(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024090269
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】レベルシフトダウン回路、モータドライバ回路、電子機器
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0185 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
H03K19/0185 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022206038
(22)【出願日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】杉江 尚
【テーマコード(参考)】
5J056
【Fターム(参考)】
5J056AA19
5J056AA29
5J056AA37
5J056BB02
5J056CC02
5J056CC21
5J056DD13
5J056DD39
(57)【要約】
【課題】高速動作が可能なレベルシフトダウン回路を提供する。
【解決手段】インバータ16は、入力信号INを反転する。第1トランジスタM1および第2トランジスタM2は、Pチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであり、第1トランジスタM1は、ソースが第1ハイサイドライン13と接続され、ゲートに入力信号INを受ける。第2トランジスタM2は、ソースが第1ハイサイドライン13と接続され、ゲートにインバータ16の出力信号を受ける。第5トランジスタM5は、ドレインが第2ハイサイドライン14と接続され、ソースが出力ノード12と接続され、ゲートが第1トランジスタM1のドレインと接続される。第6トランジスタM6は、ソースがローサイドライン15と接続され、ドレインが出力ノード12と接続され、ゲートが第2トランジスタM2のドレインと接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を受ける入力ノードと、
出力ノードと、
第1電圧が発生している第1ハイサイドラインと、
第2電圧が発生している第2ハイサイドラインと、
第3電圧が発生しているローサイドラインと、
入力信号を反転するインバータと、
ソースが前記第1ハイサイドラインと接続され、ゲートに入力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第1トランジスタと、
ソースが前記第1ハイサイドラインと接続され、ゲートに前記インバータの出力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第2トランジスタと、
ソースが前記ローサイドラインと接続され、ドレインが前記第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第3トランジスタと、
ソースが前記ローサイドラインと接続され、ドレインが前記第2トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第4トランジスタと、
ドレインが前記第2ハイサイドラインと接続され、ソースが前記出力ノードと接続され、ゲートが前記第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第5トランジスタと、
ソースが前記ローサイドラインと接続され、ドレインが前記出力ノードと接続され、ゲートが前記第2トランジスタのドレインと接続された第6トランジスタと、
を備える、レベルシフトダウン回路。
【請求項2】
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタは、共通のウェルに形成された、請求項1に記載のレベルシフトダウン回路。
【請求項3】
前記第3トランジスタおよび前記第4トランジスタは、共通のウェルに形成された、請求項1または2に記載のレベルシフトダウン回路。
【請求項4】
前記第3電圧は、接地電圧である、請求項1または2に記載のレベルシフトダウン回路。
【請求項5】
前記第3電圧は、スイッチング電圧であり、
前記第2電圧は、前記スイッチング電圧よりも所定電圧、相対的に高い電圧である、請求項1または2に記載のレベルシフトダウン回路。
【請求項6】
ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタを含むブリッジ回路と、
前記ハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドドライバ回路と、
ロジック回路と、
前記ロジック回路と前記ハイサイドドライバ回路との間の信号の伝送経路に設けられた請求項1または2に記載のレベルシフトダウン回路と、
を備える、モータドライバ回路。
【請求項7】
モータと、
前記モータを駆動する請求項6に記載のモータドライバ回路と、
を備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レベルシフトダウン回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路において、情報の伝送に、ハイ、ローの二値を取る二値信号が利用される。ハイレベル電圧とローレベル電圧の差が異なる2つの領域を跨いで二値信号を伝送したい場合、レベルシフト回路が利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハイレベル電圧が20Vを超える箇所に利用されるレベルシフト回路は、耐圧を考慮して設計する必要があり、高速化が難しい。
【0004】
本開示は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、高速動作が可能なレベルシフトダウン回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある態様はレベルシフトダウン回路に関する。レベルシフトダウン回路は、入力信号を受ける入力ノードと、出力ノードと、第1電圧が発生している第1ハイサイドラインと、第2電圧が発生している第2ハイサイドラインと、第3電圧が発生しているローサイドラインと、入力信号を反転するインバータと、ソースが第1ハイサイドラインと接続され、ゲートに入力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第1トランジスタと、ソースが第1ハイサイドラインと接続され、ゲートにインバータの出力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第2トランジスタと、ソースがローサイドラインと接続され、ドレインが第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第3トランジスタと、ソースがローサイドラインと接続され、ドレインが第2トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第4トランジスタと、ドレインが第2ハイサイドラインと接続され、ソースが出力ノードと接続され、ゲートが第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第5トランジスタと、ソースがローサイドラインと接続され、ドレインが出力ノードと接続され、ゲートが第2トランジスタのドレインと接続された第6トランジスタと、を備える。
【0006】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本開示のある態様によれば、高速動作が可能なレベルシフトダウン回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るレベルシフトダウン回路の回路図である。
【
図2】
図2は、比較技術1に係るレベルシフトダウン回路の回路図である。
【
図3】
図3は、比較技術2に係るレベルシフトダウン回路の回路図である。
【
図4】
図4は、比較技術3に係るレベルシフトダウン回路の回路図である。
【
図5】
図5は、レベルシフトダウン回路を備えるモータドライバ回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0010】
一実施形態に係るレベルシフトダウン回路は、入力信号を受ける入力ノードと、出力ノードと、第1電圧が発生している第1ハイサイドラインと、第2電圧が発生している第2ハイサイドラインと、第3電圧が発生しているローサイドラインと、入力信号を反転するインバータと、ソースが第1ハイサイドラインと接続され、ゲートに入力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第1トランジスタと、ソースが第1ハイサイドラインと接続され、ゲートにインバータの出力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第2トランジスタと、ソースがローサイドラインと接続され、ドレインが第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第3トランジスタと、ソースがローサイドラインと接続され、ドレインが第2トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第4トランジスタと、ドレインが第2ハイサイドラインと接続され、ソースが出力ノードと接続され、ゲートが第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第5トランジスタと、ソースがローサイドラインと接続され、ドレインが出力ノードと接続され、ゲートが第2トランジスタのドレインと接続された第6トランジスタと、を備える。
【0011】
この構成によると、抵抗を用いたプルアップ形式を利用していないため、高速動作が可能となる。
【0012】
一実施形態において、第1トランジスタおよび第2トランジスタは、共通のウェルに形成されてもよい。これにより回路面積を小さくできる。
【0013】
一実施形態において、第3トランジスタおよび第4トランジスタは、共通のウェルに形成されてもよい。
【0014】
一実施形態において、第3電圧は、接地電圧であってもよい。
【0015】
一実施形態において、第3電圧は、スイッチング電圧であり、第2電圧は、スイッチング電圧よりも所定電圧、相対的に高い電圧であってもよい。
【0016】
一実施形態に係るモータドライバ回路は、ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタを含むブリッジ回路と、ハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドドライバ回路と、ロジック回路と、ロジック回路とハイサイドドライバ回路との間の信号の伝送経路に設けられた上述のいずれかのレベルシフトダウン回路と、を備えてもよい。
【0017】
一実施形態に係る電子機器は、モータと、モータを駆動するモータドライバ回路と、を備えてもよい。
【0018】
(実施形態)
以下、好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0019】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0020】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0021】
なお本明細書において参照する波形図やタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化され、あるいは誇張もしくは強調されている。
【0022】
図1は、実施形態に係るレベルシフトダウン回路10の回路図である。レベルシフトダウン回路10は、入力ノード11に入力信号INを受け、レベルシフトダウンし、出力ノード12からレベルシフトダウン後の出力信号OUTを出力する。
【0023】
レベルシフトダウン回路10は、出力ノード12、第1ハイサイドライン13、第2ハイサイドライン14、ローサイドライン15、インバータ16、第1トランジスタM1~第6トランジスタM6を備える。
【0024】
第1ハイサイドライン13には、第1電圧V1が発生している。第2ハイサイドライン14には、第2電圧V2が発生している。ローサイドライン15は、第3電圧V3が発生している。たとえば第1電圧V1は20V、第2電圧V2は5V、第3電圧V3は0Vである。
【0025】
インバータ16は、入力信号INを反転する。
【0026】
第1トランジスタM1および第2トランジスタM2は、高耐圧素子であるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。第1トランジスタM1は、ソースが第1ハイサイドライン13と接続され、ゲートに入力信号INを受ける。第2トランジスタM2は、ソースが第1ハイサイドライン13と接続され、ゲートにインバータ16の出力信号を受ける。
【0027】
第3トランジスタM3および第4トランジスタM4は、NチャンネルMOSトランジスタである。第3トランジスタM3のソースはローサイドライン15と接続され、ドレインは第1トランジスタM1のドレインと接続される。第4トランジスタM4のソースは、ローサイドライン15と接続され、ドレインは第2トランジスタM2のドレインと接続される。
【0028】
第5トランジスタM5および第6トランジスタM6は、NチャンネルMOSトランジスタである。第5トランジスタM5のドレインは第2ハイサイドライン14と接続され、ソースは出力ノード12と接続され、ゲートは第1トランジスタM1のドレインと接続される。
【0029】
第6トランジスタM6のソースはローサイドライン15と接続され、ドレインは出力ノード12と接続され、ゲートは第2トランジスタM2のドレインと接続される。
【0030】
以上がレベルシフトダウン回路10の構成である。続いてその動作を説明する。
【0031】
入力信号INがハイであるとき、第1トランジスタM1がオフ、第2トランジスタM2がオンとなる。第2トランジスタM2がオンとなると、第6トランジスタM6のゲートがハイ(V1)となり、第6トランジスタM6がオンとなる。第2トランジスタM2がオンとなると、第3トランジスタM3のゲートがハイ(V1)となり、第3トランジスタM3がオンとなる。このとき第5トランジスタM5のゲートはロー(V3)であるから第5トランジスタM5はオフである。この状態では、出力ノード12の出力信号OUTはロー(V3)となる。
【0032】
入力信号INがローであるとき、第1トランジスタM1がオン、第2トランジスタM2がオフとなる。第1トランジスタM1がオンとなると、第5トランジスタM5のゲートがハイ(V1)となり、第5トランジスタM5がオンとなる。また第1トランジスタM1がオンとなると、第4トランジスタM4のゲートがハイ(V1)となり、第4トランジスタM4がオンとなる。このとき第6トランジスタM6のゲートはロー(V3)であるから第6トランジスタM6はオフである。この状態では、出力ノード12の出力信号OUTはハイ(V2)となる。
【0033】
以上がレベルシフトダウン回路10の動作である。このレベルシフトダウン回路10によれば、入力信号INをレベルシフトダウンすることができる。
【0034】
レベルシフトダウン回路10の利点は、いくつかの比較技術との対比によって明確となる。ここで説明する比較技術は、本発明者が検討した回路であって、公知技術とは限らない。
【0035】
図2は、比較技術1に係るレベルシフトダウン回路10Aの回路図である。
図2では、
図1の第5トランジスタM5が、PMOSトランジスタである第7トランジスタM7に置換されており、第6トランジスタM6と第7トランジスタM7は、CMOSインバータ17を構成している。その他は
図1と同じである。
【0036】
一般に、PMOSトランジスタのゲート耐圧は、NMOSトランジスタのゲート耐圧に比べて低い。そのため出力段の第7トランジスタM7のゲートには、ハイ電圧として第1電圧V
1が印加されうる。したがって、
図2のレベルシフトダウン回路10Aは、第1電圧V
1が20Vを超えるような用途に利用することが難しい。
【0037】
これに対して、
図1のレベルシフトダウン回路10は、出力段のトランジスタM5,M6がいずれもNMOSトランジスタであるため、第1電圧V
1が20Vを超える用途にも利用することができる。
【0038】
図3は、比較技術2に係るレベルシフトダウン回路10Bの回路図である。
図3では、
図1の第5トランジスタM5がプルアップ抵抗R1に置換されている。その他は
図1と同じである。
【0039】
比較技術2では、PMOSトランジスタを利用していないため、第1電圧V
1が高い用途に適している。ところが、出力信号OUTがローからハイに遷移する際に、プルアップ抵抗R1を経由して出力ノード12に供給される電流によって、電圧遷移が発生するため、動作速度が遅いという問題がある。これに対して
図1のレベルシフトダウン回路10では、第5トランジスタM5を介して出力信号OUTがハイにプルアップされるため、高速動作が可能となる。
【0040】
図4は、比較技術3に係るレベルシフトダウン回路10Cの回路図である。レベルシフトダウン回路10Cは、
図2のレベルシフトダウン回路10Aに加えて、ダイオードD1,D2、トランジスタM8~M10、電流源20を備える。トランジスタM8~M10は、電流源20が生成する電流Icを折り返すカレントミラー回路である。トランジスタM9およびM10に電流が流れることにより、それらのドレインソース間電圧が一定に保たれ、トランジスタM1,M2のソース電圧は、第1電圧V
1からよりも低い電圧V
1’となる。そのため、CMOSインバータ17の入力電圧のハイ電圧は、V
1ではなく、V
1’となる。そのため、CMOSインバータ17のPMOSトランジスタのゲート耐圧の問題が解決される。
【0041】
しかしながら、
図4の構成では、トランジスタおよびダイオードが追加されるため、
図1に比べて回路面積が著しく大きくなる。これに対して、
図1のレベルシフトダウン回路10は、
図4のレベルシフトダウン回路10Cに比べて小面積である。
【0042】
比較技術1~3との対比から分かるように、実施形態に係るレベルシフトダウン回路10は、高速動作と、小面積を両立できている。
【0043】
図1に戻る。回路面積を小さくするために、第1トランジスタM1および第2トランジスタM2は、共通のウェルに形成するとよい。また第3トランジスタM3および第4トランジスタM4は、共通のウェルに形成してもよい。
【0044】
ローサイドライン15は、ハイ電圧VM(たとえば15V)とロー電圧0V(あるいは-Vf、Vfはダイオードの順電圧)の2レベルの間でスイングするスイッチング電圧VSWであってもよい。この場合、第2電圧V2は、スイッチング電圧VSWとの電位差を一定(たとえば5V)に保ちながらスイッチング電圧VSWと連動してスイングする電圧であってもよい。
【0045】
続いてレベルシフトダウン回路10の用途を説明する。
【0046】
図5は、レベルシフトダウン回路10を備えるモータドライバ回路100の回路図である。モータドライバ回路100は、ハイサイドトランジスタMH、ローサイドトランジスタML、ロジック回路110、レベルシフトアップ回路120、レベルシフトダウン回路130、ハイサイドドライバ140、ローサイドドライバ150を備える。ハイサイドトランジスタMHとローサイドトランジスタMLには、モータのコイルが接続される。ここでは1相分の構成だけを示しているが、モータは3相であってもよい。
【0047】
ロジック回路110は、ハイサイドトランジスタMHのオン、オフを指示する制御信号SHと、ローサイドトランジスタMLのオン、オフを指示する制御信号SLを生成する。レベルシフトアップ回路120は、制御信号SHをレベルシフトアップし、ハイサイドドライバ140に供給する。ハイサイドドライバ140は、制御信号SH’に応じてハイサイドトランジスタMHを駆動する。またハイサイドドライバ140は、ハイサイドトランジスタMHの状態やハイサイドドライバ140自身の状態を示す検出信号S1を生成する。レベルシフトダウン回路130は、検出信号S1を、レベルシフトダウンし、ロジック回路110へと供給する。ローサイドドライバ150は、制御信号SLに応じてローサイドトランジスタMLを駆動する。
【0048】
上述のレベルシフトダウン回路10は、
図5のレベルシフトダウン回路130として利用することができる。
【0049】
続いてモータ駆動装置300の用途を説明する。モータ駆動装置300は、ハードディスクのスピンドルモータの制御、撮像デバイスのレンズ駆動用モータの制御に利用できる。あるいは、プリンタのヘッドの駆動用モータ、あるいは紙送り用モータの駆動に用いることができる。あるいはモータ駆動装置300は、電気自動車やハイブリッド自動車などのモータの駆動に利用できる。
【0050】
実施形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【0051】
(付記)
本明細書には以下の技術が開示される。
【0052】
(項目1)
入力信号を受ける入力ノードと、
出力ノードと、
第1電圧が発生している第1ハイサイドラインと、
第2電圧が発生している第2ハイサイドラインと、
第3電圧が発生しているローサイドラインと、
入力信号を反転するインバータと、
ソースが前記第1ハイサイドラインと接続され、ゲートに入力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第1トランジスタと、
ソースが前記第1ハイサイドラインと接続され、ゲートに前記インバータの出力信号を受けるPチャンネル二重拡散型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである第2トランジスタと、
ソースが前記ローサイドラインと接続され、ドレインが前記第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第3トランジスタと、
ソースが前記ローサイドラインと接続され、ドレインが前記第2トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第4トランジスタと、
ドレインが前記第2ハイサイドラインと接続され、ソースが前記出力ノードと接続され、ゲートが前記第1トランジスタのドレインと接続されたNチャンネルMOSトランジスタである第5トランジスタと、
ソースが前記ローサイドラインと接続され、ドレインが前記出力ノードと接続され、ゲートが前記第2トランジスタのドレインと接続された第6トランジスタと、
を備える、レベルシフトダウン回路。
【0053】
(項目2)
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタは、共通のウェルに形成された、項目1に記載のレベルシフトダウン回路。
【0054】
(項目3)
前記第3トランジスタおよび前記第4トランジスタは、共通のウェルに形成された、項目1または2に記載のレベルシフトダウン回路。
【0055】
(項目4)
前記第3電圧は、接地電圧である、項目1から3のいずれかに記載のレベルシフトダウン回路。
【0056】
(項目5)
前記第3電圧は、スイッチング電圧であり、
前記第2電圧は、前記スイッチング電圧よりも所定電圧、相対的に高い電圧である、項目1から3のいずれかに記載のレベルシフトダウン回路。
【0057】
(項目6)
ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタを含むブリッジ回路と、
前記ハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドドライバ回路と、
ロジック回路と、
前記ロジック回路と前記ハイサイドドライバ回路との間の信号の伝送経路に設けられた項目1から5のいずれかに記載のレベルシフトダウン回路と、
を備える、モータドライバ回路。
【0058】
(項目7)
モータと、
前記モータを駆動する項目6に記載のモータドライバ回路と、
を備える、電子機器。
【符号の説明】
【0059】
10 レベルシフトダウン回路
11 入力ノード
12 出力ノード
13 第1ハイサイドライン
14 第2ハイサイドライン
15 ローサイドライン
16 インバータ
M1 第1トランジスタ
M2 第2トランジスタ
M3 第3トランジスタ
M4 第4トランジスタ
M5 第5トランジスタ
M6 第6トランジスタ
100 モータドライバ回路
110 ロジック回路
120 レベルシフトアップ回路
130 レベルシフトダウン回路
140 ハイサイドドライバ
150 ローサイドドライバ