためのものであって、注文情報受付手段110および情報記憶手段130に接続されている。
【0169】
タイミング制御部122Bは、注文情報受付手段110が取得した製造工程命令情報に含まれる自動化装置を動作させる複数の命令と、その命令を自動化装置命令部121によって各自動化装置に対して命令を送信するタイミングを制御するためにものである。
【0170】
ステータス監視部122Cは、ネットワーク800を介して接続された複数の自動化装置の動作状況であるステータスを監視するためのものである。具体的にステータス監視部122Cは、ロボットアーム装置300の動作状況である、「カップの把持動作を開始した」や「カップの把持動作を完了した」、自動製氷装置500の氷の貯蔵量を把握して氷が排出される時間状況などを監視することができる。
【0171】
タイミング制御部122Bは、ステータス監視部122Cが監視した各自動化装置のステータスによって、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、最適なタイミングで自動化装置命令部121に命令させる制御することができる。
【0172】
これにより、ロボットアーム装置300による動作と、自動コーヒーマシン600の動作を同時に進行させることができる。これにより各自動化装置による待機時間が短縮され、商品の提供時間が短縮される。またできたてのコーヒーを注文者に提供することができる。
【0173】
図11は、タイミング制御部が、自動化装置命令部に最初の自動化装置命令を命令させてから、次の自動化装置命令を自動化装置命令部に命令させるまでの処理を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0174】
なお、図11では、ステータス監視部122Cが、自動化装置の動作を監視し、自動化装置の所望の動作が完了したことを確認することで、タイミング制御部122Bが所望の自動化装置に次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させる例で説明する。
【0175】
なお、ステータス監視部122Cが監視し、タイミング制御部122Bが次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させるタイミングは、自動化装置の動作が完了するタイミングだけでなく、動作の開始、任意の動作、動作の量や時間など、あらゆるステータスのタイミングを設定することができる。
【0176】
〔ステップS61〕
タイミング制御部122Bは、自動化装置命令部121に最初の自動化装置命令を命令させる制御を行う。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、製造工程命令情報に含まれる最初の自動化装置命令を自動化装置に対して自動化装置命令部121が命令する制御をタイミング制御部122Bが行う。
【0177】
〔ステップS62〕
ステータス監視部122Cは、自動化装置のステータスを確認する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、ステータス監視部122Cは、あらかじめ設定された自動化装置のステータスを確認する。
【0178】
〔ステップS63〕
ステータス監視部122Cは、自動化装置の動作が完了したかどうかを判断する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、ステータス監視部122Cは、あらかじめ設定された自動化装置の動作が完了したかどうかを確認する。
【0179】
あらかじめ設定された自動化装置の動作が完了したとステータス監視部122Cが判断したときは、処理をステップS64に進め、あらかじめ設定された自動化装置の動作が完了していないとステータス監視部122Cが判断したときは、処理をステップS62に進める。
【0180】
〔ステップS64〕
タイミング制御部122Bは、自動化装置命令部121に次の自動化装置命令を命令させる制御を行う。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、製造工程命令情報に含まれる次の自動化装置命令を自動化装置に対して自動化装置命令部121が命令する制御をタイミング制御部122Bが行う。
【0181】
〔ステップS65〕
タイミング制御部122Bは、製造工程が完了したかどうかを判断する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、製造工程が完了した、すなわち最後の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させたかどうかを判断する。
【0182】
製造工程が完了したとタイミング制御部122Bが判断したときは、処理を終了させ、製造工程が完了していないとタイミング制御部122Bが判断したときは、処理をステップS62に進める。
【0183】
図12は、タイミング制御部が、自動化装置命令部に最初の自動化装置命令を命令させてから、次の自動化装置命令を自動化装置命令部に命令させるまでの処理を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0184】
なお、図12では、ステータス監視部122Cが、自動化装置のステータスを監視して自動化装置の所望の動作に必要な時間を取得することで、タイミング制御部122Bが所望の自動化装置に次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令するタイミングを調整する例で説明する。
【0185】
なお、自動化装置のステータスを監視して自動化装置の所望の動作に必要な時間を取得するタイミングは任意に設定することができ、図12で説明するタイミングでステータスを確認することに限られるものではない。
【0186】
〔ステップS71〕
タイミング制御部122Bは、自動化装置命令部121に最初の自動化装置命令を命令させる制御を行う。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、製造工程命令情報に含まれる最初の自動化装置命令を自動化装置に対して自動化装置命令部121が命令する制御をタイミング制御部122Bが行う。
【0187】
〔ステップS72〕
ステータス監視部122Cは、自動化装置のステータスを確認する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、ステータス監視部122Cは、あらかじめ設定された自動化装置の動作に必要な時間を取得する。またはあらかじめ設定された自動化装置の動作状況を取得し、自動化装置の動作に必要な時間を算出する。
【0188】
〔ステップS73〕
タイミング制御部122Bは、次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させるタイミングに調整が必要かどうかを判断する。具体的には、ステップS72でステータス監視部122Cが取得した自動化装置のステータスと、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報とを比較し、次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させるタイミングに調整が必要かどうかを判断する。
【0189】
次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させるタイミングに調整が必要であるとタイミング制御部122Bが判断したときは、処理をステップS74に進め、次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させるタイミングに調整が必要ではないとタイミング制御部122Bが判断したときは、処理をステップS75に進める。
【0190】
〔ステップS74〕
タイミング制御部122Bは、タイミングを調整する。具体的には、ステップS72でステータス監視部122Cが取得した自動化装置のステータスと、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報とを比較して、たとえば各自動化装置の待機時間が最短になるタイミングで次の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させることができるように、製造工程命令情報に記憶されたタイミングを調整する。
【0191】
〔ステップS75〕
タイミング制御部122Bは、自動化装置命令部121に次の自動化装置命令を命令させる制御を行う。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、製造工程命令情報に含まれる次の自動化装置命令を自動化装置に対して自動化装置命令部121が命令する制御をタイミング制御部122Bが行う。
【0192】
〔ステップS76〕
タイミング制御部122Bは、製造工程が完了したかどうかを判断する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、製造工程が完了した、すなわち最後の自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させたかどうかを判断する。
【0193】
製造工程が完了したとタイミング制御部122Bが判断したときは、処理を終了させ、製造工程が完了していないとタイミング制御部122Bが判断したときは、処理をステップS72に進める。
【0194】
図13は、制御装置、ロボットアーム装置、カップディスペンサー、自動製氷装置、自動コーヒーマシン、および自動回転テーブルの間において、制御装置が自動化装置のステータスを監視するなか、カップディスペンサーからカップを取り出す動作の自動化装置動作命令をロボットアーム装置に制御装置が送信してから、自動回転テーブルを介して製造した商品であるホットコーヒーを提供するまでの各装置の動作を示すシーケンスフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0195】
〔ステップS81〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300および自動コーヒーマシン600のステータスを確認する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、ステータス監視部122Cがロボットアーム装置300および自動コーヒーマシン600のステータスを確認する。
【0196】
さらに具体的に、ステータス監視部122Cは、ロボットアーム装置300のステータスを確認し、ロボットアーム装置300がカップディスペンサー400からカップCを取得する動作に必要な時間T11と、カップディスペンサー400から排出されたカップCを自動コーヒーマシン600が備えるカップ台640に載置する動作に必要な時間T12とを取得する。さらにステータス監視部122Cは、自動コーヒーマシン600のステータスを確認し、自動コーヒーマシン600がホットコーヒーを製造して抽出されたコーヒー液を排出する動作に必要な時間T13を取得する。
【0197】
〔ステップS82〕
制御装置100は、タイミングを調整する。具体的には、ステップS81でステータス監視部122Cが取得したロボットアーム装置300がカップディスペンサー400からカップCを取得する動作に必要な時間T11、カップディスペンサー400から排出されたカップCを自動コーヒーマシン600が備えるカップ台640に載置する動作に必要な時間T12、および自動コーヒーマシン600のステータスを確認し、自動コーヒーマシン600がホットコーヒーを製造して抽出されたコーヒー液を排出する動作に必要な時間T13から、タイミング制御部122Bが、自動コーヒーマシン600にホットコーヒーの製造を開始する自動化装置命令を自動化装置命令部121に命令させるタイミングT14を算出して自動化装置動作命令情報のタイミングを調整する。
【0198】
〔ステップS83〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して命令11を送信する。具体的には、制御装置100は、カップディスペンサー400からカップCを取り出す一連の動作の命令1をロボットアーム装置300に対して送信する。
【0199】
〔ステップS84〕
ロボットアーム装置300はカップ取出ボタン420の位置にあわせて把持機構310を移動する。
【0200】
〔ステップS85〕
ロボットアーム装置300はカップ取出ボタン420を押下する。
〔ステップS86〕
カップディスペンサー400からカップCが排出される。
【0201】
〔ステップS87〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して命令12を送信する。具体的には、ステップS82でタイミング制御部122Bが調整したタイミングで、制御装置100がコーヒーを抽出する一連の動作の命令12を、ステップS84~ステップS86でロボットアーム装置300がカップディスペンサー400からカップCを排出させる動作をしている間に自動コーヒーマシン600に対して送信する。
【0202】
〔ステップS88〕
自動コーヒーマシン600は、挽き豆を生成する動作をする。
〔ステップS89〕
ロボットアーム装置300はカップホルダー部430の位置にあわせて把持機構310を移動する。
【0203】
〔ステップS90〕
自動コーヒーマシン600は、コーヒーの抽出処理を行う。具体的には、自動コーヒーマシン600はステップS41で制御装置100から送信された命令12に基づいて、ステップS89、後述するステップS91、および後述するステップS93でロボットアーム装置300がカップディスペンサー400からカップCを自動コーヒーマシン600が備えるカップ台640に載置する動作をしている間に、豆処理装置がステップS42で生成した挽き豆からコーヒー液を抽出する処理を抽出部が行う。
【0204】
〔ステップS91〕
ロボットアーム装置300はカップCを把持する。
〔ステップS92〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して命令13を送信する。具体的には、制御装置100は、カップディスペンサー400から排出されてロボットアーム装置300が把持したカップCを、自動コーヒーマシン600が備えるカップ台640に載置する一連の動作の命令13を、ステップS90で自動コーヒーマシン600が抽出処理をしている間にロボットアーム装置300に対して送信する。
【0205】
〔ステップS93〕
ロボットアーム装置300はカップ台640にカップCを載置する動作をする。具体的には、ロボットアーム装置300はステップS92で制御装置100から送信された命令13に基づいて、各旋回部、各アーム部、各可動部、および把持機構310を動作させ、自動コーヒーマシン600が備える飲料排出口630から抽出されたコーヒー液が排出される位置にあわせてカップCをカップ台640に載置する。なお、ステップS89、ステップS91、およびステップS93でのロボットアーム装置300によるカップCの移動動作中には、ステップS90の自動コーヒーマシン600による抽出処理動作が行われている。
【0206】
〔ステップS94〕
自動コーヒーマシン600からコーヒー液が排出される。ステップS90での自動コーヒーマシン600による抽出処理動作が完了した後に、飲料排出口630から抽出されたコーヒー液が排出される。排出されたコーヒー液は、ステップS93でカップ台640に載置されたカップCに入れられる。これにより注文者が注文した商品であるホットコーヒーが完成する。
【0207】
〔ステップS95〕
制御装置100は、自動コーヒーマシン600のステータスを確認する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、ステータス監視部122Cが自動コーヒーマシン600のステータスを確認する。
【0208】
さらに具体的に、ステータス監視部122Cは、自動コーヒーマシン600のステータスを確認し、自動コーヒーマシン600によるコーヒー液の排出動作が完了しているかどうかを確認する。自動コーヒーマシン600によるコーヒー液の排出動作が完了しているとステータス監視部122Cが判断したときは次のステップに処理を進める。
【0209】
〔ステップS96〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300に対して命令14を送信する。具体的には、制御装置100は、ステップS94で完成したホットコーヒーが収容されたカップCを、自動回転テーブル700が備えるテーブル本体部710に載置する一連の動作の命令14を、ロボットアーム装置300に対して送信する。
【0210】
〔ステップS97〕
ロボットアーム装置300はカップCを把持する。
〔ステップS98〕
ロボットアーム装置300は自動回転テーブル700の位置にあわせてカップCを把持した把持機構310を移動する。
【0211】
〔ステップS99〕
ロボットアーム装置300は自動回転テーブル700に完成したホットコーヒーが収容されたカップCを載置する動作をする。
【0212】
〔ステップS100〕
制御装置100は、ロボットアーム装置300のステータスを確認する。具体的には、製造工程命令情報取得部122Aが取得した製造工程命令情報に基づき、ステータス監視部122Cがロボットアーム装置300のステータスを確認する。
【0213】
さらに具体的に、ステータス監視部122Cは、ロボットアーム装置300のステータスを確認し、ステップS99でのロボットアーム装置300による自動回転テーブル700に完成したホットコーヒーが収容されたカップCを載置する動作が完了しているかどうかを確認する。ロボットアーム装置300による自動回転テーブル700に完成したホットコーヒーが収容されたカップCを載置する動作が完了しているとステータス監視部122Cが判断したときは次のステップに処理を進める。
【0214】
〔ステップS101〕
制御装置100は、自動回転テーブル700に対して命令15を送信する。具体的には、制御装置100は、ステップS94で完成したホットコーヒーが収容されたカップCが載置された自動回転テーブル700を回転させる命令15を自動回転テーブル700に対して送信する。
【0215】
〔ステップS102〕
自動回転テーブル700は回転する。具体的には、自動回転テーブル700はステップS101で制御装置100から送信された命令15に基づいて、テーブル本体部710の回転軸を中心にして所望の角度で回転させる。これにより完成したホットコーヒーが製造エリア外の注文者に提供される。
以上のように、本実施の形態の受注製造提供システム1000では、ステータス監視部122Cが自動化装置を監視しながら、自動化装置命令制御部122が自動化装置を動作させる命令プログラムを最適なタイミングで自動化装置命令部121に命令させる制御を行うことができるため、ロボットアーム装置300によるカップ取出し動作と、自動コーヒーマシン600によるコーヒー液抽出動作とを同時に進行させることができる。これにより各自動化装置による待機時間が短縮され、商品の提供時間が短縮される。またできたての状態で商品を提供することができる。
【符号の説明】
【0216】
100 制御装置
110 注文情報受付手段
111 注文情報取得部
112 注文情報受付部
120 自動化装置動作命令手段
121 自動化装置命令部
122 自動化装置命令制御部
130 情報記憶手段
200 自動受付精算装置
300 ロボットアーム装置
310 把持機構
320 第一旋回部
330 第一アーム部
340 第一可動部
350 第二アーム部
360 第二可動部
370 第三アーム部
380 第三可動部
390 第二旋回部
400 カップディスペンサー
410 カップ収納部
420 カップ取出ボタン
430 カップホルダー部
500 自動製氷装置
510 製氷部本体
520 氷排出ボタン
530 氷排出口
540 カップ台
600 自動コーヒーマシン
610 飲料製造部本体
620 飲料供給ボタン
630 飲料排出口
640 カップ台
650 制御部
700 自動回転テーブル
710 テーブル本体部
720 仕切扉
730 制御部
800 ネットワーク
1000 受注製造提供システム
C カップ
D 受渡口
P パーテーション
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