(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090192
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】バックライト装置、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240627BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20240627BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240627BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240627BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240627BHJP
【FI】
F21S2/00 484
F21V7/28 250
G02F1/13357
G02F1/1333
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205915
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】後藤 彰
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA70
2H189AA71
2H189AA72
2H189HA16
2H189LA19
2H189LA20
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB06
2H391AB40
2H391AC10
2H391AC13
2H391AC23
2H391CA08
2H391CA15
3K244AA01
3K244BA03
3K244BA23
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA13
3K244DA22
3K244FA07
3K244FA08
3K244FA12
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA04
3K244GA05
3K244GA10
3K244LA07
(57)【要約】
【課題】表示パネルの画面端部における色ムラを低減することが可能なバックライト装置を提供する。
【解決手段】表示パネル(201)の背面に光を照射するバックライト装置(202)であって、LED光源(262)が配置された、反射性を有する基板(261)と、基板(261)を取り囲む反射性を有する側壁(242)を含むシャーシ(204)と、を備え、側壁(242)と基板(261)との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域(R1)を側壁(242)又は基板(261)に含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示パネルの背面に光を照射するバックライト装置であって、
光源が配置された、反射性を有する基板と、
前記基板を取り囲む反射性を有する側壁を含むシャーシと、を備え、
前記側壁と前記基板との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を前記側壁又は前記基板に含む、バックライト装置。
【請求項2】
前記反射領域は、前記側壁から前記基板の方向に向かって不均一な長さで延在する、前記基板とは異なる反射率を有する反射部を含む、請求項1に記載のバックライト装置。
【請求項3】
前記反射領域は、前記境界に沿って前記側壁に設けられた、反射率を低減する低減要素を含む、請求項1または2に記載のバックライト装置。
【請求項4】
前記低減要素は、複数の黒色領域、又は、複数の非反射性領域である、請求項3に記載のバックライト装置。
【請求項5】
前記光源は、複数の発光素子を含み、
前記低減要素は、前記複数の発光素子それぞれに対応する位置、又は、前記側壁のうち、隣り合う2つの側壁の境界に沿った位置に設けられる、請求項4に記載のバックライト装置。
【請求項6】
前記低減要素は、前記境界上に設けられた、切欠き状の非反射性領域である、請求項3に記載のバックライト装置。
【請求項7】
前記側壁は、側壁面上の反射率が変化する、請求項1に記載のバックライト装置。
【請求項8】
前記側壁は、前記表示パネル側の方が前記基板側よりも反射率が低い、請求項7に記載のバックライト装置。
【請求項9】
画像を表示する表示部を含む表示パネルと、
光源が配置され、かつ、前記表示パネルの背面に位置する、反射性を有する基板と、
前記基板を取り囲む反射性を有する側壁を含むシャーシと、を備え、
前記側壁と前記基板との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を前記側壁又は前記基板に含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バックライト装置、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広色域化を実現する技術として、青色LEDと蛍光体シートとを組み合わせることによって白色光を得るという技術が注目されている(例えば、特許文献1)。この技術で採用される蛍光体シートは、白色光が得られるよう青色LEDから発せられた光の波長を変換する波長変換シートとして機能する。これを実現するために、蛍光体シートには、青色LEDから発せられた光によって励起されて発光する蛍光体(蛍光色素)が含有されている。用いられる蛍光体シートの具体例としては、黄色蛍光体を含む蛍光体シートや、緑色蛍光体および赤色蛍光体を含む蛍光体シートが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明装置は、第1面を有する基板と、基板の第1面に設けられ、光を出射する少なくとも一つの光源と、基板の第1面に対向して配置され、光源から出射された光の少なくとも一部の波長を、光源から出射された光と同系色とは異なる色の波長に変換する波長変換部材と、を備え、基板は、基板の少なくとも一部であり、且つ第1面の少なくとも一部を含み、同系色を呈する第1呈色部を含む。
【0005】
特許文献1の照明装置では、基板に形成された光反射層に塗布される白色の顔料等の高反射材料を含む塗料又はレジスト材料と側方呈色部(例えば反射シート)とで反射率が異なる。そのため、側方呈色部で反射した光が表示装置の表示パネルの中央側と端部側との境界位置において色ムラとして視認される可能性があり、特許文献1に記載の照明装置は、この点において改善の余地が残されている。
【0006】
本発明の一態様は、表示パネルの画面端部における色ムラを低減することが可能なバックライト装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、表示装置の表示パネルの背面に光を照射するバックライト装置であって、光源が配置された、反射性を有する基板と、前記基板を取り囲む反射性を有する側壁を含むシャーシと、を備え、前記側壁と前記基板との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を前記側壁又は前記基板に含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、本開示に係るバックライト装置等は、表示パネルの画面端部における色ムラを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示に係るバックライト及び表示装置を備えるテレビジョン受信機の外観の概略構成を示す図である。
【
図2】本開示に係る表示装置の一例を模式的に示す断面図である。
【
図3】前方から見た光源装置を模式的に示す図である。
【
図4】本開示に係る反射部を説明するための図である。
【
図5】本開示の一態様に係る反射部を説明するための上面図である。
【
図6】本開示に係る反射シートの変形例を説明するための図である。
【
図7】本開示に係る反射率低減要素を説明するための図である。
【
図8】本開示に係る反射率低減要素を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一態様に係るバックライト及び表示装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、図中に矢印で示す、前、後、左、右、上、及び下のそれぞれの向きを使用する。図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本開示は、後述する実施形態の構成に限定されるものではなく、本開示の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる構成等の範囲内で変更できる。
【0011】
以下、本開示の一態様に係るバックライト及び表示装置について説明する。
図1は、本開示に係るバックライト及び表示装置を備えるテレビジョン受信機の外観の概略構成を示す図である。
図1に示すように、テレビジョン受信機101は、表示装置110と、受信部120と、処理部130と、を備えている。表示装置110は、画像を表示する表示面111を有する。テレビジョン受信機101は、前側のフロントキャビネット102と、後側のリアキャビネット(図示省略)と、を備える。フロントキャビネット102は、枠状の筐体であり、前方から表示装置110の周囲を覆うように配置されている。リアキャビネットは、表示装置110の後方に配置され、表示装置110の背面と、受信部120及び処理部130と、を覆っている。
【0012】
テレビジョン受信機101は、例えば図示しないスタンドに支持されて据え置きされるか、又は、図示しない金具に掛止されて壁掛けされる。このとき、例えば、表示装置110の表示面111は前側に向けられ、表示装置110の厚み方向、長手方向、及び短手方向は、それぞれ前後方向、左右方向、及び上下方向に沿う。
【0013】
受信部120は、受信回路が実装された回路基板である。受信部120は、図示しないアンテナを介して外部からテレビジョン放送を受信し、受信したテレビジョン放送に基づく放送信号を出力する。
【0014】
処理部130は、信号処理回路や表示制御回路等が実装された回路基板である。処理部130は、受信部120が出力した放送信号に所定の信号処理を施すことによって、映像データを出力する。また、処理部130は、表示装置110の後述する表示パネル201及びバックライト装置202(
図2参照)を制御し、映像データに基づく映像を、表示装置110の表示面111に表示させる。
【0015】
(表示装置の構成)
図2は、表示装置110の一例を模式的に示す断面図である。表示装置110は、表示パネル201と、バックライト装置202と、を少なくとも備える。なお、
図2に示す例では、表示装置110は、表示パネル201をバックライト装置202に固定するベゼル203を備える。
図2では、反射部(後述)の図示を省略している。
【0016】
表示パネル201は、バックライト装置202から照射された光を変調し、表示面111(
図1参照)に画像を表示する。表示パネル201は、例えば、液晶パネルと、液晶パネルを前後方向に挟むように配置される一対の偏向板と、を備え、前後方向の平面視にて略矩形状の外形を有する。液晶パネルは、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板と、TFTアレイが形成されたアレイ基板と、これら一対の基板の間に位置する液晶層と、を備える。
【0017】
ベゼル203は、表示パネル201の上下左右の周囲を囲む枠状の部材である。ベゼル203は、例えば、表示パネル201の前方から、後述するシャーシ204に取り付けられる。
【0018】
(バックライトの構成)
図2に示す例では、バックライト装置202は、シャーシ204と、フレーム205と、光源装置206と、拡散板207と、光学シート群208と、波長変換シート209と、を備える。バックライト装置202は、表示パネル201の後側に配置される。バックライト装置202の光源装置206から前方に向かって出射された光が、拡散板207、光学シート群208、及び波長変換シート209を介して、照明光として表示パネル201に照射される。
【0019】
シャーシ204は、前側に開口する略箱型の筐体であり、バックライト装置202を構成する各部材を支持する。シャーシ204は、底面241と、側壁242と、を備える。底面241は、左右方向を長手方向とし、上下方向を短手方向とする矩形板状の部材である。底面241の前面に、光源装置206が配置されている。側壁242は、底面241の外周縁部から前方に向かって立ち上がり、側壁242が、底面241の前面を囲んでいる。
【0020】
フレーム205は、例えば、表示パネル201及び光学シート群208の外周縁部に沿う枠状の部材である。フレーム205は、ベゼル203との間で、表示パネル201を挟み、保持している。また、フレーム205は、拡散板207、光学シート群208、及び波長変換シート209を保持している。
【0021】
光源装置206は、基板261と、複数のLED(Light Emitting Diode)光源262と、を備え、前方に向かって光を出射する。基板261は、底面241の前面側に配置されている。LED光源262は、基板261の前面側に実装され、所定の色の光を出射する。すなわち、LED光源262は、可視光域のうちの一部の波長範囲の光を出射する。本実施形態では、一例として、LED光源262は、青色の単色光(青色光)を出射する。なお、青色光は、青色に属する特定の波長範囲(例えば約420nm~約500nm)の可視光線である。光源装置206については、後に詳述する。基板261の前面側には、LED光源262から発せられた光の利用効率を高めるために反射シートが貼り付けられている。つまり、基板261は、LED光源262が配置され、反射性を有する。
【0022】
拡散板207は、光拡散部材の一例であり、透過する光を拡散させる機能を有する。拡散板207は、例えば、矩形板状の略透明な樹脂製の基材に、多数の拡散粒子が分散されて構成される。拡散板207は、周縁部がフレーム205に支持されて、光源装置206の前方に配置されている。
【0023】
光学シート群208は、複数枚の光学シートが積層されることによって構成され、拡散板207の前方に配置されている。光学シートは、例えば、マイクロレンズシート、プリズムシート、反射型偏光シート、拡散シート、及び反射防止シート等である。なお、複数枚の光学シートで構成された光学シート群208の代わりに、一枚の光学シートが配置されてもよい。
【0024】
波長変換シート209は、波長変換部材の一例であり、LED光源262から出射された光の少なくとも一部の波長を、LED光源262から出射された光と同系色の波長とは異なる波長に変換する。換言すると、波長変換シート209は、LED光源262から出射された第1波長範囲の光(一次光)の少なくとも一部を、第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の光(二次光)に変換する。なお、同系色とは、同一色又は色相環において近い位置にある色である。
【0025】
波長変換シート209は、例えば、LED光源262からの青色光(一次光)を波長変換するための蛍光体(波長変換物質)を含有する蛍光体層(波長変換層)と、蛍光体層を前後から挟み込んでこれを保護する一対の保護層と、を含む。蛍光体層には、LED光源262からの青色の単色光を励起光として、黄色光(二次光)を発する黄色蛍光体が分散配合されている。なお、黄色光は、黄色に属する特定の波長範囲(例えば、約570nm~約600nm)の可視光線である。
【0026】
波長変換シート209は、基板261の前面(第1面)2611の側に、前面2611に対向する位置に配置される。
図2に示す例では、波長変換シート209は、拡散板207の前方、かつ、光学シート群208の後方に配置されている。すなわち、波長変換シート209は、拡散板207を介して光源装置206の基板261に対向する位置に配置されている。なお、波長変換シート209は、光学シート群208の前方に配置されていてもよいし、拡散板207の後方に配置されていてもよい。
【0027】
波長変換シート209により、LED光源262から出射された一次光(青色光)の一部が、二次光(黄色光)に変換される。LED光源262から出射された一次光の他の一部と、二次光とが、照明光として表示パネル201に照射される。ここで、波長変換シート209による波長変換効率が適宜調整されることにより、照明光における一次光と二次光との比率が調整される。例えば、一次光と二次光との比率が適宜調整されることにより、白色の照明光が得られる。
【0028】
なお、蛍光体層は、青色の単色光を励起光として、赤色光を発する赤色蛍光体と、緑色光を発する緑色蛍光体と、が分散配合されていてもよい。例えば、赤色光は、赤色に属する特定の波長範囲(約600nm~約780nm)の可視光線である。また、例えば、緑色光は、緑色に属する特定の波長範囲(約500nm~約570nm)の可視光線である。
【0029】
(光源装置の構成)
図3は、前方から見た光源装置206を模式的に示す図である。
図3に示す例では、基板261は、例えば、一方向を長手方向とする矩形状の基板である。基板261は、長手方向が左右方向に、短手方向が上下方向に一致するように、底面241(
図2参照)に配置される。なお、基板261は、複数の基板により構成されてもよい。
図3では、反射部(後述)の図示を省略している。
【0030】
複数のLED光源262は、基板261の前面に、左右方向及び上下方向に沿ってマトリクス状に配置される。LED光源262の光軸が、前後方向に沿うものとする。なお、「光軸」とは、LED光源262における発光光のうち、発光強度が最も高い(ピークとなる)光の進行方向と一致する軸のことである。
【0031】
複数のLED光源262は、処理部130によって、それぞれの出射光の光量が調整される。なお、複数のLED光源262が、前方から見て、複数に区分された基板261の部分領域毎にグループ分けされ、各LED光源262の出射光の光量が、グループ毎に調整されてもよい。また、LED光源262は、LEDのみで構成されてもよいし、LEDからの出射光を変調するレンズを備えてもよい。
【0032】
(反射部)
次に、本開示に係る反射部244を
図4及び
図5により説明する。なお、
図1等を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
【0033】
図4は、本開示に係る反射部244を説明するための図である。
図4の符号400に示す図は、反射部244により表示パネル201の画面端部における色ムラが低減する理由を説明するための図である。
図4の符号410に示す図は、従来の表示装置において表示パネル201の画面端部に色ムラが発生する理由を説明するための図である。
【0034】
図5は、本開示の一態様に係る反射部を説明するための上面図である。
図5の符号500は、反射部の一態様である反射部244を説明するための図である。
図5の符号510は、反射部の他の一態様である反射部245を説明するための図である。
【0035】
図4の符号400に示す図を参照して、側壁242の表面には、LED光源262から発せられた光の利用効率を高めるための反射シート243が貼付されている。反射シート243は、反射塗料等であってもよい。側壁242は、反射シート243を含めて側壁242と称されてよい。つまり、シャーシ204は、基板261を取り囲む反射性を有する側壁242を含む。
【0036】
反射部244は、側壁242から基板261の方向に向かって不均一な長さで延在する。反射部244は、例えば反射シートであり、基板261とは異なる反射率を有する。一例として、反射率は、反射部244が97%であり、基板261が89~91%である。反射部244は、反射シート243と同じ反射率を有してもよいし、反射シート243と異なる反射率を有してもよい。反射部244は、反射シート243と一体の部材でよいし、反射シート243とは別体の部材であってもよい。反射部244は、基板261に当接していてもよいし、基板261から離間していてもよい。
【0037】
図5の符号500に示す図を参照して、反射部244の一例を説明する。反射部244は、反射シート243から基板261の方向に高さL1の三角形が側壁242(又は、反射シート243)と基板261との境界に沿って連続して構成されてなる。つまり、反射部244は、反射シート243から基板261の方向に、高さ0からL1の範囲で不均一な長さで延在する。さらに、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域R1を基板261に含む。また、反射領域R1は、側壁242から基板261の方向に向かって不均一な長さで延在する、基板261とは異なる反射率を有する反射部244を含むとも言える。
【0038】
前記の構成によれば、反射領域R1は、上面視で、互いに反射率が異なる反射部244と基板261とが入れ替わりで混在する領域である。これにより、反射領域R1は、表示パネル201の画面端部における色ムラの原因となる反射率の境界部分を滑らかにできる。その結果、反射領域R1は、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減できる。
【0039】
この効果を、
図4の符号400に示す図を参照して説明する。表示パネル201では、画面中央部の「Region A」という領域において白色の照明光が得られる。また、表示パネル201では、画面端部の「Region B」という領域において、「Region A」とは光量の異なる照明光が得られる。ここで、前述したように、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域R1を基板261に含む。そのため、反射領域R1の作用によって「Region A」と「Region B」とでは光量の差が小さくなり、その光量の差に起因する色ムラの発生を軽減できる。
【0040】
ここで、
図4の符号410に示す図を参照して、従来の表示装置において表示パネルの画面端部に色ムラが発生する理由を説明する。
【0041】
従来の表示装置では、表示パネル201の画面中央部の「Region A」という領域において白色の照明光が得られ、画面端部の「Region C」という領域において、「Region A」とは光量の異なる照明光が得られる。このとき、従来の表示装置では、本願の反射領域R1に相当する領域がないため、側壁242と基板261との境界で反射率が急激に変化する。このため、「Region A」と「Region C」とでは光量の差が大きくなりやすく、その光量の差に起因する色ムラが本願の表示パネル201よりも生じやすくなる。
【0042】
以上の理由により、本開示に係る反射領域R1は、表示パネル201の画面端部における色ムラを従来よりも低減できる。
【0043】
次に、
図5の符号510に示す図を参照して、反射部245及び反射領域R2を説明する。
【0044】
反射部245は、側壁242から基板261の方向に向かって不均一な長さで延在する。反射部245は、例えば反射シートであり、基板261とは異なる反射率を有する。一例として、反射率は、反射部245が97%であり、基板261が89~91%である。反射部245は、反射シート243と同じ反射率を有してもよいし、反射シート243と異なる反射率を有してもよい。反射部245は、反射シート243と一体の部材でよいし、反射シート243とは別体の部材であってもよい。反射部245は、基板261に当接していてもよいし、基板261から離間していてもよい。
【0045】
図5の符号510に示す図を参照して、反射部245は、反射シート243から基板261の方向に高さL2の矩形形状で構成されており、側壁242と基板261との境界に沿って配されてなる。ただし、反射部245は、基板261側に長さL3の矩形の切欠き245aが周期的(非周期的であってもよい)に形成されている。これにより、反射部245は、反射シート243から基板261の方向に、高さL2からL2-L3の範囲で不均一な長さで延在する。言い換えると、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域R2を基板261に含む。また、反射領域R2は、側壁242から基板261の方向に向かって不均一な長さで延在する、基板261とは異なる反射率を有する反射部245を含むとも言える。
【0046】
前記の構成によれば、反射領域R2は、互いに反射率が異なる反射部245と基板261とが入れ替わり混在する領域である。これにより、反射領域R2は、表示パネル201の画面端部における色ムラの原因となる反射率の境界部分を滑らかにできる。その結果、反射領域R2は、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減できる。
【0047】
図5の反射部244及び反射部245は、本開示に係る反射部の一例であり、これに限定されない。側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域が基板261に含まれるのであれば、本開示に係る反射部は、反射部244のような連続する三角形ではなく、連続する半円、楕円、非連続な三角形、五角形など、適宜な形状で構成されてよい。いずれの場合も、反射シート243の反射率そのものを変化させることなく、反射部244及び反射部245のように反射部の形状に工夫を加えることにより、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減できる。
【0048】
次に、本開示に係る反射シート243の変形例を
図6により説明する。
図6は、本開示に係る反射シート243の変形例を説明するための図である。
【0049】
前述したように、側壁242の表面には、LED光源262から発せられた光の利用効率を高めるための反射シート243が貼付されている。前述したように、側壁242は、反射シート243を含めて側壁242と称されてよい。つまり、シャーシ204は、基板261を取り囲む反射性を有する側壁242を含む。
【0050】
図6に示すように、反射シート243は、互いに反射率の異なる、反射シート243aと反射シート243bとにより構成されてよく、反射シート243aは反射シート243bよりも反射率が低い。このとき、反射シート243a及び反射シート243bは、互いに異なる反射率を有する反射シートが使用されてもよいし、互いの厚みを異なるものとすることで反射率を異ならせてもよい。これにより、側壁242は、側壁242上の反射率が変化する。
【0051】
反射シート243aは、反射シート243bの上方に設けられている。基板261から表示パネル201の方向において、反射シート243aは、反射シート243bと同じ幅を有してもよいし、反射シート243bと異なる幅を有してもよい。反射シート243aと反射シート243bとの境界線は、底面241と平行、非平行、及びジグザグ等の何れであってもよい。
【0052】
図6の構成によれば、反射シート243は表示パネル201に近づくほど暗くなるため、バックライト装置202は端部ほど光量が低下する。その結果、バックライト装置202は、色ムラの視認性を低下させて、バックライト装置202の画面端部の青付きを低減できる。このように、バックライト装置202は、互いに反射率の異なる、反射シート243aと反射シート243bとを側壁242に貼付することによって、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を側壁242に含ませることができる。その結果、表示パネル201の画面端部における色ムラの原因となる反射率の境界部分を滑らかにし、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減できる。なお、
図6に示す例では、側壁242と基板261との境界に沿う側壁242全体を反射領域と言うこともできる。
【0053】
図6を参照して、側壁242上において2つの異なる反射率が存在する構成を説明した。しかしながら、本開示は、側壁242上において3つ以上の異なる反射率が存在してもよい。また、本開示は、側壁242上において反射率が徐々に変化する構成も含む。さらに、本開示は、表示パネル201側の方が基板261側よりも反射率が高い構成も含んでよく、その構成によっても色ムラの視認性を低下させることができる。
【0054】
(反射率低減要素)
次に、本開示に係る反射率低減要素を
図7及び
図8により説明する。なお、
図1等を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
図7は、本開示に係る反射率低減要素を説明するための図である。
【0055】
最初に、
図7の符号700に示す図は、側壁242と基板261との境界に沿って側壁242に低減要素246が設けられた様子を示す。低減要素246は、反射シート243上における、複数の黒色領域、又は、複数の非反射性領域である(
図7の符号710、720に示す図でも同じ)。
【0056】
低減要素246は、反射シート243上において、ランダムに設けられてもよいし、規則性を有するように設けられてもよい。
図7の符号700に示す図では、反射シート243上において、二列に並ぶ複数の低減要素246が互いに一定の間隔を有するように、基板261と平行に配列されている。
【0057】
低減要素246は、一例として、反射シート243に形成された、黒色ドット(黒色領域)又は孔(非反射性領域)である。低減要素246は、反射シート243において、反射率の高い部分と低い部分を混在させて、反射シート243及び基板261の反射率の差を目立ちにくくする。これにより、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を側壁242に含むことができ、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減する。なお、
図7の符号700に示す図では、前述の反射領域は、低減要素246全体を覆う領域と言える。
【0058】
続いて、
図7の符号710に示す図は、側壁242と基板261との境界に沿って、複数のLED光源262それぞれに対応する位置に低減要素246が設けられた様子を示す。図中では、複数のLED光源262それぞれに対応する位置に、それぞれ2つずつ低減要素246が配されている。低減要素246は、反射シート243に形成された、黒色ドット(黒色領域)又は孔(非反射性領域)である。低減要素246は、反射シート243において、反射率の高い部分と低い部分を混在させて、反射シート243と基板261の反射率との差を目立ちにくくする。つまり、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を側壁242に含み、これにより、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減する。低減要素246は、複数のLED光源262それぞれに対応する位置にのみ設けられてよい。これにより、形成する低減要素246の数を減らし、かつ、表示パネル201の画面端部における色ムラを効率的に低減できる。
【0059】
次に、
図7の符号720に示す図は、側壁242と基板261との境界に沿って、側壁242のうち、隣り合う2つの側壁242の境界に沿った位置に低減要素246が設けられた様子を示す。図中では、側壁242のうち、隣り合う2つの側壁242の境界に沿った位置に、それぞれ3つずつ低減要素246が配されている。低減要素246は、反射シート243に形成された、黒色ドット(黒色領域)又は孔(非反射性領域)である。低減要素246は、反射シート243において、反射率の高い部分と低い部分を混在させて、反射シート243と基板261の反射率との差を目立ちにくくする。つまり、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を側壁242に含み、これにより、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減する。低減要素246は、側壁242のうち、隣り合う2つの側壁242の境界に沿った位置にのみ設けられてよい。これにより、形成する低減要素246の数を減らしつつ、表示パネル201の画面端部における色ムラを効率的に低減できる。
【0060】
低減要素246は、その機能を果たす限り、大きさ、形状、位置、種類、又は個数は適宜に選択されてよい。
図7に示す例は、本開示の一例に過ぎない。
【0061】
次に、
図8を参照して、本開示に係る他の反射率低減要素を説明する。
図8は、本開示に係る反射率低減要素を説明するための図である。
【0062】
最初に、
図8の符号800に示す図は、側壁242と基板261との境界上に設けられた切欠き243cを示す。
図8の符号810に示す図は、切欠き243cと基板261上に設けられたLED光源262との関係を示す。
【0063】
切欠き243cは、側壁242と基板261との境界上に、ランダムに設けられてもよいし、一定の規則性を有するように設けられてもよい。
図8の符号810に示す図の例では、正面視において、切欠き243cは、複数のLED光源262と対応付けされることなく設けられており、一部のLED光源262は切欠き243cと重畳し、他のLED光源262は切欠き243cと重畳していない。切欠き243cは、正面視において、複数のLED光源262それぞれと重畳するように設けられてもよい。
【0064】
切欠き243cは、反射シート243の形状を変更し、部分的に反射率の低い部分を作り出す。これにより、切欠き243cは、反射シート243及び基板261の反射率の差を目立ちにくくできる。つまり、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を側壁242に含み、これにより、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減する。
【0065】
切欠き243cは、その機能を果たす限り、大きさ、形状、位置、又は個数は適宜に選択されてよい。
図8に示す例は、本開示の一例に過ぎない。
【0066】
以上、
図6~8を参照して、本開示に係る複数の反射率を低減する低減要素を説明した。これらの低減要素は、互いに組み合わされてもよいし、また、
図4及び
図5を参照して説明した反射部と適宜に組み合わされてもよい。いずれの場合も、バックライト装置202は、側壁242と基板261との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を側壁242に含み、これにより、表示パネル201の画面端部における色ムラを低減できる。
【0067】
さらにまた、上記実施形態においては、液晶表示装置を例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。直下型のバックライト装置を用いた構成の表示装置であれば、液晶表示装置以外の表示装置においても本開示を適用することができる。
【0068】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係るバックライト装置は、表示装置の表示パネルの背面に光を照射するバックライト装置であって、光源が配置された、反射性を有する基板と、前記基板を取り囲む反射性を有する側壁を含むシャーシと、を備え、前記側壁と前記基板との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を前記側壁又は前記基板に含む。
【0069】
前記の構成によれば、本開示の態様1に係るバックライト装置は、前記反射領域によって、表示パネルの画面端部における色ムラの原因となる反射率の境界部分を滑らかにできる。その結果、本開示の態様1に係るバックライト装置は、表示パネルの画面端部における色ムラを低減できる。
【0070】
本開示の態様2に係るバックライト装置は、前記の態様1において、前記反射領域は、前記側壁から前記基板の方向に向かって不均一な長さで延在する、前記基板とは異なる反射率を有する反射部を含む。
【0071】
前記の構成によれば、本開示の態様2に係るバックライト装置では、前記反射部が、表示パネルの画面端部における色ムラの原因となる反射率の境界部分を滑らかにする。その結果、本開示の態様2に係るバックライト装置は、表示パネルの画面端部における色ムラを低減できる。
【0072】
本開示の態様3に係るバックライト装置は、前記の態様1または2において、前記反射領域は、前記境界に沿って前記側壁に設けられた、反射率を低減する低減要素を含む。
【0073】
前記の構成によれば、本開示の態様3に係るバックライト装置では、前記低減要素において反射率が低減するため、前記側壁と前記基板との反射率の差が目立ちにくくなる。その結果、本開示の態様3に係るバックライト装置は、表示パネルの画面端部における色ムラを低減できる。
【0074】
本開示の態様4に係るバックライト装置は、前記の態様1から3の何れかにおいて、前記低減要素は、複数の黒色領域、又は、複数の非反射性領域である。
【0075】
前記の構成によれば、本開示の態様4に係るバックライト装置では、前記境界に沿って複数の黒色領域、又は、複数の非反射性領域を前記側壁に設けるという簡易な方法によって表示パネルの画面端部における色ムラを低減できる。
【0076】
本開示の態様5に係るバックライト装置は、前記の態様1から4の何れかにおいて、前記光源は、複数の発光素子を含み、前記低減要素は、前記複数の発光素子それぞれに対応する位置、又は、前記側壁のうち、隣り合う2つの側壁の境界に沿った位置に設けられる。
【0077】
前記の構成によれば、本開示の態様5に係るバックライト装置は、前記側壁及び前記基板の反射率の差をより目立ちにくくし、前記表示パネルの画面端部における色ムラをより効率的に低減できる。
【0078】
本開示の態様6に係るバックライト装置は、前記の態様5において、前記低減要素は、前記境界上に設けられた、切欠き状の非反射性領域である。
【0079】
前記の構成によれば、本開示の態様6に係るバックライト装置は、前記境界上に切欠きを設けることにより、その切欠きを非反射性領域として機能させる。そして、前記側壁及び前記基板の反射率との差を目立ちにくくし、前記表示パネルの画面端部における色ムラを効率的に低減できる。
【0080】
本開示の態様7に係るバックライト装置は、前記の態様1において、前記側壁は、前記側壁面上の反射率が変化する。
【0081】
前記の構成によれば、本開示の態様7に係るバックライト装置では、前記側壁面上の反射率を変化させることにより、前記表示パネルの画面端部における色ムラの原因となる反射率の境界部分を滑らかにできる。その結果、本開示の態様7に係るバックライト装置は、前記表示パネルの画面端部における色ムラを低減できる。
【0082】
本開示の態様8に係るバックライト装置は、前記の態様7において、前記側壁は、前記表示パネル側の方が前記基板側よりも反射率が低い。
【0083】
前記の構成によれば、本開示の態様8に係るバックライト装置では、前記側壁は前記表示パネルに近づくほど暗くなるため、前記表示パネルは端部ほど光量が低下する。その結果、本開示の態様8に係るバックライト装置は、色ムラの視認性を低下させて、前記表示パネルの画面端部の青付きを低減できる。
【0084】
本開示の態様9に係る表示装置は、前記の態様1から8の何れかにおいて、画像を表示する表示部を含む表示パネルと、光源が配置され、かつ、前記表示パネルの背面に位置する、反射性を有する基板と、前記基板を取り囲む反射性を有する側壁を含むシャーシと、を備え、前記側壁と前記基板との境界に沿って光の反射率が変化する反射領域を前記側壁又は前記基板に含む。
【0085】
前記の構成によれば、本開示の態様9に係る表示装置は、前記反射領域によって、表示パネルの画面端部における色ムラの原因となる反射率の境界部分を滑らかにできる。その結果、本開示の態様9に係る表示装置は、表示パネルの画面端部における色ムラを低減できる。
【0086】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0087】
101 テレビジョン受信機
102 フロントキャビネット
110 表示装置
111 表示面
120 受信部
130 処理部
201 表示パネル
202 バックライト装置
203 ベゼル
204 シャーシ
205 フレーム
206 光源装置
207 拡散板
208 光学シート群
209 波長変換シート
241 底面
242 側壁
243、243a、243b 反射シート
244、245 反射部
246 低減要素
261 基板
262 LED光源
R1、R2 反射領域