(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090203
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】作業支援システム、作業支援方法、及び作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20240627BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240627BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205930
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】川西 康友
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L049AA04
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】複数の作業対象に対する作業の作業効率を向上させることが可能な作業支援システム、作業支援方法、及び作業支援プログラムを提供すること。
【解決手段】作業管理システム1において、割当処理部212は、作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てる。位置取得処理部214は、前記作業者の位置情報を取得する。変更処理部215は、第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てる割当処理部と、
前記作業者の位置情報を取得する取得処理部と、
第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更可能な変更処理部と、
を備える作業支援システム。
【請求項2】
前記所定範囲内に前記第2作業者が存在する場合に、前記第1作業者に、前記第1作業対象の作業を前記第2作業者に依頼するか否かを問い合わせる通知処理部をさらに備え、
前記変更処理部は、前記第1作業者が前記第1作業対象の作業を前記第2作業者に依頼する旨の回答を取得した場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更する、
請求項1に記載の作業支援システム。
【請求項3】
前記通知処理部は、前記第1作業者が前記第1作業対象の作業を前記第2作業者に依頼する旨の回答を取得した場合に、前記第2作業者に、前記第1作業対象の作業を受諾するか否かを問い合わせ、
前記変更処理部は、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を受諾した旨の回答を取得した場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更する、
請求項2に記載の作業支援システム。
【請求項4】
前記第2作業者に前記第1作業対象の作業を受諾するか否かの問い合わせを通知した場合において、前記問い合わせを通知してから所定時間以内に前記第2作業者から回答を取得しない場合、前記問い合わせを通知した後に前記第2作業者が前記第1作業対象の位置から前記所定範囲外に移動した場合、又は、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を受諾する前に前記第1作業者が前記第1作業対象の作業を実施した場合に、前記第2作業者に対する前記第1作業対象の作業依頼をキャンセルする、
請求項3に記載の作業支援システム。
【請求項5】
前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する判定処理部をさらに備え、
前記変更処理部は、前記判定処理部により前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であると判定された場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更する、
請求項1~4のいずれかに記載の作業支援システム。
【請求項6】
前記判定処理部は、前記第1作業対象の作業難易度、前記第2作業者の作業能力、前記第1作業者に割り当てられた作業対象の作業状況、及び、前記第2作業者に割り当てられた作業対象の作業状況の少なくともいずれかに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
請求項5に記載の作業支援システム。
【請求項7】
前記判定処理部は、前記第1作業者に割り当てられた前記第1作業対象の現時点の未作業数と、前記第2作業者に割り当てられた第2作業対象の現時点の未作業数とに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
請求項5に記載の作業支援システム。
【請求項8】
前記判定処理部は、前記第1作業者の作業終了予想時刻と、前記第2作業者の作業終了予想時刻とに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
請求項5に記載の作業支援システム。
【請求項9】
前記判定処理部は、前記第1作業者から前記第1作業対象までの距離と、前記第2作業者から前記第1作業対象までの距離とに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
請求項5に記載の作業支援システム。
【請求項10】
作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てることと、
前記作業者の位置情報を取得することと、
第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更することと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する作業支援方法。
【請求項11】
作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てることと、
前記作業者の位置情報を取得することと、
第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者による作業対象に対する作業を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルなどの施設では、点検員が各種の設備について予め登録された点検項目を定期的に点検して点検結果を記録する点検作業を行っている。従来、設備の点検作業を支援するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、施設内の設備の点検業務では、複数の点検員が分担して点検作業を行う。このため、点検員ごとに、点検作業を担当する複数の設備が予め割り当てられており、各点検員は自身に割り当てられた複数の設備を順に点検していく。従来のシステムでは、例えば、各点検員が点検作業を効率的に実施できるように、点検員ごとに点検順や点検ルートを設定している。
【0005】
しかし、従来のシステムでは、点検員ごとに作業効率にばらつきが生じる恐れがあり、施設全体として点検作業を効率化することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、複数の作業対象に対する作業の作業効率を向上させることが可能な作業支援システム、作業支援方法、及び作業支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る作業支援システムは、割当処理部と取得処理部と変更処理部とを備える。前記割当処理部は、作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てる。前記取得処理部は、前記作業者の位置情報を取得する。前記変更処理部は、第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更可能な構成を備える。
【0008】
本発明の他の局面に係る作業支援方法は、作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てることと、前記作業者の位置情報を取得することと、第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更することと、を一又は複数のプロセッサーが実行する方法である。
【0009】
本発明の他の局面に係る作業支援プログラムは、作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てることと、前記作業者の位置情報を取得することと、第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の作業対象に対する作業の作業効率を向上させることが可能な作業支援システム、作業支援方法、及び作業支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る作業管理システムの全体構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る作業管理システムの具体的構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る作業管理システムで使用される設備情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る作業管理システムで使用される設備場所情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る作業管理システムで使用される点検員情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る作業管理システムで使用される割当情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る作業管理システムで使用される作業情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態に係る作業管理システムで実行される作業支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[作業管理システム1]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る作業管理システム1は、管理サーバー2と設備監視装置3と管理者端末4と点検員端末5とを含む。管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。作業管理システム1は、複数の設備が設置される施設に導入される。前記施設は、商業ビルなどの商業施設、役所などの公共施設、ホテル、旅館等の宿泊施設、複合施設など種々の施設である。前記設備は、ボイラー、冷凍機、ポンプ、空調機器、送風機などの空調設備、高圧機器、発電機、電源機器などの電気設備、警報機、消火機などの消防設備など種々の設備である。本実施形態では、前記施設の一例として、商業ビルの施設B1を挙げる。
【0014】
施設B1に設置された設備の点検員(作業者)は、点検対象(作業対象)の設備(以下、点検対象設備ともいう。)の点検作業を行う。具体的には、点検員は、点検員端末5(スマートフォン、モバイル端末など)を所持して、複数の点検対象設備を巡回して点検し、点検結果(正常、異常、実測データなど)を点検員端末5に入力する。例えば、点検員は、管理サーバー2から提供されて点検員端末5に表示される操作画面(点検作業ページ(
図8等参照))において点検対象設備及び点検項目を確認し、当該点検対象設備の点検結果を入力する。点検員が複数人の場合、各点検員は、個別に点検員端末5を所持しながら自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を行う。作業管理システム1には、一又は複数の点検員端末5が含まれる。
【0015】
設備監視装置3は、施設B1内の監視対象の設備(以下、監視対象設備ともいう。)を監視する。具体的には、設備監視装置3は、例えばBACnet(Building Automation and Control Networking Protocol)(「BACnet」;登録商標)を利用して監視対象設備の監視を行う。設備監視装置3は、所謂ビル自動管理制御システムに含まれてもよい。
【0016】
管理サーバー2は、各種施設に対して設備管理サービスを提供し、設備管理サービスサイトを運営する。具体的には、管理サーバー2は、点検員による点検員端末5における操作を受け付けて施設B1の点検作業を管理及び支援する。また、管理サーバー2は、点検作業に関する各種情報を点検員に提示する。また、管理サーバー2は、施設B1に新たな設備が導入された場合に、管理者による管理者端末4における操作を受け付けて設備情報を登録するとともに、当該設備に対応する点検項目を設定する。管理サーバー2は、施設B1内に設置されてもよいし、施設B1外に設置されてもよい。また、管理サーバー2は、点検員による点検対象設備に対する点検作業の点検結果と、設備監視装置3による監視対象設備に対する監視結果とを含む点検結果レポートを作成する。
【0017】
本実施形態では、管理サーバー2単体が本発明に係る作業支援システムに相当するが、本発明に係る作業支援システムは、管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。また、管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5の構成要素が協働して後述する作業支援処理(
図15参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る作業支援システムとして捉えることが可能である。例えば、管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5が、本発明に係る作業支援システムを構成してもよい。また、管理サーバー2が設備監視装置3の機能を兼ね備えてよい。この場合は、管理サーバー2、管理者端末4、及び点検員端末5が、本発明に係る作業支援システムを構成してもよい。
【0018】
[設備監視装置3]
図2に示すように、設備監視装置3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備えるサーバーである。なお、設備監視装置3は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよいし、クラウドサーバーで構成されてもよい。また、設備監視装置3で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。設備監視装置3は、BACnetを利用して施設B1内の監視対象設備の監視を行う。設備監視装置3の機能は、管理サーバー2に含まれてもよい。
【0019】
通信I/F34は、設備監視装置3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また、通信I/F34は、監視対象設備との間でBACnetに従ったデータ通信を実行する。
【0020】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0021】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部32には、監視設備情報が含まれる。
【0022】
監視設備情報には、施設B1に設置された設備のうち監視対象の設備(監視対象設備)ごとに、名称(監視設備名称)、監視項目、単位、分類などの情報が含まれる。監視設備情報に登録される監視対象設備は、BACnetを利用可能な通信機能を備えており、前記監視項目に応じたデータ(計測値など)を制御部31に定期的に送信する。監視設備情報に登録される各情報は、施設B1の管理者、前記設備管理サービスのサービス提供者などにより予め登録される。
【0023】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより設備監視装置3を制御する。
【0024】
具体的には、制御部31は、施設B1内の各監視対象設備から計測値などのデータを取得して記憶部32に記憶する。また、制御部31は、前記データに異常がある場合に、施設B1の管理者等に異常を通知する。
【0025】
設備監視装置3は、BACnetを利用したビル自動管理制御システムなど、周知の技術を適用することができる。
【0026】
[管理サーバー2]
図2に示すように、管理サーバー2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバーである。なお、管理サーバー2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよいし、クラウドサーバーで構成されてもよい。また、管理サーバー2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0027】
通信I/F24は、管理サーバー2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して設備監視装置3、管理者端末4、点検員端末5などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0028】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0029】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。具体的には、記憶部22には、設備情報D1、設備場所情報D2、点検員情報D3、割当情報D4、作業情報D5などのデータが含まれる。
【0030】
図3は、施設B1に対応する設備情報D1の一例を示す図である。設備情報D1には、施設B1に設置されている設備(点検対象設備)に関する情報が含まれる。具体的には、設備情報D1には、分類、設備、点検項目、入力単位などの情報が含まれる。各点検対象設備には、点検項目が予め設定されている。なお、
図3では省略しているが、設備情報D1には、さらに、点検対象設備ごとに、機器番号、メーカー型式、製造年、製造会社、施工会社、修理会社などの情報が含まれてもよい。設備情報D1には、例えば施設B1に設置された全ての点検対象設備に関する情報が登録される。設備情報D1に登録される各情報は、施設B1の管理者、前記設備管理サービスのサービス提供者などにより予め登録される。なお、設備情報D1に、監視対象設備に関する情報が含まれてもよい。
【0031】
図4は、設備場所情報D2の一例を示す図である。設備場所情報D2には、設備情報D1に登録されている各点検対象設備の設置場所に関する情報が含まれる。前記設置場所は、電気室、空調室、機械室などの設置部屋であってもよいし、施設B1の地図における位置情報であってもよい。設備場所情報D2に登録される各情報は、施設B1の管理者、前記設備管理サービスのサービス提供者などにより予め登録される。
【0032】
図5は、点検員情報D3の一例を示す図である。点検員情報D3には、点検対象設備の点検作業を行う複数の点検員に関する情報が含まれる。具体的には、点検員情報D3には、ID、点検員名、点検履歴、点検能力レベルなどの情報が含まれる。前記IDは、点検員の識別情報であり、社員番号などである。前記点検履歴は、点検員の過去の点検作業の作業履歴であり、例えば、点検作業を担当した設備に関する情報、点検作業に要した作業時間、点検作業の品質(評価)などの情報が含まれる。
【0033】
前記点検能力レベルは、点検員の点検作業の能力のレベル(スキル)を示す情報である。なお、点検能力レベル「5」は点検能力が最も高く、点検能力レベル「1」は点検能力が最も低いことを表している。制御部21は、点検員が過去に担当した点検対象設備の数、点検作業のやり直し指示に応じて点検員が再度点検作業を行った回数、点検員の経験値(経験年数など)、点検対象設備に関する資格の有無の少なくともいずれかの情報に基づいて、当該点検員の点検能力レベルを算出する。制御部21は、前記点検能力レベルを5段階で評価して点検員情報D3に登録する。制御部21は、各点検員の点検実績に応じて点検員情報D3を適宜更新する。制御部21は、管理者又は点検リーダーの登録操作に応じて前記点検能力レベルを設定及び更新してもよい。
【0034】
図6は、割当情報D4の一例を示す図である。割当情報D4には、点検員に割り当てられた点検対象設備に関する情報が含まれる。具体的には、割当情報D4には、点検対象設備ごとに、場所、点検員名の情報が含まれる。例えば
図6に示す例では、点検員A1に電気設備E1~E10が割り当てられ、点検員A2に空調設備C1~C10が割り当てられている。このように、点検員ごとに、異なる種別の点検対象設備が割り当てられている。他の例として、点検員A1に電気設備E1~E5と空調設備C1~C5とが割り当てられ、点検員A2に電気設備E6~E10と空調設備C6~C10とが割り当てられてもよい。また他の例として、フロアごとに点検員を割り当ててもよい。例えば、施設B1の1階の点検対象設備が点検員A1に割り当てられ、施設B1の2階の点検対象設備が点検員A2に割り当てられてもよい。施設B1の管理者、前記設備管理サービスのサービス提供者などが点検員及び点検対象設備の割当作業を行ってもよいし、制御部21が、設備情報D1、設備場所情報D2、点検員情報D3などに基づいて割当処理を実行してもよい。
【0035】
各点検員は、割当情報D4に基づいて、自身に割り当てられた複数の点検対象設備について点検作業を実施する。
【0036】
図7は、作業情報D5の一例を示す図である。作業情報D5には、各点検員の作業状況に関する情報が含まれる。具体的には、作業情報D5には、点検員の位置、作業状況などの情報が含まれる。前記位置は、点検員の現在位置であり、例えば施設B1内の地図上の現在位置である。前記作業状況は、点検員の作業の進捗状況であり、例えば点検作業を完了した設備の情報、現在点検作業中の設備の情報、点検作業を完了していない設備の情報などが含まれる。制御部21は、点検員端末5に入力される情報に基づいて点検員の作業状況を取得して作業情報D5に登録する。
【0037】
なお、他の実施形態として、設備情報D1、設備場所情報D2、点検員情報D3、割当情報D4、作業情報D5の一部又は全部が、管理サーバー2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、管理サーバー2の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の作業支援処理(
図15参照)などの各処理を実行してもよい。
【0038】
また、記憶部22には、管理者端末4及び点検員端末5に表示される各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。なお、本実施形態において、管理サーバー2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報を管理者端末4及び点検員端末5に送信することにより、管理者端末4及び点検員端末5に前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、管理サーバー2の制御部21は、管理者端末4及び点検員端末5に前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、管理者端末4の制御部41及び点検員端末5の制御部51に前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0039】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の作業支援処理(
図15参照)を実行させるための作業支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記作業支援プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理サーバー2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。前記作業支援プログラムは、本発明の作業管理プログラムの一例である。
【0040】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理サーバー2を制御する。
【0041】
具体的には、制御部21は、
図2に示すように、設備取得処理部211、割当処理部212、点検処理部213、位置取得処理部214、変更処理部215、通知処理部216、判定処理部217などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記作業支援プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記作業支援プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0042】
設備取得処理部211は、登録対象の設備である対象設備に関する設備情報を取得する。例えば、施設B1に新たな設備(点検対象設備)を導入する場合に、管理者は管理者端末4に表示される設備設定ページ(不図示)において、点検対象設備の情報を登録する。制御部21は、例えば管理者が管理者端末4において設備管理サービスサイトにログインすると設備設定ページを表示させる。設備設定ページには、対象設備を設置する場所情報(建物名、フロア名、場所名、屋内/屋外)、対象設備の名称(表示名称、設備名称)、対象設備の分類情報、点検項目などを入力する入力欄が設けられている。なお、設備設定ページには、機器番号、メーカー型式、製造年、製造会社、施工会社、修理会社などを入力する入力欄が設けられてもよい。
【0043】
設備取得処理部211は、設備設定ページにおいて管理者が入力した前記点検対象設備に関する各情報を取得する。例えば、設備設定ページにおいて管理者が各入力欄に情報を入力して登録ボタンを押下すると、設備取得処理部211は前記情報を取得する。設備取得処理部211は、取得した情報を設備情報D1(
図3参照)及び設備場所情報D2(
図4参照)に登録する。
【0044】
割当処理部212は、点検作業を担当する点検員ごとに点検対象設備を割り当てる割当処理を実行する。具体的には、割当処理部212は、点検員ごとに、異なる種別の複数の点検対象設備を割り当てる。例えば、割当処理部212は、点検員A1に10箇所の電気設備(電気設備E1~E10)を割り当て、点検員A2に10箇所の空調設備(空調設備C1~C10)を割り当てる。割当処理部212は、点検員ごとに割り当てた点検対象設備に関する情報を割当情報D4(
図6参照)に登録する。
【0045】
他の実施形態として、割当処理部212は、点検員A1に5箇所の電気設備(電気設備E1~E5)と5箇所の空調設備(空調設備C1~C5)とを割り当て、点検員A2に5箇所の電気設備(電気設備E6~E10)と5箇所の空調設備(空調設備C6~C10)とを割り当ててもよい。
【0046】
割当処理部212は、例えば施設B1の管理者による登録操作に応じて前記割当処理を実行する。また、割当処理部212は、設備情報D1、設備場所情報D2、点検員情報D3などに基づいて割当処理を実行してもよい。例えば、割当処理部212は、各点検員の点検履歴、点検能力レベル、資格などに基づいて割当処理を実行してもよい。また、割当処理部212は、施設B1内の全ての点検対象設備の点検作業の作業時間が最短時間になるように、各点検員に点検対象設備を割り当ててもよい。
【0047】
点検処理部213は、点検員による点検作業に応じた点検処理を実行する。具体的には、点検員端末5において設備管理アプリケーションが実行されると、点検処理部213は、
図8に示す点検作業ページを点検員端末5に表示させて、点検員の操作を受け付ける。点検作業ページには点検対象設備の点検情報が表示される。例えば
図8に示すように、点検作業ページには、点検員の名前、点検対象設備の名称、場所、点検項目などの点検情報が表示される。点検員は、点検作業ページにおいて、点検対象設備を点検項目に従って点検し、点検結果を入力する。
【0048】
点検処理部213は、設備情報D1(
図3参照)に登録された点検対象設備に対応する点検項目を点検員端末5に表示させて点検員による点検結果の入力操作を受け付ける。また、点検処理部213は、割当情報D4(
図6参照)に登録された点検対象設備に関する点検情報を点検員端末5に順に表示させる。例えば、点検処理部213は、点検員A1の点検員端末5の点検作業ページに、電気設備E1~E10の点検情報を順に表示させる。また、点検処理部213は、点検員A1が、自身に割り当てられた点検対象設備の一覧から所望の点検対象設備を選択した場合に、選択された点検対象設備に関する点検情報を点検作業ページに表示させる。例えば、点検員A1が電気設備E2を選択すると、点検処理部213は、
図8に示すように、点検作業ページに電気設備E2の場所、点検項目、点検結果の入力欄などを表示させる。点検員A1が点検結果を入力して「確定」ボタンを押下すると、点検処理部213は、点検対象設備の一覧を表示させて、点検員A1から次の点検対象設備の選択操作を受け付け、選択された点検対象設備に関する点検情報を点検作業ページに表示させる。
【0049】
他の実施形態として、点検処理部213は、点検員の位置情報に基づいて点検対象設備の点検情報を点検作業ページに表示させてもよい。例えば、点検員A1が電気設備E2が配置されている場所(電気室R2)の近くにいる場合、又は、電気室R2に向かって移動している場合に、点検処理部213は、次の点検対象設備として電気設備E2を特定し、電気設備E2に関する点検情報を点検作業ページに表示させる。点検員A1の位置情報は、後述の方法により位置取得処理部214により取得される。
【0050】
他の実施形態として、点検処理部213は、予め設定された点検順序(点検ルート)に従って点検情報を点検作業ページに表示させてもよい。例えば、点検員A1に割り当てられた電気設備E1~E10について、点検順序が予め設定されている場合には、当該点検順序に従って各電気設備の点検情報を表示させる。この場合、点検処理部213は、点検順序に対応する移動経路(地図情報)を点検作業ページに表示させてもよい。
【0051】
点検処理部213は、各点検員の点検員端末5に点検作業ページをそれぞれ表示させて、点検処理を並行して実行する。例えば、点検処理部213は、点検員A1の点検員端末5に
図8に示す点検作業ページを表示させるとともに、点検員A2の点検員端末5に
図9に示す点検作業ページを表示させる。
【0052】
また、点検処理部213は、各点検員の作業状況を取得する。具体的には、点検処理部213は、点検員ごとに、点検作業を完了した点検対象設備の情報、現在点検作業中の点検対象設備の情報、点検作業を完了していない点検対象設備の情報などの作業状況を取得する。点検処理部213は、取得した作業状況を作業情報D5(
図7参照)に登録する。
【0053】
このようにして、複数の点検員のそれぞれは、点検業務において、自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を並行して実施する。ここで、例えば点検員A2が、点検員A1に割り当てられた点検対象設備の近くにいる場合に、当該点検対象設備の点検作業を点検員A2に代替してもらうと全体の作業効率が向上することが考えられる。そこで、制御部21は、以下に示すように、所定の点検対象設備について、点検作業を担当する点検員を変更する変更処理を実行してもよい。
【0054】
具体的には、位置取得処理部214は、点検員の位置情報を取得する。具体的には、位置取得処理部214は、施設B1内で点検作業を行う全ての点検員の現在位置を取得する。例えば、位置取得処理部214は、点検員端末5の位置情報を取得することにより点検員の現在位置を取得する。位置取得処理部214は、施設B1内に設置される通信機器(ビーコンなど)と点検員端末5とが通信することにより点検員端末5の位置情報を取得してもよいし、点検員端末5のGPS情報に基づいて点検員端末5の位置情報を取得してもよい。また、位置取得処理部214は、点検員が所持する通信機器(ICタグなど)により点検員の位置情報を取得してもよい。
【0055】
位置取得処理部214は、各点検員の現在位置を取得すると作業情報D5(
図7参照)に登録する。また、位置取得処理部214は、各点検員の現在位置をリアルタイムで更新する。位置取得処理部214は、本発明の取得処理部の一例である。
【0056】
変更処理部215は、所定の点検対象設備について、点検作業を担当する点検員を変更する変更処理を実行する。具体的には、変更処理部215は、第1点検員に割り当てられた第1点検対象設備の位置から所定範囲内に他の第2点検員が存在する場合に、第1点検対象設備を担当する点検員を第1点検員から第2点検員に変更する。例えば、点検員A1が電気設備E5の点検作業を行っているときに、点検員A2が、点検員A1に割り当てられ、かつ点検作業を未だ行っていない電気設備E8の近くにいる場合に、変更処理部215は、電気設備E8の点検員を点検員A1から点検員A2に変更する。変更処理部215は、本発明の変更処理部の一例である。
【0057】
また、変更処理部215が前記変更処理を実行する前に、通知処理部216が、変更に係る情報を点検員A1及び点検員A2に通知してもよい。通知処理部216は、本発明の通知処理部の一例である。
【0058】
具体的には、通知処理部216は、第1点検員に割り当てられた第1点検対象設備の位置から所定範囲内に第2点検員が存在する場合に、第1点検員に、第1点検対象設備の点検作業を第2点検員に依頼するか否かを問い合わせる。例えば
図10に示すように、通知処理部216は、点検員A1が現在点検作業中の点検作業ページに、点検員A2が電気設備E8の近くにいることを示すメッセージを表示させる。また、
図10に示す点検作業ページにおいて点検員A1が前記メッセージに対して「確認する」のボタンを押下すると、通知処理部216は、
図11に示すように、点検作業ページに、点検員A2に電気設備E8の点検作業を依頼するか否かを問い合わせるメッセージを表示させる。
【0059】
図11に示す点検作業ページにおいて点検員A1が前記メッセージに対して「はい(点検依頼する)」のボタンを押下すると、通知処理部216は、
図12に示すように、点検員A2の点検員端末5の点検作業ページに、点検員A1から電気設備E8の点検依頼がされたことを示すメッセージを表示させる。また、通知処理部216は、
図12に示すように、点検作業ページに、点検員A1からの依頼を受諾するか否かを問い合わせるメッセージを表示させる。
【0060】
図12に示す点検作業ページにおいて点検員A2が前記メッセージに対して「依頼を受ける」のボタンを押下すると、変更処理部215は、電気設備E8の点検員を点検員A1から点検員A2に変更する。また、通知処理部216は、
図13に示すように、点検員A2の点検員端末5の点検作業ページに電気設備E8に関する点検情報を表示させる。また、通知処理部216は、
図14に示すように、点検員A1の点検員端末5の点検作業ページに、点検員A2が電気設備E8の点検依頼を受諾したことを示すメッセージを表示させる。これにより、電気設備E8の作業担当が点検員A1から点検員A2に変更される。この場合、点検員A2は、電気設備E8の点検作業を実施する(
図13参照)。
【0061】
なお、例えば
図12に示す点検作業ページにおいて点検員A2が前記メッセージに対して「依頼を断る」のボタンを押下すると、通知処理部216は、点検員A1の点検員端末5の点検作業ページに、点検員A2が電気設備E8の点検依頼を拒否したことを示すメッセージを表示させる。この場合、点検員A1は、電気設備E8について自身で点検作業を実施する。
【0062】
他の実施形態として、点検員A1から点検員A2に電気設備E8の点検依頼が通知された場合において、点検員A2から所定時間以内に応答(「依頼を受ける」又は「依頼を断る」の回答)がない場合に、制御部21は、点検員A1の点検員端末5の点検作業ページに、点検員A2の応答がないことを示すメッセージを表示させて、点検員A1の点検依頼を無効(キャンセル)にしてもよい。
【0063】
また他の実施形態として、点検員A1から点検員A2に電気設備E8の点検依頼が通知された場合において、点検員A2が電気設備E8から離れた(電気設備E8の位置から所定範囲外に移動した)場合に、制御部21は、点検員A1の点検員端末5の点検作業ページに、点検員A2が電気設備E8から離れたことを示すメッセージを表示させて、点検員A1の点検依頼を無効(キャンセル)にしてもよい。
【0064】
また他の実施形態として、点検員A1から点検員A2に電気設備E8の点検依頼が通知された場合において、点検員A2が回答(「依頼を受ける」の回答)を入力する前に点検員A1が自ら電気設備E8の点検を行った場合に、制御部21は、前記点検依頼をキャンセルして、点検員A2の点検員端末5の点検作業ページに、前記点検依頼がキャンセルされたことを示すメッセージを表示させてもよい。
【0065】
このように、通知処理部216は、第1点検対象設備の所定範囲内に第2点検員が存在する場合に、第1作業者に、第1点検対象設備の作業を第2点検員に依頼するか否かを問い合わせ(
図11参照)、変更処理部215は、第1点検員が第1点検対象設備の作業を第2点検員に依頼する旨の回答を取得した場合に(
図11参照)、第1点検対象設備を担当する点検員を第1点検員から第2点検員に変更する。
【0066】
また、通知処理部216は、第1点検員が第1点検対象設備の作業を第2点検員に依頼する旨の回答を取得した場合に(
図11参照)、第2点検員に、第1点検対象設備の作業を受諾するか否かを問い合わせ(
図12参照)、変更処理部215は、第2点検員が第1点検対象設備の作業を受諾した旨の回答を取得した場合に(
図12参照)、第1点検対象設備を担当する点検員を第1点検員から第2点検員に変更する。
【0067】
他の実施形態として、判定処理部217は、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であるか否かを判定してもよい。そして、変更処理部215は、判定処理部217が第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であると判定した場合に、第1点検対象設備を担当する点検員を第1点検員から第2点検員に変更してもよい。判定処理部217は、本発明の判定処理部の一例である。
【0068】
具体的には、判定処理部217は、第1点検対象設備の作業難易度、第2点検員の点検能力レベル、第1点検員に割り当てられた点検対象設備の作業状況、及び、第2点検員に割り当てられた点検対象設備の作業状況の少なくともいずれかに基づいて、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であるか否かを判定する。
【0069】
例えば、判定処理部217は、点検員A1に割り当てられた電気設備E8の点検項目が外観点検など目視により正常又は異常を判断するものである場合に、電気設備E8の作業難易度が低いと判断して、点検員A2が電気設備E8の点検作業を担当することが可能であると判断する。一方、判定処理部217は、点検員A1に割り当てられた電気設備E7の点検項目が電圧、電流、力率など計測するための特別な操作を要するものである場合に、電気設備E7の作業難易度が高いと判断して、点検員A2が電気設備E7の点検作業を担当することが不可能であると判断する。
【0070】
判定処理部217が、点検員A2が電気設備E8の点検作業を担当することが可能であると判断した場合、変更処理部215は、点検員A2が電気設備E8の近くにいる場合に、電気設備E8を担当する点検員を点検員A1から点検員A2に変更することを可能とする。一方、判定処理部217が、点検員A2が電気設備E7の点検作業を担当することが不可能であると判断した場合には、変更処理部215は、点検員A2が電気設備E7の近くにいる場合であっても、電気設備E7を担当する点検員を点検員A1から点検員A2に変更することを禁止する。
【0071】
また例えば、判定処理部217は、点検員A1に割り当てられた電気設備E8の近くにいる点検員A2の点検能力レベル(
図5参照)が所定レベル(例えば、点検能力レベル「3」)以上である場合に、点検員A2が電気設備E8の点検作業を担当することが可能であると判断し、点検員A4の点検能力レベルが所定レベル未満である場合に、点検員A4が電気設備E8の点検作業を担当することが不可能であると判断する。この場合、変更処理部215は、点検員A2が電気設備E8の近くにいる場合に、電気設備E8を担当する点検員を点検員A1から点検員A2に変更することを可能とする。一方、変更処理部215は、点検員A4が電気設備E8の近くにいる場合であっても、電気設備E8を担当する点検員を点検員A1から点検員A4に変更することを禁止する。
【0072】
また例えば、判定処理部217は、点検員A1が自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を予定通りに実施できておらず遅れている状況である場合、すなわち点検員A1に余裕がない場合に、点検作業が完了していない電気設備E8の点検作業を点検員A2が担当することを可能と判断する。この場合、変更処理部215は、点検員A2が電気設備E8の近くにいる場合に、電気設備E8を担当する点検員を点検員A1から点検員A2に変更することを可能とする。一方、判定処理部217は、点検員A1が自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を予定通り又は予定よりも早く実施できている状況である場合、すなわち点検員A1に余裕がある場合には、点検作業が完了していない電気設備E8の点検作業を点検員A2が担当することを不可能と判断する。この場合、変更処理部215は、点検員A2が電気設備E8の近くにいる場合であっても、電気設備E8を担当する点検員を点検員A1から点検員A2に変更することを禁止する。
【0073】
また例えば、判定処理部217は、点検員A2が自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を予定通りに又は予定よりも早く実施できている状況である場合、すなわち点検員A2に余裕がある場合に、点検員A1が点検作業が完了していない電気設備E8の点検作業を点検員A2が担当することを可能と判断する。この場合、変更処理部215は、点検員A2が電気設備E8の近くにいる場合に、電気設備E8を担当する点検員を点検員A1から点検員A2に変更することを可能とする。一方、判定処理部217は、点検員A2が自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を予定通りに実施できておらず遅れている状況である場合、すなわち点検員A2に余裕がない場合には、点検員A1が点検作業が完了していない電気設備E8の点検作業を点検員A2が担当することを不可能と判断する。この場合、変更処理部215は、点検員A2が電気設備E8の近くにいる場合であっても、電気設備E8を担当する点検員を点検員A1から点検員A2に変更することを禁止する。
【0074】
このように、判定処理部217は、第1点検対象設備の作業難易度、第2点検員の点検能力レベル、第1点検員の作業状況、及び、第2点検員の作業状況の少なくともいずれかに基づいて、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であるか否かを判定し、変更処理部215は、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能である場合に、第1点検対象設備の作業担当を第2点検員に変更する変更処理を実行する。
【0075】
他の実施形態として、判定処理部217は、第1点検員に割り当てられた第1点検対象設備の現時点の未作業数と、第2点検員に割り当てられた第2点検対象設備の現時点の未作業数とに基づいて、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であるか否かを判定してもよい。例えば、判定処理部217は、第1点検員の未作業数が第2点検員の未作業数よりも多い場合に、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であると判定し、第1点検員の未作業数が第2点検員の未作業数よりも少ない場合に、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが不可能であると判定する。
【0076】
また他の実施形態として、判定処理部217は、第1点検員の作業終了予想時刻と、第2点検員の作業終了予想時刻とに基づいて、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であるか否かを判定してもよい。例えば、判定処理部217は、第1点検員の作業終了予想時刻が第2点検員の作業終了予想時刻よりも遅い場合に、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であると判定し、第1点検員の作業終了予想時刻が第2点検員の作業終了予想時刻よりも早い場合に、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが不可能であると判定する。なお、制御部21は、点検員に割り当てられた点検対象設備の数、点検対象設備の点検作業の難易度、点検員の点検能力レベル、作業状況などの情報に基づいて、作業終了予想時刻を算出及び更新してもよい。
【0077】
また他の実施形態として、判定処理部217は、第1点検員から第1点検対象設備までの距離と、第2点検員から第1点検対象設備までの距離とに基づいて、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であるか否かを判定してもよい。例えば、判定処理部217は、第1点検員から第1点検対象設備までの距離が第2点検員から第1点検対象設備までの距離よりも長い(遠い)場合に、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが可能であると判定し、第1点検員から第1点検対象設備までの距離が第2点検員から第1点検対象設備までの距離よりも短い(近い)場合に、第2点検員が第1点検対象設備の作業を担当することが不可能であると判定する。
【0078】
以上のようにして、変更処理部215は、点検対象設備の作業担当を変更する変更処理を実行する。
【0079】
点検員が各点検項目について点検結果を入力すると、点検処理部213は、各点検対象設備の点検結果を集計する。
【0080】
また、点検処理部213は、設備監視装置3が監視する監視対象設備の監視結果を設備監視装置3から取得する。具体的には、点検処理部213は、監視対象設備の監視項目の監視結果を設備監視装置3から取得する。
【0081】
また、点検処理部213は、設備の点検結果を出力する。具体的には、点検処理部213は、点検員が点検対象設備の点検項目を点検した結果と、設備監視装置3が監視対象設備の点検項目を監視した監視結果とを取得して、前記点検結果を出力する。そして、点検処理部213は、点検結果を含む点検結果レポートを作成して出力する。例えば点検処理部213は、点検結果レポートをプリンターから印刷させてもよいし、ファイル形式にしたデータを施設B1の管理者端末4にメール送信してもよい。
【0082】
[管理者端末4]
図2に示すように、管理者端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び通信I/F44などを備える。管理者端末4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0083】
通信I/F44は、管理者端末4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0084】
操作表示部43は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0085】
記憶部42は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部42には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部41に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0086】
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理者端末4を制御する。
【0087】
具体的に、制御部41は、記憶部42に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部411として機能する。ブラウザ処理部411は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部43に表示させ、操作表示部43に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、管理者端末4は、制御部41によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部41に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0088】
例えば、管理者端末4では、作業管理システム1で提供される設備管理サービスの設備管理サービスサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部41が、管理サーバー2から前記設備管理サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部43に前記設備管理サービスサイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、管理者端末4に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、管理者端末4の管理者が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部43に前記設備管理サービスサイトのウェブページが表示される。
【0089】
例えば、施設B1の管理者は、前記設備管理サービスを利用する際に、管理者端末4に表示された前記設備管理サービスサイトのログインページにログイン情報(ID、パスワード)を入力する。前記ログイン情報が認証されると、制御部41は、操作表示部43に各種ウェブページ(例えば設備設定ページ、点検結果ページ)を表示させる。
【0090】
[点検員端末5]
図2に示すように、点検員端末5は、制御部51、記憶部52、操作表示部53、及び通信I/F54などを備える。点検員端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0091】
通信I/F54は、点検員端末5を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0092】
操作表示部53は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0093】
記憶部52は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部52には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTPなどの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部51に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0094】
制御部51は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部51は、前記ROM又は記憶部52に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより点検員端末5を制御する。
【0095】
具体的に、制御部51は、記憶部52に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部511として機能する。ブラウザ処理部511は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部53に表示させ、操作表示部53に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、点検員端末5は、制御部51によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部51に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0096】
例えば、点検員端末5では、作業管理システム1で提供される設備管理サービスの設備管理サービスサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部51が、管理サーバー2から前記設備管理サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部53に前記設備管理サービスサイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、点検員端末5に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、点検員端末5の点検員が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部53に前記設備管理サービスサイトのウェブページが表示される。
【0097】
例えば、施設B1の点検員は、前記設備管理サービスを利用する際に、点検員端末5に表示された前記設備管理サービスサイトのログインページにログイン情報(ID、パスワード)を入力する。前記ログイン情報が認証されると、制御部51は、操作表示部53に各種ウェブページ(例えば点検作業ページ(
図8~
図14参照))を表示させる。
【0098】
[作業支援処理]
以下、
図15を参照しつつ、作業管理システム1において実行される作業支援処理について説明する。具体的に、本実施形態では、管理サーバー2の制御部21によって前記作業支援処理が実行される。
【0099】
なお、本発明は、前記作業支援処理に含まれる一又は複数のステップを実行する作業支援方法(本発明の作業管理方法の一例)の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記作業支援処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記作業支援処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21が前記作業支援処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該作業支援処理における各ステップを分散して実行する作業支援方法も他の実施形態として考えられる。
【0100】
また、制御部21は、点検員(点検員端末5)ごとに、前記作業支援処理を並行して実行する。
【0101】
先ず、ステップS1において、制御部21は、点検員の点検作業を開始するか否かを判定する。例えば、点検員A1が前記設備管理サービスサイトにログインして点検作業を開始する操作を行うと、制御部21は、点検員A1の点検作業を開始すると判定し、処理をステップS2に移行させる。制御部21は、点検作業を開始する操作を受け付けるまで待機する(S1:No)。ここでは、制御部21は、点検員A1を含む複数の点検員がそれぞれ、自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を開始したものとする。また、以下では、点検員A1に着目した前記作業支援処理を説明する。
【0102】
ステップS2において、制御部21は、各点検員の位置情報を取得する処理を開始する。制御部21は、所定の周期で点検員の現在位置を取得して作業情報D5(
図7参照)に登録及び更新する。
【0103】
次にステップS3において、制御部21は、点検員A1による点検作業に対応する点検処理を実行する。具体的には、制御部21は、点検員A1の点検員端末5に点検作業ページを表示させるとともに、点検作業ページに点検対象の電気設備の場所、点検項目、点検結果の入力欄などを表示させる(
図8参照)。制御部21は、点検員A1が自身に割り当てられた点検対象設備のうちから選択した点検対象設備の点検情報を点検作業ページに表示させてもよいし、予め設定された順序に応じた点検対象設備の点検情報を点検作業ページに表示させてもよい。点検員A1は点検作業ページに表示された点検項目について点検作業を実施して点検結果を点検作業ページに入力する。
【0104】
次にステップS4において、制御部21は、点検員A1に割り当てられた点検対象設備の近くに他の点検員が存在するか否かを判定する。具体的には、制御部21は、各点検員の位置情報に基づいて、点検員A1に割り当てられた点検対象設備の位置から所定範囲内に他の点検員が存在するか否かを判定する。制御部21は、前記所定範囲内に他の点検員が存在すると判定すると(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。一方、制御部21は、前記所定範囲内に他の点検員が存在しないと判定すると(S4:No)、処理をステップS10に移行させる。
【0105】
ステップS5では、制御部21は、点検員A1に、点検対象設備の作業を他の点検員に依頼するか否かを通知する。例えば点検員A1に割り当てられた電気設備E8の近くに点検員A2が存在する場合に、制御部21は、
図11に示すように、点検員A1の点検員端末5の点検作業ページに、点検員A2に電気設備E8の点検作業を依頼するか否かを問い合わせるメッセージを表示させる。なお、制御部21は、
図10に示すように、電気設備E8の近くに点検員A2が存在することを示すメッセージを表示させ、その後に
図11に示すメッセージを表示させてもよい。
【0106】
次にステップS6において、制御部21は、点検員A1から点検対象設備の作業を他の点検員に依頼する旨の回答を取得したか否かを判定する。例えば、
図11に示す点検作業ページにおいて点検員A1が前記メッセージに対して「はい(点検依頼する)」のボタンを押下すると、制御部21は、点検員A1から電気設備E8の作業を点検員A2に依頼する旨の回答を取得したと判定して(S6:Yes)、処理をステップS7に移行させる。
【0107】
一方、
図11に示す点検作業ページにおいて点検員A1が前記メッセージに対して「いいえ(点検依頼しない)」のボタンを押下すると、制御部21は、点検員A1から電気設備E8の作業を点検員A2に依頼しない旨の回答を取得したと判定して(S6:No)、処理をステップS3に移行させる。この場合、点検員A1は、電気設備E8について自身で点検作業を実施する(S3)。
【0108】
ステップS7では、制御部21は、依頼相手の点検員に点検依頼を通知する。例えば
図12に示すように、制御部21は、点検員A2の点検員端末5の点検作業ページに、点検員A1から電気設備E8の点検依頼がされたことを示すメッセージを表示させる。また、制御部21は、点検作業ページに、点検員A1からの依頼を受諾するか否かを問い合わせるメッセージを表示させる。
【0109】
次にステップS8において、制御部21は、依頼相手の点検員が点検依頼を受諾したか否かを判定する。例えば
図12に示す点検作業ページにおいて点検員A2が前記メッセージに対して「依頼を受ける」のボタンを押下すると、制御部21は、点検員A2が電気設備E8の点検依頼を受諾したと判定して(S8:Yes)、処理をステップS9に移行させる。
【0110】
一方、例えば
図12に示す点検作業ページにおいて点検員A2が前記メッセージに対して「依頼を断る」のボタンを押下すると、制御部21は、点検員A2が電気設備E8の点検依頼を拒否したと判定して(S8:No)、処理をステップS81に移行させる。ステップS81では、制御部21は、点検員A2が電気設備E8の点検依頼を拒否したことを示すメッセージを点検員A1に通知し、その後処理をステップS3に移行させる。点検員A2が電気設備E8の点検依頼を断った場合には、点検員A1は電気設備E8について自身で点検作業を実施する(S3)。
【0111】
他の実施形態として、制御部21は、前記メッセージを通知してから所定時間以内に点検員A2から回答を取得しない場合、前記メッセージを通知した後に点検員A2が電気設備E8の位置から所定範囲外に移動した場合、又は、点検員A2が電気設備E8の作業を受諾する前に点検員A1が電気設備E8の点検作業を実施した場合に、点検依頼をキャンセルして(S8:No)、処理をステップS81に移行させてもよい。
【0112】
ステップS9において、制御部21は、点検依頼の対象の点検対象設備について、点検作業を担当する点検員を変更する変更処理を実行する。ここでは、制御部21は、電気設備E8の点検員を点検員A1から点検員A2に変更する。具体的には、制御部21は、点検員A1に割り当てた点検対象設備から電気設備E8を削除し、点検員A2に割り当てた点検対象設備に電気設備E8を追加する。例えば、制御部21は、割当情報D4(
図6参照)において、電気設備E8の点検員を点検員A2に更新する。制御部21は、ステップS9の後、処理をステップS10に移行させる。
【0113】
ステップS10において、制御部21は、点検員A1が自身に割り当てられた全ての点検対象設備の点検作業が完了したか否かを判定する。制御部21は、点検員A1の点検作業が完了したと判定すると(S10:Yes)、前記作業支援処理を終了する。一方、制御部21は、点検員A1の点検作業が完了していないと判定すると(S10:No)、処理をステップS3に移行させる。点検員A1に割り当てられた点検対象設備の近くに他の点検員が存在しない場合には(S4:No)、点検員A1は、自身に割り当てられた電気設備E1~E10について順に点検作業を実施する(S10:No)。一方、電気設備E8の点検担当が点検員A2に変更された場合には(S9)、点検員A1は電気設備E8を除く電気設備E1~E7、E9、E10について順に点検作業を実施する(S10:No)。
【0114】
制御部21は、点検員A1が電気設備E1~E10の点検作業が完了すると電気設備E1~E10の点検結果を集計する。また、制御部21は、点検員A1がE1~E7、E9、E10の点検作業が完了し、点検員A2が電気設備E8の点灯作業を完了すると、電気設備E1~E10の点検結果を集計する。
【0115】
制御部21は、以上のようにして前記作業支援処理を実行する。制御部21は、点検員ごとに並行して前記作業支援処理を実行する。
【0116】
以上説明したように、本実施形態に係る作業管理システム1は、点検作業を担当する点検員ごとに点検対象設備を割り当て、点検員の位置情報を取得する。また、作業管理システム1は、第1点検員に割り当てられた第1点検対象設備の位置から所定範囲内に第2点検員が存在する場合に、第1点検対象設備を担当する点検員を第1点検員から第2点検員に変更する。
【0117】
上記構成によれば、例えば点検員A2が、点検員A1に割り当てられた点検対象設備の近くにいる場合に、当該点検対象設備の点検作業が点検員A2に変更される。これにより、施設B1内の点検対象設備の全体の作業効率が向上させることが可能となる。
【0118】
本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、本発明の作業対象は、施設内の設備に限定されず、また本発明の作業は、設備の点検作業に限定されない。例えば、本発明の作業対象は、宿泊施設内の客室であってもよいし、本発明の作業は、客室の清掃作業であってもよい。
【0119】
[発明の付記]
以下、実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0120】
<付記1>
作業を担当する作業者ごとに作業対象を割り当てる割当処理部と、
前記作業者の位置情報を取得する取得処理部と、
第1作業者に割り当てられた第1作業対象の位置から所定範囲内に第2作業者が存在する場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更可能な変更処理部と、
を備える作業支援システム。
【0121】
<付記2>
前記所定範囲内に前記第2作業者が存在する場合に、前記第1作業者に、前記第1作業対象の作業を前記第2作業者に依頼するか否かを問い合わせる通知処理部をさらに備え、
前記変更処理部は、前記第1作業者が前記第1作業対象の作業を前記第2作業者に依頼する旨の回答を取得した場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更する、
付記1に記載の作業支援システム。
【0122】
<付記3>
前記通知処理部は、前記第1作業者が前記第1作業対象の作業を前記第2作業者に依頼する旨の回答を取得した場合に、前記第2作業者に、前記第1作業対象の作業を受諾するか否かを問い合わせ、
前記変更処理部は、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を受諾した旨の回答を取得した場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更する、
付記2に記載の作業支援システム。
【0123】
<付記4>
前記第2作業者に前記第1作業対象の作業を受諾するか否かの問い合わせを通知した場合において、前記問い合わせを通知してから所定時間以内に前記第2作業者から回答を取得しない場合、前記問い合わせを通知した後に前記第2作業者が前記第1作業対象の位置から前記所定範囲外に移動した場合、又は、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を受諾する前に前記第1作業者が前記第1作業対象の作業を実施した場合に、前記第2作業者に対する前記第1作業対象の作業依頼をキャンセルする、
付記3に記載の作業支援システム。
【0124】
<付記5>
前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する判定処理部をさらに備え、
前記変更処理部は、前記判定処理部により前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であると判定された場合に、前記第1作業対象を担当する作業者を前記第1作業者から前記第2作業者に変更する、
付記1~4のいずれかに記載の作業支援システム。
【0125】
<付記6>
前記判定処理部は、前記第1作業対象の作業難易度、前記第2作業者の作業能力、前記第1作業者に割り当てられた作業対象の作業状況、及び、前記第2作業者に割り当てられた作業対象の作業状況の少なくともいずれかに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
付記5に記載の作業支援システム。
【0126】
<付記7>
前記判定処理部は、前記第1作業者に割り当てられた前記第1作業対象の現時点の未作業数と、前記第2作業者に割り当てられた第2作業対象の現時点の未作業数とに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
付記5又は6に記載の作業支援システム。
【0127】
<付記8>
前記判定処理部は、前記第1作業者の作業終了予想時刻と、前記第2作業者の作業終了予想時刻とに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
付記5~7のいずれかに記載の作業支援システム。
【0128】
<付記9>
前記判定処理部は、前記第1作業者から前記第1作業対象までの距離と、前記第2作業者から前記第1作業対象までの距離とに基づいて、前記第2作業者が前記第1作業対象の作業を担当することが可能であるか否かを判定する、
付記5~8のいずれかに記載の作業支援システム。
【符号の説明】
【0129】
1 :作業管理システム
2 :管理サーバー
3 :設備監視装置
4 :管理者端末
5 :点検員端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :通信I/F
211 :設備取得処理部
212 :割当処理部
213 :点検処理部
214 :位置取得処理部
215 :変更処理部
216 :通知処理部
217 :判定処理部
D1 :設備情報
D2 :設備場所情報
D3 :点検員情報
D4 :割当情報
D5 :作業情報