IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-トレーラー 図1
  • 特開-トレーラー 図2
  • 特開-トレーラー 図3
  • 特開-トレーラー 図4
  • 特開-トレーラー 図5
  • 特開-トレーラー 図6
  • 特開-トレーラー 図7
  • 特開-トレーラー 図8
  • 特開-トレーラー 図9
  • 特開-トレーラー 図10
  • 特開-トレーラー 図11
  • 特開-トレーラー 図12
  • 特開-トレーラー 図13
  • 特開-トレーラー 図14
  • 特開-トレーラー 図15
  • 特開-トレーラー 図16
  • 特開-トレーラー 図17
  • 特開-トレーラー 図18
  • 特開-トレーラー 図19
  • 特開-トレーラー 図20
  • 特開-トレーラー 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090195
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】トレーラー
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/325 20060101AFI20240627BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20240627BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20240627BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60P3/325
B62D33/04 C
E04H1/12 Z
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205919
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】設樂 源大
(72)【発明者】
【氏名】八田 尚子
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 政高
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 新吾
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 充
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA13
2E025AA15
(57)【要約】
【課題】建物のデッキ部分に接続することを容易なトレーラーを提供すること。
【解決手段】室内空間を有するトレーラー1であって、室内空間の後側を塞ぐ後部扉34Aを備え、後部扉34Aは、上側扉3431Aと下側扉3432Aとを有し、上下に分割して開閉可能であるトレーラー1である。下側扉3432Aには、地面に当接して下側扉3432Aを支持する支持部材3437Aが設けられる。上側扉3431Aには、シャワーカーテンを装着可能である。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間を有するトレーラーであって、
室内空間の後側を塞ぐ後部扉を備え、
前記後部扉は、上側扉と下側扉とを有し、上下に分割して開閉可能であるトレーラー。
【請求項2】
開いた状態の前記下側扉の上面の高さは、350mm以上750mm以下である請求項1に記載のトレーラー。
【請求項3】
開いた状態の前記下側扉の上面における耐荷重は、60kg以上である請求項1に記載のトレーラー。
【請求項4】
前記下側扉には、地面に当接して前記下側扉を支持する支持部材が設けられる請求項1に記載のトレーラー。
【請求項5】
前記支持部材は階段状に形成されている請求項4に記載のトレーラー。
【請求項6】
前記上側扉には、シャワーカーテンを装着可能である請求項1に記載のトレーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トレーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な車両においては、車両の後方開放部は、上方向に向かって開口する後部扉を有する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-347879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の上方向に向かって開口する構成では、後部扉が開いた状態では、後部扉が後方に長く延びることになる。このため後部扉を開く際には、トレーラーの後方に広いスペースが必要となる。本開示は、省スペースで開閉ができる後部扉を備えたトレーラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、室内空間を有するトレーラーであって、室内空間の後側を塞ぐ後部扉を備え、前記後部扉は、上側扉と下側扉とを有し、上下に分割して開閉可能であるトレーラーに関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態のトレーラーを示す前方斜視図である。
図2】第1実施形態のトレーラーにおいてテールゲート等が開いた状態を示す前方斜視図である。
図3】第1実施形態のトレーラーにおいて布部材をタープやオーニングとして用いた状態を示す後方斜視図である。
図4】第1実施形態のトレーラーにおいてテールゲートが開いた状態を示す後方下方斜視図である。
図5】第1実施形態の湾曲部を示す斜視図である。
図6】第1実施形態の湾曲部が湾曲壁部に固定された状態を示す背面図である。
図7】第1実施形態のトレーラーの内部を示す背面図である。
図8】第1実施形態のトレーラーの内部の蓋部が取り外された様子を示す右側斜視図である。
図9】第1実施形態のトレーラーにおいて突き出し蓋部が開いた状態を示す前方斜視図である。
図10】第1実施形態のトレーラーを示す断面図である。
図11】第1実施形態のトレーラーの内部の蓋部が取り外された様子を示す左側斜視図である。
図12】第1実施形態のトレーラーの内部の様子を示す後方下方斜視図である。
図13】第2実施形態のトレーラーを示す後方斜視図である。
図14】第2実施形態のトレーラーにおいてテールゲートが開いた状態を示す後方斜視図である。
図15】第2実施形態のトレーラーのライティングデスクが収納された状態を示す下方斜視図である。
図16】第2実施形態のトレーラーのライティングデスクが収納された状態を示す側方断面図である。
図17】第2実施形態のトレーラーのライティングデスクが使用可能な状態を示す上方斜視図である。
図18】第2実施形態のトレーラーのライティングデスクが使用可能な状態を示す下方斜視図である。
図19】第2実施形態のトレーラーのライティングデスクが使用可能な状態を示す側方断面図である。
図20】第2実施形態のトレーラーのテールゲートの下側ゲート部と底壁部との接続部からゴムシートを取り外した様子を示す図である。
図21】第2実施形態のトレーラーのテールゲートの下側ゲート部と底壁部との接続部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態における車両を構成するトレーラー1は、小型のキャンピングトレーラに設けられているトイレ室や、給水タンクや排水タンク等を備える設備室を有していない一部屋の室内空間を有するトレーラーにより構成される。以下、トレーラー1の中心位置から見て、連結部11が設けられている側を前側と定義し、テールゲート34が設けられている側を後側と定義し、天井31が設けられている側を上側と定義し、底壁部32が設けられている側を下側と定義して説明する。
【0008】
トレーラー1は、前後方向に延びて形成されたシャシ10と、シャシ10上部に着脱可能に取り付けられた、前後方向に長い略直方体形状の荷箱30を有している。トレーラー1は、図示しない車両等によってけん引される。シャシ10は、前端部に連結部11を備えている。
【0009】
連結部11は、図1に示すように、折り畳み可能なスイングトング式のブラケットにより構成されている。連結部11は、接続部113において折り返されて、前部111が後部に対して回転させられて、トレーラー1の全長、即ち、トレーラー1の前後方向の長さを短い状態とすることが可能である。連結部11は、図示しない車両に連結可能である。
【0010】
シャシ10の前後中央部には左右1個ずつ計2個の車輪12が回転可能に取り付けられている。これにより、トレーラー1は、前後方向に移動自在である。また、車輪12は、後述する図示しない電動モータに駆動連結されており、電動モータが駆動することにより車輪12が回転して、トレーラー1は移動可能である。各車輪12は、シャシ10に対して上下方向に移動可能である。具体的には、各車輪12がシャシ10に対して移動可能な範囲内において最も下に移動した場合、各車輪12の中央部はシャシ10の下端に位置する。各車輪12がこの位置に移動した状態で、トレーラー1は、走行可能である。各車輪12がシャシ10に対して移動可能な範囲内において最も上に移動した場合、各車輪12の下端はシャシ10の下端に揃った位置、又は、シャシ10の下端よりも上の位置のいずれかになる。各車輪12がこの位置に移動した状態で、トレーラー1は移動しない状態とされる。
【0011】
車輪12の下部を除く上部及び中部は、シャシ10に対して着脱可能なカバー13により覆われている。このため、車輪12の下部のみが外部に露出している。
【0012】
荷箱30は、天井31と、底壁部32と、前壁部33と、テールゲート34と、左側壁部35と、右側壁部36とを有しており、これらにより囲まれる室内空間が形成されている。底壁部32がシャシ10に固定されることにより、荷箱30は、シャシ10に固定される。
【0013】
天井31の一部は、天窓311を有しており、天窓311を通して室内空間内へ採光可能である。また、天井31の四隅には、図示しない照明装置が設けられている。天井31と左側壁部35との接続部分と、天井31と右側壁部36との接続部分には、それぞれ湾曲壁部37が設けられている。湾曲壁部37は、図1等に示すように、天井31と左側壁部35とを湾曲した曲面を有する壁部で接続し、また、天井31と右側壁部36とを湾曲した曲面を有する壁部で接続して、この部分の室内空間を湾曲した室内空間に形成する。湾曲した室内空間を形成する湾曲壁部37の室内側には、図4に示すように、後述のオーニングOとして用いられる場合の布部材の隣接する2つの角部に設けられた図示しないフック部が係止される被係止金具3111が、それぞれ固定されて設けられている。
【0014】
図8に示すように、底壁部32は、下方に窪んだ収納空間を有する収納部321を備えている。収納部321の上部には、収納部321の収納空間の上部の開口を開閉可能に塞ぐ蓋部322が設けられている。収納部321には、収納部321の収納空間からトレーラー1の外部へ排水可能な図示しない排水部が設けられている。また、底壁部32の下部には、図示しない電動モータ及び電動モータに電気を供給するバッテリ等の図示しない二次電池が収納されている。
【0015】
前壁部33は、図8図9に示すように、室内側収納空間としての上部収納空間355及び中部収納空間357と、室外側収納空間としての下部収納空間351とを有している。上部収納空間355と中部収納空間357とは、水平な壁部3581により区画されている。上部収納空間355及び中部収納空間357は、室内空間へ向けて開口しており、上部収納空間355の開口部は、図7に示すように、複数のスリットが形成された内側蓋部を構成する上側蓋部としての蓋部3541により塞がれている。複数のスリットが形成された蓋部3541のデザインは、蓋部3541よりも左右両側に位置している部分のデザイン、及び、この部分に接続されている左側壁部35、右側壁部36の部分に設けられた複数の板材52により構成されるデザインと一致したデザインとされている。このため、この部分は、図7図8等に示すように、左側壁部35から右側壁部36に至るまで、板材52(図8等参照)と同様の幅の複数の板材、及び、板材52間の隙間と同様の幅のスリットが、板材52、及び、板材52間の隙間に対して、あたかも連続しているかのようなデザインとされている。中部収納空間357の開口部は、左右に分割可能な一対の内側蓋部を構成する下側蓋部としての蓋部3542により塞がれている。このため、蓋部3541及び蓋部3542の室内空間側の面である内面は、下部収納空間351を形成している前壁部33の室内空間側の面である内面と面一とすることが可能とされる。
【0016】
上部収納空間355には、図8に示すように、空調装置の室内機3561が収納されている。上部収納空間355及び中部収納空間357には、室内機3561と、後述の空調装置の室外機353とを連通する管部材3562が収納されている。このように、上部収納空間355と中部収納空間357とにおいて、それぞれ異なるものを収容することが可能である。
【0017】
下部収納空間351と中部収納空間357とは、水平な壁部3582により区画されている。このため、中部収納空間357と下部収納空間351とは、連通不能に遮断されている。図8図11に示すように、壁部3582の上面の左右両端は、所定の板材52の下端縁521とそれぞれ一致する位置関係となるように、板材52間の隙間は適宜調整されている。下部収納空間351は、図9等に示すように、室内空間の外部へ向けて開口しており、下部収納空間351の開口部は、複数のスリットが形成された外側蓋部としての突き出し蓋部352により塞がれている。突き出し蓋部352は、突き出し蓋部352の上辺を回転軸心として回転することで開閉可能に構成されている。このため、突き出し蓋部352の外面は、前壁部33の外面と面一とすることが可能とされる。下部収納空間351には、空調装置の室外機353が収納されている。
【0018】
これにより、荷箱30内側の上部収納空間355及び中部収納空間357の下の位置に、水平な壁部3582により区画されて連通不能に遮断されて、荷箱30外側の下部収納空間351が同じライン上に配置されることで、荷箱30外側の下部収納空間351を荷箱30の外郭内に飲み込む構造を実現することが可能となる。それにより、トレーラー1のフロント部の中央に新たなスペースが出来、荷箱30外側の下部収納空間351の意匠性を向上させることが可能となる。
【0019】
テールゲート34は、突出し式のゲートにより構成されており、テールゲート34の上端を回転軸心として回転することで開閉可能に構成されている。テールゲート34は、図4に示すように、全開の状態を維持可能に、ガススプリングにより支持される。湾曲した室内空間を形成する湾曲壁部37の室内側には、後述のタープTやオーニングOとして用いられる布部材の、隣接する2つの角部にそれぞれ設けられた図示しないフック部が係止される被係止金具341が、それぞれ固定されて設けられている。
【0020】
オーニングOとして用いられる、トレーラー1の後側の空間を取り囲む布部材は、それぞれ長方形状の後部O1と、一対の側面部O2とを有している。後部O1と、一対の側面部O2とは、ファスナーFによりそれぞれ接続されている。ファスナーFにより接続されている後部O1と一対の側面部O2との接続部の上部には、図示しないフック部が設けられており、図示しないフック部は、テールゲート34の被係止金具341に係止される。一対の側面部O2の上部であって、後部O1にファスナーFにより接続されている側とは反対の側(前壁部33寄りの側)の角部には、図示しないフック部が設けられており、図示しないフック部は、天井31の被係止金具3111に係止される。
【0021】
後部O1は、ファスナーFを開くことにより一対の側面部O2から外されて上側へ上げられて長方形状の本体部T1とされて、タープTとして使用可能である。本体部T1の隣接する2つの角部に設けられた図示しないフック部は、被係止金具341にそれぞれ係止される。タープTの本体部T1の他の2つの隣接する角部は、それぞれポールT2により支持される。
【0022】
左側壁部35は、窓のない壁部により構成されている。図8に示すように、左側壁部35の下部の前後2か所には、室内空間の下部を照明可能な照明装置3511が設けられている。なお、図8においては、1か所のみ照明装置3511の符号を図示している。
【0023】
右側壁部36には、ドア361と、突出し窓362とが設けられている。ドア361は、トレーラー1の前側(トレーラー1における連結部11の側)寄りに設けられている。ドア361は、トレーラー1の前側寄りの縦框を回転軸心として回転することにより、開閉可能に構成されている。突出し窓362は、突出し窓362の上端を回転軸心として回転することで開閉可能に構成されている。突出し窓362は、図3に示すように、全開の状態を維持可能に、ガススプリングにより支持される。右側壁部36の下部の前後2箇所には、左側壁部35の照明装置3511と同様に、室内空間の下部を照明可能な図示しない照明装置が設けられている。
【0024】
荷箱30内の室内空間には、柱部材51が設けられている。柱部材51は、木製であり、図5に示すように、湾曲部511と、天井側直線状部512と、側壁側直線状部513と、を有している。天井側直線状部512、側壁側直線状部513は、それぞれ湾曲部511の両端部に接続されている。湾曲部511は、湾曲壁部37の内面に沿った形状に形成されており、湾曲壁部37の内面に沿って配置される。天井側直線状部512は、天井31の内面に沿った形状に形成されており、天井側直線状部512の内面に沿って配置される。側壁側直線状部513は、左側壁部35、又は、右側壁部36の内面に沿った形状に形成されており、左側壁部35、又は、右側壁部36の内面に沿って配置される。
【0025】
湾曲部511の室内側の面は、板材固定用平坦面5111と、隙間形成用平坦面5112とを有している。図6に示すように、板材固定用平坦面5111は、長方形の平板状の木製の板材52を固定可能な平坦面であり、板材52が固定される。隙間形成用平坦面5112は、隣り合う板材固定用平坦面5111、5111の間に位置しており、これらの板材固定用平坦面5111、5111に隣接して配置されている。従って、湾曲部511に固定される複数の板材52のうちの隣り合う板材52の間には、隙間が形成されている。天井側直線状部512、及び、側壁側直線状部513にも、同様に、隙間が形成されて複数の板材52が固定されている。このため、図4図8図11に示すように、天井31の内面、左側壁部35の内面、右側壁部36の内面のそれぞれに渡って、ドア361及び突出し窓362の一部を除く全体に、隙間が形成された状態で複数の板材52が配置されて設けられている。
【0026】
従って、天井側直線状部512に固定されている板材52は、天窓311及び天井31の図示しない照明装置の下側において天窓311及び照明装置に対向する位置に配置されており、板材52の間の隙間から、天窓311からの採光による光、及び照明装置からの光が、木漏れ日のように室内空間に広がることが可能となる。また、側壁側直線状部513に固定されている板材52は、照明装置3511の室内側において照明装置3511に対向する位置に配置されており、板材52の間の隙間から、照明装置3511の光が間接的に室内空間に広がることが可能となる。
【0027】
また、天井側直線状部512、側壁側直線状部513に板材52が固定されているため、天井31と天井側直線状部512に固定されている板材52との間や、左側壁部35、右側壁部36と側壁側直線状部513に固定されている板材52との間には、隙間が形成されている。このため、図12に示すように、この隙間を利用してこの部分に図示しないカラビラやフック部材53を取り付けることが可能である。この結果、フック部材53にサーフボード54を支持させたり、図示しないカラビラにネット55やランタン56を掛けて支持させたりすることが可能となる。
【0028】
また、板材固定用平坦面5111に板材52を固定できる構成としたため、湾曲部511に対する板材52の位置決めを容易とすることができ、湾曲部511に対して板材52を固定する板張りの作業性を向上させることが可能となる。また、湾曲部511及び板材52は木製であるため、それぞれ加工性が良く、切削加工に適している合成木材で柱部材51及び板材52を作成し、板材52を柱部材51に固定する板張りの作業性を、より向上させることが可能となる。即ち、切削加工機で柱部材51を生産して、湾曲壁部37に湾曲部511を合わせる現場合わせの作業を短縮することが可能となり、且つ、意匠性の高い内装を実現することができる。
【0029】
また、湾曲部511は、天井側直線状部512と、側壁側直線状部513と、にそれぞれ接続されているため、これらにより天井31から左側壁部35、右側壁部36に渡って延びる柱部材51を構成することが可能となる。このため、湾曲部511と同様に天井側直線状部512及び側壁側直線状部513にも板材52を固定して設けることにより、室内空間を形成する天井31、左側壁部35、右側壁部36、湾曲壁部37の内面の全体にわたって板材52が張られて室内空間を取り囲むことが可能となり、荷箱30の室内側の意匠性を高めることが可能となる。
【0030】
次に、本開示の第2実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。第2実施形態においては、トレーラー1Aのテールゲート34Aの構成が、第1実施形態のトレーラー1のテールゲート34の構成とは異なる。また、第2実施形態においては、中部収納空間357の開口部を塞ぐライティングデスク3542Aの構成が、第1実施形態の蓋部3542の構成とは異なる。これら以外の構成は、第1実施形態の構成と同様であるため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
後部扉としてのテールゲート34Aは、図13図14に示すように、上側扉としての上側ゲート部3431Aと下側扉としての下側ゲート部3432Aとに2分割された構成とされている。このため、上側ゲート部3431Aと下側ゲート部3432Aとを、図14に示すように開いた状態としたときに、上側ゲート部3431A、下側ゲート部3432Aのそれぞれが後方へ突出する長さを同じ長さで短くすることが可能となる。これにより、トレーラー1Aの後方において、省スペースでテールゲート34Aを開閉することが可能となる。この結果、トレーラー1Aを、様々な場所へ移動して使用することができ、トレーラー1Aの使い勝手を良くすることができる。また、トレーラー1の後部の開口部を、建物のデッキ部分に接続する際に、上側ゲート部3431Aが建物の外壁に当たった状態で、下側ゲート部3432Aも建物のデッキ部分に接続することが可能となる。このため、建物のデッキ部分に接続することを容易なトレーラー1Aとすることが可能となる。具体的には、下側ゲート部3432Aは、底壁部32の後端部に対して、図20に示すように、複数のヒンジ3433Aにより接続されている。
【0032】
これにより、下側ゲート部3432Aは、荷箱30の後部の開口部を開いた状態である水平の位置に回転した状態では、水平の状態を維持するように、トルクが付加されないトルクフリーの状態となる。下側ゲート部3432Aが持ち上げられて、ヒンジ3433Aの回転軸を中心として回転させられ始めると、下側ゲート部3432Aが持ち上げられように下側ゲート部3432Aにトルクが付加されて、図13に示すように、荷箱30の後部の開口部を閉じた状態である垂直の位置に至るまで回転するように構成されている。
【0033】
下側ゲート部3432Aと底壁部32の後端部との間には、図14に示すように、ヒンジ3433Aを覆うように、帯状のゴムシート3434Aが設けられている。ゴムシート3434Aの幅方向における端部は、図21に示すように、それぞれヘの字形状に折り曲げられた金具3435Aにより、下側ゲート部3432A、底壁部32の後端部に固定されている。
【0034】
下側ゲート部3432Aの左右両端部は、図14等に示すように、ワイヤー3436Aの下端部が係止されている。ワイヤー3436Aの上端部は、荷箱30の後部の開口部を構成する左側壁部35、右側壁部36の後端部に係止されている。
【0035】
下側ゲート部3432Aが開かれて水平の位置とされた状態の下側ゲート部3432Aの後部には、支持ラダー3437Aが設けられている。支持ラダー3437Aは、図14等に示すように途中でくの字形状に折れ曲がっており、階段状に形成されている。支持ラダー3437Aの上端部は、下側ゲート部3432Aに対して回転可能に支持されている。これにより、支持ラダー3437Aは、トレーラー1Aと一体になっており、トレーラー1Aの意匠性向上とトレーラー1Aにおける収納の楽さを兼ねることが可能となり、更に、トレーラー1Aのユーザーによる下側ゲート部3432Aへの昇降を助ける効果を得ることが可能となる。
【0036】
下側ゲート部3432Aが、図14に示す水平の位置に回転した状態では、支持ラダー3437Aの下端部は、地面に当接し、支持部材として支持ラダー3437Aは、下側ゲート部3432Aを支持する。支持ラダー3437Aが下側ゲート部3432Aを支持するため、大きな荷重に耐えることが可能となる。このため、下側ゲート部3432Aを図示しない建物のデッキ部分に接続して、下側ゲート部3432Aによりトレーラー1の底壁部32と建物のデッキ部分とを架け渡して渡り廊下としたり、下側ゲート部3432Aを図示しない建物のデッキ部分に接続していない状態では、下側ゲート部3432Aに腰掛けたりすることが可能となる。
【0037】
下側ゲート部3432Aを、図14に示す水平の位置に回転した状態の下側ゲート部3432Aの後端部には、建物のデッキ部分に当接し、当該当接した際に下側ゲート部3432Aの後端部を保護する、図示しない防舷材が取り付けられる。下側ゲート部3432Aが垂直の位置に回転した状態では、図13に示すように支持ラダー3437Aは、下側ゲート部3432Aに対して回転して、下側ゲート部3432Aの後側に沿って垂下した状態とされる。
【0038】
下側ゲート部3432Aを、図14に示す水平の位置に回転した状態の下側ゲート部3432Aの上面の高さは、350mm以上750mm以下である。この高さにより、下側ゲート部3432Aを、建物の一般的なデッキ部分と接続できるという効果を得ることができる。また、下側ゲート部3432Aの、図14に示す水平の位置に回転した状態の下側ゲート部3432Aの上面における耐荷重は、60kg以上である。この耐荷重により、下側ゲート部3432Aの上面に、少なくとも標準的な体重の大人1人が座ることが可能である。
【0039】
上側ゲート部3431Aには、第1実施形態のオーニングOに代えて、図示しないシャワーカーテンを装着可能である。シャワーカーテンは、図14に示すように水平の位置とされた上側ゲート部3431Aの周囲を取り囲むように上側ゲート部3431Aに係止されて使用される。このため、トレーラーの後側の空間をシャワー室として利用することが可能となる。この際、下側ゲート部3432Aを、図13に示すように、下側ゲート部3432Aを垂直の位置に回転した状態して、トレーラーの後側の空間をシャワー室として構成することも可能である。図示しないシャワーカーテンを使用しないときには、図示しないシャワーカーテンは、上側ゲート部3431Aから取り外される。
【0040】
中部収納空間357の開口部には、図16等に示すように、内側蓋部を構成すると共に、物を載置可能であり且つ机として利用可能な台を構成する下側蓋部としてのライティングデスク3542Aが設けられている。ライティングデスク3542Aは、壁部3582上に固定された奥板3543Aの後端部にドロップ丁番5344A(図17参照)により接続されており、奥板3543Aに対して回転可能に支持されている。なお、図15図17図18においては、説明の便宜上、室外機353、室内機3561や、天井31、左側壁部35等の図示を適宜省略する。
【0041】
ライティングデスク3542Aを使用する際には、ドロップ丁番5344Aの回転軸を中心としてライティングデスク3542Aを回転させて図17図19に示す水平の位置とすることが可能である。ライティングデスク3542Aを水平の位置としたときの、ライティングデスク3542Aの、底壁部32の上面により構成される床からの高さは700mm程度である。
【0042】
ライティングデスク3542Aを使用しない際には、図15図16に示す垂直の位置として、中部収納空間357の開口部を塞いで収納しておくことが可能となる。このとき、ライティングデスク3542Aの上端部の左右の部分は、フラットラッチ3584A、3684Aにより、左側壁部35、右側壁部36にそれぞれ固定されライティングデスク3542Aに隣接する側部構成部3583A、3683Aに対して固定される。
【0043】
奥板3543Aの左右両端部は、平角棒ステー5345Aの下端部が固定されている。平角棒ステー5345Aの中間の角棒のガイド部5346Aは、中部収納空間357を形成している左側壁部35、右側壁部36にそれぞれ固定された側部壁部3585A、3685Aに係止されている。図17図19に示すように、ライティングデスク3542Aが水平の位置にあるときに、平角棒ステー5345Aは、ライティングデスク3542Aを支持する。このため、水平の位置にあるライティングデスク3542A上に、例えば、50kg程度の荷重をかけることが可能となる。
【0044】
水平の位置にあるライティングデスク3542Aの上側には、図15図18に示すように、複数のダウンライト5347Aが設けられている。ダウンライト5347Aは、壁部3581の下面であって、ライティングデスク3542Aの前端部の上側の位置に配置されており、奥板3543Aの上面、及び、ライティングデスク3542Aの上面を照明可能である。
【0045】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
例えば、柱部材は、柱部材51により構成されたが、この構成に限定されない。従って、柱部材は、トレーラー等の移動可能なものに限られず、建物の室内空間に設けられてもよい。また、車両は、小型のキャンピングトレーラに設けられているトイレ室や、給水タンクや排水タンク等を備える設備室を有していない一部屋の室内空間を有する被牽引車両であるトレーラー1により構成されたが、この構成に限定されない。例えば、自走可能なキャンピングカー等により構成されてもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、天井31と左側壁部35との接続部分と、天井31と右側壁部36との接続部分には、それぞれ湾曲壁部37が設けられていたが、湾曲壁部37が設けられていなくてもよい。この場合であっても、柱部材は、湾曲部511の両端部には、天井側直線状部512と側壁側直線状部513とを有していればよい。
【0047】
また、本実施形態においては、天井側直線状部512、側壁側直線状部513は、それぞれ湾曲部511の両端部に接続されていたが、この構成に限定されない。例えば、湾曲部511の両端部と、天井側直線状部512、側壁側直線状部513とが離間してこれらの間に空間が形成されていてもよい。また、例えば、柱部材は、湾曲部の両端部のうちの少なくとも一方に、室内空間を形成する天井に沿って配置される天井側直線状部と、室内空間を形成する側壁に沿って配置される側壁側直線状部と、のうちのいずれか一方を有していてもよい。
【0048】
また、本実施形態においては、湾曲部511、天井側直線状部512、及び、側壁側直線状部513に、隙間が形成されて複数の板材52が固定されたが、これに限定されない。例えば、湾曲部511に板材52が固定されて湾曲部511と板材52とで格子状とされたパネル状の部材や、短く構成された天井側直線状部512、側壁側直線状部513の一部の部材に板材52が固定されて当該部材と板材52とで格子状とされたパネル状の部材を、予め用意して、これを嵌め合わせて、見た目が本実施形態のように、あたかも湾曲部511、天井側直線状部512、及び、側壁側直線状部513に、隙間が形成されて複数の板材52が固定されて格子状とされているかのような構成としてもよい。また、本実施形態では蓋部3541は、複数のスリットが形成された格子状の蓋部であったが、これに限定されない。例えば、板状の部材に格子を張って蓋部としてもよいし、蓋部自体が凹凸を有する構成として、格子状に見えるようにしてもよい。
【0049】
また、湾曲部511、天井側直線状部512、及び、側壁側直線状部513に対して、それぞれ板材52を着脱可能として、DIYにより様々にアレンジすることを可能としてもよい。また例えば、湾曲部511に板材52が固定されて湾曲部511と板材52とで格子状とされたパネル状の部材や、短く構成された天井側直線状部512、側壁側直線状部513の一部の部材に板材52が固定されて当該部材と板材52とで格子状とされたパネル状の部材を、予め用意して、これを着脱可能に嵌め合わせる構成としてもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、板材52を木製としたが、これに限定されない。例えば、板材52を樹脂製、人工木製、金属製、又は、これらの組み合わせとしてもよい。また、第2実施形態におけるライティングデスク3542A、下側ゲート部3432Aを、左側の部分と右側の部分とに分割可能な、観音開き可能な構成としてもよい。また、第2実施形態においては、図13に示す状態のときの、上側ゲート部3431A、下側ゲート部3432Aの上下方向のそれぞれの長さは、等しく構成されたが、これに限定されない。例えば、上側ゲート部の長さを下側ゲート部の長さよりも長くしてもよく、また、下側ゲート部の長さを上側ゲート部の長さよりも長くしてもよく、
【符号の説明】
【0051】
1 トレーラー、31 天井、34A テールゲート(後部扉)、35 左側壁部、36 左側壁部、37 湾曲壁部、51 柱部材、311 天窓、351 下部収納空間(室外収納空間)、353 室外機、352 蓋部、355 上部収納空間(室内収納空間)、357 中部収納空間、511 湾曲部、512 天井側直線状部、513 側壁側直線状部、3431A 上側ゲート部(上側扉)、3432A 下側ゲート部(下側扉)、3437A 支持ラダー(支持部材)、3511 照明装置、3541 蓋部、3542A ライティングデスク、3561 室内機、3582 壁部、5111 板材固定用平坦面、5112 隙間形成用平坦面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21