(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090229
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】魚釣り用リール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/00 20060101AFI20240627BHJP
A01K 89/017 20060101ALI20240627BHJP
A01K 89/015 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A01K89/00 B
A01K89/017
A01K89/015 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205976
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】500041787
【氏名又は名称】株式会社フェニックス
(72)【発明者】
【氏名】天野 敏明
(72)【発明者】
【氏名】畠山 利彦
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 智文
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108AA05
2B108EC04
2B108GA11
2B108GA12
2B108GA13
(57)【要約】
【課題】 電動モータ(7)の回転方向が外力により不意に切り替わり、本来の回転方向と逆に回転することによりリール(1)及びロッドの破損や連結部材(6)の脱落を防止する。
【解決手段】 電動モータ(7)の回転方向切り替えレバー(10)に複数の穴(13)を設け、その穴(13)に移動抑制部材(11)を取付けることで、不意な外力による回転方向切り替えレバー(10)の移動を防止する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体の両側板間にスプールを回転自在に支持させていると共に一方の側板の外周部にハンドル軸を回転自在に支持し、当該ハンドルを回転操作することにより動力伝達機構を介して上記スプールを釣り糸の巻き取り方向にのみ回転させるように構成した魚釣り用リールで、ハンドル回転中心軸に電動モータを連結、切り離し出来る形状を備えた部材を介して、別体の電動モータによる回転力を手巻きリールに伝達する構成の魚釣り用手巻きリールの外部電動モータにおいて、回転方向切り替えレバー部に複数の穴を具備した外部電動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手巻きリールにおいて電動モータを着脱連結可能な魚釣り用リールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
海釣りにおいて遊漁船に乗り魚釣りを楽しむ人が増加している。手巻きリールにおいて、ジグ(疑似餌)や重りに釣針を付けて、海底まで前述のジグを着底させ魚のいる棚をあわせて、釣りを楽しむのが一般的である。海水面から海深30mくらいまでの深さであれば通常の手巻きリールでの釣り糸の巻き上げは容易であるが30m~100m以上となると釣り場のポイントを移動するたびに重りのついた釣り糸を毎回巻き上げる必要があり釣り客にとっては巻上げに必要な体力を使い、時には疲れて魚釣りに集中出来なくなる時もある。巻上げ時に市販化されている電動リールはあるが手巻きリールに比べ高価で取扱いが大変な為、前記を改良した簡易電動巻き上げ機としてリールの回転軸に具備された接続部と取り外し可能な電動モータで巻上げるリールはある。
【0003】
この電動モータには回転方向を切り替えレバーと回転起動レバーが備わっておりレバーを押すことにより各々の動作を行う。
【0004】
しかし、前記の回転方向切り替えレバーが回転起動レバー及び取手部分と近接しているため、電動ドライバーの取手を握る時や回転レバーを起動する時に回転方向切り替えレバーに触れてしまい回転方向が切り替わることがある。
【0005】
また、リールから外部電動モータを切り離し船体や収納ポケットに一時待機させる時も同様に回転方向切り替えレバーに触れてしまい回転方向が切り替わる。前記により回転方向が切り替わっていることに気づかず、電動モータの回転を起動させるとリールの回転方向が巻上げとは逆回転となりリールやロッドを破損することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【0007】
魚釣り用リールには一般的に手巻きリールと電動モータを内蔵した電動リールや手巻きリールと電動モータが分離された物が存在する。本発明は手巻きリールと電動モータが分離されたもので回転方向を切り替えるレバーの誤操作による破損防止を目的とした魚釣り用リールの外部電動モータである。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本考案はリールの巻上げる回転方向に合わせ、電動モータの回転方向を設定後不意な操作により回転方向が切り替わらないようにするためのものである。
【発明の効果】
【0009】
リールに外付け可能な電動モータの回転方向切り替えレバーの移動を抑制し、かつ、移動抑制部材は脱着可能な構造とすることで、回転方向を切り替える場合は抑制部材を対称方向に付け替えることで、安価で誤操作の発生が無い製品を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】回転方向切り替えレバー及びスライドスイッチの詳細図。
【実施例0011】
海釣り用の手巻きリールは
図1のような構成になっており、リール本体(1)と両側板間に糸を巻き取る為の回転自在に支持されるスプール(4)と手巻き用ハンドル(3)をもち、回転させるためのハンドルレバー(2)と、その回転中心軸(5)からリール内部のギヤ構造を介して、前述の糸を巻き取る為のスプール(4)へハンドル(3)で回転させる力が、スプール(4)へ伝達する仕組みとなっている。
【0012】
また、前述のハンドルレバー(2)の回転軸の中心(5)には、ハンドルレバー(2)を貫通する回転軸中心(5)のネジ部に連結部材(6)でハンドルレバー(2)を固定する構造となっている。この連結部材(4)の六角形状に電動モータ(7)を接続することにより糸を巻き上げることが可能である。
【0013】
リールには左ハンドル及び右ハンドル仕様があり糸を巻き上げる場合の回転方向が異なる為接続する電動モータ(7)の方向を切り替える必要がある。
【0014】
電動モータ(7)の回転方向を切り替える方法は、回転起動レバー(9)や取手(8)に近接している回転方向切り替えレバー(10)を押すことで電動モータ内部のスライドスイッチ(12)が切り替わり電動モータの回転方向が換わる。
【0015】
この電動モータの回転方向切り替えレバー(10)には複数の穴(13)があり、いずれかの穴(13)に移動抑制部材(11)を差し込むことによりレバーが外力で押されても抑制部材(11)と電動モータ(7)の筐体が接することで回転方向切り替えレバー(10)の移動が抑制される。
【0016】
この作用により、電動モータ(7)の取手(8)を握った時や回転起動レバー(9)を引いた時に不意に回転切り替えレバー(10)を押し本来の回転方向が切り替わる事を防止することが可能となる。
【0017】
さらに、移動抑制部材(11)は脱着可能なものを用いることでリールの左ハンドル仕様及び右ハンドル仕様に合わせ回転方向を切り替えることで1台の電動モータで兼用することが可能となる。
【0018】
移動抑制部材(11)は丸かん、スナップピン、割りピン等レバーの穴に脱着可能なものを利用することができる。