特開 2024-90188 血圧測定装置及び送電装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024090188

(43)【公開日】2024-07-04

(54)【発明の名称】血圧測定装置及び送電装置

(51)【国際特許分類】

   A61B 5/022 20060101AFI20240627BHJP

【ＦＩ】

A61B5/022 F

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022205911

(22)【出願日】2022-12-22

(71)【出願人】

【識別番号】503246015

【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110003708

【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所

(74)【代理人】

【識別番号】100108855

【弁理士】

【氏名又は名称】蔵田 昌俊

(74)【代理人】

【識別番号】100179062

【弁理士】

【氏名又は名称】井上 正

(74)【代理人】

【識別番号】100153051

【弁理士】

【氏名又は名称】河野 直樹

(74)【代理人】

【識別番号】100199565

【弁理士】

【氏名又は名称】飯野 茂

(74)【代理人】

【識別番号】100162570

【弁理士】

【氏名又は名称】金子 早苗

(72)【発明者】

【氏名】東狐 義秀

(72)【発明者】

【氏名】阿部 康輔

(72)【発明者】

【氏名】小野 貴史

(72)【発明者】

【氏名】ブリガム ブライアン

【テーマコード（参考）】

4C017

【Ｆターム（参考）】

4C017AA08

4C017AB02

4C017AC01

4C017AD01

4C017BC11

4C017BD05

4C017FF17

(57)【要約】

【課題】充電中に表示部を確認することができ、ユーザビリティを向上することが可能となる血圧測定装置及び送電装置を提供すること。
【解決手段】血圧測定装置は、筐体、前記筐体内に設けられる表示部、前記筐体内に設けられた電池、及び、前記表示部の裏面に設けられ、前記表示部の中心から偏心して設けられたアンテナ部を含む、前記電池を充電する充電回路部を有する装置本体と、前記装置本体に固定されるカーラと、少なくとも前記装置本体と対向する前記カーラの内面に固定され、流体により膨張する流体袋と、を備える。
【選択図】 図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

ユーザの手首に装着される血圧測定装置であって、
筐体、前記筐体に設けられる表示部、前記筐体に設けられる電池、及び、前記表示部の裏面に設けられ、前記表示部の一部の領域に対向して設けられるアンテナ部を含む、前記電池を充電する充電回路部を有する装置本体と、
少なくとも前記装置本体の前記手首と対向する面に設けられ、流体により膨張することにより前記手首を押圧する流体袋と、
を備える血圧測定装置。

【請求項2】

前記装置本体は、前記電池の充電中に、前記表示部のうち少なくとも前記アンテナ部が設けられていない領域の一部に充電状況を表示させるプロセッサを有する、請求項１に記載の血圧測定装置。

【請求項3】

ユーザの手首に装着され、筐体、前記筐体に設けられる表示部、前記筐体に設けられる電池、及び、前記表示部の裏面に設けられ、前記表示部の一部の領域に対向して設けられる受電用アンテナ部を含む、前記電池を充電する充電回路部を有する装置本体と、少なくとも前記装置本体の前記手首と対向する面に設けられ、流体により膨張することにより前記手首を押圧する流体袋と、を備える血圧測定装置の前記電池を充電する送電装置であって、
送電部と、
前記送電部に接続され、前記受電用アンテナ部に送電するアンテナ部と、
前記送電部及び前記アンテナ部を収容するとともに、前記アンテナ部が前記受電用アンテナ部と対向する位置において前記表示部の一部を覆う収容部と、
前記筐体に当接し、前記収容部を前記受電用アンテナ部と対向する位置に案内するガイド部と、
を備える送電装置。

【請求項4】

前記ガイド部は、前記筐体に相対的にスライド移動可能に形成される、請求項３に記載の送電装置。

【請求項5】

前記ガイド部は、前記筐体に対する前記スライド移動を案内するとともに、前記スライド移動の方向で前記筐体と当接する、請求項４に記載の送電装置。

【請求項6】

前記ガイド部は、前記筐体の下端と当接する規制部を有する、請求項４に記載の送電装置。

【請求項7】

前記収容部に設けられ、前記筐体に固定されるクリップ部を備える、請求項４に記載の送電装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、送受電を行う血圧測定装置及び送電装置に関する。

【背景技術】

【0002】

既存の時計や手首用ウェアラブルデバイスでは、無線用のコイルアンテナがディスプレイ裏や本体裏蓋に配置される。一般的な製品では、ディスプレイ裏にＩＣタグを設け、本体裏に無線充電のアンテナを設ける構成が多く採用されており、これは、装置を装着した状態で容易にＩＣタグを使用したい、充電ではディスプレイ表示を確認できる状態にしたいという、ユーザビリティを考慮されたものである。

【0003】

また、時計のバンド部にコイルアンテナを配置する技術も知られている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開2000-286761号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

ディスプレイ裏にＩＣタグを設け、本体裏に無線充電用のアンテナを設ける構成を血圧測定装置に適用すると、本体裏蓋側にカフが配置される構成の場合、通信対象とアンテナの距離が安定しない。特に、充電のような大電流を流す用途では、通信対称とアンテナの距離が安定しないと、電力伝送効率が著しく低下する、という問題がある。このため必然的にディスプレイ裏にコイルアンテナを配置することになるが、充電中にディスプレイ表示を確認することができないという課題が発生する。

【0006】

また、バンド部にコイルアンテナを配置する技術では、設計が複雑で、コストも増加する問題がある。

【0007】

そこで本発明は、充電中に表示部を確認することができ、ユーザビリティを向上することが可能となる血圧測定装置及び送電装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

一態様によれば、ユーザの手首に装着される血圧測定装置であって、筐体、前記筐体に設けられる表示部、前記筐体に設けられる電池、及び、前記表示部の裏面に設けられ、前記表示部の一部の領域に対向して設けられるアンテナ部を含む、前記電池を充電する充電回路部を有する装置本体と、少なくとも前記装置本体の前記手首と対向する面に設けられ、流体により膨張することにより前記手首を押圧する流体袋と、を備える血圧測定装置が提供される。

【0009】

この態様によれば、血圧測定装置は、装置本体の手首と対向する面に設けられる流体袋を備えていても、表示部の裏面に設けられたアンテナ部により電池を充電することができる。また、アンテナ部は、表示部の一部の領域に対向して設けられるため、表示部のアンテナ部に送電する送電用のアンテナ部は、表示部のアンテナ部が対向する領域に配置すればよいことから、充電中に表示部のアンテナ部が設けられていない領域を外部に露出させることができる。これにより、充電中においても、外部に露出する表示部のアンテナ部が設けられていない領域を確認することができるため、血圧測定装置は、ユーザビリティを向上させることができる。

【0010】

上記一態様の血圧測定装置であって、前記装置本体は、前記電池の充電中に、前記表示部のうち少なくとも前記アンテナ部が設けられていない領域の一部に充電状況を表示させるプロセッサを有する、請求項１に記載の血圧測定装置が提供される。

【0011】

この態様によれば、プロセッサが、電池の充電中に、表示部のうち少なくとも前記アンテナ部が設けられていない領域の一部に充電状況を表示させることができるため、充電中においても表示部から充電状況を確認できる。よって、血圧測定装置は、ユーザビリティを向上させることができる。

【0012】

一態様によれば、ユーザの手首に装着され、筐体、前記筐体に設けられる表示部、前記筐体に設けられる電池、及び、前記表示部の裏面に設けられ、前記表示部の一部の領域に対向して設けられる受電用アンテナ部を含む、前記電池を充電する充電回路部を有する装置本体と、少なくとも前記装置本体の前記手首と対向する面に設けられ、流体により膨張することにより前記手首を押圧する流体袋と、を備える血圧測定装置の前記電池を充電する送電装置であって、送電部と、前記送電部に接続され、前記受電用アンテナ部に送電するアンテナ部と、前記送電部及び前記アンテナ部を収容するとともに、前記アンテナ部が前記受電用アンテナ部と対向する位置において前記表示部の一部を覆う収容部と、前記筐体に当接し、前記収容部を前記受電用アンテナ部と対向する位置に案内するガイド部と、を備える送電装置が提供される。

【0013】

この態様によれば、血圧測定装置が装置本体の手首と対向する面に設けられる流体袋を備えていても、送電装置は、表示部の一部の領域に対向して設けられる受電用アンテナ部により電池を充電することができる。また、受電用アンテナ部は、表示部の一部の領域に対向して設けられるため、受電用アンテナ部に送電する送電装置のアンテナ部は、表示部の受電用アンテナ部が対向する領域に配置すればよい。また、アンテナ部を収容する収容部は、表示部の一部を覆う。このため、収容部で表示部の一部を覆ったとしても、送電装置は、充電中に血圧測定装置の表示部の一部を外部に露出させることができる。これにより、送電装置は、表示部の受電用アンテナ部が設けられていない領域を外部に露出させることができるため、充電中に外部に露出する表示部のアンテナ部が設けられていない領域を確認することができる。よって、送電装置は、血圧測定装置のユーザビリティを向上させることができる。

【0014】

上記一態様の送電装置であって、前記ガイド部は、前記筐体と相対的にスライド移動可能に形成される送電装置が提供される。

【0015】

この態様によれば、送電装置は、ガイド部及び筐体を相対的にスライド移動させることができるため、装置本体に容易に装着することができる。

【0016】

上記一態様の送電装置であって、前記ガイド部は、前記筐体に対する前記スライド移動を案内するとともに、前記スライド移動の方向で前記筐体と当接する送電装置が提供される。

【0017】

この態様によれば、送電装置は、ガイド部によってスライド移動を案内し、そして、スライド移動の方向で筐体と当接することができるため、収容部のアンテナ部を血圧測定装置の受電用アンテナ部に位置合わせることが容易となる。

【0018】

上記一態様の送電装置であって、前記ガイド部は、前記筐体の下端と当接する規制部を有する送電装置が提供される。

【0019】

この態様によれば、ガイド部に筐体の下端と当接する規制部を有することで、ガイド部が筐体から上方に移動することを防止できるため、送電装置が筐体から上方に移動することを防止できる。

【0020】

上記一態様の送電装置であって、前記収容部に設けられ、前記筐体に固定されるクリップ部を有する送電装置が提供される。

【0021】

この態様によれば、筐体に固定されるクリップ部を有することで、クリップ部により収容部を筐体に固定することができる。

【発明の効果】

【0022】

本発明によれば、充電中に表示部を確認することができ、ユーザビリティを向上することが可能となる血圧測定装置及び送電装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0023】

【図1】本発明の実施形態に係る血圧測定装置の構成を示す斜視図。

【図2】同血圧測定装置の構成を示す側面図。

【図3】同血圧測定装置の構成を、手首に装着した状態で示す側面図。

【図4】同血圧測定装置の構成を示す平面図。

【図5】同血圧測定装置の構成を示すブロック図。

【図6】同血圧測定装置に用いられる送電装置の構成を、血圧測定装置に装着した状態で示す斜視図。

【図7】同血圧測定装置に用いられる送電装置の構成を、血圧測定装置に装着する前の状態で示す斜視図。

【図8】本発明の他の実施形態に係る血圧測定装置に用いられる送電装置の構成を、血圧測定装置に装着した状態で示す斜視図。

【図9】同血圧測定装置に用いられる送電装置の構成を、血圧測定装置に装着する前の状態で示す斜視図。

【図10】本発明の他の実施形態に係る血圧測定装置に用いられる送電装置の構成を、血圧測定装置に装着した状態で示す斜視図。

【図11】同血圧測定装置に用いられる送電装置の構成を、血圧測定装置に装着する前の状態で示す斜視図。

【発明を実施するための形態】

【0024】

以下、本発明の実施形態に係る血圧測定装置１及び送電装置１００の一例について、図１乃至図７を用いて以下説明する。

【0025】

図１は、本発明の実施形態に係る血圧測定装置１の構成を示す斜視図であり、図２は、血圧測定装置１の構成を示す側面図である。図３は、血圧測定装置１の構成を、手首３００に装着した状態で示す側面図である。図４は、血圧測定装置１の構成を示す平面図であり、図５は、血圧測定装置１の構成を示すブロック図である。図６は、血圧測定装置１に用いられる送電装置１００の構成を、血圧測定装置１に装着した状態で示す斜視図であり、図７は、送電装置１００の構成を、血圧測定装置１に装着する前の状態で示す斜視図。

【0026】

先ず、図１乃至図５を用いて、血圧測定装置１の構成を説明する。血圧測定装置１は、生体に装着する電子血圧測定装置である。本実施形態の例では、血圧測定装置１は、図３に示すように、手首３００に装着するウェアラブルデバイスである。血圧測定装置１は、例えば、手首３００の動脈３１１、３１２から血圧を測定する態様を持つ電子血圧測定装置である。

【0027】

図１乃至図４に示すように、血圧測定装置１は、例えば、装置本体３と、カフ構造体４と、バンド５と、を備える。

【0028】

図１乃至図５に示すように、装置本体３は、例えば、筐体１１と、表示部１２と、操作部１３と、ポンプ１４と、加速度センサ１５と、弁１６と、圧力センサ１７と、電池１８と、通信部１９と、充電回路部２１と、メモリ２２と、プロセッサ２３と、を備える。

【0029】

筐体１１は、装置本体３の構成要素を収容するケースである。筐体１１は、例えば、表示部１２、操作部１３、ポンプ１４、加速度センサ１５、弁１６、圧力センサ１７、電池１８、通信部１９、生体センサ２０、充電回路部２１、メモリ２２、プロセッサ２３を収容する。また、筐体１１は、例えば、流体回路２４及び基板２５を収容する。なお、ここで、流体回路２４とは、例えば、ポンプ１４からカフ構造体４へ供給する流体の流路を形成する管や流路板、カフ構造体４へ供給する流体の供給量や圧力を制御する流体抵抗等の構成部品、流体の流れ方向を制御するチェックバルブを含み得る。また、基板２５には、例えば、加速度センサ１５、通信部１９、充電回路部２１の回路構成、メモリ２２及びプロセッサ２３が実装される。

【0030】

筐体１１は、例えば、外郭ケース３１と、外郭ケース３１の上部開口を覆う風防３２と、外郭ケース３１の下方を覆う裏蓋３３と、を備えている。

【0031】

外郭ケース３１は、例えば円筒状、矩形筒状、多角形筒状等に形成される。本実施形態において、外郭ケース３１は、矩形筒状に形成される例を示す。外郭ケース３１は、外周面の一面に設けられたループ部３１ａを有する。ループ部３１ａは、バンド５を通し、そして、バンド５を折り返すために、バンド５を挿通可能な一方向に長い開口を有する矩形環状の部材である。ループ部３１ａは、外郭ケース３１に一体に形成される。

【0032】

風防３２は、外郭ケース３１の外周縁形状と同様の形状、本実施形態においては矩形状のガラス板である。なお、風防３２は、透明又は透光性を有する材料であれば、ガラス板に限定されない。裏蓋３３は、外郭ケース３１の底を閉塞する。なお、筐体１１は、裏蓋３３を有さず、筐体１１に固定されるカフ構造体４の後述するカーラ５１で外郭ケース３１の底を閉塞する構成としてもよい。

【0033】

表示部１２は、風防３２の直下に配置される。表示部１２は、電気的にプロセッサ２３に接続される。表示部１２は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部１２は、日時、最高血圧及び最低血圧などの血圧値、心拍数等の測定結果、電池１８の充電状況や残量等の情報を含む各種情報を表示する。表示部１２は、例えば、平面視で、風防３２と同形状に形成される。

【0034】

操作部１３は、ユーザからの指令を入力可能に構成される。操作部１３は、例えば、筐体１１に設けられた複数の釦４１と、釦４１の操作を検出するセンサと、表示部１２又は風防３２に設けられたタッチパネル４３と、を備えている。操作部１３は、ユーザが操作することで、指令を電気信号に変換する。センサ及びタッチパネル４３は、電気的にプロセッサ２３に接続され、電気信号をプロセッサ２３へ出力する。例えば、タッチパネル４３は、表示部１２及び風防３２の間に配置される。

【0035】

ポンプ１４は、例えば圧電ポンプである。ポンプ１４は、例えば流体としての空気を圧縮し、流体回路を介して圧縮空気をカフ構造体４の後述する押圧カフ５２及びセンシングカフ５４に供給する。ポンプ１４は、電気的にプロセッサ２３に接続される。

【0036】

加速度センサ１５は、例えば、３軸加速度センサである。加速度センサ１５は、例えば、加速度を測定し、アナログ信号を出力する。加速度センサ１５は、例えば、Ａ／Ｄ変換回路を介して、プロセッサ２３に接続される。

【0037】

弁１６は、例えば、開閉弁である。弁１６は、ポンプ１４とカフ構造体４とを接続する流体回路、及び／又は、カフ構造体４と待機とを接続する流体回路を開閉する。弁１６は、プロセッサ２３に電気的に接続される。例えば、弁１６は、プロセッサ２３の制御によって開閉される。

【0038】

具体例として、弁１６は、カフ構造体４の後述する押圧カフ５２及びセンシングカフ５４に供給された空気を大気に開放する安全用の弁である。弁１６は、例えば、弁１６の開度又は押圧カフ５２及び／又はセンシングカフ５４を大気と接続する流体回路の開口面積を、流体抵抗が極力低くなるように設定することで、急速な排気を可能とする急速排気弁としてもよい。このような弁１６は、例えば、血圧測定時に押圧カフ５２及びセンシングカフ５４へ空気を供給するときにおいて、プロセッサ２３に制御されることで閉状態に切り替えられる。また、弁１６は、押圧カフ５２及びセンシングカフ５４を排気するときにおいて、プロセッサ２３に制御されることで閉状態から開状態へ切り替えられる。また、弁１６は、開度の調整が可能に形成されていてもよい。なお、弁１６は、流体回路２４上に設けられていても良く、また、ポンプ１４の筐体の内部に一体的に設けられてもよい。

【0039】

圧力センサ１７は、例えば、流体回路２４に設けられる。圧力センサ１７は、押圧カフ５２及び／又はセンシングカフ５４の圧力を検出する。例えば、圧力センサ１７は、センシングカフ５４の圧力を検出する。圧力センサ１７は、例えば、Ａ／Ｄ変換回路を介して、電気的にプロセッサ２３に接続され、検出した圧力を電気信号に変換し、プロセッサ２３へ出力する。

【0040】

電池１８は、例えば、充放電可能なリチウムイオンバッテリ等の二次電池である。電池１８は、プロセッサ２３に電気的に接続される。電池１８は、プロセッサ２３に電力を供給する。電池１８は、プロセッサ２３の各構成、並びに、プロセッサ２３を介して表示部１２、操作部１３、ポンプ１４、加速度センサ１５、弁１６、圧力センサ１７及び通信部１９に、駆動用の電力を供給する。

【0041】

通信部１９は、外部の装置と無線及び／又は有線によって情報を送受信可能に構成される。通信部１９は、例えば、無線通信の規格に準拠した無線通信モジュールである。通信部１９は、例えば、プロセッサ２３によって制御された情報や測定された血圧値及び脈拍等の情報を、外部の装置へ送信し、また、外部の装置からソフトウェア更新用のプログラム等を受信して制御部に送る。本実施形態において、外部の装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチ等の外部端末である。

【0042】

本実施形態において、通信部１９及び外部端末は、直接接続されてもよく、ネットワークを介して接続されてもよい。通信部１９及び外部端末は、４Ｇ、５Ｇといった携帯通信網や、Ｗｉｍａｘ、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）などの無線通信回線を介して接続されてもよい。また、通信部１９及び外部の装置は、ＢＬＥ（Bluetooth（登録商標） Low Energy）、ＮＦＣ（Near Filed Communication）、赤外線通信といった無線通信手段により接続されてもよい。また、通信部１９は、例えば、無線通信モジュールに加え、マイクロＵＳＢ（Universal Serial Bus）等の汎用コネクタや血圧測定装置１用の専用コネクタを有し、ＵＳＢケーブル等の各種ケーブルにより、外部端末と、直接、又は、ＬＡＮ（Local Area Network）接続といった有線通信回線を介して接続されてもよい。このため、通信部１９は、無線アンテナ及びマイクロＵＳＢコネクタ等の複数の通信手段を含む構成であってもよい。なお、有線通信用のコネクタは、血圧測定装置１用の専用のコネクタであってもよい。

【0043】

生体センサ２０は、手首３００と接触又は対向することで、生体の情報を検出可能に形成される。生体センサ２０は、検出した生体の情報を電気信号に変換し、プロセッサ２３へ出力する。生体センサ２０は、例えば、心拍数、体温等の物理量を計測するセンサであってもよく、また、血糖値や血中酸素濃度などの化学的な値を計測するセンサであってもよい。例えば、生体センサ２０は、筐体１１の裏蓋３３及び／又はカフ構造体４の後述するカーラ５１に設けられる。なお、血圧測定装置１は、生体センサ２０を有さない構成であってもよい。

【0044】

充電回路部２１は、例えば、受電用のアンテナ部（受電用アンテナ部）２１１と、受電部２１２と、充電部２１３と、を備える。充電回路部２１は、ワイヤレス給電により電池１８を充電する。例えば、充電回路部２１は、外部に設けられる送電装置１００の送電用のアンテナ部（送電用アンテナ部）１０３から送電される送電電力を受電し、電池１８を充電する。

【0045】

アンテナ部２１１は、送電装置のアンテナ部からの送電電力を受電する。アンテナ部２１１は、例えば、受電共振回路としての受電コイルである。アンテナ部２１１は、例えば、ＦＰＣアンテナ又はコイルアンテナである。アンテナ部２１１は、受電した電力を受電部２１２へ供給する。アンテナ部２１１の受電面は、平面状に形成される。アンテナ部２１１は、例えば、共振用コンデンサを含み、受電共振回路を構成する。

【0046】

アンテナ部２１１は、例えば、表示部１２及び風防３２よりも小さい矩形状に形成される。アンテナ部２１１は、例えば、筐体１１内であって、表示部１２の裏面側、即ち、表示部１２の風防３２とは反対側に設けられる。

【0047】

また、アンテナ部２１１は、表示部１２（風防３２）の一部の領域に対向して配置される。アンテナ部２１１は、表示部１２の中心から偏心した位置に設けられる。具体例として、アンテナ部２１１は、カーラ５１（バンド５）の延設方向（手首３００の周方向）において、表示部１２の一方側、例えば、カーラ５１の後述する第１湾曲部６２側に設けられる。このため、表示部１２には、アンテナ部２１１と対向しない領域が生じる。また、表示部１２のアンテナ部２１１と対向しない領域は、例えば、血圧測定装置１を腕に装着した状態において、使用者が表示部１２を視認したときに、生体（胴体）側となる表示部１２の端部側である。

【0048】

受電部２１２は、アンテナ部２１１で受電した電力を整流し、充電部２１３へ供給する。具体例として、受電部２１２は、アンテナ部２１１から供給される受電電力を整流し、交流から直流に変換する。例えば、受電部２１２は、整流回路及び制御回路を含み、制御回路により整流回路の動作を制御し、整流した直流電力を充電部２１３へ出力する。

【0049】

充電部２１３は、受電部２１２から供給される電力を充電用の電力として、電池１８へ供給する。例えば、充電部２１３は、受電部２１２から供給された電力を、所定の電流値及び電圧値に変換して電池１８に供給する。また、例えば、充電部２１３は、電池１８の充電状態を受電部２１２及び／又はプロセッサ２３に出力する回路を有する。

【0050】

メモリ２２は、例えば、ＲＡＭ（Random Access Memory）およびＲＯＭ（Read Only Memory）等を含む。メモリ２２は、各種データを記憶する。例えば、メモリ２２は、血圧測定装置１全体及びポンプ１４を制御するためのプログラム及びアプリケーション等の各種プログラムデータ、血圧測定装置１の各種機能を設定するための設定データ、圧力センサ１７で計測された圧力から血圧値や脈拍を算出するための算出データ等を変更可能に予め格納される。

【0051】

プロセッサ２３は、メモリ２２に格納されたプログラムに基づいて血圧測定装置１全体の動作、並びに、ポンプ１４及び弁１６の動作を制御し、所定の動作（機能）を実行させる。また、プロセッサ２３は、読み込んだプログラムに従い、所定の演算、解析、処理等を実行する。プロセッサ２３は、ＣＰＵ等の演算装置である。プロセッサ２３は、例えば、メインＣＰＵに加え、サブＣＰＵを含み得る。また、プロセッサ２３は、実行した各種動作及び演算、解析、処理等の状況や結果をプログラム又はアプリケーションにより表示部１２に表示する。

【0052】

また、プロセッサ２３は、電池１８の充電中において、所定の操作が行われた場合に、表示部１２を制御し、充電状態の表示を行う。具体例として、プロセッサ２３は、電池１８の充電中に、充電回路部２１の例えば充電部２１３から電池１８の充電状態等の充電に関する情報を信号として受信する。また、プロセッサ２３は、所定の操作として、釦４１の操作、タッチパネル４３の操作、又は、装置本体３を移動させることによる加速度センサ１５によるモーション検知による信号を受信すると、表示部１２を制御して、表示部１２に充電部２１３から受信した充電に関する情報を表示する。ここで、表示部１２に表示する充電に関する情報としては、充電中であること等の充電状況、電池１８の残量等の電池１８の充電状態である。また、プロセッサ２３は、電池１８の充電状態に加え、現時刻や血圧測定装置１の充電以外の他の処理等の情報を表示してもよい。

【0053】

カフ構造体４は、例えば、カーラ５１と、押圧カフ５２と、背板５３と、センシングカフ５４と、を備える。カフ構造体４は、カーラ５１、押圧カフ５２、背板５３、及びセンシングカフ５４が積層されることで構成される。

【0054】

以下、カフ構造体４の具体例を図１乃至図４を用いて説明する。図１乃至図３、図５に示すように、カフ構造体４は、カーラ５１と、押圧カフ５２と、背板５３と、センシングカフ５４と、を備える。

【0055】

カーラ５１は、例えば、一端側が筐体１１の手首側に固定される。カーラ５１は、手首３００の周方向に倣う形状に湾曲する帯状に形成される。カーラ５１は、樹脂材料で構成される。カーラ５１は、可撓性及び形状保持性を有する硬さを有する。ここで、可撓性とは、カーラ５１にバンド５の外力が印加されたときに径方向に形状が変形することをいう。形状保持性とは、外力が印加されないときに、カーラ５１が予め賦形された形状を維持できることをいう。即ち、カーラ５１は、圧縮変形しないか又は圧縮変形を略しないが、形状、特に、湾曲する部位の曲率が変わる曲げ変形等の弾性変形が可能な硬さの樹脂材料で形成される。よって、カーラ５１は、外力が印加されることで、装着する手首の形状に倣って、その手首３００が配置される内部空間が大きく、又は、小さくなるように、弾性変形可能に形成される。

【0056】

また、カーラ５１は、筐体１１に固定される部位から一方側が他方側よりも長く形成される。カーラ５１の両端は、例えば、装着が想定される使用者のうち、最も周長が長い手首３００及び最も周長が短い手首３００のいずれに装着したときにも、手首３００の手の平側及び手の甲側の間となる手首３００の一方の側部に位置する長さ及び形状に形成される。また、カーラ５１は、長手方向の全てが手首３００の形状に倣うように湾曲する形状であってもよく、一部が平板状に形成されていてもよい。

【0057】

具体例として、カーラ５１は、例えば、筐体１１の外郭ケース３１又は裏蓋３３に固定される。また、カーラ５１は、筐体１１と対向し、裏蓋３３に固定される部位が平板状に形成される被固定部６１と、被固定部６１の一端に設けられ、所定の曲率半径で湾曲する第１湾曲部６２と、被固定部６１の他端に設けられ、所定の曲率半径で湾曲する第２湾曲部６３と、を備える。

【0058】

第１湾曲部６２は、被固定部６１から手首３００の一方の側部までの長さに形成される。また、第１湾曲部６２の端部側の内面には、例えば、生体センサ２０が設けられる。第２湾曲部６３は、被固定部６１から手首３００の他方の側部及び手首３００の手の平側を超えて、第１湾曲部６２の端部が配置される手首３００の一方の側部までの長さに形成される。

【0059】

例えば、第１湾曲部６２の端部及び第２湾曲部６３の端部の一方は、他方よりも径方向で外方に位置する。具体例として、図２及び図３に示すように、第２湾曲部６３の端部は、第１湾曲部６２の端部よりも径方向で外方に位置する。また、例えば、図２中に二点鎖線で示すように、カーラ５１に外力が印加される前の状態において、第２湾曲部６３の端部は、第１湾曲部６２の端部よりも径方向で外方に位置するとともに、周方向で離間し、第１湾曲部６２及び第２湾曲部６３の端部が離間する構成であってもよい。

【0060】

例えば、第１湾曲部６２及び第２湾曲部６３の長さは、血圧測定装置１の装着が想定される手首３００のうち、周長が最も長い手首３００に装着したときに、第２湾曲部６３が手首３００の２つの動脈３１１、３１２が存する部位と対向するとともに、第２湾曲部６３が手首３００の側部の一部に配置されるとともに、第１湾曲部６２の端部及び第２湾曲部６３の端部が離間する長さである。ここで、２つの動脈３１１、３１２とは、橈骨動脈３１１及び尺骨動脈３１２である。

【0061】

また、例えば、第１湾曲部６２及び第２湾曲部６３の長さは、血圧測定装置１の装着が想定される手首３００のうち周長が最も短い手首３００に装着したときに、第２湾曲部６３が手首３００の２つの動脈３１１、３１２が存する部位と対向するとともに、第１湾曲部６２及び第２湾曲部６３が手首３００の側部で重なる長さである。なお、第１湾曲部６２及び第２湾曲部６３は、押圧カフ５２及びセンシングカフ５４を手首３００に押しつけて、センシングカフ５４を動脈３１１、３１２に存する部位と対向させることが可能な形状であれば、装着が想定される周長の全て手首３００において、第１湾曲部６２及び第２湾曲部６３が重なる長さであってもよい。

【0062】

カーラ５１は、例えば、被固定部６１及び第１湾曲部６２の境界（稜部）、並びに、被固定部６１及び第２湾曲部６３の境界（稜部）において、最も曲率が大きくなる。

【0063】

また、例えば、カーラ５１には、外周面にバンド５を配置して固定する溝５１ａが形成される。換言すると、カーラ５１は、外周面の長手方向に沿った一対の縁部に、長手方向に沿った一対の壁５１ｂを有し、この一対の壁５１ｂの間が、バンド５を配置して固定する溝５１ａとなる。例えば、溝５１ａはカーラ５１の外周面に沿って、カーラ５１の一方の端部から他方の端部まで形成される。

【0064】

押圧カフ５２は、カーラ５１の内周面に、両面テープ、接着剤及び熱溶着等により固定される。押圧カフ５２は、被固定部６１及び第１湾曲部６２の稜部を含む第１湾曲部６２の被固定部６１側から第２湾曲部６３の端部側までの、カーラ５１の長手方向の領域に設けられる。押圧カフ５２は、カーラ５１の内面に沿う。

【0065】

押圧カフ５２は、流体回路２４を介して、ポンプ１４に流体的に接続される。押圧カフ５２は、一方の主面がカーラ５１の内面に固定される。押圧カフ５２が筐体１１の手首３００側に配置されることで、押圧カフ５２の膨張により、押圧カフ５２は手首３００の手の甲側を押圧することができる。また、押圧カフ５２が手首３００の手の平側に延びることで、押圧カフ５２の膨張により、押圧カフ５２は背板５３及びセンシングカフ５４を手首３００側に向かって押圧することができる。押圧カフ５２が手首３００を手の甲側からも手の平側からも押圧することで、手首３００への圧迫力を十分に確保することができ、結果として血圧測定精度を向上させることができる。

【0066】

押圧カフ５２は、例えば、単数又は複数の空気袋７１と、空気袋７１に設けられ、流体回路２４に接続されるニップル等の接続部と、を備えている。ここで、空気袋７１とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置１がポンプ１４により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋であればよい。空気袋７１は、一方向に長い矩形袋状に形成される。

【0067】

空気袋７１は、複数のシート部材を熱溶着等によって袋状に形成される。例えば、押圧カフ５２が複数の空気袋７１を有する構成であるときは、複数の空気袋７１は、積層され、溶着等により一体に形成されるとともに、流体的に連続する。空気袋７１を形成するシート部材は、例えば、熱可塑性エラストマーにより形成される。ここで、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂（Thermoplastic Polyurethane、以下ＴＰＵと表記する）である。

【0068】

背板５３は、押圧カフ５２の手首３００側の面に、両面テープや接着剤等により固定される。背板５３は、樹脂材料により形成される。背板５３は、例えば、一方向に長い矩形板状に形成される。なお、背板５３は、例えば、分割される構成、即ち、複数の矩形状の小片を一方向に並べて形成されていてもよい。背板５３は、形状追従性を有する。

【0069】

ここで、形状追従性とは、配置される手首３００の被接触箇所の形状を倣うように背板５３が変形可能な機能をいい、手首３００の被接触箇所とは、手首３００の背板５３と接触する領域をいい、ここでの接触とは、背板５３の直接的な接触及び背板５３のセンシングカフ５４を介した間接的な接触の双方を含む。

【0070】

センシングカフ５４は、背板５３の手首側の主面に固定される。センシングカフ５４は、手首３００の動脈３１１、３１２が存する領域に直接、又は、カバー等を介して間接的に接触する。センシングカフ５４は、一方向に長い矩形状に形成される。なお、センシングカフ５４は、手首３００の一方の動脈３１１、３１２が存する領域に接触する構成であってもよい。センシングカフ５４は、長手方向において、押圧カフ５２よりも小さい。また、センシングカフ５４は、短手方向において、押圧カフ５２と同じか、又は、押圧カフ５２よりも小さい。センシングカフ５４は、背板５３の長手方向及び幅方向で、背板５３と同一形状か、又は、背板５３よりも小さい。センシングカフ５４は、膨張することで手首の手の平側の動脈が存する領域を圧迫する。センシングカフ５４は、膨張した押圧カフ５２により、背板５３を介して生体側に押圧される。

【0071】

ここで、空気袋８１とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置１がポンプ１４により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋等であってもよい。空気袋８１は、一方向に長い矩形状に構成される。

【0072】

具体例として、センシングカフ５４は、空気袋８１と、空気袋８１に流体的に接続される流路体８２と、流路体８２に設けられる接続部と、を備えている。空気袋８１及び流路体８２は、複数のシート部材を熱溶着等によって袋状に形成される。空気袋８１及び流路体８２を形成するシート部材は、例えば、熱可塑性エラストマーにより形成される。ここで、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ＴＰＵである。

【0073】

流路体８２は、例えば、空気袋８１の長手方向の一方の縁部の一部に一体に設けられる。流路体８２は、空気袋８１の装置本体３に近い端部に設けられる。また、流路体８２は、空気袋８１の短手方向の幅よりも小さい幅で一方向に長い形状に形成されている。流路体８２は、先端にニップル等の接続部が一体に設けられる。流路体８２は、接続部を介して流体回路２４に接続され、流体回路２４と空気袋８１との間の流路を構成する。

【0074】

バンド５は、帯状に形成される。バンド５は、例えば、一方にフックが、他方にループが形成された一対の面ファスナー５ａを有し、互いに係合することで、ループ部３１ａに端部側が挿入されたバンド５を固定する。

【0075】

バンド５は、カーラ５１又は押圧カフ５２と一体に形成され、カーラ５１又は押圧カフ５２を手首３００に締結し、押圧カフ５２及びセンシングカフ５４を手首３００に密着させる。即ち、バンド５は、カーラ５１を手首３００側に変形させるように締め付けて、押圧カフ５２及びセンシングカフ５４を手首３００に向かって押圧可能に形成される。

【0076】

本実施形態において、バンド５は、カーラ５１の溝５１ａに溶着又は貼付され、カーラ５１と一体に形成される。また、バンド５は、カーラ５１の第１湾曲部６２又は第２湾曲部６３のうち、オーバーラップしたときに外側に位置する一方の端部から延出する。本実施形態において、バンド５は、第２湾曲部６３の端部から延出し、そして、ループ部３１ａは、外郭ケース３１の第１湾曲部６２が設けられる側の外面に設けられる。また、バンド５は、装着が想定される最大周長の手首３００を締結したときに、外郭ケース３１に設けられたループ部３１ａに挿入されるとともに、折り返し可能な長さが、第２湾曲部６３から延出する。

【0077】

バンド５は、例えば、布材の一方の主面に一対の面ファスナー５ａが設けられ、他方の主面にカーラ５１の溝５１ａが張り付けられる。バンド５の布材は、カーラ５１よりも伸びにくい材料に形成される。バンド５は、布材がカーラ５１に貼付されることで、カーラ５１を補強する。

【0078】

なお、バンド５は、所謂親と呼ばれ、尾錠を有する第１バンド、及び、所謂剣先と呼ばれ、尾錠のつく棒が挿入される小孔を複数有する第２バンドを備える構成であってもよい。

【0079】

次に、図５乃至図７を用いて装置本体３に非接触で送電を行う送電装置１００の一例を説明する。
図５に示すように、送電装置１００は、電源１０１と、送電部１０２と、アンテナ部１０３と、充電器用筐体１０４と、を備える。送電装置１００は、血圧測定装置１の電池１８を充電する充電器である。電源１０１は、例えば、商用電源等に接続されるＡＣアダプタ等である。電源１０１は、商用電源から入力される交流電力を直流電力に変換し、直流電力を送電部１０２に供給する。なお、電源１０１は、例えば、繰り返し充放電可能な二次電池であってもよい。電源１０１が二次電池である場合には、直流電力を送電部１０２に供給する。

【0080】

送電部１０２は、電源１０１から供給される直流電力を、送電電力としての交流電力を生成し、アンテナ部１０３に供給する。送電部１０２は、例えば、アンテナ部１０３による送電共振回路の共振周波数と同一、あるいは略同一の周波数の交流電力を生成する。

【0081】

アンテナ部１０３は、例えば、送電共振回路としての送電コイルである。アンテナ部１０３の送電面は、平面状に形成される。アンテナ部１０３は、装置本体３のアンテナ部２１１へ送電する。アンテナ部１０３は、例えば、共振用コンデンサを含み、送電共振回路を構成する。

【0082】

充電器用筐体１０４は、装置本体３の筐体１１に着脱可能に形成される。充電器用筐体１０４は、内部に送電部１０２及びアンテナ部１０３を少なくとも収容する。充電器用筐体１０４は、筐体１１に装着されたときに、収容したアンテナ部１０３を装置本体３に設けられるアンテナ部２１１と対向可能に形成される。また、充電器用筐体１０４は、筐体１１に装着されたときに、表示部１２（風防３２）の一部を露出させる。

【0083】

具体例として、充電器用筐体１０４は、送電部１０２及びアンテナ部１０３を収容する収容部１１１と、収容部１１１に設けられたガイド部１１２と、を備える。

【0084】

収容部１１１は、送電部１０２及びアンテナ部１０３を収容する。収容部１１１は、ＡＣアダプタに接続されるケーブルを有するか、又は、該ケーブル又はＡＣアダプタを接続する汎用又は専用のコネクタを有する。また、電源１０１が二次電池である場合には、収容部１１１は、二次電池を収容する。

【0085】

収容部１１１は、筐体１１の一部と対向する形状に形成される。収容部１１１は、例えば、矩形箱状に形成される。収容部１１１は、表示部１２（風防３２）のアンテナ部２１１が対向する領域を覆い、そして、表示部１２（風防３２）のアンテナ部２１１が対向しない領域を露出させることが可能に形成される。具体例として、収容部１１１は、筐体１１と対向する主面形状が表示部１２（風防３２）よりも小さい矩形状に形成され、表示部１２の裏面に配置されたアンテナ部２１１と対向可能に形成される。

【0086】

ガイド部１１２は、例えば、筐体１１の一部と係合することで、収容部１１１を表示部１２（風防３２）のアンテナ部２１１と対向する領域に配置するように、筐体１１に対する収容部１１１の位置合わせが可能に形成される。ガイド部１１２は、例えば、収容部１１１の下端に一体に接続されるとともに、外郭ケース３１の外周面の一部と係合可能に形成される。具体例として、ガイド部１１２は、外郭ケース３１の側面の一部と係合する案内壁１１２ａと、案内壁１１２ａの下端に形成され、筐体１１の下端側と上下方向、即ち、風防３２及び裏蓋３３の対向方向で当接する規制部１１２ｂと、を有する。

【0087】

案内壁１１２ａは、例えば、収容部１１１の下端に設けられ、外郭ケース３１の側面のうち少なくとも表示部１２のアンテナ部２１１が対向しない領域を覆う側面の少なくとも一部に沿って形成される。具体例として、案内壁１１２ａは、手首３００（カーラ５１）の接線方向に延びる外郭ケース３１の一対の側面の延設方向に沿って延びる一対の壁と、この一対の壁の収容部１１１とは反対側の端部を連続する壁とを有する。これにより、案内壁１１２ａは、例えば、収容部１１１側が、外郭ケース３１を挿入可能に開口し、収容部１１１とは反対側が、外郭ケース３１の周面に当接可能に連続する。

【0088】

即ち、案内壁１１２ａは、外郭ケース３１の側面に沿って、一方向に外郭ケース３１をスライド移動可能に開口し、所定の位置において、外郭ケース３１と当接して、筐体１１に対して収容部１１１をアンテナ部１０３、２１１が対向する所定の位置に案内可能に形成される。また、上下方向に沿った方向における、案内壁１１２ａの寸法は、外郭ケース３１の寸法と同じか、又は、若干大きい。

【0089】

案内壁１１２ａの内面形状は、対向する外郭ケース３１の外側面の形状と略同じ形状に形成されるとともに、スライド移動したときに釦４１等を配置可能に、内面にスライド方向に沿った溝等が形成される。

【0090】

規制部１１２ｂは、案内壁１１２ａの下端に形成され、案内壁１１２ａよりも内方に突出する。即ち、規制部１１２ｂは、筐体１１の下端である外郭ケース３１の下端及び／又は裏蓋３３と当接可能に形成される。

【0091】

このように構成された充電器用筐体１０４は、ガイド部１１２及び筐体１１を相対的にスライド移動可能に形成され、ガイド部１１２によって収容部１１１のスライド移動が案内される。また、充電器用筐体１０４は、充電器用筐体１０４が筐体１１に装着されたときに、収容部１１１に収容されたアンテナ部１０３と筐体１１内に収容されたアンテナ部２１１とを対向可能に形成される。

【0092】

具体的には、充電器用筐体１０４は、スライド移動方向において案内壁１１２ａの内面と外郭ケース３１の側面とが当接したときに、収容部１１１に収容したアンテナ部１０３に筐体１１内に収容したアンテナ部２１１が対向する。

【0093】

また、充電器用筐体１０４は、筐体１１に装着されたときに、収容部１１１及び規制部１１２ｂが筐体１１と上下方向で、筐体１１と当接することで、筐体１１に対する移動が規制される。また、充電器用筐体１０４は、筐体１１に装着されたときに、収容部１１１に隣接する、アンテナ部２１１が対向しない領域を含む表示部１２（風防３２）の一部を露出させる。そして、この収容部１１１に隣接して露出する表示部１２は、充電に関する情報を表示する表示領域となる。

【0094】

また、筐体１１がループ部３１ａを有する構成であれば、充電器用筐体１０４は、筐体１１の挿入方向を規定することができる。または、充電器用筐体１０４は、釦４１をスライド移動可能な溝をスライド方向に沿った内面のうち一方の内面に設けることで、筐体１１の挿入方向を規定することができる。これにより、充電器用筐体１０４は、誤った方向から筐体１１を挿入することを防止できる。

【0095】

このように構成される血圧測定装置１及び送電装置１００は、装置本体３と対向するカーラ５１の被固定部６１の内面に空気袋７１を備えていても、表示部１２の裏面に設けられた受電用のアンテナ部２１１により電池１８を充電することができる。

【0096】

また、血圧測定装置１及び送電装置１００は、送電装置１００の充電器用筐体１０４を筐体１１に装着したときに、表示部１２の一部を露出させることができる。即ち、装置本体３に設けられるアンテナ部２１１は、表示部１２中心から偏心して表示部１２の一部に対向配置する。また、充電器用筐体１０４のアンテナ部１０３を収容する収容部１１１は、表示部１２のアンテナ部２１１と対向する領域に配置される。これにより、充電器用筐体１０４を筐体１１に装着すると、収容部１１１は、表示部１２の一部のみを覆い、表示部１２の全面を覆わないことから、表示部１２の充電器用筐体１０４で覆われない一部の領域に、充電に関する情報を表示可能となる。よって、血圧測定装置１は、充電中において、表示部１２のアンテナ部２１１と対向する一部を収容部１１１が覆ったとしても、表示部１２の一部に充電に関する情報を表示できる。血圧測定装置１は、充電中に充電に関する情報を視認できることから、高いユーザビリティを得ることができる。

【0097】

また、装置本体３は、風防３２側において、受電用のアンテナ部２１１及び充電用のアンテナ部１０３を対向させる構成であることから、アンテナ部１０３、２１１同士の距離を所望の距離とすることができるため、高い電力伝送効率を得ることができる。

【0098】

また、充電器用筐体１０４は、筐体１１に装着するに際し、案内壁１１２ａと外郭ケース３１とが当接するまで、充電器用筐体１０４及び筐体１１を相対的にスライド移動させることで、収容部１１１を所定の位置に案内することができる。このため、送電装置１００は、筐体１１への装着、及び、収容部１１１内のアンテナ部１０３と筐体１１内のアンテナ部２１１との位置合わせを容易に行うことができる。また、ループ部３１ａ及び／又は案内壁１１２ａの内面に形成された釦４１を配置可能な溝等により、案内壁１１２ａ内に挿入される筐体１１の向きを規定することができる。充電器用筐体１０４は、誤った方向で案内壁１１２ａに筐体１１を挿入することを防止できるため、アンテナ部１０３、２１１同士の位置ずれ等を防止できる。

【0099】

また、表示部１２に充電状況を表示させるためには、釦４１又はタッチパネル４３を操作するか、筐体１１を移動させて加速度センサ１５でモーション検知すればよく、容易に表示部１２に充電状況を表示させることができる。また、例えば、釦４１が案内壁１１２ａで覆われる場合には、タッチパネル４３又は加速度センサ１５によって表示部１２を表示させればよい。なお、案内壁１１２ａを外力により弾性変形が容易な材料とし、案内壁１１２ａを押圧することで釦４１を操作可能としてもよく、また、案内壁１１２ａに釦４１を露出させる開口を形成し、釦４１を操作可能としてもよい。

【0100】

上述したように、本実施形態に係る血圧測定装置１及び送電装置１００によれば、充電中に表示部１２を確認することができ、ユーザビリティを向上することが可能となる。

【0101】

なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、送電装置１００の充電器用筐体１０４は、ガイド部１１２に、筐体１１の下端と係合する規制部１１２ｂを設ける構成を説明したがこれに限定されない。例えば、図８及び図９に示す他の実施形態のように、充電器用筐体１０４は、ガイド部１１２に規制部１１２ｂを有さず、筐体１１に固定されるクリップ部１１３を有する構成としてもよい。

【0102】

クリップ部１１３は、例えば、収容部１１１に設けられる。クリップ部１１３は、例えば、収容部１１１に設けられた一対の操作片１２１と、操作片１２１の下端に形成された、外郭ケース３１の下端又は裏蓋３３と当接する爪部１２２と、を有する。クリップ部１１３は、例えば、爪部１２２が対向する操作片１２１の爪部１２２に向かう方向に操作片１２１をスプリング等によって常時付勢し、上端を摘まむことで、一対の爪部１２２が離間する方向に回転可能に形成される。

【0103】

このような充電器用筐体１０４は、一対の爪部１２２が離間するようにクリップ部１１３を操作した状態で、案内壁１１２ａによって充電器用筐体１０４の位置合わせを行い、クリップ部１１３の操作を解除することで、一対の操作片１２１が外郭ケース３１を挟持する。また、充電器用筐体１０４の筐体１１に対する位置合わせにおいて、上下方向及び外郭ケース３１の一対の側面の延設方向（手首３００（カーラ５１）の接線方向）の二方向に、充電器用筐体１０４及び筐体１１を相対的にスライド移動できる。また、例えば、充電器用筐体１０４は、一対の操作片１２１が外郭ケース３１を挟持したときに、爪部１２２が外郭ケース３１の下端又は裏蓋３３と当接する。これにより、充電器用筐体１０４は、筐体１１に固定される。なお、クリップ部１１３は、一対の操作片１２１が外郭ケース３１を挟持せずに、一対の爪部１２２が筐体１１の下端と係合可能な構成としてもよい。

【0104】

また、例えば、上述した例では、送電装置１００の充電器用筐体１０４は、一端が外郭ケース３１を挿入可能に開口し、他端が外郭ケース３１の側面に当接可能に連続する案内壁１１２ａを有する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、図１０及び図１１に示す他の実施形態のように、充電器用筐体１０４は、上述したガイド部１１２を有さずに、収容部１１１の下端に、ガイド部としての、外郭ケース３１の側面の延設方向に沿ったスライド移動方向に延びる一対の案内体１１４を有する構成としてもよい。

【0105】

このような案内体１１４は、スライド方向に延びる外郭ケース３１の側面と対向する壁部１１４ａと、壁部１１４ａの下端に設けられ、外郭ケース３１の下端又は裏蓋３３と当接する規制部１１４ｂと、を有する。また、一対の案内体１１４のうち、一方の案内体１１４の壁部１１４ａの内面には、釦４１がスライド移動可能、且つ、釦４１を配置可能に形成されるとともに、アンテナ部１０３、２１１同士が対向する位置で釦４１と当接可能な溝が形成される。このような一対の案内体１１４を有する充電器用筐体１０４は、上述したガイド部１１２を有する充電器用筐体１０４と同様の効果を奏する。

【0106】

また、上述した例では、血圧測定装置１は、無線通信モジュールである通信部１９及び充電回路部２１に設けられたアンテナ部２１１を備える構成を説明したがこれに限定されない。例えば、血圧測定装置１は、通信部１９に用いる無線通信モジュールに用いるアンテナと、充電回路部２１に用いる受電用のアンテナ部２１１とを兼用する構成としてもよい。即ち、非接触給電に用いられる受電用のアンテナ部２１１は、外部端末等と無線通信を行う機能を有していても良い。
また、上述した例では、アンテナ部２１１が表示部１２の中心から偏心した位置に設けられる構成を説明したが、これに限定されない。例えば、アンテナ部２１１が表示部１２の中央部を避けた外周に沿った領域に設けられ、その表示部１２の中央部が視認できるように開口が形成された収容部１１１を有する送電装置１００によって充電する構成としてもよい。即ち、充電時において、送電装置１００の開口から、表示部１２の中央が視認可能な血圧測定装置１及び送電装置１００としてもよい。
また、アンテナ部２１１が表示部１２の外周に沿った領域を避けた中央部に設けられ、その表示部１２の外周に沿った領域が視認できるように、表示部１２より小さい外周形状に形成された収容部１１１を有する送電装置１００によって充電する構成としてもよい。即ち、送電装置１００を表示部１２よりも小さくし、送電装置１００の周囲から表示部１２の外周側を露出させて、充電時に表示部１２の外周側を視認可能な血圧測定装置１及び送電装置１００としてもよい。

【0107】

また、上述した例では、押圧カフ５２をカーラ５１の被固定部６１の内面に設ける構成を説明したがこれに限定されない。例えば、カフ構造体４は、押圧カフ５２及びセンシングカフ５４に加え、空気袋を有する他のカフを設け、押圧カフ５２を第２湾曲部６３にのみ設け、他のカフを被固定部６１に設ける構成としてもよい。また、カーラ５１を有さずに、押圧カフ５２を筐体１１に固定する血圧測定装置１としてもよい。

【0108】

即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。

【符号の説明】

【0109】

１…血圧測定装置
３…装置本体
４…カフ構造体
５…バンド
５ａ…面ファスナー
１１…筐体
１２…表示部
１３…操作部
１４…ポンプ
１５…加速度センサ
１６…弁
１７…圧力センサ
１８…電池
１９…通信部
２０…生体センサ
２１…充電回路部
２２…メモリ
２３…プロセッサ
２４…流体回路
２５…基板
３１…外郭ケース
３１ａ…ループ部
３２…風防
３３…裏蓋
４１…釦
４３…タッチパネル
５１…カーラ
５１ａ…溝
５１ｂ…壁
５２…押圧カフ
５３…背板
５４…センシングカフ
６１…被固定部
６２…第１湾曲部
６３…第２湾曲部
７１…空気袋
８１…空気袋
８２…流路体
１００…送電装置
１０１…電源
１０２…送電部
１０３…アンテナ部（送電用アンテナ部）
１０４…充電器用筐体
１１１…収容部
１１２…ガイド部
１１２ａ…案内壁
１１２ｂ…規制部
１１３…クリップ部
１１４…案内体
１１４ａ…壁部
１１４ｂ…規制部
１２１…操作片
１２２…爪部
２１１…アンテナ部（受電用アンテナ部）
２１２…受電部
２１３…充電部
３００…手首
３１１…橈骨動脈
３１２…尺骨動脈

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】