(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090183
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/20 20110101AFI20240627BHJP
【FI】
G06T19/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205902
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】508322428
【氏名又は名称】株式会社ディーエスブランド
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】大西 耕平
(72)【発明者】
【氏名】安宅 春樹
(72)【発明者】
【氏名】清水 雅史
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA08
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA11
5B050BA13
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA19
(57)【要約】
【課題】仮想空間の提供を容易にすることが可能な情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、プロセッサを備え、プロセッサが、取得ステップでは、ウェブページを構成する複数のオブジェクトを取得する。決定ステップでは、取得された複数のオブジェクトから、仮想空間に設けられた領域に配置するオブジェクトを決定する。出力ステップでは、決定されたオブジェクトが領域に配置された仮想空間を示す空間データを出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
取得ステップでは、ウェブページを構成する複数のオブジェクトを取得し、
決定ステップでは、取得された前記複数のオブジェクトから、仮想空間に設けられた領域に配置するオブジェクトを決定し、
出力ステップでは、決定された前記オブジェクトが前記領域に配置された前記仮想空間を示す空間データを出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
判定ステップでは、前記オブジェクトの配置の優先度を判定し、
前記決定ステップでは、判定された前記優先度に基づいて、前記領域に配置するオブジェクトを決定する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
前記判定ステップでは、前記オブジェクトの種類に応じて当該オブジェクトの優先度を判定する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
前記判定ステップでは、前記オブジェクトの前記ウェブページにおける配置に応じて当該オブジェクトの優先度を判定する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記オブジェクトには、閲覧者によって選択する操作が行われるオブジェクトを含み、
前記プロセッサが、
前記判定ステップでは、前記オブジェクトの選択履歴に応じて当該オブジェクトの優先度を判定する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記仮想空間には、大きさが異なる複数の前記領域が存在し、
前記プロセッサが、
前記決定ステップでは、判定された前記優先度が高いオブジェクトほど、より大きい前記領域に配置するオブジェクトとして決定する、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記仮想空間には、高さが異なる複数の前記領域が存在し、
前記プロセッサが、
前記決定ステップでは、判定された前記優先度が高いオブジェクトほど、所定の高さにより近い高さの前記領域に配置するオブジェクトとして決定する、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記仮想空間は、用途が定められており、
前記プロセッサが、
前記決定ステップでは、判定された前記優先度が高いオブジェクトほど、前記用途に応じて決まる優先順位の高い前記領域に配置するオブジェクトとして決定する、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサが、
決定ステップでは、前記仮想空間の構造を示す複数のテンプレートのうち、前記ウェブページの特徴に応じたテンプレートを決定し、
前記出力ステップでは、決定された前記テンプレートにより構造が示される仮想空間を示すデータを前記空間データとして出力する、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記領域においては、配置可能なオブジェクトのサイズ、形状又はデータフォーマットが決まっており、
前記プロセッサが、
提示ステップでは、取得された前記複数のオブジェクトのうち、前記領域に配置可能なオブジェクトをユーザに提示する、
情報処理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、
更新ステップでは、前記ウェブページのオブジェクトに更新があった場合、当該オブジェクトが配置された前記領域に更新後のオブジェクトを配置する、
情報処理システム。
【請求項12】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項11のいずれか1つに記載の情報処理システムが実行する各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人物写真等のキャプチャー画像からゲームという仮想空間において統一感のあるオブジェクトを生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メタバースとも呼ばれる仮想空間を利用したサービを開始するには手間がかかる。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、仮想空間の提供を容易にすることが可能な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、プロセッサを備え、プロセッサが、取得ステップでは、ウェブページを構成する複数のオブジェクトを取得する。決定ステップでは、取得された複数のオブジェクトから、仮想空間に設けられた領域に配置するオブジェクトを決定する。出力ステップでは、決定されたオブジェクトが領域に配置された仮想空間を示す空間データを出力する。
【0007】
このような態様によれば、仮想空間の提供を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】メタバース作成支援システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】作業者端末30のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】各装置の制御部の機能構成を一例を示す図である。
【
図5】作成支援処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図9】テンプレートの選択画面の一例を示す図である。
【
図10】仮想空間のテンプレートの一例を示す図である。
【
図12】表示された仮想空間の一例を示す図である。
【
図13】配置確認用の仮想空間の一例を示す図である。
【
図14】配置確認用の仮想空間の別の一例を示す図である。
【
図15】サーバ装置10の制御部の機能構成の別の一例を示す図である。
【
図17】サーバ装置10の制御部の機能構成の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係るコンテンツ作成支援システムのハードウェア構成について説明する。
【0014】
図1は、メタバース作成支援システム1の全体構成を示す図である。
図1においては、メタバース作成支援システム1が備える各装置、各装置を利用するユーザ及び各装置において処理される情報等の概要が示されている。各概要については、他の図も参照しながら随時説明する。
【0015】
メタバース作成支援システム1は、メタバースを利用したサービス提供を支援するための処理を実行する情報処理システムである。メタバースとは、複数のユーザで共有可能な仮想空間によって構築される仮想の世界のことであり、ユーザは、自身の分身であるアバターによってメタバース内で活動することができる。メタバースを利用したサービスとしては、インターネットを介して提供されるあらゆるサービスが対象となり、例えば、電子商取引サービス、動画配信サービス、音楽配信サービス、情報配信サービス及びSNS(Social Networking Service)サービス等が含まれる。これらのサービスは、個人から団体まであらゆる主体によって提供される。これらの主体のことを以下では「サービス提供者」と言う。
【0016】
メタバース作成支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、ウェブサーバ装置20と、作業者端末30と、閲覧者端末40とを備える。通信回線2は、インターネット等を含み、自回線に接続する装置同士のデータのやり取りを仲介する。通信回線2には、各装置が有線又は無線で接続されている。
【0017】
サーバ装置10は、メタバースによるサービス提供を支援するための処理を実行する情報処理装置である。ウェブサーバ装置20は、サービス提供者が作成したウェブページを閲覧者U2等に提供する処理を実行する情報処理装置である。作業者端末30は、サービス提供者の作業者U1によって利用される端末である。閲覧者端末40は、ウェブページを閲覧する閲覧者U2によって利用される端末である。
【0018】
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14とを備える。バス14は、サーバ装置10が備える各部を電気的に接続する。
【0019】
(制御部11)
制御部11は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、メタバース作成支援システム1に係る種々の機能を実現するコンピュータである。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0020】
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるメタバース作成支援システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるメタバース作成支援システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0021】
(通信部13)
通信部13は、サーバ装置10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素からサーバ装置10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これにより通信回線2を介して、サーバ装置10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0022】
ウェブサーバ装置20は、サーバ装置10と同様のハードウェア構成を備える。なお、ウェブサーバ装置20の制御部は、サーバ装置10の制御部11と区別するため、制御部21という符号を付して説明する。
【0023】
図3は、作業者端末30のハードウェア構成を示す図である。作業者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、バス36とを備える。バス36は、作業者端末30が備える各部を電気的に接続する。制御部31、記憶部32及び通信部33は、
図3に示す制御部11、記憶部12及び通信部13と、スペック、モデル等は異なってもよいが、同様のハードウェアである。
【0024】
(入力部34)
入力部34は、キー、ボタン、タッチスクリーン及びマウス等のうちの1以上の入力インターフェースを有し、ユーザによる入力を受け付ける。
(出力部35)
出力部35は、ディスプレイ及びスピーカ等の出力デバイスを有し、表示面に画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報を表示し、音声を含む音を出力する。
【0025】
閲覧者端末40は、作業者端末30と同様のハードウェア構成を備える。なお、閲覧者端末40の制御部は、作業者端末30の制御部31と区別するため、制御部41という符号を付して説明する。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
【0027】
図4は、各装置の制御部の機能構成を一例を示す図である。サーバ装置10の制御部11は、サーバ表示部111と、記憶制御部112と、オブジェクト取得部113と、優先度判定部114と、テンプレート決定部115と、配置決定部116と、オブジェクト提示部117と、空間データ生成部118と、空間データ出力部119とを備える。ウェブサーバ装置20の制御部21は、サーバ表示部211と、記憶制御部212とを備える。作業者端末30の制御部31は、ユーザ表示部311と、操作受付部312とを備える。閲覧者端末40の制御部41は、ユーザ表示部411と、操作受付部412とを備える。
【0028】
サーバ表示部111は、メタバース作成支援システム1に関するシステム画面を作業者端末30に表示させるための処理を実行する。サーバ表示部111は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルの生成及び送信等の処理を行い、システム画面を示すウェブページを作業者端末30に表示させる。なお、サーバ表示部111は、メタバース作成支援システム1を利用するためのアプリケーションの表示用データの生成及び送信等の処理を行ってもよい。
【0029】
記憶制御部112は、記憶手段への情報の記憶、更新、削除等の処理を実行する。オブジェクト取得部113は、ウェブページを構成するオブジェクトを取得する。オブジェクトとは、ユーザが知覚可能な情報を表すデータであり、例えば、ウェブページに掲載された画像、動画、音及びテキスト等のデータである。優先度判定部114は、オブジェクト取得部113により取得されたオブジェクトの配置の優先度を判定する。テンプレート決定部115は、仮想空間の構造を示すテンプレートを決定する。配置決定部116は、オブジェクト取得部113により取得された複数のオブジェクトから、仮想空間に設けられた領域(以下「配置領域」と言う)に配置するオブジェクトを決定する。
【0030】
オブジェクト提示部117は、オブジェクト取得部113により取得された複数のオブジェクトのうち、配置領域に配置可能なオブジェクトをユーザに提示する。空間データ生成部118は、配置決定部116により決定されたオブジェクトが配置領域に配置された仮想空間を示す空間データを生成する。空間データ出力部119は、空間データ生成部118により生成された空間データを出力する。
【0031】
サーバ表示部211は、サービス提供者が作成したウェブページを閲覧者端末40に表示させるための処理を実行する。サーバ表示部211は、サーバ表示部111と同様に、HTMLファイル又はアプリケーションの表示用デの生成及び送信等の処理を行い、ウェブページを閲覧者端末40に表示させる。記憶制御部212は、記憶手段への情報の記憶、更新、削除等の処理を実行する。
【0032】
ユーザ表示部311は、作業者端末30が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。ユーザ表示部311は、例えば、サーバ表示部111から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。操作受付部312は、ユーザの操作を受け付ける。
【0033】
ユーザ表示部411は、閲覧者端末40が有する表示手段であるディスプレイへの表示を制御する。ユーザ表示部411は、例えば、サーバ表示部211から送信されてくるウェブページ又はアプリの画面を表示手段に表示させる。操作受付部412は、ユーザの操作を受け付ける。
【0034】
3.情報処理
以下、
図5を参照して、メタバース作成支援システム1によって実行される情報処理の流れを概説する。メタバース作成支援システム1は、以下で述べる各ステップ(各処理)がなされるようにプログラムを実行可能なプロセッサを備える。メタバース作成支援システム1は、メタバースとして利用する仮想空間の作成を支援する作成支援処理を実行する。
【0035】
図5は、作成支援処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5に示すアクティビティは、作業者U1が、作業者端末30に対してメタバースとして利用する仮想空間を作成させるための画面であるメタバース作成画面を表示させ、そのメタバース作成画面に対して操作を行うことを契機に開始される。
【0036】
図6は、メタバース作成画面の一例を示す図である。作業者端末30のユーザ表示部311は、メタバース作成画面G1を表示している。メタバース作成画面G1には、「ウェブページのURLを入力してください。」という文字列と、URL(Uniform Resource Locator)の入力欄C1と、確定ボタンB1とが表示されている。作業者U1は、サービス提供者が提供するウェブページのURLを入力欄C1に入力し、確定ボタンB1を押す操作をする。作業者端末30は、操作受付部312により、このURLを入力する操作を受け付ける(A11)。
【0037】
操作受付部312は、入力されたURLをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、オブジェクト取得部113により、送信されてきたURLを取得する(A12)。次に、サーバ装置10は、オブジェクト取得部113により、取得したURLに基づいて、ウェブページを構成するオブジェクト(画像等のデータ)及びHTML(Hyper Text Markup Language)ファイルをウェブサーバ装置20に要求する(A13)。オブジェクト取得部113は、取得したURLが示すウェブページが階層構造になっている場合、本実施形態では、下層のウェブページのオブジェクト及びHTMLファイルも要求する。
【0038】
ウェブサーバ装置20は、記憶制御部212により、要求されたオブジェクト及びHTMLファイルを読み出し、サーバ表示部211により、読み出したオブジェクト及びHTMLファイルをサーバ装置10に送信する(A14)。サーバ装置10は、オブジェクト取得部113により、送信されてきたオブジェクト及びHTMLファイルを取得する(A15:取得ステップ)。本実施形態で取得されるオブジェクトについて
図7を参照して説明する。
【0039】
図7は、ウェブページの一例を示す図である。
図7では、ウェブページWP1が示されている。ウェブページWP1には、画像オブジェクトOB2、OB8、OB9、OB10と、テキストオブジェクトOB1、OB4、OB5、OB6、OB7と、動画オブジェクトOB3とが含まれている。OB1はOB2の近くに並べることで互いに対応付けて表示されている。同様に、OB3及びOB4、OB5及びOB8、OB6及びOB9、OB7及びOB10は、互いに対応付けて表示されている。
【0040】
次に、サーバ装置10は、優先度判定部114により、オブジェクトの配置の優先度を判定する(A16:判定ステップ)。後述する仮想空間においてオブジェクトを配置する配置領域には、優先順位が決められている。配置の優先度とは、配置領域にオブジェクトを配置する際の優先度であり、優先度が高いほど優先順位が高い配置領域に配置されることを意味する。優先度判定部114は、オブジェクトの要素と優先度を表すポイントとを対応付けた優先度テーブルを用いる。
【0041】
図8は、優先度テーブルの一例を示す図である。
図8では、優先度テーブルTB1が示されている。優先度テーブルTB1では、オブジェクトの種類と、要素と、値と、ポイントとが対応付けられている。「オブジェクトの種類」は、「画像」、「テキスト」及び「動画」等である。「要素」とは、オブジェクトの特徴を示す要素であり、例えば画像の場合、「サイズ」、「解像度」及び「表示位置」である。「値」は、各要素を示す値である。「ポイント」は、優先度を比較するための値であり、本実施形態では、ポイントが大きいほど優先度が高いものとする。
【0042】
例えば、画像のサイズには、「Th11未満」、「Th11以上Th12未満」及び「Th12以上」という値に、「P11」、「P12」及び「P13」というポイント(P11<P12<P13)が対応付けられている。これにより、画像はサイズが大きいほど優先度が高くなりやすくなっている。また、画像の解像度には、「Th21未満」、「Th21以上Th22未満」及び「Th22以上」という値に、「P21」、「P22」及び「P23」というポイント(P21<P22<P23)が対応付けられている。これにより、画像は解像度が大きいほど優先度が高くなりやすくなっている。
【0043】
また、画像の表示位置には、「第1領域」、「第2領域」及び「第3領域」という値に、「P31」、「P32」及び「P33」というポイント(P31>P32>P33)が対応付けられている。これにより、第1領域に表示されている画像の優先度が最も高くなりやすく、第3領域に表示されている画像の優先度が最も低くなりやすくなっている。各領域の位置関係は、ウェブページのレイアウト等によって定められる。本実施形態では、説明を簡単にするため、第1領域がウェブページの最上部の領域。第2領域がウェブページの上下中央の領域、第3領域がウェブページの最下部の領域であるものとする。
【0044】
テキストの場合、「サイズ」及び「表示位置」が要素として定められている。例えば、テキストのサイズには、「Th31未満」、「Th31以上Th32未満」及び「Th32以上」という値に、「P41」、「P42」及び「P43」というポイント(P41<P42<P43)が対応付けられている。これにより、テキストも画像と同様にサイズが大きいほど優先度が高くなりやすくなっている。
【0045】
また、テキストの表示位置には、「第1領域」、「第2領域」及び「第3領域」という値に、「P51」、「P52」及び「P53」というポイント(P51>P52>P53)が対応付けられている。これにより、第1領域に表示されているテキストの優先度が最も高くなりやすく、第3領域に表示されているテキストの優先度が最も低くなりやすくなっている。
【0046】
優先度判定部114は、取得されたHTMLファイルの記述に基づいて、画像オブエクト等のサイズ、解像度及び表示位置等の要素の値を特定し、特定した要素の値に優先度テーブルTB1において対応付けられているポイントを合計する。優先度判定部114は、そうして合計したポイントが高いオブジェクトほど、優先度が高いオブジェクトとして判定する。
【0047】
ここで、オブジェクトの中には、セットで配置される前提となっているものがある。
図7に示すウェブページWP1の場合、テキストオブジェクトOB1及び画像オブジェクトOB2は、互いに関連する事項(この場合「サッカー」)を表している。また、テキストオブジェクトOB4は、動画オブジェクトOB3の解説をしている文章である。また、テキストオブジェクトOB5、OB6、OB7は、画像オブジェクトOB8、OB9、OB10とそれぞれセットになっている。
【0048】
これらのオブジェクトは、画面の大きさや形状が変わっても横又は縦に隣接して並んで表示されるようにHTML文書で記述されている。優先度判定部114は、HTML文書の記述から、セットで表示されているオブジェクトを判定し、そのセットについての優先度を判定する。優先度判定部114は、例えば、セットに含まれるオブジェクトのポイントの平均値をそのセットのポイントとして算出する。これにより、セットに含まれるオブジェクトの数によらず、優先度を公平に比較することができる。
【0049】
次に、サーバ装置10は、テンプレート決定部115により、仮想空間の構造を示すテンプレートを決定する(A22)。仮想空間の構造とは、仮想空間に構築されている建築物及び自然物の造形等のことである。テンプレートとは、仮想空間の構造を定義したデータであり、予め作成されてサーバ装置10に記憶されている。テンプレート決定部115は、テンプレートを選択させる選択画面を作業者端末30に送信する。作業者端末30は、ユーザ表示部311により、送信されてきたテンプレートの選択画面を表示する。
【0050】
図9は、テンプレートの選択画面の一例を示す図である。
図9では、テンプレートの選択画面G2が示されている。選択画面G2には、「仮想空間のテンプレートを選択してください。」という文字列と、第1テンプレートTP1と、第2テンプレートTP2と、第3テンプレートTP3と、確定ボタンB2とが含まれている。各テンプレートには、仮想空間の外観を示すサムネイル画像が示されており、仮想空間の様子が分かるようになっている。
【0051】
作業者端末30は、操作受付部312により、テンプレートを選択する操作と確定ボタンB2を押す操作とをテンプレートを選択する操作として受け付ける(A23)。操作受付部312は、選択されたテンプレートをサーバ装置10に通知する。テンプレート決定部115は、通知されたテンプレートを、生成する仮想空間のテンプレートとして決定する。
【0052】
続いて、サーバ装置10は、配置決定部116により、決定されたテンプレートの仮想空間の配置領域(仮想空間に設けられたオブジェクトを配置するための領域)に配置するオブジェクトを決定する(A24:決定ステップ)。各配置領域には、予め優先順位が定められている。優先順位について説明するため、まず仮想空間のテンプレートについて説明する。
【0053】
図10は、仮想空間のテンプレートの一例を示す図である。
図10では、仮想空間の第1テンプレートTP1が示されている。第1テンプレートTP1は、入り口から入ったところから見た部屋の中の空間を表しており、左の壁に配置領域R11及びR12が、正面の壁に配置領域R13、R14、R15が、右の壁に配置領域R16及びR17が設けられている。また、天井には配置領域R21が設けられている。サーバ装置10には、各配置領域の優先順位を示す優先順位テーブルが記憶されている。
【0054】
図11は、優先順位テーブルの一例を示す図である。
図11では、優先順位テーブルTB2が示されている。優先順位テーブルTB2では、テンプレートと、優先順位と、配置領域とが対応付けられている。例えば、第1テンプレートTP1の場合、優先順位の1番目は正面の壁の中央の配置領域R14であり、2番目は左右の壁の中央の配置領域R11及びR17である。また、優先順位の3番目は正面の壁の端に寄った配置領域R13及びR15であり、4番目は天井の配置領域R21ある。そして、優先順位の5番目は左右の壁の端に寄った配置領域R12及びR16である。
【0055】
配置決定部116は、優先度判定部114により判定された優先度が高いオブジェクトから順番に、優先順位が高い配置領域に配置するオブジェクトとして決定していく。配置決定部116は、上述したようにセットで優先度を判定されたオブジェクトについては、セットで配置領域を決定していく。
【0056】
ここで、メタバース作成支援システム1においては、作業者U1の確認なく自動的にオブジェクトの配置を決定する自動モードと、作業者U1が確認して必要に応じて修正する手動モードとがある。まず、自動モードについて説明する。自動モードの場合、サーバ装置10は、A24の次に、空間データ生成部118により、A24で決定されたオブジェクトを配置領域に配置した仮想空間を示す仮想空間データを生成する(A25)。
【0057】
次に、サーバ装置10は、空間データ生成部118により、生成した仮想空間データにアクセスするためのアクセス情報を生成する(A26)。アクセス情報は、例えば、ウェブページWP1に含めるハイパーリンクである。その後、閲覧者端末40が、操作受付部412により、閲覧者U2による仮想空間データへのアクセス操作(ハイパーリンクを選択する操作)を受け付けたとする(A41)。操作受付部412は、サーバ装置10に対して仮想空間データへのアクセスを要求する。
【0058】
サーバ装置10は、空間データ出力部119により、要求された仮想空間データを閲覧者端末40に対して出力する(A42:出力ステップ)。閲覧者端末40は、ユーザ表示部411により、出力されてきた仮想空間データが示す仮想空間を表示する(A43)。
【0059】
図12は、表示された仮想空間の一例を示す図である。
図12では、
図10に示す仮想空間の第1テンプレートTP1にオブジェクトが配置された仮想空間VS1が示されている。仮想空間VS1では、優先順位が1番目の配置領域R14に、優先度が最も高いオブジェクトのセットであるテキストオブジェクトOB1及び画像オブジェクトOB2が配置されている。また、優先順位が2番目の配置領域R11に、優先度が2番目に高いオブジェクトのセットである動画オブジェクトOB3及びテキストオブジェクトOB4が配置されている。
【0060】
また、同じく優先順位が2番目の配置領域R17に、優先度が3番目に高いオブジェクトのセットであるテキストオブジェクトOB5及び画像オブジェクトOB8のセットが配置されている。以下同様に、優先度が高いオブジェクトのセットから順番に、優先順位が高い配置領域に配置されている。なお、配置領域R11及びR17のように優先順位が同じ配置領域が複数ある場合は、該当する優先度のオブジェクトのセットがどこに配置されてもよい。
【0061】
続いて、前述した手動モード、すなわち、オブジェクトの配置を作業者U1が確認して必要に応じて修正するモードについて説明する。サーバ装置10は、
図5に示すA24で各配置領域に配置するオブジェクトを決定した後、空間データ生成部118が、配置確認用の仮想空間データを生成する(A25)。空間データ出力部119は、生成された配置確認用の仮想空間データを作業者端末30に出力する。作業者端末30は、ユーザ表示部311により、出力されてきた仮想空間データが示す配置確認用の仮想空間を表示する(A31)。
【0062】
図13は、配置確認用の仮想空間の一例を示す図である。
図13では、
図12に示す仮想空間VS1と同じ配置領域に各オブジェクトが配置された配置確認用の仮想空間VS2が示されている。仮想空間VS2において、作業者U1が配置領域のいずれかを選択すると、操作受付部312は、選択された配置領域をサーバ装置10に通知する。サーバ装置10は、オブジェクト提示部117により、通知された配置領域に配置可能なオブジェクトの候補を示す配置候補画像を作業者端末30に送信する。
【0063】
作業者端末30は、ユーザ表示部311により、送信されてきた配置候補画像を表示する。
図13の例では、配置領域R17が選択され、配置領域R17に配置されているテキストオブジェクトOB5及び画像オブジェクトOB8のセットを除くオブジェクトのセット(OB1とOB2のセット、OB3とOB4のセット、OB6とOB9のセット)を示す配置候補画像D1が表示されている。配置候補画像D1には、スクロールバーが表示されており、スクロールさせることで他のオブジェクトのセットも表示されるようになっている。
【0064】
このようにして、オブジェクト提示部117は、選択された配置領域に配置可能なオブジェクトをユーザ(
図13の例では作業者U1)に提示する。オブジェクト提示部117は、これらのオブジェクトのセットを、優先度の順番に並べて提示している。提示されたオブジェクトのうちのいずれかを選択する操作をユーザが行うと、作業者端末30は、この操作を、操作受付部312により、選択したオブジェクトを配置領域に配置する操作として受け付ける(A32)。
【0065】
操作受付部312は、選択された配置領域及び選択されたオブジェクトを示す操作データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、この操作データが送信されてくると、空間データ生成部118により、選択された配置領域に選択されたオブジェクトを配置した仮想空間データを生成する(A25)。空間データ生成部118は、選択された配置領域に配置されていたオブジェクトについては、新たに配置したオブジェクトが配置されていた配置領域に配置する。
【0066】
図13の例で配置候補画像D1からテキストオブジェクトOB1及び画像オブジェクトOB2のセットが選択された場合、空間データ生成部118は、それらのセットを配置し、配置領域R14にテキストオブジェクトOB5及び画像オブジェクトOB8のセットを配置した仮想空間データを、新たな確認用の仮想空間データとして生成する(A25)。このように、A25(確認用の仮想空間データを生成)、A31(確認用の仮想空間を表示)及びA32(配置操作を受け付け)の処理が繰り返し行われることで、作業者U1がより適切な配置領域にオブジェクトを配置させた仮想空間が出来上がる。
【0067】
確認用の仮想空間VS2には、配置完了ボタンB3が表示されている。作業者U1が配置完了ボタンB3を操作すると、操作受付部312が、オブジェクトの配置が完了したことをサーバ装置10に通知する。サーバ装置10は、配置完了の通知を受け取ると、空間データ生成部118により、最終的な配置での仮想空間データを生成する(A25)。これにより、作業者U1によって配置を調整された仮想空間を提供することができる。
【0068】
以上のとおり、メタバース作成支援システム1においては、オブジェクト取得部113が、ウェブページを構成する複数のオブジェクトを取得する取得部の一例として機能する(A15:取得ステップ)。また、配置決定部116は、オブジェクト取得部113により取得された複数のオブジェクトから、仮想空間に設けられた領域に配置するオブジェクトを決定する決定部の一例として機能する(A24:決定ステップ)。
【0069】
そして、空間データ出力部119は、決定されたオブジェクトが領域に配置された仮想空間を示す空間データを出力する出力部の一例として機能する(A42:出力ステップ)。このような態様によれば、ウェブページが存在すれば、そのウェブページのオブジェクトを利用した仮想空間が出力されるので、一から仮想空間を作成する場合に比べて、仮想空間の提供を容易にすることができる。
【0070】
また、メタバース作成支援システム1においては、優先度判定部114は、オブジェクトの配置の優先度を判定する判定部の一例として機能する(A16:判定ステップ)。また、配置決定部116は、判定された優先度に基づいて、領域に配置するオブジェクトを決定する決定部の一例として機能する(A24:決定ステップ)。このような態様によれば、特定のオブジェクト(例えば優先度が高いオブエクト)が仮想空間に配置されやすいようにすることができる。
【0071】
また、メタバース作成支援システム1においては、優先度判定部114は、オブジェクトの種類に応じてそのオブジェクトの優先度を判定する。優先度判定部114は、例えば、
図8の例において、「画像」、「テキスト」又は「動画」等のオブジェクトの種類によってポイントを異ならせることで、オブジェクトの種類に応じた優先度を判定している。なお、オブジェクトの種類は、これら以外にも、音声、バナー、アイコン等が含まれていてもよい。このような態様によれば、オブジェクトの種類によって、仮想空間への配置のされやすさが異なるようにすることができる。
【0072】
また、メタバース作成支援システム1においては、優先度判定部114は、オブジェクトのウェブページにおける配置に応じてそのオブジェクトの優先度を判定する。優先度判定部114は、例えば、
図8の例において、表示位置が「第1領域」、「第2領域」又は「第3領域」というオブジェクトのウェブページにおける配置によってポイントを異ならせることで、オブジェクトのウェブページにおける配置に応じた優先度を判定している。
【0073】
なお、
図8の例では各領域の位置関係を上下の関係だけで表したが、これに限らず、左右の関係で表してもよいし、例えば、ヘッダー、コンテンツ、サイドバー及びフッターというようにウェブページのレイアウトで用いられる領域で表されてもよい。このような態様によれば、ウェブページでの配置によって、仮想空間への配置のされやすさが異なるようにすることができる。
【0074】
<その他の実施形態>
配置領域においては、配置可能なオブジェクトのサイズ、形状又はデータフォーマットが決まっている場合がある。
図10に示す仮想空間の第1テンプレートTP1の場合、例えば、配置領域R13には、配置領域R13の横幅よりも横幅が小さい画像オブジェクトのみが配置可能であり、配置領域R14には、アスペクト比が9:16よりも横長の画像のみが配置可能であり、配置領域R17には、画像オブジェクト及びテキストオブジェクトのみが配置可能である、という具合である
【0075】
その場合に、オブジェクト提示部117は、オブジェクト取得部113により取得された複数のオブジェクトのうち、配置領域に配置可能なオブジェクトをユーザに提示してもよい。
図14は、配置確認用の仮想空間の別の一例を示す図である。
図14では、
図13に示す仮想空間VS2において、
図13の例と同様に、配置領域R17が選択されている。配置領域R17は、前述したように画像オブジェクト及びテキストオブジェクトのみが配置可能であるものとする。
【0076】
この場合に、オブジェクト提示部117は、配置候補画像D2として、
図13に示す配置候補画像D1には含まれていた動画オブジェクト及びテキストオブジェクトのセット(OB3及びOB4)を除き、画像オブジェクト及びテキストオブジェクトのセット(OB1とOB2のセット、OB6とOB9のセット、OB7とOB10のセット)のみを含む画像を提示している。このような態様によれば、配置領域に配置できないオブジェクトは配置候補画像に含まれないので、オブジェクトの配置を決めやすくすることができる。
【0077】
オブジェクトには、ウェブページにおいて閲覧者によって選択する操作が行われるオブジェクトが含まれる。例えば
図7に示すウェブページWP1では、画像オブジェクト、テキストオブジェクト及び動画オブジェクトのいずれも、関連するウェブページへのハイパーリンクとなっており、閲覧者によって選択する操作が行われる。この場合に、優先度判定部114は、オブジェクトの選択履歴に応じてそのオブジェクトの優先度を判定してもよい。
【0078】
図15は、サーバ装置10の制御部の機能構成の別の一例を示す図である。
図15の例では、サーバ装置10の制御部11が、
図4に示す各部に加えて履歴蓄積部120を備える。履歴蓄積部120は、ウェブページにおいて閲覧者によってオブジェクトが選択された履歴を蓄積する。履歴蓄積部120は、例えば、A15で取得された各オブジェクトについて、閲覧者によってハイパーリンクとしての選択がされた履歴をウェブサーバ装置20に要求する。履歴蓄積部120は、この要求に応答して送信されてきた各オブエクトの選択履歴を蓄積する。
【0079】
優先度判定部114は、オブジェクトの選択履歴とそのオブジェクトの優先度とを対応付けた優先度テーブルを用いて優先度の判定を行う。
図16は、優先度テーブルの一例を示す図である。
図16に示す優先度テーブルTB3では、「Th41未満」、「Th41以上Th42未満」及び「Th42以上」という選択履歴(この例では選択回数)に、「P61」、「P62」及び「P63」というポイント(P61<P62<P63)が対応付けられている。これにより、閲覧回数が多いほど優先度が高くなりやすくなっている。
【0080】
優先度判定部114は、履歴蓄積部120に蓄積されている選択履歴を参照し、各オブジェクトの選択回数を計数する。優先度判定部114は、計数した選択回数に優先度テーブルTB3において対応付けられているポイントを、実施形態で述べたポイントに合計して、合計したポイントが高いオブジェクトほど、優先度が高いオブジェクトとして判定する。このような態様によれば、選択履歴に関係なく優先度を判定する場合に比べて、閲覧者の関心が高いオブジェクトが配置されやすいようにすることができる。
【0081】
なお、閲覧履歴は、閲覧回数に限らない。例えば、ウェブページがEC(Electronic Commerce)サイトである場合、画像オブジェクト等が示す商品の注文数が閲覧履歴であってもよい。また、ウェブサイトが動画配信ページである場合、動画オブエクトが示す動画の再生数が閲覧履歴であってもよい。また、選択履歴は、選択頻度(選択頻度が多いほど優先度を高くする)であってもよいし、選択した閲覧者の人数(選択した閲覧者の人数が多いほど優先度を高くする)であってもよい。いずれの場合も、閲覧者の関心が高いオブジェクトが配置されやすいようにすることができる。
【0082】
図10に示す第1テンプレートTP1のように、仮想空間には、大きさが異なる複数の領域が存在する場合がある。その場合に、配置決定部116は、優先度判定部114により判定された優先度が高いオブジェクトほど、より大きい配置領域に配置するオブジェクトとして決定してもよい。このような態様によれば、優先度が高いオブジェクトほど大きく表示されるので、優先度が高いオブジェクトが目立ちやすいようにすることができる。
【0083】
また、第1テンプレートTP1のように、仮想空間には、高さが異なる複数の領域が存在する場合がある。ここでいう高さとは、例えば、オブジェクトの中心点の高さである。この場合、配置決定部116は、優先度判定部114により判定された優先度が高いオブジェクトほど、所定の高さにより近い高さの配置領域に配置するオブジェクトとして決定してもよい。所定の高さとは、例えば、仮想空間に存在するアバターの視線の高さである。このような態様によれば、優先度が高いオブジェクトほどアバターの目線の高さで表示されるようにすることができ、優先度が高いオブジェクトが目立ちやすいようにすることができる。
【0084】
なお、配置決定部116は、仮想空間が部屋の形状をしている場合に、優先度判定部114により判定された優先度が高いオブジェクトほど、壁の左右方向の中央により近い位置に配置されている領域に配置するオブジェクトとして決定してもよい。このような態様によれば、優先度が高いオブジェクトほど部屋の中央から見やすい位置に表示されるようにすることができ、優先度が高いオブジェクトが目立ちやすいようにすることができる。
【0085】
また、仮想空間は、用途が定められている場合がある。ここでいう用途とは、例えば、商品説明、会社説明又は仮想店舗等の用途である。その場合に、配置決定部116は、優先度判定部114により判定された優先度が高いオブジェクトほど、用途に応じて決まる優先順位の高い配置領域に配置するオブジェクトとして決定してもよい。
【0086】
例えば、商品説明の場合は、商品を大きく見せたいので配置領域が大きいほど優先順位を高くする。会社説明の場合は、仮想空間に説明者のアバターが登壇するステージが用意されている場合があり、その場合はステージに近い配置領域ほど優先順位を高くする。仮想店舗の場合は、店舗内の動線のうち注目を集めやすい入口と出口に近い配置領域ほど優先順位を高くする。このような態様によれば、仮想空間の用途毎に異なる目立ちやすい位置に優先度が高いオブジェクトを配置することができる。
【0087】
テンプレート決定部115は、作業者U1によって選択されたテンプレートを、生成する仮想空間のテンプレートとして決定したが、これに限らない。テンプレート決定部115は、仮想空間の構造を示す複数のテンプレートのうち、ウェブページの特徴に応じたテンプレートを決定する決定部の一例として機能してもよい。ウェブページの特徴とは、例えば、画像が多い、テキストが多い又は動画が多い等の特徴である。
【0088】
テンプレート決定部115は、例えば、ウェブページに含まれるオブジェクトの種類のうち、オブジェクトの個数が一定の割合(例えば30%~50%等)を超える種類を、ウェブページの特徴を示すオブジェクトの種類として特定する。また、テンプレートとしては、予め、画像、テキスト又は動画等を表示するのに適したものが用意されているものとする。
【0089】
画像に適したテンプレートは、例えば、高解像度の画像を配置可能な配置領域を有するテンプレートである。また、テキストに適したテンプレートは、例えば、様々なフォントを表示可能な配置領域を有するテンプレートである。また、動画に適したテンプレートは、例えば、動画を配置可能な配置領域が半分以上を占めるテンプレートである。テンプレート決定部115は、特定したオブジェクトの種類に適したテンプレートを、生成する仮想空間のテンプレートとして決定する。
【0090】
空間データ出力部119は、テンプレート決定部115により決定されたテンプレートにより構造が示される仮想空間を示すデータを空間データとして出力する。このような態様によれば、ウェブページとの親和性が高い仮想空間を提供することができる。
【0091】
仮想空間の元になったウェブページが更新される場合がある。その場合に、仮想空間も更新されるようにしてもよい。
図17は、サーバ装置10の制御部の機能構成の別の一例を示す図である。
図17の例では、サーバ装置10の制御部11が、
図4に示す各部に加えて空間更新部121を備える。空間更新部121は、ウェブページのオブジェクトに更新があった場合、そのオブジェクトが配置された領域に更新後のオブジェクトを配置する更新部の一例として機能する。
【0092】
空間更新部121は、例えば、出力された仮想空間データに含まれるオブジェクトの元となったウェブページを巡回し、オブジェクトに更新がないかどうかを確認する。空間更新部121は、オブジェクトに更新があった場合、例えば、オブジェクト取得部113に対して、該当するウェブページのオブジェクトの取得を指示する。そして、空間更新部121は、取得されたオブジェクトを用いて、オブジェクトの配置は変えずに、新たな仮想空間データを生成するよう空間データ生成部118に指示する。
【0093】
このようにして、空間更新部121は、ウェブページで更新されたオブジェクトを、仮想空間においても新しいオブジェクトに更新する。このような態様によれば、ウェブページの更新を仮想空間に反映することができる。
【0094】
図1等に示す構成は一例であり、実施に不都合が無い限り、他の態様を取り得る。例えば、1台の装置は、2台以上の装置に分散されてもよいし、クラウドコンピューティングシステムに代替されてもよい。また、1台の装置の機能が2台以上の装置に分散して実現されてもよいし、2台以上の装置の機能が1台の装置により集中して実現されてもよい。また、1つの機能が行う動作を2以上の機能が分散して行ってもよいし、2以上の機能が1つの機能に統合されてもよい。要するに、メタバース作成支援システム1の全体で必要な各機能が実現されていれば、それらの機能を実現する装置はどのような構成であってもよい。
【0095】
情報またはデータ(以下「情報等」と言う)の出力先は、他の装置、ディスプレイ、記憶部(内蔵の記憶部および外部の記憶部を含む)等であってもよい。情報等の取得には、他の装置から送信されてきた情報等を取得する態様に加え、自装置で生成された情報等を取得する態様を含む。パラメータを対応付けたテーブルは、図示したテーブルに限らず、パラメータの数を少なくしたり多くしたりしてもよい。また、テーブルを用いずに、数式または条件式等によりパラメータに応じた情報等を求めてもよい。
【0096】
上述した実施形態の態様は、サーバ装置10のような情報処理装置を備えるメタバース作成支援システム1のような情報処理システムであったが、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、その情報処理システムが実行する各処理のステップを備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、同様の情報処理システムが実行する各ステップ(各処理)を実行させる。
【0097】
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0098】
(1)情報処理システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサが、取得ステップでは、ウェブページを構成する複数のオブジェクトを取得し、決定ステップでは、取得された前記複数のオブジェクトから、仮想空間に設けられた領域に配置するオブジェクトを決定し、出力ステップでは、決定された前記オブジェクトが前記領域に配置された前記仮想空間を示す空間データを出力する、情報処理システム。
【0099】
このような態様によれば、仮想空間の提供を容易にすることができる。
【0100】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、判定ステップでは、前記オブジェクトの配置の優先度を判定し、前記決定ステップでは、判定された前記優先度に基づいて、前記領域に配置するオブジェクトを決定する、情報処理システム。
【0101】
このような態様によれば、特定のオブジェクトが配置されやすいようにすることができる。
【0102】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記判定ステップでは、前記オブジェクトの種類に応じて当該オブジェクトの優先度を判定する、情報処理システム。
【0103】
このような態様によれば、オブジェクトの種類によって、仮想空間への配置のされやすさが異なるようにすることができる。
【0104】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、前記判定ステップでは、前記オブジェクトの前記ウェブページにおける配置に応じて当該オブジェクトの優先度を判定する、情報処理システム。
【0105】
このような態様によれば、ウェブページでの配置によって、仮想空間への配置のされやすさが異なるようにすることができる。
【0106】
(5)上記(2)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記オブジェクトには、閲覧者によって選択する操作が行われるオブジェクトを含み、前記プロセッサが、前記判定ステップでは、前記オブジェクトの選択履歴に応じて当該オブジェクトの優先度を判定する、情報処理システム。
【0107】
このような態様によれば、閲覧者の関心が高いオブジェクトが配置されやすいようにすることができる。
【0108】
(6)上記(2)~(5)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記仮想空間には、大きさが異なる複数の前記領域が存在し、前記プロセッサが、前記決定ステップでは、判定された前記優先度が高いオブジェクトほど、より大きい前記領域に配置するオブジェクトとして決定する、情報処理システム。
【0109】
このような態様によれば、仮想空間の用途毎に異なる目立ちやすい位置に優先度が高いオブジェクトを配置することができる。
【0110】
(7)上記(2)~(6)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記仮想空間には、高さが異なる複数の前記領域が存在し、前記プロセッサが、前記決定ステップでは、判定された前記優先度が高いオブジェクトほど、所定の高さにより近い高さの前記領域に配置するオブジェクトとして決定する、情報処理システム。
【0111】
このような態様によれば、優先度が高いオブジェクトが目立ちやすいようにすることができる。
【0112】
(8)上記(2)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記仮想空間は、用途が定められており、前記プロセッサが、前記決定ステップでは、判定された前記優先度が高いオブジェクトほど、前記用途に応じて決まる優先順位の高い前記領域に配置するオブジェクトとして決定する、情報処理システム。
【0113】
このような態様によれば、特定のオブジェクトが目立ちやすいようにすることができる。
【0114】
(9)上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、決定ステップでは、前記仮想空間の構造を示す複数のテンプレートのうち、前記ウェブページの特徴に応じたテンプレートを決定し、前記出力ステップでは、決定された前記テンプレートにより構造が示される仮想空間を示すデータを前記空間データとして出力する、情報処理システム。
【0115】
このような態様によれば、ウェブページとの親和性が高い仮想空間を提供することができる。
【0116】
(10)上記(1)~(9)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記領域においては、配置可能なオブジェクトのサイズ、形状又はデータフォーマットが決まっており、前記プロセッサが、提示ステップでは、取得された前記複数のオブジェクトのうち、前記領域に配置可能なオブジェクトをユーザに提示する、情報処理システム。
【0117】
このような態様によれば、オブジェクトの配置を決めやすくすることができる。
【0118】
(11)上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサが、更新ステップでは、前記ウェブページのオブジェクトに更新があった場合、当該オブジェクトが配置された前記領域に更新後のオブジェクトを配置する、情報処理システム。
【0119】
このような態様によれば、ウェブページの更新を仮想空間に反映することができる。
【0120】
(12)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(11)のいずれか1つに記載の情報処理システムが実行する各ステップを実行させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0121】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0122】
1 :メタバース作成支援システム
10 :サーバ装置
11 :制御部
20 :ウェブサーバ装置
21 :制御部
30 :作業者端末
31 :制御部
40 :閲覧者端末
41 :制御部
100 :情報処理システム
111 :サーバ表示部
112 :記憶制御部
113 :オブジェクト取得部
114 :優先度判定部
115 :テンプレート決定部
116 :配置決定部
117 :オブジェクト提示部
118 :空間データ生成部
119 :空間データ出力部
120 :履歴蓄積部
121 :空間更新部
211 :サーバ表示部
212 :記憶制御部
311 :ユーザ表示部
312 :操作受付部
411 :ユーザ表示部
412 :操作受付部