(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090232
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20240627BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240627BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20240627BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240627BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/35
A63F13/795
A63F13/847
A63F13/58
A63F13/53
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022205979
(22)【出願日】2022-12-22
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(72)【発明者】
【氏名】田村 佳大
(72)【発明者】
【氏名】三尾 真登
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】大脇 遼平
(72)【発明者】
【氏名】惠良 栞
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA76
5E555BA04
5E555BA20
5E555BB04
5E555BB20
5E555BC04
5E555BC09
5E555BD06
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないようにする。
【解決手段】情報処理装置は、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信する配信制御部と、視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、第1の識別情報でプレイする第1プレイヤと第2の識別情報でプレイする第2プレイヤのマルチプレイゲーム上の関係に応じ、視聴者が使用する端末から第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する投稿制御部とを有する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信する配信制御部と、
視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、前記第1の識別情報でプレイする前記第1プレイヤと前記第2の識別情報でプレイする前記第2プレイヤの前記マルチプレイゲーム上の関係に応じ、前記視聴者が使用する端末から前記第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する投稿制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第1プレイヤと前記第2プレイヤとが競争関係にある場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記投稿制御部は、前記第1プレイヤと前記第2プレイヤの間の競争関係の有無を、前記マルチプレイゲームをプレイするプレイヤをマッチングする際に設定されたグループ識別情報に基づいて識別する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記視聴者の視聴先が、前記第2プレイヤのプレイ画面から前記第1プレイヤのプレイ画面に戻る場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第1プレイヤに対する投稿を制限する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた前記第1プレイヤのプレイ画面で進行していた所定のイベントが終了した場合、
前記投稿制御部は、切り替え後の視聴先である前記第2プレイヤに対する前記視聴者の投稿を制限しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1プレイヤと前記第2プレイヤが前記マルチプレイゲーム上で協力関係にある場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限せず、
前記第1プレイヤと前記第2プレイヤが前記マルチプレイゲーム上で競争関係にある場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記投稿制御部は、前記第1プレイヤのパラメータと前記第2プレイヤのパラメータの大小関係に応じ、前記視聴者が操作する端末から当該第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1の識別情報を有する前記第1プレイヤのパラメータが前記第2の識別情報を有する前記第2プレイヤのパラメータよりも所定値以上大きい場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限しない、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた前記第1の識別情報を有する前記第1プレイヤのプレイ画面に、プレイの進行に影響を与える特定のオブジェクトが含まれていない場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた前記第1プレイヤのプレイ画面に対する当該視聴者の視聴時間が所定時間未満の場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた前記第1プレイヤのプレイ画面において、ゲームの進行に影響を与える特定のオブジェクトの少なくとも一部が不可視の態様で表示されている場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1プレイヤに対して前記視聴者が所定価値を付与した場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記視聴者による視聴先の切り替えに際し、前記第1プレイヤが当該視聴者の新たな視聴先への投稿を許可した場合、
前記投稿制御部は、前記視聴者が操作する端末から前記第2プレイヤに対する投稿を制限しない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信する処理と、
視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、前記第1の識別情報でプレイする前記第1プレイヤと前記第2の識別情報でプレイする前記第2プレイヤの前記マルチプレイゲーム上の関係に応じ、前記視聴者が使用する端末から前記第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する処理と、
を実行する情報処理方法。
【請求項15】
プロセッサに、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信させ、
プロセッサに、視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、前記第1の識別情報でプレイする前記第1プレイヤと前記第2の識別情報でプレイする前記第2プレイヤの前記マルチプレイゲーム上の関係に応じ、前記視聴者が使用する端末から前記第2プレイヤに対する投稿の可否を制御させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットゲームでは、複数のプレイヤがゲームに参加することが可能である。この種のゲームは、マルチプレイゲームと呼ばれ、プレイヤ同士が競争関係になるゲームと、協力関係になるゲームに大別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
視聴者は、マルチプレイ中の複数のプレイヤのプレイ画面を自由に視聴することができる一方で、視聴者の自由な投稿が許される環境では、視聴者の投稿を通じ、秘匿にしたい情報が競争関係にある他のプレイヤに漏洩するリスクがある。
そこで、特許文献1は、視聴者による他のプレイヤのプレイ画面の視聴を、視聴者の視聴先のプレイヤが制御する技術を記載する。この技術の採用により、特許文献1は、視聴者の投稿を通じた他のプレイヤへの情報の漏洩リスクの管理を実現する。
一方で、視聴者による他のプレイヤのプレイ画面の視聴が現在の視聴先のプレイヤにより制御される仕組みでは、複数のプレイ画面を視聴者が自由に視聴する楽しみが損なわれる。
【0005】
本発明は、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信する配信制御部と、視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、第1の識別情報でプレイする第1プレイヤと第2の識別情報でプレイする第2プレイヤのマルチプレイゲーム上の関係に応じ、視聴者が使用する端末から第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する投稿制御部とを有する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1で想定するゲームの流れを説明する図である。
【
図3】実施の形態1で想定するゲーム空間の一例を説明する図である。
【
図4】オブジェクトがスポットで一定時間停止した状態を説明する図である。
【
図5】プレイヤBの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を説明する図である。
【
図6】ゲームで使用する媒体オブジェクトの一例を説明する図である。
【
図7】ポイントの取得を説明する図である。(A)は白色のカラーカードが揃う直前の手札置き場の配列を示し、(B)は白色のカラーカードが揃った直後の手札置き場の配列を示し、(C)はポイントを取得した後の手札置き場の配列を示す。
【
図8】実施の形態1で使用するサーバの機能上の構成例を説明する図である。
【
図9】実施の形態1で想定するプレイヤの参加形態と視聴者の視聴先の関係を説明する図である。
【
図10】切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がある場合に対応する視聴先の切り替え関係を説明する図である。
【
図11】切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がある場合におけるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例であり、(B)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例である。
【
図12】プレイヤが視聴するプレイ画面の表示例を説明する図である。
【
図13】切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合に対応する視聴先の切り替え関係を説明する図である。
【
図14】切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合におけるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例であり、(B)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例である。
【
図15】切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合に対応する視聴先の切り替え関係の他の例を説明する図である。
【
図16】切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合におけるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例であり、(B)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例である。
【
図17】切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合に対応するプレイ画面の他の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例であり、(B)は視聴中に切り替え前に進行していた所定のイベントが終了した場合に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例である。
【
図18】投稿が制限される期間と投稿が許可される期間の関係を説明する図である。
【
図19】切り替え前後のプレイヤのパラメータの違いによる投稿の可否の制御例を説明する図である。
【
図20】切り替え前のプレイヤが手札置き場に保持している媒体オブジェクトの情報に応じた切り替え後のコメントの投稿の制御を説明する図である。(A)は切り替え後にコメントの投稿が許可される場合を示し、(B)は切り替え後にコメントの投稿が許可されない場合を示す。
【
図21】切り替え直前の視聴時間の違いによるコメントの投稿可否の制御例を説明する図である。(A)は切り替え直前の視聴時間が2秒の場合における制御例であり、(B)は切り替え直前の視聴時間が15秒の場合における制御例である。図中の縦軸は時間軸である。
【
図22】時間の経過に伴う各プレイヤの手札置き場にある媒体オブジェクトの変化を説明する図である。
【
図23】時制の違いによる視聴ユーザの情報端末に表示されるプレイ画面の表示の態様の違いを説明する図である。(A)は視聴ユーザがタイムシフト視聴中の場合に視聴するプレイ画面の表示例であり、(B)は視聴ユーザYが現在時刻に視聴するプレイ画面の表示例である。
【
図24】プレイ画面配信制御部と投稿制御部によるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示し、(B)はプレイヤを視聴先とする視聴ユーザの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示す。
【
図25】プレイ画面配信制御部と投稿制御部によるプレイ画面の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示し、(B)はプレイヤを視聴先とする視聴ユーザの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示す。
【
図26】プレイ画面配信制御部と投稿制御部によるプレイ画面の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示し、(B)はプレイヤを視聴先とする視聴ユーザの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示す。
【
図27】プレイ画面配信制御部と投稿制御部によるプレイ画面の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示し、(B)はプレイヤを視聴先とする視聴ユーザの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示す。
【
図28】プレイ画面配信制御部と投稿制御部によるプレイ画面の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示し、(B)はプレイヤを視聴先とする視聴ユーザの情報端末に表示されるプレイ画面の一例を示す。
【
図29】投げ銭コメントの投稿の有無による切り替え後の視聴先へのコメントの投稿の制御を説明する図である。
【
図30】切り替えの前のプレイヤと視聴ユーザのプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)は視聴先であるプレイヤの情報端末に表示されているプレイ画面の一例であり、(B)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザの情報端末に表示されているプレイ画面の一例である。
【
図31】視聴ユーザが視聴先の切り替えの実行を指示した場合における切り替え前の視聴先であるプレイヤのプレイ画面を説明する図である。
【
図32】プレイヤによるコメントの投稿の可否に応じた視聴ユーザが視聴するプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)は切り替え後の視聴先であるプレイヤへのコメントの投稿が許可された場合におけるプレイ画面の表示例であり、(B)は切り替え後の視聴先であるプレイヤへのコメントの投稿が不許可の場合におけるプレイ画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
後述する実施の形態は、本発明を実施するための形態の一例にすぎず、本発明の実施の形態は、後述する形態例に限定されない。
従って、本発明の技術的範囲は、後述する実施の形態に記載された範囲に限定されない。例えば実施の形態に記載された内容に種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、後述する各種の機能部は、例えばCPU(=Central Processing Unit)、MPU(=Micro Processing Unit)、GPU(=Graphics Processing Unit)、DSP(=Digital Signal Processor)その他のプロセッサによるプログラムの実行を通じて実現される。
【0010】
<用語>
まず、実施の形態で使用する用語について説明する。
「プログラム」は、OS(=Operating System)やアプリケーションプログラムの総称として使用する。
「ゲーム」は、コンピュータゲームをいう。ゲームの舞台となる仮想の空間を「ゲーム空間」という。ゲーム空間の舞台には、例えば仮想の街や仮想の国がある。
「プレイヤ」は、情報端末の操作を通じてゲームをプレイするユーザをいう。
【0011】
プレイヤが操作する情報端末には、専用機と汎用機がある。
専用機には、例えばゲームセンター等に設置される据え置き型のゲーム機がある。
汎用機には、例えばプレイヤによる携帯や装着が可能なスマートグラス、ヘッドセット、スマートフォンがある。スマートグラスは、小型のディスプレイと、ディスプレイに表示された画像を網膜上に結像する導光部品とを備える眼鏡型のデバイスである。
【0012】
ゲームを実行する情報端末には、プレイヤが操作する情報端末(以下「プレイヤの端末」ともいう。)の他、インターネットその他のネットワーク上に配置されるサーバがある。
サーバでゲームを実行する場合、プレイヤの端末は、いわゆる入出力装置として使用される。すなわち、プレイヤの端末は、ゲームに関連する画像の表示と操作の入力に使用される。なお、一部のゲームに関するデータが情報端末に格納されており、その情報端末に格納されているデータとサーバに格納されているゲームのデータの双方を利用してゲームを実行してもよい。同様に、情報端末側にゲームデータの全てがあり、そこでプレイしているデータを外部の動画配信サーバに送信し、そこからゲームを他のユーザに視聴可能にさせてもよい。
「プレイ画面」は、プレイヤの端末に表示される画像をいう。プレイ画面は、一般には動画像である。もっとも、プレイ画面に、静止画像が表示されることを妨げない。
【0013】
プレイ画面は、他のユーザ(ただし、他のプレイヤを除く)による視聴が可能である。以下では、プレイ画面を視聴する他のユーザを「視聴ユーザ」又は「視聴者」という。視聴ユーザ又は視聴者が操作する情報端末を「視聴ユーザの端末」又は「視聴者の端末」という。
後述する実施の形態の場合、視聴ユーザが同時に視聴可能なプレイ画面は1つだけである。視聴ユーザと視聴中のプレイ画面(又はプレイヤ)との関係は、サーバにより管理される。例えば視聴ユーザとプレイヤのアカウントが使用される。なお、視聴ユーザは、複数のプレイ画面の間を自由に行き来できる。本実施の形態の場合、プレイ画面の行き来に際し、視聴先のプレイヤの許可は不要である。
【0014】
サーバで実行されるゲームには、例えば一部又は全てのゲームデータをサーバに格納し、ゲームを操作するプレイヤからの操作を情報端末から受け付けることで実行可能なゲームがある。ソーシャルゲームは、SNS(=Social Networking Service)の要素を取り入れた複数人でプレイが可能なゲームである。
ゲームのプレイの形態には、1人のプレイヤによる単独プレイ(以下「シングルプレイ」ともいう。)と、所定関係にある複数のプレイヤによるプレイ(以下「マルチプレイ」ともいう。)がある。
ゲームにより、シングルプレイのみが可能な場合、マルチプレイのみが可能な場合、シングルプレイとマルチプレイの選択が可能な場合がある。
【0015】
マルチプレイゲームには、例えば他のプレイヤと対戦するゲーム(以下「対戦型ゲーム」という。)と、ゲームの結果を他のプレイヤと競うゲーム(以下「競争型ゲーム」ともいう。)、協同して共通の目的(例えばゲームのクリア)の達成を目指すゲーム(以下「協同型ゲーム」ともいう。)がある。なお、競争型ゲームであっても、ゲーム内に他のプレイヤとの対戦プレイを含む場合がある。
なお、マルチプレイの形態には、複数のプレイヤが協同して他のプレイヤと対戦する又は競うプレイ(以下「協同プレイ」という。)もある。
【0016】
協同プレイ中の各プレイヤは、あくまでも独立したプレイヤとしてプレイ可能であるが、いわゆるグループ又はチーム(以下では「グループ」という。)としてゲームに参加している。なお、協同プレイ中の複数のプレイヤには主従関係がある場合もあれば、対等な関係の場合もある。主従関係とは、特定のプレイヤを他のプレイヤが専らサポートする関係をいう。一方、対等な関係とは、固定した主従関係を有さず、互いに協力する関係をいう。
因みに、相手方となる他のプレイヤは、シングルプレイを選択したプレイヤもいれば、グループとしてゲームに参加しているプレイヤもいる。
【0017】
以下で想定する実施の形態では、プレイヤの少なくとも1人はユーザであるが、プレイヤの少なくとも1人をプロセッサが代行してもよい。この形態は、シングルプレイにみえるが、マルチプレイゲームの1類型である。
また、複数人のプレイヤを区別する場合、「第1プレイヤ」、「第2プレイヤ」、「第3プレイヤ」…と表現する。同様に、複数人の視聴ユーザを区別する場合、「第1視聴者」、「第2視聴者」、「第3視聴者」…と表現する。
【0018】
もっとも、以下の説明では、切り替え前の視聴先であるプレイヤを「第1プレイヤ」と呼び、切り替え後の視聴先であるプレイヤを「第2プレイヤ」と呼ぶこともある。ここでの第1プレイヤと第2プレイヤは、前後関係の特定の目的で使用する。
以下では、プレイ画面を配信するプレイヤを「配信ユーザ」ともいう。また、視聴ユーザのうち、視聴対象である配信ユーザとゲーム上で競うプレイヤを「参加ユーザ」ともいう。
【0019】
「コメント」は、視聴ユーザがプレイヤを宛先としてアップロードする投稿や投稿の内容をいう。コメントは、文字列(テキスト)、スタンプ、アイコン等で構成される。なお、コメントを「チャット」と呼ぶことがある。
「所定価値」は、電子マネー、暗号資産、ゲーム内通貨、法定通貨、ポイント等のネットワーク上で交換が可能な情報をいう。以下では、所定価値を消費するコメントを「投げ銭コメント」といい、所定価値を消費しないコメントをメッセージという。
【0020】
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1に示す情報処理システム1は、ゲームを実行するサーバ10と、プレイヤや視聴ユーザが操作する情報端末20(20A、20B、20C、20D、20X、20Y)と、これらを通信可能に接続するネットワークNとで構成される。
【0021】
図1では、プレイヤと視聴ユーザの一例として、プレイヤA(第1プレイヤ)、プレイヤB(第2プレイヤ)、プレイヤC(第3プレイヤ)、プレイヤD(第4プレイヤ)、視聴ユーザX(第1視聴者)、視聴ユーザY(第2視聴者)を示している。
4名のプレイヤと2名の視聴ユーザを示したのは、説明上の都合であり、実際のプレイヤは1名でも、2名でも、3名でも、5名以上でもよい。また、視聴ユーザは、0名でも、1名でも、3名以上でもよい。
もっとも、前述したシングルプレイであれば、プレイヤは1名となる。また、ゲームの実行にはプレイヤが必要であるが、視聴ユーザは0人でもよい。
以下では、プレイヤと視聴ユーザを区別しない場合、単にユーザという。
【0022】
図1に示す情報処理システム1の場合、サーバ10には、プレイヤAが操作する情報端末20Aと、プレイヤBが操作する情報端末20Bと、プレイヤCが操作する情報端末20Cと、プレイヤDが操作する情報端末20Dと、視聴ユーザXが操作する情報端末20Xと、視聴ユーザYが操作する情報端末20YがネットワークN経由で接続されている。
以下では、情報端末20A、20B、20C、20D、20X、20Yを総称して「情報端末20」という。
ネットワークNは、例えばインターネット、LAN(=Local Area Network)、4Gや5G等の移動通信システムである。なお、ネットワークNは、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよい。また、有線ネットワークと無線ネットワークの混在型でもよい。
【0023】
サーバ10は、1又は複数のコンピュータから構成される。サーバ10は、オンプレミス型のサーバでもよいし、クラウド型のサーバでもよい。クラウド型のサーバには、例えばIaaS(=Infrastructure as a Service)、PaaS(=Platform as a Service)、SaaS(=Software as a Service)がある。サーバ10は、情報処理装置の一例である。
情報端末20は、サーバ10が提供する配信サービスを利用するユーザが操作する端末である。
情報端末20は、例えばスマートフォン、タブレット型の端末、ノート型やデスクトップ型のコンピュータ、ゲーム端末の他、ヘッドマウント型の端末(いわゆるヘッドセット)、メガネ型の端末(いわゆるスマートグラス)である。情報端末20は、ネットワークNとの通信機能を備えている。
【0024】
<サーバのハードウェア構成>
サーバ10は、端末全体の動作を制御するプロセッサ11と、メモリ12と、補助記憶装置13と、通信インタフェース14とで構成される。なお、プロセッサ11と各デバイスは、バスその他の信号線15を通じて接続される。
プロセッサ11は、例えばCPUである。
メモリ12は、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)やプロセッサ11のワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)で構成される。
【0025】
補助記憶装置13は、例えばハードディスク装置や半導体ストレージである。補助記憶装置13には、ゲームプログラムの他、例えばゲーム空間の情報、ゲームに参加しているプレイヤの情報、各プレイヤのプレイ画面、プレイ画面を視聴中の視聴ユーザの情報、視聴ユーザが投稿したコメントの情報等が含まれる。
プレイヤや視聴ユーザの情報は、アカウントその他の各ユーザを特定する情報に紐づけられる。
コメントの情報は、コメントの内容と、所定価値の消費の有無と、所定価値の消費量を含む。
通信インタフェース14は、情報端末20等の外部の端末との通信を可能にするデバイスである。通信インタフェース14には、通信に使用するネットワークNに応じた通信を実現する機能が求められる。
【0026】
情報端末20は、サーバ10と同様、プロセッサ、メモリ、補助記憶装置、通信インタフェースを有し、さらに、タッチセンサ、操作ボタン、ディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカ等を有する。
タッチセンサとディスプレイが一体化されたデバイスは、タッチパネルと呼ばれる。また、タッチセンサ、操作ボタン、カメラ、マイクは入力装置を構成し、ディスプレイ、スピーカは出力装置を構成する。
本実施の形態における情報端末20は、サーバ10に対する入出力装置として使用される。
【0027】
<ゲームの流れ>
以下では、実施の形態で想定するゲームの流れについて説明する。
図2は、実施の形態1で想定するゲームの流れを説明する図である。なお、図中に示す記号のSは「ステップ」を意味する。
まず、ゲームの開始前に、ゲームに参加するユーザ(この段階ではプレイヤでない。)のマッチングが実行される(ステップ1)。マッチングの手法には、様々な方法がある。例えば申し込み期間に参加を申し込んだユーザの中から所定人数を抽選する方法がある。本実施の形態で想定するゲームのプレイヤは、ゲーム内に、自身が所持するキャラクタカードを1枚持ち込む必要がある。もちろん、ゲームの種類によっては、キャラクタカードの持ち込みは不要である。
【0028】
ゲームに参加するプレイヤが確定し、全てのプレイヤについてゲーム内に持ち込むキャラクタカードが確定すると、ゲームが開始される(ステップ2)。ゲームが開始されると、ゲーム空間に各プレイヤのオブジェクトが配置される。これにより、各プレイヤは、情報端末20に対する操作を通じ、ゲーム空間でオブジェクトを移動等することができる。ゲームが開始されると、ゲーム空間に各プレイヤのオブジェクトが配置される。これにより、各プレイヤは、情報端末20に対する操作を通じ、ゲーム空間でオブジェクトを移動等することができる。キャラクタカードは、ゲームで使用するアイテム(以下「媒体オブジェクト」という。)の1つである。
ゲームの開始とともにゲーム中となり(ステップ3)、ゲームの終了条件を満たすとゲーム終了となる(ステップ4)。
実施の形態で想定するゲームでは、基本的に、ゲーム中に獲得したゲームスコア(以下「スコア」という。)の大きさ順に順位が決まる。従って、スコアは、ゲームの勝敗判定に用いるパラメータである。
【0029】
ただし、ゲーム内で入手可能な媒体オブジェクトには、ビリカードが1枚含まれている。ビリカードを最後まで保持していたプレイヤは、スコアの大きさによらず最下位に設定される。例えばスコアの大きさが1位のプレイヤでも、ビリカードを最後まで保持していた場合、そのプレイヤは最下位となる。この意味で、ビリカードは、ゲームの進行に影響を与える媒体オブジェクトである。なお、ビリカードは、ゲームの勝敗に関係する媒体オブジェクトでもある。また、ビリカードは、保持するプレイヤに対して不利なゲーム効果を付与する媒体オブジェクトでもある。
【0030】
この他、実施の形態で想定するゲームでは、ゲームの終了後に、ビリカードを最後まで保持しているプレイヤの投票を受け付ける機会が設けられる(ステップ5)。この投票では、各プレイヤは、自分以外のプレイヤを投票する必要がある。
制限時間内にプレイヤ全員の投票が確認されると、投票結果の答え合わせに遷移する。制限時間内に投票しなかったプレイヤは無投票と扱う。また、ビリカードを最後まで保持しているプレイヤの投票は無効票として扱う。
【0031】
投票の結果、正解者には、順位に応じた報酬とは別に、特別の報酬が付与される。
なお、正解者がいなかった場合、最後までビリカードを保持していたプレイヤが、ゲーム終了時のスコアの大きさによらず1位になる。これにより、最終順位が確定する(ステップ6)。最終順位が確定すると、例えばポイント値、経験値、称号、プレイに使用したキャラクタカードの攻撃力やHPに対する特別ポイント、他のゲームで使用可能な武器、魔法その他の能力、新たな属性、属性のレベルアップ等が付与される。
なお、このステップ2~ステップ4までのゲームがいわゆるインゲームの一例であり、ステップ5の投票がいわゆるアウトゲームの一例である。
【0032】
本実施の形態では、
図2に示すゲームの流れを1回として、複数回のゲームが実行される。なお、各回のゲームのプレイヤは、ステップ1のマッチングにより決定されるので、各回のプレイヤのメンバーは同じになるとは限らない。
以下では、ある回のインゲームを第1のゲームといい、次回以降のインゲームを第2のゲームという。
もっとも、第1のゲームと第2のゲームは同種のゲームである必要はない。すなわち、第1のゲームと第2のゲームは異なる種類のゲームでもよい。
【0033】
<ゲーム空間>
図3は、実施の形態1で想定するゲーム空間の一例を説明する図である。
図3に示すゲーム空間100は、3つのエリア101A、101B、101Cで構成されている。以下では、エリア101A、101B、101Cを区別しない場合、エリア101という。エリア101は、例えば部屋や国である。
図3におけるエリア101の数は一例であり、ゲームにより1つの場合もあれば、2つの場合や4つ以上の場合もある。
図3の場合、3つのエリア101A、101B、101Cは、それぞれ連絡通路で他のエリアと接続されている。
【0034】
図3では、ゲーム空間100が3つのエリア101A、101B、101Cで構成される場合を説明したが、ゲーム空間100は、複数のステージで構成されてもよい。
図3の場合、3つのエリア101A、101B、101C内には、ゲーム内で使用する媒体オブジェクトが配布されるスポット102A、102B、102Cが配置されている。以下では、スポット102A、102B、102Cを区別しない場合、スポット102という。
【0035】
図3の場合、1つのエリア101に1つのスポット102が配置されているが、1つのエリア101に複数のスポット102が配置されてもよいし、スポット102が配置されていないエリア101が存在してもよい。スポット102の表示の形態は、ゲームによっても異なる。スポット102の表示には、例えば壺、宝箱、店、教会、沼が使用される。
各スポット102には、少なくとも1つの媒体オブジェクトが紐づけられており、スポット102の付近で一定時間停止したプレイヤの操作に応じて行動するオブジェクト(すなわちアバタ―やプレイヤキャラクタと呼ばれるもの)に対し、抽選により選択された1枚の媒体オブジェクトを付与する。
【0036】
図4は、オブジェクトがスポット102で一定時間停止した状態を説明する図である。
図4には、
図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
図4に示すゲーム空間100には、プレイヤAのオブジェクト103Aと、プレイヤBのオブジェクト103Bと、プレイヤCのオブジェクト103Cと、プレイヤDのオブジェクト103Dとが追加されている。以下では、オブジェクト103A、103B、103C、103Dを区別しない場合、オブジェクト103という。
【0037】
図4の場合、プレイヤAのオブジェクト103Aの位置が、エリア101Aのスポット102Aに重なっている。この状態が一定時間以上継続すると、スポット102Aに紐づけられている媒体オブジェクトのうちの1つがプレイヤAに付与される。
一方で、エリア101BにいるプレイヤBのオブジェクト103Bの位置は、エリア101Bのスポット102Bから離れている。このため、スポット102BからプレイヤBには、媒体オブジェクトが付与されない。同様に、プレイヤC、プレイヤDにも媒体オブジェクトが付与されない。
【0038】
なお、媒体オブジェクトの付与条件は、プレイヤAのオブジェクト103Aの位置がスポット102Aと重なった状態で一定時間停止する場合に限らない。
例えばプレイヤAのオブジェクト103Aの位置がスポット102Aと重なるだけで、スポット102Aから媒体オブジェクトが付与されるようにしてもよい。
また、スポット102Aについて予め定めた範囲内(例えば予め定めた距離以内)に入ることを付与条件としてもよい。この場合、予め定めた範囲内に入れば、プレイヤAのオブジェクト103Aが停止していなくてもよい。
【0039】
さらには、スポット102Aが配置されているエリア101A内にプレイヤAのオブジェクト103Aが入ったことを条件とすることも可能である。いずれにしても、媒体オブジェクトの付与条件は、ゲーム毎に定めることが可能である。
本実施の形態では、スポット102で配布される媒体オブジェクトとして、前述したビリカードと、「カラーカード」と、「アタックカード」を想定する。なお、前述したキャラクタカードも媒体オブジェクトの一例であるが、プレイヤがゲーム内に持ち込む点で、ゲーム内で配布されるビリカードとは異なる。
本実施の形態で想定するカラーカードには、赤、青、黄、白、黒の5色のうちのいずれかの色が付されている。もちろん、例示した色に限らないし、色の数も5色に限らない。
【0040】
なお、本実施の形態で想定するゲームでは、プレイヤが保持するカラーカードの色が揃うとポイントが付与される。
本実施の形態では、2枚のカラーカードの色が揃うたびに1ポイントが付与される。ここでのポイントはプレイヤ毎に累積される。なお、ポイントの累積値(スコア)は、ゲームの終了時の順位付けに使用される。
他の特典には、色が揃った2枚のカラーカードを、プレイヤの取得アイテム領域に紐づけてもよい。
【0041】
アタックカードを保持しているプレイヤは、アタックカードの消費(プレイヤの手札からなくなること)等を条件に、他のプレイヤに対してキャラクタカードを用いた対戦イベントの発動を申し込む権利と、同申し込みを受ける権利をもつ。
【0042】
本実施の形態では、対戦イベントの発動を申し込む側のプレイヤと申し込まれる側のプレイヤとが同じエリア101にいることが要求される。もっとも、ゲームに参加しているプレイヤ同士であれば、対戦イベントを可能としてもよい。
一方のプレイヤから対戦イベントの発動の申し込みがあった場合、以下の2通りのストーリーが考えられる。
【0043】
(1)相手方のプレイヤもアタックカードの消費を選択した場合
各プレイヤがゲーム内に持ち込んだキャラクタカードの攻撃力の数値の大きさで勝ち負けが決まる。攻撃力の数値が相対的に大きいキャラクタカードを保持するプレイヤが勝者となり、攻撃力の数値が相対的に小さいキャラクタカードを保持するプレイヤが敗者となる。
なお、勝者のプレイヤは、敗者のプレイヤが手札に保持するカラーカードの中から1枚を取得する。
【0044】
基本的には、取得するカラーカードの色は選べない。ただし、ゲームのルールによっては、勝者が保持するカラーカードと色が揃うカラーカードを優先的に選択してもよいし、勝者が敗者に対して希望する色を指定してもよい。
敗者のプレイヤがカラーカードを1枚も有していない場合、カラーカードは敗者から勝者に移動しない。代わりに、敗者の1ポイントを勝者に移動させてもよい。
また、攻撃力が同じ場合、対戦イベントは引き分けとして、カラーカードを移動しない。もっとも、攻撃力が同じ場合には、対戦イベントを申し込んだプレイヤの勝ちとしてもよいし、反対に対戦イベントを申し込まれたプレイヤの勝ちとしてもよい。
【0045】
なお、敗者から勝者には2枚以上のカラーカードが移動してもよい。複数枚のカラーカードが移動する場合には、異なる色のカラーカードが移動される。そもそも、カラーカードの色が揃うと手札から消去されるので、手札に同じ色のカラーカードが存在することはないためである。従って、敗者から勝者に同じ色のカラーカードが移動することもない。
異なる色のカラーカードが敗者から勝者に移動することで、勝者側では色が揃う可能性が高くなる。
【0046】
(2)相手方のプレイヤがアタックカードを保持していない場合
対戦イベントを申し込んだ側のプレイヤが勝者となり、申し込まれた側のプレイヤが敗者となる。この場合、勝者のプレイヤは、敗者のプレイヤが保持するカラーカードの中から1枚を取得する。
【0047】
<プレイ画面>
次に、各プレイヤの情報端末20に表示されるプレイ画面について説明する。
プレイ画面は、サーバ10を通じ、各プレイヤに紐付けられた視聴ユーザにも配信される。プレイ画面の配信は、基本的にリアルタイムであるが、蓄積型の配信も可能である。例えばプレイ画面をタイムシフト視聴する場合、サーバ10に蓄積されているプレイ画面が視聴ユーザに配信される。
プレイ画面には、例えばオブジェクト103(
図4参照)の移動や動きを操作するプレイヤの視点から見た画像が表示される。
【0048】
図5は、プレイヤBの情報端末20に表示されるプレイ画面200Bの一例を説明する図である。
図5に示すプレイ画面200Bは、プレイ開始直後の例である。また、プレイ画面200Bは、プレイヤBがオブジェクト103Bの操作に使用する画面である。このため、オブジェクト103Bが、エリア画面201の中央付近に表示されている。
図5の場合、プレイヤBのオブジェクト103Bは、エリア101Bに位置している。このため、エリア101Bのスポット102Bも表示されている。
以下では、プレイヤや視聴ユーザを区別する場合、プレイ画面200A、200B、200C、200D、200X、200Yと表記し、これらを総称する場合、プレイ画面200と表記する。
【0049】
プレイ画面200の上部には、プレイヤBのプレイを支援する情報欄が表示されている。
図5の場合、ノルマ欄202、交換タイミング予告欄203、スコア欄204である。
ノルマ欄202には、ゲームのクリアのために揃えるべき色の数が表示される。
図5の場合、「残り25」である。つまり、最低でも50枚のカラーカードをスポット102から取得して、それらが手元のカラーカードの色と揃う必要がある。
交換タイミング予告欄203には、次回のカード交換タイムまでの秒数が表示される。
スコア欄204には、ゲーム内で取得したポイントの合計値(すなわちスコア)が表示される。カード交換とは、プレイヤ同士が所有するカードといったゲーム媒体(アイテム)を交換することを意味する。
【0050】
この他、プレイ画面200の下部には、プレイヤBの手札置き場205が表示されている。
図5の場合、手札置き場205には、プレイヤBがゲーム空間100に持ち込んだキャラクタカードC1だけが配置されている。なお、
図5に示すプレイ画面200は、ゲームの開始直後の画面である。
手札置き場205には、スポット102Bで付与された媒体オブジェクト、他のプレイヤと交換した媒体オブジェクト、対戦イベントの勝者として他のプレイヤから取得した媒体オブジェクトも配置される。
【0051】
ただし、手札置き場205に配置可能な媒体オブジェクトの最大枚数は5枚である。前述したように、キャラクタカードは、プレイヤBがゲーム空間100に持ち込むカードであるので、ゲーム内で入手される媒体オブジェクトのうち手札置き場205に配置可能な最大枚数は4枚となる。
図5においては、未取得の媒体オブジェクトが配置される位置を破線で表している。
なお、手札置き場205に5枚の媒体オブジェクトが配置されている場合、オブジェクト103がスポット102に移動しても、スポット102から新たな媒体オブジェクトを入手することはできない。
【0052】
また、手札置き場205に5枚の媒体オブジェクトが配置されている場合、他のプレイヤとの対戦イベントに勝利しても新たな媒体オブジェクトを取得することはできない。
もっとも、手札置き場205に5枚の媒体オブジェクトが配置されていても、強制的な媒体オブジェクトの交換は実行が可能である。媒体オブジェクトを交換しても、手札置き場205に配置される媒体オブジェクトの枚数は変化しないためである。
【0053】
図6は、ゲームで使用する媒体オブジェクトの一例を説明する図である。
図6には、8種類の媒体オブジェクトが例示されている。
キャラクタカードC1は、キャラクタ(以下「キャラ」ともいう。)の絵柄と、攻撃力の大きさを示す数値(例えば「攻撃:1000」)と、HPの大きさを示す数値(例えば「HP:150」)で構成される。この他、キャラクタカードC1には、例えばキャラクタの防御力、スキル、属性が示されてもよい。
なお、HPは、体力値(パラメータ値)とも呼ばれ、プレイに必要な生命力を表す。HPは、キャラクタ毎に設定される。
【0054】
「攻撃力」は、相手キャラに与えるダメージの強度をいう。このため、攻撃力の値(パラメータ値)が高いキャラクタは、攻撃力の値が低いキャラクタよりも多くのダメージを相手キャラに与えることができる。反対に、攻撃力の値が低いキャラクタは、攻撃力の値が高いキャラクタよりも相手キャラに与えるダメージが少なくなる。
この他、攻撃力は、攻撃が及ぶ範囲(二次元の場合は2次元空間、三次元の場合は3次元空間で規定される。)、攻撃が持続する時間、攻撃の回数、命中率、同時にヒット可能な敵キャラの数による評価も可能である。
【0055】
「防御力」は、相手キャラからの攻撃によるダメージの受け難さの強度をいう。このため、防御力の値(パラメータ値)が高いキャラクタは、防御力の値が低いキャラクタよりも体力値の減少が少なく済む。反対に、防御力の値が低いキャラクタは、防御力の値が高いキャラクタよりも多くの体力値を失い易くなる。
【0056】
「スキル」は、ゲームの進行を有利にする特別な技能(アビリティ)をいう。技能には、例えばダメージを無効化又は低減する技能、特定の属性との組み合わせにより攻撃力等を増加させる技能、特定の属性との組み合わせにより移動や動きの速度を増加させる技能、特定の属性との組み合わせによりHPを回復又は増加させる技能、他のオブジェクト103からの攻撃を停止又は減少させる技能がある。
【0057】
「属性」は、キャラクタの特性を与える情報の1つである。属性には、例えば火、水、雷、土、木がある。属性は、1つのキャラクタに1つ又は複数与えられる。属性は、固定的に与えられる場合と、一時的に与えられる場合がある。
多くの場合、属性間には相性が定められる。例えば水属性を有するキャラクタは、火属性を有するキャラクタに対して強く、雷属性を有するキャラクタは、水属性を有するキャラクタに対して強く、火属性を有するキャラクタは、木属性を有するキャラクタに強いという具合である。
【0058】
なお、広義の属性には、前述した攻撃力、防御力、スピード、スキル、障害要素も含まれる。例えばあるキャラクタカードC1の攻撃力に対して十分大きい防御力を有する他のキャラクタカードC1は、他のキャラクタカードC1の体力値を「0」にするために多くの攻撃が必要になる。このため、この他のキャラクタカードC1は、あるキャラクタカードC1に対して相性が悪い。
【0059】
カラーカードC2は赤色のカードであり、カラーカードC3は青色のカードであり、カラーカードC4は黄色のカードであり、カラーカードC5は白色のカードであり、カラーカードC6は黒色のカードである。
図6では、説明の都合により、各カードの色を文字で表している。実際には、カードの全体が特定の色で表示されてもよいし、カードに描画されている絵柄や文字が特定の色でもよい。また、各カードの一部分に特定の色が表示されてもよい。
カラーカードC2~C6は、ゲーム内に複数枚用意される。例えば各40枚用意される。もっとも、枚数は無制限でもよい。
【0060】
アタックカードC7は、前述したように、他のプレイヤに対してキャラクタカードC1を使用する対戦イベントの発動の申し込みだけでなく、対戦イベントの発動の申し込みの受諾の選択に使用されるカードである。アタックカードC7も、ゲーム内に複数枚用意される。例えば40枚用意される。なお、枚数は無制限でもよい。
ビリカードC8は、前述したように、ゲームの終了時まで保持していたプレイヤの順位を最下位に定める役割を有するカードであり、ゲーム内に1枚だけ用意される。なお、ビリカードC8は、ゲームの終了時まで保持していたプレイヤを当てる投票にも使用される。
【0061】
<ポイントの取得>
ここでは、ゲームの終了時における順位付けに用いられるポイントの取得の方法について説明する。
図7は、ポイントの取得を説明する図である。(A)は白色のカラーカードC5が揃う直前の手札置き場205の配列を示し、(B)は白色のカラーカードC5が揃った直後の手札置き場205の配列を示し、(C)はポイントを取得した後の手札置き場205の配列を示す。
【0062】
図7に示す手札置き場205の配列の変化は、以下の2つの場合を想定している。
(a)スポット102からカラーカードを取得する場合
(b)対戦イベントの勝者が敗者からカラーカードを取得する場合
本実施の形態で想定するゲームでは、手札置き場205で2枚のカラーカードの色が揃うと、手札置き場205から該当する2枚のカラーカードが消去され、同時に1ポイントがプレイヤのスコアに加算される。
【0063】
<サーバの機能構成>
続いて、サーバ10の機能構成について説明する。
図8は、実施の形態1で使用するサーバ10の機能上の構成例を説明する図である。なお、
図8に示す機能構成は、プログラムの実行を通じて実現される機能部の一例である。
サーバ10は、プレイ画面配信制御部111と、投稿制御部112と、記憶部120とを有している。
このうち、記憶部120は、メモリ12(
図1参照)と補助記憶装置13(
図1参照)により実現される。
【0064】
<記憶部に記憶される情報>
機能部の説明に先立ち、記憶部120に記憶される情報の一例を説明する。
図8に示す記憶部120には、プレイヤ情報121、視聴ユーザ情報122、空間レイアウト情報123、スポット情報124、交換タイミング情報125、媒体オブジェクトの配布規則126、投票の運用規則128、最終順位の決定規則129、プレイ画面表示規則130、投稿規則131等が記憶されている。
【0065】
プレイヤ情報121は、ゲームをプレイするプレイヤの情報である。
図1の例であれば、プレイヤAやプレイヤBに対応する情報である。
プレイヤ情報121には、例えばユーザを特定するユーザID(アカウント)、所属するグループの識別情報、情報端末20のIPアドレス、ゲーム空間100(
図3参照)上でのオブジェクト103(
図4参照)の位置情報、ゲームに持ち込んだキャラクタカードC1(
図6参照)の情報、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトC2~C8の情報、2枚のカラーカードの色が揃うことで手札置き場205から消去されたカラーカードC2~C6の情報(換言すると、取得アイテム領域に保存されたアイテムの情報)、カラーカードC2~C6が交換された時刻、ゲームで取得したポイントの合計値(すなわちスコア)、最終順に応じて付与された報酬、視聴先のプレイ画面の視聴を開始してからの経過時間が含まれる。
【0066】
所属するグループの識別情報(以下「グループ識別情報」という。)は、ユーザのマッチング時(
図2参照)に設定される情報である。グループ識別情報は、例えば「1」、「2」…等の数値や符号により規定してもよく、「グループA」、「グループB」…等の名称により規定してもよい。なお、プレイヤが名称を選択又は入力できる場合には、選択又は入力された名称がグループ識別情報として記憶される。
グループ識別情報は、プレイヤ間における競争関係の有無の識別に使用される。なお、競争関係の有無は、マルチプレイゲーム上の関係を規定する。
【0067】
グループ識別情報が同じプレイヤは、互いに同じグループに属すること、すなわちマルチプレイゲーム上で協力関係にあることを意味する。協力関係にあるプレイヤのプレイは協同プレイの一例である。
一方、グループ識別情報が異なるプレイヤは、互いに異なるグループに属すること、すなわちマルチプレイゲーム上で競争関係にあることを意味する。
ここでのグループ識別情報は、第1の識別情報と第2の識別情報の一例である。
【0068】
視聴ユーザ情報122は、プレイ画面を視聴する視聴ユーザの情報である。
図1の例であれば、視聴ユーザXや視聴ユーザYに対応する情報である。
視聴ユーザ情報122には、例えば視聴ユーザを特定するユーザID(アカウント)、情報端末20のIPアドレス、視聴中のプレイ画面を特定するID(プレイヤのアカウントに紐付けられているID)、視聴中のプレイ画面に紐づけられたプレイヤを特定するユーザID(アカウント)、視聴中のプレイ画面の視聴時間、視聴中のプレイ画面に切り替わる前に視聴していたプレイ画面を特定するID、プレイ画面の切り替え時に切り替え前のプレイ画面で進行していたイベントを特定する情報、メッセージや投げ銭コメントの内容や投稿の時刻、メッセージや投げ銭コメントの投稿に対する報酬、コメントの投稿の可否、コメントの投稿が許可される特定のプレイヤが含まれる。
【0069】
投げ銭コメントの内容には、消費量(額面)の情報、所定価値の支払い先を特定するユーザIDやIPアドレスが含まれる。
投稿に対する報酬には、例えば視聴ユーザが所持する媒体オブジェクトの攻撃力、防御力等の数値をアップさせるオプション権、プレイヤとして他のゲームのプレイ時に使用が可能なオプション権、他のゲームで使用が可能なアイテムやキャラクタカードがある。
【0070】
プレイヤ情報121や視聴ユーザ情報122として記憶されるユーザID等は、例えばプレイヤや視聴ユーザの情報端末20から受信される指示や操作に関するデータと紐付けられている。
もしくは、ユーザID等は、サーバ10に対する指示や操作の送信元である情報端末20のIPアドレス等に基づいて特定され、プレイヤ情報121や視聴ユーザ情報122に記憶される。
【0071】
空間レイアウト情報123は、ゲーム空間100のレイアウトに関する情報である。空間レイアウト情報123は、いわゆるマップ情報である。空間レイアウト情報123により、例えば
図3に例示したゲーム空間100のレイアウトが特定され、オブジェクト103の位置の特定が可能になる。
スポット情報124は、ゲーム空間100に配置されているスポット102の位置と、各スポット102に紐づけられているカラーカードC2~C6の種類と枚数、各スポット102に紐づけられているアタックカードC7の枚数、スポット102に紐づけられたビリカードC8の有無等の情報である。なお、各スポット102に紐づけられるカラーカードC2~C6やアタックカードC7が、オブジェクト103への配布のたびに無制限に補充される仕様の場合には、スポット情報124にカラーカードC2~C6の種類や枚数、アタックカードC7の枚数を含めなくてもよい。
【0072】
交換タイミング情報125は、周期的に実行される交換タイミングを表す情報である。具体的には、30秒から0秒までカウントダウンするカウンターのカウント値である。交換タイミング情報125で特定されるタイミングは、全てのプレイヤに対して共通である。すなわち、プレイヤのオブジェクト103がゲーム空間100内のどの位置にいても同じタイミングが適用される。なお、交換タイミング情報125のカウント値を与えるカウンターは、ゲームの開始と同時にスタートする。また、カウンターのカウント値は0になると同時に30にリセットされ、カウントダウンをスタートする。この動作は、ゲームの終了まで繰り返し実行される。
【0073】
媒体オブジェクトの配布規則126は、スポット102におけるオブジェクト103への媒体オブジェクトの付与の規則を規定する。
この規則には、配布の前提条件が含まれる。前提条件は、オブジェクト103がスポット102と一定時間以上重なる等の条件を満たすことを要求する。
また、この規則には、前提条件を満たすオブジェクト103に付与する媒体オブジェクト、具体的にはカラーカードC2~C6と、アタックカードC7と、存在する場合にはビリカードC8の中から1枚をランダムに抽選する規則が含まれる。
また、この規則には、配布の例外として、付与の対象であるプレイヤの手札置き場205に5枚の媒体オブジェクトが存在する場合が含まれる。
【0074】
投票の運用規則128は、ゲームの終了時までビリカードC8を保持していたプレイヤを当てるアウトゲームの規則を規定する。
この規則では、プレイヤの全てに1票の投票権が与えられること、制限時間内にビリカードを保持していると思う他のプレイヤを投票すること、制限時間内に投票しなかったプレイヤは無投票と扱うこと、ビリカードC8を最後まで保持しているプレイヤの投票は無効票となること、正解者には順位に応じた報酬とは別に特別の報酬が付与されること、正解者が1人もいなかった場合、最後までビリカードを保持していたプレイヤが1位になること等が規定される。
【0075】
最終順位の決定規則129は、原則として、ゲームが終了した時点でスコアが大きい順にプレイヤの順位を決定すること、投票の正解者が1人もいなかった場合には、スコアの大きさとは関係なくビリカードC8を保持しているプレイヤが1位となり、2位以下はスコアの大きさ順に決まること等を規定する。
【0076】
プレイ画面表示規則130は、プレイヤが視認するプレイ画面の表示に関する規則と視聴ユーザが視認するプレイ画面の表示に関する規則を規定する。
プレイ画面表示規則130は、プレイ画面の表示先がプレイヤの情報端末20の場合、プレイ画面の全ての情報の表示を許可する。プレイヤには、自身が操作するオブジェクト103やエリアの情報を知らせる必要があるためである。
一方、プレイ画面表示規則130は、プレイ画面の表示先が視聴ユーザの情報端末20である場合、2種類の規則を用意する。1つの規則は、プレイヤに対する規則と同様、視聴ユーザにプレイ画面の全ての情報の表示を許可する内容であり、他の規則は、ゲームの進行に影響を与えるオブジェクトの少なくとも一部を不可視の態様で表示させる内容である。
【0077】
なお、手札置き場205の媒体オブジェクトを不可視とする表示の仕方には、例えば以下の方法がある。
(a)視聴ユーザの情報端末20に表示されるプレイ画面200には、手札置き場205に何も表示しない。この場合、手札置き場205の位置には、視聴先であるプレイヤのオブジェクト103が位置するエリア101の風景が表示される。
(b)視聴ユーザの情報端末20に表示されるプレイ画面200には、手札置き場205の全体が目隠しオブジェクト(例えば単色の塗りつぶし)で隠される。
【0078】
(c)視聴ユーザの情報端末20に表示されるプレイ画面200には、手札置き場205に配置された媒体オブジェクトのうち内容が分かる部分が目隠しオブジェクト(例えば単色の塗りつぶし)で隠される。ただし、媒体オブジェクトのうち内容が分からない部分は、目隠しオブジェクトで隠されることもなく、視認が可能である。
(d)視聴ユーザの情報端末20に表示されるプレイ画面200には、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの表面(内容の確認が可能な面)が裏返された状態で表示される。この場合、手札置き場205に何枚の媒体オブジェクトが配置されているかは分かるが、キャラクタカードC1の攻撃力の大きさを知ることはできないし、何色のカラーカードを保持しているかを知ることもできないし、アタックカードC7を保持しているかを知ることもできないし、ビリカードC8を保持しているかを知ることもできない。
【0079】
投稿規則131は、切り替え後の視聴先に対するコメントの投稿の可否を判定するための規則である。本実施の形態の場合、切り替え前後の2名のプレイヤが協力関係にある場合には視聴ユーザの投稿を許可する一方、切り替え前後の2名のプレイヤが競争関係にある場合には視聴ユーザの投稿を不許可とすることが定められている。
なお、投稿規則131には、例外規則も記録されている。例外規則の具体例については実施の形態2~9を用いて説明する。
【0080】
<機能部で実行される処理>
以上を踏まえ、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112の具体的な処理内容について説明する。
【0081】
<前提>
改めて、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112が機能する場面を説明する。まず、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112が前提とするプレイヤの参加形態について説明する。
【0082】
図9は、実施の形態1で想定するプレイヤの参加形態と視聴者の視聴先の関係を説明する図である。
図9に示すゲームでは、プレイヤAとプレイヤBとプレイヤCとプレイヤDの4名が参加している。従って、
図9に示すゲームは、マルチプレイゲームである。
図9の場合、プレイヤAとプレイヤBは同じグループAに属している。このため、プレイヤAとプレイヤBは協力関係にある。
また、プレイヤCとプレイヤDは同じグループBに属している。このため、プレイヤCとプレイヤDは協力関係にある。
【0083】
一方で、異なるグループ間には協力関係はない。つまり、グループAに属するプレイヤAとプレイヤBと、グループBに属するプレイヤCとプレイヤDとは互いに競争関係にある。
もっとも、グループ単位で協力関係を規定することも可能である。例えばグループAとグループBを協力関係として規定することも可能である。グループ単位の協力関係の有無は、ユーザマッチング(
図2参照)の時点(換言するとゲームが開始する前)に規定する。
なお、グループに属するプレイヤは1名でもよい。例えばプレイヤEだけが属するグループCがあってもよい。
【0084】
図9の場合、視聴ユーザXはグループAのプレイヤAのプレイ画面200Aを視聴している。説明の都合上、視聴ユーザYによる視聴先は記載していない。
図9では、視聴先の切り替えパターンとして2種類を例示している。
1つは、視聴ユーザXの視聴先がプレイヤAと同じグループAに属するプレイヤBに切り替わる「切り替え#1」であり、1つは、視聴ユーザXの視聴先がプレイヤAと異なるグループBに属するプレイヤCに切り替わる「切り替え#2」である。
【0085】
<プレイ画面配信制御部>
プレイ画面配信制御部111(
図8参照)は、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面200を視聴ユーザが操作する情報端末20に配信する機能部である。プレイ画面配信制御部111は、配信制御部の一例である。
図9の場合、プレイ画面配信制御部111は、視聴ユーザXが操作する情報端末20Xに対し、プレイヤAのプレイ画面200Aを配信する。
【0086】
もちろん、プレイ画面配信制御部111は、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤの情報端末20には、各プレイヤのプレイ画面200を表示する。例えばプレイ画面配信制御部111は、プレイヤAが操作する情報端末20Aには、プレイヤAのプレイ画面200Aを配信し、プレイヤBが操作する情報端末20Bには、プレイヤBのプレイ画面200Bを配信し、プレイヤCが操作する情報端末20Cには、プレイヤCのプレイ画面200Cを配信し、プレイヤDが操作する情報端末20Dには、プレイヤDのプレイ画面200Dを配信する。
【0087】
本実施の形態におけるプレイ画面配信制御部111は、各視聴ユーザの情報端末20に対し、視聴先に選択されたプレイヤのプレイ画面200をそのまま配信する。
すなわち、本実施の形態で想定する視聴ユーザは、視聴先に選定したプレイヤが視聴するプレイ画面200と同一画面の視聴が可能である。
そこで、本実施の形態では、投稿制御部112によって、視聴ユーザによる視聴先へのコメントの投稿を制御する。
【0088】
<投稿制御部>
投稿制御部112(
図8参照)は、視聴ユーザの視聴先が、第1の識別情報(グループA又はB)を有する第1プレイヤのプレイ画面200から第2の識別情報(グループA又はB)を有する第2プレイヤのプレイ画面200に切り替わる場合、第1の識別情報でプレイする第1プレイヤと第2の識別情報でプレイする第2プレイヤのマルチプレイゲーム上の関係に応じ、視聴ユーザが使用する情報端末20から第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する機能部である。投稿可否の制御に際し、投稿制御部112は、投稿規則131(
図8参照)を参照する。
【0089】
ここでの第1の識別情報は、第1プレイヤに対応するグループ識別情報を意味し、第2の識別情報は、第2プレイヤに対応するグループ識別情報を意味する。
例えば第1の識別情報と第2の識別情報は、プレイヤAが属するグループAの識別情報であり、プレイヤBが属するグループAの識別情報であり、プレイヤCが属するグループBの識別情報であり、プレイヤDが属するグループBの識別情報である。
ここでの第1の識別情報と第2の識別情報は、ある視聴ユーザの切り替え前の視聴先と切り替え後の視聴先との関係により定まる。
従って、第1の識別情報と第2の識別情報が示すグループが同じである場合もあれば、異なる場合もある。
【0090】
投稿制御部112は、視聴先を切り替えた視聴ユーザによる切り替え後の視聴先である第2プレイヤに対するコメントの投稿可否の判定に際し、第1プレイヤ(切り替え前の視聴先)と第2プレイヤ(切り替え後の視聴先)の競争関係の有無を、マルチプレイゲームをプレイするプレイヤをマッチングする際に設定されたグループ識別情報に基づいて識別する。
以下では、視聴先の切り替え前後のプレイヤ間の競争関係の有無に応じたプレイ画面の見え方の違いについて説明する。
【0091】
<切り替え#1>
図10は、切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がある場合(切り替え#1)に対応する視聴先の切り替え関係を説明する図である。図中の縦軸は時間軸である。
時点T1において、視聴ユーザXは、プレイヤAのプレイ画面200A(200X)を視聴している。
図10では、説明の都合上、他の視聴ユーザの存在を省略している。
時点T2において、視聴ユーザXは、視聴先の切り替えをサーバ10(
図1参照)に指示する。その結果、サーバ10は、視聴ユーザXに対応する情報端末20Xに対し、指示されたプレイヤのプレイ画面200を配信する。
【0092】
時点T3において、視聴ユーザXは、プレイヤBのプレイ画面200B(200X)を視聴している。ここでのプレイヤBは、視聴先を切り替える前のプレイヤAと同じグループAに属している。すなわち、プレイヤBは、視聴先の切り替え前のプレイヤAと協力関係にある。
【0093】
この場合、投稿制御部112は、プレイヤBに対するコメントの投稿を許可する。このため、視聴ユーザXは、直前まで視聴していたプレイヤAのプレイ画面200Aの内容をプレイヤBに対して投稿することが可能である。
もっとも、プレイヤAとプレイヤBは協力関係にあるので、プレイヤAの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報がプレイヤBに漏洩しても問題はない。むしろ、プレイヤAの正確な情報がプレイヤBに伝わることで、グループA全体での効率的なポイントアップの可能性が高くなる。
【0094】
図11は、切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がある場合におけるプレイ画面200の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例であり、(B)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例である。
図11には、
図5との対応部分に対応する符号を付して示している。
ここでのプレイヤAは第1プレイヤの一例であり、プレイヤBは第2プレイヤの一例である。
【0095】
視聴先の切り替え前における視聴ユーザXの情報端末20Xには、視聴先であるプレイヤAのプレイ画面200Aと同一のプレイ画面200X(
図11(A)参照)が表示されている。
このため、視聴ユーザXは、プレイヤAが保持している媒体オブジェクトの情報をリアルタイムで視認することができる。具体的には、キャラクタカードC1と、赤色と青色と白色の3枚のカラーカードと、ビリカードC8の計5枚の媒体オブジェクトをプレイヤAが保持することを視認可能である。また、視聴ユーザXは、キャラクタカードC1の攻撃力の数値等も視認している。
【0096】
視聴先の切り替え後における視聴ユーザXの情報端末20Xには、視聴先であるプレイヤBのプレイ画面200Bと同一のプレイ画面200X(
図11(B)参照)が表示されている。
このため、視聴ユーザXは、視聴先であるプレイヤBが保持している媒体オブジェクトの情報の視聴も可能である。
ところで、視聴ユーザXが視聴するプレイ画面200Xの右下には、視聴先(すなわちプレイヤB)への投稿が可能であることを示す通知211がポップアップ表示されている。このため、視聴ユーザXは、プレイヤBに対するコメントの投稿が可能であることを画面上で確認することが可能である。
【0097】
なお、通知211の表示は視聴ユーザXが視聴するプレイ画面200Xにのみ表示され、他の視聴ユーザ(例えば視聴ユーザY)が視聴するプレイ画面200には表示されない。また、視聴先であるプレイヤBが視聴するプレイ画面200Bにも表示されない。
もっとも、コメントの投稿が可能である場合にも、
図11(A)に示すプレイ画面200Xのように、画面内に通知211を表示しないことも可能である。
本実施の形態の場合、通知211の表示は、投稿制御部112が制御する。
いずれにしても視聴ユーザXは、プレイヤBに対するコメントの投稿が可能である。
【0098】
図12は、プレイヤBが視聴するプレイ画面200Bの表示例を説明する図である。
図12には、
図5との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12に示すプレイ画面200Bには、視聴ユーザXが投稿したコメント文212が表示されている。
図12の場合、プレイ画面200Bには「Aさんは、赤、青、白を持ってます」が表示されている。なお、プレイ画面200Bには「Aさんは、ビリカードを持ってます」とのコメント文212が表示される可能性もある。
【0099】
なお、
図12に示すプレイ画面200Bは、プレイヤBを視聴先とする視聴ユーザの情報端末20に表示される。すなわち、プレイヤBを視聴先とする全ての視聴ユーザの間で、プレイヤAが保持するカラーカードの色の情報が共有される。
もっとも、プレイ画面200Bに投稿されたコメントが表示されるのは、投稿先のプレイヤBとコメントを投稿した視聴ユーザXに限定してもよい。この場合、プレイヤBのプレイ画面200Bを視聴している他の視聴ユーザは、他の視聴ユーザとの情報の共有を通じたコミュニケーションを楽しむことはできないが、その分、プレイヤAの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報が間接的に漏洩する可能性を低めることができる。
【0100】
ただし、後述する切り替え#2のように、プレイヤBと競争関係にあるプレイヤCやプレイヤDに視聴先を切り替えてもコメントの投稿は許可されないので、投稿されたコメントを投稿先のプレイヤと投稿者に限る効果は限定的ではある。
しかし、視聴先をプレイヤCからプレイヤDに切り替えた場合には、切り替え#1と同様、自由な投稿が許可されるので、プレイヤBのプレイ画面200Bへのコメントの表示の制限により、プレイヤDに対してプレイヤAが保持する媒体オブジェクトが漏洩するリスクを小さくできる。
【0101】
<切り替え#2>
図13は、切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合(切り替え#2)に対応する視聴先の切り替え関係を説明する図である。
図13には、
図10との対応部分に対応する符号を付して示している。
なお、時点T1における視聴先は
図10と同じであり、時点T2に視聴先の切り替えが視聴ユーザXからサーバ10(
図1参照)に指示される点も
図10と同じである。
ここでのプレイヤAは第1プレイヤの一例であり、プレイヤCは第2プレイヤの一例である。
【0102】
相違点は、切り替え後の視聴先である。
図13の場合、視聴ユーザXは、切り替え後の視聴先として、プレイヤCのプレイ画面200Cを指定している。
ところが、
図13に示すように、プレイヤCは、視聴先を切り替える前のプレイヤAとは異なるグループBに属している。すなわち、プレイヤCは、視聴先の切り替え前のプレイヤAと競争関係にある。このように、本実施の形態の場合、視聴ユーザは、競争関係にあるプレイヤ間であっても視聴先の切り替えが自由である。
【0103】
ただし、競争関係にあるプレイヤ間で視聴先が切り替わった場合、投稿制御部112は、新たな視聴先であるプレイヤCに対するコメントの投稿を不許可に設定する。換言すると、投稿制御部112は、プレイヤCに対するコメントの投稿を制限する。
このため、視聴ユーザXは、直前まで視聴していたプレイヤAのプレイ画面200Aの内容をプレイヤCに対して投稿することができない。
プレイヤAと競争関係にあるプレイヤCに対して自由な投稿を認めると、プレイヤAの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報が漏洩した場合にプレイヤAが被る不利益が大きいためである。
【0104】
図14は、切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合におけるプレイ画面200の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例であり、(B)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例である。
図14には、
図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0105】
視聴先の切り替え前における視聴ユーザXの情報端末20Xには、視聴先であるプレイヤAのプレイ画面200Aと同一のプレイ画面200X(
図14(A)参照)が表示されている。
このため、視聴ユーザXは、プレイヤAが保持している媒体オブジェクトの情報をリアルタイムで視認することができる。具体的には、キャラクタカードC1と、赤色と青色と白色の3枚のカラーカードと、ビリカードC8の計5枚の媒体オブジェクトをプレイヤAが保持することを視認可能である。また、視聴ユーザXは、キャラクタカードC1の攻撃力の数値等も視認している。
【0106】
視聴先の切り替え後における視聴ユーザXの情報端末20Xには、視聴先であるプレイヤCのプレイ画面200Cと同一のプレイ画面200X(
図14(B)参照)が表示されている。
このため、視聴ユーザXは、視聴先であるプレイヤCが保持している媒体オブジェクトの情報の視聴も可能である。
ところで、視聴ユーザXが視聴するプレイ画面200Xの右下には、視聴先(すなわちプレイヤC)への投稿が許可されていないことを示す通知213がポップアップ表示されている。このため、視聴ユーザXは、プレイヤCに対してコメントを投稿することができないことを画面上で確認することが可能である。
【0107】
なお、通知213の表示は視聴ユーザXが視聴するプレイ画面200Xにのみ表示され、他の視聴ユーザ(例えば視聴ユーザY)が視聴するプレイ画面200には表示されない。また、視聴先であるプレイヤCが視聴するプレイ画面200Cにも表示されない。
なお、コメントの投稿が許可されていないことの通知は、通知213の表示による方法の他、視聴ユーザXによるコメントの投稿操作を無効化する方法によっても通知が可能である。投稿操作を無効化する際には、同時に、プレイヤCへの投稿を受け付けない旨を表示してもよい。この種の表示により、視聴ユーザは、プレイヤCへの投稿が受け付けられない理由を知ることができる。
本実施の形態の場合、通知213の表示は、投稿制御部112が制御する。
【0108】
<切り替え#3>
図15は、切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合に対応する視聴先の切り替え関係の他の例を説明する図である。
図15には、
図13との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15に示す視聴先の切り替えの方向は、切り替え#2とは反対である。このため、
図15に示す時間軸は、
図13から継続している。
このため、時点T4における視聴ユーザの視聴先はプレイヤCである。
【0109】
この状態で、時点T5に視聴先の切り替えが視聴ユーザXからサーバ10(
図1参照)に指示される。
続いて、時点T6において、視聴ユーザは、視聴先をプレイヤAに切り替えている。つまり、視聴ユーザXが、視聴先を、プレイヤAからプレイヤCに切り替えた後、プレイヤCからプレイヤAに切り替える場合である。この場合の切り替えも、競争関係にあるプレイヤ間における視聴先の切り替えである。
なお、説明上の都合により、ここでのプレイヤAは第1プレイヤの一例であり、プレイヤCは第2プレイヤの一例である。
【0110】
この場合、投稿制御部112は、視聴ユーザXが操作する情報端末20Xから新たな視聴先であるプレイヤAに対する投稿を制限する。
切り替え#1や切り替え#2の場合、視聴ユーザXは、プレイヤAに対するコメントの投稿が許可されていたが、今回の場合、直前の視聴先であるプレイヤCから見てプレイヤAは競争関係にある。このため、コメントの自由な投稿を許可すると、プレイヤCの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報がプレイヤAに漏洩した場合におけるプレイヤCの不利益が大きくなる。
【0111】
図16は、切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合におけるプレイ画面200の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例であり、(B)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例である。
図16には、
図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0112】
視聴先の切り替え前における視聴ユーザXの情報端末20Xには、視聴先であるプレイヤCのプレイ画面200Cと同一のプレイ画面200X(
図16(A)参照)が表示されている。
このため、視聴ユーザXは、プレイヤCが保持している媒体オブジェクトの情報をリアルタイムで視認することができる。具体的には、キャラクタカードC1と、黄色と白色と黒色の3枚のカラーカードと、アタックカードC7の計5枚の媒体オブジェクトをプレイヤCが保持することを視認可能である。また、視聴ユーザXは、キャラクタカードC1の攻撃力の数値等も視認している。
【0113】
視聴先の切り替え後における視聴ユーザXの情報端末20Xには、視聴先であるプレイヤAのプレイ画面200Aと同一のプレイ画面200X(
図16(B)参照)が表示されている。
このため、視聴ユーザXは、視聴先であるプレイヤAが保持している媒体オブジェクトの情報の視聴も可能である。
ところで、視聴ユーザXが視聴するプレイ画面200Xの右下には、視聴先(すなわちプレイヤA)への投稿が許可されていないことを示す通知213がポップアップ表示されている。この通知213は、
図11(A)や
図14(A)に示すプレイヤAのプレイ画面200には表示されていなかった。
しかし、通知213が表示されることで、視聴ユーザXは、プレイヤAに対してコメントを投稿することができないことを画面上で確認することが可能である。
【0114】
<実施の形態1で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、プレイ画面200を視聴中の視聴ユーザは、視聴先のプレイヤを好きなタイミングに自由に切り替えることができる。このため、視聴ユーザは、複数のプレイ画面の視聴を楽しむことができる。すなわち、プレイヤ間の公平性を維持しながらも、視聴ユーザによる自由な視聴先の切り替えを可能にできる。
【0115】
一方で、視聴先の切り替えの前後におけるプレイヤが協力関係にある場合には、制約なしに視聴先のプレイヤに対してコメントを投稿することができる。これにより、コメントの投稿先となったプレイヤは、協力関係にある他のプレイヤが保持するゲームの進行に影響する媒体オブジェクトの情報を知ることができる。その結果、視聴ユーザは、コメントの投稿を通じて、マルチプレイゲーム上の協力関係にある複数のプレイヤのプレイの進行を支援することができる。
【0116】
これに対し、視聴先の切り替えの前後におけるプレイヤが競争関係にある場合には、切り替え後の視聴先に対するプレイヤに対してコメントの投稿が制限される。これにより、各プレイヤが保持するゲームの進行に影響を与える媒体オブジェクトの情報が、視聴ユーザによるコメントの投稿を通じ、競争関係にある他のプレイヤに漏洩するリスクを小さくすることができる。その結果、プレイヤ間の公平性の維持が容易になる。
【0117】
<実施の形態2>
本実施の形態では、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、視聴ユーザが視聴先を切り替える前に視聴していたプレイ画面で進行していた所定のイベントが終了した場合、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対する視聴ユーザの投稿を制限しない機能が追加される。
この機能は、特に、視聴先の切り替わり前後におけるプレイヤが異なるグループに属する場合、すなわち視聴先の切り替わり前後におけるプレイヤが競争関係にある場合に効果を発揮する。
【0118】
ここでの機能の前提となる所定のイベントには、マルチプレイゲームの進行に影響があるイベントである。従って、ゲーム空間100内におけるオブジェクト103の移動は、ここでの「所定のイベント」に当たらない。
所定のイベントには、例えばオブジェクト103がエリア101内のスポット102から媒体オブジェクトを取得するイベント、媒体オブジェクトの自動交換、対戦イベントがある。
【0119】
換言すると、所定のイベントとは、その実行の前後で、各プレイヤの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの組み合わせが変化する可能性があるイベントをいう。媒体オブジェクトの情報が変化前の情報が競争関係にある他のプレイヤに漏洩しても、漏洩されたプレイヤに及ぶ影響は低減されるためである。
【0120】
図17は、切り替え前後のプレイヤの間に協力関係がない場合に対応するプレイ画面200の他の表示例を説明する図である。(A)は視聴先の切り替え後に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例であり、(B)は視聴中に切り替え前に進行していた所定のイベントが終了した場合に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例である。
図17には、
図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
図17(A)に示すプレイ画面200Xは、
図14(B)に示すプレイ画面200Xと同じである。このため、プレイ画面200Xには、「投稿不可」と記述された通知213が表示されている。
【0121】
図17(B)に示すプレイ画面200Xは、視聴先の切り替え直前にプレイヤAのプレイ画面200A上で進行していたイベントが終了した以降に表示される。
例えば切り替え前の視聴先であるプレイヤAと他のプレイヤとの間で媒体オブジェクト(ここでの交換対象はカラーカードとビリカードC8の2種類)の自動交換が実行され、プレイヤAの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報が変化した場合に表示される。
図17(B)に示すプレイ画面200Xの右下には「投稿可能」と記述された通知211が表示されている。このため、視聴ユーザXは、プレイヤAと競争関係にあるプレイヤCに対するコメントの投稿が可能になる。
【0122】
図18は、投稿が制限される期間と投稿が許可される期間の関係を説明する図である。図中の縦軸は時間軸である。
図18では、切り替える前の視聴先をプレイヤAとし、切り替え後の視聴先をプレイヤCとする。
図18の場合、プレイヤAからプレイヤCに視聴先を切り替えた時点で所定のイベントが進行している。このため、この所定のイベントが終了するまでの期間は、プレイヤCに対する投稿が不可である。しかし、所定のイベントが終了すると、プレイヤCに対する投稿が可能になっている。
【0123】
なお、視聴ユーザXがプレイヤCを視聴先としている間に所定のイベントが終了しない場合には、プレイヤCに対するコメントの投稿は許可されないままとなる。
また、視聴ユーザがプレイヤCの次に選択した他のプレイヤがプレイヤCとの間で競争関係にある場合には、切り替えの時点でプレイヤCのプレイ画面200で進行していた所定のイベントが終了するまでは、新たな視聴先へのコメントの投稿が許可されない(すなわち制限される)。
一方で、視聴ユーザがプレイヤCの次に選択した他のプレイヤがプレイヤCとの間で協力関係にある場合には、実施の形態1における切り替え#1と同様、コメントの自由な投稿が許可される。
【0124】
<実施の形態2で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御の場合も、視聴ユーザの視聴先が競争関係にあるプレイヤのプレイ画面200に切り替わった場合に、切り替え前のプレイ画面で進行していたイベントが継続している間は、新たな視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿は許可されない。
しかし、視聴先の切り替え後に、切り替え前の視聴先のプレイヤのプレイ画面で進行していたイベントが終了した場合には、新たな視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を視聴ユーザに許可する。
【0125】
これにより、視聴ユーザは、視聴先の切り替え後も一定の条件を満たせば、コメントを自由に投稿できるようになる。このように、本実施の形態では、一定の条件を満たせば、コメントの投稿が許可されるので、視聴が続く間中、コメントの投稿が一律に禁止される実施の形態1に比して、視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことができる。
なお、視聴の投稿を許可しても、視聴先を切り替える前のプレイ画面200の手札置き場205に配置されていた媒体オブジェクトの組み合わせは、進行していた所定のイベントの終了により変化している可能性が高い。すなわち、視聴ユーザが取得した情報をコメントとして投稿しても、切り替え前のプレイヤが必ずしも不利になるとは限らない。
よって、プレイヤ間のプレイの公平性を担保しながらも、視聴ユーザが視聴先にコメントを投稿する楽しみを奪わずに済む。
【0126】
<実施の形態3>
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、切り替え前の視聴先であるプレイヤAのパラメータと切り替え後の視聴先であるプレイヤB又はプレイヤCのパラメータの大小関係に応じ、視聴ユーザが操作する情報端末20からプレイヤB又はプレイヤCに対するコメントの投稿の可否を制御する機能が追加される。
【0127】
本実施の形態では、実施の形態1における「マルチプレイゲーム上の関係」の他の例について説明する。従って、本実施の形態の場合、切り替え前後における視聴先のプレイヤ間の競争関係の有無は問わない。つまり、協力関係にあるプレイヤが新たな視聴先の場合にも適用される。この点で、本実施の形態における投稿制御部112は、協力関係の有無に基づいて投稿の可否を制御する実施の形態1における投稿制御部112の機能と相違する。
【0128】
本実施の形態では、切り替え前の視聴先であるプレイヤのプレイ上の立場が、切り替え後の視聴先であるプレイヤよりも強い場合、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を許可する一方、切り替え後の視聴先であるプレイヤよりも弱い場合、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を許可しない。すなわち、立場の強いプレイヤには立場の弱い他のプレイヤに対してハンデを与えるが、立場の弱いプレイヤには立場の強い他のプレイヤに対してハンデを与えない制御を採用する。
【0129】
本実施の形態の場合、「立場が強い」とは、切り替え前のプレイヤのプレイ画面200に現れる特定のパラメータの値が、切り替え先のプレイヤのプレイ画面200に現れる特定のパラメータの値よりも所定値以上大きいことをいう。
反対に、「立場が弱い」とは、切り替え前のプレイヤのプレイ画面200に現れる特定のパラメータの値が、切り替え先のプレイヤのプレイ画面200に現れる特定のパラメータの値以下であるか、所定値以上は大きくないことをいう。
ここでの所定値はいわゆるマージンである。もっとも、所定値は「0」でもよい。
【0130】
本実施の形態では、特定のパラメータとして、キャラクタカードC1の攻撃力やスコアを想定する。
キャラクタカードC1の攻撃力の大きさは、対戦イベントにおける勝敗を決定するパラメータである。前述したように、攻撃力が大きい方のプレイヤが勝者となり、敗者が保持するカラーカードのうちの1枚を取得するので、攻撃力の大小関係は、プレイ上の立場の強弱を評価するための指標となる。
スコアの大きさは、ゲームの開始後に各プレイヤが取得したポイントの合計値を示すパラメータである。相対的にスコアが大きいプレイヤは、相対的にスコアが小さいプレイヤよりもゲームの終了に近いので、スコアの大小関係は、プレイ上の立場の強弱を評価するための指標となる。
【0131】
図19は、切り替え前後のプレイヤのパラメータの違いによる投稿の可否の制御例を説明する図である。
図19の場合、プレイヤAと、プレイヤBと、プレイヤCは、それぞれ異なるキャラクタカードC1をゲーム内に持ち込んでいる。
図19の場合、プレイヤAのキャラクタカードC1の攻撃力は850であり、プレイヤBのキャラクタカードC1の攻撃力は1000であり、プレイヤCのキャラクタカードC1の攻撃力は900である。
【0132】
この場合、視聴ユーザの視聴先がプレイヤAからプレイヤBに切り替わる場合、プレイヤBがプレイヤAに対して立場が強い。このため、切り替え先のプレイヤBに対する投稿は許可されない。従って、視聴ユーザは、プレイヤAの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報を含むコメントをプレイヤBに知らせることができない。
反対に、視聴ユーザの視聴先がプレイヤBからプレイヤAに切り替わる場合、プレイヤBがプレイヤAに対して立場が強い。このため、切り替え先のプレイヤAに対する投稿は許可される。従って、視聴ユーザは、プレイヤBの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報を含むコメントをプレイヤAに対して知らせることができる。
【0133】
プレイヤAとプレイヤCの間における視聴先の切り替えとプレイヤBとプレイヤCの間における視聴先の切り替えについても、切り替え後の投稿は、プレイヤAとプレイヤBとの間における視聴先の切り替えと同様である。
すなわち、攻撃力が大きい方のプレイヤから攻撃力が小さい方のプレイヤに視聴先が切り替わる場合には、視聴先のプレイヤに対してコメントの投稿が許可されるが、反対の場合にはコメントの投稿が許可されない。
【0134】
<実施の形態3で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、視聴先のプレイヤが同じグループに属する(すなわち協力関係にある)か、異なるグループに属する(すなわち競争関係にある)かとは無関係に切り換え先のプレイヤに対するコメントの投稿可否の制御を実現できる。
具体的には、視聴ユーザの視聴先が、相対的に立場が強いプレイヤから立場が弱いプレイヤに切り替わる場合には、コメントの投稿を許可することにより、切り替え先のプレイヤを切り替え前のプレイヤより有利にできる。
【0135】
これにより、新たな視聴先となったプレイヤは、コメントを投稿した視聴ユーザの切り替え前の視聴先である特定のプレイヤとの対戦イベントを意図的に回避することが可能になる。また、新たな視聴先となったプレイヤは、特定のプレイヤとの意図的な媒体オブジェクトの自動交換を通じ、効率的にポイントアップを図ることが可能になる。また、特定のプレイヤがビリカードを保持していないことが事前に分かれば、安心して自動交換に応じることも可能になる。
もっとも、特定のプレイヤも、自動交換を通じてポイントアップが可能な場合もあるので、一方的に不利になる訳でもない。
【0136】
本実施の形態の場合、協力関係にあるプレイヤ間における視聴先の切り替えでもコメントの投稿が許可される場合と許可されない場合を設けることができる。
また、競争関係にあるプレイヤ間における視聴先の切り替えでもコメントの投稿が許可される場合と許可されない場合を設けることができる。
このように、視聴先の切り替え前後のプレイヤ間の特定のパラメータの大小関係によりコメントの投稿の可否を制御することにより、視聴ユーザによるコメントの投稿を通じたプレイヤ間のスコアや進行度合いを縮小することが可能になる。
【0137】
<実施の形態4>
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、視聴ユーザが視聴先を切り替える前に視聴していたプレイヤのプレイ画面200に、プレイの進行に影響を与える特定の媒体オブジェクトが含まれていない場合、視聴ユーザが操作する情報端末20から切り換え先の他のプレイヤに対するコメントの投稿を制限しない機能を追加する。
【0138】
本実施の形態も、実施の形態1における「マルチプレイゲーム上の関係」の他の例について説明する。従って、本実施の形態の場合、切り替え前後における視聴先のプレイヤ間の競争関係の有無は問わない。つまり、協力関係にあるプレイヤが新たな視聴先の場合にも適用される。この点で、本実施の形態における投稿制御部112は、協力関係の有無に基づいて投稿の可否を制御する実施の形態1における投稿制御部112の機能と相違する。
【0139】
本実施の形態で想定するゲームの場合、「特定の媒体オブジェクト」には、例えばビリカードC8を想定する。ビリカードC8を保持したままゲームを終了したプレイヤは、例外を除き、プレイヤ間の順位が最下位となる。このため、ビリカードC8を保持していることが他のプレイヤに知られることはゲームの進行上不利になる。
特にゲームが終了する直前にビリカードC8を保持していることが他のプレイヤに知られると、ゲームの終了後に実行される投票(ステップ5)(
図2参照)において最下位が確定するのと同じ意味をもつ。
【0140】
そこで、本実施の形態における投稿制御部112は、視聴先を切り替える前のプレイヤがビリカードC8を保持しない場合には、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を許可するが、視聴先を切り替える前のプレイヤがビリカードC8を保持する場合には、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を許可しない機能を設ける。
【0141】
図20は、切り替え前のプレイヤが手札置き場205に保持している媒体オブジェクトの情報に応じた切り替え後のコメントの投稿の制御を説明する図である。(A)は切り替え後にコメントの投稿が許可される場合を示し、(B)は切り替え後にコメントの投稿が許可されない場合を示す。
図20(A)は、視聴ユーザの視聴先が、プレイヤAからプレイヤBに切り替わる場合を表している。この場合、プレイヤAは、ビリカードC8を有していない。このため、視聴ユーザは、切り替え先であるプレイヤBに対してコメントの投稿が許可される。
図20(A)の場合、プレイヤBを視聴する視聴ユーザのプレイ画面200には、「投稿可能」と記述された通知211が表示されている。
【0142】
図20(B)は、視聴ユーザの視聴先が、プレイヤBからプレイヤAに切り替わる場合を表している。この場合、プレイヤBは、ビリカードC8を有している。このため、視聴ユーザは、切り替え先であるプレイヤAに対してコメントの投稿が許可されない。
図20(B)の場合、プレイヤBを視聴する視聴ユーザのプレイ画面200には、「投稿不可」と記述された通知213が表示されている。
【0143】
<実施の形態4で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、視聴先のプレイヤが同じグループに属する(すなわち協力関係にある)か、異なるグループに属する(すなわち競争関係にある)かとは無関係に切り換え先のプレイヤに対するコメントの投稿可否の制御を実現できる。
具体的には、切り替え前のプレイヤがビリカードC8等の特定の媒体オブジェクトを保持している場合にはコメントの投稿を許可しないことにより、切り替え前のプレイヤがゲームの進行で不利にならないようにできる。
【0144】
<実施の形態5>
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、視聴ユーザが視聴先を切り替える前に視聴していたプレイヤのプレイ画面200に対する視聴ユーザの視聴時間が所定時間未満の場合、視聴ユーザが操作する情報端末20から切り換え先の他のプレイヤに対するコメントの投稿を制限しない機能を追加する。
【0145】
本実施の形態では、実施の形態1で説明した投稿制御部112に対する付加機能について説明する。従って、本実施の形態の場合も、切り替え前のプレイヤと切り替え後のプレイヤが同じグループに属する場合(すなわち協力関係にある場合)にはコメントの投稿を許可するが、切り替え前のプレイヤと切り替え後のプレイヤが異なるグループに属する場合(すなわち競争関係にある場合)にはコメントの投稿を許可しない場合を想定する。
【0146】
本実施の形態では、視聴ユーザによるプレイ画面200の視聴時間が所定時間(例えば2秒)未満のように短い場合を想定している。なお、2秒は一例であり、1秒でも3秒でもよい。
いずれにしても視聴時間が短い場合、プレイ画面200に表示されている全てのオブジェクトの情報を記憶することは難しい。そもそも、短時間のうちに視聴先が切り替わるのは、視聴ユーザが視聴先の指定を間違えた場合に起こり得る。また、視聴先を間違えた場合、視聴ユーザの注意は、正しい視聴先への切り替え画面や切り替え操作に向かう。
【0147】
このため、誤って表示されたプレイ画面200が情報端末20に表示されていても、視聴ユーザの注意は専らプレイ画面200の切り替えに向かう。よって、表示されているプレイ画面200の媒体オブジェクトを視認している実時間は、表面的な時間よりも短くなる。
そこで、本実施の形態における投稿制御部112は、切り替え前のプレイヤのプレイ画面200の視聴時間の長さに応じて、切り替え後のコメントの投稿の可否を制御する。
【0148】
図21は、切り替え直前の視聴時間の違いによるコメントの投稿可否の制御例を説明する図である。(A)は切り替え直前の視聴時間が2秒の場合における制御例であり、(B)は切り替え直前の視聴時間が15秒の場合における制御例である。図中の縦軸は時間軸である。
図21(A)に示す例は、時点T21において、プレイヤAからプレイヤCに視聴先を切り替えた視聴ユーザが、時点T21から2秒後の時点T22にプレイヤCからプレイヤBに視聴先を切り替える場合を表している。
【0149】
この場合、視聴ユーザは、プレイヤCのプレイ画面200Cの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報をほとんど見ていないと考えられる。また、新たな切り替え先のプレイヤBは、プレイヤAとの協力関係にある。そこで、プレイヤBには、視聴ユーザによるコメントの投稿を許可する。換言すると、切り替え直前の視聴時間が短い場合には、直接の切り替え元であるプレイヤCの視聴を無効として扱い、プレイヤAとの関係で次のプレイヤBに対する視聴の可否を制御する。従って、プレイヤCから切り替わった新たな視聴先がプレイヤDである場合には、コメントの投稿を許可しない制御とする。
【0150】
もっとも、2秒間しか視聴しなかったプレイヤCと協力関係にあるプレイヤDに視聴先が切り替わった場合には、プレイヤCが不利益を受けることはないとみなして、視聴ユーザによるコメントの投稿を許可することも可能である。
ただし、この場合には、プレイヤAが保持する媒体オブジェクトの情報が、プレイヤAと競争関係にあるプレイヤDに知られる可能性が生じる。もっとも、実施の形態1の場合にも、同様のコメントの投稿が認められる。
【0151】
図21(B)に示す例は、時点T21において、プレイヤAからプレイヤCに視聴先を切り替えた視聴ユーザが、時点T21から15秒後の時点T23にプレイヤCからプレイヤBに視聴先を切り替える場合を表している。時点T21と時点T23の間の時間差が15秒であることを除き、切り替え先の組み合わせは
図21(A)と同じである。
図21(B)の場合、視聴ユーザは、プレイヤCのプレイ画面200を15秒も視認する時間がある。このため、プレイヤCのプレイ画面200Cの手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの情報を含め、画面全体の情報を視認可能である。
【0152】
このため、切り替え後の視聴先であるプレイヤBに対して視聴ユーザによるコメントの自由な投稿を許すと、競争関係にあるプレイヤCは、プレイヤBに対して著しく不利な立場になる。
そこで、本実施の形態における投稿制御部112は、切り替え後の視聴先であるプレイヤBに対する視聴ユーザによるコメントの投稿を不可に制御する。
【0153】
<実施の形態5で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、切り替え直前の視聴時間の長さが予め定めた所定時間未満の場合には、切り替え直前のプレイヤと切り替え後のプレイヤのマルチプレイゲーム上の関係によらず、コメントの投稿を許可する。
これにより、切り替え直前の視聴先のプレイヤが誤って指定されたが場合に視聴ユーザが被る不都合を回避できる。具体的には、切り替え直前のプレイヤと切り替え後のプレイヤとのマルチプレイゲーム上の形式的な関係によりコメントの投稿が一律に制限される不都合から視聴ユーザを開放できる。
【0154】
もっとも、視聴時間が所定時間未満のプレイヤを無視した先の視聴先のプレイヤと切り替え後のプレイヤとのマルチプレイゲーム上の関係によるコメントの投稿の制御は維持してもよい。
図21(A)におけるプレイヤBがプレイヤDの場合、プレイヤCを除くプレイヤAとプレイヤDの関係が競争関係であるにもかかわらず、視聴ユーザによるコメントの投稿を許可すると、視聴先がプレイヤAからプレイヤDに直接切り替わる場合に比してプレイヤAが不利になるためである。
【0155】
<実施の形態6>
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、いわゆるタイムシフト視聴の場合といわゆるリアルタイム視聴の場合で、視聴ユーザの情報端末20に表示されるプレイ画面200の表示の態様を切り替え制御する機能を用意する。
【0156】
本実施の形態におけるタイムシフト視聴とは、あるプレイヤのプレイ画面200に表示されている情報の他のプレイヤへの流出がプレイヤ間のプレイの公平性を損なわない条件を満たす過去の時刻のプレイ画面200の視聴をいう。
例えば本実施の形態の場合、30秒間隔で同じエリア101に位置するプレイヤ間で、手持ちのカラーカードやビリカードC8の1つがランダムに交換される。このため、交換の実行前に、一方のプレイヤが、交換相手である他方のプレイヤが保持するカラーカードの色やビリカードC8の保持を知っていると、情報の非対称性により自動交換の公平性が損なわれてしまう。
そこで、本実施の形態では、少なくとも現在時刻よりも30秒以上遡った過去の時刻のプレイ画面200の視聴を「タイムシフト視聴」として想定する。もっとも、過去に遡るほど、現在進行中のプレイへの影響は少なくなる。
【0157】
図22は、時間の経過に伴う各プレイヤの手札置き場205にある媒体オブジェクトの変化を説明する図である。
図22には、現在時刻と現在時刻から4分前の時点T31の2つの時制における各プレイヤの手持ちの媒体オブジェクトを表している。
例えば時点T31において、プレイヤAは、キャラクタカードC1と、赤色のカラーカードC2と、アタックカードC7を保持している。また、プレイヤCは、キャラクタカードC1と、黄色のカラーカードC4と、白色のカラーカードC5と、黒色のカラーカードC6と、アタックカードC7を保持している。
【0158】
これに対し、現在時刻において、プレイヤAは、キャラクタカードC1と、青色のカラーカードC3と、黄色のカラーカードC4と、白色のカラーカードC5と、アタックカードC7を保持している。また、プレイヤCは、キャラクタカードC1と、白色のカラーカードC5と、黒色のカラーカードC6を保持している。
4分の間に、各プレイヤが保持する媒体オブジェクトの枚数や内容は大きく変化している。
【0159】
図23は、時制の違いによる視聴ユーザの情報端末20に表示されるプレイ画面200の表示の態様の違いを説明する図である。(A)は視聴ユーザYがタイムシフト視聴中の場合に視聴するプレイ画面200Yの表示例であり、(B)は視聴ユーザYが現在時刻に視聴するプレイ画面200Yの表示例である。
図23には、
図17との対応部分に対応する符号を付して示している。
図23(A)の場合(すなわち、現在時刻の4分前)、視聴ユーザYが視聴するプレイ画面200Yは、プレイヤCのプレイ画面200Cと同一である。この状態で、視聴ユーザYが視聴先をプレイヤCからプレイヤAに変更する場合を考える。
ここでのプレイヤCが第1プレイヤであり、プレイヤAが第2プレイヤである。
【0160】
視聴ユーザが視聴先を切り替える場合、切り換え前と同じ時点のプレイ画面200に表示が切り替わる場合と、現在時刻のプレイ画面200に切り替わる場合がある。
まず、切り換え前と同じ時点のプレイ画面200に表示が切り替わる場合、そもそもコメントを投稿できない。仮にコメントを投稿できたとしても、現在時刻におけるプレイヤAとプレイヤCのプレイへの影響はない。
【0161】
一方、現在時刻のプレイ画面200に切り替わる場合、切り換え前に視聴していたプレイヤCの手持ちの媒体オブジェクトの種類がコメントとしてプレイヤAに投稿されたとしても、
図22で説明したように、現在時刻におけるプレイヤCの手持ちの媒体オブジェクトの種類は4分前とは異なっている。従って、現在時刻に視聴ユーザが視聴先のプレイヤAにコメントを投稿しても、プレイヤAとプレイヤCの間でのプレイの公平性への影響はない。
このため、
図23(B)に示すプレイ画面200Y(すなわち、現在時刻のプレイ画面200Y)には、「投稿可能」と記述された通知211が表示されている。
【0162】
<実施の形態6で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、視聴ユーザYが視聴する時制の違いにより、プレイ画面200Yの表示の態様を切り替えることができる。例えば現在時刻との時間差が所定時間以上離れた時点をタイムシフト再生する場合には、媒体オブジェクトの情報が他のプレイヤに流出しても、現在のプレイへの影響を心配する必要がない。このため、タイムシフトで視聴しているプレイヤCのプレイ画面200Cから競争関係にあるプレイヤAのプレイ画面に視聴先が切り替わっても、視聴ユーザによるコメントの投稿が許可される。
【0163】
<実施の形態7>
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、切り替え前の視聴先にあたるプレイヤのプレイ画面200において、ゲームの進行に影響を与える特定のオブジェクトの少なくとも一部が不可視の態様で表示されている場合、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を制限しない機能を追加する。
【0164】
本実施の形態で説明する機能は、実施の形態1で説明した投稿制御部112による制御の例外である。つまり、切り替えの前後のプレイヤが競争関係にあっても、本実施の形態の場合には、所定の条件を満たすことを前提にコメントの投稿を許可する制御を採用する。所定の条件とは、ゲームの進行に影響を与える特定のオブジェクトの少なくとも一部が不可視の態様で表示されていることである。
【0165】
所定の条件を満たす場合には、視聴先のプレイヤに不利な情報を視聴ユーザが知り得ないか、知り得る情報が制限されるため、切り替え後の新たな視聴先へのコメントの投稿を制限する必要性がそもそも存在しないか、必要性が少ないためである。
ここでの特定のオブジェクトには、キャラクタカードC1、カラーカードC2~C6、ビリカードC8を想定する。
【0166】
以下では、ゲームの進行に影響を与える特定のオブジェクトの少なくとも一部が不可視の態様で表示される例を説明する。
【0167】
<表示例1>
図24は、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112によるプレイ画面200の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤBの情報端末20Bに表示されるプレイ画面200Bの一例を示し、(B)はプレイヤBを視聴先とする視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されるプレイ画面200Xの一例を示す。
ここでのプレイヤBは第1プレイヤの一例である。
【0168】
図24には、
図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
図24の場合、プレイヤBが視認するプレイ画面200Bと視聴ユーザXが視認するプレイ画面200Xとの違いは、手札置き場205の表示の態様である。
図24(A)に示すプレイ画面200Bの場合、手札置き場205に5枚の媒体オブジェクト(すなわち、キャラクタカードC1、カラーカードC2、C3、C5、ビリカードC8)が表示されている。このため、プレイヤBは、自動交換や対戦イベントを通じて、ビリカードC8を他のプレイヤに引き渡すべきことを把握した上でゲームをプレイできる。
【0169】
図24(B)に示すプレイ画面200Xの場合、手札置き場205には、媒体オブジェクトが1枚も表示されていない。このため、視聴ユーザXは、プレイヤBが手札置き場205に何枚の媒体オブジェクトを保持するかも、どの種類の媒体オブジェクトを保持しているかも知り得ない。
このため、視聴ユーザXが視聴先を切り替えてコメントを投稿する場合でも(例えば視聴先をプレイヤBからプレイヤCに切り替えてコメントを投稿する場合でも)、視聴ユーザXによるコメントの投稿を通じ、プレイヤBが保持する媒体オブジェクトの情報が他のプレイヤ(例えばプレイヤC)に漏洩するおそれがない。
【0170】
<表示例2>
図25は、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112によるプレイ画面200の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤBの情報端末20Bに表示されるプレイ画面200Bの一例を示し、(B)はプレイヤBを視聴先とする視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されるプレイ画面200Xの一例を示す。
図25には、
図24との対応部分に対応する符号を付して示している。
図25の場合も、プレイヤBが視認するプレイ画面200Bと視聴ユーザXが視認するプレイ画面200Xとの違いは、手札置き場205の表示の態様である。
因みに、
図25(A)に示すプレイ画面200Bの表示の態様は、
図24(A)に示すプレイ画面200Bと同じである。
【0171】
一方、
図25(B)に示すプレイ画面200Xでは、手札置き場205が目隠しオブジェクト220で隠される点で、
図24(B)に示すプレイ画面200Xと相違する。
図25(B)に示す目隠しオブジェクト220は、単色かつ単一の模様で表現されている。また、目隠しオブジェクト220は、手札置き場205に最大枚数(すなわち5枚)の媒体オブジェクトが配置された場合でも、これらの媒体オブジェクトの全てを隠すことが可能な寸法に定められている。
【0172】
このため、
図25(B)に示すプレイ画面200Xの場合も、視聴ユーザXは、プレイヤBが手札置き場205に何枚の媒体オブジェクトを保持するかも、どの種類の媒体オブジェクトを保持しているかも視認することができない。
なお、目隠しオブジェクト220は、隠されている媒体オブジェクトを一切見えない状態(すなわち不透過)に限らず、隠されている媒体オブジェクトの枚数を視認できる程度の透過性を有してもよい。
【0173】
<表示例3>
図26は、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112によるプレイ画面200の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤBの情報端末20Bに表示されるプレイ画面200Bの一例を示し、(B)はプレイヤBを視聴先とする視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されるプレイ画面200Xの一例を示す。
図26には、
図25との対応部分に対応する符号を付して示している。
図26(B)の場合も、視聴ユーザXが視認するプレイ画面200Xには、目隠しオブジェクト220が表示されている。ただし、
図26(B)の場合、目隠しオブジェクト220は、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの全体を隠していない。
【0174】
すなわち、投稿制御部112は、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの一部分を視聴ユーザXが視認可能な態様で、目隠しオブジェクト220を表示している。
ただし、
図26(B)に示すプレイ画面200Xの場合、目隠しオブジェクト220で隠れていない部分には、媒体オブジェクトの種類を特定又は推定可能な情報は含まれていない。
【0175】
このように、目隠しオブジェクト220の配置と寸法は、目隠しオブジェクト220により隠されない部分に、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの種類を特定又は推定可能な情報が含まれないように定められる。
このため、
図26(B)に示すプレイ画面200Xの表示の態様を採用しても、視聴ユーザXによるコメントの投稿を通じ、プレイヤBが手札置き場205に保持している媒体オブジェクトの種類が他のプレイヤに漏れる心配がない。
一方で、
図26(B)に示すプレイ画面200Xの場合、視聴ユーザXは、プレイヤBが保持している媒体オブジェクトの枚数を知ることができる。
【0176】
<表示例4>
図27は、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112によるプレイ画面200の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤBの情報端末20Bに表示されるプレイ画面200Bの一例を示し、(B)はプレイヤBを視聴先とする視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されるプレイ画面200Xの一例を示す。
図27には、
図26との対応部分に対応する符号を付して示している。
図27(B)の場合、視聴ユーザXが視認するプレイ画面200Xの手札置き場205に配置される媒体オブジェクトは、全て裏返しの状態で表示されている。換言すると、媒体オブジェクトの裏面が表示されている。
【0177】
なお、媒体オブジェクトの裏面にはいずれも同じ模様や色調が描かれており、媒体オブジェクトの種類(例えばキャラクタカードC1、カラーカードC2~C6、アタックカードC7、ビリカードC8)を特定することも推定することもできないようになっている。
つまり、視聴ユーザXは、プレイ画面200Xの視聴を通じ、視聴先であるプレイヤBが保持する媒体オブジェクトの種類を知り得ない。このため、例えばプレイヤBがビリカードC8を保持していることを、視聴ユーザXは知ることはできない。
【0178】
因みに、
図27(B)では、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトが全て裏返されて表示されるプレイ画面200Xについて説明したが、媒体オブジェクトの表面に目隠しオブジェクト220(
図25参照)が1枚単位で配置されていてもよい。
いずれにしても、
図27(B)に示す表示例の場合には、何枚の媒体オブジェクトが手札置き場205に配置されているかを識別可能であるが、各媒体オブジェクトの種類については秘匿性を保つことができる。
このため、視聴ユーザYによるコメントの投稿を通じ、プレイヤBが手札置き場205に保持している媒体オブジェクトの種類が他のプレイヤに漏れる心配がない。
【0179】
<表示例5>
図28は、プレイ画面配信制御部111と投稿制御部112によるプレイ画面200の他の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤBの情報端末20Bに表示されるプレイ画面200Bの一例を示し、(B)はプレイヤBを視聴先とする視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されるプレイ画面200Xの一例を示す。
図28には、
図27との対応部分に対応する符号を付して示している。
図28(B)の場合、視聴ユーザXが視認するプレイ画面200Xの手札置き場205に配置される媒体オブジェクトのうち3枚のみが裏返しの状態で表示され、残る2枚は表面の状態で表示されている。
【0180】
このため、視聴ユーザXは、視聴先であるプレイヤBが手札として5枚の媒体オブジェクトを保持していること、そのうちの2枚はキャラクタカードC1と赤色のカラーカードC2であることを知ることができる。
この表示例の場合、視聴ユーザXは、切り替え後の新たな視聴先であるプレイヤCに対する投稿により、プレイヤBの手札の情報の一部を知らせることが可能になる。このため、プレイヤBは、競争関係にあるプレイヤCに対して不利な立場になるが、キャラクタカードC1の攻撃力は対戦イベントでしか使用しない。
【0181】
また、カラーカードの色が分かるのは1枚だけなので、保持する全ての媒体オブジェクトの情報が漏洩する場合に比してゲームの進行に対する影響は少なく済む。また、1枚のカラーカードの色が分かることで自動交換に応じる機会が増える可能性もある。その結果、保持するビリカードC8を交換相手に渡せる可能性も高くなる。このため、保持する媒体オブジェクトの一部の情報を視聴ユーザに視認可能に表示することが、各プレイヤにとって常に不利益になるとは限らない。
【0182】
なお、
図28の例では、手札置き場205に配置されている5枚の媒体オブジェクトのうちの2枚について、媒体オブジェクトの種類を視認可能な態様で表示しているが、視認可能な態様で表示する媒体オブジェクトの枚数は1枚でもよいし、3枚以上でもよい。
また、本実施の形態では、視認可能に表示する媒体オブジェクトの種類に制限を設けていないが、視認可能に表示する媒体オブジェクトの種類は特定の1つ又は複数の組み合わせに限定してもよい。例えば特定の1つの種類を、キャラクタカードC1に限定してもよいし、カラーカードC2~C6に限定してもよいし、アタックカードC7に限定してもよいし、ビリカードC8に限定してもよい。
【0183】
反対に、視認可能に表示する対象から除外する媒体オブジェクトの種類を予め定めてもよい。例えばアタックカードC7とビリカードC8は、表面を視認可能に表示する対象から除外してもよい。味方同士であっても、ビリカードC8を受け取るとグループ内の順位が不利になるためである。
【0184】
<実施の形態7で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、ゲームの進行に影響を与える特定の媒体オブジェクトの少なくとも一部が不可視の状態で視聴ユーザのプレイ画面200に表示される場合には、マルチプレイゲーム上における関係に応じて一律に切り替え後の視聴先に対するコメントの投稿を制御する場合に比して、視聴ユーザによるコメントの投稿の重度を高めることができる。
また、視聴ユーザによる視聴が可能な媒体オブジェクトの枚数や種類の調整により、プレイヤ間の公平性が損なわれないようにできる。
【0185】
<実施の形態8>
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、切り替え前の視聴先であるプレイヤに対して視聴ユーザが所定価値を付与した場合、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を制限しない機能を追加する。
【0186】
本実施の形態で説明する機能も、実施の形態1で説明した投稿制御部112による制御の例外である。つまり、切り替えの前後のプレイヤが競争関係にあっても、本実施の形態の場合には、所定価値という直接的な利益がプレイヤに付与される場合には、その代償として、他のプレイヤに対するコメントの投稿を許可する制御を採用する。
ここでの「所定価値」は、例えば電子マネー、暗号資産、ポイント等のネットワーク上で交換が可能な情報をいう。本実施の形態では、投げ銭コメントの投稿を通じて、所定価値をプレイヤに付与する。もっとも、所定価値の支払先は、ゲームの場を提供する運営者でもよい。
【0187】
図29は、投げ銭コメントの投稿の有無による切り替え後の視聴先へのコメントの投稿の制御を説明する図である。図中の縦軸は時間軸である。
時点T41において、視聴ユーザXは、視聴先であるプレイヤAに対して投げ銭コメントを投稿している。
図29では、説明の都合上、他の視聴ユーザの存在を省略している。
時点T42において、視聴ユーザXは、視聴先の切り替えをサーバ10(
図1参照)に指示する。その結果、サーバ10は、視聴ユーザXに対応する情報端末20Xに対し、指示されたプレイヤのプレイ画面200を配信する。ここでは、切り替え後の視聴先としてプレイヤCが指定される。
【0188】
時点T43において、視聴ユーザXは、プレイヤCのプレイ画面200C(200X)を視聴している。プレイヤCは、プレイヤAとは異なるグループに属している。このため、実施の形態1の投稿制御部112による制御では、プレイヤCに対するコメントの投稿が制限される。
しかし、
図29の場合には、切り替え前の視聴先であるプレイヤAに対して、視聴ユーザから投げ銭コメントが投稿されている。このため、時点T43において、視聴ユーザは、切り替え後の新たな視聴先であるプレイヤCに対してコメントの投稿が許可される。
【0189】
なお、切り替え後の新たな視聴先へのコメントの投稿を許可する条件は、視聴期間内における投げ銭コメントの投稿の有無に限らない。
ゲームの開始以降における投げ銭コメントの投稿回数が所定回数以上の場合に限り、切り替え前後のプレイヤが競争関係にあっても、コメントの投稿を許可してもよい。ここでの投稿回数は、投稿先のプレイヤ別の投稿回数でもよいし、投稿先のプレイヤを問わない投稿回数でもよい。なお、各回数は、1つのマルチプレイゲーム内でカウントする。
【0190】
例えば
図29の場合であれば、プレイヤAに対する投げ銭コメントの投稿回数が3回目以上になると、プレイヤAと競争関係にある他のプレイヤへの視聴先が切り替わった場合における投げ銭コメントの投稿を許可してもよい。なお、投稿回数は、ゲームの開始以降に投稿された投げ銭コメントの回数の総数でもよいし、現在時刻から遡って所定時間内に投稿された投げ銭コメントの回数でもよい。
なお、プレイヤを問わない投稿回数を採用する場合には、少なくとも切り替え前のプレイヤに対する投げ銭コメントの投稿を条件としてもよい。
【0191】
この他、投げ銭コメントで消費される所定価値の消費量が閾値を超えることを条件としてもよい。例えば100ポイントの投稿の場合には、切り替え後の視聴先に対するコメントの投稿を許可しない制御とするが、1000ポイントの投稿の場合には、切り替え後の視聴先に対するコメントの投稿を許可する制御としてもよい。
また、ここでの消費量は、複数回の投稿で消費された所定価値の累計値でもよい。各回の投稿で消費された所定価値の消費量が閾値未満でも、切り替え前の視聴先であるプレイヤに対する所定価値の消費量が閾値を超えた場合には、切り替え先の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を許可してもよい。
【0192】
<実施の形態8で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、所定価値の消費を伴う投げ銭コメントを投稿した視聴ユーザと、投げ銭コメントを投稿しない他の視聴ユーザとの差別化を実現することができる。すなわち、所定価値の消費を伴う投げ銭コメントを投稿した視聴ユーザには、切り替え前後のプレイヤが競争関係にあっても、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対してコメントの投稿を許可することができる。
【0193】
その結果、切り替え直前の視聴ユーザは、自身が保持する媒体オブジェクト等の情報を競争関係にあるプレイヤに知られることでゲームの進行上の不利益を被るが、一方で、所定価値の獲得という対価を得ることができる。
なお、投げ銭コメントの投稿に代えて、視聴ユーザが所定価値を消費して購入したギフトを視聴先のプレイヤに与えることを、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を許可するトリガーイベントとして用いてもよい。
また、視聴ユーザが所定価値を消費するチケットの購入を、切り替え後の視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を許可するトリガーイベントとして用いてもよい。
【0194】
<実施の形態9>
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した情報処理システム1(
図1参照)を前提として、投稿制御部112の他の表示機能について説明する。
本実施の形態における投稿制御部112には、視聴ユーザによる視聴先の切り替えに際し、現在の視聴先であるプレイヤが視聴ユーザから問い合わせがあった新たな視聴先への投稿を許可した場合、視聴ユーザが操作する情報端末20から切り替え後の新たな視聴先であるプレイヤに対するコメントの投稿を制限しない機能を追加する。
【0195】
図30は、切り替えの前のプレイヤと視聴ユーザのプレイ画面200の表示例を説明する図である。(A)は視聴先であるプレイヤBの情報端末20Bに表示されているプレイ画面200Bの一例であり、(B)は視聴先の切り替え前に視聴ユーザXの情報端末20Xに表示されているプレイ画面200Xの一例である。
図30には、
図16との対応部分に対応する符号を付して示している。
図30(A)に示すプレイヤBのプレイ画面200Bと
図30(B)に示す視聴ユーザXのプレイ画面200Xは基本的に同じである。すなわち、視聴ユーザは、視聴先であるプレイヤBのプレイ画面200Bの全ての情報を視認できる。
【0196】
図30(B)に示す視聴ユーザXのプレイ画面200Xには、視聴先の切り替え先を指示するための切り替え先指定画面230が表示されている。この切り替え先指定画面230は、不図示のメニュー画面上で視聴先の切り替えボタンをクリックすることでポップアップ表示される。
図30(B)に示す切り替え先指定画面230には、マルチプレイゲームに参加している他のプレイヤに対応するボタン231と、視聴ユーザXに求める操作の説明文232と、「実行」ボタン233とが表示されている。
【0197】
本実施の形態の場合、ボタン231として、プレイヤA、プレイヤC、プレイヤD、プレイヤEに対応する4つのボタンが表示されている。
また、説明文232には「ボタンを選択して「実行」ボタンを押してください」と記載されている。
図31は、視聴ユーザXが視聴先の切り替えの実行を指示した場合における切り替え前の視聴先であるプレイヤBのプレイ画面200Bを説明する図である。
図31には、
図30との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0198】
図31に示すプレイ画面200Bには、問い合わせ画面240が表示されている。問い合わせ画面240には、切り替え通知241と、「OK」ボタン242と、「NG」ボタン243とが表示されている。
切り替え通知241には、例えば自身のプレイ画面200Bを視聴している視聴ユーザによる次の視聴先であるプレイヤの情報と、投稿の許可を求める説明文が記述される。
図30に示す切り替え通知241では、「視聴ユーザXがプレイヤDに対するコメントの投稿の許可を求めています」と記述されている。この例では、切り替え通知241に、視聴ユーザの情報も含まれているが、切り替え先であるプレイヤDを特定する情報だけでもよい。
【0199】
プレイヤBが「OK」ボタン242をクリックすると、視聴ユーザXの視聴先の切り替えが有効になり、コメントの投稿も許可される。
一方、プレイヤBが「NG」ボタン243をクリックすると、視聴ユーザXの視聴先の切り替えが有効になるが、コメントの投稿は不許可に設定される。
図32は、プレイヤによるコメントの投稿の可否に応じた視聴ユーザXが視聴するプレイ画面200Dの表示例を説明する図である。(A)は切り替え後の視聴先であるプレイヤDへのコメントの投稿が許可された場合におけるプレイ画面200Xの表示例であり、(B)は切り替え後の視聴先であるプレイヤDへのコメントの投稿が不許可の場合におけるプレイ画面200Xの表示例である。
【0200】
図32では、視聴先の切り替え先がプレイヤDの場合を想定している。
図32(A)に示すように、切り替え後の視聴先に対するコメントの投稿をプレイヤBが許可した場合、視聴ユーザXのプレイ画面200Xには、「投稿可能」と記述された通知211が表示される。このため、視聴ユーザXは、プレイヤDに対するコメントの投稿が可能であることを知ることができる。
一方、
図32(B)に示すように、切り替え後の視聴先に対するコメントの投稿をプレイヤBが許可しなかった場合、視聴ユーザXのプレイ画面200Xには、「投稿不可」と記述された通知213が表示される。このため、視聴ユーザXは、プレイヤDに対してコメントを投稿できないことを知ることができる。
【0201】
なお、現実には、視聴ユーザの人数は多数である。このため、各プレイヤが視聴するプレイ画面200に多数の問い合わせ画面240が一度に表示されると、プレイヤのプレイの進行を妨げることになりかねない。そこで、プレイヤに対し、問い合わせ画面240を表示するか否かを設定する権限を与えてもよいし、表示する問い合わせ画面240の数を指定する権限を付与してもよい。
また、プレイ画面200上に問い合わせ画面240を表示させない場合には、実施の形態1で説明したように、切り替え前後におけるプレイヤ間のマルチプレイゲーム上における関係に応じ、投稿の可否を投稿制御部112が制御してもよい。
また、各プレイヤによって、視聴先の切り替え後のコメントの投稿を許可する他のプレイヤが事前に指定されている場合には、投稿制御部112が、コメントの投稿に対する可否を自動的に判定し、視聴ユーザにフィードバックしてもよい。
【0202】
<実施の形態9で得られる効果>
本実施の形態で説明したサーバ10の制御によれば、視聴ユーザによる視聴先の切り替え後のコメントの投稿の可否をプレイヤが管理することが可能になる。
このため、マルチプレイゲーム上の関係に応じたコメントの投稿の制御に対する例外として、各プレイヤが視聴先の切り替え後のコメントの投稿の可否を管理することが可能になる。
【0203】
<他の実施の形態>
発明の形態は、前述した実施の形態に限らない。例えば各実施の形態の要素を適宜組み合わせることも可能である。
(1)前述の実施の形態では、ゲーム内で配布される媒体オブジェクトとして「カラーカード」、「アタックカード」、「ビリカード」の三種類を例示したが、ゲーム内で使用する通貨、ゲーム内で取引される物品、モンスターその他のキャラクタ、オブジェクトやキャラクタカードに装備する備品や能力、数字と絵柄が描画されたいわゆるトランプカードでもよい。
【0204】
(2)前述の実施の形態では、手札置き場205に新たに関連付けられる1枚のカラーカードC2~C6の色と、手札置き場205に配置済みであるカラーカードC2~C6のいずれか1枚と色が揃う場合(すなわち2枚の色が揃う場合)にプレイヤに対してポイントを付与する場合について説明したが、3枚以上の色が揃うことを条件にポイントを付与してもよい。
【0205】
(3)前述の実施の形態では、手札置き場205に配置可能な媒体オブジェクトCの最大枚数を5枚に定めているが、最大枚数は6枚以上でもよいし、最大枚数を与える制限をなくしてもよい。
【0206】
(4)前述の実施の形態では、プレイヤが操作するオブジェクト103がスポット102に一定時間以上位置する等の位置条件を満たす場合に、対象のスポット102に紐づけられている媒体オブジェクトC2~C8の中から選択された1枚がオブジェクト103に対応するプレイヤの手札置き場205に関連付ける場合について説明したが、スポット102で一度に付与される又は取得可能な媒体オブジェクトCの枚数は2枚以上でもよい。
【0207】
(5)前述の実施の形態では、プレイヤが操作するオブジェクト103がスポット102に一定時間以上位置する等の位置条件を満たす場合に、対象のスポット102に紐づけられている媒体オブジェクトC2~C8の中から選択された1枚がオブジェクト103に対応するプレイヤの手札置き場205に関連付ける場合について説明したが、スポット102で付与される又は取得可能な媒体オブジェクトCの枚数は、その都度、ランダムに決定してもよい。例えば0枚でもよいし、2枚でもよい。
【0208】
(6)前述の実施の形態では、ゲーム内で入手可能なカラーカードの色が揃うとポイントが付与されているが、所定のゲーム効果を特典として付与してもよい。
例えば手札として持ち込んだキャラクタカードC1の攻撃力等をアップさせる効果を付与してもよい。ゲーム効果が発動する期間は、例えば30秒等の制限を付してもよい。
例えばスポット102に配布される媒体オブジェクトにより自身の手札と色が揃う確率を高めてもよい。
例えば他のプレイヤとの自動交換の場合に色が揃う可能性を高めてもよい。
【0209】
(7)前述の実施の形態では、プレイヤに対して不利なゲーム効果を与える特定オブジェクトとしてビリカードC8を例示したが、他の種類の媒体オブジェクトでもよい。例えばトランプゲームにおけるジョーカーのように多様な役割を有する媒体オブジェクトでもよい。また、特定オブジェクトは、特殊な色や数字等でもよい。
【0210】
(8)前述の実施の形態では、プレイヤに対して不利なゲーム効果が、ゲームの終了時に発動する場合について説明したが、ゲーム中に発動してもよい。
例えば特定オブジェクトを保持しているプレイヤは、一定時間、スポット102における媒体オブジェクトのランダム抽選にて不利な扱いを受ける、周期的に実行される自動交換を1~数回スキップされる、周期的に実行される自動交換において他のプレイヤ等から受け取る媒体オブジェクトで不利な扱いを受ける、ゲーム内の移動速度が遅くなる、他のプレイヤとの対戦イベントにおいて不利な扱いを受ける仕様としてもよい。
【0211】
(9)前述の実施の形態では、プレイヤ間における特定カードの自動交換を30秒毎に実行する場合について説明したが、プレイヤ間における特定カードの自動交換は不定期に実行してもよい。この場合、交換タイミング予告欄203の数値が実行回毎にランダムに変化する。
【0212】
(10)前述の実施の形態では、プレイヤが所持するキャラクタカードC1の中から1枚をゲーム内に持ち込む場合について説明したが、持ち込む枚数は複数枚でもよい。一方で、キャラクタカードC1を使用しないゲームでは、キャラクタカードC1を持ち込まなくてもよい。また反対に、複数枚のキャラクタカードC1をゲーム内に持ち込んでデッキを構成してもよい。
【0213】
(11)前述の実施の形態では、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトを目隠しオブジェクト220で隠す領域として説明したが、ノルマ欄202やスコア欄204を目隠しオブジェクト220で隠してもよい。スコアが分かると、自身との順位の上下関係が分かるので、ゲームの進行の戦略性が変化するためである。
【0214】
(12)前述の実施の形態では、手札置き場205に配置されている媒体オブジェクトの全体を目隠しオブジェクト220で隠す場合や媒体オブジェクトの種類や内容を視認又は推測できないように媒体オブジェクトを目隠しオブジェクト220で隠す場合(例えば
図25参照)について説明したが、キャラクタカードC1の攻撃力の部分だけを目隠しオブジェクト220で隠す領域に設定してもよい。
【0215】
(13)前述の実施の形態では、プレイヤが保持する媒体オブジェクトを目隠しオブジェクト220で隠す対象として説明したが、ゲームの種類によっては、ゲームの進行に影響を与えるオブジェクト103のプレイ画面上での行動や行動に起因してプレイ画面上に配置されたオブジェクトを不可視の態様で表示してもよい。例えばエリア101に落とし穴や移動を制限する壁を設定する行動や行動に起因して配置された落とし穴や壁を視聴ユーザには不可視としてもよい。
【0216】
(14)前述の実施の形態では、ゲームで使用する媒体オブジェクトの一例としてカード型のオブジェクトを例示したが、ゲームで使用するキャラクタやアイテム等を表すオブジェクトでもよい。
【0217】
(15)前述の実施の形態では、マルチプレイゲーム上の関係を与える情報としてグループ識別情報を例示したが、プレイヤ情報121(
図8参照)を用いてマルチプレイゲーム上の関係を与えてもよい。例えばプレイヤが属する年代や地域、プレイヤのプレイ実績等を用いてグループを決定してもよい。
【0218】
(16)前述の実施の形態3では、視聴先を切り替える前後におけるプレイヤの「マルチプレイゲーム上の関係」を与えるパラメータとしてキャラクタカードC1の攻撃力とゲーム内で獲得したスコアを例示したが、キャラクタカードC1の防御力でもよいし、プレイヤのHP値でもよいし、プレイヤの経験値でもよいし、オブジェクト103の能力値(例えば移動速度、スキル、属性)、オブジェクト103が保持するアイテムの種類や強度値でもよい。
パラメータとして属性を使用する場合には、属性間の相性により立場上の強弱を決定する。
【0219】
パラメータとしてアイテムを使用する場合には、アイテム間の相性により立場上の強弱を決定する。
パラメータとしてアイテムの強度値を使用する場合には、強度値の大小関係により立場上の強弱を決定する。
また、ここでのパラメータには、過去のプレイの成績を反映したプレイヤのランクを用いてもよい。
【0220】
また、複数枚のキャラクタカードC1をゲーム内に持ち込み可能な場合や複数枚のキャラクタカードで構成されるデッキを使用してプレイする場合、ここでのパラメータには、複数枚のキャラクタカードの総合力(例えば攻撃力や防御力の合計値、複数枚のキャラクタカードのうちの攻撃力の最大値や防御力の最大値)を用いてもよい。
【0221】
(17)前述の実施の形態4では、「特定の媒体オブジェクト」としてビリカードC8を想定したが、例えばゲームの進行において有利な媒体オブジェクトであってもよい。
例えば最強の攻撃力を有するキャラクタカードC1を保持していることを他のプレイヤに知られてしまうと、対戦イベントにより他のプレイヤからカラーカードを取得する機会が失われてしまうためである。なお、最強の攻撃力に代えて最強の防御力や能力でもよい。また、オブジェクト103が特定の能力値(例えば移動速度、スキル、属性)を有することを規定する媒体オブジェクトでもよい。
【0222】
上述の実施の形態では、1つのゲーム事例を題材にして解説したが、本願に記載の機能は、上記のようなゲームに限定されず適用が可能である。例えば、ユーザ同士がキャラクタを操作して戦う格闘ゲームやユーザ同士がパズルゲームを用いて戦うゲーム、オブジェクトを破壊して点数を競うシューティングゲーム等であってもよい。
同様に、ゲーム以外であっても教育を題材としたコンテンツ等に適用し、テストの答案を不可視やテストのヒントを不可視にしたりしてもよい。また、関連した問題を解いているユーザ同士の関係性に応じて配信画面の移動先の視聴者の視聴や視聴時の所定の操作を制御してよい。
各実施の形態は、適宜どの実施の形態と組み合わせて実行してよい。
【0223】
<まとめ>
以下に、実施の形態で説明した情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴を示す。
[汎用課題]
本発明の目的の1つは、視聴者による複数の配信者の配信の再生に基づく情報の漏洩を低減することである。
【0224】
[付記1]に対応する課題
本発明の目的の1つは、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないことである。
[付記1]マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信する配信制御部と、視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、第1の識別情報でプレイする第1プレイヤと第2の識別情報でプレイする第2プレイヤのマルチプレイゲーム上の関係に応じ、視聴者が使用する端末から第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する投稿制御部と、を有する情報処理装置。
この情報処理装置により、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないようにできる。
【0225】
[付記2]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第1プレイヤと第2プレイヤが競争関係にある場合には第2プレイヤに対する投稿を制限して第1プレイヤを保護することである。
[付記2]第1プレイヤと第2プレイヤとが競争関係にある場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、第1プレイヤと第2プレイヤが競争関係にある場合には第2プレイヤに対する投稿を制限して第1プレイヤを保護できる。
【0226】
[付記3]に対応する課題
本発明の目的の1つは、競争関係をマルチプレイゲーム毎に設定可能にすることである。
[付記3]投稿制御部は、第1プレイヤと第2プレイヤの間の競争関係の有無を、マルチプレイゲームをプレイするプレイヤをマッチングする際に設定されたグループ識別情報に基づいて識別する、付記2に記載の情報処理装置。
これにより、競争関係をマルチプレイゲーム毎に設定可能にできる。
【0227】
[付記4]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第1プレイヤと第2プレイヤが競争関係にある場合には第1プレイヤに対する投稿を制限して第2プレイヤを保護することである。
[付記4]視聴者の視聴先が、第2プレイヤのプレイ画面から第1プレイヤのプレイ画面に戻る場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第1プレイヤに対する投稿を制限する、付記2に記載の情報処理装置。
これにより、第1プレイヤと第2プレイヤが競争関係にある場合には第1プレイヤに対する投稿を制限して第2プレイヤを保護できる。
【0228】
[付記5]に対応する課題
本発明の目的の1つは、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことである。
[付記5]視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた第1プレイヤのプレイ画面で進行していた所定のイベントが終了した場合、投稿制御部は、切り替え後の視聴先である第2プレイヤに対する視聴者の投稿を制限しない、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことができる。
【0229】
[付記6]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第1プレイヤと第2プレイヤの競争関係の有無に応じて第2プレイヤに対する投稿を制御することである。
[付記6]第1プレイヤと第2プレイヤがマルチプレイゲーム上で協力関係にある場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限せず、第1プレイヤと第2プレイヤがマルチプレイゲーム上で競争関係にある場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、第1プレイヤと第2プレイヤの競争関係の有無に応じて第2プレイヤに対する投稿を制御できる。
【0230】
[付記7]に対応する課題
本発明の目的の1つは、競争関係以外の関係による投稿の可否を制御することである。
[付記7]投稿制御部は、第1プレイヤのパラメータと第2プレイヤのパラメータの大小関係に応じ、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、競争関係以外の関係による投稿の可否を制御できる。
【0231】
[付記8]に対応する課題
本発明の目的の1つは、パラメータが大きい方にはハンデを与えることである。
[付記8]第1の識別情報を有する第1プレイヤのパラメータが第2の識別情報を有する第2プレイヤのパラメータよりも所定値以上大きい場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限しない、付記7に記載の情報処理装置。
これにより、パラメータが大きい方にはハンデを与えることができる。
【0232】
[付記9]に対応する課題
本発明の目的の1つは、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことである。
[付記9]視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面に、プレイの進行に影響を与える特定のオブジェクトが含まれていない場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限しない、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことができる。
【0233】
[付記10]に対応する課題
本発明の目的の1つは、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことを目的とする。
[付記10]視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた第1プレイヤのプレイ画面に対する視聴者の視聴時間が所定時間未満の場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限しない、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことができる。
【0234】
[付記11]に対応する課題
本発明の目的の1つは、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことを目的とする。
[付記11]視聴者が視聴先を切り替える前に視聴していた第1プレイヤのプレイ画面において、ゲームの進行に影響を与える特定のオブジェクトの少なくとも一部が不可視の態様で表示されている場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限しない、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、コメントの投稿を一律に禁止する場合に比して視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことができる。
【0235】
[付記12]に対応する課題
本発明の目的の1つは、所定価値の付与を条件として視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことである。
[付記12]第1プレイヤに対して視聴者が所定価値を付与した場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限しない、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、所定価値の付与を条件として視聴ユーザによる投稿の楽しみを増やすことできる。
【0236】
[付記13]に対応する課題
本発明の目的の1つは、情報の漏洩元となるプレイヤによる投稿の管理を可能にすることである。
[付記13]視聴者による視聴先の切り替えに際し、第1プレイヤが当該視聴者の新たな視聴先への投稿を許可した場合、投稿制御部は、視聴者が操作する端末から第2プレイヤに対する投稿を制限しない、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、情報の漏洩元となるプレイヤによる投稿の管理を可能にできる。
【0237】
[付記14]に対応する課題
本発明の目的の1つは、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないことである。
[付記14]プロセッサが、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信する処理と、視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、第1の識別情報でプレイする第1プレイヤと第2の識別情報でプレイする第2プレイヤのマルチプレイゲーム上の関係に応じ、視聴者が使用する端末から第2プレイヤに対する投稿の可否を制御する処理とを実行する情報処理方法。
この情報処理方法により、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないようにできる。
【0238】
[付記15]に対応する課題
本発明の目的の1つは、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないことである。
[付記15]プロセッサに、マルチプレイゲームをプレイ中の各プレイヤのプレイ画面を視聴者が操作する端末に配信させ、プロセッサに、視聴者の視聴先が、第1の識別情報を有する第1プレイヤのプレイ画面から第2の識別情報を有する第2プレイヤのプレイ画面に切り替わる場合、第1の識別情報でプレイする第1プレイヤと第2の識別情報でプレイする第2プレイヤのマルチプレイゲーム上の関係に応じ、視聴者が使用する端末から第2プレイヤに対する投稿の可否を制御させる処理を実行させるプログラム。
このプログラムにより、視聴者による複数のプレイヤのプレイ画面の視聴を可能にしつつもゲーム性を損なわないようにできる。
【符号の説明】
【0239】
1…情報処理システム、10…サーバ、11…プロセッサ、12…メモリ、13…補助記憶装置、14…通信インタフェース、20、20A、20B、20C、20D、20X、20Y…情報端末、100…ゲーム空間、101、101A、101B、101C…エリア、102、102A、102B、102C…スポット、103、103A、103B、103C、103D…オブジェクト、111…プレイ画面配信制御部、112…投稿制御部、120…記憶部、121…プレイヤ情報、122…視聴ユーザ情報、123…空間レイアウト情報、124…スポット情報、125…交換タイミング情報、126…媒体オブジェクトの配布規則、128…投票の運用規則、129…最終順位の決定規則、130…プレイ画面表示規則、200…プレイ画面、201…エリア画面、202…ノルマ欄、203…交換タイミング予告欄、204…スコア欄、205…手札置き場、211、213…通知、212…コメント文、220…目隠しオブジェクト、230…切り替え先指定画面、240…問い合わせ画面