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特開2024-90225管路図作成支援装置、管路工事施工情報管理装置、管路図作成支援システム、管路図作成支援システム制御方法及び管路図作成支援システム制御用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090225
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】管路図作成支援装置、管路工事施工情報管理装置、管路図作成支援システム、管路図作成支援システム制御方法及び管路図作成支援システム制御用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/18 20200101AFI20240627BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240627BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20240627BHJP
   G06F 111/20 20200101ALN20240627BHJP
   G06F 113/14 20200101ALN20240627BHJP
【FI】
G06F30/18
G06Q50/08
G06F30/12
G06F111:20
G06F113:14
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205972
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】山下 彰
(72)【発明者】
【氏名】原田 和眞
(72)【発明者】
【氏名】辻 研吾
(72)【発明者】
【氏名】石田 洋輔
【テーマコード(参考)】
5B146
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B146AA01
5B146AA03
5B146CA01
5B146DE03
5B146DE12
5B146DG01
5B146DG06
5B146DG07
5B146DL02
5B146DL05
5B146DL08
5B146FA05
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】管路図の作成を支援する管路図作成支援装置において、作成済みの管路図に対して容易に管路図を繋げて作成可能な構成を実現する。
【解決手段】管路図作成支援装置1は、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する表示部11と、入力領域Sに対する入力操作によって、前記管路図を作成する管路図作成部12と、管路図作成部12によって作成された管路図を記憶する記憶部13と、を有する。管路図作成部12は、前記入力領域に対する入力操作によって、記憶部13に記憶された管路図において指定された被接続部分に繋げて管路図を作成するか、もしくは、前記被接続部分に対し、記憶部13に記憶された別の管路図または入力領域に対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路図の作成を支援する管路図作成支援装置であって、
前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する表示部と、
前記入力領域に対する入力操作によって、前記管路図を作成する管路図作成部と、
前記管路図作成部によって作成された管路図を記憶する記憶部と、
を有し、
前記管路図作成部は、
前記入力領域に対する入力操作によって、
前記記憶部に記憶された管路図において指定された被接続部分に繋げて管路図を作成するか、もしくは、前記被接続部分に対し、前記記憶部に記憶された別の管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成する、
管路図作成支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管路図作成支援装置において、
前記管路図作成部は、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された管路図における被接続部分を指定する、
管路図作成支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の管路図作成支援装置において、
前記記憶部は、前記管路図作成部によって作成された、複数の施工区間の配管の管路図を個別に記憶し、
前記管路図作成部は、
前記入力領域に対する入力操作によって前記複数の施工区間の配管の管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、前記入力領域に対する入力操作によって前記入力領域に作成された管路図の接続部分を接続して、前記新たな管路図を作成する、
管路図作成支援装置。
【請求項4】
請求項1に記載の管路図作成支援装置において、
前記表示部によって表示される前記入力領域としてのグリッド状の入力領域において、入力操作された領域を選択する領域選択部をさらに有し、
前記管路図作成部は、前記領域選択部によって選択された複数の領域に基づいて、前記新たな管路図を作成する、
管路図作成支援装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の管路図作成支援装置を有する管路工事施工情報管理装置であって、
管路工事の施工情報を取得する施工情報取得部と、
前記管路図作成支援装置によって作成された管路図における管路の位置に対し、前記施工情報取得部によって取得された施工情報を紐づける施工情報処理部と、
前記管路図を表示するとともに、前記管路図における前記管路の位置を指定することにより、前記位置に紐づけられた前記施工情報を表示する施工情報表示部と、
を有する、
管路工事施工情報管理装置。
【請求項6】
支援サーバと、前記支援サーバと通信可能な演算端末とを有し、管路図の作成を支援する管路図作成支援システムであって、
前記演算端末は、
前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する表示部と、
前記入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を作成する部分管路図作成部と、
前記部分管路図作成部によって作成された前記部分管路図に関する部分管路図情報を、前記支援サーバに出力する端末出力部と、
を有し、
前記支援サーバは、
前記部分管路図情報を前記演算端末から取得する部分管路図情報取得部と、
前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報を記憶する記憶部と、
前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報及び前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する全体管路図作成部と、
を有し、
前記部分管路図作成部が、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成するか、もしくは、前記全体管路図作成部が、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に対し、前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、前記全体管路図を作成する、
管路図作成支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の管路図作成支援システムにおいて、
前記部分管路図作成部は、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定する、
管路図作成支援システム。
【請求項8】
請求項6に記載の管路図作成支援システムにおいて、
前記記憶部は、前記部分管路図作成部によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を個別に記憶し、
前記全体管路図作成部は、前記複数の施工区間の配管の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図または前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図のうち接続対象の部分管路図の接続部分を接続して、前記全体管路図を作成する、
管路図作成支援システム。
【請求項9】
請求項6に記載の管路図作成支援システムにおいて、
前記表示部は、前記入力領域として、グリッド状の入力領域を表示し、
前記演算端末は、前記入力領域に対して入力操作された領域を選択する領域選択部をさらに有し、
前記部分管路図作成部は、前記領域選択部によって選択された複数の領域に基づいて、前記部分管路図を作成する、
管路図作成支援システム。
【請求項10】
請求項6に記載の管路図作成支援システムにおいて、
前記支援サーバは、
前記全体管路図作成部で作成された全体管路図に関する全体管路図情報の少なくとも一部を、前記演算端末に出力する支援サーバ出力部をさらに有し、
前記演算端末は、
前記全体管路図情報の少なくとも一部を前記支援サーバから取得する全体管路図情報取得部をさらに有し、
前記演算端末の前記表示部は、前記全体管路図情報取得部によって取得された全体管路図情報の少なくとも一部を表示する、
管路図作成支援システム。
【請求項11】
支援サーバと、前記支援サーバと通信可能な演算端末とを有し、管路図の作成を支援する管路図作成支援システムを制御する方法であって、
前記演算端末の表示部に、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する入力領域表示ステップと、
前記演算端末が、前記演算端末の表示部に表示された前記入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を作成する部分管路図作成ステップと、
前記演算端末が、前記部分管路図作成ステップによって作成された前記部分管路図に関する部分管路図情報を、前記支援サーバに出力する部分管路図情報出力ステップと、
前記支援サーバが、前記部分管路図情報を前記演算端末から取得する部分管路図情報取得ステップと、
前記支援サーバが、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された前記部分管路図情報を記憶する記憶ステップと、
前記支援サーバが、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された部分管路図情報及び前記支援サーバに記憶された部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する全体管路図作成ステップと、
を有し、
前記部分管路図作成ステップにおいて、前記入力領域に対する入力操作によって、前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成するか、もしくは、前記全体管路図作成ステップにおいて、前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、前記全体管路図を作成する、
管路図作成支援システム制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の管路図作成支援システム制御方法において、
前記部分管路図作成ステップでは、前記入力領域に対する入力操作によって、前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定する、
管路図作成支援システム制御方法。
【請求項13】
請求項11に記載の管路図作成支援システム制御方法において、
前記記憶ステップでは、前記部分管路図作成ステップによって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を個別に記憶し、
前記全体管路図作成ステップでは、前記複数の施工区間の配管の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図または前記支援サーバに記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図のうち接続対象の部分管路図の接続部分を接続して、前記全体管路図を作成する、
管路図作成支援システム制御方法。
【請求項14】
請求項11に記載の管路図作成支援システム制御方法において、
前記入力領域表示ステップで表示される前記入力領域としてのグリッド状の入力領域において、入力操作された領域を選択する領域選択ステップをさらに有し、
前記部分管路図作成ステップは、前記領域選択ステップによって選択された複数の領域に基づいて、前記部分管路図を作成する、
管路図作成支援システム制御方法。
【請求項15】
支援サーバと、前記支援サーバと通信可能な演算端末とを有し、管路図の作成を支援する管路図作成支援システムを制御するための管路図作成支援システム制御用プログラムであって、
前記演算端末に、
前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示させ、
前記入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を作成させ、
前記作成させた前記部分管路図に関する部分管路図情報を、前記支援サーバに出力させ、
前記支援サーバに、
前記演算端末によって作成された部分管路図に関する部分管路図情報を取得させ、
前記取得させた部分管路図情報を記憶部に記憶させ、
前記取得させた部分管路図情報及び前記記憶部に記憶された部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成させ、
前記演算端末に、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成させるか、もしくは、前記支援サーバに、前記全体管路図を作成する際に、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に、前記取得させた部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続させて、前記全体管路図を作成させる、
管路図作成支援システム制御用プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の管路図作成支援システム制御用プログラムにおいて、
前記演算端末に、
前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定させる、
管路図作成支援システム制御用プログラム。
【請求項17】
請求項15に記載の管路図作成支援システム制御用プログラムにおいて、
前記支援サーバに、
前記演算端末によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を記憶部に個別に記憶させ、
前記支援サーバに、前記全体管路図を作成させる際に、前記被接続部分に、前記取得させた前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続させて、前記全体管路図を作成させる、
管路図作成支援システム制御用プログラム。
【請求項18】
請求項15に記載の管路図作成支援システム制御用プログラムにおいて、
前記演算端末に、
表示部にグリッド状の入力領域を表示させ、
前記入力領域に対して入力操作された領域を選択させ、
前記選択された複数の領域に基づいて、前記部分管路図を作成させる、
管路図作成支援システム制御用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路図の作成を支援する管路図作成支援装置、管路工事施工情報管理装置、管路図作成支援システム、管路図作成支援システム制御方法及び管路図作成支援システム制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、管路工事では、管路図に基づいて工事が行われるとともに、現場の工事状況に応じて前記管路図を修正または新たな管路図を作成する場合がある。このような管路図を作成するための管路図作成装置が知られている。例えば特許文献1には、二つの管の接合部の位置を示す位置情報と当該接合部で接合された被接合管の管情報とを含み、管の接合部毎に取得された施工管理情報を格納する施工管理情報格納部と、前記施工管理情報格納部から読み出した前記位置情報に対応する管路図レイヤ上の位置に接合点シンボルを描画する接合点描画処理部と、前記接合点描画処理部で前記管路図レイヤに描画された接合点シンボル間を、前記施工管理情報格納部から読み出した前記管情報に対応した線状の管路シンボルで接続する管路描画処理部と、を備えている管路図作成装置が開示されている。
【0003】
前記管路図作成装置では、管路図レイヤ上の位置に接合点シンボルを描画した後、前記管路図レイヤに描画された接合点シンボル間を、管情報に対応した線状の管路シンボルで接続することにより、管路図を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-49921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1の管路図作成装置では、管路図レイヤ上の位置に接合点シンボルを描画するとともに、それらの接合点シンボル間を管路シンボルで接続する。そのため、前記管路図作成装置では、管路図を作成する際には、接合点シンボルを管路図レイヤ上に描画した後に管路シンボルを選択する作業を繰り返すことにより、管路を延ばす必要がある。
【0006】
ところで、実際の管路工事では、管を連続して繋げる工事を行う場合だけでなく、不連続な複数の管路を別々に工事した後に、それらの管路を繋げる工事を行ったり、管路工事を一旦中断した後に、完成した管路に繋げるように新たな管路を工事したりする場合もある。
【0007】
上述のような場合には、管路図を作成する際に、複数の管路図を容易に接続したり、作成済みの管路図に繋げて新たな管路図を容易に作成したりできることが求められる。すなわち、作成済みの管路図に対して容易に管路図を繋げて作成できるように、管路図の作成を支援する装置が求められている。
【0008】
本発明の目的は、管路図の作成を支援する管路図作成支援装置において、作成済みの管路図に対して容易に管路図を繋げて作成可能な構成を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る管路図作成支援装置は、管路図の作成を支援する装置である。前記管路図作成支援装置は、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する表示部と、前記入力領域に対する入力操作によって、前記管路図を作成する管路図作成部と、前記管路図作成部によって作成された管路図を記憶する記憶部と、を有する。前記管路図作成部は、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された管路図において指定された被接続部分に繋げて管路図を作成するか、もしくは、前記被接続部分に対し、前記記憶部に記憶された別の管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成する(第1の構成)。
【0010】
上述の構成により、入力領域に対する入力操作によって、記憶部に記憶された管路図において指定された被接続部分に繋げて管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、前記記憶部に記憶された別の管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成したりすることができる。
【0011】
よって、作成されて前記記憶部に記憶された管路図の被接続部分に繋がる管路図を容易に作成することができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、管路図を容易に作成することができる。
【0012】
前記第1の構成において、前記管路図作成部は、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された管路図における被接続部分を指定する(第2構成)。
【0013】
これにより、記憶部に記憶されている管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、管路図同士の接続を容易に行ったり、作成された管路図に繋げて管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、管路図を容易に作成することができる。
【0014】
前記第1の構成において、前記記憶部は、前記管路図作成部によって作成された、複数の施工区間の配管の管路図を個別に記憶する。前記管路図作成部は、前記入力領域に対する入力操作によって前記複数の施工区間の配管の管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、前記入力領域に対する入力操作によって前記入力領域に作成された管路図の接続部分を接続して、前記新たな管路図を作成する(第3の構成)。
【0015】
これにより、不連続な複数の管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に繋げて、新たな管路図を作成することができる。よって、不連続で配管工事を行う場合でも、管路図を容易に作成することができる。
【0016】
前記第1の構成において、前記管路図作成支援装置は、前記表示部によって表示される前記入力領域としてのグリッド状の入力領域において、入力操作された領域を選択する領域選択部をさらに有する。前記管路図作成部は、前記領域選択部によって選択された複数の領域に基づいて、前記新たな管路図を作成する(第4の構成)。
【0017】
これにより、グリッド状の入力領域に対する入力操作によって、管路図を直感的に且つ容易に作成することができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係る管路工事施工情報管理装置は、前記第1から第4の構成のうちいずれか一つの構成を有する管路図作成支援装置を有する。前記管路工事施工情報管理装置は、管路工事の施工情報を取得する施工情報取得部と、前記管路図作成支援装置によって作成された管路図における管路の位置に対し、前記施工情報取得部によって取得された施工情報を紐づける施工情報処理部と、を有する(第5の構成)。
【0019】
これにより、管路工事の施工情報を、管路図作成支援装置によって作成した管路図から容易に閲覧できる。よって、管路工事の作業効率を向上可能な管路工事施工情報管理装置が得られる。
【0020】
本発明の一実施形態に係る管路図作成支援システムは、支援サーバと、前記支援サーバと通信可能な演算端末とを有し、管路図の作成を支援する。前記演算端末は、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する表示部と、前記入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を作成する部分管路図作成部と、前記部分管路図作成部によって作成された前記部分管路図に関する部分管路図情報を、前記支援サーバに出力する端末出力部と、を有する。前記支援サーバは、前記部分管路図情報を前記演算端末から取得する部分管路図情報取得部と、前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報を記憶する記憶部と、前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報及び前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する全体管路図作成部と、を有する。前記部分管路図作成部が、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成するか、もしくは、前記全体管路図作成部が、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に対し、前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、前記全体管路図を作成する(第6の構成)。
【0021】
これにより、入力領域に対する入力操作によって、記憶部に記憶された部分管路図において指定された被接続部分に繋げて全体管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、前記記憶部に記憶された別の部分管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、全体管路図を作成したりすることができる。
【0022】
そして、前記部分管路図を用いて、支援サーバによって全体管路図を作成することができる。これにより、演算負荷が大きい全体管路図の作成を、支援サーバによって行うことができる。
【0023】
よって、上述の構成により、携帯端末などの小型の演算端末を用いて、全体管路図の作成を容易に行うことができる。したがって、管路工事の現場で、全体管路図の作成が可能になる。
【0024】
前記第6の構成において、前記部分管路図作成部は、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定する(第7の構成)。
【0025】
これにより、支援サーバの記憶部に記憶された部分管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、部分管路図同士の接続を容易に行ったり、前記記憶部に記憶された部分管路図に繋がるように全体管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、全体管路図を容易に作成することができる。
【0026】
前記第6の構成において、前記記憶部は、前記部分管路図作成部によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を個別に記憶する。前記全体管路図作成部は、前記複数の施工区間の配管の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、前記部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図または前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図のうち接続対象の部分管路図の接続部分を接続して、前記全体管路図を作成する(第8の構成)。
【0027】
これにより、不連続な複数の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に繋げて、全体管路図を作成することができる。よって、不連続で配管工事を行う場合でも、全体管路図を容易に作成することができる。
【0028】
前記第6の構成において、前記表示部は、前記入力領域として、グリッド状の入力領域を表示する。前記演算端末は、前記入力領域に対して入力操作された領域を選択する領域選択部をさらに有する。前記部分管路図作成部は、前記領域選択部によって選択された複数の領域に基づいて、前記部分管路図を作成する(第9の構成)。
【0029】
これにより、グリッド状の入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を直感的に且つ容易に作成することができる。
【0030】
前記第6の構成において、前記支援サーバは、前記全体管路図作成部で作成された全体管路図に関する全体管路図情報の少なくとも一部を、前記演算端末に出力する支援サーバ出力部をさらに有する。前記演算端末は、前記全体管路図情報の少なくとも一部を前記支援サーバから取得する全体管路図情報取得部をさらに有する。前記演算端末の前記表示部は、前記全体管路図情報取得部によって取得された全体管路図情報の少なくとも一部を表示する(第10の構成)。
【0031】
これにより、支援サーバで作成された全体管路図の少なくとも一部を、演算端末の表示部に表示させることができる。よって、例えば、管路工事の現場でも、演算端末によって、前記全体管路図の少なくとも一部を容易に確認することができる。したがって、管路工事の作業効率を向上することができる。
【0032】
本発明の一実施形態に係る管路図作成支援システム制御方法は、支援サーバと、前記支援サーバと通信可能な演算端末とを有し、管路図の作成を支援する管路図作成支援システムを制御する方法である。前記管路図作成支援システム制御方法は、前記演算端末の表示部に、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する入力領域表示ステップと、前記演算端末が、前記演算端末の表示部に表示された前記入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を作成する部分管路図作成ステップと、前記演算端末が、前記部分管路図作成ステップによって作成された前記部分管路図に関する部分管路図情報を、前記支援サーバに出力する部分管路図情報出力ステップと、前記支援サーバが、前記部分管路図情報を前記演算端末から取得する部分管路図情報取得ステップと、前記支援サーバが、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された前記部分管路図情報を記憶する記憶ステップと、前記支援サーバが、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された部分管路図情報及び前記支援サーバに記憶された部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する全体管路図作成ステップと、を有する。前記部分管路図作成ステップにおいて、前記入力領域に対する入力操作によって、前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成するか、もしくは、前記全体管路図作成ステップにおいて、前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、前記全体管路図を作成する(第1の方法)。
【0033】
上述の方法により、入力領域に対する入力操作によって、支援サーバに記憶された部分管路図において指定された被接続部分に繋げて全体管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、前記支援サーバに記憶された別の部分管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、全体管路図を作成したりすることができる。
【0034】
そして、前記部分管路図を用いて、支援サーバによって全体管路図を作成することができる。これにより、演算負荷が大きい全体管路図の作成を、支援サーバによって行うことができる。
【0035】
よって、上述の方法により、携帯端末などの小型の演算端末を用いて、全体管路図の作成を容易に行うことができる。したがって、管路工事の現場で、全体管路図の作成が可能になる。
【0036】
前記第1の方法において、前記部分管路図作成ステップでは、前記入力領域に対する入力操作によって、前記支援サーバに記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定する(第2の方法)。
【0037】
これにより、支援サーバに記憶された部分管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、部分管路図同士の接続を容易に行ったり、前記支援サーバに記憶された部分管路図に繋がるように全体管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、全体管路図を容易に作成することができる。
【0038】
前記第1の方法において、前記記憶ステップでは、前記部分管路図作成ステップによって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を個別に記憶する。前記全体管路図作成ステップでは、前記複数の施工区間の配管の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、前記部分管路図情報取得ステップによって取得された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図または前記支援サーバに記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図のうち接続対象の部分管路図の接続部分を接続して、前記全体管路図を作成する(第3の方法)。
【0039】
これにより、不連続な複数の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に繋げて、全体管路図を作成することができる。よって、不連続で配管工事を行う場合でも、全体管路図を容易に作成することができる。
【0040】
前記第1の方法において、管路図作成支援システム制御方法は、前記入力領域表示ステップで表示される前記入力領域としてのグリッド状の入力領域において、入力操作された領域を選択する領域選択ステップをさらに有する。前記部分管路図作成ステップは、前記領域選択ステップによって選択された複数の領域に基づいて、前記部分管路図を作成する(第4の方法)
【0041】
これにより、グリッド状の入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を直感的に且つ容易に作成することができる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る管路図作成支援システム制御用プログラムは、支援サーバと、前記支援サーバと通信可能な演算端末とを有し、管路図の作成を支援する管路図作成支援システムを制御するためのプログラムである。前記管路図作成支援システム制御用プログラムは、前記演算端末に、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示させ、前記入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を作成させ、前記作成させた前記部分管路図に関する部分管路図情報を、前記支援サーバに出力させる。前記支援サーバに、前記演算端末によって作成された部分管路図に関する部分管路図情報を取得させ、前記取得させた部分管路図情報を記憶部に記憶させ、前記取得させた部分管路図情報及び前記記憶部に記憶された部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成させ、前記演算端末に、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成させるか、もしくは、前記支援サーバに、前記全体管路図を作成する際に、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に、前記取得させた部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続させて、前記全体管路図を作成させる(第1のプログラム)。
【0043】
上述の構成により、入力領域に対する入力操作によって、記憶部に記憶された部分管路図において指定された被接続部分に繋げて全体管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、前記記憶部に記憶された別の部分管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、全体管路図を作成したりすることができる。
【0044】
そして、前記部分管路図を用いて、支援サーバによって全体管路図を作成することができる。これにより、演算負荷が大きい全体管路図の作成を、支援サーバによって行うことができる。
【0045】
よって、上述の方法により、携帯端末などの小型の演算端末を用いて、全体管路図の作成を容易に行うことができる。したがって、管路工事の現場で、全体管路図の作成が可能になる。
【0046】
前記第1のプログラムにおいて、前記演算端末に、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定させる(第2のプログラム)。
【0047】
これにより、支援サーバの記憶部に記憶された部分管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、部分管路図同士の接続を容易に行ったり、前記記憶部に記憶された部分管路図に繋がるように全体管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、全体管路図を容易に作成することができる。
【0048】
前記第1のプログラムにおいて、前記支援サーバに、前記演算端末によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を記憶部に個別に記憶させる。前記支援サーバに、前記全体管路図を作成させる際に、前記被接続部分に、前記取得させた前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または前記記憶部に記憶された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続させて、前記全体管路図を作成させる(第3のプログラム)。
【0049】
これにより、不連続な複数の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に繋げて、全体管路図を作成することができる。よって、不連続で配管工事を行う場合でも、全体管路図を容易に作成することができる。
【0050】
前記第1のプログラムにおいて、前記演算端末に、表示部にグリッド状の入力領域を表示させ、前記入力領域に対して入力操作された領域を選択させ、前記選択された複数の領域に基づいて、前記部分管路図を作成させる(第4のプログラム)。
【0051】
これにより、グリッド状の入力領域に対する入力操作によって、部分管路図を直感的に且つ容易に作成することができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明の一実施形態に係る管路図作成支援装置は、管路図の作成を支援する。前記管路図作成支援装置は、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域を表示する表示部と、前記入力領域に対する入力操作によって、前記管路図を作成する管路図作成部と、前記管路図作成部によって作成された管路図を記憶する記憶部と、を有する。前記管路図作成部は、前記入力領域に対する入力操作によって、前記記憶部に記憶された管路図において指定された被接続部分に繋げて管路図を作成するか、もしくは、前記被接続部分に対し、前記記憶部に記憶された別の管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成する。
【0053】
これにより、作成されて前記記憶部に記憶された管路図の被接続部分に繋がる管路図を容易に作成することができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、管路図を容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る管路図作成支援装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、管路図作成部によって作成された管路図の一例を示す図である。
図3図3は、管路図作成部によって、記憶部に記憶されている管路図の被接続部分に、図2に示す管路図を接続して得られる管路図の一例を示す図である。
図4図4は、管路図作成部によって、記憶部に記憶されている2つの施工区間の配管の管路図に対して、図2に示す管路図を接続して得られる管路図の一例を示す図である。
図5図5は、変形例に係る管路図作成支援装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図6図6は、グリッド状の入力領域を構成する複数の領域が領域選択部によって選択されている様子の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態1の管路図作成支援装置を有する管路工事施工情報管理装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図8図8は、施工情報処理部によって管路図に施工情報を紐づける表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、管路図の作成を支援する管路図作成支援システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
図10図10は、管路図作成支援システムによって行われる管路図作成支援システム制御方法を示すフロー図である。
図11図11は、変形例に係る管路図作成支援システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
図12図12は、変形例に係る管路図作成支援システムによって行われる管路図作成支援システム制御方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0056】
[実施形態1]
(管路図作成支援装置)
図1は、本発明の実施形態1に係る管路図作成支援装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。管路図作成支援装置1は、水道管の管路を示す管路図の作成を支援する。管路図作成支援装置1は、作成した管路図に繋げて管路図を作成したり、前記作成した管路図に別の管路図を接続して新たな管路図を作成したりすることができる。
【0057】
管路図作成支援装置1は、表示部11と、管路図作成部12と、記憶部13とを有する。管路図作成支援装置1は、例えば、コンピュータなどの演算処理装置によって実現されてもよいし、演算処理可能な携帯端末によって実現されてもよい。
【0058】
表示部11は、入力操作が可能な入力領域Sを表示する。表示部11は、例えば、画像を表示するディスプレイなどによって構成される。表示部11は、直接入力が可能なタッチパネルディスプレイであってもよいし、図示しない入力操作部を入力操作した結果を表示可能なディスプレイであってもよい。管路図作成支援装置1が携帯端末によって構成される場合には、表示部11は、前記携帯端末の表示画面である。
【0059】
表示部11は、後述するように管路図作成部12によって作成された管路図を表示する。表示部11は、入力領域Sに前記管路図を表示してもよいし、図示しない管路図表示領域に管路図を表示してもよい。表示部11は、入力領域S及び管路図表示領域以外の画像を表示してもよい。
【0060】
なお、表示部11に表示される入力領域S及び前記管路図を含む画像は、図示しない表示制御部によって表示を制御されている。
【0061】
管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、管情報を用いて、表示部11に表示される管路図を作成する。管路図作成部12は、例えば、入力領域Sにおいて選択された管を繋ぐ入力操作が行われることにより、入力領域Sに前記管路図を作成する。図2は、管路図作成部12によって作成され且つ表示部11の入力領域Sに表示される管路図の一例を示す図である。なお、管路図作成部12は、入力領域S以外の領域に、管路図を作成してもよい。例えば、管路図作成部12は、図示しない管路図表示領域に管路図を作成してもよい。
【0062】
前記管情報は、例えば、管の型式、呼び径などである。すなわち、前記管情報には、管の種類、継手の形式、内面塗装の有無、管のサイズなどの情報が含まれる。
【0063】
なお、管路図作成部12で管路図を作成する際に用いる管情報は、管路図作成支援装置1で予め設定されている情報であってもよいし、管路図作成部12によって管路図を作成する際に、テーブル等から選択されてもよい。
【0064】
記憶部13は、管路図作成部12によって作成された管路図に関する管路図情報を記憶する。前記管路図情報は、後述する前記管路図の被接続部分に関する情報も含む。記憶部13は、例えば、ハードディスク装置、メモリなどの記憶装置または記憶媒体によって構成されている。
【0065】
管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、管路図において指定された被接続部分に別の管路図を接続可能である。すなわち、管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部13に記憶された管路図において指定された前記被接続部分に繋げて管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、記憶部13に記憶された別の管路図または入力領域Sに対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成したりすることができる。
【0066】
前記被接続部分は、入力領域Sに対する入力操作によって、管路図作成部12が被接続対象の管路図に対して指定する。図2に示す符号Vは、入力領域Sに対する入力操作によって指定された管路図の被接続部分の一例を示す。すなわち、図2に示す例では、図2に示す管路図を、符号Vで示す管番号(図2における管No.)及び継手番号(図2における継手No.)に接続する。なお、前記被接続部分に関する情報は、上述のとおり前記管路図情報に含まれるため、記憶部13に記憶される。
【0067】
図3は、管路図作成部12によって、記憶部13に記憶されている管路図の被接続部分に、図2に示す管路図を接続して得られる管路図の一例を示す図である。図3における管番号(管No.)及び継手番号(継手No.)は、図2に符号Vで示す管番号及び継手番号と同じである。図3において、図2に示す管路図は、鎖線で囲んだ部分である。
【0068】
図3に示すように、管路図作成部12によって、記憶部13に記憶されている管路図の被接続部分(管No.〇○○、継手No.△△△)に、図2に示す管路図の接続部分が接続される。図3に示す例では、記憶部13に記憶されている管路図の被接続部分に、図2に示す管路図の左端部が接続されている。これに限らず、図2に示す管路図において前記被接続部分に接続される箇所は、入力領域Sに対する入力操作によって指定されてもよい。
【0069】
なお、前記被接続部分は、上述のように管番号及び継手番号の入力によって指定されてもよいし、入力領域Sに前記被接続部分を再描画することによって指定されてもよいし、入力領域Sに描画された画像を選択することによって指定されてもよい。前記被接続部分の指定は、入力領域Sに対する入力操作によって行われてもよいし、表示部11に表示される他の領域に対する入力操作によって行われてもよい。前記被接続部分は、入力操作による指定に限らず、記憶部13に記憶されている管路図の端部などのように前記管路図の位置によって決められてもいいし、施工計画に関する情報などの他の情報に基づいて決定されてもよい。
【0070】
管路図作成部12は、記憶部13に記憶されている複数の施工区間の配管の管路図の被接続部分に対して、図2に示す管路図を接続してもよい。図4は、管路図作成部12によって、記憶部13に記憶されている2つの施工区間の配管の管路図に対して、図2に示す管路図(図4において破線で示す部分)の接続部分を接続して得られる管路図の一例を示す図である。図4に示す例では、管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部13に記憶されている2つの施工区間の配管の管路図における被接続部分(管No.〇〇〇、継手No.△△△、管No.XXX、継手No.YYY)を指定する。具体的には、管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、前記2つの管路図のうち一方の管路図の被接続部分を管No.〇〇〇、継手No.△△△として指定し、前記2つの管路図のうち他方の管路図の被接続部分を管No.XXX、継手No.YYYとして指定する。
【0071】
なお、本実施形態において、前記施工区間は、管路工事において所定期間内で工事作業が行われ且つその範囲で連続した管路図が形成された区間である。
【0072】
管路図作成部12は、図4に示すように、図2に示す管路図の接続部分を、指定した2つの管路図の被接続部分にそれぞれ接続する。なお、図2に示す管路図の接続部分は、被接続部分の指定と同様、入力領域Sに対する入力操作によって指定されてもよいし、図2に示す管路図の端部が自動的に指定されてもよい。
【0073】
上述のように、管路図作成部12が、記憶部13に記憶されている複数の施工区間の配管の管路図における被接続部分に対して、別の管路図を接続可能であるため、前記複数の管路図を、別のタイミングで作成したり、別の装置における入力操作によって作成したりできる。よって、並列で複数の管路工事が行われている場合、及び、別の作業者が管路図を作成している場合などでも、複数の管路図を接続して、一つの管路図を容易に作成することができる。
【0074】
特に図示しないが、管路図作成部12は、上述のように、複数の管路図同士を接続する場合に限らず、記憶部13に記憶されている管路図の被接続部分に繋げて管路図を作成してもよい。この場合、管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって管路図を作成する前に、記憶部13に記憶されている管路図における被接続部分を指定する必要がある。
【0075】
以上より、本実施形態では、管路図の作成を支援する管路図作成支援装置1は、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域Sを表示する表示部11と、入力領域Sに対する入力操作によって、前記管路図を作成する管路図作成部12と、管路図作成部12によって作成された管路図を記憶する記憶部13と、を有する。管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部13に記憶された管路図において指定された被接続部分に繋げて管路図を作成するか、もしくは、前記被接続部分に対し、記憶部13に記憶された別の管路図または入力領域Sに対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成する。
【0076】
上述の構成により、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部13に記憶された管路図において指定された被接続部分に繋げて管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、記憶部13に記憶された別の管路図または入力領域Sに対する入力操作によって作成された別の管路図のうち接続対象の管路図を接続して、新たな管路図を作成したりすることができる。
【0077】
よって、作成されて記憶部13に記憶された管路図の被接続部分に繋がる管路図を容易に作成することができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、管路図を容易に作成することができる。
【0078】
また、本実施形態では、管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部13に記憶された管路図における被接続部分を指定する。
【0079】
これにより、記憶部13に記憶されている管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、管路図同士の接続を容易に行ったり、作成された管路図に繋げて管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、管路図を容易に作成することができる。
【0080】
また、本実施形態では、記憶部13は、管路図作成部12によって作成された、複数の施工区間の配管の管路図を個別に記憶する。管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって前記複数の施工区間の配管の管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、入力領域Sに対する入力操作によって入力領域Sに作成された管路図の接続部分を接続して、管路図を作成する。
【0081】
これにより、不連続な複数の管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に繋げて、新たな管路図を作成することができる。よって、不連続で配管工事を行う場合でも、管路図を容易に作成することができる。
【0082】
(変形例)
前記実施形態では、管路図作成部12は、入力領域Sに対する入力操作によって、管路図を作成する。しかしながら、管路図は、グリッド状の入力領域に対する入力操作によって、作成されてもよい。以下で、このような変形例について説明する。なお、以下の説明において、実施形態1の管路図作成支援装置1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
図5は、実施形態1の変形例に係る管路図作成支援装置100の概略構成を示す機能ブロック図である。管路図作成支援装置100は、水道管の管路を示す管路図を、グリッド状の入力領域Rに対する入力操作によって、容易に作成することができる。管路図作成支援装置100は、前記管路図を直感的に且つ容易に作成可能なように、作業者による前記管路図の作成を支援する。
【0084】
管路図作成支援装置100は、表示部11と、領域選択部114と、管路図作成部112と、記憶部13とを有する。管路図作成支援装置100は、例えば、コンピュータなどの演算処理装置によって実現されてもよいし、演算処理可能な携帯端末によって実現されてもよい。
【0085】
表示部11の構成は、入力操作が可能なグリッド状の入力領域Rを表示する点以外、実施形態1の表示部11の構成と同じである。
【0086】
領域選択部114は、表示部11に表示される入力領域Rに対する入力操作によって、グリッド状の入力領域R内の領域rを選択する。詳しくは、領域選択部114は、前記入力操作によって、グリッド状の入力領域Rを構成する複数の矩形状の領域rのうち少なくとも一つを選択可能である。前記入力操作は、表示部11に対する直接入力であってもよいし、図示しない入力操作部による入力であってもよい。
【0087】
図6は、グリッド状の入力領域Rを構成する複数の領域rが領域選択部114によって選択されている様子の一例を示す図である。領域選択部114は、入力領域Rにおいて、選択されている領域rに隣接している領域rのみを選択可能に構成されている。領域選択部114は、入力領域Rにおいて新しい領域rが選択されると、それよりも前に選択された領域rを選択済みの領域r2として保持するように構成されている。なお、表示部11では、例えば、選択中の領域r1と選択済みの領域r2とが区別可能なように異なる色で表示される。図6に示す例では、選択中の領域r1を白塗りで示し、選択済みの領域r2にハッチングを付している。
【0088】
領域選択部114は、表示部11によって表示される入力領域Rにおいて、選択中の領域r1に対して次に選択可能な領域rを枠線で囲んだりハイライト表示したりしてもよい。例えば、図6では、選択中の領域r1に対して次に選択可能な領域rを破線で示す枠線で囲んでいる。領域選択部114は、選択中の領域r1に対して次に選択可能な領域rとして、他の選択済みの領域r2と隣接していない領域rを設定してもよい。
【0089】
領域選択部114は、選択済みの領域r2に隣接している領域rも選択可能な領域として設定してもよい。これにより、入力領域Rにおいて、分岐管を描画するための領域も入力することができる。
【0090】
なお、前記隣接している領域とは、入力領域Rを構成する複数の領域rが多角形状の場合に、ある領域に対して辺同士で接する領域を意味する。入力領域Rを構成する複数の領域rが円形状の場合には、ある領域rに対して接する領域を意味する。
【0091】
管路図作成部112は、入力領域Rにおいて隣接している選択済みの複数の領域r2に基づいて、管路図を作成する。具体的には、管路図作成部112は、選択済みの複数の領域r2に紐づけられた管情報と、選択済みの複数の領域r2の位置関係とに基づいて、管路図を作成する。
【0092】
管路図作成部112は、例えば、選択済みの複数の領域r2が、辺同士で接した状態で一方向に並んでいる場合には、直管の図を作成する。この場合、最初に選択した領域r2における管の属性データを用いて、選択済みの残りの領域r2に対応して同一の管種である直管の図を作成してもよい。これにより、選択した複数の領域r2ごとに管の属性を選択する手間を省略することができる。また、管路図作成部112は、例えば、選択済みの複数の領域r2が、角同士で接している部分では、曲管の図を作成する。管路図作成部112は、例えば、選択済みの複数の領域r2が複数の方向に分岐している部分では、分岐管の図を作成する。すなわち、管路図作成部112は、選択済みの複数の領域r2の位置関係に応じて、図を作成する管の種類等を変更する。
【0093】
なお、管路図作成部112で管路図を作成する際に用いる管情報は、管路図作成支援装置100で予め設定されている情報であってもよいし、領域選択部114によって入力領域Rの領域rを選択する際に、テーブル等から選択されてもよい。すなわち、前記管情報は、入力領域Rの領域rと紐づけられていれば、どのような方法によって領域rと紐づけられていてもよい。
【0094】
管路図作成部112の上述以外の構成は、実施形態1の管路図作成部12の構成と同様である。
【0095】
以上より、本実施形態では、管路図作成支援装置100は、表示部11によって表示される入力領域としてのグリッド状の入力領域Rにおいて、入力操作された領域を選択する領域選択部114をさらに有する。管路図作成部112は、領域選択部114によって選択された複数の領域rに基づいて、管路図を作成する。
【0096】
これにより、グリッド状の入力領域Rに対する入力操作によって選択された複数の領域rに基づいて、管路図を作成することができる。したがって、管路図を直感的に且つ容易に作成可能な管路図作成支援装置100が得られる。
【0097】
また、本実施形態では、管路図作成部112は、領域選択部114によって選択された隣り合う領域rの位置関係に応じて、管路図を作成するように構成されている。隣り合う領域とは、横並びに位置する領域だけでなく、斜め方向に並ぶ領域も含む。
【0098】
これにより、入力領域Rにおいて選択された隣り合う領域rの位置関係に応じて、直管だけでなく、曲がり管や分岐管などを含む様々な管路を、管路図として容易に作成することができる。よって、汎用性が高く且つ容易に管路図を作成可能な管路図作成支援装置100が得られる。
【0099】
また、本実施形態では、領域選択部114は、入力領域Rにおいて既に選択されている領域rと隣り合う領域rのみを選択可能に構成されている。
【0100】
これにより、グリッド状の入力領域Rに対して入力する際に、管路を構成するように入力操作を行うことができる。よって、管路図を直感的に且つ容易に作成できる。
【0101】
[実施形態2]
図7は、実施形態1の管路図作成支援装置1を有する管路工事施工情報管理装置200の概略構成を示す機能ブロック図である。管路図作成支援装置1の構成の説明は、省略する。なお、管路工事施工情報管理装置200は、実施形態1の変形例に係る管路図作成支援装置100を有していてもよい。
【0102】
管路工事施工情報管理装置200は、実施形態1の管路図作成支援装置1と、施工情報取得部201と、施工情報処理部202と、施工情報表示部203とを有する。
【0103】
施工情報取得部201は、管路工事の施工情報を、例えば、図示しない支援サーバ等から取得する。前記管路工事は、例えば水道管、ガス管などの配管に関する工事を含む。前記施工情報は、前記管路工事に用いられる管の種類やサイズなどの情報、前記管路工事に用いられるバルブなどの付属品に関する情報、前記管路工事における土工に関する情報、前記管路工事における配管工に関する情報、前記管路工事において撮影した写真に関する情報などを含む。
【0104】
施工情報処理部202は、施工情報取得部201によって取得した施工情報を、管路図作成支援装置1によって作成された管路図における管路の位置に紐づける。これにより、施工情報処理部202によって、前記管路図における管路の各位置に、対応する前記施工情報が紐づけられる。
【0105】
なお、施工情報処理部202は、例えば、継手の部分におけるゴム輪の位置の測定結果を、前記施工情報として、管路の継手に紐づける場合、手動による入力または測定装置からの自動入力によって、前記測定結果を取得する。施工情報処理部202は、前記測定結果を手動によって入力するか自動入力するかを選択可能に構成されていてもよい。
【0106】
施工情報表示部203は、管路図作成支援装置1によって作成された管路図を表示するとともに、前記管路図における管路の位置が選択された場合に、施工情報処理部202によって、前記管路図における管路の位置に紐づけられた施工情報も表示する。
【0107】
図8は、施工情報処理部202によって管路図に施工情報を紐づける表示画面の一例を示す図である。すなわち、図8は、施工情報表示部203によって表示される画面の一例である。
【0108】
図8に示すように、例えば、画面に表示された測定入力等のアイコンを操作することにより、管路図作成支援装置1によって作成された管路図の各管に対し、施工情報処理部202によって管路工事に関する施工情報を紐づけることができる。また、例えば、画面に表示されたチェックや写真等のアイコンを操作することにより、管路図作成支援装置1によって作成された管路図の各継手に対し、施工情報処理部202によってチェック結果や写真に関する情報を含む施工情報を紐づけることができる。
【0109】
また、図8に一例を示すように、管路のある位置における管理項目の測定結果などの施工情報Tを表示することができる。すなわち、施工情報表示部203は、表示画面上で管路の所定位置のアイコンが選択されると、前記所定位置に紐づけられた施工情報Tを表示してもよい。施工情報Tは、測定結果だけでなく、施工したかどうかのチェック内容、施工日時、担当者などの施工に関する情報を含んでいてもよい。なお、施工情報表示部203は、管路図及び施工情報の少なくとも一方とともに設計情報を表示してもよい。
【0110】
施工情報処理部202は、図8に示すように各管及び各継手に対して施工情報を紐づけるだけでなく、前記管路図において指定された位置に対して、対応する施工情報を紐づけてもよい。
【0111】
以上より、本実施形態の管路工事施工情報管理装置200は、管路図作成支援装置1と、管路工事の施工情報を取得する施工情報取得部201と、管路図作成支援装置1によって作成された管路図における管路の位置に対し、施工情報取得部201によって取得された施工情報を紐づける施工情報処理部202と、を有する。
【0112】
これにより、管路工事の施工情報を、管路図に紐づけて管理できる。また、前記施工情報を前記管路図から容易に閲覧できる。よって、管路工事の作業効率を向上できる。
【0113】
なお、管路工事施工情報管理装置200は、取得した施工情報を用いて所定のタイミングで総合判定を行い、その結果を施工情報表示部203に表示してもよい。すなわち、管路工事施工情報管理装置200は、前記総合判定として、取得した施工情報に含まれる管理項目の中に基準を満たしていない管理項目があるかどうかを判定してもよい。また、管路工事施工情報管理装置200は、総合判定の結果において基準を満たしていない管理項目がある場合、その管理項目を施工情報表示部203に表示して、修正を促すように構成されていてもよい。
【0114】
[実施形態3]
図9は、管路図の作成を支援する管路図作成支援システム1000の概略構成を示す機能ブロック図である。管路図作成支援システム1000は、演算端末1001と、支援サーバ1002とを有する。管路図作成支援システム1000では、演算端末1001に対する入力によって部分管路図が作成され、支援サーバ1002によって、前記部分管路図を用いて全体管路図が作成される。
【0115】
演算端末1001は、入力された情報を演算処理するとともに、支援サーバ1002との間で情報を送受信可能で且つ処理結果を表示可能な構成を有する。演算端末1001は、例えば、コンピュータ、携帯端末などによって構成されている。演算端末1001は、入力された情報を演算処理するとともに、支援サーバ1002との間で情報を送受信可能で且つ処理結果を表示可能な構成を有していれば、どのような構成を有する演算処理装置であってもよい。演算端末1001は、演算端末以外の表示部に表示データを出力可能に構成されていてもよい。
【0116】
演算端末1001は、表示部1011と、部分管路図作成部1012と、端末出力部1013と、全体管路図情報取得部1014とを有する。表示部1011は、実施形態1の管路図作成支援装置1の表示部11と同様の構成を有する。よって、表示部1011の詳しい説明を省略する。
【0117】
部分管路図作成部1012は、表示部1011に表示された入力領域Sに対する入力操作によって、部分管路図を作成する。部分管路図作成部1012は、部分管路図を作成する点以外は、実施形態1の管路図作成支援装置1の管路図作成部12と同様の構成を有する。
【0118】
前記部分管路図は、部分管路図作成部1012によって作成され、管路工事の管路図の一部を構成する。複数の前記部分管路図を繋げることにより、前記管路工事の管路図を作成することができる。
【0119】
端末出力部1013は、部分管路図作成部1012によって作成された部分管路図に関する情報である部分管路図情報を、支援サーバ1002に出力する。端末出力部1013は、例えば、支援サーバ1002と通信可能な通信装置を含む。
【0120】
全体管路図情報取得部1014は、支援サーバ1002の全体管路図作成部1022によって作成された全体管路図に関する情報の少なくとも一部を取得する。全体管路図情報取得部1014は、例えば、支援サーバ1002と通信可能な通信装置を含む。表示部1011は、全体管路図情報取得部1014によって取得された全体管路図情報の少なくとも一部を表示する。
【0121】
支援サーバ1002は、部分管路図情報取得部1021と、全体管路図作成部1022と、記憶部1023と、支援サーバ出力部1024とを有する。
【0122】
部分管路図情報取得部1021は、演算端末1001の端末出力部1013から出力された部分管路図に関する部分管路図情報を取得する。前記取得された部分管路図情報は、記憶部1023に記憶される。記憶部1023には、部分管路図作成部1012によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報が個別に記憶される。
【0123】
全体管路図作成部1022は、部分管路図情報取得部1021によって取得された部分管路図情報及び記憶部1023に記憶された部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する。詳しくは、全体管路図作成部1022は、記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に対し、部分管路図情報取得部1021によって取得された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、前記全体管路図を作成する。全体管路図作成部1022による部分管路図の接続は、実施形態1における管路図作成部12による管路図同士の接続と同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0124】
記憶部1023は、全体管路図作成部1022によって作成された前記全体管路図に関する全体管路図情報を記憶する。記憶部1023は、例えば、ハードディスク装置、メモリなどの記憶装置または記憶媒体によって構成されている。
【0125】
なお、記憶部1023に、部分管路図作成部1012によって作成された部分管路図に関する部分管路図情報が記憶されていてもよい。全体管路図作成部1022は、記憶部1023に記憶された部分管路図情報を用いて、全体管路図を作成してもよい。
【0126】
支援サーバ出力部1024は、全体管路図作成部1022によって作成された前記全体管路図に関する全体管路図情報の少なくとも一部を、演算端末1001に出力する。支援サーバ出力部1024は、例えば、演算端末1001と通信可能な通信装置を含む。
【0127】
演算端末1001の部分管路図作成部1012が、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成してもよい。これにより、全体管路図の一部を作成することができる。このように作成された前記部分管路図は、端末出力部1013から支援サーバ1002に出力されて、記憶部1023に記憶される。
【0128】
部分管路図作成部1012は、入力領域Rに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定する。前記被接続部分の指定に関する情報は、前記部分管路図情報の一部として、端末出力部1013から支援サーバ1002に出力されて、記憶部1023に記憶される。
【0129】
以上より、本実施形態の管路図作成支援システム1000は、支援サーバ1002と、支援サーバ1002と通信可能な演算端末1001とを有し、管路図の作成を支援するシステムである。演算端末1001は、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域Rを表示する表示部1011と、入力領域Rに対する入力操作によって、部分管路図を作成する部分管路図作成部1012と、部分管路図作成部1012によって作成された部分管路図に関する部分管路図情報を、支援サーバ1002に出力する端末出力部1013と、を有する。支援サーバ1002は、前記部分管路図情報を演算端末1001から取得する部分管路図情報取得部1021と、部分管路図情報取得部1021によって取得された部分管路図情報を記憶する記憶部1023と、部分管路図情報取得部1021によって取得された前記部分管路図情報及び記憶部1023に記憶された前記部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する全体管路図作成部1022と、を有する。部分管路図作成部1012が、入力領域Rに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成するか、もしくは、全体管路図作成部1022が、記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に対し、部分管路図情報取得部1021によって取得された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または記憶部1023に記憶された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、前記全体管路図を作成する。
【0130】
これにより、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された部分管路図において指定された被接続部分に繋げて全体管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、記憶部1023に記憶された別の部分管路図または入力領域Sに対する入力操作によって作成された別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、全体管路図を作成したりすることができる。
【0131】
そして、前記部分管路図を用いて、支援サーバ1002によって全体管路図を作成することができる。これにより、演算負荷が大きい全体管路図の作成を、支援サーバ1002によって行うことができる。
【0132】
よって、上述の構成により、携帯端末などの小型の演算端末1001を用いて、全体管路図の作成を容易に行うことができる。したがって、管路工事の現場で、全体管路図の作成が可能になる。
【0133】
また、本実施形態では、部分管路図作成部1012は、入力領域Rに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定する。
【0134】
これにより、支援サーバ1002の記憶部1023に記憶された部分管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、部分管路図同士の接続を容易に行ったり、記憶部1023に記憶された部分管路図に繋がるように全体管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、全体管路図を容易に作成することができる。
【0135】
また、本実施形態では、記憶部1023は、部分管路図作成部1012によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を個別に記憶する。全体管路図作成部1022は、前記複数の施工区間の配管の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、部分管路図情報取得部1021によって取得された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図または記憶部1023に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図のうち接続対象の部分管路図の接続部分を接続して、全体管路図を作成する。
【0136】
これにより、不連続な複数の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に繋げて、全体管路図を作成することができる。よって、不連続で配管工事を行う場合でも、全体管路図を容易に作成することができる。
【0137】
しかも、複数の演算端末1001によって複数の施工区間の配管の部分管路図を作成して、それらの部分管路図を、支援サーバ1002によって接続して全体管路図を作成することができる。これにより、管路工事において管路図作成の作業性を向上することができる。なお、複数の演算端末1001によって複数の施工区間の配管の部分管路図を作成する場合、全体管路図を作成する際に、複数の演算端末1001から支援サーバ1002に対して相反する指示が入力されないように、一方の演算端末1001から支援サーバ1002に対する情報の送信を制限したり、複数の演算端末1001から支援サーバ1002への情報送信に優先順位を付けたりしてもよい。
【0138】
また、本実施形態では、支援サーバ1002は、全体管路図作成部1022で作成された全体管路図に関する全体管路図情報の少なくとも一部を、演算端末1001に出力する支援サーバ出力部1024をさらに有する。演算端末1001は、前記全体管路図情報の少なくとも一部を支援サーバ1002から取得する全体管路図情報取得部1014をさらに有する。演算端末1001の表示部1011は、全体管路図情報取得部1014によって取得された全体管路図情報の少なくとも一部を表示する。
【0139】
これにより、支援サーバ1002で作成された全体管路図の少なくとも一部を、演算端末1001の表示部1011に表示させることができる。よって、例えば、管路工事の現場でも、演算端末1001によって、前記全体管路図の少なくとも一部を容易に確認することができる。したがって、管路工事の作業効率を向上することができる。
【0140】
(管路図作成支援システム制御方法)
図10は、上述の構成を有する管路図作成支援システム1000によって行われる管路図作成支援システム制御方法を示すフロー図である。以下で、管路図作成支援システム制御方法を、図10を用いて説明する。
【0141】
図10に示すように、本実施形態では、まず、フローがスタートすると(START)、管路図作成支援システム1000の演算端末1001は、表示部1011に入力領域Sを表示する(ステップSA1)。続いて、表示部1011に表示された入力領域Rに対する入力操作により、演算端末1001の部分管路図作成部1012は、部分管路図を作成する(ステップSA2)。作成された部分管路図に関する情報である部分管路図情報は、演算端末1001の端末出力部1013から、支援サーバ1002に出力される(ステップSA3)。
【0142】
支援サーバ1002では、部分管路図情報取得部1021が前記部分管路図情報を取得する(ステップSA4)。支援サーバ1002の記憶部1023が、部分管路図情報取得部によって取得された前記部分管路図情報を記憶する(ステップSA5)。
【0143】
その後、支援サーバ1002の全体管路図作成部1022は、部分管路図情報取得部1021によって取得された前記部分管路図情報及び記憶部1023に記憶された前記部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する(ステップSA6)。作成した前記全体管路図に関する情報である全体管路図情報は、支援サーバ1002の支援サーバ出力部1024から、演算端末1001に出力される(ステップSA7)。
【0144】
演算端末1001の全体管路図情報取得部1014は、支援サーバ出力部1024から出力された前記全体管路図情報を取得する(ステップSA8)。演算端末1001の表示部1011は、取得した前記全体管路図情報を表示する(ステップSA9)。その後、このフローを終了する(END)。
【0145】
ここで、ステップSA1が入力領域表示ステップに対応し、ステップSA2が部分管路図作成ステップに対応し、ステップSA3が部分管路図情報出力ステップに対応し、ステップSA4が部分管路図情報取得ステップに対応し、ステップSA5が記憶ステップに対応し、ステップSA6が全体管路図作成ステップに対応する。
【0146】
これにより、支援サーバ1002は、演算端末1001で作成された部分管路図を用いて、全体管路図を作成することができる。よって、演算端末1001の演算負荷を増大させることなく、支援サーバ1002で前記全体管路図を作成することができる。
【0147】
しかも、支援サーバ1002で作成された前記全体管路図を、演算端末1001で表示することができる。これにより、管路工事の現場でも、演算端末1001に前記全体管路図を容易に表示することができ、管路工事の作業効率を向上することができる。
【0148】
なお、部分管路図作成ステップSA2において、入力領域Sに対する入力操作によって、支援サーバ1002の記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成してもよい。
【0149】
以上より、本実施形態の管路図作成支援システム制御方法は、支援サーバ1002と、支援サーバ1002と通信可能な演算端末1001とを有し、管路図の作成を支援する管路図作成支援システム1000を制御する方法である。前記管路図作成支援システム制御方法は、演算端末1001の表示部1011に、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域Rを表示する入力領域表示ステップSA1と、演算端末1001が、演算端末1001の表示部1011に表示された入力領域Rに対する入力操作によって、部分管路図を作成する部分管路図作成ステップSA2と、演算端末1001が、部分管路図作成ステップSA2によって作成された前記部分管路図に関する部分管路図情報を、支援サーバ1002に出力する部分管路図情報出力ステップSA3と、支援サーバ1002が、前記部分管路図情報を演算端末1001から取得する部分管路図情報取得ステップSA4と、支援サーバ1002が、部分管路図情報取得ステップSA4によって取得された前記部分管路図情報を記憶する記憶ステップSA5と、支援サーバ1002が、部分管路図情報取得ステップSA4によって取得された部分管路図情報及び支援サーバ1002に記憶された部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成する全体管路図作成ステップSA6と、を有する。部分管路図作成ステップSA2において、入力領域Rに対する入力操作によって、支援サーバ1002に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成するか、もしくは、全体管路図作成ステップSA6において、支援サーバ1002に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に、部分管路図情報取得ステップSA4によって取得された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または支援サーバ1002に記憶された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、前記全体管路図を作成する。
【0150】
上述の方法により、入力領域Sに対する入力操作によって、支援サーバ1002に記憶された部分管路図において指定された被接続部分に繋げて全体管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、支援サーバ1002に記憶された別の部分管路図または入力領域Sに対する入力操作によって作成された別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、全体管路図を作成したりすることができる。
【0151】
そして、前記部分管路図を用いて、支援サーバ1002によって全体管路図を作成することができる。これにより、演算負荷が大きい全体管路図の作成を、支援サーバ1002によって行うことができる。
【0152】
よって、上述の方法により、携帯端末などの小型の演算端末1001を用いて、全体管路図の作成を容易に行うことができる。したがって、管路工事の現場で、全体管路図の作成が可能になる。
【0153】
また、本実施形態では、部分管路図作成ステップSA2では、入力領域Sに対する入力操作によって、支援サーバ1002に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定する。
【0154】
これにより、支援サーバ1002に記憶された部分管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、部分管路図同士の接続を容易に行ったり、支援サーバ1002に記憶された部分管路図に繋がるように全体管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、全体管路図を容易に作成することができる。
【0155】
また、本実施形態では、記憶ステップSA5では、部分管路図作成ステップSA2によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を個別に記憶する。全体管路図作成ステップSA6では、前記複数の施工区間の配管の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に、部分管路図情報取得ステップSA4によって取得された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図または支援サーバ1002に記憶された前記部分管路図情報に含まれる部分管路図のうち接続対象の部分管路図の接続部分を接続して、全体管路図を作成する。
【0156】
これにより、不連続な複数の部分管路図においてそれぞれ指定された被接続部分に繋げて、全体管路図を作成することができる。よって、不連続で配管工事を行う場合でも、全体管路図を容易に作成することができる。
【0157】
(管路図作成支援システム制御用プログラム)
本実施形態におけるプログラム(管路図作成支援システム制御用プログラム)は、管路図作成支援システム1000を構成する演算端末1001及び支援サーバ1002に、図10に示すステップSA1からSA6を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムを演算端末1001及び支援サーバ1002によって実行することにより、本実施形態における管路図作成支援システム1000と管路図作成支援システム制御方法とを実現することができる。この場合、演算端末1001及び支援サーバ1002は、汎用のコンピュータまたは専用のコンピュータであってもよい。コンピュータは、例えばCPUを搭載し、該CPU(Central Processing Unit)によって演算処理を行う。
【0158】
本実施形態に係る管路図作成支援システム制御用プログラムは、支援サーバ1002と、支援サーバ1002と通信可能な演算端末1001とを有し、管路図の作成を支援する管路図作成支援システム1000を制御するためのプログラムである。前記管路図作成支援システム制御用プログラムは、演算端末1001に、前記管路図を作成する際に入力操作を行う入力領域Sを表示させ、入力領域Sに対する入力操作によって、部分管路図を作成させ、前記作成させた前記部分管路図に関する部分管路図情報を、支援サーバ1002に出力させる。支援サーバ1002に、演算端末1001によって作成された部分管路図に関する部分管路図情報を取得させ、前記取得させた部分管路図情報を記憶部1023に記憶させ、前記取得させた部分管路図情報及び記憶部1023に記憶された部分管路図情報の少なくとも一部を用いて、全体管路図を作成させ、演算端末1001に、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に繋げるように部分管路図を作成させるか、もしくは、支援サーバ1002に、前記全体管路図を作成する際に、記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図において指定された被接続部分に、部分管路図情報取得部1021に取得させた部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続させる。
【0159】
上述の構成により、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された部分管路図において指定された被接続部分に繋げて全体管路図を作成したり、前記被接続部分に対し、記憶部1023に記憶された別の部分管路図または前記入力領域に対する入力操作によって作成された別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続して、全体管路図を作成したりすることができる。
【0160】
そして、前記部分管路図を用いて、支援サーバ1002によって全体管路図を作成することができる。これにより、演算負荷が大きい全体管路図の作成を、支援サーバ1002によって行うことができる。
【0161】
よって、上述の方法により、携帯端末などの小型の演算端末1001を用いて、全体管路図の作成を容易に行うことができる。したがって、管路工事の現場で、全体管路図の作成が可能になる。
【0162】
また、本実施形態では、管路図作成支援システム制御用プログラムは、演算端末1001に、入力領域Sに対する入力操作によって、記憶部1023に記憶された部分管路図情報に含まれる部分管路図における前記被接続部分を指定させる。
【0163】
これにより、支援サーバ1002の記憶部1023に記憶された部分管路図において被接続部分を容易に指定することができる。よって、部分管路図同士の接続を容易に行ったり、記憶部1023に記憶された部分管路図に繋がるように全体管路図を容易に作成したりすることができる。したがって、工事の進捗状況等に合わせて、全体管路図を容易に作成することができる。
【0164】
また、本実施形態では、管路図作成支援システム制御用プログラムは、支援サーバ1002に、演算端末1001によって作成された、複数の施工区間の配管の部分管路図に関する部分管路図情報を記憶部1023に個別に記憶させる。支援サーバ1002に、前記全体管路図を作成させる際に、前記被接続部分に、部分管路図情報取得部1021に取得させた前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図または記憶部1023によって記憶された前記部分管路図情報に含まれる別の部分管路図のうち接続対象の部分管路図を接続させて、全体管路図を作成させる。
【0165】
これにより、支援サーバ1002で作成された全体管路図を、演算端末1001の表示部1011に表示させることができる。よって、例えば、管路工事の現場でも、演算端末1001によって、全体管路図を容易に確認することができる。したがって、管路工事の作業効率を向上することができる。
【0166】
(変形例)
本実施形態においても、実施形態1と同様、管路図は、グリッド状の入力領域に対する入力操作によって、作成されてもよい。なお、以下の説明において、実施形態2の管路図作成支援システム1000と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0167】
図11は、実施形態2の変形例に係る管路図作成支援システム2000の概略構成を示す機能ブロック図である。管路図作成支援システム2000は、演算端末2001と、支援サーバ1002とを有する。
【0168】
演算端末2001は、表示部1011と、領域選択部2014と、部分管路図作成部2012と、端末出力部1013と、全体管路図情報取得部1014とを有する。領域選択部2014は、実施形態1の変形例における領域選択部114と同様の構成を有する。また、部分管路図作成部2012は、実施形態1の変形例における管路図作成部112と同様の構成を有する。よって、領域選択部2014及び部分管路図作成部2012の詳しい説明を省略する。
【0169】
以上より、本実施形態では、表示部1011は、入力領域として、グリッド状の入力領域Rを表示する。演算端末2001は、入力領域Rに対して入力操作された領域を選択する領域選択部2014をさらに有する。部分管路図作成部2012は、領域選択部2014によって選択された複数の領域r2に基づいて、部分管路図を作成する。
【0170】
図12は、上述の構成を有する管路図作成支援システム2000によって行われる管路図作成支援システム制御方法を示すフロー図である。本変形例の管路図作成支援システム制御方法は、表示部1011がグリッド状の入力領域Rを表示した後に、領域選択部2014が入力領域Rを構成する複数の領域rのうち入力操作された領域を選択する領域選択ステップSB1を有し、部分管路図作成部2012が、選択された領域r2に基づいて部分管路図を作成する点で、実施形態2の管路図作成支援システム制御方法とは異なる。
【0171】
なお、その他のステップは、実施形態2の管路図作成支援システム制御方法のフローと同様である。よって、実施形態2の管路図作成支援システム制御方法と同じステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0172】
また、表示部1011がグリッド状の入力領域Rを表示した後に、領域選択部2014が入力領域Rを構成する複数の領域rのうち入力操作された領域を選択し、部分管路図作成部2012が、選択された領域r2に基づいて部分管路図を作成する点は、実施形態1の変形例と同じである。よって、表示部1011、領域選択部2014及び部分管路図作成部2012の動作の詳しい説明は、省略する。
【0173】
管路図作成支援システム制御方法は、入力領域表示ステップSA1で表示される前記入力領域としてのグリッド状の入力領域Rにおいて、入力操作された領域を選択する領域選択ステップSB1をさらに有する。部分管路図作成ステップSA2は、領域選択ステップSB1によって選択された複数の領域r2に基づいて、部分管路図を作成する。
【0174】
本変形例におけるプログラム(管路図作成支援システム制御用プログラム)は、管路図作成支援システム2000を構成する演算端末2001及び支援サーバ1002に、図12に示すステップSA1、SB1、SA2からSA6を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムを演算端末1001及び支援サーバ1002によって実行することにより、本変形例における管路図作成支援システム2000と管路図作成支援システム制御方法とを実現することができる。
【0175】
管路図作成支援システム制御用プログラムは、演算端末2001に、表示部1011にグリッド状の入力領域Rを表示させ、入力領域Rに対して入力操作された領域を選択させ、前記選択された複数の領域r2に基づいて、前記部分管路図を作成させる。
【0176】
以上のような、管路図作成支援システム2000、管路図作成支援システム制御方法及び管路図作成支援システム制御用プログラムによって、グリッド状の入力領域Rに対する入力操作によって、部分管路図を直感的に且つ容易に作成することができる。
【0177】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0178】
前記各実施形態では、管路図作成支援装置1,100及び管路図作成支援システム1000,2000は、水道管の管路を示す管路図を作成する支援を行う。しかしながら、管路図作成支援装置及び管路図作成支援システムは、下水道管、ガス管、地下埋設管、農業用水路等を含む配管などの管路を作成する支援を行ってもよい。また、管路図作成支援装置及び管路図作成支援システムは、鉄管だけでなく、ポリエチレン管の管路図作成に用いられてもよい。同様に、管路工事施工情報管理装置も、水道管に限らず、下水道管、ガス管、地下埋設管、農業用水路等を含む配管における工事の施工情報を管理してもよい。また、管路工事施工情報管理装置は、鉄管だけでなく、ポリエチレン管の工事の施工情報を管理してもよい。
【0179】
前記実施形態2では、管路工事施工情報管理装置200は、施工情報表示部203を有する。しかしながら、管路工事施工情報管理装置は、施工情報表示部を有していなくてもよい。前記施工情報表示部は、管路図作成支援装置の表示部であってもよい。
【0180】
前記実施形態3では、管路図作成支援システム1000,2000の演算端末1001,2001が部分管路図を作成している。そして、支援サーバ1002が全体管路図を作成している。しかしながら、支援サーバが、部分管路図を作成してもよい。また、演算端末が全体管路図を作成してもよい。
【0181】
前記実施形態3では、演算端末1001,2001が、全体管路図情報の少なくとも一部を、支援サーバ1002から取得して表示部1011に表示させる。しかしながら、演算端末は、全体管路図情報を表示部に表示しなくてもよいし、支援サーバから全体管路図情報を取得しなくてもよい。
【0182】
前記実施形態3では、管路図作成支援システム1000,2000は、演算端末1001,2001を有する。しかしながら、管路図作成支援システムは、複数の演算端末を有していてもよい。複数の演算端末によって、異なる施工区間の部分管路図を作成してもよい。この場合には、支援サーバまたは演算端末が、前記異なる施工区間の部分管路図を、互いに直接接続してもよいし、他の部分管路図を介して接続してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明は、管路図の作成を支援する管路図作成支援装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0184】
1、100 管路図作成支援装置
11、1011 表示部
12 管路図作成部
13 記憶部
114、2014 領域選択部
200 管路工事施工情報管理装置
201 施工情報取得部
202 施工情報処理部
203 施工情報表示部
1000、2000 管路図作成支援システム
1001 演算端末
1002 支援サーバ
1012 部分管路図作成部
1013 端末出力部
1014 全体管路図情報取得部
1021 部分管路図情報取得部
1022 全体管路図作成部
1023 記憶部
1024 支援サーバ出力部
S、R 入力領域
r 領域
r1 選択中の領域
r2 選択済みの領域
T 施工情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12